汚部屋での出来事......
「お邪魔します」
「いらっしゃーい♪」
色々あってあぬさんの部屋にお邪魔することになった。本当に色々ね......
「キャリーケース、ここに置いといて良いですか?」
俺はキャリーケースをひとまず玄関の端に置いておこうと思った。汚れたキャスターを女性の家で引きずる訳にはいかない。
「え?家に上げちゃって良いですよー?」
「いやいや、部屋が汚れてしまいます」
「別に気にしませんよー?」
ずっと思ってたが、本当にアヌビスなのかこの人?まさか、ズボラな人間がイヌミミ付けてるだけじゃ!?
いずれにしろ、俺と価値観が違う人なのは間違いないようだ。
「とにかく、俺はあぬさんの部屋が汚すのが嫌なんです、なのでここに置きますね」
「正志さんがそうしたいなら、どうぞー」
俺は宣言通りにキャリーケースを玄関の端に置き、太陽で熱された革靴を脱ぎ、綺麗に揃えた。因みにあむさんは赤いスニーカーを履いていたが、俺と違い、脱ぎ散らかしている。
ここでも、俺とあぬさんの価値観の違いが見えた。本来のアヌビスならミリ単位で靴を揃えていてもおかしくないぐらいだ。
そんなことを思いながら、あぬさんと一緒に玄関から短い通路を通る。その先は白い扉が閉まっていた。この扉の先がリビングだろう。
「それじゃあ改めてー、ようこそ我が家へー!」
あぬさんは白い扉を開き、気の抜けそうな声を少しだけ張りながら、俺にリビングを見せてきた。が......
「うわぁ......」
汚い。めちゃくちゃ汚い!なんだこの汚部屋は!?
「正志さーん?」
俺は今、衝撃のあまり言葉が出ない。身体も動かない。唯一動く眼球でこの汚部屋を見回す。
衣服はそこらじゅうに脱ぎ散らかされ、ゴミ箱も中身が溢れかえっている!おまけに、背の低いテーブルやキッチンには空のカップ麺やビールの空き缶が無造作に捨て置かれている!
これが生真面目な種族で有名なアヌビスの部屋!?ベルゼブブの部屋じゃなく!?
「おーい!」
「ああ!すみません!」
「だいじょぶですかー?」
「だ、大丈夫です、ハハハッ......」
何でこの人はこの汚部屋を見られて平然としてるんだ!?
もしかして、ゴミの事を資源とか言っちゃうタイプか!?アヌビスだろ、この人!?
「とりあえず、適当に座っちゃってくださーい」
「は、はい、失礼します......」
座れる場所がどこにもない...... とりあえず手を洗おう。俺は足の踏み場を見つけながら、シンクに向かった。
「ええっ......」
シンクも酷い有様だった。水垢だらけで洗ってないであろうコップや皿が置きっぱなしだ。
俺は何も見ていないテイで蛇口を捻って水を出し、近くに置いてあったハンドソープで手を洗った。外の熱気のせいで水はぬるくなっていた。
「私も手ぇ洗いまーす」
そう言うとあぬさんはまだ手を洗ってる俺の真横に来て、手を洗い出した。この間、身体は密着しており、どうしても意識してしまう。この汚部屋の含めて。
俺とあぬさんは手を洗い終えると、下の引き出しの取手にかけてあったタオルで濡れた手を拭いた。
「それで、俺の部屋の鍵は?」
「はい、ええっと.......あれ?」
「あぬさん?」
あぬさんは頭をかきながら部屋を見渡す。嫌な予感がしてきた。
「......どこに置いたっけ?」
「あぬさん!?」
嫌な予感的中!もう俺は自分の部屋に入れない運命なのか!?
