連載小説
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病魔の快楽
美しい病魔の取引により、性獣の病に罹ってしまったシック。罹患した者は湧き上がり続ける性欲に苦しみ、やがて理性も失い、性欲のままに行動するようになるという性獣病。

 シックは込み上げ続ける性欲に、理性が急速に殺されながらも、まだ僅かに残る理性と、「性獣になどなりたくない」という意地のみで異常な性欲に必死に抗う。

 しかし、イルネスの言う通り、シックが人間でいられるのは、もはや時間の問題だった。

 そして、イルネスの甘くとろけるような囁きがとどめとなり、シックは人間から性獣へと変貌する......


ーーーーーーーーー


「ウゥウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!」
「ああんっ♥!そう......それで良いのよ......♥」

 姿は人間のままだが、中身は完全なる性獣と化したシックはイルネスを乱暴に押し倒した。本能と性欲のままに、そして子孫を残すべく、目の前の雌を犯そうとしていた。

 この雌の病魔が全ての元凶だという事実やそれに対する怒りや恐怖は性獣と化したシックには最早分からなくなっていた。

 一方、元凶たる雌にして病魔のイルネスはシックに乱暴に押し倒され、嬉しそうに頬を赤らめていた。彼女は強い雄に身も心も染められたいという雌の本能を自身でも感じ、胸が高鳴っていた。

「さあ来てシック♥!私をめちゃくちゃにして♥!」
「ハァハァハァハァハァ!!!!」

 イルネスの淫らなおねだりに、シックは盛りのついた犬のような荒い息を刻みだし、右手が引き寄せられるように自身の下半身に向かった。

 そのシックの右手の行く先を追ったイルネスは、右手が目的の場所に着いたのを見た途端、赤くなった頬を更に赤らめ恍惚とした淫らな表情と浮かべた。

「ハァン......♥ シックのちんぽ、すごく逞しい......♥ 、だけど、ビクビク震えてる♥ かわいい♥」

 シックの右手は目的のモノである、そびえ立つ男のシンボルを堪えるように強めに握っていた。

 イルネスの見た通り、シックの肉棒は暴発寸前で震えていた。

 性欲のままに動く獣と化したとはいえ、先程まで女性と出会うことさえなかった謂わば童貞である。そんな女性をろくに知らない青年がいきなり人智を越えた美貌と快楽を秘める肉体を持つ魔物娘と性行為などすれば、身体が勝手に反応するのも仕方がないといえる。

 しかし、性獣と化しているシックには関係のないことである。現に今、溢れ出しそうになっている快楽の波を必死に抑え、暴発寸前の肉棒を目の前の魅力的な秘部に突っ込もうとしていた。

「ハァ......ハァ......ハァ......ハァ......!ウゥゥ、アアッ......!」
「どうしたのシック?早くその立派なの突っ込んでぇ♥......」

 まるで無垢な子供のようなイルネスの秘部は入口をひくつかせながら、だらしなくヨダレを垂れ流し、シックの太く立派な肉棒を今か今かと待っている。

 しかし、何故かシックの肉棒は中々イルネスの秘部に入ってきてくれず、ひたすら秘部の入口付近をノックするように叩いていた。

「......ねぇ、ちょっと焦らし過ぎよ!早く......」

 流石に痺れを切らしたイルネスは興奮が醒め、シックを見た。すると、シックの不可解な行動の意味をイルネスは理解する。

「......ああ、挿れる場所が分からないのね」
「ウゥ!ハァハァハァハァハァ!!」
 
 しかし、シックはイルネスの言葉が耳に入っていないのか、依然として暴発寸前の肉棒をイルネスの秘部に挿れようと、必死な形相で入口を探す。

 人間の男ならば、挿入に手間取るだけでも恥ずかしいものだが、性獣にはそういった羞恥心はないのだろう。

「まあ、ずっと寝たきりだったものね。ほらシック......」

 性行為に慣れていない珍しい性獣の様子をかわいいと思いつつ、イルネスは見せ付けるように右手の指で秘部を門を開いた。門の先には性獣が探し求めている快楽の洞窟がパクパクと生き物のように蠢き、先程とは比較にならない程のヨダレを垂れ流している。

