顛落の騎士 Two face Knight

とある国のとある山
ここでは最近、近場の街の男性が行方不明になるという事件が起きていました
最初はそこまで大きな事件ではなかったのですが、その被害者は街の人のみならず、商人たちにまでおよび増え続ける一方
そして不思議な事に、襲われるのは男性のみだといいます

そこで、いつ自分が襲われるか恐怖を感じた人々は、名のある傭兵などを雇い、調査に向かわせましたが、結局その傭兵たちも帰ってくることはなく、街の人々は頭を悩ませました

ですがそう悩んでいる間にも被害は増大していきます
背に腹は代えられぬ状況だったため、大枚をはたいて正式に国から騎士を雇う事としました
その際、国は女騎士のみを派遣してきました

男のみが帰ってこなかったことから、男は危険なのではないかという国の推察です
街の人もその考えには反対せず、後日三人の女騎士が街へとやってきました

母性の強い皆の母役   パティ
小柄ながらも気の激しい ヴィエラ
そして三人のリーダー  グラシア

美しくも気高く、実力は国の折り紙つき、そんな三人の女騎士を街の人たちは歓迎しました

「それで・・・消えた街の人々は、あの山に向かった直後消えているということでいいのですね?」
「はい・・・この街から隣町に行くには、あの山を越えるしかありません、あまり険しくない山ですし、道も整備されているので、よく使われる道だったのですが・・・」

街のとある納屋を片付けた小屋にて
騎士たちの中でもコミュニケーション力が高く、頭の働きもいいパティが街の代表と作戦会議をしていました
その場にはあと数人の住民とグラシアとヴィエラもいます

「なるほど、ではその山に何かが住み着いていると、盗賊か、あるいは魔物・・・いえ、男の方のみが襲われるというのなら、十中八九魔物でしょうね、賊なら、男だけではなく女性を狙わないメリットがない」
「確かに・・・」
「ではその住処を探すことにしましょう、魔物だとするなら、そこを叩くのが一番効率的です」

大方の方針を決めたパティが部屋の隅で黙って聞いていたグラシアと、ヴィエラに向かって言いました

「なるほど、解った、ではさっそく出発しよう、仕事は早い方がいい」
「ニシシ、グラ姉まっじめ〜♪じゃあさっそくいこ♪」
「頼みましたよ・・・」

街の人たちの期待を一身に受け三人の騎士は山へと向かいました

「いい天気だね〜♪」
「ヴィエラ、ピクニックではないのですよ?」
「えへへ〜パティ姉ごめんなさーい♪」

山を歩く騎士たちの足取りは軽い
それは自らの腕に、そして仲間に強固な信頼を置いている証でありました

「まぁ、いいではないか、この天気だヴェエラが浮かれてしまうのも無理はないだろう」
「うふふ、そうかもしれませんね」
「グラ姉良い事言う〜♪」

三人は騎士の養成所時代からの友人で現在に至るまで共に任務を遂行し昇進してきました
そんな強いキズナで結ばれた三人だからこそできるコンビプレイ、それを国は買っており、こうして派遣されたりするのも、常に三人一緒となりました

「ね、ちょっといい?」
「どうかしたかヴィエラ」
「・・・おしっこ♪」
「まぁ、下品ですよヴィエラ、ちゃんとお花を摘むといいなさいな」
「い、いいから、行って来るね〜」

そういうとヴィエラは走って道から外れていってしまいました

「パティ、さすがに尿意を催している相手に説教はどうかと思うぞ?」
「そうね・・・私としたことが、後で謝っておかなくっちゃね」

そういい二人はヴィエラを待つ間近くの適当な岩に腰をかけます
しかし十分、ニ十分と待っても、ヴィエラは帰って来ません

「おい・・・さすがに遅すぎないか?」
「ええ、私もそう思っていました・・・」
「あのヴィエラに限って、襲われて負けることはないと思うが・・・」
「ええ・・・ですけど、やはり心配です」

