僕に依存しがちな幼馴染に迫られて
僕の幼馴染は愛が重い。
初めて彼女と会った頃は、人見知りする性格なのか、あまり積極的に関わってくるような娘では無かったけど、いつの間にか僕に懐いて来るようになった。
多分、この頃から僕の事を憎からず思っていてくれていたと思う。でも、彼女に「僕の事好きなの?」と聞くのは恥ずかしかったし、今の関係を壊したくもなかった。兎に角僕はその事から逃げてきた。
そのツケ何だろうか、今僕はその彼女に軟禁されている。
目が覚めると、辺りは真っ暗だった。いや、僅かだけれども外からは子供の声が聞こえるから、恐らくカーテンとかで暗くしているのだろう。
しばらくして、目が闇に慣れてきたのか、薄らとだけれども辺りが見える様になってきた。間違いない彼女の部屋だ。
普段はライトグリーンで統一された綺麗な部屋は、分厚いカーテンで一切の日光を遮られ、足元を見るのも困難なほどだ。
「あ、起きた?」
薄暗い部屋の隅から彼女の声がする。
いつも聞きなれている控え目ながらも、春の日差しの様な声は、今日だけは薄寒く感じる。
「ご、ごめんね。手荒な事はしたくなかったんだけど…ね」
暗闇の中で彼女が申し訳なさそうに謝る。
…謝るならここから出して欲しいんだけど。
「…ごめん。それだけは出来ない」
まぁ、そうだよね。
じゃあさ、なんでこんなことをしたの?
「え、えと…話すと長くなるんだけどね」
彼女は言葉に詰まりながらも、何でこんな事をしたのか話し始めた。
「小さい頃私は男の人が怖かったの。…意外でしょ?男性を求め続ける魔物なのに男性を遠ざけようとするなんて」
「でもね、不思議と貴方だけは平気だったの。他の男性に触られても何とも思わなかったのに、貴方に触られただけで軽くイッた事もあったんだよ?」
「この気持ちが恋って気づくまで1年とも掛からなかった。でも、貴方は人間で私は白蛇。私の強すぎる嫉妬心は必ず貴方を苦しめてしまう。だから出来るだけ貴方とは一友人として接する事にしたの」
「恋人には絶対なれないけど、貴方が居れば私はそれだけで十分だったの。変に自爆して貴方に嫌われでもしたら…想像しただけでおかしくなりそうだった」
「友達としてずっと隣に居られば良かったのに。嫌われないように、諦めたかったの。だけど、魔物…いや、白蛇の性質ってやつなのかな。一度惚れた人を諦めるなんて無理だったみたい」
「他の女の子と話す貴方を見ていると心臓に氷を押し付けられているみたいになった。何度、隣の女の子に手を上げようとしたか分からない…」
「でも、そんな事をしてしまえば貴方に嫌われる…。それだけは本当に嫌なの!」
「で、今日ついに我慢しきれなくなって暴走して貴方を私の部屋に閉じ込めたって訳…本当にごめん。ヒッグ…グスッ……ごめんなさい」
彼女は一気に捲し立てた。そして話終わると小さく泣き出してしまった。
情けない事に、僕は彼女が泣き止むまで部屋の隅から動くことも出来なかった。
数十分位経った頃だろうか、声を殺して泣いていた彼女が突然泣き止んだ。
「ねぇ、頼みたいことがあるの」
涙で潤んだ赤い目が、微かな光で暗い部屋の中で浮かび上がり、僕を見つめる。
そしてこう言った。
「私を貴方の奴隷にして」
思わず変な声を出してしまった。そんな僕の動揺を気にも留めずに彼女はさらに言葉をつづける。
「だから…私を見捨てないで……何でもしますから。例え、死んでと言われても喜んでこの命を捧げるから。だからお願いします…捨てないでください。嫌いにならないでぇ…」
彼女はすがりつくように、僕の股間に頭を擦り付けて懇願を続ける。
僕がヘタレなばかりに彼女をこんなになるまで追いつめてしまった。
多分、昔みたいに笑いあえる日はすぐには来ないだろう。
これは罰だ。一人の女の子の恋心から逃げ続けた僕への重い十字架だ。
だから、償わなければならない。
僕は、部屋の隅から体を少し動かして、彼女を抱きしめた。
