連載小説
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!姉巫女出現中!with 竜
朝食を取った後、俺たちは神社に向かっていた。

「ねぇ兄貴。竜神様ってどういう人なの?」

歩きながら、ネズミが聞いてきた。

「私も聞きたいと思っていたので、教えてもらえますか?」

どうやらトリも興味があったようだ。

うーん・・・どんな人、かぁ・・・

「んー・・・まぁいい人、かな。それと、結構ぬけてるところもあったりする。」

「竜とは思えない評価ですね・・・」

俺も思ったよ・・・

「どんな人かまったく想像もつかないよ・・・」

「でもそれ以外にあの人を表現できないしなぁ・・・」

なんとなく手持ち無沙汰になったので、足元に目を向けた。視界にちらほらと蛇が入ってくる。

今日はやけに蛇が多いな・・・

「お前ら、蛇がいるから噛まれないように注意しとけよ」

「うん。分かった。・・・初めてこんなに蛇見た気がするね」

「はい・・・うーん・・・それにしても数が多すぎるような・・・考えすぎだといいんですが・・・」

そんな他愛も無い話をしていたら、鳥居の前に着いた。

「はぁ・・・これはまた大きい鳥居ですね・・・」

ここの鳥居は大の大人でも見上げるくらいの大きさがある。柱もそれに見合った大きさで、腕をまわしても一人じゃ半周もできないほどの大きさだ。

「じゃあ入るか」

「うん・・・なんか緊張してきた・・・」

三人で鳥居をくぐり、境内をに入る。ここの境内もけっこうな大きさで、アオオニやアカオニ、はたまたネコマタまでもが巫女装束を着て巫女をしている。

・・・さて。

「二人とも、俺はこれから竜神様に会ってくる。二人はここらで適当に時間つぶしといてくれ。」

「私たちは一緒にいったらダメなんですか?」

「んー・・・竜神様はな、軽い人見知りみたいなもんで知らない人と会うのをあんまり好んでなくてな。・・・そういうわけで一人のほうがいいんだ。」

「はい・・・分かりました・・・」シュン

「兄貴・・・」

・・・不安そうな顔してんな・・・

「兄貴は帰ってくるよね?」

「・・・当たり前だろ?いきなり消えたりはしねーから安心しろ。」

頭を撫でてやれ。

「ん・・・分かった・・・」

「早めに戻ってきてくださいね・・・」

「んー了解。なるべく、な。」

俺は二人に背を向けて本殿を目指す。









兄貴が行った後、私たちは兄貴が歩いていったほうをずっと見ている。

「・・・」

兄貴の様子がおかしかったのは昨日の夜からだった。今日はそれに拍車がかかっているように思う。

兄貴は気付いていないと思っていたみたいだけど・・・

「心配だな・・・」

思わず声に出してしまった。

「大丈夫。彼がそういったんです。私たちはそれを信じましょう。それとも、彼を信じることはできませんか?」

挑発的に言っているが、どう応えるかは分かっているんだろう。

当然、そんなことはない。わたしは兄貴を信頼してる。それは胸を張っていえる。だけど・・・

「だけど、不安感は拭いきれませんか?」

「・・・うん・・・」

彼女はまるでわたしの心を覗いているようだ。

「さっきもいいましたけど、大丈夫ですよ。彼は私たちに冗談は言っても裏切ったりはしませんから。大事なことなら尚更、です。あなたは彼を信じますか?それとも、信じませんか?」

そうか・・・わたしが気付いているなら彼女が気付いていないはずが無い・・・

わたしは・・・

「わたしは、兄貴を信じるよ・・・そうすれば、兄貴はきっと。」

兄貴は帰ってきてくれる。

「そう・・・それでいいんですよ。じゃあ、行きましょうか」

彼女は満足そうに微笑むと、わたしの手を取って歩き出した。

「へ?どこに?」

「社務所ですよ。ここ、巫女装束の貸し出しもやってるそうですし。彼が帰ってきたら吃驚させてあげましょう?」

「そうだね・・・」

悩んでいてもしょうがない。今は兄貴を信じなきゃ。

「決まったなら急ぎましょう!」

「ちょっと、わわっ!」

彼女はわたしの手をとって社務所に急いだ。








・・・ネズミに気付かれたならトリにはとっくの昔に気付かれてんだろうな・・・

「ちっ・・・」

彼女のことが白さんのことが頭から離れない。昨日よりも確実に、俺の心を埋め尽くしている。時間切れまであとどのくらいだ・・・
今度彼女にあって、迫られたら俺は振り切ることができるのだろうか?そんなことが頭をよぎる。

