私SS
「うわーん、リャナえもーん!」
「どうしたの、の○た君?」
「俺の名前はのび○君じゃないよー、リャナえもーん!」
「それを言うなら私もリャナえもんじゃないっての」
「いや、ギャグにはこういうやり取りが定番っていうか」
「陳腐すぎてケサランパサランでも真顔になるわよ」
「想像しただけでこのSS書くのやめてポケモンの厳選作業に戻りたくなった」※1
「全員♀縛りとかしてるから時間かかるのよ。御三家とか単純な確率でも♀が出てくるの1/8なのに」
「最低でも夢特性持ちのアチャモと残りの二匹をお迎えしないといけないのです……」
※1 厳選とは、単純に言うとRPGで欲しいアイテムが落ちるまで延々と同じ作業を繰り返すようなものです。アホみたいな時間がかかります。
「ハイハイ。で、今日はどうしたの? まさか厳選が終わらないとか言ったら蹴っ飛ばすわよ?」
「違うよー! 上手なギャグSSが……っていうか、上手なSSが書けなくて困ってるんだよー!」
「諦めろ」
「うわぁーんっ! 一言でバッサリなんて酷いよリャナえもーんっ!」
「それをどうにかする手段なんて無いし、ましてや便利な道具があったら私が使って自給自足してる」
「それはそうかもだけど、だからってこれで話が終わったらこのSSが五百文字にも満たず終わっちゃうよぉーっ!」
「終わって良いんじゃない? のっけから分からない人には意味不明なポケ○ンのネタとか入れてる時点で読者がブラバしてるに決まってるんだし」
「注釈入れたもん! きっとモニターの前の読者も『まあなんて親切な作者なのかしら』って手を叩いてるもん!」
「ネタの注釈とかギャグの笑いどころを解説するような愚行よね」
「的確すぎてぐぅの音も出ないんですけど」
「で、上手なSSの書き方ねぇ……そもそもの才能に乏しいアンタには難しい話よね」
「才能が無いから努力ができるって、はるか昔に読んだジャンプの読み切り野球漫画の主人公のお父さんが言ってたもん」
「もはや注釈すれ入れられないレベル」
「教えてくれ、リャナンシー。俺はあと何作書けば良い? 俺はあと何作、あの娘とあのSSをお蔵入りすれば良いんだ……」※2
「はい、それじゃあ指導。安易にパロディ台詞を入れるのはNGだから」
※2 OVA版・新機動戦記ガンダムW『Endless Waltz』より主人公ヒイロ・○イの名台詞から改変。
界隈では結構有名なのでパロディを目にしたことのある人も多いかもしれません。
「意味があるのかどうか分からないけど注釈さんお疲れ様っす」
「もう開き直れば? アンタってどうにもネタ作家としては一定需要ありそうだし」
「このSSはフィクションです。実際の作者や生態などとは関係ありません」
「自分から関係あると暴露していくスタイル」
「とにかく、俺は凄いSSが書きたいんだよ、リャナえもん!」
「うーん……まあ、その向上心は認めてあげてもいいんだけど――」
「どんな内容でも構わないから誰もが感想欄でチヤホヤと俺を褒め称えてview数もvote数もウッハウハなSSを書きたいんだよーっ!」
「承認欲求の権化みたいな人間ね! 認めようとした私が間違ってたわっ!」
「いや……どうせ好きに書いてるSSなら、開き直って書いてみたっていうか」
「ふざけないでっ! アンタが書きたかったのは本当にそんなSSなのっ!?」
「俺だって! 書きたかったさ、俺の“力”で名作を!」
「……っ!?」
「だけど……俺が書いてるのは名作じゃないって。書くのは恥を晒すことだって……“力”で書けるものなんて何もないって! アンタが俺に言い続けたんじゃないか!」
「……アンタ……」
「書けるようになったのは、こんなSSばかりだ……っ!」※3
「パロディを使うのは止めなさいって言ったばかりじゃないの。またマイナーなネタを出してきて」
「マイナーじゃねえ! 今でもシ○・アスカは俺にとって世界で最高の主人公だっ! でもネタが分からない人のために注釈さんお願いしますっ!」
