連載小説
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伝えてみたい言葉2
 「付き合ってください」

 この言葉を聴きたい、若しくは言われたいと思う方は沢山いらっしゃると思われます。それでは実際にあった幾つかのパターンを報告いたします。


 ケース1・・・デュラハン

 ほう、この私にその様な事を言うとはな。フフフフ君は知っているのか?私がこの学園で何と呼ばれているのか・・・・
  「女帝、女傑、穢れなき騎士」
 など色々言われているがな。最近ではこんな風に言われてるのだぞ、
  「行かず後家、死ぬまでオトメ(笑)縄の名手(笑)、ドS製造機」
 とな。ま、近寄ってくる男子生徒を打ち負かし続けてきたり、生徒間の争い事を仲裁したり理不尽な事柄なら同僚の教師にすら立ち向かう為に付いたあだ名なのだが、最近のモノはそれに輪をかけて酷くなっているな。まったく言い寄ってくる男子生徒や男性教師を片っ端から叩きのめし続けてそれでも何故か喜んで立ち向かってくるから動けない様に縄で縛って何故か物ほしそうにじっと見つめていた同僚教師のダークエルフやダークプリースト辺りに渡していただけなのだが?
 ま、そんなことはさて置き君も私の噂は知っているよな?それでもこの私に挑戦するというのか?・・・・ほう、真っ直ぐ私だけを観てくるか。怯むでもなくただ直向きに・・・良いだろう、放課後体育館で相手をしよう。剣道部の顧問だから使用許可は訳無いさ、では放課後に体育館で。
 
 (キャ〜〜〜!!!来た来た、来たわよ!!!遂に来た!!!アタシ好みの男の子が!!!クゥ〜〜〜〜!!!!ウザったく言い寄る男どもを他の同僚達に押し付ける代わりにアタシ好みの子が来たら優先してもらえるようにして探し続けたカイがあったわ❤❤❤これで行かず後家とか死ぬまでオトメとかともオサラバできるわね。最近また新しいあだ名が付いたのよね・・・何よ『アイアンメイデン(笑)』なんて!!!・・・おっと、こうしちゃいられないわね。体育館の使用申請をしとかないと、それからおニューの胴着も用意しないと❤❤❤❤あ、下着もお気に入りにしないと)

 ふむ、よく来てくれたな。知っていると思うが一応話しておく、私達デュラハンは自分を倒すことが出来る相手でないと伴侶として認めないのだ。そしてその見込みが無い者とは付き合うこともしない。解るな?つまり私が認めるだけの実力を魅せてみるのだな。
 

       ・・・・では、いざ!勝負!!!
 

 ・・・・・・如何した?足元がふらついているぞ、竹刀も揺れているな。ここまでか?ほう?身体の揺れが治まるか?では続きをするか。
 
 (アア〜〜〜ッ!凄いわ!私にここまで打たれてもへこたれないなんて!そうよ!もっと立ち上がって!そして私に魅せて!!)


 ・・・・・・流石にこれ以上は危険だぞ。明日の事もあるし、君の身体も限界だろ。だから次で最後にしよう。100本目だからキリが良いだろ。さ、構えろ!

 (ハァッ!なんて子なの!ここまでこの私を溶けさせるなんて!でもここで終わりにしないと!でないと、私が!私の方が我慢出来なくなる〜〜〜!!!)


 ・・・・・・見事だ。互いに面に打ち込んでの引き分けとはな。良いだろう、最後の打ち込みに免じて私との交際を認めよう。但し!まだ付き合うのを認めただけだからな。これから精進して強くならなければそこまでだからな、そのことをよく肝に銘じておけ。

 (よ、よかった!このままだと我慢出来なくなるところだった!ア〜〜大人の教師を演じるのも辛いわね。でもこれからが正念場よ。色々教えて私好みの旦那様に仕立ててあげるからね。・・・・育つまで我慢できるかな?後2年あるんだよね・・・ま、いっか。既成事実もありだよね)


 ケース2・・・レッサーサキュバス

 え、わ、私がですか?あの〜〜何かの間違いではありませんか?だ、だって私レッサーサキュバスですよ!名前にレッサーが付いてるんですよ!魔力だって弱いし魔法も殆ど使えませんし身体だって先輩よりもかなり小さいですし・・・その胸だって小さいですし・・・・それに先輩の周りには私より綺麗で魔力も魔法も凄いほぼ完璧な人達がいつもいらっしゃるじゃないですか。だ、だからその人達なら先輩に相応しいですから・・・・その中から選ばれた?!?!