「わかんないよな・・・」

そう、どうなるのかはわからない。だから、気にしていてもしょうがない。

「よし、急ぐか」

さっきより歩調は速めに、歩幅は大きく。俺は本殿を目指す。







そして、本殿の御前にたどり着いた。

「相変わらずでけぇな・・・」

本殿の大きさはかなりのものである。それほどこの神社が信仰を集めている、ということの象徴でもあり、彼女の神格の高さにも比例している。

「さってと・・・」

本殿の扉を一般人が開けることはできないので、本殿の脇にある小さな社務所に足を運ぶ。

「すいませーん・・・」

俺がそういうと、奥のほうから誰かが出てきた。

「はーい・・・何か御用でしょう・・・あれ、にぃにぃだ!久しぶり、にぃにぃ!!」

そういって抱きついてきたのは狐火の女の子。

「久しぶりだね。元気だった?」

「うん!でも、にぃにぃが来てくれなくて寂しかった・・・」

「ごめんね。今度からは来る回数増やすように努力するよ。」

しゅんとする女の子に優しく言う。

「約束だよ!」

満面の笑みになって抱きついてきたかとと思いきや、急に真剣な表情になった。

「・・・なんか、にぃにぃの体のなかに変なのあるね・・・もしかしておかぁさんに用があってきたのと関係ある?」

「あぁ。今いるかい?」

「うん。いるよー」

「じゃあ、呼んできてくれる?」

「はーい!」

彼女が奥に戻って少しした後、鍵を持った稲荷が出てきた。

「お久しぶりです。ちょっと緊急の用事がありまして、本殿を開けてもらいたいんですけど・・・」

「久しぶりやねー♪」ツンツン

俺の体を突かないでください。

「んー・・・なるほど、コレはちょっち厄介なことになっとるね〜・・・水の魔力か・・・これは竜神様やったらどうにかなるかも、って思ってきたんかぁ〜」

「えぇ・・・お察しの通りです・・・」

「じゃあ、ちょっと待っとき〜えぇと、本殿の鍵はこれだったかな?それとも・・・」

この人嫌いじゃないけどおっとりしてて苦手なんだよな・・・

「あぁ〜やっとみつけたわ〜はい、どうぞ?」

「ありがとうございます。」

礼をいって鍵を受け取る。

「鍵を返すのはあとでかまわへんけど戸締りはしっかりな〜」

会釈で返事を返し、本殿に向かう。








鍵をあけて、中に入る。

「おーい・・・いますかー・・・」

ドアを開けたらそこには、雰囲気漂う竜神様・・・





ではなく、

「あー!久しぶり!!元気だった?お姉ちゃんにに会えなくて寂しくなかった?」

巫女装束を着た自分を自称お姉ちゃんという竜がいた。この人のために言っておくと俺とこの竜との付き合いはかなり長く、姉弟のような関係が築かれている。なのでお姉ちゃんと自分で言っている。

「あの、久しぶりにあえて嬉しいのは俺もですけど、今日はただ会いにきたんじゃなくて別な用件があってきたんです。」

「え?なに?ま、まさか・・・」

なにを狼狽してんだこの人は・・・?

「やっとお姉ちゃんの処女をもらってくれるんだね!!」

「ふぅ・・・」

キラキラした目でなにを言ってるんだ・・・

「長かった・・・キミにお姉ちゃんの処女をあげると心に誓って、どれくらいの時間が経ったんだろう・・・やっと覚悟をきめてくれたんだね・・・」

「違うから!全然全く関係ないことだから!!!」

「なんだ、違うのか・・・」

しょぼーんとした彼女を放っておき、話を始める。

「話って言うのはですね・・・」

「あぁ。水の魔力を中和してほしいっていうこと?」

わかってんじゃねぇか・・・(#^ω^)ビキビキ

「分かってんなら話は早いです。頼めますか?」

「当たり前だよ!お姉ちゃんを誰だとおもってるの?」

「じゃあ一刻も早く頼みます。」

よし、光が見えてきた・・・

「条件付きだけどいい?」

そうでもなかった・・・

「えぇっと・・・一つだけなら・・・」

「やったぁ♪じゃあ、さっそく解呪にとりかかろうっか?」

「あぁ・・・具体的には何をすれば?」

「うん。じゃあまずは・・・裸になって?」

・・・は?

「なにいってんの?」

「だから脱いでって。」

「どうして!?」

「体内にある水の魔力を打ち消すには、短時間で多くの魔力を流し込まなきゃいけないんだよ。そして、短時間で流し込むには、体で繋がっちゃうのが一番手っ取り早いよ?」

「それ以外の方法は無いんですか」

「んー・・・あるにはあるけど、途中で時間切れになっちゃうかもねー?そうなったら困っちゃうから、お姉ちゃんを頼りにしてきたんでしょう?それに、タダで助けてもらおうなんて虫が良すぎるんじゃないかなー?」

くっ・・ニヤニヤしやがって・・・割り切るしかないのか・・・?

「ちっ・・・それしかないなら・・・それで、お願いします・・・」

「(よしっ!)えへへ・・・初めてだから優しくしてね?」

あぁ・・・俺はどうなるんだ・・・
12/03/05 14:11更新 / パイルバンカー・改
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