読切小説
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魔物娘といっしょ! 無人島で二人きり編!
 マーシャークさんと一緒の場合

「ふふんふんふんふふ〜ん♪」
「私がいれば絶対の絶対に大丈夫だぞ♪ ゴハンもちゃんと取って来てやるぞ♪ どんな奴が来ても追っ払ってやるぞ♪」
「ふふんふんふんふふ〜ん♪ 新婚だぞ♪ 新婚だぞ♪ ついに私にも夫ができたぞ〜♪」

 まあ、命の恩人(?)だし……別に良いか、うん。



 セルキーちゃんと一緒の場合

「あーこんな無人島で二人きりとか最悪よー劣情に任せてアタシを襲ったりしないでよねー」チラッ
「……あーそれにしてもこの島暑いわねー毛皮も全部脱いじゃおうかしらー裸になっちゃおーかなー」チラッ
「……ッ! 何よっ! このバカっ! ニブチンっ! 唐変木っ!」

 あっ、いたっ、ちょっ、何すんだよっ、脚をつっつくなって!



 サテュロスさんと一緒の場合

「遭難したとは難儀なことだが……幸いにも船の残骸にワインだけは有り余っている」
「これはつまり、バッカスの思し召しだ。ここは酒を飲んで、歌って、そして踊ろうじゃないか」
「そうこうしているうちに助けが来るさ。さあさあ、ボヤボヤしてないでキミも早く飲みたまえ」

 流石は生粋の酒飲み……非常時でもこうまで平常心を保てるとは……。



 人虎さんと一緒の場合

「ん? お前もこの島に単身修行に来たのか?」
「これは行幸だな! 私も一人修行をしていたが、相手がいなくて物足りなかった所なんだ!」
「さぁ、そうと決まれば共に修行だっ! 切磋琢磨、存分に互いの腕を磨こうじゃないかっ!」

 いや、俺はただの遭難者で修行に来たわけじゃ――ちょっ、ひええええぇぇぇぇっ!



 ミミックちゃんと一緒の場合

「ムフフ……遭難したって悩んでたみたいだけど、もう安心だよっ!」
「なんたってミミックちゃんの宝箱の中に入ればどこの宝箱にも移動し放題っ! もうこれで遭難生活からサヨナラだねっ!」
「ささっ、早く宝箱に入って! 大丈夫大丈夫、ちょっと中でムフフなことをしようなんて思ってないからっ!」

 絶海の孤島か人生の墓場か……どうしようかなぁ、俺……。



 クイーンスライムさんと一緒の場合

「ご主人サマー。今日のお食事をお持ちいたしまシター」
「ご主人サマー。マッサージのお加減はいかがでショウカー」
「あなたサマ……今日もワタシの中でたくさん出してくださいネ……?」

 あー、イカン……ここは地上の楽園過ぎる……。



 ラタトスクちゃんと一緒の場合

「……島には一糸纏わぬ男たちが所狭しと立っており、全員がパートナーを求めている……っと」
「さて、あとはこれを瓶詰めにして海に流せば……うん、これで良し」
「これですぐに海の魔物たちが押しかけて来ると思いますよ? 皆さん男には餓えてますからねー」

 後で知り合いの男を片っ端から紹介するから、それで許してもらえないかなぁ。


 エキドナさんと一緒の場合

「あなた、知ってるわよ。この島から脱出したいのよね?」
「それなら私の子供に頼むと良いわ……きっと中には飛べる子や泳げる子も生まれるから」
「それじゃあ、今日からはりきって子作りしましょう。がんばってね、パ・パ♥」

 よーし、パパ精一杯がんばっちゃうぞーっと(白目)



 アルプきゅんと一緒の場合

「えへへ♪ キミ、言ってたよねー? せめて女の子と遭難したかったってー」
「これでお望み通り、男女二人きりでの遭難になったよー。嬉しいでしょー?」
「ボクのこと女の子にしたんだから、責任取ってよねー? えへへ、えへへのへー♪」

 ……ッ! ……ッ! ……ッ! ……ッ!(絶句して何も言えてない)



 唐傘おばけちゃんと一緒の場合

「あ、あの、ご主人様っ。その、落ち込まないでください。ねっ?」
「ほら、見てくださいっ。ビーチパラソル……なんちゃって」
「あ、もう! ご主人様ってば、それはいくらなんでも笑いすぎですよぉっ!」

 あははっ! ゴメンゴメン! あんまりキミがカワイイことするから、ついつい!



 アマゾネスさんと一緒の場合

「くああああぁぁぁぁっ! なんて島なんだ、ここはぁっ!」
「人がいないっ! 誰もいないっ! 私たちの交わりを見せつける相手が一人もいないっ!」
「こんなに寂しい場所でお前と愛を交わさねばならんとは……くああああぁぁぁぁっ!」

 あの、落ち着いてくださいって! たまには完全な二人きりでも良いじゃないですか、ね?



 白蛇さんと一緒の場合

「見つけましたよ、旦那様ぁ……こんな島に隠れていらっしゃったんですねぇ?」
「旦那様ったら、私と二人きりになりたいからって無人島にまで来るなんて……」
「どこに行ったとしても、私は旦那様の傍に参ります……例え、地の果てまでも……」

 はは、逃げられないか……あは、あははははは。あははははははははははははははははははははははははははははははっ!!