 そして、イルネスは恍惚とした表情でシックの肉棒を導くように自身のヨダレ塗れの快楽の洞窟を指で指し示した。
 
「......こ・こ・よ♥」
「ハァッ......!」

 イルネスの妖艶な導きの声と指し示された快楽の洞窟の入口を見つけた瞬間、性獣は暴発寸前の肉棒を愛液塗れの入口目掛けて一気に奥まで突き入れた。

「ンアアアアアアアアアアアアア!!!」
「グウウウァァァ......!!!」

 想像を絶する快感と共に病魔と病人は一つに繋がった。

「ハァァッ!スゴいっ!シックのちんぽ......!一気に......アアンッ!......奥までぇぇ!!」

イルネスは乱暴に突き入れられた肉棒の衝撃と快感に身体が仰反るも、その表情は恍惚としたものだった。

「ハァァッ......!グッ、ガァッ......!ウウウゥゥ......!アアァ......!」

 一方で性獣と化しているシックはさながら本物の獣のように破裂寸前の肉棒をイルネスの誘惑の穴の奥地に一気に突き入れるも、イルネスの穴からもたらされる快楽に一気に襲われてしまい、イルネスとほぼ同時に身体が仰反る。そして......

「グァアアアアァァッ!!」
「アアアアン♥!!」

 破裂寸前だったシックの肉棒はついに限界を迎えた。大量の白濁とした液が勢い良くイルネスの中に満たされていく。それと同時に、シックは下半身を中心に安堵にも似た快楽が全身にもたらされた。

「ハァ......ハァ......ハァ......」
「あらあら♥ 挿れた瞬間にイッちゃうなんて......♥ よっぽど気持ち良かったの?♥ 私のナカ♥」

 癖になりそうな独特の解放感と満足感に包まれているシックとは対照的にイルネスは余裕の態度でシックの心を煽る。

 しかし、自身の子宮がシックの白濁とした子種液で満たされたという事実に先程よりも頬を赤らめ、艶のある笑みを浮かべていた。

「それとも、シックが早漏なだけかしら?♥」

 イルネスは挑発的な笑みを浮かべながら、白濁液を暴発してしまったシックに対し、羞恥心を煽った。すると、今のシックではありえない反応が返ってきた。

「う゛ぅ゛......!」
「あら?」

 悔しさが滲んだような唸り声が漏れ出たのだ。

 性獣と化して人間の心など既に失っている筈のシック。しかし、漏れ出た唸り声は確かにイルネスの煽りに対するものだった。

「怒ってる? ......まさか私の言葉に反応してる?」
「あ゛あ゛ぁ゛......!」
「ありえないわ......!この状態で言葉が通じるはずは!?」

 性獣の病の罹患者は性行為のことしか頭になくなる病。そのため、他者の言葉など意味が通じないはず。

 そしておそらく、世界で誰よりもこの病を知る病魔はシックが自身の言葉に反応しているというありえない事実に、先程までの余裕の表情は戸惑いと驚きの表情に取って代わられていた。

 すると、イルネスは自身の身体の内側で強い異変を感じる。

「ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ゥ゛ゥ゛......!」
「オ゛オ゛ォ......!!ナカでシックのが......!? また、大きくなって......!!」

 挿入と同時にイルネスの快楽の穴の中で白濁液を大量に吐き出し、そのままだらけていたシックの肉棒が再びやる気で満ち溢れた。

 それと同時に、イルネスの子宮へ続く洞窟が押し広げられ、その刺激に先程までのイルネスからは考えられないほど下品な喘ぎ声が漏れる。

 そして、シックは散々煽られたお返しとばかりに復活した肉棒でイルネスの穴を執拗に攻撃しだす。

「ウ゛ア゛ァ゛!ウ゛ア゛ァ゛!ウ゛ア゛ァ゛!」
「オ゛ォ゛♥!オ゛ォ゛♥!す、スゴいッ♥!!ア゛ァ゛!!♥ 激しいィィッ♥!!」

 シックは挿れてすぐに快楽に屈してしまった先程とは異なり、目の前のメスを孕ませようと一心不乱に腰を振り、肉棒もそれに応えるかのようにイルネスの内部をかき混ぜていく。

