読切小説
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愛しい彼女の呼び方
「・・・・よし!これで全て揃ったな」

「え〜〜〜と、まずはこの図面通りに書けばいいんだな」

   シューーー! カキカキ  シューーー! カキカキ

「次にここをこうしてこの文字をここに・・・ここはこの文字か。かなり細かいんだな。・・・・あ!また間違えた」

   ケシケシ   カキカキ  カキカキ  カキカキ

「・・・・ふう!ここは・・・・うん、これでいいな。よし!次だ!」

   シャーーー! カキカキ  シャーーー! カキカキ

「・・・・う〜〜ん、なんでこんなに細かいんだ。もっとこう、バーーー!と一息に書けないもんかな〜〜」

   シャーーー! カキカキ  シューーー! カキカキ

「う〜〜〜、腕が痛い。くっそーーーー!!!」

   シューーー! カキカキ  カキカキ  カキカキ

「・・・・腰が。しゃがんですると書き上げた図形がダメになるからって、腰を曲げながらすることじゃないよな」

   カキカキ  カキカキ  ケシケシ  カキカキ

「よし!ようやく書き終えたぞ。次は・・・・・」

   コツコツ  ガシャン!ドサ!ドサ!

「ふーーー、やっぱり重いな。一回で済んで助かったよ」

   カチャカチャ  コトッ  カチャカチャ  コトッ

「ここはこれで・・・ここにこうして・・・」

   ポトッ    ポトッ   ポトッ   ポトッ

「それから・・・・」

   スタスタ  コトッ  スタスタ   コトッ

「仕上げにこれを・・・・・」

   スタスタ  コトッ  スタスタ   コトッ

「最後にこれを・・・・・」

   スタスタ  コトッ  ポタッポタッ

「それでは・・・・・」

   スタスタ  バサッ  カチャッ

「・・・・あ、忘れてた!」

   バタバタ  

「あれ〜〜〜、何処にしまったんだっけな〜〜〜〜」

   ガタッガタッ  バサバサ   バサバサ

「ここかな〜〜〜」

   ゴトゴト   ガサガサ    ガシャーーン

「あ!!!・・・・う〜〜〜、取り合えず後で掃除しよっと」

   ガサガサ  ポイポイ   バサバサ

「・・・・ここでもない」

   ガチャ  ドサドサ   ポイ  ガタンゴトッ

「確かここだったはずなんだけど〜〜〜〜」

   ガサガサ  ゴソゴソ  ゴソゴソ   ガサガサ

「・・・・・あ!!!あったあった。良かった〜〜〜〜」

   スタスタ  ピタッ

「それでは・・・・・」

   スッ    

「ゴニョゴニョ・・・・・・ボソボソ・・・・・・」

   シーーーーーーーーーーン

「ムニャムニャ・・・・・・ブツブツ・・・・・・・」

   ・・・・・シュウーーー

「ブツブツ・・・・・ボソボソ・・・・・」

   シュウーーーーーシュウーーーーー

「ブツブツ・・・・・ブツブツ・・・・・」

   シュウーーーー   

「ブツブツ・・・・・ブツブツ・・・・・」

   ゴゴゴゴゴゴゴゴ

「・・・・・・・キエーーーーー!!!!!!」

   ピカッ!!!!   ドーーーーーーン!!!!!

「けほっけほっ!ごほっごほっ!」

   モクモクモクモク

「ごほっごほっ!目に染みる〜〜〜〜」

   モクモクモクモク

「換気換気と・・・・あいて!」

   ドタドタ!ゴチン!   ガン!  ドテン!  ガタッ!

「う〜〜〜〜、いたたた。窓、窓・・・・」

   ガチャ  バタン   ビューーーーー

「ふ〜〜〜〜。あたたた、脛ぶつけちゃった」

   バタバタ  バタバタ

「・・・・・いた」

   ニッコリ

『よく私を呼び出したわね。さて何を望むために私を呼んだのかしら?さあ願いを言いなさい。私を呼び出した褒美に一つだけ叶えてあげる』

「・・・・あ、そ、その・・・」

『うふふふ、如何したのかしら?さあ、よーく考えて答えなさい。貴重な願い事なんですからね』

「・・・・・じゃ、じゃあ言うけど・・・・」

『うふふふ。さあ、言いなさい』

「・・・・これ、もうやめない」

『え!?!?』

「いくら雰囲気が大事だからって毎回々々こんな大袈裟なことしてさ」

『え〜〜〜〜っ!これがいいんじゃない。このおどろおどろしい雰囲気がさ。ほら、こういかにもさ。今から呼び出すぞーーー!って感じがさーーー』

「そのお蔭で出来たこの打ち身は如何するの」

『そんなの私が舐めて治してあげる❤』

「この前もそう言ってなし崩し的にあんなことをするなんて・・・・」

『ふーーん、期待していたんだ。それならそうと言ってくれればいいのに。照れちゃって可愛いんだから』

「て、照れてないよ!っていうかキミん家は隣りなんだから普通に玄関から来ればいいんだよ」

『え〜〜〜〜〜!』

「え〜〜〜〜〜!じゃないだろ。こんだけ揃えるの大変なんだぞ」

『ぶーーーーー!』

「ぶーーーーー!って膨れてもダメです」

『じゃあさ、m』

「窓からもダメです。玄関から普通に入ってきて下さい」

『そんな〜〜〜〜!如何して如何して!如何してダメなの?』

「そ、それは・・・・・」

『ねえねえ!教えてよ、ねえっ!てばーーーーー』

  ヒシッ!ムニュッ!

「〜〜〜〜〜〜〜」

  ウルウル  ジーーー  ウルウル  ジーーー  

「〜〜〜〜そ、それは・・・・」

『それは』

「・・・・いくら貴方がサキュバスだからってこんな如何にも魔物な呼び方をしたくないんですよ」

『それだけ?』

  ジッ!

「・・・・・・・」

  ジーーーーーーー

「〜〜〜〜〜〜〜〜」

  ジーーーーーーーー!!!!!!!!

「む、昔は確かにそうだったかもしれませんが、今は現代です。それに貴方達が現代社会に受け入れられて何年経ったと思ってるんです」

 ジーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!

「〜〜〜〜こ、恋人なんですから普通に迎えたいんです!!!!!」

『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


    


 

13/02/18 21:48更新 / 名無しの旅人

■作者メッセージ
一応召喚の雰囲気をソレっぽくしてみました。
今回彼女に出演してもらったのは、やっぱり一番合うのが彼女達ですから。

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