『魔女を宅急便』
ん〜、今日も新しい朝が来ました。 希望の朝です。
俺こと黒須 直哉がバフォ様に拉致されてから数週間が経過しました。
こちらでの生活は色々と不便なこともありますが、そのことにも随分と慣れてきたところです。
さてと……
目を覚ました俺は寝台から体を起こして体を伸ばし、気だるさを残す身体を覚醒させる。
そして、寝惚け眼を擦りながら与えられた部屋を見渡す。
簡素な家具があるのみで、飾気のない部屋だ。
まぁ、着の身着のまま拉致されたんだし、荷物が無いのは当たり前のことなんだけどね。
さて、とりあえず時計を確認してと……… うん、ちゃんと朝食の前に起きれた。
こっちの世界に来てから生活習慣がかなり改善されるようになったな〜。
まぁ、夜更かしをしてまでやることがないってのが理由なんだろうけどね。
さてと、まずは着替えをしてっと、んー今日の予定はどうしようかな………
……そう考えていると。
「ナオヤーーー! 朝じゃぞ!起きるのじゃ!」
バフォ様が元気いっぱい、と言った様子で部屋の中へ突貫してきました。
とりあえず、まずは朝バフォから始まるようです。
「バフォ様、おはようございます」
「うむ、おはよーなのじゃ♪ ところでナオヤよ、昨日はよく眠れたかの?」
「ええ、おかげ様でぐっすりと」
部屋に設置されていた寝台は以前酒場で生活していたときと比べても、かなり良いものでした。
ふかふかで最高の寝心地なのです。
まぁ、一人で寝るには少々大きすぎる気がしないでもないけどね。
「それで、朝からなにか用ですか?」
「おお、そうじゃ。 そのな、ナオヤと一緒に朝ごはんを食べたくて呼びに来たのじゃ♪」
嬉しいこと言ってくれるじゃないですか。
お礼に感謝のなでなでをしてあげよう。 なでなで、なでなで。
……この感覚、なんだか癖になりそうで怖いな。 なでなで、なでなで。
「////////////」
ああ、やはり至高の撫で心地だ。 HP(平常心ポイント)がガリガリと削られていく気がするな。
………よし、なでなでは十分に堪能した。
「さてと…… ではバフォ様、行きましょうか」
「//////………はッ! ナ、ナオヤよ、なにをするのじゃッ!!」
「なにをと問われるとなでなでしたと答えますです。はい」
「な、なでなではダメじゃと言ったじゃろうが!!!」
「はて? 二人きりの時ならいいと聞きましたが」
「む?むぅ? ……そうじゃったかの?」
いや、聞いてないけどね。
人前ではダメと言われたのを捻くれて解釈しただけです。
「むぅ、ならば特別に許してやるのじゃ。 ただしッ!人前ではするでないぞ!!!」
「はい、二人だけの秘め事ですね」
「ひ、秘め/// ……と、とにかく約束じゃぞ。 よいなッ、ナオヤよ!!!」
「はい、了解しました」
「うむ、判ればよいのじゃ。 ではナオヤよ、食堂へ向かうぞ」
バフォ様はそう言いながら俺の前にその小さな手を差し出した。
「……バフォ様、その手はなんでしょうか?」
「そのな、なでなでは禁止じゃがな、手を繋ぐくらいならしてもいいのじゃ////////////」
なるほど、なでなで以外のスキンシップは禁じていないと。
……にやり。
よし、それならば………
「バフォ様、少しの間そのまま動かないでくださいね」
「む?よくわからんが動かなければよいのか?」
「はい、そのまま。 では、少々失礼ますね」
よっと。
俺は傍に立つバフォ様を抱え上げ、その腕の中に収めた。
いわゆる、お姫様だっこの体勢だ。
「ふむ、やはりと言いますか予想以上に軽いですね」
「な、な、な、//////////// なあああああああああああああああああ/////////////」
「さ、行きましょうかバフォ様」
腕の中に抱かれたバフォ様の顔を覗くと真っ赤に染まってました。
それでも暴れて腕を振りほどかないあたり、満更でもないといったところでしょうか?