「だいじょぶですよー、ちょっと探せばすぐ見つかりますよー」
物が隠れる場所など幾らでもあるこの汚部屋で、部屋の鍵を探す?絶対“ちょっと”ではすまない。
「ほら、多分この辺にー」
そう言って、あぬさんは布団の近くに落ちている衣服をめくりちらかす。隠れていたフローリングが顔を出す。しかし、そこにはホコリしかなかった。
「ないですねー、うーん......」
あぬさんが考え込む。だが、これは考えるより、ガムシャラに探した方が早い気がする。
「あぬさん、俺も一緒に探しますね」
「ああ、すみません。私のせいで」
「い、いえ......」
また許してしまった...... この人はズボラだが、どうも憎めない。とりあえず鍵を探そう。鍵が見つかりさえすれば全て解決する。この汚部屋から出られる。
「それじゃあ、正志さんの部屋の鍵を見つけ出しましょー!」
あぬさんはやる気十分のようだが、見つかる気がしない。というか探し物以前にやるべきことがこの人にはある。
ーーーーーーー
その後、俺とあぬさんはこの汚部屋を隅から隅まで探し回った。
「あぬさん、このテーブルの下は?」
「見てみてくださーい」
一応あぬさんの許可をもらうと、俺はテーブルの下に錯乱した衣服をどかしていった。
「ん?」
すると、衣服とか違う感触の布を手に持ったようで、違和感を感じた俺はそれがなんなのか確認しようと見た。
「な!?こ、これは!?」
Tバックだ!あぬさんの黒いTバックだった!あぬさん、とんでもないの履いてるなー......
ってそうじゃなくて、こんなの持ってるのを見られたら、完全に引かれる!嫌われる!
とりあえず、その辺に置いて——
「正志さーん?それは鍵じゃなくてパンツですよー?」
「あ、あぬさん!?違います!?これはあの——」
「だいじょぶですよー、正志さんも男ですもんねー♪」
「だから誤解ですって!!」
あぬさんは完全に俺をからかっている。一体誰のせいでこんなことになったと——
「冗談ですよー、元はといえば私のせいですからー、そのパンツはその辺に置いといちゃってくださーい」
「は、はい......」
呆れはするが、やはり不思議と憎めない。何故だ?顔が綺麗だからか?それとも気の抜けそうな声か?
というか、パンツをその辺に置いとけ!?そんなだから、汚部屋になっていくんだよ!
......まあいいや、とにかく部屋の鍵を見つけよう。
ーーーーーー
「ダメだ......どこにもない」
「おかしいなー、どこに行ったんだろー?」
外はもう既に暗くなっていた。俺はいよいよ焦ってきた。明日は新しい勤め先である沖縄支社に初出勤だ。マジでどうしよう!?
「とりあえずー、正志さんはここに泊っちゃってください」
「はいっ!?」
あぬさんが気の抜けた声で衝撃的なことを言い出した。今日だけで何回この人に驚かなくちゃならないのか。まだ会って一日も経っていないというのに。
「私のせいでこんなことになったんでー、それぐらいはさせてくださーい」
「いやいや!流石にそれは......」
こんな汚部屋に泊まりたくない。口から出掛かったが、流石に言えなかった。資源だとか言われて喧嘩になるのも嫌だし。一応女性の部屋だし。
「と、とにかく!俺はどっか泊まれる場所を探すんで!」
「遠慮しないでください、私何もしませんからー」
「いや、それはこっちの台詞というか......」
「私はだいじょぶですよー?」
どう言う意味!?俺があぬさんを襲うとでも!?そんなことするか!!
「だって、私みたいなズボラなアヌビス、正志さんは興味ないでしょー?」
あぬさんは自嘲気味に言った。笑ってはいるが、少しだけ眉を落としていた。
俺はあぬさんにズボラの自覚があることに驚いた。表情を察するにズボラな自分自身に僅かながらの後ろめたさがあるんだろう。まあ、この汚部屋で平然と人を招ける辺り、普段は本当に気にも止めてなさそうだ。
「いや、まあ、その......」
参ったなー...... あぬさんは確かにズボラだが、かなりの美人だ。いきなりそんなことを言われたら、胸が高鳴ってしまう。言葉が上手く出てこない。
「気を遣わなくて良いですよー、ガッカリされるのには慣れてますからー」
「い、いや、そんな!ガッカリなんて......」
「してましたよねー?私、そういうの結構気付くタイプなんでー」
あぬさんが発言する度に俺はどんどん気まずくなっていく。
確かに思い返してみれば、空港であぬさんが何の種族か考えたら、直接聞いた訳でもないのに答えてくれた。この人、意外に鋭いんだな。
だったら下手に気を遣うのはもう辞めよう。こういう人には腹を割って話した方が良さそうだ!俺が飛行機の中で見てた恋愛映画の主人公もそんなこと言ってたし
よーし!そうと決まれば!
