第九章 調査と露呈
マリアンヌさんにヒントをもらったぼくは、トモエ不在の不安をかき消すように魔物娘との共存の為準備し始めた。トモエが帰ってきた時に合法的に暮らせるように。
使用人たちにお願いし、レスカティエでトモエらしき人物を探してもらった。
マリアンヌさんの案を参考に、人間との共存が可能な者を厳しく選抜する法の草案を製作し、政治を担う宰相や役人達に魔物を受け入れるため法整備をすると伝えた。激しく反発する者もいたが、中にはひそかに魔物娘を何人も囲っていた者がおり、その者達の力添えで凄まじい速度で法整備の骨組ができていった。入ってきた魔物をある程度保護しつつ人間と魔物が互いに溶け込めるよう、国内で秘密裏に魔物を妻にしている者にお忍びで会いに行った。
「ラウラ、また来てくれたの?」
「お姉ちゃん!元気?」
ラウラのお姉さん夫婦とは妹を預かっている為にかなり頻繁に交流した。姉妹で楽しげに話しあう姿は微笑ましい。その裏でぼくとお姉さんの夫が話している。
「それで、具体的には何が一番ほしいのです?」
「妻がそのままの姿で外を歩ける様になればいい。とにかく魔物が安全で人に危害を加えない事を広めてほしい。俺以外にも魔物娘を妻にした男は皆そう思ってる」
「その方々とは交流できますか?」
「ああ。俺達は共通の秘密を持っている。それなりに助け合わなきゃやっていけんからな。連絡を入れておく」
やはりにかなりの数の魔物娘が人目を忍び生活しているらしかった。中には魔物であることを秘密にしながらも、魔物由来の能力で近所の方々と良好な関係を築いている者もおり、想像以上に魔物受入れの下地は出来ていた。
義姉夫婦から繋がる人脈から、魔物達へと交流は広がっていった。
サキュバスやエルフ等魔力が高くほぼ人型の種族は人間に変身して慎ましやかに夫と生活していて、例外なくとても幸せそうだった。
だが人外要素の多い異形種で変身魔法を覚えない者等の生活は不自由そうだった。夫との中は良好でも、自由に街へ繰り出せず買い出し等は全て夫任せ。夫への負担を考えると申し訳ないと切々と訴えてきた。
中には非合法と分かっていながら裏ルートで家畜扱いで仕入れた魔物娘で牧場を営む者も居た。ぼくが来てもホルスタウロスの種付けに夢中になっており、目のやり場に困った。
彼は逮捕処刑されるのではと真っ青になりつつも、愛する“家畜”の気持ち好さに止まれない。彼らに布団をかけ、背中を向けて事情を話した。
彼によればホルスタウロスはミルクの需要の高さから常に不足しており、非合法と分かっていながら取引はそこかしこで行われているらしい。魔物娘故に妊娠率も低く、中々流通しない分法外な値段で売買され、ホルスタウロス一頭を買うために生活を投げ出した男さえいるほどらしい。
他にも、性的な意味で“食肉用”、つまり肉奴隷としてオークも非常に人気が高いとか。地方役人や富裕層が戯れに買ってヤリ捨てるつもりが離れられなくなるケースが後を絶たない。
ワーシープはウールをとる為に買ったが毛刈りの時に組み敷かれ逆に彼女に逆らえなくなった夫もいた。
総じて魔物を妻にした夫は男性側が襲っているような感覚だった。魔物側よりも人間の男性側に自制を求めたほうがいいのかもしれない。魔物夫婦には3人以上子を作れば国外退去にする事を通知しつつ、国家非常時には人命救助等をする様お願いし、今後法整備を進めると約束した。
そしてぼくは決断をする。魔物受入れの王令を出そう、と。
執事長アレックスは反対した。レスカティエは今色めき立っている。そんな状況で反魔物の流れに逆らうのは危険すぎると。だがぼくは頑として諦めなかった。先駆けにマリアンヌさんがいる事、もはや魔物を拒絶するだけでは進歩できない事を告げ、何とか説得した。
「もはや時代の流れです。逆にいえば、これだけ魔物がいても国が乱れていないのですよ。反魔物思想を貫いても、レスカティエ勢力は衰えています。レスカティエの傘がいつまで意味を持つかはわからないし、レスカティエが倒れた時、無秩序に魔物が入って来た時の方が恐ろしいのではないでしょうか」
「…確かに一理あります」
「そうなる前に人間に友好的で理性のある魔物勢力を味方につけ、レスカティエと対等以上の関係を目指す事が重要だと思います」
アレックスは人を魔物に対して優位にする事、国家の安全確保のため同盟国の候補を探す事、人間人口を維持する為の法整備を条件に、のんでくれた。
公共広場で、正装で王令を発布した。
「魔物を受け入れようと思います」
広場の高台で、集まって来た民衆を前にはっきりと告げる。