さて、ではこのまま食堂へと向かいましょうか。
俺はバフォ様を抱え上げたまま部屋を出て、廊下を歩いていく。
「なああああああああああああああああああああああ////////////
ナオヤよ!!!なにをしておるのじゃあああああああああああああ////////////」
「バフォ様、あまり大声を出すと人に見られてしまいますよ」
……というか、現在進行形で注目の的って感じですが。
自分からやっておいてなんだけど、ちょっと恥ずかしい。
「と、とにかく降ろすのじゃ!!! ナオヤよ、はやく降ろさぬか!!!」
「はっはっはっ、聞こえませんなあ」
「嘘を言うでないわッ!!! 主は何故にわしの言うことを聞かんのじゃ!!!
判っておるのか、わしはバフォメットなのじゃぞ!!!偉いのじゃぞ!!!」
「拝め、敬え、奉れですか?」
「判っておるのなら、はやく降ろすのじゃあああああああああああああ////////////」
「ええぇ、そんなぁ〜〜〜」
「残念そうな声を出しても、ダメなものはダメなのじゃ!!!」
「はぁ…… 仕方ないですね………」
「わ、わかったならはやく降ろすのじゃ////////////」
なに勘違いしているんだ。
まだ俺のバフォるフェイズは終了してないぜ。
「ということで、このまま行かせて頂きますね」
「なッ!! 降ろしてくれるのではないのかッ!?」
「いえいえ、そのようなことは言ってませんよ」
「なああああああああああああああああああああああ////////////」
……結局、俺はこのままバフォ様を抱えたまま食堂までの道を練り歩いた。
いやぁ、こちらに来てから毎日が楽しくて楽しくて堪りませんなぁ。
「降ろせええええええええええええええええ////////////
降ろすのじゃあああああああああああああ////////////」
その後、食堂にて………
バフォ様に警戒されて、隣の席に座らせて貰えませんでした。
隣に座ろうとすると、顔を真っ赤にして睨んでくるんですもの。
……少々、やり過ぎたかな。 ゴメンね、バフォ様。
「あぅぅ、恥ずかしかったのじゃ〜////// ……………じゃが、偶にならして貰うのもよいかもしれんな////////」
俺こと黒須 直哉がバフォ様に拉致されてから数週間が経過しました。
こちらでの生活は色々と不便なこともありますが、そのことにも随分と慣れてきたところです。
さてと……
目を覚ました俺は寝台から体を起こして体を伸ばし、気だるさを残す身体を覚醒させる。
そして、寝惚け眼を擦りながら与えられた部屋を見渡す。
簡素な家具があるのみで、飾気のない部屋だ。
まぁ、着の身着のまま拉致されたんだし、荷物が無いのは当たり前のことなんだけどね。
さて、とりあえず時計を確認してと……… うん、ちゃんと朝食の前に起きれた。
こっちの世界に来てから生活習慣がかなり改善されるようになったな〜。
まぁ、夜更かしをしてまでやることがないってのが理由なんだろうけどね。
さてと、まずは着替えをしてっと、んー今日の予定はどうしようかな………
……そう考えていると。
「ナオヤーーー! 朝じゃぞ!起きるのじゃ!」
バフォ様が元気いっぱい、と言った様子で部屋の中へ突貫してきました。
とりあえず、まずは朝バフォから始まるようです。
「バフォ様、おはようございます」
「うむ、おはよーなのじゃ♪ ところでナオヤよ、昨日はよく眠れたかの?」
「ええ、おかげ様でぐっすりと」
部屋に設置されていた寝台は以前酒場で生活していたときと比べても、かなり良いものでした。
ふかふかで最高の寝心地なのです。
まぁ、一人で寝るには少々大きすぎる気がしないでもないけどね。
「それで、朝からなにか用ですか?」
「おお、そうじゃ。 そのな、ナオヤと一緒に朝ごはんを食べたくて呼びに来たのじゃ♪」
嬉しいこと言ってくれるじゃないですか。
お礼に感謝のなでなでをしてあげよう。 なでなで、なでなで。
……この感覚、なんだか癖になりそうで怖いな。 なでなで、なでなで。
「////////////」
ああ、やはり至高の撫で心地だ。 HP(平常心ポイント)がガリガリと削られていく気がするな。
………よし、なでなでは十分に堪能した。