 ・・・・・やめてください。そんな風に優しく抱きしめるなんて

 ・・・・・本気にしちゃいそうになるじゃないですか!こんな、こんな私でも先輩の傍に居られるだけで嬉しかったのに!それだけで十分だったのに!

 ウワ〜〜〜〜ン!!!グスッ!!グシュ!!!ほ、ぼんどうにあだじでいいんでじゅね?!?!・・・・ばい!よ゛ろしくおねがいじまず〜〜〜!!!


 ケース3・・・ワーシープ

 ファ〜〜〜〜。え、なんか言った?ごめ〜〜〜ん。寝ていたみたいで、聴いてなかったんだけど?もう一度言ってもらえるかな?うん、今なら大丈夫だよ。起きたばっかりだから!さあ、お願いね♪♪

 ・・・・え゛?え〜〜と、その〜〜、あの〜〜・・・あ、あたし寝てたみたいだからお返事はまた今度という事でって事にはならないよね〜〜

 う〜〜んとね、その〜〜・・・・えいっ!(抱き着く)

 フフフ、如何?私の抱き心地は?気持ちよくて眠くなってくるでしょ?さあ、私と一緒に気持ちよく眠りましょうね。私と付き合うんだからこうなることは解ってたんでしょ♪う〜〜〜ん、これは良い抱き枕ね〜〜〜♪♪♪校舎の屋上でお日様に当たりながら・・・そしてこの人!!あ〜〜幸せ♪♪♪


 ケース4(1/2)・・・メドゥーサ

 ふん!放課後に教室に残って欲しいなんて言い出すから何かと思ったら。この私より後から来るなんて、アンタ何様のつもりなのよ?!まったく・・・ん?何よ!急に笑顔になるなんて気味が悪いわね。はあ?そう言いながらちゃんと残ってくれているんだから優しいよね?!
 べ、別にそんなんじゃ無いわよ!ただアンタが一人寂しく教室に居るのを笑いに来ただけよ!それだけなんだからね!ホントにそれだけなんだからね!

 (良かった、来てくれて。委員会の仕事、早めに終わらせて待ったかいがあったわ。・・・はあ〜〜〜!何時みても素敵ね!流石私の幼馴染ね)

 はあ〜〜〜、それで!何の用なの?私を残らせたんだからそれなりの理由があるんでしょうね?言っとくけど!ふざけた理由だったらただじゃ置かないんだからね!さあ!早く言いなさいよ!

 ・・・・・・は?

 え、えっと・・・・その・・・・はっ!!

 ふ、ふん!わざわざそんな事を伝えるためだけに私を残らせるなんて!アンタって最っ低よね!本当に、ただそんな事を言うためだけだなんて。

 (やだ!!まさかとは思ってたけど、本当にあの言葉を言われるなんて!)

 ああ、それで返事よね。ま、いいわよ。アンタみたいな人は誰かが見張っていないといけないわよね。それも何時でも見張れるように家も隣りで何時も傍にいても可笑しくない、アンタを引き留めて措けるような女性じゃ無いとね。解ってるわよね、そんなこと出来るのは私だけだという事を!だから私に話したんでしょ!ええ、いいわよ。付き合ってあげるわ。さ!さっさと帰んなさい。明日からは私を毎朝起こしに来るんだからちゃんと早寝早起きしなさいよね。

 ・・・・・・行ったわね。・・・・うん、校舎から出ていったわね。
 やった〜〜〜!!!やった、やった、やった〜〜〜〜!!!!!言われた!遂に言われたわ!!!待ちに待ち続けて遂に言われたわ!!!何時も傍にいて何時も見ていて!ずっと手に入れたいと思って!でも!この性格で素直に言えないから待ち続けて・・・夢じゃないのよね!これからアナタとのバラ色の素晴らしい学園生活が始まるのね!!!!

 !だれ?そこにいるのは?ちょっと!待ちなさい!!!あ、アンタはクラスメイトのネコマタね!待ちなさい!逃がさないわよ!今すぐ見たこと聞いたことを忘れなさ〜い!何処に逃げるのよ?上に向かっても逃げ場なんて無いわよ!!大人しく捕まりなさい!!!そしたら軽いお仕置きで許してあげるわよ!!