「あぬさん!」
「えっ!?は、はい!」
俺の覚悟の第一声にマイペースなあぬさんが戸惑いの表情を見せた。
だが、俺は特に気にせず、あぬさんに膝を向けて正座をした。恋愛映画の主人公もヒロインと話すシーンでやってたし。
「確かに俺はあぬさんことを凄くズボラだと思いました。とてもアヌビスとは思えないとも」
「はい......」
あぬさんは俺の本音が効いたのか、目を俯かせ、表情が暗くなる。
「だけど!」
俺が本当にあぬさんに伝えたいことはここからだ!
「あぬさんは綺麗です!」
「えっ!?」
「それでいて、すごく優しい人です!」
「ちょっ!?なに!?」
あぬさんが顔が真っ赤に染まり、目は泳ぎまくっていた。さっきまでのマイペースなあぬさんが完全に消え失せた。
「だから、もっと自信を持って下さい!!」
「......!!」
「ズボラが気になるなら、生活を改善すればいい!部屋が汚いなら掃除をすればいい!」
「いやっ!?でもっ!?私......!」
あぬさんが全く喋れなくなった。顔を真っ赤にしどろもどろになっている姿はかなり加護欲を唆る。可愛い。
「一人で出来ないなら、俺も手伝います。ご近所ですから」
「!!!」
「だから——」
俺を頼ってください!もはやマイペースだった面影のないあぬさんにそう言おうとした瞬間——
「ワオーン!!」
「うわぁ!?」
突然あぬさんが俺に飛び付いてきて、押し倒された。しかも、ワオーンって言った!?何が起きた!?
「あ、あぬさん!?急にどうし......んっ!?
今度は突然口が塞がれた。一瞬何が起きたか分からなかったが、あぬさんが俺にキスしてる!?しかもディープな!!
「ん......っん......はぁ......あ、あぬさん?ちょ、ちょっと!?ん!?......チュ......チュルルッ......ジュルルルッッ!!」
あぬさんのキスがどんどん激しくなる。呼吸をするのもやっとの状態だった。いま俺は夢でも見てるのか!?
すると、ようやく口が開放された。ひとまず俺は目一杯空気を吸った。
「プハァ......ハァ......ハァ......あ、あぬさん!?ちょっと落ち着いて!?」
「ハァハァハァハァ......!!」
ダメだ!完全に目がイッてる!まるで発情期の...... え!?発情したってこと!?確かに今のあぬさんは発情期の犬そのものだ!っていうかどうしてこのタイミングで!?
「あぬさん!?ちょっ!?」
あぬさんはイッた目をしながら、俺のズボンを脱がそうとしてきた。俺は反射的にズボンを抑えるが、抵抗虚しくズボンを剥ぎ取られてしまった。
「いや!あの!これは!?」
「ハァハァハァ!!」
あぬさんに見られてしまった。俺のいきり立ったイチモツを!
実は抱きつかれた瞬間から既に俺は勃起していた。だって大きな胸が満遍なく当たって!おまけにいい匂いもするし!
「あぬさん!? くぅ! ああっ!」
咥えてる......!あぬさんが俺のモノを!
ヤバい、気持ち良い...... あぬさんの舌の感触と口内の生暖かさが快感を増幅させる。
気が付けば、俺は我慢の限界が近づいていた。
そして......
「ハァ!あぬさん!離れてっ!俺、もう!!ああ!!!」
「んんん!!!」
出してしまった...... あぬさんの口の中にたくさん...... とてつもない快感に自分でも驚くほど早く出てしまった。その量も過去一だった。
「す、すみません!」
「ハァ......ハァ......」
あぬさんが犬のように舌を出して呼吸しているが、口の中にあるはずの白い液体がそこにはなかった。
「......飲んだんですか?」
「ワン♪」
あぬさんはご機嫌そうに吠えた。もはやただの可愛いワンちゃんだ。可愛い。
なんてことを思って安心し切っていた俺にあぬさんはとんでもことをしようとしている!