どよめく観衆。不安そうな顔になる者や、怒号も聞こえ始める。
「無論、この国の民衆が第一です。無秩序に国に魔物を流れこませるつもりはございません。国家基準を設け、これを満たした者達のみが入国を許されます」
国民に配るビラには、厳しい入国基準が書かれていた。並大抵の魔物娘では満たせない基準だった。国民を納得させるためにある程度魔物側の権利は制限されていた。
「皆様はもし身近な人が魔物だった場合どうされます?例えばこの国でひそかに支持を集めている食品や製品が魔物娘由来の物ならどうします?」
ざわめく観衆。更に続ける。
「我が国のみならず、周辺国にはすでに多数の魔物が入り込んでおりました。我が国は当初、反魔物国家としてこれを排除しようと努めてまいりましたが、もはや不可能でした。それどころか、人知れず魔物娘の恩恵に預かっている事すらあったのです。今その者達は人間に拒絶され排除される事に怯え、静かに暮らしております」
一呼吸置いて
「この法は、そういった者の為のものであります。人間の権利を侵害せぬよう詰めてまいりました。どうか、どうかお願いいたします」
と言い切った。
観衆はあっけにとられていたが、すぐに何人かが異議を唱えた。
「魔物は皆人間との間にしか子を授かれないじゃないですか!それに皆男好きの淫乱と聞きます。我々は減る一方ですよ」
「それについてはご安心ください。王令にもある通り、誰彼かまわず襲う危険思想の持ち主や過激派はそもそも国に入れません。また、違反行為をすれば即座に国外退去にします。更に魔物娘との間に授かれる子は制限を設けます。3人以上子を作れば問答無用で国外退去とします。まず魔物娘は種族にもよりますが、彼女らにとって性交は食事と生殖を兼ねており妊娠の可能性は極めて低いです」
最初に怒号した男は難しそうな顔で腕を組んで黙る。
今度は女性が質問する。
「私達人間に対する保証は?魔物娘を褒める訳ではありませんが、彼女達は相当な美女ばかりと聞きます。受け入れた魔物が綺麗すぎて私達の立場がなくなる可能性があるのでは?」
「我が国の女性は諸外国から美人揃いと評判ですから自信をお持ちくださいませ。それに人間同士の婚姻を優遇する制度を作り、各種手当保障等を充実します。若年層の結婚斡旋所の設置、子供一人につき増える育児手当、託児所の設置をとります。人間が増える事は、魔物娘にとっても喜ばしい事です。託児所の保育士には場合により国の基準を満たした魔物娘も選定するつもりです」
女性は一瞬戸惑ったがすぐに晴れやかな顔になり引っ込んだ。
落ち着いて受け答えできた為、国民は安心してくれたようだった。
多少の意見はあったものの、大きなトラブルはなく事を進められた。
「あっ!んっ!んっ!」
「っ♪っ♪っ♪っ♪」
トモエが居なくなって、レスカティエから帰還してラウラを毎日抱いている。ぼくはドレスを着たまま、全裸のラウラとバックで繋がり、既に何度か膣内射精している。
今王宮に居るのは執事長と警備員と調理員だけ。ほとんどがトモエ捜索に出ていた。ぼくはラウラと二人きりで激しくセックスに逃げていた。
ラウラを抱いていないと、不安で心が折れそうになってしまう。
トモエとラウラ二人に捧げた精をラウラ一人に重点的に送り込む。そのせいで彼女は臨月妊婦の様になっていた。
「サラっ、気持ち好いっ、あたしっ、トンじゃぅ…!」
「トンで!」
彼女との関係も大分変った。今は立派な恋人であり、妹として可愛がっていた頃とはまるで違う。激しい行為を連日受け止め、彼女の胎内はぼく専用のものになった。
小さな体をいっぱいに使い、暴風の様な腰使いを受け止めてくれる。
暴力的な締め付けに暴力的なピストンでセックスする。
後ろから突く度にまん丸に膨らんだ血色良いお腹がとすんとすんゆれる。内容物は精液で、たぷんたぷんしている。大量の精液で内臓が圧迫されているだろうに魔物娘の頑丈さには驚きだ。女性を壊しかねないプレイだがラウラは魔物。一滴の精液も逃さぬよう膣と子宮を可能な限り使っている。
「ラウラ、お腹ッ!大丈夫ッ!?」
「うんっ♪全身がッ、サラの精液にッ、犯されてるッ」
連日の蹂躙に彼女はどんどん綺麗になっていった。幼いぷりぷりの肉体の張りは良くなり、精液の吸収も貪欲になる。精を貪る魔物娘にとって、甘く激しいセックスと大量の精液は美容と健康を促進する。それでも双子を孕んだ様なお腹は幼女の体には辛そうだ。
大きなお腹を抱えて支えて負担を軽減しつつも、根本的な原因の射精は自重する気はない。
ぶちゅっ!