※3 漫画版『機動戦士ガンダムSEED Destiny−THE EDGE−』より、“主人公”シン・ア○カの名台詞を改変。
まったくの余談ですが、作者は放送当時から今でも厨レベルでシン・○スカの大ファンであります。
「そりゃねぇ。他所で二次創作書いてたり、書くSSの主人公が誰でも自然と似てきたり、アンタにとっての創作への影響が強すぎるものね」
「ていうか創作のきっかけがシン・アス○ですしぃ? 案外他の書き手さんも、自分のSSに登場させてるキャラに何かしらを投影してる……って方がいらっしゃるんじゃないですかぁ?」
「女の子とかは特に性癖やら何やらが出そうね。アンタで言えばボクっ娘好きとかか」
「感想欄では画面の前の書き手さんの暴露大会を心よりお待ちしております」
「一人でも読んでくれれば御の字な内容のSSだけどね」
「あー、あと、ほら! 二次元キャラで惚れたキャラとかいう奴! 有名どころはBU○Pの藤○さんとか!」※4
※4 ロックバンドBUMP OF C○ICKENのボーカルである○原さんのこと。
『新世紀エヴァンゲリヲン』の登場キャラである綾○レイに本気惚れして『アルエ』という名曲を作ってしまったそうです。
「感想欄での画面の前の読者様の暴露大会を心よりお待ちしております」
「俺は誰だろう……ハーメルンのバイオリン弾きのサイザーさんかな?」※5
※5 月刊少年ガンガンで連載していた長寿作品『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する女性キャラ。
金髪・天使の羽・凛としている・大鎌に鎧姿でワルキューレを引き連れている・最初は敵だったのが味方・実は主人公の妹と、文字に起こすだけでビンビン来る良キャラです。
「うわぁ……アンタのキャラ造形に超影響してるじゃないの」
「ネタSSで書いてたドラゴンさんとかなぁ……フンッ、っていったりツンデレたり……書き手としても理想的なキャラ造形してると思います」
「こうして考えると、書き手の誰にだって、そもそもの創作の始まりがあるわけよね……」
「懐かしいなぁ……最初に感想が返ってきたとき、思わず月の下でガッツポーズ出たもんなぁ……」
「ちなみにそのSSを書いた理由は?」
「他のSS読んでて面白かったのと、これなら俺でも書けるんじゃねって思ったから」
「今見返すと下手なことこの上ないSSなのにね。保存はしてないけど内容は覚えてるの?」
「まぁ……どんなSSだったかとかは恥ずかしすぎて言えないけど」
「感想欄では書き手の皆様の恥ずかしい初めてエピソードを心よりお待ちしております」
「さっきから二人でメチャクチャコメント稼ぎ入れてるね」
「いや、純粋に気になるっていうか、聞きたいじゃないの。そういう話って――あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
「うわっ!? アンタどうしたの突然!」
「思い出した! そんなSSよりも遥か以前の厨房の頃にノートとかに書いてた奴思い出した! 携帯で書いて友達に送ったりしてた奴があった! 恥ずかしいとかいう次元なんかじゃなくてリアル声が出た! あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」
「あー、アレか……流石にアレに触れてあげるのは私もちょっとね……」
「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」
「ちょっと、正気に戻りなさい! 記憶が蘇って死にたくなるのは分かるんだけどさ!」
「うわぁ……自分の書いてたモノと行動の痛々しさに悶絶するわ……これキッツい……」※6
※6 本当に書いてる最中に思い出してジタバタしております。
内容? 流石に言えないです……妹がお兄ちゃんとお風呂でキャッキャウフフする内容だなんて……。
そんなのを友達に送って見せてたなんて……いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!
