第二話 出会い
目が覚めると、オレは小さな部屋に横になっていた。
オレは森の中で気を失って、それから・・・
それから先はまったく覚えていない。いや、覚えているはずがない。
それよりも今は、今オレはどんな状況なのか調べないと。
オレはベッドから身を起こして辺りを見渡してみた。
部屋はどうやら誰も使っていないのか、物が一つもありはしなかった。
オレはベッドから起き上がろうとしたとき、誰かが部屋に入ってきた。
「起きたか」
声の高さからすると、多分女性だな。
そう思い、足音の鳴るほうを見ると、確かに女性ではあるのだが・・・
「ん??何だ。何かついているか??」
スラリと伸びた足、くびれがしなやかな線をえがくほどの腰まわり、そしてタユンタユンに揺れる胸、清廉な顔立ち。
そして・・・ ・・・
きめ細かく鱗のついたシッポ。
明らかに人ではなかった。
記憶の中で、微かに残っていた祖父の書庫にあった本の中に出てきた『リザードマン』にそっくりだ。
(まだ夢でも見ているのか??)
そう思って、思いっきり頭を壁に打ち付ける。
ゴンッ!!
うん、やはり痛い。
夢でないことを確認したオレは、彼女に向き直った。
オレの突然の奇行に驚きながらも、手に持っていた料理をテーブルに置いた。
「それで、何で触手の森の中で1人、倒れていたのだ??」
「触手の森??」
あのウネウネした植物たちが群がっていた森のことだろうか。
オレが考え込んでいたら、彼女はため息をついた。
「まさか、自分が何処にいたのかもわからなかったのか。
それで、何であの森の中で倒れていたのか、理由を聞かせてもらえないと、こちらも困るのだが」
「変な植物に追いかけられて、疲れて寝てしまっていました」
変な光のせいで、こんな訳のわからない世界に来てしまったんだ、こちらが理由を聞きたいぐらいだ。
そして、オレは彼女と話しているときにずっと疑問に思ったことを尋ねた。
「それにしても、ここはいったい何処なんですか??」
「??何を馬鹿なことを言っている。ここは魔王城のギルド本部だが」
魔王城!!??
何だよ、本当にここは異世界じゃないか!!
ああ、頭が痛くなってきた。
何でオレは、こんなにも不幸な目に合わないといけないだよ!!
オレはしばらく頭を抱え込んだ。
そのとき、彼女がオレに希望を持たせてくれた。
「黒髪であるというと、お前はジパング人のようだが」
ジパング??それって・・・
日本史であった、日本の昔の名称だったはず。
俺の頭の中に、ある友人の言葉が響き渡った。
『異世界には、自分とまったく同じ人がいるって知ってた??』
ここが、異世界と仮定するなら・・・
もしかして!!
オレはベッドから思いっきり飛び上がった。
「ジパングにいく方法、あなたは知っていますか!?」
オレは彼女に問い詰めた。
オレの世界では果たされる事の無かった事が、ここでならできるかもしれない。
彼女はオレのいきなりの行動に、驚きながらも答えてくれた。
「ああ、知っているが、ここは魔王城だから、ジパングに行くのには時間とお金がたくさんかかるぞ??」
お金は持っていないが、ここはギルドの本部と言っていたから、ここで働ければ、それぐらいは稼ぐことができるかもしれない
なら、ここでじっとしているわけにはいかない!!
オレは彼女に、ギルドの加入を申し込んだが・・・・
その前に、オレは重大なことを忘れていた。
オレはこの世界のことを何一つ知らない。
当然、お金の数え方も、文字も知らないのだ。
誰かに教えてもらわないと・・・・
そう思い、考え込んでいると、部屋に彼女とは別の女性が入ってきた。
見た目的にこの人は・・・『アルラウネ』だったような気がする。
その女性は部屋に入ってくると同時に、オレを上から下までなめまわすように見てくる。
なにやら危機感を感じてきた。
「ふ〜ん、なかなかのイケメンじゃないの。
セラ、この男の子貰っていいかしら♪♪」
「元々、私の所有物ではない。どうなろうが知らない」
「そんな事言っているから、彼氏が出来ないのよ」
「なっ!!失礼な!!私だっていつかは作ってやるさ。
ルナだって、そんなことしているくせに、未だに独身なのはどうしてか、知りたいものだな」
「へえ、言ってくれるじゃないの」
二人ともどす黒いオーラをまとい始めた。
オレは二人の会話をずっと眺めていた。
(女の喧嘩って怖いね)
小1時間後・・・・
ようやく、口げんかも終わったらしく、本題であるギルドの加入についての話に入った。
「それで、うちのギルドに入るといったものの、読み書きできないとなるとねえ・・・」
オレが読み書きできないことなど、今わかっていることを素直に話した。
けれども異世界から来たことは、真実味に欠けてしまうので、黙っておいた。
ルナは少し考え、そして、何かをひらめいた。
「そうよ、セラに教えてもらえばいいわ!!