「あぁあっ♪」
「サラまたイくのっ…?」
ずっぽずっぽずっぽずっぽっ
「ラウラ、また射精るッ」
「ぁアァあああッ♪」
どぼっ!!
彼女の膣内に大量射精。乱暴に引き抜くと、精液が大量に漏れ出す。
まずい。日に日に精力絶倫になっていく。インキュバス化が進行しているのかも。トモエに抜いてもらわないと、人間の奥さんを貰う前にインキュバスになってしまう。そうなってしまえば、奥さんもセックスの際レッサーサキュバスとなり、生まれてくる世継ぎもサキュバスだ。自重しないといけない。でも止められるならもう止めている。
「はぁ…はぁ…はぁ…ラウラ、大丈夫…?」
「お腹…重…♪」
小さな体で大きなお腹を抱えるラウラをお姫様だっこし、ベッドに寝かせる。
艶やかな赤毛を梳きながら愛を囁いた。
「ラウラ、いつも激しくしちゃってごめんね」
「いいよ…幸せだし…それに、トモエがいない分あたしがサラの性欲処理しなきゃ。奥さん候補だもん♪」
大きなお腹と角をさすると、ラウラは不安と喜びが入り混じった表情をする。
「トモエが帰ってきたら、また3人で何度もえっちしたいな……でも今は…」
「きゃは♪サラ元気ぃ♪…ッァアんッ♪」
余韻そのままに再びセックス。次は正常位で深く深く。
ずにゅずにゅずにゅっ…!
「にゃアッ♪サラっおちんちんが子宮にぃい…!」
「ラウラと子宮姦っ、やばっ」
本来ならこれも危険行為だった。好色なトモエにさえ止められた。でも今は二人きりで暴力的快楽に溺れる。魔物との情事で更に肥大化したそれは、普通にセックスしていてもラウラの子宮を持ち上げるほどに突き上げる。より快楽に溺れようと深く結合すれば子宮姦になる。
「あっ♪おくにごつんごつんってぇ♪♪」
「んっ!んっ!締め上げッ、きついっ。ラウラごめんっ」
ベッドに手をついて精液で臨月になった幼女をトスントスン子宮姦。まあるいお腹が揺れて激しい行為を強調する。
「ごめんねっ、子宮姦止められなくてッ…!」
「っ、いいよぉっ♪」
赤髪が乱れ、潤んだ瞳で見上げてくる。表情は初夜で戸惑う乙女の様だが下半身は娼婦の様だ。これだけセックスしているのに、ほぼ精液は漏れず、子宮と膣内をうねらせてぼくから絞りとろうとしている。
「ラウラ、可愛くてっ…綺麗っ…だよッ!」
「…!」
顔を近づけて唇を重ね、もぞもぞと腰を動かす。ラウラは蕩けた表情で瞳を閉じる。
小柄な彼女のお腹に木をつけながらキスしてピストンする為に動きはぎこちないが、それでも止められない。
愛らしい姿をしている割に歴戦の娼婦も霞む程のテクニックと乱れた姿が愛おしい。
ごすんごすんと腰を振り、精液を充填する。
「「っむっ、んっ♪」」
互いの吐息まで交換し合って絶頂に向かっていく。
ぐちゅっねちょっぬちゃっ
いやらしい粘膜をかき回す音がどんどん大きくなっていく。
「っぷは!ああああああああああッ!イクッ!イクッ!イっくぅううううッ!!」
下品な雄になり、再び絶頂した。
「んんんぁッ!おなかッいっぱいぃぃい…!」
「「はぁーッ…はぁーッ…はぁーッ…」」
情事の後、二人の吐息が混ざりあった。
ラウラも不安なのに、自分は甘えてばかりだ。しっかりしないと。
「…そろそろ使用人にも打ち明けるべき…だよね」
その日、執事長を執務室に呼びだした。ラウラもベッドに寝かせている。
「サラ様からお呼びされるとは珍しいですね」
「アレックス、貴方に大切な話があります」
老紳士はやや身構える。姉上には余程手を焼かされた様で、厄介事を覚悟しているようだ。勘は当たっている。
「私は…いえ、ぼくは姫ではありません」
「……は?」
「影武者の男です。先代国王の妾との間に生まれた……」
一瞬何が起こったか分からなかったらしい。固まってしまった。
ぼくも黙る。するとベッドで寝ていたラウラが身を起こす。
「アレさん。あたしサラの女になったの」
立ちあがった小さな体は臨月妊婦の様な状態だ。角も生やす。
あまりに衝撃的な事実に執事長は泡を吹いて倒れてしまった。
「大丈夫ですか?」
