連載小説
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後編
「えっ、ええっ!?」
「っ、邪魔です、こんなもの……!」

そう言ってリリィが胸元をとん、とんと指で突くと、青く重厚な戦鎧と兜が瞬く間に消失する。
白い薄布を身に纏っただけの姿になったリリィは両腿でタブローの身体をがっちりと押さえつけ、
先程のゴブリンの動きを再現するように、ずい、と麗しい唇をタブローに突き出した。

「うあ、ああっ、やめて、リリィ……!」
「何がやめて、ですか。先ほどは随分と楽しんでいたくせに……!」

細い指がタブローの胸元を這い、弦を爪弾くように身体をなぞっていく。

「ひゃあうぁっ、く、くすぐったい……!」
「いいですかっ、魔物に捕まるとはこういうことなのです!
 抵抗する力を奪われ、成すすべなく身体を陵辱されてしまう……こんなふうに!」

リリィはタブローの両腕をがっしりとホールドし、その耳元に舌を這わせる。
普段人の触れない敏感な部分をぴちゃぴちゃと舐め立てると、そのたびタブローの身体はバネのように跳ねた。

「ん……ちゅぷっ、ちゅっ……れろ……」
「み、耳舐めないでっ、やめて、リリィ……!」
「いいえ、今日という今日は貴方に知ってもらいます。
 魔物に屈するということがどれだけ恥辱的で、冒涜的なことなのかということを……!
 えいっ、ちゅっ、つぷ……くぷっ……れろぉ……」
「うあっ、ああぁ、あぁぁぁ……!」

リリィはタブローの両手を片手で拘束し、あまった片手を胸に這わせる。
ぷち、ぷちとシャツのボタンを器用に外し、その内側の素肌に指を這わせた。

「ひゃああああっ……」
「ほらほらっ、んぷ……、魔物の陵辱は、こんな程度では終わりませんよ……ちゅぷ」

カリカリと乳首をひっかきながら耳元を刺激する。今まで感じたことの無い快楽の波にタブローは目をしぱしぱさせながら、下腹部で屹立する自身の男根に触れたくて何度も身をよじった。

「うぅ……っ、リリィ……」
「なんですか」
「触りたいっ、触らせてよぉ……」

リリィの左手一本で拘束されたタブローの両腕が、何かを求めてじたばたと暴れる。
だがいくら力を込めてもそれが解き放たれることはない。

「何を言っているのですか! これは罰なのですっ、安易に、快楽に流された貴方への……」
「うっ、うう……」
「……まったく」

呆れたように溜息をつきながら、リリィはタブローの両手を降ろさせ、自らの腿で胴体と一緒に拘束する。
そして、自身はタブローの足側を向いて馬乗りになる。
そうして以前の鍛錬でも行ったように、自身のお尻をタブローの顔の上へと乗せた。

「むぐっ……!」

下着一枚を隔てた向こうに、一番濃い“女”の匂いをかぎ取る。
タブローはお尻で鼻と口をふさがれ、息苦しそうに呻いては肺一杯に女の匂いを吸い込んだ。

「苦しいでしょう。っ、このように……っ、魔物は、貴方の顔にお尻を乗せて、
 屈辱的な奉仕を強要するでしょう……ねっ、ん……」

ぐりぐりと腰をグラインドさせ、リリィは自らの秘部をタブローの唇でこすらせるように動かす。
熱い吐息と体液が薄布一枚隔てた向こうから伝わり、ぞくぞくとリリィの背筋を震わせた。

「んんっ、タブロー……っ、……その、……舐めなさいっ」
「むぐっ、ええっ、リリィ……いいの……?」
「いいのです…っ、これは、貴方に恥辱を与える試練なのですから……あっ
 このことを胸に刻み、二度と魔物などに屈しないよう……あぁんっ!」

ぴちゃぴちゃと音を立ててタブローがリリィの下着を舐ると、リリィの喉から甘い嬌声が漏れる。
思わずその豊満な双丘を抱いて身体を跳ねさせるリリィは、しかしすぐに自らを自制し、歯の根を食いしばって快楽の波に耐えた。

「ふーっ、んぐっ、んっく……うぅ……っ なんでこんなに、きもち……んんっ♥」

まるで奉仕を心から喜んでいるように、熱心に秘部を舐るタブロー。
リリィが口を押さえてそれに耐えていると、眼下にあるものが目に入った。

「……あぁ……♥」

ズボン越しに屹立した、タブローのそれを。
リリィは知らぬ間に腰を曲げ、犬のように鼻を近づけてひくつかせた。

「リ、リリィ……」

タブローがリリィの様子に気づき、頬を赤くして目を伏せる。

「そ、そんなに見られると恥ずかしいよ……」
「恥ずかしい……」

ごくり、と唾を飲む音がした。

「は、恥ずかしいなら、もっとよく見なければ、いけませんね……。
 これは勇者になるための試練、恥辱に耐える試練なのですから……」

ぶつぶつと口の中で呟きながら、リリィはタブローのズボンに手をかける。

「うあ、リ、リリィ……!」
「──あぁっ♥」

たどたどしい手つきでズボンを脱がせると、薄桃色の肉棒が天を突いて現れる。
つんと刺すような濃い発情の匂いを鼻孔いっぱいに吸い込み、リリィの身体が大きくびくん、と震えた。