二人が探しに行こうと立ち上がった時だった

「グラ姉、パティ姉、遅れてごめんね」

ヴィエオがゆっくりと戻ってきました
特別争った形跡もないようなので二人は安心します

「もう・・・心配しましたよ?何をしていたのですか?」
「ちょっとね」
「ん・・・?」
「グラ姉、どうかした?」
「いや・・・別に大したことではない、気にするな」

この時、グラシアは何か違和感を感じました
ですがその正体は特につかめず、気のせいと言う事にしました

「さ、待たせちゃったし、いこ」
「あ、ちょっと待って」

先に進もうとするヴィエラをパティが止めます

「ヴィエラ、さっきはごめんなさいね、引き止めてしまって」
「さっき?」

ヴィエラは一瞬止まり、考え込む動作を見せますがすぐに笑顔を作ります

「あぁ、あれね、別に気にしてないよ」
「そう、ならいいのですが・・・あら?」
「ん?どったの?」

パティの目はヴィエラの内股へと向く
そこではツー・・・っとしずくが滴っていた

「ヴィエラ・・・後始末はちゃんとしないと駄目じゃないですか」
「え?あ・・・」

ヴィエラは股に指を伝わせしずくをすくい取る

「ん・・・あ、ごめんごめん」

そういってすくい取ったしずくを舐めとりました

「ヴィエラ、はしたないわよ!?」
「え、あ、ごめん」
「まったく・・・仕方ない子ね・・・」

パティはそういってヴィエラの内股を布で丁寧に拭きます

「はい、これでいいわ」
「ありがとパティ姉」
「・・・」

グラシアはやはり何か違和感を感じていました
それはやはり、内股を伝うしずくのせいだったことにしようと思いました

「ちゃんと気をつけなさいね?」
「うん、それじゃ、いこっか」
「・・・」

三人はそういって歩き出しました
グラシアは相変わらずヴィエラに対し違和感を感じていましたが、仲間であり妹のようであったヴィエラを疑うなんてどうかしていると、その感覚を拭い去りました

ですが、妙な不安感が残ってしまったグラシアは、パティに相談しようとパティの横にぴたっと並んで歩き始めました
なるべくヴィエラには聞かれたくなかったので期を探っているとパティの方から小声で話しかけてきました

「・・・グラシア、ヴィエラについて話があるんでしょう?」
「・・・やはり、パティにはお見通しか・・・」
「何年一緒にいると思うのです?今の状態のヴィエラなら、この距離の声は聞いていないと思うわ」
「かなわないな・・・パティには・・・それで、ヴィエラの事なのだが」
「あー!!」

グラシアがヴィエラの事を尋ねようとしたときでした
ヴィエラが急に声を上げます

「あそこ!あそこに今なにかいたよ!」
「何ですって!?」
「なら、私が行こう、安全を確認したら呼びに戻って来る、二人はここで待っていてくれ!」

グラシアがそう叫び、ヴィエラの指した方向へ駆け出しました

「あぁ!グラシア!待ちなさい!」
「・・・」

パティが呼びとめようとするも、グラシアはもうすでに走り去ってしまいました




「くそ!どこへ行ったんだ!」

グラシアはヴィエラの指した方向へ走りましたが、何も見つかりませんでした
確かに、なにかがいた気配があります
ですが、それ以上の事はわからず、無策のまま走ることしかできずにいました

「いったんパティたちを呼びに戻るか・・・」
(それにしても、パティと今のヴィエラを残してきて大丈夫だったのだろうか・・・ん?)

一瞬黒い不安がグラシアを襲いますが、それはすぐさま別の出来事に流されてしまいます
何か、悲鳴のようなものが聞こえたような気がしたからです
ヴィエラやパティのものではないようですが、気になるところではあったのでグラシアはその声のした方へ進んでみました

(今の声はいったい・・・まさか、消えた街の人々・・・?)