「これ絶対モニターの前の人たちにも飛び火してるわよ。絶対アンタと同じで声出してる人いるわよ」
「ごめんなさい。もし同じ症状になった人がいたら心底ごめんなさい」
「でも安心しなさいよ。現在進行形で黒歴史になりそうなSS書いてるんだから」
「まぁ、ブラバ案件の座談会と同じような内容だもんね、コレ」※7
※7 SS界隈では後書きに作者と登場キャラの座談会などを行うのは、若い子がやりがちな黒歴史SS条件の筆頭なのです。
「……だけど、アンタ楽しそう」
「うん、楽しい。こんな内容でも書くのが凄く楽しいんだよね、不思議なぐらい」
「アンタも、私も……少し頭でっかちになっちゃったもんね」
「そうだね。人の作品読んでも感想が出てこなくなった。代わりに思い浮かぶのは批評的な内容ばっかり」
「読む時だってそう。昔は手当たり次第に読んで楽しんでたのに」
「今は上手いとか下手とか考えるようになっちゃった。最後まで読もうって気がしなかったり」
「……アンタにとって、どっちが幸せだったのかな」
「それは今の方が幸せだよ。自分が好きなSSを読んだときに感じたあの気持ち……少しでも人に分けられたんだと思えば、それはとっても幸せなことだと思うんだ」
「目指してるのはそこだったんだもんね?」
「そうだね。他所でもここでも嬉しいことに、感想とか沢山もらえたりしたから……ちょっと見失ってたんだと思う」
「誰かの反応って、本当に嬉しいのよね」
「あれは麻薬。中毒患者になるのも当然」
「だからって、中毒のままでいるのも良くないわよ?」
「そうだけどさぁ……この自己満足のお目汚しSSだって、誰かに読んでもらって、どう思ったか聞きたいって、そう思っちゃったりする。これはもう戻れないよ」
「…………」
「だけど、それだけじゃないと思う。前のSSも評価散々だし、このSSだって多分、評価散々に決まってる……だけど、書いてて楽しい。楽しかった」
「……そう」
「最初の方なんて、徹夜で夢中になって書いてたりしたもんなぁ……他所で連載してた時とか、書いてて苦しいなんてこれっぽっちもなかったし」
「それも懐かしいね。アンタ本当に没頭してたっけ」
「検索ワードに自分の作品のタイトルが載ってたんだもん……嬉しくてたまらなかった」
「……うん、そうだね」
「今、楽しいなぁ……何かを書くって、やっぱり楽しいんだ。それ、思い出せた気がする」
「それじゃあ……消した作品の全部、もう一度公開する気になった?」
「どうだろ。まだ踏ん切りつかないし、自分の納得がいくような作品ができたらって……どうしても心残りがあるんだ」
「ま、創作から離れるんじゃ無くて良かったわ。いくらメシマズとは言っても、私のゴハンがなくなっちゃうし」
「辛いことがあっても、やっぱり創作は楽しいんだ。自分のことを棚に上げてでも、誰にだって勧めたい。言葉を紡ぐことは本当に楽しいよって」
「……そっか」
「ありがと、リャナえもん。モヤモヤしてたけど、なんかまたスッキリした」
「それなら、初心に帰ったところで何か書こっか――」
「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば主人公一人称のろくでもない黒歴史ノートのSS未満の奇妙な文章がギャルゲに影響されまくったキャラが俺を苛むあばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」
「……初心に帰りすぎよ、まったく」
「それでも……ちょっとでも元気になれたなら良かったわ」
「私はいつだって、いつまだだって、ず〜っとアナタと一緒にいるんだから」
「書いてる時には、傍にいる。書いてない時には、傍で待ってる」
「アナタがノートに書いた、あの文章から……私はずっと一緒にいる」
「だから、忘れないでね?」
「全部、アナタが今まで積み重ねてきた宝物――」
「――私は、それが大好きです」
「どうしたの、の○た君?」