 カク猿ちゃんと一緒の場合

「キキッ! キキキッ!」
「オスッ! コウビッ! セイショクッ! コヅクリッ!」
「キキーッ! キキキーッ! アーーーーアアアアァァァァーーーーッ!」

 か、完全に野生の本能に目覚めてる……!


 クラーケンさんと一緒の場合

「あら〜? あなたは遭難者さんなのね〜? それはとても大変なのね〜」
「大きなイカのお化けに襲われたの〜? それで船が壊れてしまったの〜。まあ、酷いことをする人もいるのね〜」
「あら〜? なんとも言えないような表情をしているけれど、どうかしたのかしら〜?」

 いやー何でもないですよー何にも言えないだけですよーあははのはー(レイプ目)



 コカトリスちゃんと一緒の場合

「ひゃあああああああああああああああああああああああああああんっ!」
「止めてくださいいいいいいいっ! 追っかけてこないでくださいいいいいいいいいっ!」
「ひゃあああああああああああんっ! 来ないでええええええええええええええええええっ!」

 待てよコイツううううううううううううううっ! あはははははははははああああああああああっ!



 ゴーストちゃんと一緒の場合

「ごめんなさい、ダーリンっ! 私が『ダーリンと一緒に無人島で二人きり』なんて妄想をしてたから現実になっちゃったんだわっ!」
「きっとこの後ダーリンは妄想通りに『欲望に耐えられず私を犯す』のよねっ!? 良いのよダーリン何をしてもこうなったのは私のせいだものっ!」
「さあダーリン、私を犯してっ! いけない私の濡れたオマンコにダーリンのガチガチになったオチンポをぶち込んでグチャグチャに中をかき回してぇっ!」

 おっ、船がこっちに気付いてくれたぞー。おーい、ここだー助けてくれー。



 デーモンさんと一緒の場合

「ふふ、分かってるわよ。遭難者の望みなんてたった一つ……『家に帰ること』よね?」
「契約をすれば家に帰してあげるわ……こんな風雨に晒される寝床じゃない、暖かいベッドに戻れるのよ」
「意地を張ることは無いでしょう? 貴方はその身を私に捧げれば良いだけなのに……」

 悪魔め、誰がお前と契約なんてするかっ! 俺にはいつかきっと、神からの助けが来るに決まっている……っ!



 エンジェルちゃんと一緒の場合

「悪魔の誘惑をはね退けた敬虔な信者よ! 神は貴方のために天使をつかわしました!」
「今日から可愛いエンジェルちゃんが貴方の傍にいてくれます! これで今日から貴方は幸せですねっ!」
「……え、家に帰してくれって? すみません、それは神から言われてないので――って、ちょっと貴方!?」

 デーモンさああああああああああああんっ! 契約しますっ! 契約しますうううううううううううううっ!















 スケルトンちゃんと一緒の場合



「幸せだなぁ、私」



「……? うん、そうだよ。私は幸せだよ」



「見てよ、あの夕日」



「すごく綺麗だよね」



「ずっと、誰かと一緒に見たいと思ってたんだ」



「あの夕日を、誰かと」



「助けを待ってるときも、あの夕日は綺麗だった」



「私が死んじゃう時も、あの夕日は綺麗だった」



「スケルトンになった後も、あの夕日は綺麗だった」



「だけど、私と一緒にあの夕日を見てくれる人は、いなかった」



「私ね、ずっと帰りたいって思ってたけど、途中から変わったんだ」



「あの夕日を、誰かと一緒に見たいって」



「それが私のお願いになったの」



「それでね、あの時お願いが叶った」



「あなたが来てくれた」



「私と一緒にいてくれるようになった」



「一緒にあの夕日を見てくれた」



「今もこうして、二人で一緒」



「だから、私は幸せ」



「もう死んでもいいってぐらい、幸せ」



「あ、もう死んでるんだっけ」



「わっ」



「ダメだよー。突然抱きしめないでよー」



「そんなに力入れると、体崩れちゃうよー」



 ――いるから。



「え?」



 ――俺はずっと、キミと一緒にいるから。



「……うん」



 ――ずっと二人で、夕日……見てよう。



「……ありがと」



「……うん」



「やっぱり私、幸せだなぁ」



「ずっとこうしてたいなぁ」



「ずっとあなたと、こうして……」



「……あれ」



「おかしいな」



「なんで泣いてるんだろ」



「ずっと泣いてなかったのに」



「なんでだろう」



「私、幸せなのに」



「なんで泣いてるんだろ」



「おかしいなぁ」



「こんなに幸せなのに」



「……うん」



「私、幸せだなぁ」



「これからずっと幸せなのかなぁ」



「そうだったら良いなぁ」













「幸せだなぁ、私」
















17/04/11 16:53更新 / まわりの客

■作者メッセージ
スケルトンちゃんはこれからずっと幸せ。

無人島に一緒に行くなら……誰かに絞りきれないです。

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