その予感はすぐ的中することとなります
少し進むと、岩壁にぽっかりと空いた洞窟を発見しました

(声は、ここから聞こえたのか?)
「ああぁぁ!!」
「!?」

その洞窟の中から男性の声がはっきりと聞こえました
グラシアがそこから中を覗いてみると、その中では、複数人の男性が衣服を脱がされ捕まっていました
そしてその中の一人が、豚のような人影にまたがられていたのです

「はッはッは・・・ブフ、どう?気持ちいいでしょ?」
「っくぁ・・・もう、やめて、くれ・・・今日は、もう出ない・・・ッ」

ぴゅる・・・ぴゅっぴゅ・・・

「うそつきさん♥おしおきしちゃおっと♥」

そういうとまたがっていた彼女は更に激しく腰を振り始めました

「ぅわぁぁ・・・」
「フヒ・・・まだまだイケるよね?」
(っく・・・あれはオークか・・・なんということだ・・・はやくパティたちの元へ戻らなければ・・・)

グラシアがその場を後にしようとした時でした
捕まっている男たちの中に一匹だけオークがまぎれているのをグラシアは見たのです

(なんだ・・・仲間割れしたオークも、ここにとらえるのか・・・?)

グラシアがそう考えた時、そのオークがぽつりとこう漏らしました

「グラ姉・・・パティ姉・・・助けて・・・」
「!!!??」

グラシアは驚愕し、耳を疑いました
その呼び名をするのは世界でただ一人、ヴィエラだけだからです

(ま・・・まさか、そんなはずは・・・だが・・・しかし・・・!?)

グラシアは考えるのが恐ろしくなってその場から逃げるように走り出しました

(ヴィエラ・・・そうだ、あれがヴィエラなら・・・今私達と一緒に居るあれは、誰だというのだ・・・!?)

言い訳のように、グラシアは頭の中で繰り返します
ヴィエラはすぐそこにいると

「はぁはぁはぁ・・・っく・・・そ・・・」

全力で走っていたため息が苦しくなりその場で立ち止まります
息を整えていくうちに、少しずつ冷静な思考も戻ってきました
ですが冷静に考えると今度は別の可能性も出てきます

(も、もし、ヴィエラが何らかの理由であんな姿にされ、それをした者、おそらくオークが、ヴィエラに化けていたのだとしたら・・・そうしたら私は大変な過ちを犯したのではないか・・・?)

頭の回転が早まるたびに、また動悸が高まり、嫌な予感が頭をよぎります

(パティ、あのとき私に話しかけてきたと言う事は、パティもヴィエラに対する不信感は少なからずあった・・・だが、パティはオークがヴィエラに化けているかもしれないという可能性を知らない・・・だがあのパティがオーク程度に負けるとも思えないが・・・急がなければ・・・)

息が整いきるのを待たず、再びグラシアは走り出します
美しい金髪が乱れることも、靴が土埃に汚れることもいとわず、一心不乱に二人の待っているはずの下へ、グラシアは走りました

そして息も絶え絶え、二人が待っているはずの場所へたどり着くと、そこに二人はいませんでした

「ぱ、パティ・・・?パティ!?」

グラシアは叫びます
一層の不安感が彼女を襲います
もしかしたらもうすでに手遅れだったのかもという絶望感
それと同時に、パティなら大丈夫という信頼による葛藤

グラシアは頭を抱えその場にうずくまります
誰もいない山の中腹に独り、その孤独感もまた彼女を攻め立てます
そして、そんな押しつぶされそうになっている所へ声がかけられました

「グラシア!一体どうしたの!?」
「あ・・・パ、パテ・・・ィ・・・」

彼女が顔を上げるとそこにはパティとヴィエラ心配そうにグラシアを見ていました

「ごめんなさい、少し、催しちゃって」
「パティ姉、お花を摘むって言わなきゃだめだよ」
「もう、ヴィエラったら・・・」
「あ・・・あ・・・」

ヴィエラと談笑するパティ
いつもなら当たり前に思える微笑ましい会話
信頼するべき二人が、自分を騙し、そして自らもあんな豚のような姿に変えられてしまうのではないかと言う疑念
その疑いが、彼女を恐怖というもので包んでしまっていました