「ごめんなさいっ!」
ベッドで目覚めるアレックス。
仕えている姫が替え玉の男で、孫の様に可愛がっていた女の子が魔物娘。そして二人とも男女の関係だったとなると、受け止めきれなくても無理はない。
「整理させてくださいませんか」
アレックスは腕組みしつつ思案する。年老いて皺が刻まれた渋い顔は何とか現実を受け入れようと必死だ。
ぼくは再び順を追って説明した。
「つまり、貴方はサラ様の影武者であると。そして王家の血を引いておられる。更に本物のサラ様は十中八九サキュバスになっていると」
「まだそう決まった訳ではありませんが…可能性は…」
「いえ、サラ様の事だ。恐らく公務が嫌になっていたのでしょう。サキュバスになって自由を謳歌しておられるのでしょうなぁ」
暫く考えてから驚くべき発言を繰り出した。
「こちらのサラ様はこのまま姫としていきていただきましょう」
ぼくは驚いた。それまで心配そうな顔で静かに聞いていたラウラも目を丸くする。偽物を受け入れる判断を取ったからだ。
「王家の血筋ならば代役も務まりましょう。何より世継ぎを残せるなら」
俄然やる気を出すアレックスは続ける。
「国民には伏せましょう。混乱させるだけですので。幸いにしてまだサラ様は人間です。まだ間に合うでしょう。そして………ラウラ」
びくりと反応するラウラ。アレックスの雰囲気が変わったからだ。
「サラ様と深い関係になった魔物というのはいただけないな。もしラウラでなければ………命の保証はしなかった。サラ様が魔物を受け入れる王令を発布したのもお前が大きいだろうな」
だが大きな手はラウラの頭にポンと置かれる。
「サラ様が人間のお世継ぎを残されるまで、接触は禁止だ。命を奪わないだけでも目をつぶってもらうとしよう」
やはりここは反魔物国家である。身内に情けをかけたとはいえ、厳しい口調で牽制する。
その上でこうも続けた。
「おそらくトモエ様も魔物だろうな。迂闊だった。すまんな、ここが反魔物国家であることを理解してくれ」
「あの…アレックス、二人にはくれぐれも…」
ぼくはあまりにも人の変わったアレックスに確認を取る。
「勿論。サラ様ご執心お二人とあれば、傷付ける事は致しません。ただし!…………人間の姫を妃にし、何としてもお世継ぎは残していただきます。偉大な王家が存続するためにはそれは飲んでいただく。産まれた子は遠縁の親戚筋の子として育てます。よろしいですね」
少し怒りが籠った声色で返してくる。それが自分に対する怒りなのか、ぼくに対するものなのか、ラウラやトモエに対するものなのかは分からない。
その日から、執事長アレックスは周辺諸国の貴族の娘を探しては見合い相手に勧めてきたりした。また、使用人にも事実を伏せつつもラウラを監視するように命じ、ラウラとの肉体関係は途切れた。あれ程ラウラに優しかったアレックスはどこか余所余所しくなった。
更に、使用人によるトモエの捜索も打ち切られた。
魔物であるトモエを助ける理由はない。下手をしてレスカティエに勘付かれては元も子もない。
打ち切りは当然だった。
to be continued
使用人たちにお願いし、レスカティエでトモエらしき人物を探してもらった。
マリアンヌさんの案を参考に、人間との共存が可能な者を厳しく選抜する法の草案を製作し、政治を担う宰相や役人達に魔物を受け入れるため法整備をすると伝えた。激しく反発する者もいたが、中にはひそかに魔物娘を何人も囲っていた者がおり、その者達の力添えで凄まじい速度で法整備の骨組ができていった。入ってきた魔物をある程度保護しつつ人間と魔物が互いに溶け込めるよう、国内で秘密裏に魔物を妻にしている者にお忍びで会いに行った。
「ラウラ、また来てくれたの?」
「お姉ちゃん!元気?」
ラウラのお姉さん夫婦とは妹を預かっている為にかなり頻繁に交流した。姉妹で楽しげに話しあう姿は微笑ましい。その裏でぼくとお姉さんの夫が話している。
「それで、具体的には何が一番ほしいのです?」