「あぬさん!?何で脱いで!?」
着ている衣服を脱ぎ出したのだ。戸惑う俺を他所にあぬさんはどんどん産まれたままの姿に近付く。
そして、あっという間に全ての衣服を放り、褐色の裸体を俺に見せつけるようにして立っていた。
「ハァハァハァ......」
「あぬさん......」
すごい......!あぬさんの全部が丸見えだ!
大きいと分かっていたおっぱいはおそらくIカップはある!こんな巨乳はAVでしか見たことがなかった。すごい。乳首も勃ってる!
けど、やっぱり股に目が行ってしまう。かなりの剛毛だった。ズボラなあぬさんらしいジャングルがそこにはあった。だった。その奥地には既にびしょびしょの秘部がひくひくしていた。エロい!
「ハァハァハァ!」
「あぬさん!? まさか!?」
あぬさんの鼻息がより一層荒くなり、下品なぐらいガニ股になり、腰を下ろす。あぬさんのアソコが俺のモノに近付いている!挿れる気だ!
「クウゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!」
「ああ!!す、凄い......!締めつけが......!」
「ハァ!ハァ!ハァ!」
「はぁ......はぁ......あぬさん......!」
入ってる!俺、あぬさんとSEXしてる!!あぬさんの中はまるでミミズがたくさんいるみたいだ!無数のミミズが俺のモノを責めたててくる!
こんなエロいまんこで動かれたら!ヤバい!もう!!
「あぬさん......俺、また......!」
このままだと、中に出してしまう!それだけはまずい!
しかし、おそらく発情のピークに入ったあぬさんの耳には俺の言葉は全く届かなかった。
そして、俺は限界を迎えた。
「あぬさん!!ぐあぁ!!!」
「ンンンンンンンンンンン!!!」
やってしまった...... あぬさんの中に出してしまった......!それも大量に!
「はぁ......はぁ......すみません、あぬさん!」
「クウゥゥゥゥゥゥ......」
「あぬさん!?」
嘘だろ!あぬさんが尻を突き出しながら、アソコを広げてる!?間違いなく誘ってる!まだヤレるのか!?俺は短時間で2回も出したから、もうキツ——
「くない?あれ!?」
あぬさんのエロ過ぎるおねだりに自分ではもう勃たない筈なのに、興奮が止まらない。
俺の理性はここで切れた。
「クウウウウウウウウウンン!!!!!」
「はぁはぁはぁはぁはぁ!!」
あぬさんが悪いんだ!!こんなエロい身体で男を誘うから!!
俺は無我夢中でちんこをあぬさんのまんこに出し入れした。まるで獣の交尾のように。
「あぬさん!気持ちいいんだな!感じてるんだな!」
「ハァハァハァハァハァ!!!」
俺の頭の中は“あぬさんをイカせたい!”、“中で出したい!”という性欲のみになっていた。
さっきから攻められて、イカされっぱなしなことに対する悔しさもあった。
俺はあまりの快楽に既に余裕がなかったが、あぬさんは乱れながらも笑っていた。もはやアヌビスの面影はどこにもなかった。
そうして、その時は訪れた。
「クウゥゥン!クウゥゥン!クウゥゥン!」
「あぬさんイキそうなの?! だったら一緒に!!」
「クウウウウウウンン!!!!!」
俺は決死でラストスパートを掛けた。絶対にあぬさんをイかせる!
「あぬさん!出すよ!!」
「クウウウウウウウウンン!!!」
俺のちんこからグツグツと煮えたぎった精子があぬさんの子宮目掛けて飛び出そうとする!!
そして、ついに!
「イクッッ!!!」
「ワオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!」
二人揃って絶頂を迎えた。感じたことのない、とんでもない快楽だった。
俺は今のSEXで体力を使い果たし、あぬさんに覆い被さるように倒れ込んでしまい、あぬさんと共にそのまま意識を手放した。
続く......