「さてと…… ではバフォ様、行きましょうか」
「//////………はッ! ナ、ナオヤよ、なにをするのじゃッ!!」
「なにをと問われるとなでなでしたと答えますです。はい」
「な、なでなではダメじゃと言ったじゃろうが!!!」
「はて? 二人きりの時ならいいと聞きましたが」
「む?むぅ? ……そうじゃったかの?」
いや、聞いてないけどね。
人前ではダメと言われたのを捻くれて解釈しただけです。
「むぅ、ならば特別に許してやるのじゃ。 ただしッ!人前ではするでないぞ!!!」
「はい、二人だけの秘め事ですね」
「ひ、秘め/// ……と、とにかく約束じゃぞ。 よいなッ、ナオヤよ!!!」
「はい、了解しました」
「うむ、判ればよいのじゃ。 ではナオヤよ、食堂へ向かうぞ」
バフォ様はそう言いながら俺の前にその小さな手を差し出した。
「……バフォ様、その手はなんでしょうか?」
「そのな、なでなでは禁止じゃがな、手を繋ぐくらいならしてもいいのじゃ////////////」
なるほど、なでなで以外のスキンシップは禁じていないと。
……にやり。
よし、それならば………
「バフォ様、少しの間そのまま動かないでくださいね」
「む?よくわからんが動かなければよいのか?」
「はい、そのまま。 では、少々失礼ますね」
よっと。
俺は傍に立つバフォ様を抱え上げ、その腕の中に収めた。
いわゆる、お姫様だっこの体勢だ。
「ふむ、やはりと言いますか予想以上に軽いですね」
「な、な、な、//////////// なあああああああああああああああああ/////////////」
「さ、行きましょうかバフォ様」
腕の中に抱かれたバフォ様の顔を覗くと真っ赤に染まってました。
それでも暴れて腕を振りほどかないあたり、満更でもないといったところでしょうか?
さて、ではこのまま食堂へと向かいましょうか。
俺はバフォ様を抱え上げたまま部屋を出て、廊下を歩いていく。
「なああああああああああああああああああああああ////////////
ナオヤよ!!!なにをしておるのじゃあああああああああああああ////////////」
「バフォ様、あまり大声を出すと人に見られてしまいますよ」
……というか、現在進行形で注目の的って感じですが。
自分からやっておいてなんだけど、ちょっと恥ずかしい。
「と、とにかく降ろすのじゃ!!! ナオヤよ、はやく降ろさぬか!!!」
「はっはっはっ、聞こえませんなあ」
「嘘を言うでないわッ!!! 主は何故にわしの言うことを聞かんのじゃ!!!
判っておるのか、わしはバフォメットなのじゃぞ!!!偉いのじゃぞ!!!」
「拝め、敬え、奉れですか?」
「判っておるのなら、はやく降ろすのじゃあああああああああああああ////////////」
「ええぇ、そんなぁ〜〜〜」
「残念そうな声を出しても、ダメなものはダメなのじゃ!!!」
「はぁ…… 仕方ないですね………」
「わ、わかったならはやく降ろすのじゃ////////////」
なに勘違いしているんだ。
まだ俺のバフォるフェイズは終了してないぜ。
「ということで、このまま行かせて頂きますね」
「なッ!! 降ろしてくれるのではないのかッ!?」
「いえいえ、そのようなことは言ってませんよ」
「なああああああああああああああああああああああ////////////」
……結局、俺はこのままバフォ様を抱えたまま食堂までの道を練り歩いた。
いやぁ、こちらに来てから毎日が楽しくて楽しくて堪りませんなぁ。
「降ろせええええええええええええええええ////////////
降ろすのじゃあああああああああああああ////////////」
その後、食堂にて………
バフォ様に警戒されて、隣の席に座らせて貰えませんでした。
隣に座ろうとすると、顔を真っ赤にして睨んでくるんですもの。
……少々、やり過ぎたかな。 ゴメンね、バフォ様。
「あぅぅ、恥ずかしかったのじゃ〜////// ……………じゃが、偶にならして貰うのもよいかもしれんな////////」
11/01/15 19:42更新 / 植木鉢
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