「俺の名前はのび○君じゃないよー、リャナえもーん!」
「それを言うなら私もリャナえもんじゃないっての」
「いや、ギャグにはこういうやり取りが定番っていうか」
「陳腐すぎてケサランパサランでも真顔になるわよ」
「想像しただけでこのSS書くのやめてポケモンの厳選作業に戻りたくなった」※1
「全員♀縛りとかしてるから時間かかるのよ。御三家とか単純な確率でも♀が出てくるの1/8なのに」
「最低でも夢特性持ちのアチャモと残りの二匹をお迎えしないといけないのです……」
※1 厳選とは、単純に言うとRPGで欲しいアイテムが落ちるまで延々と同じ作業を繰り返すようなものです。アホみたいな時間がかかります。
「ハイハイ。で、今日はどうしたの? まさか厳選が終わらないとか言ったら蹴っ飛ばすわよ?」
「違うよー! 上手なギャグSSが……っていうか、上手なSSが書けなくて困ってるんだよー!」
「諦めろ」
「うわぁーんっ! 一言でバッサリなんて酷いよリャナえもーんっ!」
「それをどうにかする手段なんて無いし、ましてや便利な道具があったら私が使って自給自足してる」
「それはそうかもだけど、だからってこれで話が終わったらこのSSが五百文字にも満たず終わっちゃうよぉーっ!」
「終わって良いんじゃない? のっけから分からない人には意味不明なポケ○ンのネタとか入れてる時点で読者がブラバしてるに決まってるんだし」
「注釈入れたもん! きっとモニターの前の読者も『まあなんて親切な作者なのかしら』って手を叩いてるもん!」
「ネタの注釈とかギャグの笑いどころを解説するような愚行よね」
「的確すぎてぐぅの音も出ないんですけど」
「で、上手なSSの書き方ねぇ……そもそもの才能に乏しいアンタには難しい話よね」
「才能が無いから努力ができるって、はるか昔に読んだジャンプの読み切り野球漫画の主人公のお父さんが言ってたもん」
「もはや注釈すれ入れられないレベル」
「教えてくれ、リャナンシー。俺はあと何作書けば良い? 俺はあと何作、あの娘とあのSSをお蔵入りすれば良いんだ……」※2
「はい、それじゃあ指導。安易にパロディ台詞を入れるのはNGだから」
※2 OVA版・新機動戦記ガンダムW『Endless Waltz』より主人公ヒイロ・○イの名台詞から改変。
界隈では結構有名なのでパロディを目にしたことのある人も多いかもしれません。
「意味があるのかどうか分からないけど注釈さんお疲れ様っす」
「もう開き直れば? アンタってどうにもネタ作家としては一定需要ありそうだし」
「このSSはフィクションです。実際の作者や生態などとは関係ありません」
「自分から関係あると暴露していくスタイル」
「とにかく、俺は凄いSSが書きたいんだよ、リャナえもん!」
「うーん……まあ、その向上心は認めてあげてもいいんだけど――」
「どんな内容でも構わないから誰もが感想欄でチヤホヤと俺を褒め称えてview数もvote数もウッハウハなSSを書きたいんだよーっ!」
「承認欲求の権化みたいな人間ね! 認めようとした私が間違ってたわっ!」
「いや……どうせ好きに書いてるSSなら、開き直って書いてみたっていうか」
「ふざけないでっ! アンタが書きたかったのは本当にそんなSSなのっ!?」
「俺だって! 書きたかったさ、俺の“力”で名作を!」
「……っ!?」
「だけど……俺が書いてるのは名作じゃないって。書くのは恥を晒すことだって……“力”で書けるものなんて何もないって! アンタが俺に言い続けたんじゃないか!」
「……アンタ……」
「書けるようになったのは、こんなSSばかりだ……っ!」※3
「パロディを使うのは止めなさいって言ったばかりじゃないの。またマイナーなネタを出してきて」
「マイナーじゃねえ! 今でもシ○・アスカは俺にとって世界で最高の主人公だっ! でもネタが分からない人のために注釈さんお願いしますっ!」