「いらっしゃーい♪」
色々あってあぬさんの部屋にお邪魔することになった。本当に色々ね......
「キャリーケース、ここに置いといて良いですか?」
俺はキャリーケースをひとまず玄関の端に置いておこうと思った。汚れたキャスターを女性の家で引きずる訳にはいかない。
「え?家に上げちゃって良いですよー?」
「いやいや、部屋が汚れてしまいます」
「別に気にしませんよー?」
ずっと思ってたが、本当にアヌビスなのかこの人?まさか、ズボラな人間がイヌミミ付けてるだけじゃ!?
いずれにしろ、俺と価値観が違う人なのは間違いないようだ。
「とにかく、俺はあぬさんの部屋が汚すのが嫌なんです、なのでここに置きますね」
「正志さんがそうしたいなら、どうぞー」
俺は宣言通りにキャリーケースを玄関の端に置き、太陽で熱された革靴を脱ぎ、綺麗に揃えた。因みにあむさんは赤いスニーカーを履いていたが、俺と違い、脱ぎ散らかしている。
ここでも、俺とあぬさんの価値観の違いが見えた。本来のアヌビスならミリ単位で靴を揃えていてもおかしくないぐらいだ。
そんなことを思いながら、あぬさんと一緒に玄関から短い通路を通る。その先は白い扉が閉まっていた。この扉の先がリビングだろう。
「それじゃあ改めてー、ようこそ我が家へー!」
あぬさんは白い扉を開き、気の抜けそうな声を少しだけ張りながら、俺にリビングを見せてきた。が......
「うわぁ......」
汚い。めちゃくちゃ汚い!なんだこの汚部屋は!?
「正志さーん?」
俺は今、衝撃のあまり言葉が出ない。身体も動かない。唯一動く眼球でこの汚部屋を見回す。
衣服はそこらじゅうに脱ぎ散らかされ、ゴミ箱も中身が溢れかえっている!おまけに、背の低いテーブルやキッチンには空のカップ麺やビールの空き缶が無造作に捨て置かれている!
これが生真面目な種族で有名なアヌビスの部屋!?ベルゼブブの部屋じゃなく!?
「おーい!」
「ああ!すみません!」
「だいじょぶですかー?」
「だ、大丈夫です、ハハハッ......」
何でこの人はこの汚部屋を見られて平然としてるんだ!?
もしかして、ゴミの事を資源とか言っちゃうタイプか!?アヌビスだろ、この人!?
「とりあえず、適当に座っちゃってくださーい」
「は、はい、失礼します......」
座れる場所がどこにもない...... とりあえず手を洗おう。俺は足の踏み場を見つけながら、シンクに向かった。
「ええっ......」
シンクも酷い有様だった。水垢だらけで洗ってないであろうコップや皿が置きっぱなしだ。
俺は何も見ていないテイで蛇口を捻って水を出し、近くに置いてあったハンドソープで手を洗った。外の熱気のせいで水はぬるくなっていた。
「私も手ぇ洗いまーす」
そう言うとあぬさんはまだ手を洗ってる俺の真横に来て、手を洗い出した。この間、身体は密着しており、どうしても意識してしまう。この汚部屋の含めて。
俺とあぬさんは手を洗い終えると、下の引き出しの取手にかけてあったタオルで濡れた手を拭いた。
「それで、俺の部屋の鍵は?」
「はい、ええっと.......あれ?」
「あぬさん?」
あぬさんは頭をかきながら部屋を見渡す。嫌な予感がしてきた。
「......どこに置いたっけ?」
「あぬさん!?」
嫌な予感的中!もう俺は自分の部屋に入れない運命なのか!?