報酬はそうね・・・『彼自身』でどうかしら♪」
おいおい、何で俺が報酬の中に入ってんの。
勘弁してくれよ、異世界に来ていきなり人身売買かよ。
「やめとく。そんな利益のない仕事なんて」
セラはそのまま席を立ち、部屋から出ようとした。
「そう、残念ね。
彼、あなたの相手ぐらい出来そうなのにね」
ルナはふと、オレの荷物のほうに目をやっていた。
そこには、刃が潰れている刀が置いてあった。
オレがいつも練習で使っている物だ。
セラは部屋から出ようとするのを止めた。
「どうかしら??引き受ける??」
セラは少し考えた末、オレをとある小屋にまで連れて行った。
そこはどうやら訓練場らしく、たくさんの武器がおかれている。
ここに来たということは・・・・
「腕を示せってか」
「ああ、貴様がそれ相応の力があるのか、見極めさせてもらう」
セラはゆっくりと自分の剣を引き抜いた。
勝てば依頼成立、負ければ不成立。
いたって単純なルールだ。
(なら、ここで負けるわけにはいかないな)
オレは刃が潰れた刀を構えた。
武器の面からして、圧倒的に不利だが、ここであきらめるわけにはいかない。
それに、祖父から教えてもらった剣術がある。
負けたりすることはないだろう。
「さあ、始めようぜ!!」
裕也 VS セラ
『魔王城訓練場』にて試合開始
オレは森の中で気を失って、それから・・・
それから先はまったく覚えていない。いや、覚えているはずがない。
それよりも今は、今オレはどんな状況なのか調べないと。
オレはベッドから身を起こして辺りを見渡してみた。
部屋はどうやら誰も使っていないのか、物が一つもありはしなかった。
オレはベッドから起き上がろうとしたとき、誰かが部屋に入ってきた。
「起きたか」
声の高さからすると、多分女性だな。
そう思い、足音の鳴るほうを見ると、確かに女性ではあるのだが・・・
「ん??何だ。何かついているか??」
スラリと伸びた足、くびれがしなやかな線をえがくほどの腰まわり、そしてタユンタユンに揺れる胸、清廉な顔立ち。
そして・・・ ・・・
きめ細かく鱗のついたシッポ。
明らかに人ではなかった。
記憶の中で、微かに残っていた祖父の書庫にあった本の中に出てきた『リザードマン』にそっくりだ。
(まだ夢でも見ているのか??)
そう思って、思いっきり頭を壁に打ち付ける。
ゴンッ!!
うん、やはり痛い。
夢でないことを確認したオレは、彼女に向き直った。
オレの突然の奇行に驚きながらも、手に持っていた料理をテーブルに置いた。
「それで、何で触手の森の中で1人、倒れていたのだ??」
「触手の森??」
あのウネウネした植物たちが群がっていた森のことだろうか。
オレが考え込んでいたら、彼女はため息をついた。
「まさか、自分が何処にいたのかもわからなかったのか。
それで、何であの森の中で倒れていたのか、理由を聞かせてもらえないと、こちらも困るのだが」
「変な植物に追いかけられて、疲れて寝てしまっていました」
変な光のせいで、こんな訳のわからない世界に来てしまったんだ、こちらが理由を聞きたいぐらいだ。
そして、オレは彼女と話しているときにずっと疑問に思ったことを尋ねた。
「それにしても、ここはいったい何処なんですか??」
「??何を馬鹿なことを言っている。ここは魔王城のギルド本部だが」
魔王城!!??
何だよ、本当にここは異世界じゃないか!!