初めて彼女と会った頃は、人見知りする性格なのか、あまり積極的に関わってくるような娘では無かったけど、いつの間にか僕に懐いて来るようになった。
多分、この頃から僕の事を憎からず思っていてくれていたと思う。でも、彼女に「僕の事好きなの?」と聞くのは恥ずかしかったし、今の関係を壊したくもなかった。兎に角僕はその事から逃げてきた。
そのツケ何だろうか、今僕はその彼女に軟禁されている。
目が覚めると、辺りは真っ暗だった。いや、僅かだけれども外からは子供の声が聞こえるから、恐らくカーテンとかで暗くしているのだろう。
しばらくして、目が闇に慣れてきたのか、薄らとだけれども辺りが見える様になってきた。間違いない彼女の部屋だ。
普段はライトグリーンで統一された綺麗な部屋は、分厚いカーテンで一切の日光を遮られ、足元を見るのも困難なほどだ。
「あ、起きた?」
薄暗い部屋の隅から彼女の声がする。
いつも聞きなれている控え目ながらも、春の日差しの様な声は、今日だけは薄寒く感じる。
「ご、ごめんね。手荒な事はしたくなかったんだけど…ね」
暗闇の中で彼女が申し訳なさそうに謝る。
…謝るならここから出して欲しいんだけど。
「…ごめん。それだけは出来ない」
まぁ、そうだよね。
じゃあさ、なんでこんなことをしたの?
「え、えと…話すと長くなるんだけどね」
彼女は言葉に詰まりながらも、何でこんな事をしたのか話し始めた。
「小さい頃私は男の人が怖かったの。…意外でしょ?男性を求め続ける魔物なのに男性を遠ざけようとするなんて」
「でもね、不思議と貴方だけは平気だったの。他の男性に触られても何とも思わなかったのに、貴方に触られただけで軽くイッた事もあったんだよ?」
「この気持ちが恋って気づくまで1年とも掛からなかった。でも、貴方は人間で私は白蛇。私の強すぎる嫉妬心は必ず貴方を苦しめてしまう。だから出来るだけ貴方とは一友人として接する事にしたの」
「恋人には絶対なれないけど、貴方が居れば私はそれだけで十分だったの。変に自爆して貴方に嫌われでもしたら…想像しただけでおかしくなりそうだった」
「友達としてずっと隣に居られば良かったのに。嫌われないように、諦めたかったの。だけど、魔物…いや、白蛇の性質ってやつなのかな。一度惚れた人を諦めるなんて無理だったみたい」
「他の女の子と話す貴方を見ていると心臓に氷を押し付けられているみたいになった。何度、隣の女の子に手を上げようとしたか分からない…」
「でも、そんな事をしてしまえば貴方に嫌われる…。それだけは本当に嫌なの!」
「で、今日ついに我慢しきれなくなって暴走して貴方を私の部屋に閉じ込めたって訳…本当にごめん。ヒッグ…グスッ……ごめんなさい」
彼女は一気に捲し立てた。そして話終わると小さく泣き出してしまった。
情けない事に、僕は彼女が泣き止むまで部屋の隅から動くことも出来なかった。
数十分位経った頃だろうか、声を殺して泣いていた彼女が突然泣き止んだ。
「ねぇ、頼みたいことがあるの」
涙で潤んだ赤い目が、微かな光で暗い部屋の中で浮かび上がり、僕を見つめる。
そしてこう言った。
「私を貴方の奴隷にして」
思わず変な声を出してしまった。そんな僕の動揺を気にも留めずに彼女はさらに言葉をつづける。
「だから…私を見捨てないで……何でもしますから。例え、死んでと言われても喜んでこの命を捧げるから。だからお願いします…捨てないでください。嫌いにならないでぇ…」
彼女はすがりつくように、僕の股間に頭を擦り付けて懇願を続ける。
僕がヘタレなばかりに彼女をこんなになるまで追いつめてしまった。
多分、昔みたいに笑いあえる日はすぐには来ないだろう。
これは罰だ。一人の女の子の恋心から逃げ続けた僕への重い十字架だ。
だから、償わなければならない。
僕は、部屋の隅から体を少し動かして、彼女を抱きしめた。
15/08/16 11:32更新 / ツキシマ