「だいじょぶですよー、ちょっと探せばすぐ見つかりますよー」
物が隠れる場所など幾らでもあるこの汚部屋で、部屋の鍵を探す?絶対“ちょっと”ではすまない。
「ほら、多分この辺にー」
そう言って、あぬさんは布団の近くに落ちている衣服をめくりちらかす。隠れていたフローリングが顔を出す。しかし、そこにはホコリしかなかった。
「ないですねー、うーん......」
あぬさんが考え込む。だが、これは考えるより、ガムシャラに探した方が早い気がする。
「あぬさん、俺も一緒に探しますね」
「ああ、すみません。私のせいで」
「い、いえ......」
また許してしまった...... この人はズボラだが、どうも憎めない。とりあえず鍵を探そう。鍵が見つかりさえすれば全て解決する。この汚部屋から出られる。
「それじゃあ、正志さんの部屋の鍵を見つけ出しましょー!」
あぬさんはやる気十分のようだが、見つかる気がしない。というか探し物以前にやるべきことがこの人にはある。
ーーーーーーー
その後、俺とあぬさんはこの汚部屋を隅から隅まで探し回った。
「あぬさん、このテーブルの下は?」
「見てみてくださーい」
一応あぬさんの許可をもらうと、俺はテーブルの下に錯乱した衣服をどかしていった。
「ん?」
すると、衣服とか違う感触の布を手に持ったようで、違和感を感じた俺はそれがなんなのか確認しようと見た。
「な!?こ、これは!?」
Tバックだ!あぬさんの黒いTバックだった!あぬさん、とんでもないの履いてるなー......
ってそうじゃなくて、こんなの持ってるのを見られたら、完全に引かれる!嫌われる!
とりあえず、その辺に置いて——
「正志さーん?それは鍵じゃなくてパンツですよー?」
「あ、あぬさん!?違います!?これはあの——」
「だいじょぶですよー、正志さんも男ですもんねー♪」
「だから誤解ですって!!」
あぬさんは完全に俺をからかっている。一体誰のせいでこんなことになったと——
「冗談ですよー、元はといえば私のせいですからー、そのパンツはその辺に置いといちゃってくださーい」
「は、はい......」
呆れはするが、やはり不思議と憎めない。何故だ?顔が綺麗だからか?それとも気の抜けそうな声か?
というか、パンツをその辺に置いとけ!?そんなだから、汚部屋になっていくんだよ!
......まあいいや、とにかく部屋の鍵を見つけよう。
ーーーーーー
「ダメだ......どこにもない」
「おかしいなー、どこに行ったんだろー?」
外はもう既に暗くなっていた。俺はいよいよ焦ってきた。明日は新しい勤め先である沖縄支社に初出勤だ。マジでどうしよう!?
「とりあえずー、正志さんはここに泊っちゃってください」
「はいっ!?」
あぬさんが気の抜けた声で衝撃的なことを言い出した。今日だけで何回この人に驚かなくちゃならないのか。まだ会って一日も経っていないというのに。
「私のせいでこんなことになったんでー、それぐらいはさせてくださーい」
「いやいや!流石にそれは......」
こんな汚部屋に泊まりたくない。口から出掛かったが、流石に言えなかった。資源だとか言われて喧嘩になるのも嫌だし。一応女性の部屋だし。
「と、とにかく!俺はどっか泊まれる場所を探すんで!」
「遠慮しないでください、私何もしませんからー」
「いや、それはこっちの台詞というか......」
「私はだいじょぶですよー?」
どう言う意味!?俺があぬさんを襲うとでも!?そんなことするか!!
「だって、私みたいなズボラなアヌビス、正志さんは興味ないでしょー?」
あぬさんは自嘲気味に言った。笑ってはいるが、少しだけ眉を落としていた。
俺はあぬさんにズボラの自覚があることに驚いた。表情を察するにズボラな自分自身に僅かながらの後ろめたさがあるんだろう。まあ、この汚部屋で平然と人を招ける辺り、普段は本当に気にも止めてなさそうだ。
「いや、まあ、その......」
参ったなー...... あぬさんは確かにズボラだが、かなりの美人だ。いきなりそんなことを言われたら、胸が高鳴ってしまう。言葉が上手く出てこない。
「気を遣わなくて良いですよー、ガッカリされるのには慣れてますからー」
「い、いや、そんな!ガッカリなんて......」
「してましたよねー?私、そういうの結構気付くタイプなんでー」
あぬさんが発言する度に俺はどんどん気まずくなっていく。
確かに思い返してみれば、空港であぬさんが何の種族か考えたら、直接聞いた訳でもないのに答えてくれた。この人、意外に鋭いんだな。
だったら下手に気を遣うのはもう辞めよう。こういう人には腹を割って話した方が良さそうだ!俺が飛行機の中で見てた恋愛映画の主人公もそんなこと言ってたし
よーし!そうと決まれば!
