『ハンターA、透過魔法を用いて旧魔王軍地下豪の会議室に潜入に成功、これよりヴァンパイア共の会議の録音を開始する』







ｻﾞｻﾞｻﾞ……ｻﾞ……こ…ｻﾞ…な……あ……ｻﾞｻﾞ……ｶﾞｶﾞｶﾞ



ﾋﾟｨｰ


『今月に入って西区と北区は全員成婚しました、残るは東区と私たち南区だけです』

『ふむ、東区の詳細は』

『統率者のスターニィー1人のみとなっております』

『あの変態なら朝に連絡があった、とある手段を使えば旦那ができたとな、くそっ、自慢かくそっ私にはできそうにないぞっ』

『皆の前ですよ、落ち着いて下さいマリーナ様』

『ふん、リディアよ、お前も仕事にかまけてないで、早く良き伴侶をみつけるのだぞ？　最近はのんびりしてるが、まさか旦那探しを諦めて』

『あ、昨日成婚しました』

『…………そ、そうか、おめでとう、末永く幸せに、な？』

『はい』

『え、ええとそうだ、東区は全員成婚と、で、では、ここの未婚者はあと何人だ』

『1人、です』

『………………………リディアよ』

『はい』

『私は冗談が好きではない、分かっているな？　さぁ教えてくれ、未婚者はあと何人だ？』

『1人です』

『お前も冗談を言うのだな初めて知ったぞしかしセンスが壊滅的だな笑えない非常に笑えないだから冗談はやめてくれ、いいかもう一度いうぞ？　未婚者は、あと、何人だ』

『ひ、と、り、で、す』

『………………命令だ、リディアと未婚者のみここに残れ、あとは退室しろ』

ｶﾁｬ……ｻﾞﾜｻﾞﾜ……ｷﾉｳ……ﾀﾞﾝﾅﾄ……ﾏｧ……ｷｨｰ……………ﾊﾞﾀﾝ

『なぜ伴侶が見つからないんだ！　ああ分かってるさ！　いつもいつも机の上で紙と睨み合ってるからさ出会いなんぞあるわけがない！　でもな！？』

『統率者である私が仕事を投げて色恋にかまけていては回るモノも回らん！　しかし仕事量が多すぎだ！　月に１度、半日外に出られるかどうかの中で！　旦那を見つけろだと！？　そんな暇あるかぁ！　もう我慢ならん私は言いたい事を言うぞ！』

『成婚どころか相手すら見つからん私を横にホイホイと成婚する貴様らが大っきらいだ！！！』

『マリーナ様にも、そのうち良い巡り合わせがありますって、たとえばそこの』

『すました顔して言いおって！　ホント余裕があっていいなクソッ！　お前ら大っ嫌いだヴァァァァカ！！！』

『……いえいえ、ベットの上ではあまり余裕がありませんよ？』

『突然のろけ始めるな！　嫌味か！？　嫌味なのか！？　ああん？』

ﾀﾞﾝｯ!

『チクショウメェェェ！！！！』

『回りからヒソヒソと聞こえる旦那アレ自慢！　夜のプレイの内容！　どれもこれもとても魅力的なモノばかりだ！』

『いまだに見えない我が夫の姿を想像して自分を慰める日々が続きすぎてもはや己の右手が恋人の状態！　しかし、性欲は、溜まる一方なのだよ……』

『いっそのこと全裸で人の町に突撃してやろうか！？　スターニィーのように！』

『教えてくれ、私に足りないのは何だと思う？　胸か、無きに等しいこの胸を大きくすればいいのか？』

『……ハハッ、それにしても皆の胸は大きいなぁ！　おっぱいぷるーんぷるんだなぁ！！！』

『何を食えばそんなに大きくなるのか是非とも知りたい！　ホルスタウロスの乳か？　デーモンとの取引か？　私はなんでもやってやるぞ！』

『もっともそんな時間があればの話だがな！？　ハンッ、私が今できる事と言えば寝る前にやるバストアップ運動ぐらいだ、効果は見てのとおりだ笑えんな！　ハハハッ……ハッ……ハァ……』

『………………分かってはいるさ、自分に足りないモノが何なのか知ってはいるさ、でもどうしても男を前にするとあがってしまうんだ、そしてついつい睨んでしまうんだ、どうしたらいいのだ……本当に……』

『…………いっそのこと独身を貫こうかなぁ……ハァ』

『マリーナ様』

『……ああリディアよ、下がっていいぞ、取り乱してすまんな』

『とりあえず、あがり症を克服してみてはどうでしょうか？』

『克服するにも男がいないぞ』

『いえ、さっきからそこにいますよ？』

『はぁ？……あっ、い、いた！』

『まずいっ』

『確保しときますねー』





ｶﾞｼｬﾝ……ｶﾞｶﾞ……ﾅﾆｦｽﾙ……ﾋﾟｰｶﾞｶﾞ……ｵｯ､ｵﾄｺ…………ﾋﾄﾏｽﾞﾛｳﾔﾉﾎｳﾍ…………ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞﾋﾟｰｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｰ………………

■作者メッセージ
元ネタ
総統閣下シリーズ