「妻がそのままの姿で外を歩ける様になればいい。とにかく魔物が安全で人に危害を加えない事を広めてほしい。俺以外にも魔物娘を妻にした男は皆そう思ってる」
「その方々とは交流できますか?」
「ああ。俺達は共通の秘密を持っている。それなりに助け合わなきゃやっていけんからな。連絡を入れておく」
やはりにかなりの数の魔物娘が人目を忍び生活しているらしかった。中には魔物であることを秘密にしながらも、魔物由来の能力で近所の方々と良好な関係を築いている者もおり、想像以上に魔物受入れの下地は出来ていた。
義姉夫婦から繋がる人脈から、魔物達へと交流は広がっていった。
サキュバスやエルフ等魔力が高くほぼ人型の種族は人間に変身して慎ましやかに夫と生活していて、例外なくとても幸せそうだった。
だが人外要素の多い異形種で変身魔法を覚えない者等の生活は不自由そうだった。夫との中は良好でも、自由に街へ繰り出せず買い出し等は全て夫任せ。夫への負担を考えると申し訳ないと切々と訴えてきた。
中には非合法と分かっていながら裏ルートで家畜扱いで仕入れた魔物娘で牧場を営む者も居た。ぼくが来てもホルスタウロスの種付けに夢中になっており、目のやり場に困った。
彼は逮捕処刑されるのではと真っ青になりつつも、愛する“家畜”の気持ち好さに止まれない。彼らに布団をかけ、背中を向けて事情を話した。
彼によればホルスタウロスはミルクの需要の高さから常に不足しており、非合法と分かっていながら取引はそこかしこで行われているらしい。魔物娘故に妊娠率も低く、中々流通しない分法外な値段で売買され、ホルスタウロス一頭を買うために生活を投げ出した男さえいるほどらしい。
他にも、性的な意味で“食肉用”、つまり肉奴隷としてオークも非常に人気が高いとか。地方役人や富裕層が戯れに買ってヤリ捨てるつもりが離れられなくなるケースが後を絶たない。
ワーシープはウールをとる為に買ったが毛刈りの時に組み敷かれ逆に彼女に逆らえなくなった夫もいた。
総じて魔物を妻にした夫は男性側が襲っているような感覚だった。魔物側よりも人間の男性側に自制を求めたほうがいいのかもしれない。魔物夫婦には3人以上子を作れば国外退去にする事を通知しつつ、国家非常時には人命救助等をする様お願いし、今後法整備を進めると約束した。
そしてぼくは決断をする。魔物受入れの王令を出そう、と。
執事長アレックスは反対した。レスカティエは今色めき立っている。そんな状況で反魔物の流れに逆らうのは危険すぎると。だがぼくは頑として諦めなかった。先駆けにマリアンヌさんがいる事、もはや魔物を拒絶するだけでは進歩できない事を告げ、何とか説得した。
「もはや時代の流れです。逆にいえば、これだけ魔物がいても国が乱れていないのですよ。反魔物思想を貫いても、レスカティエ勢力は衰えています。レスカティエの傘がいつまで意味を持つかはわからないし、レスカティエが倒れた時、無秩序に魔物が入って来た時の方が恐ろしいのではないでしょうか」
「…確かに一理あります」
「そうなる前に人間に友好的で理性のある魔物勢力を味方につけ、レスカティエと対等以上の関係を目指す事が重要だと思います」
アレックスは人を魔物に対して優位にする事、国家の安全確保のため同盟国の候補を探す事、人間人口を維持する為の法整備を条件に、のんでくれた。
公共広場で、正装で王令を発布した。
「魔物を受け入れようと思います」
広場の高台で、集まって来た民衆を前にはっきりと告げる。
どよめく観衆。不安そうな顔になる者や、怒号も聞こえ始める。
「無論、この国の民衆が第一です。無秩序に国に魔物を流れこませるつもりはございません。国家基準を設け、これを満たした者達のみが入国を許されます」
国民に配るビラには、厳しい入国基準が書かれていた。並大抵の魔物娘では満たせない基準だった。国民を納得させるためにある程度魔物側の権利は制限されていた。
「皆様はもし身近な人が魔物だった場合どうされます?例えばこの国でひそかに支持を集めている食品や製品が魔物娘由来の物ならどうします?」