「あぬさん!」
「えっ!?は、はい!」
俺の覚悟の第一声にマイペースなあぬさんが戸惑いの表情を見せた。
だが、俺は特に気にせず、あぬさんに膝を向けて正座をした。恋愛映画の主人公もヒロインと話すシーンでやってたし。
「確かに俺はあぬさんことを凄くズボラだと思いました。とてもアヌビスとは思えないとも」
「はい......」
あぬさんは俺の本音が効いたのか、目を俯かせ、表情が暗くなる。
「だけど!」
俺が本当にあぬさんに伝えたいことはここからだ!
「あぬさんは綺麗です!」
「えっ!?」
「それでいて、すごく優しい人です!」
「ちょっ!?なに!?」
あぬさんが顔が真っ赤に染まり、目は泳ぎまくっていた。さっきまでのマイペースなあぬさんが完全に消え失せた。
「だから、もっと自信を持って下さい!!」
「......!!」
「ズボラが気になるなら、生活を改善すればいい!部屋が汚いなら掃除をすればいい!」
「いやっ!?でもっ!?私......!」
あぬさんが全く喋れなくなった。顔を真っ赤にしどろもどろになっている姿はかなり加護欲を唆る。可愛い。
「一人で出来ないなら、俺も手伝います。ご近所ですから」
「!!!」
「だから——」
俺を頼ってください!もはやマイペースだった面影のないあぬさんにそう言おうとした瞬間——
「ワオーン!!」
「うわぁ!?」
突然あぬさんが俺に飛び付いてきて、押し倒された。しかも、ワオーンって言った!?何が起きた!?
「あ、あぬさん!?急にどうし......んっ!?
今度は突然口が塞がれた。一瞬何が起きたか分からなかったが、あぬさんが俺にキスしてる!?しかもディープな!!
「ん......っん......はぁ......あ、あぬさん?ちょ、ちょっと!?ん!?......チュ......チュルルッ......ジュルルルッッ!!」
あぬさんのキスがどんどん激しくなる。呼吸をするのもやっとの状態だった。いま俺は夢でも見てるのか!?
すると、ようやく口が開放された。ひとまず俺は目一杯空気を吸った。
「プハァ......ハァ......ハァ......あ、あぬさん!?ちょっと落ち着いて!?」
「ハァハァハァハァ......!!」
ダメだ!完全に目がイッてる!まるで発情期の...... え!?発情したってこと!?確かに今のあぬさんは発情期の犬そのものだ!っていうかどうしてこのタイミングで!?
「あぬさん!?ちょっ!?」
あぬさんはイッた目をしながら、俺のズボンを脱がそうとしてきた。俺は反射的にズボンを抑えるが、抵抗虚しくズボンを剥ぎ取られてしまった。
「いや!あの!これは!?」
「ハァハァハァ!!」
あぬさんに見られてしまった。俺のいきり立ったイチモツを!
実は抱きつかれた瞬間から既に俺は勃起していた。だって大きな胸が満遍なく当たって!おまけにいい匂いもするし!
「あぬさん!? くぅ! ああっ!」
咥えてる......!あぬさんが俺のモノを!
ヤバい、気持ち良い...... あぬさんの舌の感触と口内の生暖かさが快感を増幅させる。
気が付けば、俺は我慢の限界が近づいていた。
そして......
「ハァ!あぬさん!離れてっ!俺、もう!!ああ!!!」
「んんん!!!」
出してしまった...... あぬさんの口の中にたくさん...... とてつもない快感に自分でも驚くほど早く出てしまった。その量も過去一だった。
「す、すみません!」
「ハァ......ハァ......」
あぬさんが犬のように舌を出して呼吸しているが、口の中にあるはずの白い液体がそこにはなかった。
「......飲んだんですか?」
「ワン♪」
あぬさんはご機嫌そうに吠えた。もはやただの可愛いワンちゃんだ。可愛い。
なんてことを思って安心し切っていた俺にあぬさんはとんでもことをしようとしている!
