- *共に歩いて行こう*賽は投げられた* -
教都から少し離れた街でノエルとアデルは話をしていた。
ざわざわ
「あの2人は恋人同士ね!」
「リリム様と綺麗な旦那さんねぇ❤」
「でも旦那さんしか指輪してない」
「しーっ!きっとあのリリム様が
とてもおっちょこちょいでドジっ子なの❤」
「「「なるほどーー❤キャーー///❤」」」
"ノエルはドジっ子なの?"
"アナタのおかげでね"
"ごめんなさい…?"
"はぁ…で話を戻してもいいかしら"
"この指輪の話だよね"
"そう。アデル。アナタのその指輪は
おそらく今外す事はできないのよ"
"確かに全然取れなかったよ
でもこの指輪はそんなに問題があるの?"
"その指輪は魔物に対抗する為のモノ
きっと危険な代物には違いないわ"
"それならどうしたらいいのかな"
"その指輪は1つだけじゃないのよ
いくつも存在していて教団が管理しているわ"
"ノエルはとても詳しいんだね?"
"・・・。そうね。
とにかく他の所持者を探しましょ"
"どこを探すのさ"
"おそらく教団の連中はアナタの事を
アデルを血眼になって探すはず
その中には指輪を持つ人もいるはずよ"
"指輪を活用できる人たちがいて
その人たちが僕たちを狙うってコト?"
"少なくとも、あの場に居た10人はそう
あそこでまったく男を感じられなかったわ"
"今の魔物は男の人を…その…
正確に見分けられるって話だよね"
"そうよ。正しくはその人の精からね"
"それって僕からも感じられるんだよね"
"・・・。いえ、無いわ"
"えっ!?そうなの…?"
"おそらくは指輪のチカラが働いている
その指輪は精を魔力に変換するらしいのよ"
"つまり、僕でも魔法が使えるってコト?"
"アデルは魔術や魔法の心得があるの?"
"いや、僕はただの一般人だから
あんな所じゃ魔法とかって無縁だよ"
"多分、指輪を着けられた人間に
チカラの使い方と魔術を教えるんだわ"
"そう…だったのか…。。"
"もしかしたら、あの10人もアデルと同じ
元々は一般の人だったのかもしれないわ
身に付けていた物が騎士らしくはなかった"
"とりあえず、わかったよ
ただ…ノエルはどうして協力を?"
"嫌な予感がするの
まるでこの世界が崩壊するかもって
まぁ…あと半分はアデルへの一目惚れよ❤"
"え!?あ、うん。ありがとう///"
"さて、お話もいいのだけれど
少し歩かない?情報を集めたいの"
"それはいいけど…どうするの…?"
〜*〜*〜*〜
ノエルとアデルは街を歩いている。
2人が向かうのは魔物娘が経営する酒場。
ここには色々な情報が集まってくる
大半は男の情報や婚活話ばかりなのだが。
"ここなら何かわかるかしらね"
"ノエル…すごい見られてるよ…"
2人が情報誌を眺めていると
そこへ声をかけてくる子が現れた。
「こんにちは、リリム様♪
本日は何かお求めでしたかぁ?」
"(この人も魔物なのか…。)"
"あら、これはご丁寧に。
実は教団に関する話を集めているの"
「あぁ〜、あの辺境のですね?
それでしたら特にはありませんね〜」
"それはどういう事かしら?"
「だってあんな弱小国家なんて
あっという間に攻め落とせるでしょう?
リリム様なら力づくで一夜陥落ですね♪」
"そういう事。他のサキュバスでも
同じ返しが返ってくるのかしらね"
「きっとそうでしょうねぇ〜
あそこに関しては皆目を離してますねぇ」
"それについてはどうしてなのかしら"
「う〜ん〜?どうしてでしょう〜?
単純に興味が沸かないとかでしょうか〜?
すみません、お力に馴れずに。」
"いえ、とても良い話を聞けたわ
それじゃあ、これでお暇させてもらうわね"
「はいっ♪またのお越しを♪♪」
〜*〜*〜*〜
"あんまり情報は無かったね"
"いえ、収穫はあったのよ
あそこはもう魔物娘の影響を
受ける事がない所に至っているんだわ"
"魔物の…影響…?"
"アデルはスラム街にずっと居たのよね"
"僕はあそこにずっと住んでいたよ"
"その間に魔物はやってきたのかしら"
"いや、魔物は来たことはないよ
でも、たまに騎士様たちが人を運んでいた"
"きっとそれがアデルに起こった事よ"
"うん。でも。それがなんなの?"
"現在、魔物娘たちは人々と友好を結ぶため
様々な国でたくさんの触れ合いをしているの"
"そうなの…?"
"そう、それが例え強大でも弱小でも
魔物に反する人々の集まりと聞けば
魔物娘は闘争心に火が付いてしまうの"
"じゃあ、どうしてあそこは…。。"
"それが多分、指輪のチカラでしている事
魔物からの注意を逸らしていながら
あらゆる危険な活動を行っているのよ"
"こうして魔物と接していても
僕がなんとも無いのはそういうこと…?"
"私がまず恐ろしいと感じたのはそこよ
魔物娘に対してあまりに脅威的なの
でも、教団の人間がこんな事できるかしら"
"こういう事は今までなかった?"
"えぇ…。他のお姉さま方が教団を
陥落させた報告にもそんな話はなかった
あそこは普通じゃないのよ…。。"
"ノエル、ありがとう。。
今日はもうゆっくり休まない?"
"あら?誘っているのかしら…❤
ふふっ…冗談よ❤確かに疲れたわ…。"
"普通に疲れたよ…。"
〜*〜*〜*〜
1日かけて2人が情報を集めている最中
1人の男が行動を起こそうとしていました。
"さぁ〜てっと、仕事しにゃなぁ
オイラは戦闘班向きじゃねぇんだが"
男は自慢の弓矢を磨いていた
その手はまるで悪戯をするかの様で
鋼の刃よりとても研ぎ澄まされた矢じりを
いじくり回すように磨き続けていました。
"オイラの弓の軌道から逃がさないぜぇ
あんなんでもよぉ…オイラ達にゃ必要だしなぁ
ぜってぇ…逃げられねぇよう仕留めるぜぇ…ククッ"
不敵な笑みを浮かべる1人の勇者もとい青年は
石ころを着けた左人差し指で切っ先を弄びました。
【作者より。】
1つ目の絶望を仕掛けていきたいです。
10個もあるのでネタ消化はしたいけれど
話は作り込みしていきたいですね。
一言、言えるとすれば。
皆様、めちゃめちゃ凄いですね!
マジで難しいでございます。。笑