「さ、どうなっていたかを聞かせて頂戴?もう一人で行かなくていいから、今度は私たち三人で行きましょ」
「うん!いよいよだね、腕がなるよ〜」

そういい手を差し伸べパティが近寄ってきます
ですが、その白く傷一つない手をグラシアは恐れてしまいました

「や・・・やめろ・・・くるな・・・こないでくれ・・・」
「グラシア・・・?」
「くるなぁぁぁぁ!!!」

グラシアはまたその場から逃げ出してしまいました

「グラシア!?待ちなさい!!」
「グラ姉!?」

パティが止めようとするも、グラシアの速度には敵わず、グラシアは走り去ってしまいました

「パティ姉!グラ姉を追わないと!」
「ええ、行くわよヴィエラ!」

そういい二人はグラシアの後を追って走り始めました


ザッザッザッザッザ・・・


ものすごいスピードでグラシアは走っていきます
行くあてもなく、ただもう、この場に居るのは危険だという頭の警告に従いがむしゃらに遮二無二、ただただ走ります

頭の隅には常に二人の事がありました
まず、この場から離れて、そのあと一度体勢を立て直して、もっと大部隊を率いて、この山を焼き払ってでも二人を助けると
だから今だけは逃がしてくれ
逃げることを許してくれ

だれに向けられることも無い言い訳が頭に勝手に浮かんでは消えます
必死に逃げることに負い目を感じつつも、どうしてもそれに逆らうことはできませんでした

もう二人が追い付くのにも時間がかかるほど遠くまで逃げた事にも気づかず疲労した体を必死に引きずって、もっと遠くへ逃げようとしました
その姿は非常にみじめで騎士の誇りすら感じられません
もうそんな誇りなんてものは彼女にはなかったのでしょう
彼女は捨てたつもりはありません
誇り、プライドの方から彼女から離れていったのです
仲間を信じられなかった彼女から

だから気付かなかったのでしょう
背後から襲い来る影に
グラシアはその場に沈みました





(ん・・・私は・・・どうなって・・・)
しばらくたって、グラシアは目を覚ましました
そこは洞窟の中で、自らの手足は縛られています

「ん・・・目を、覚ました・・・よう、ね・・・んぁ♥」
「!?」

声のした方へ顔を向けるとそこでは、グラシアが自らの股を、胸をまさぐっていました

「な・・・なんで・・・私が・・・」
「むふぅ・・・♥教えてぇ、ぁん♥あげるからぁ、ちょっと、まっててねぇ♥」

くちゅっくちゅくちゅくちゅくちゅ!!

「あぁん!イクイク!イッちゃう!!イッ、くぅぅぅ!!」

プシッ!プッシャァァァ!!

足をピンと張って潮を吹きながら目の前で自分が絶頂しました

「はぁ・・・はぁ・・・ふん、そうか・・・私はグラシア、グラシア・グレーテル、仲間は、3人・・・パティ・グレースとヴィエラ・シンフォニア・・・男にまったく興味のない人生だったようだな」
「な、なぜそれを・・・」
「フフ・・・一度他者の身体で絶頂すれば、その身体の記憶が読めるようになる・・・常識だぞ?」

そういってニヤァっとグラシアの身体は笑った

「私の・・・記憶?」
「あぁ、私の記憶だ」
「違うそれは私の・・・ッ!」

必死に反論する彼女の秘部に足先が押し付けられた

「今はもう、私のものだ・・・」
「そ、そんにゃぁぁ!!」

ぐりぐりと秘核をすりつぶされるような刺激に体が急激に熱を帯び始めます

「熱かろう?それがオークの身体だ、人間より優れている一点だな、どんな責めにも耐えられ、すぐ気持ち良くなる」
「んひゃぁぁぁぁ゛あ゛あ゛!!」

痛いぐらいにつぶされているのに、それがどうしようもない快感になってグラシアを襲います

(あ゛あ゛!!だ、だめだ!流されてしまってはッ・・・私はっ誇り高き、きしなのだからぁぁぁ!!)