 こら〜〜〜!!待ちなさい!!!と、ここに逃げ込んだわね。教室に逃げ込むなんて浅はかよね。ドアに鍵を掛けても無駄なのにね。ほら!早くこの放送室から・・・出て・・・・きn

 !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 や!止めなさい!!それは!それだけは止めて!!!!お願いだから!!それだけは止めて!!!!!

 あ、あ、あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 グッ!バキン!!!!!バガン!!!!!

 フフフフ。やってくれたわね。あら?如何したのですか?そんなに驚いているなんて?ああ、このドアですか。脆いドアですね、私がちょっと力を入れただけで簡単に開いてしまうんですもの。今度担任の教師に言わないといけませんね。
 何処に行こうとしてるのですか?ドアの事を伝えに行くのですか?ありがとうございます、私の代わりにしてくださるなんて。お優しいのですね、本当に。先程の放送といい、本当にお優しいのですね。
 私が怒ってるですって?いえいえ、そんな事ありませんよ。手に持っているモノは何ですか?って。あら、ごめんなさいね。こんな握り潰したドアノブなんて持っていたらお話し出来ませんものね♪

 さあ、私と一緒にお話ししましょうね♪♪♪


 ケース4(2/2)・・・ネコマタ

 オオッッ!!!イイ事聞いちゃったにゃ〜〜!!!メドゥーサちゃんとその幼馴染君の告白の現場!いつものことながら相変わらずのツンツンだにゃ〜。ま、幼馴染君だけでなく、クラスメイトなら誰でもメドゥーサちゃんが本当は優しい子なのは知ってるんだけどにゃ〜。この前も迷子になった子供を交番まで連れて行ってたもんね。本人に話したら『ただ目障りだったから預けただけよ』なんて言うだけだから言わないけど。
 それにしても面白いモノをみれたにゃ〜。これは一大事にゃ!にゅふふふ、明日登校したらみんなに話さないといけにゃいね。

 あ!しまったにゃ!!見つかってしまったにゃ!直ぐにこの場から脱出にゃ!ふにゃ!!やっぱり後を追いかけてきたにゃ!何か言ってるけど、捕まったらお終いにゃのは間違いにゃいにゃ!!こうにゃったら打つ手はただ一つにゃ!!!

 ダダダダ!ガラッ!バン!ガチャ!

 ふ〜〜、これで暫くは入ってこれないにゃ。ニュフフ〜〜〜!!!さて、この放送室の機材のスイッチをいれまして
 
             ピンポンパンポ〜〜ン!

「緊急報告をいたしますにゃ。緊急報告をいたしますにゃ。つい先ほどウチのクラスメイトのメドゥーサちゃんが幼馴染君に告白されまして、めでたくカップルと成ることとなりましたにゃ。校舎に残ってるみんにゃはこの素晴らしいニュースを他の人にも知らせて、明日登校したら是非祝福をしてくださいにゃ」

             ピンポンパンポ〜〜ン!

 は〜〜〜!すっきりしたにゃ!後は窓から脱出するだけにゃ!学校に来るのは一週間くらい後にしないといけにゃいのは仕方にゃいけど、良いことした後は気持ちがいいにゃ。

  バキン!!!!!バガン!!!!!

 な、何にゃ?!この音は?!

 へ?メドゥーサちゃん?!ど、如何してここに入ってこれたにゃ!ちゃんとドアには鍵を掛けてあるはず・・・・にゃっ!ドアがひん曲がってるにゃ!!あのメドゥーサちゃん、そのドアにゃんだけどもしかして??

 そ、そうにゃんだ、それじゃ〜アタシが先生に伝えてくるね。じゃっ!そういう事で・・・・て、ダメにゃんだよね〜〜。いや〜〜、ほらさ、メドゥーサちゃんさ、すっごく幸せだったでしょ!だからさ、それをみんなに知って欲しくてね、それでつい・・・・うん、だからさ、怒らないで落ち着こうよ。だ、だってさ、手で握りしめてるのドアノブでしょ!原型留めないくらい握り潰されてるけど!!だからさ・・・その・・・・あの・・・・・ヒェ〜〜〜〜!!!!!ごめんにゃさいにゃ〜〜〜〜!!!!!
 
 
16/09/07 16:05更新 / 名無しの旅人
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■作者メッセージ
今回は学園ものにしてみました。

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