ざわめく観衆。更に続ける。
「我が国のみならず、周辺国にはすでに多数の魔物が入り込んでおりました。我が国は当初、反魔物国家としてこれを排除しようと努めてまいりましたが、もはや不可能でした。それどころか、人知れず魔物娘の恩恵に預かっている事すらあったのです。今その者達は人間に拒絶され排除される事に怯え、静かに暮らしております」
一呼吸置いて
「この法は、そういった者の為のものであります。人間の権利を侵害せぬよう詰めてまいりました。どうか、どうかお願いいたします」
と言い切った。
観衆はあっけにとられていたが、すぐに何人かが異議を唱えた。
「魔物は皆人間との間にしか子を授かれないじゃないですか!それに皆男好きの淫乱と聞きます。我々は減る一方ですよ」
「それについてはご安心ください。王令にもある通り、誰彼かまわず襲う危険思想の持ち主や過激派はそもそも国に入れません。また、違反行為をすれば即座に国外退去にします。更に魔物娘との間に授かれる子は制限を設けます。3人以上子を作れば問答無用で国外退去とします。まず魔物娘は種族にもよりますが、彼女らにとって性交は食事と生殖を兼ねており妊娠の可能性は極めて低いです」
最初に怒号した男は難しそうな顔で腕を組んで黙る。
今度は女性が質問する。
「私達人間に対する保証は?魔物娘を褒める訳ではありませんが、彼女達は相当な美女ばかりと聞きます。受け入れた魔物が綺麗すぎて私達の立場がなくなる可能性があるのでは?」
「我が国の女性は諸外国から美人揃いと評判ですから自信をお持ちくださいませ。それに人間同士の婚姻を優遇する制度を作り、各種手当保障等を充実します。若年層の結婚斡旋所の設置、子供一人につき増える育児手当、託児所の設置をとります。人間が増える事は、魔物娘にとっても喜ばしい事です。託児所の保育士には場合により国の基準を満たした魔物娘も選定するつもりです」
女性は一瞬戸惑ったがすぐに晴れやかな顔になり引っ込んだ。
落ち着いて受け答えできた為、国民は安心してくれたようだった。
多少の意見はあったものの、大きなトラブルはなく事を進められた。
「あっ!んっ!んっ!」
「っ♪っ♪っ♪っ♪」
トモエが居なくなって、レスカティエから帰還してラウラを毎日抱いている。ぼくはドレスを着たまま、全裸のラウラとバックで繋がり、既に何度か膣内射精している。
今王宮に居るのは執事長と警備員と調理員だけ。ほとんどがトモエ捜索に出ていた。ぼくはラウラと二人きりで激しくセックスに逃げていた。
ラウラを抱いていないと、不安で心が折れそうになってしまう。
トモエとラウラ二人に捧げた精をラウラ一人に重点的に送り込む。そのせいで彼女は臨月妊婦の様になっていた。
「サラっ、気持ち好いっ、あたしっ、トンじゃぅ…!」
「トンで!」
彼女との関係も大分変った。今は立派な恋人であり、妹として可愛がっていた頃とはまるで違う。激しい行為を連日受け止め、彼女の胎内はぼく専用のものになった。
小さな体をいっぱいに使い、暴風の様な腰使いを受け止めてくれる。
暴力的な締め付けに暴力的なピストンでセックスする。
後ろから突く度にまん丸に膨らんだ血色良いお腹がとすんとすんゆれる。内容物は精液で、たぷんたぷんしている。大量の精液で内臓が圧迫されているだろうに魔物娘の頑丈さには驚きだ。女性を壊しかねないプレイだがラウラは魔物。一滴の精液も逃さぬよう膣と子宮を可能な限り使っている。
「ラウラ、お腹ッ!大丈夫ッ!?」
「うんっ♪全身がッ、サラの精液にッ、犯されてるッ」
連日の蹂躙に彼女はどんどん綺麗になっていった。幼いぷりぷりの肉体の張りは良くなり、精液の吸収も貪欲になる。精を貪る魔物娘にとって、甘く激しいセックスと大量の精液は美容と健康を促進する。それでも双子を孕んだ様なお腹は幼女の体には辛そうだ。
大きなお腹を抱えて支えて負担を軽減しつつも、根本的な原因の射精は自重する気はない。
ぶちゅっ!