襲い来る魔の快楽に必死に抵抗します
ですが疲弊しきったその身体では、耐えきることはできませんでした

「あ゛!あ゛ぉぉぉ!ィィィ!!」
 
ぐじゅ!ぐじゅ!ぐじゅじゅじゅ!!

今まで男を知らない人生を生きてきた彼女は自慰の経験もあまりありません
好奇心で多少まさぐってみたことはあるものの、いつも気持ち良くなってくると怖くなってやめてしまっていました
そんな彼女の精神が、他者から、しかも魔物の生み出す人間より大きな快楽に勝つことなど、無理でした

「ああ゛!!ぐル!すごぉぉ!!ぐる゛ぐる゛ぅぅぅ!!!」

ビクッ!ビクビクビクッ!!

「あぁぁあぁ!!おぉほぉぉ♥♥」

グラシアは人生で初めて絶頂を味わいました
深い深い、魔物の絶頂を

「あ・・・あ゛・・・」
「フフ、さ、思い出しなさい、なぜこんなことをしているのか」

グラシアの声に従いボーっとする頭でないはずの記憶をおもいだそうとします
すると不思議な事に、頭の中にいろいろな記憶が蘇ってきました

このオークの集団では、子を十人産んだ個体は望めば人間の女と体を入れ替えることが許されること

自分より更に強く美しい個体になるのは集団の中では喜びだという事

先に入れ替わり、人間世界になじんでいるオークたちがその連絡を受けると、入れ替わる体を用意し送りこむ事

入れ替わった体は絶頂に達した瞬間、記憶を探る事が出来るようになること

人間のオスを捕まえ奴隷として、種馬として飼育していること

男を犯したくてたまらないという事

オスの精は何物にも代えがたいほど美味であるという事

この感覚がオークなのだと、瞬時に理解した

「あ、あなたが、ヴィエラをオークにしたの・・・?」
「ヴィエラ?あの娘はまだ人間だ、あの洞窟のは私の妹分、一芝居打ってもらったのさ、この身体を手に入れるために」
「そ、そんな・・・」
「まぁ、心配するな、今度はその妹分が十人目の子供を産むだろう、そうしたら今度こそヴィエラと入れ替えてやるさ、そうしたらまた一緒に居られるぞ」
「げ・・・外道・・・」
「フフ、そうか?今のお前なら解るだろう?もっと美しくなりたい心ももっとたくさんの男と交尾したい欲求も、もっと強い体のほしい渇望も全て解るはずだ」
「ぅぅ・・・」

オークとなったグラシアの態度は絶頂し、記憶が流れ込んできたことで、もとの愛らしいそれに近づきつつありました
逆にグラシアとなったオークは愛らしかったころの面影はなく、もうかつてのグラシアのような高貴な態度に変わっています

「では、私は行くことにする、オークたちを討伐したと報告するためにな」
「ま、待って・・・」
「ふふ、心配するな、同族は売らんよ、ここでの事件は解決したと人間達に報告するさ、まぁ、この報告が通ればこの山からはもう移動になるだろうな」

そこまでいって、うっとりとグラシアの顔は目を細めました

「そうしたら私は自由だ、これだけ美しく強い人間の体なのだ、いくらでも人間の街を歩き、男を物色し、好きなだけ男と交われるだろう、楽しみだ・・・実に、楽しみだ、ハハハッ!」