ああ、頭が痛くなってきた。
何でオレは、こんなにも不幸な目に合わないといけないだよ!!
オレはしばらく頭を抱え込んだ。
そのとき、彼女がオレに希望を持たせてくれた。
「黒髪であるというと、お前はジパング人のようだが」
ジパング??それって・・・
日本史であった、日本の昔の名称だったはず。
俺の頭の中に、ある友人の言葉が響き渡った。
『異世界には、自分とまったく同じ人がいるって知ってた??』
ここが、異世界と仮定するなら・・・
もしかして!!
オレはベッドから思いっきり飛び上がった。
「ジパングにいく方法、あなたは知っていますか!?」
オレは彼女に問い詰めた。
オレの世界では果たされる事の無かった事が、ここでならできるかもしれない。
彼女はオレのいきなりの行動に、驚きながらも答えてくれた。
「ああ、知っているが、ここは魔王城だから、ジパングに行くのには時間とお金がたくさんかかるぞ??」
お金は持っていないが、ここはギルドの本部と言っていたから、ここで働ければ、それぐらいは稼ぐことができるかもしれない
なら、ここでじっとしているわけにはいかない!!
オレは彼女に、ギルドの加入を申し込んだが・・・・
その前に、オレは重大なことを忘れていた。
オレはこの世界のことを何一つ知らない。
当然、お金の数え方も、文字も知らないのだ。
誰かに教えてもらわないと・・・・
そう思い、考え込んでいると、部屋に彼女とは別の女性が入ってきた。
見た目的にこの人は・・・『アルラウネ』だったような気がする。
その女性は部屋に入ってくると同時に、オレを上から下までなめまわすように見てくる。
なにやら危機感を感じてきた。
「ふ〜ん、なかなかのイケメンじゃないの。
セラ、この男の子貰っていいかしら♪♪」
「元々、私の所有物ではない。どうなろうが知らない」
「そんな事言っているから、彼氏が出来ないのよ」
「なっ!!失礼な!!私だっていつかは作ってやるさ。
ルナだって、そんなことしているくせに、未だに独身なのはどうしてか、知りたいものだな」
「へえ、言ってくれるじゃないの」
二人ともどす黒いオーラをまとい始めた。
オレは二人の会話をずっと眺めていた。
(女の喧嘩って怖いね)
小1時間後・・・・
ようやく、口げんかも終わったらしく、本題であるギルドの加入についての話に入った。
「それで、うちのギルドに入るといったものの、読み書きできないとなるとねえ・・・」
オレが読み書きできないことなど、今わかっていることを素直に話した。
けれども異世界から来たことは、真実味に欠けてしまうので、黙っておいた。
ルナは少し考え、そして、何かをひらめいた。
「そうよ、セラに教えてもらえばいいわ!!
報酬はそうね・・・『彼自身』でどうかしら♪」
おいおい、何で俺が報酬の中に入ってんの。
勘弁してくれよ、異世界に来ていきなり人身売買かよ。
「やめとく。そんな利益のない仕事なんて」
セラはそのまま席を立ち、部屋から出ようとした。
「そう、残念ね。
彼、あなたの相手ぐらい出来そうなのにね」
ルナはふと、オレの荷物のほうに目をやっていた。
そこには、刃が潰れている刀が置いてあった。
オレがいつも練習で使っている物だ。
セラは部屋から出ようとするのを止めた。
「どうかしら??引き受ける??」
セラは少し考えた末、オレをとある小屋にまで連れて行った。
そこはどうやら訓練場らしく、たくさんの武器がおかれている。
ここに来たということは・・・・
「腕を示せってか」
「ああ、貴様がそれ相応の力があるのか、見極めさせてもらう」
セラはゆっくりと自分の剣を引き抜いた。
勝てば依頼成立、負ければ不成立。
いたって単純なルールだ。
(なら、ここで負けるわけにはいかないな)
オレは刃が潰れた刀を構えた。
武器の面からして、圧倒的に不利だが、ここであきらめるわけにはいかない。
それに、祖父から教えてもらった剣術がある。
負けたりすることはないだろう。
「さあ、始めようぜ!!」
裕也 VS セラ
『魔王城訓練場』にて試合開始
12/04/20 00:17更新 / マドレ〜ヌ
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