「あぁあっ♪」
「サラまたイくのっ…?」
ずっぽずっぽずっぽずっぽっ
「ラウラ、また射精るッ」
「ぁアァあああッ♪」
どぼっ!!
彼女の膣内に大量射精。乱暴に引き抜くと、精液が大量に漏れ出す。
まずい。日に日に精力絶倫になっていく。インキュバス化が進行しているのかも。トモエに抜いてもらわないと、人間の奥さんを貰う前にインキュバスになってしまう。そうなってしまえば、奥さんもセックスの際レッサーサキュバスとなり、生まれてくる世継ぎもサキュバスだ。自重しないといけない。でも止められるならもう止めている。
「はぁ…はぁ…はぁ…ラウラ、大丈夫…?」
「お腹…重…♪」
小さな体で大きなお腹を抱えるラウラをお姫様だっこし、ベッドに寝かせる。
艶やかな赤毛を梳きながら愛を囁いた。
「ラウラ、いつも激しくしちゃってごめんね」
「いいよ…幸せだし…それに、トモエがいない分あたしがサラの性欲処理しなきゃ。奥さん候補だもん♪」
大きなお腹と角をさすると、ラウラは不安と喜びが入り混じった表情をする。
「トモエが帰ってきたら、また3人で何度もえっちしたいな……でも今は…」
「きゃは♪サラ元気ぃ♪…ッァアんッ♪」
余韻そのままに再びセックス。次は正常位で深く深く。
ずにゅずにゅずにゅっ…!
「にゃアッ♪サラっおちんちんが子宮にぃい…!」
「ラウラと子宮姦っ、やばっ」
本来ならこれも危険行為だった。好色なトモエにさえ止められた。でも今は二人きりで暴力的快楽に溺れる。魔物との情事で更に肥大化したそれは、普通にセックスしていてもラウラの子宮を持ち上げるほどに突き上げる。より快楽に溺れようと深く結合すれば子宮姦になる。
「あっ♪おくにごつんごつんってぇ♪♪」
「んっ!んっ!締め上げッ、きついっ。ラウラごめんっ」
ベッドに手をついて精液で臨月になった幼女をトスントスン子宮姦。まあるいお腹が揺れて激しい行為を強調する。
「ごめんねっ、子宮姦止められなくてッ…!」
「っ、いいよぉっ♪」
赤髪が乱れ、潤んだ瞳で見上げてくる。表情は初夜で戸惑う乙女の様だが下半身は娼婦の様だ。これだけセックスしているのに、ほぼ精液は漏れず、子宮と膣内をうねらせてぼくから絞りとろうとしている。
「ラウラ、可愛くてっ…綺麗っ…だよッ!」
「…!」
顔を近づけて唇を重ね、もぞもぞと腰を動かす。ラウラは蕩けた表情で瞳を閉じる。
小柄な彼女のお腹に木をつけながらキスしてピストンする為に動きはぎこちないが、それでも止められない。
愛らしい姿をしている割に歴戦の娼婦も霞む程のテクニックと乱れた姿が愛おしい。
ごすんごすんと腰を振り、精液を充填する。
「「っむっ、んっ♪」」
互いの吐息まで交換し合って絶頂に向かっていく。
ぐちゅっねちょっぬちゃっ
いやらしい粘膜をかき回す音がどんどん大きくなっていく。
「っぷは!ああああああああああッ!イクッ!イクッ!イっくぅううううッ!!」
下品な雄になり、再び絶頂した。
「んんんぁッ!おなかッいっぱいぃぃい…!」
「「はぁーッ…はぁーッ…はぁーッ…」」
情事の後、二人の吐息が混ざりあった。
ラウラも不安なのに、自分は甘えてばかりだ。しっかりしないと。
「…そろそろ使用人にも打ち明けるべき…だよね」
その日、執事長を執務室に呼びだした。ラウラもベッドに寝かせている。
「サラ様からお呼びされるとは珍しいですね」
「アレックス、貴方に大切な話があります」
老紳士はやや身構える。姉上には余程手を焼かされた様で、厄介事を覚悟しているようだ。勘は当たっている。
「私は…いえ、ぼくは姫ではありません」
「……は?」
「影武者の男です。先代国王の妾との間に生まれた……」