「ウ゛ゥ゛!ウ゛ゥ゛!ウ゛ゥ゛!」

 やがて、イルネスの穴がシックの肉棒を締め付け始め、それと同時にシックの肉棒を襲う快楽はどんどん増していき、シックに限界が迫る。

「ア゛ア゛ァ゛!!ソコッ♥!!良いッ♥!!♥!!童貞丸出しのぉッ♥!がっつきセックスゥッ♥!」

 シックの技術不足を煽りつつも、イルネスは下品な喘ぎを上げながら、シックの一心不乱な突きによる与えられる強烈な快楽を貪る。

 性獣と化したとはいえ、シックは女性を全く知らない。故にイルネスに対する突きはかなり粗削りだ。しかし、あれだけ余裕ぶっていたイルネスを確かに下品に喘がせていた。

「ウ゛ゥ゛!ウ゛ゥ!!ウ゛ゥ゛ゥ゛!!!」
「ア゛ァ゛♥!!シックのが膨らんでッ!もうイキそうなのね♥!私もッ!ハァッ♥!!子宮ガンガン突かれてッ!もうイキそうッ♥!!」
「ウ゛ゥ゛!!!ウ゛ゥ゛!!!ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛!!!」
「い、一緒にぃ♥!!一緒にイキましょうぅッ♥!!」
「ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛!!!」

 またしても、言葉を理解出来ない筈の性獣がイルネスの言葉に応じるように、限界寸前の肉棒で一心不乱にラストスパートをかける。その快楽の猛攻に同じく限界寸前のイルネスは激しく喘ぎながら、迫り来る巨大な快楽の波に期待を寄せる。

 そして、病魔と病人にその時がやってきた。

「イッ、イッ......!イッグゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛♥!!!!!」
「グウ゛ッ......!!ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!」

 快楽の頂上に到達したイルネスはとてつもない快楽に思い切り身体が仰反ると同時に下半身に力が入る。それにより、イルネスの穴はシックの肉棒から全てを搾り取るように狭くなり、シックも我慢の限界に達し、全ての白濁液のイルネスに注いだ。

「......ハァ......ハァ......♥ シック......♥ ......あなた、すごいわ......♥」
「......フゥ......フゥ......フゥ......!」

 全てを解放した病魔と病人は力無く重なり合っていた。仰向けで快楽の余韻に浸るイルネスの上に、息も絶え絶えのシックが覆い被さっている。

 すると、シックの荒い呼吸が段々と安らかなもの変わっていく。

「......あら、シック?」

 その変化に気付いたイルネスは伺うようにシックに声を掛け、顔を覗き込むと、まるで母のような穏やかな笑みを自然と浮かべていた。

「あらあら...... 疲れて寝ちゃったのね......。可愛い......♥」

 先程まで、イルネスの病によって性獣と化していたシックは、まるで遊び疲れた子供のような穏やかな寝息をたてていた。

 イルネスは自分に覆い被さるシックを慎重に退かし、上半身だけを起こす。そして、シックの寝顔を愛おしそうに眺めながら、優しい手付きで頭を撫で、心からの言葉を呟いた。

「ごめんなさいねシック。私のワガママで病を移してしまって...... 本当にごめんなさい。お詫びに明日は何でも言うこと聞いてあげる。

 明日からは......毎日が幸せよ。ダーリン♥......なんてね」

 穏やかな静寂の中でのイルネスの呟きはシックには聞こえていない。しかし、今までのような飄々と油断ならないような言葉ではなく、まるで我が子を安心させてあげているような穏やかな言葉だった。
25/10/19 17:37更新 / 魔物娘愛好家
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■作者メッセージ
大変長らくお待たせしました!!🙇
Hシーンを書くって難しいですね......😅
もっと精進します!⤴️✏️✍️

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