「なんて可愛らし……い、いえ、おぞましいものを……
 ゆ、勇者となる者が、このような……秘部を舐めさせられ、勃起するなんて……っ♥」

飲んだはずの唾が口内に湧きあがり、リリィの口の端からたらりと垂れる。

「こ、こんなこと、許してはおけません……っ、もっと厳しい試練を課さないと……!」

ぬとり、と糸を引く恥部をタブローの口から離し、リリィは汚れた下着を剥いで捨てた。
そうして足をガクガクと震わせているタブローを無理に立たせ、両手を後ろで組ませた。

そしてリリィは、タブローのペニスの前にひざまづくようにしゃがみこむ。
緩み切った頬を隠すことも忘れ、屹立したペニスから目を離せないでいた。

「あ、ああ……リリィ、リリィ……!」
「い、いいですかっ。我慢するのですよ、タブロー……。
 たとえ魔物にどんなに屈辱的なことをされても、心が折れてはなりません……
 ……ちゅうっ、んぶ……れろれろ……んぷっ♥」
「うあっ!? あああああああっ!!」

リリィはタブローの両手を拘束し、無防備になったペニスに舌を這わせて舐る。

「んちゅっ、どうですかっ、んん……っ、動けないままっ、ちゅうう……
 守るべき純潔を……んぷっ、んぷっ……蹂躙されるのは……れろぉ……
 ……恥ずかしい、ですね……? ちゅう……」
「うあっ、動きたいっ、動きたいよぉ……リリィ、許してぇ……!」

必死に両手に力を込め、タブローはリリィの頭を抱え込もうとする。
しかしこんな態勢でも力の差は変わらない。
タブローはへこへこと腰を動かしながら、リリィの与える快楽の辱めを貪欲に享受しようとしていた。

「うあっ、出るっ、出るよリリィっ、もうだめっ……!」
「んぶっ、んちゅっ、ちゅくっ、ちゅくっ……んんんーっ!」

つま先をぴんと立てて、タブローは大きく体をのけぞらせる。
リリィはそのタイミングに合わせて一際ストロークを大きくすると、口いっぱいにタブローのペニスを頬張った。

どくん、どくんと大きく脈打ち、リリィの口内を白い体液が汚してゆく。
射精は勢いが落ち着くまで十秒ほどもかかった。しかしリリィはそれからもう十秒はタブローのペニスを咥え込み、薄く紅の引いた唇でその体液を舐りつくすように、音を立てて啜った。

「ぢゅるっ、んぷ…っ、ちゅる……」
「うああっ、気持ちいい……リリィっ、ああ……!」

タブローの精液を啜り取ったリリィは未だに萎えず屹立するペニスを前に、恍惚の表情を浮かべる。

「……はぁぁ……なんて、罪深くて、甘い……♥」
「ご、ごめん……リリィ、僕……」

タブローの言葉にリリィははっとし、我に返ったようにしゃんと立ち上がる。
汗でてらてらと光る乳も、愛液が糸を引く恥部もあらわにしたまま。
取り繕うように腕を組み、目と口を閉じてタブローから目をそらすようにとり直した。

「……ま、まったく! もう! ダメです、ダメですよタブロー!
 い、いくら私が異性として魅力的だからといって、可愛らしいペニスを私の口で咥えられたくらいですぐに精液出してしまうようでは……その、あれ、えっと……」
「え、えっと……リリィ?」
「と、とにかくダメですっ! こ、こうなってしまっては、もう……最後の特訓をするしかありませんっ!」
「え、う、うわああっ!?」

自分自身が何を言っているかももはや分からなくなりながら、リリィはタブローを押し倒し、またしても拘束する。
リリィは両足をカエルのように折り曲げながら、自身のとろとろに濡れそぼった秘部をタブローの先端部分にあてがった。

くちゅくちゅといやらしい音を立て、タブローはペニスの先端だけを暖かいお湯につけたような熱い感触を味わう。

「リ、リリィ……これって……」
「……タブロー」

タブローの胸がどきりとするほど、幼い少女のような声でリリィは言う。

「……私の勇者。リリィは、貴方に祝福のすべてを捧げ、その心に永遠に寄り添うことを誓います。
 だから、貴方からも……ひとつだけ、誓いを下さいますか……?」
「え……?」
「これから先、たとえどのような魅惑的な魔物が現れても、もう、二度と屈しないと……。
 貴方の愛、恥辱、背徳……すべて、このリリィが受け止めます。だから……だから……っ」