一瞬何が起こったか分からなかったらしい。固まってしまった。
ぼくも黙る。するとベッドで寝ていたラウラが身を起こす。
「アレさん。あたしサラの女になったの」
立ちあがった小さな体は臨月妊婦の様な状態だ。角も生やす。
あまりに衝撃的な事実に執事長は泡を吹いて倒れてしまった。
「大丈夫ですか?」
「ごめんなさいっ!」
ベッドで目覚めるアレックス。
仕えている姫が替え玉の男で、孫の様に可愛がっていた女の子が魔物娘。そして二人とも男女の関係だったとなると、受け止めきれなくても無理はない。
「整理させてくださいませんか」
アレックスは腕組みしつつ思案する。年老いて皺が刻まれた渋い顔は何とか現実を受け入れようと必死だ。
ぼくは再び順を追って説明した。
「つまり、貴方はサラ様の影武者であると。そして王家の血を引いておられる。更に本物のサラ様は十中八九サキュバスになっていると」
「まだそう決まった訳ではありませんが…可能性は…」
「いえ、サラ様の事だ。恐らく公務が嫌になっていたのでしょう。サキュバスになって自由を謳歌しておられるのでしょうなぁ」
暫く考えてから驚くべき発言を繰り出した。
「こちらのサラ様はこのまま姫としていきていただきましょう」
ぼくは驚いた。それまで心配そうな顔で静かに聞いていたラウラも目を丸くする。偽物を受け入れる判断を取ったからだ。
「王家の血筋ならば代役も務まりましょう。何より世継ぎを残せるなら」
俄然やる気を出すアレックスは続ける。
「国民には伏せましょう。混乱させるだけですので。幸いにしてまだサラ様は人間です。まだ間に合うでしょう。そして………ラウラ」
びくりと反応するラウラ。アレックスの雰囲気が変わったからだ。
「サラ様と深い関係になった魔物というのはいただけないな。もしラウラでなければ………命の保証はしなかった。サラ様が魔物を受け入れる王令を発布したのもお前が大きいだろうな」
だが大きな手はラウラの頭にポンと置かれる。
「サラ様が人間のお世継ぎを残されるまで、接触は禁止だ。命を奪わないだけでも目をつぶってもらうとしよう」
やはりここは反魔物国家である。身内に情けをかけたとはいえ、厳しい口調で牽制する。
その上でこうも続けた。
「おそらくトモエ様も魔物だろうな。迂闊だった。すまんな、ここが反魔物国家であることを理解してくれ」
「あの…アレックス、二人にはくれぐれも…」
ぼくはあまりにも人の変わったアレックスに確認を取る。
「勿論。サラ様ご執心お二人とあれば、傷付ける事は致しません。ただし!…………人間の姫を妃にし、何としてもお世継ぎは残していただきます。偉大な王家が存続するためにはそれは飲んでいただく。産まれた子は遠縁の親戚筋の子として育てます。よろしいですね」
少し怒りが籠った声色で返してくる。それが自分に対する怒りなのか、ぼくに対するものなのか、ラウラやトモエに対するものなのかは分からない。
その日から、執事長アレックスは周辺諸国の貴族の娘を探しては見合い相手に勧めてきたりした。また、使用人にも事実を伏せつつもラウラを監視するように命じ、ラウラとの肉体関係は途切れた。あれ程ラウラに優しかったアレックスはどこか余所余所しくなった。
更に、使用人によるトモエの捜索も打ち切られた。
魔物であるトモエを助ける理由はない。下手をしてレスカティエに勘付かれては元も子もない。
打ち切りは当然だった。
to be continued
17/04/05 08:49更新 / 女体整備士
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