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「ダークスライムがうまれた訳」

むかしむかし あるところに、

ひとりの剣士さまと うつくしい女の人が おりました。

幼なじみだった2人は だいのなかよしで、

いつかけっこんしようと きめていました。

「どんなことが あろうとも ボクは あなたをしあわせにします!」

剣士さまから プロポーズをされたとき、

小さいころから 泣き虫だった女の人は うれし涙を ながしてしまいました。



そんなあるとき、

2人のまえに イジワルな魔女が あらわれました。

イジワルな魔女は あろうことか、

剣士さまに ひとめぼれしてしまいました。

「かっこいいおにいさん、 わたしの使い魔に なってちょうだい!」

しかし 剣士さまは まよわずに こういいました。

「ボクには すでに あいする人が いるのです。

あなたのものには なれません。」

それをきいた魔女は おこりました!

「ふん! こんな 増年ババァの どこがいいのよ!

じゃまな女と ロリッ子のすばらしさがわからない おにいさんは こうしてやる!」

イジワルな魔女が 魔法をとなえると、

魔女のけらいの ゾンビたちが あられ、 剣士さまにおそいかかりました!

剣士さまが ゾンビたちをけちらすあいだに、

女の人は 魔女につかまって しまいました!

「いや! はなしてください!」

「わたしの じゃまをする女なんて、 魔女にする までもないわ!

だいすきな グレープ味のあめだまにして 食べてあげる!」

イジワルな魔女が べつの魔法を 女の人にとなえると、

女の人のうつくしいからだは、 みるみるうちに 

むらさきいろのあめだまに かわってしまいました!

「ああ、 なんということだ! イジワルな魔女め! よくもっ」

ゾンビたちをけちらした 剣士さまは、 魔女にむかって 剣をふりました!

魔女は 剣をひらりとかわしましたが、 

かわしたひょうしに うしろの木に あたまをぶつけて しまいました。

大きなタンコブをつくった魔女は あめだまになった 女の人をおっことして

きぜつして しまいました。



女の人が 食べられずにすんだので、 剣士さまは ひとあんしん。

しかし あめだまになった女の人は 泣き出しました。

「あなたは たすかったのに、 どうして 泣くのですか?」

「どうしてですって?!

こんなすがたでは あなたのあいしてもらえないからです!」

あめだまとおなじ むらさきいろのなみだをながして 女の人が いいました。

「ボクは どんなことが あろうことか、 あなたをあいすると きめています。

しんぱいすることは なにひとつ ありませんよ?」

あめだまになった女の人は それをきいて うれしくなりました。

けれども、 また泣き出しました。

ながれた涙で いつのまにか むらさきいろのみずたまりが できていました。

そこへ しろいかみを なびかせて、 べつの女の人が あらわれました。

しろいかみの女の人が たずねました。

「あめだまさん、 あなたはなぜ 泣いているのですか?」

「それは このからだでは 剣士さまのあいを うけとめられないからです…

こんなかたい小さなからだでは、 わたしは すぐにこわれてしまうでしょう…」

みずたまりは 大きくなる ばかりでした。

すると、 しろいかみの女の人は いいました。

「では、 あなたを やわらかくて大きなからだに してあげましょう!」

しろいかみの女の人が 魔法をとなえると、 

むらさきいろのみずたまりが ひかりかがやき ふくれ上がりました!

みずたまりがふくれあがると みるみるうちに ひとのかたちに なりました!

ひかりがきえると むらさきいろのみずでできた うつくしい女の人がいました。

女の人は おどろいた顔を していましたが すぐに なきだしてしまいました。

剣士さまが いいました。

「あなたは もとのかたちに もどることが できました。

どうして 泣くのですか?」

「どうしてですって?!

もとのかたちに もどっても わたしは ひとでは なくなりました!

きっと うまれてくるこどもも ひとではないでしょう。」

女の人は かなしくて 泣きつづけます。

しかし 剣士さまは、 女の人を やさしくだきしめました。

「ボクは どんなことが あろうとも あなたをあいすると いいました。

あなたが ひとでは なくとも、 うまれてくるこどもも 

いっしょに おなじくらい、 あいします。」

女の人は さらにおどろいた顔を していましたが、

こんどは うれし涙を たくさん たくさん ながしました。

そして、 剣士さまと むらさきいろのうつくしい女の人は 

しろいかみの女の人と いっしょに 魔界にいって しまいました。

いっぽう、 イジワルな魔女は けらいだった ゾンビたちに おそわれて

さんざんな 目にあいました。



このときから、 むらさきいろの女のすがたの魔物、『ダークスライム』がうまれ、

魔界で くらしはじめたのでした!

―めでたし めでたし

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こどもに聞かれたときに教えてあげる、昔話の第一作、如何だったでしょうか!

「とある公共放送の朝ドラのOPが童話風味で可愛らしい//」→「魔物娘の昔話を書こう!」
…どうしてこうなった…

ちなみに、次回は「オーガがジパングにいない理由」「ワーシープの魔力で眠くなる理由」を考えております。

 
 誹謗、訂正箇所、要望がありましたら、宜しくお願いいたします!

12/11/11 01:17 FCK.

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