瞳の奥に不安を宿した、幼心のリリィがそこにいた。
幼いタブローはその言葉に戸惑い、迷う。
そんな誓いを立てるには、彼には人生経験が足りていない。

──だが、目の前でふるふると揺れるリリィの薄いピンク色の唇が。
彼にどうしたらいいのかを、本能的に感づかせた。

「リリィ……」
「んっ──♥」

タブローが、リリィの唇を攫う。それこそが、幾千の言葉に勝る愛の誓い。

つぷん、という音と共に、リリィは深く腰を下ろし。
唇が重なるのと同時に、彼女はタブローを一番深くまで受け入れた。

「あっ、あああああああああああっ♥」
「うあっ、リリィっ、リリィっ!!」

ずっと欠けていた何かが埋まるような満たされた感触に、リリィの頭にばちばちと火花が飛ぶ。
タブローは自身の先端に熱くとろとろしたものを感じる。それが自身から出たものか、それともリリィのものか、もう判断出来なかった。

「ああっ、嬉しい……♥ タブロー、私だけの勇者……♥
 意志が弱くて、臆病で、私に乗られるのが大好きな、とっても可愛い私だけの……♥
 魔物の討伐をさせるなんて、リリィが間違っていましたっ、もう、私の手から離しませんっ……♥
 ずっと、ずうっと特訓しましょう、いっぱい乗ってあげますから、二人っきりで、ずーっとしましょうね……♥♥♥」

腕を押さえ込み、タブローの自由を奪い、リリィは無我夢中で腰を振る。
そこに凛とした戦乙女の面影は無い。
ただ押し寄せる快楽と愛の波に身を浸し、溺れるだけの一匹のメスとなっていた。

「う、うんっ、リリィ……、リリィに乗られるの好き……っ、
 冷たくいじめられたり、動けなくされるの好きだったんだっ
 これからもっと鍛えるから、もっと特訓してっ、もっとイジメてほしい……っ!」

身をよじり、力を込め、押しのけようとして。
それでもびくともしないリリィの身体。タブローは、いつしかこうしてもどかしい思いを感じる事自体に激しい昂ぶりを覚えるようになっていた。
リリィはタブローの上から雨のようなキスをし、もう二度と、どこへも行かせぬようタブローを抱きしめる。

「はいっ、はいっ……♥ 私のそばで、ずっと鍛錬していてください……っ♥
 ああ、なんて幸せ……♥ 戦乙女の使命はこのために……♥
 勇者様にこの身を預け、快楽と愛を与え続けるためにあるのですね……っ♥ んっ、ああああっ♥」

タブローの小さな体を抱き、大きすぎる胸を押しつぶすように当て、
リリィは股を大きく開いて激しく上下に動き、快楽をむさぼる。

「うぅっ、リリィ……、また出るっ、僕、もう……!」

蕩け切った目をしながらタブローがあえぎあえぎ言うと、リリィは宝物を抱えるようにタブローの頭を胸の中に抱いた。

「はいっ、出してください、タブロー♥
 貴方のそれをここで受け止めてこそ、戦乙女の誓いは成るのです…っ♥
 さあっ、んっ……、くださいっ、私に……」

タブローの射精感が強まれば強まるほど、リリィはタブローをきつく抱きしめる。

「うあっ、ああっ、あっ……」

その力に搾り取られるように、タブローの身体がびくん、と大きく一度跳ねる。
そして──



「ああっ♥ んっ♥ あうっ……♥
 あ、あ、……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーっ♥♥♥♥♥」



一際強く抱きしめ、誓いを交わした大切な勇者との愛に包まれながら。
リリィは体が弾けそうになるほどの多幸感と快楽とともに、膣奥でタブローの射精を受け止めた。

「はぁっ♥ あぁっ♥
 ……んぅ……♥ あっ、まだ出て……♥」

ぐりぐりと腰を押し付けると、タブローの身体が二、三度跳ね、リリィは下腹部の内側に更なる重みを感じる。
湯気の立ちそうな熱気と跳ねる心臓の音の中で、リリィはひたとタブローを抱きしめたまま、しばらくその余韻に浸った。

「ああ……タブロー……♥」
「リリィ……」

そして彼女にとっての最愛の人となったタブローの瞳をじっと覗きこみ、口元に薄い笑みを浮かべる。

「ん……♥」

彼女は挨拶のようなキスを交わし、そしてタブローへの抱擁を解くと彼の頭を抱え、優しく撫でた。

「……愛しい、私の勇者……♥ これからは、ずっと一緒ですよ……♥」





そうして、戦乙女は自分だけの勇者を得る。
身体と心で繋がったふたりはその後も鍛錬を続け、数年後には里を出て、旅を始めた。

それは、この世に巣くう魔の者を討ち果たす、
万人にとっての勇者の旅──ではなく。

この世の果てにあるという愛と情欲の安息地を目指す、
魔法使いも、戦士も、僧侶も伴わない。
ふたりっきりの、小さな旅だったという。
24/07/30 20:15更新 / はなかる
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