そういって彼女は行ってしまいました
グラシアとして生きるために

そして残された本物のグラシアは絶望していました
この状況もそうですが、この先どうなるかもわかっていたからです

ここから先、自分は犯される
自分を犯すように、このオークは奴隷の男たちに言って回っていたから

そしてその記憶通りゆらりゆらりと、男たちが群がってきました
その肉竿は既にそそり立ち目の前の人間より豊満でいやらしい雌豚を犯そうとあるいは孕ませようと、近寄ってきたのです

「や、やめて・・・こないで・・・」

口では否定の言葉を言うものの、いきり立ったそのオスの象徴からグラシアは既に目を離せなくなっていました
初めてまじまじと見た好奇心だけではありません
頭にこびりついた交尾の快楽、そして魔物としての本能がその肉棒たちを欲していました

(な、なぜ・・・なぜこんなにも、胸が高鳴るのだ・・・なぜこんなにも、男性の、一物が・・・愛おしいのだっ!)

自分の中にふつふつとわきあがるメスとしての本能
それが必死に訴えるのです、チンポをクレと、咥えたいと中に入れたいと、搾りあげてしまいたいと、孕んでしまいたいと

知らず知らずのうちに半開きになっていた口に独りの男が肉棒を差し出しました
彼らはあくまでも彼女たちの奴隷、犯せと命じられていても、それは彼らにとってはプレイと同義、真似事はしても本当に犯すことはできません
だから犯す真似はします、こうして近づけて、咥えられるのを待ち、咥えられたら、イラマチオのように激しく腰を振るのです
だからあくまでも、決定権は彼女、グラシアにあります
そこで彼らの一物を拒めば、犯されることはありません
そんなことは、オークの記憶を持っているグラシアも解っていました
ですがグラシアは―

「はッ・・・はッ・・・はむっ!」

咥えてしまったのです
魔物の身体が発するオスへの欲望に耐えきれなかった

(く・・・くさいっ・・・これがペニスというものなのか・・・あぁ・・・でも、私は何をして・・・体が勝手に・・・この臭いを嗅ぐと・・・臭くて吐きそうになるのに・・・こんなにも興奮して・・・体が勝手に動く・・・っ)

もはや淫欲に塗れた魔物の身体を人間の精神で抑えることはできなかった
オスの匂いをかいだだけで勝手に準備ができてしまった体は本能の赴くままにその差し出された雄肉という最高の餌にくらいついてしまったのです

「ん!んご!んぐ!じゃふ!じゅぷ!」

そして咥えられたことで受け入れられた奴隷たちはいっせいに動き始めた
咥えられた奴隷は、まるでただの穴であるかのように口内を犯し、他の者は全身を指で、あるいは舌で愛撫し始めます

(あぁ!なんだ・・・この甘い感覚はっ・・・脳が、とける・・・ッ・・・顎が外れそうなのに・・・満たされる・・・ッ)

未だかつてないほどの強烈で甘美な幸福感
未経験であったにしても人間だったころには一生味わえないであろう悦楽に頭が蕩けていきます

「んぐぅ・・・じゅぶぶぅぅ!」

熱塊が喉の奥まで突っ込まれては引き抜かれる
そんな単調なピストンも処女の精神には強烈でした
さらには他の数人が腹を撫でたり、胸をもんで来たり、乳首にしゃぶりついてきたり、秘所に指を入れてきたり、脇に息子押し付けてきたり、余った男たちはそれを見て勝手にしごく者もおり、やりたい放題始めました

「んじゅぅ!じゅるる・・・れるちゅぱ・・・」

(こいつらっ!かってに、身体を!・・・知らない、男どもに、身体をまさぐられているのに!こんなにもオス臭いのに・・・どうして、どうしてこんなにかぐわしいんだ・・・美味なんだ・・・幸せなんだっ!!)

心がどんなに拒絶していても、身体がおぼえている雄の快感がその心を溶かしてしまいます
舌が勝手に亀頭をなで、男の感じるところを的確に刺激していきます
乳首に吸い付く男の頭を撫で、周りのあぶれた男の肉槍に手を伸ばししごきあげます
その仕草、動作の一つ一つが、もう立派な魔物そのものでした

そして、その時は唐突にやってきて―

ぶびゅ!ぶりゅぅぶびゅ!!
どぴゅ!どぷどぷどっぱぁ!