※3 漫画版『機動戦士ガンダムSEED Destiny−THE EDGE−』より、“主人公”シン・ア○カの名台詞を改変。
まったくの余談ですが、作者は放送当時から今でも厨レベルでシン・○スカの大ファンであります。
「そりゃねぇ。他所で二次創作書いてたり、書くSSの主人公が誰でも自然と似てきたり、アンタにとっての創作への影響が強すぎるものね」
「ていうか創作のきっかけがシン・アス○ですしぃ? 案外他の書き手さんも、自分のSSに登場させてるキャラに何かしらを投影してる……って方がいらっしゃるんじゃないですかぁ?」
「女の子とかは特に性癖やら何やらが出そうね。アンタで言えばボクっ娘好きとかか」
「感想欄では画面の前の書き手さんの暴露大会を心よりお待ちしております」
「一人でも読んでくれれば御の字な内容のSSだけどね」
「あー、あと、ほら! 二次元キャラで惚れたキャラとかいう奴! 有名どころはBU○Pの藤○さんとか!」※4
※4 ロックバンドBUMP OF C○ICKENのボーカルである○原さんのこと。
『新世紀エヴァンゲリヲン』の登場キャラである綾○レイに本気惚れして『アルエ』という名曲を作ってしまったそうです。
「感想欄での画面の前の読者様の暴露大会を心よりお待ちしております」
「俺は誰だろう……ハーメルンのバイオリン弾きのサイザーさんかな?」※5
※5 月刊少年ガンガンで連載していた長寿作品『ハーメルンのバイオリン弾き』に登場する女性キャラ。
金髪・天使の羽・凛としている・大鎌に鎧姿でワルキューレを引き連れている・最初は敵だったのが味方・実は主人公の妹と、文字に起こすだけでビンビン来る良キャラです。
「うわぁ……アンタのキャラ造形に超影響してるじゃないの」
「ネタSSで書いてたドラゴンさんとかなぁ……フンッ、っていったりツンデレたり……書き手としても理想的なキャラ造形してると思います」
「こうして考えると、書き手の誰にだって、そもそもの創作の始まりがあるわけよね……」
「懐かしいなぁ……最初に感想が返ってきたとき、思わず月の下でガッツポーズ出たもんなぁ……」
「ちなみにそのSSを書いた理由は?」
「他のSS読んでて面白かったのと、これなら俺でも書けるんじゃねって思ったから」
「今見返すと下手なことこの上ないSSなのにね。保存はしてないけど内容は覚えてるの?」
「まぁ……どんなSSだったかとかは恥ずかしすぎて言えないけど」
「感想欄では書き手の皆様の恥ずかしい初めてエピソードを心よりお待ちしております」
「さっきから二人でメチャクチャコメント稼ぎ入れてるね」
「いや、純粋に気になるっていうか、聞きたいじゃないの。そういう話って――あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」
「うわっ!? アンタどうしたの突然!」
「思い出した! そんなSSよりも遥か以前の厨房の頃にノートとかに書いてた奴思い出した! 携帯で書いて友達に送ったりしてた奴があった! 恥ずかしいとかいう次元なんかじゃなくてリアル声が出た! あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」
「あー、アレか……流石にアレに触れてあげるのは私もちょっとね……」
「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」
「ちょっと、正気に戻りなさい! 記憶が蘇って死にたくなるのは分かるんだけどさ!」
「うわぁ……自分の書いてたモノと行動の痛々しさに悶絶するわ……これキッツい……」※6
※6 本当に書いてる最中に思い出してジタバタしております。
内容? 流石に言えないです……妹がお兄ちゃんとお風呂でキャッキャウフフする内容だなんて……。
そんなのを友達に送って見せてたなんて……いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!