「あぬさん!?何で脱いで!?」
着ている衣服を脱ぎ出したのだ。戸惑う俺を他所にあぬさんはどんどん産まれたままの姿に近付く。
そして、あっという間に全ての衣服を放り、褐色の裸体を俺に見せつけるようにして立っていた。
「ハァハァハァ......」
「あぬさん......」
すごい......!あぬさんの全部が丸見えだ!
大きいと分かっていたおっぱいはおそらくIカップはある!こんな巨乳はAVでしか見たことがなかった。すごい。乳首も勃ってる!
けど、やっぱり股に目が行ってしまう。かなりの剛毛だった。ズボラなあぬさんらしいジャングルがそこにはあった。だった。その奥地には既にびしょびしょの秘部がひくひくしていた。エロい!
「ハァハァハァ!」
「あぬさん!? まさか!?」
あぬさんの鼻息がより一層荒くなり、下品なぐらいガニ股になり、腰を下ろす。あぬさんのアソコが俺のモノに近付いている!挿れる気だ!
「クウゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!」
「ああ!!す、凄い......!締めつけが......!」
「ハァ!ハァ!ハァ!」
「はぁ......はぁ......あぬさん......!」
入ってる!俺、あぬさんとSEXしてる!!あぬさんの中はまるでミミズがたくさんいるみたいだ!無数のミミズが俺のモノを責めたててくる!
こんなエロいまんこで動かれたら!ヤバい!もう!!
「あぬさん......俺、また......!」
このままだと、中に出してしまう!それだけはまずい!
しかし、おそらく発情のピークに入ったあぬさんの耳には俺の言葉は全く届かなかった。
そして、俺は限界を迎えた。
「あぬさん!!ぐあぁ!!!」
「ンンンンンンンンンンン!!!」
やってしまった...... あぬさんの中に出してしまった......!それも大量に!
「はぁ......はぁ......すみません、あぬさん!」
「クウゥゥゥゥゥゥ......」
「あぬさん!?」
嘘だろ!あぬさんが尻を突き出しながら、アソコを広げてる!?間違いなく誘ってる!まだヤレるのか!?俺は短時間で2回も出したから、もうキツ——
「くない?あれ!?」
あぬさんのエロ過ぎるおねだりに自分ではもう勃たない筈なのに、興奮が止まらない。
俺の理性はここで切れた。
「クウウウウウウウウウンン!!!!!」
「はぁはぁはぁはぁはぁ!!」
あぬさんが悪いんだ!!こんなエロい身体で男を誘うから!!
俺は無我夢中でちんこをあぬさんのまんこに出し入れした。まるで獣の交尾のように。
「あぬさん!気持ちいいんだな!感じてるんだな!」
「ハァハァハァハァハァ!!!」
俺の頭の中は“あぬさんをイカせたい!”、“中で出したい!”という性欲のみになっていた。
さっきから攻められて、イカされっぱなしなことに対する悔しさもあった。
俺はあまりの快楽に既に余裕がなかったが、あぬさんは乱れながらも笑っていた。もはやアヌビスの面影はどこにもなかった。
そうして、その時は訪れた。
「クウゥゥン!クウゥゥン!クウゥゥン!」
「あぬさんイキそうなの?! だったら一緒に!!」
「クウウウウウウンン!!!!!」
俺は決死でラストスパートを掛けた。絶対にあぬさんをイかせる!
「あぬさん!出すよ!!」
「クウウウウウウウウンン!!!」
俺のちんこからグツグツと煮えたぎった精子があぬさんの子宮目掛けて飛び出そうとする!!
そして、ついに!
「イクッッ!!!」
「ワオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!」
二人揃って絶頂を迎えた。感じたことのない、とんでもない快楽だった。
俺は今のSEXで体力を使い果たし、あぬさんに覆い被さるように倒れ込んでしまい、あぬさんと共にそのまま意識を手放した。
続く......
25/07/08 04:01更新 / 魔物娘愛好家
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