口の中、そして握りしごいていた物が一斉に精を吐き出した

「んぐ・・・ごく・・・」
(ぅ・・・ぅわぁ・・・く、くさい・・・おいしい・・・どろどろして気持ち悪い・・・素敵・・・)

勝手に唇は尿道の中に残った物まで吸い出そうとすぼまり、手も絞り出そうと、根元から絶妙な力加減でぎっちりとしごきあげます
それらの動きにグラシアの考えは関係なく、精を求める魔物の頭と本能がそうさせていました
そして、その魔物の本能にグラシアの精神も少しずつ毒されていったのです

「ぷは・・・う、うぇぇ♥」

精液は全て飲み干してしまいましたがまだ喉にいがいがとしたものが残っているような気がして、えずいてみます
でも本音では、そんなに嫌な気はせず、むしろそれすらもっと飲みたいと思ってしまうほどでした

(あ、ありえない・・・私は、生娘なのだ・・・こんな、ザーメンなんかで・・・こーふんしたり、なんて・・・)

引き抜かれ、半開きになった口から舌をはみ出させ、よだれと少しだけ残った精液をたらし、潤んだ瞳で、まだまだ硬さを失っていない怒張を、またはされるまで我慢していた剛直を見渡す

(こ・・・こんな、太いのに、もし・・・もしも、中を、かき回されてしまったら・・・さぞ・・・わ、私は、何を・・・あぁ、でも・・・)

もはや魔物の本能に逆らうことすら忘れ自らの快楽を一瞬考えてしました
それほどまでに強い肉欲がグラシアを責めたてました
そして、それと同時に男のうちの一人がグラシアの秘部にそのいきり立った硬竿を押し当ててきました

「あ・・・ま、まって・・・それは・・・」

オークの声に男の動きが止まる
奴隷である以上、この声には逆らえないのだ、やれと言えばやるしやめろと言われれば、たとえ暴発寸前でもやめるしかないのです
そんなオークの下で培われてきた奴隷は押し付けたまま微動だにしない
それはむしろグラシアを焦らしているようなもの

(く・・・くそ、熱い・・・あついぃ・・・受け入れてしまいたい・・・犯してしまいたい・・・でも、そんなことをしたら・・・私はもう・・・)

解っていた、引き返すなら今だと
ここが最終防衛ラインだと
でもこの熱くたぎるマグマのような肉欲に、勝つことはできませんでした

「・・・し、して・・・ください♥最後まで・・・♥」

自らの秘所を両指でくぱぁっと開き自分が出せるもっとも甘い声で媚びた
その姿は、ただの雌豚でした
そして、その声を合図に男の分身が一挙に子宮を突き上げます

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ♥♥♥」

人生で一度も感じた事のない感覚
その体内を抉られるという初めての快感が他者の、しかも性感の高まった雌豚のような魔物の身体で迎えてしまった
その事実が、もう元の身体に戻れない実感をグラシアに与たのでした

もはや魔物の本能には逆らいません
それを受け入れ、男根を埋められた瞬間今まで感じた事のないほどの幸福感と共にグラシアは絶頂しました

「あ゛かはっ・・・イ゛ったぁぁぁ・・・♥」

ずぶ!じゅぷ!ぐじゅ!ぱちゅん!

「お゛お゛お〜〜〜ッ♥♥」
(い、イッてりゅ!イッてりゅのに〜♥♥こ、これ・・・もの、もう、メスブタに、なっちゃっら〜〜♥♥)

グラシアは性の虜となりました
自ら腰を振り、肉棒を咥え、握りしごきます、そしてそれだけでは飽き足りませんでした

「んじゅぅぅ・・・ほ、ほりゃ・・・こっちも、こっちのあにゃも、つかって・・・つかいなしゃい!!」

ついに魔物と同化したグラシアは、自ら尻を振り、片手で尻穴を広げ命令しました
すかさず男の一人がその穴に男性器を押し当て、一気に突き込みます

ずっぶぅぅ!!