「これ絶対モニターの前の人たちにも飛び火してるわよ。絶対アンタと同じで声出してる人いるわよ」
「ごめんなさい。もし同じ症状になった人がいたら心底ごめんなさい」
「でも安心しなさいよ。現在進行形で黒歴史になりそうなSS書いてるんだから」
「まぁ、ブラバ案件の座談会と同じような内容だもんね、コレ」※7
※7 SS界隈では後書きに作者と登場キャラの座談会などを行うのは、若い子がやりがちな黒歴史SS条件の筆頭なのです。
「……だけど、アンタ楽しそう」
「うん、楽しい。こんな内容でも書くのが凄く楽しいんだよね、不思議なぐらい」
「アンタも、私も……少し頭でっかちになっちゃったもんね」
「そうだね。人の作品読んでも感想が出てこなくなった。代わりに思い浮かぶのは批評的な内容ばっかり」
「読む時だってそう。昔は手当たり次第に読んで楽しんでたのに」
「今は上手いとか下手とか考えるようになっちゃった。最後まで読もうって気がしなかったり」
「……アンタにとって、どっちが幸せだったのかな」
「それは今の方が幸せだよ。自分が好きなSSを読んだときに感じたあの気持ち……少しでも人に分けられたんだと思えば、それはとっても幸せなことだと思うんだ」
「目指してるのはそこだったんだもんね?」
「そうだね。他所でもここでも嬉しいことに、感想とか沢山もらえたりしたから……ちょっと見失ってたんだと思う」
「誰かの反応って、本当に嬉しいのよね」
「あれは麻薬。中毒患者になるのも当然」
「だからって、中毒のままでいるのも良くないわよ?」
「そうだけどさぁ……この自己満足のお目汚しSSだって、誰かに読んでもらって、どう思ったか聞きたいって、そう思っちゃったりする。これはもう戻れないよ」
「…………」
「だけど、それだけじゃないと思う。前のSSも評価散々だし、このSSだって多分、評価散々に決まってる……だけど、書いてて楽しい。楽しかった」
「……そう」
「最初の方なんて、徹夜で夢中になって書いてたりしたもんなぁ……他所で連載してた時とか、書いてて苦しいなんてこれっぽっちもなかったし」
「それも懐かしいね。アンタ本当に没頭してたっけ」
「検索ワードに自分の作品のタイトルが載ってたんだもん……嬉しくてたまらなかった」
「……うん、そうだね」
「今、楽しいなぁ……何かを書くって、やっぱり楽しいんだ。それ、思い出せた気がする」
「それじゃあ……消した作品の全部、もう一度公開する気になった?」
「どうだろ。まだ踏ん切りつかないし、自分の納得がいくような作品ができたらって……どうしても心残りがあるんだ」
「ま、創作から離れるんじゃ無くて良かったわ。いくらメシマズとは言っても、私のゴハンがなくなっちゃうし」
「辛いことがあっても、やっぱり創作は楽しいんだ。自分のことを棚に上げてでも、誰にだって勧めたい。言葉を紡ぐことは本当に楽しいよって」
「……そっか」
「ありがと、リャナえもん。モヤモヤしてたけど、なんかまたスッキリした」
「それなら、初心に帰ったところで何か書こっか――」
「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば主人公一人称のろくでもない黒歴史ノートのSS未満の奇妙な文章がギャルゲに影響されまくったキャラが俺を苛むあばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」
「……初心に帰りすぎよ、まったく」
「それでも……ちょっとでも元気になれたなら良かったわ」
「私はいつだって、いつまだだって、ず〜っとアナタと一緒にいるんだから」
「書いてる時には、傍にいる。書いてない時には、傍で待ってる」
「アナタがノートに書いた、あの文章から……私はずっと一緒にいる」
「だから、忘れないでね?」
「全部、アナタが今まで積み重ねてきた宝物――」
「――私は、それが大好きです」
17/03/12 13:35更新 / まわりの客