「んぐぉぉほぉぉぉん♥♥」
(き、きら!け、けちゅ、けちゅあにゃぁ〜♥♥)

卑猥な音ともに腸内へと侵入してきた肉剣に当のブタは眼球を突き上げられてしまいます
ですが、その腰の動きはますます激しくなり、もはや犯せという最初の命令はどこへやら、その積極性たるやむしろ彼女の方が男を犯しているようです
いや、負け知らずの豚人とはそういうものです
これが自然な事なのでしょう
それを裏付けるように、激しく腰を振り、しゃぶりつき、しごきあげているのですから

「んむぅぅ!!じゅぶぶじゅぱじゅぱ!!じゅるる!じゅっじゅぅぅ〜〜♥」
(あぁ!ペニス!おちんちん!チンコ!おちんぽ!おちんぽぉぉ!!)

もはや頭の中は雄肉のこと、そしてザーメンの事でいっぱいです
はやく絞り出したい、もっと抉られたい、もっと犯したい
彼女は今やただの魔物、オークとなったのです

(だして、ザーメン!精液!おちんぽみるくぅぅ!だせぇ!)

彼女が一層強く陽根を吸い上げ、握り、膣内腸内を閉めた時でした、それらは一斉に爆発しました

ぶびゅぶびゅぶぶ!!
どっびゅるる!!ぶべべ!
どくどくっ!どっぱぁぁ!
ぶべびゅ!どぴゅぴゅ!

「んぐぅぅぅ〜〜〜〜〜♥♥」
(イッぎゅぅぅ!!じゃーめんみゆく!ごくごくどぽどぽでいきゅぅぅぅ!メスにぃ、メスブタおちイグゥゥゥゥ!!)

大量の精が、グラシアの肌を顔を胸を背を腹を足を尻を胃を腸を子宮を汚していきます
その汚されゆく感覚にグラシアは自分が完全にメスブタへと堕ちた事を実感するとともに、新たな欲望を生み出していきました

ずるん!どぽぽぽ・・・

体内に入っていた肉棒が引きずり出されました
するとぽっかりと空いた穴から精液があふれ出ます
目は焦点が合わず涙やよだれで顔はどろどろ
あまりにも蠱惑的なその姿で、彼女は奴隷たちに命令しました

「んへっぇ・・・も、もっろよ・・・もっろ・・・おちんぽだしなさい♥♥」






「あ!グラ姉だ!!」
「グラシア!もう、心配したんですからね?」
「ヴィエラ、パティ、さっきはすまなかった、でももう大丈夫、もうこの山の魔物も退治してきたから、帰ろう」
「え〜グラ姉、ひとりで片付けちゃったの!?」
「もう無茶しすぎですよ?」
「パティ心配かけてすまない、今度はヴィエラに譲るから許してくれ」
「ほんと!?やったぁ!約束だよ!?」
「まったく、無事だったから許しますけど、これっきりですからね・・・さぁ、片付いたというのなら帰りましょう?」
「あぁ、そうだな、 私たちの国ヘ・・・ナ」


はいどうもご清聴ドウモでした

いやぁ・・・またなんか暗い感じに・・・お目汚しにお付き合いしていただきありがとうございます あとあのオークの子、今はグラシアですが、なんでも近々演習で自分を打ち負かした騎士と結婚するそうです、大丈夫ですかね?

またまたご感想ご助言等々、書いていただけるとありがたいです、次につなげる際の力にも活力にもなりますからね

今回のキャラはラテン語で忍耐を意味するパティエンス、ギリシャ語で激しさを意味するヴィエオ、スペイン語で気品を意味するグラシアから頂きました、気品のかけらもないとか言わないでください・・・

15/09/07 01:44 シュウザキ

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