疲れている人に白蛇を
柔らかい日差し、澄んでいる空気。
そんな空気の中、俺は少し恥ずかしく思いながら池のほとりで横になっていた。
「動かれると、此方はくすぐったくて困るのだ」
晩年モテ期が――いや彼女もできないと思っていた俺が幸運にも膝枕されていたからである。
顔も男らしくなく、背も小さい。姉からはゴスロリの衣装を着せられるそんな自分が、こんなに綺麗な人を嫁にもらえるなんて思ってもいなかった。下半身は蛇なのだけど。
そういえばこれって膝枕なのか? 尻尾枕のほうが正しいのではないだろうか。
「だ、だってなんかその恥ずかしい」
「そんなこと言わないでくれ。こ、此方も恥ずかしくなってくるだろう……」
色素の薄く、穢れがないような白い肌、何も染められていない生糸のような艶やかな髪、光り輝く紅玉のような瞳、そして海の上を照らす日差しのように光る白銀の鱗を纏いし尾。
綺麗の一言では終わらせたくないような美貌、人間は美貌を表すときにも人外のような美しさというがこれはその原型といってもいいだろう。彼女は人とは違う存在、いわゆる魔物と言うものだったがそんなのをまったく感じさせずまるで絵画のような美しさだった。そんな彼女はなぜか俺に一目ぼれし、結婚まで至たり、姉に新婚と言ったら膝枕でしょと唆されて今、彼女――白蛇のハクは実行し、こんな状況に至っている。
「恥ずかしいならやめればいいんじゃないか」
「それは嫌だ……此方はもっとそなたと密着したい。そなたは嫌なのだろうか……」
正直顔が真っ赤になりそうなぐらい照れてしまう。
「嫌じゃない……けど……どこでもハクは気持ち……ぃぃし」
今度はハクが真っ赤になる。お互いに免疫なさすぎだろうとは思いつつも尻尾の感触を確かめるように頭をおき続ける。
「た、たまにはこういうものもいいものだ……」
「……なるべく。僕は避けたいけどね」
そんなことをいった瞬間、すごい勢いで顔を真っ青にしている。元から白いがなんかさらに青みが……
「そ、そんなに嫌なのだろうか! た、たしかに此方は女性的な肉体的美しさは無いに等しいのだが……」
「い、いや普通以上にあるから困るのだけど……」
正直胸は一般女子も大きく腰もすばらしいくびれ具合で下手したら見ただけで欲情が暴走しそうなぐらい魅力的なのだが。いや確かに美術的な観点からなら胸が大きいのは美しさではないのかもしれないけれど
「よしてくれ、此方よりもそなたの方が美しいというのは分かっているのだ! 所詮此方の胸なんて駄肉、ぷにってふにゃっているのだ」
「ま、まてどうして俺が美しいと!」
「考えてもみるがいい、そなた! かの芸術作品の多くは黄金比率でできており、女性の胸はほどほどがよいとされておる。それに比べたら此方の体など均整の取れていないのと同じではないか。それに比べてそなたは黄金率に一番近いではないのか」
確かに芸術作品では胸が控えめというかBカップ〜Cカップぐらいの胸が美しいのかもしれない。正直Iとかで作る気も無いだろうし。けどハクはんなことを言うがかなり均整は取れていると思う。一見アンバランスに見えるそ見た目だがアンバランスなんてことは無く全体を見たときは不快感もアンバランスさもない。
「俺が好きだからいいんだよ。俺は一番綺麗だと思ってる。だからそんなに……」
「ならなぜ、此方に膝枕されてくれないのだろうか!」
「い、いや、その……な? ちょっとばかし股間が」
それが問題。一番の問題。正直抱きしめるだけでマグナムが装填完了しそうになるぐらいになるのだ。それなのにこんなことを続けていたら理性が崩壊しそうになる。
「股間? ……な、なぜ此方が膝枕するだけでそうなるのだ!」
「そ、そりゃ……一番の女に触れられたら誰でもムラムラってくると思うんだけど」
「……そんなにしたいなら此方は別に断るつもりなんてない」
そういって服に手をかける。ゆっくりと、扇情的にずらしていく。
「だって、此方もそなたを一番の男だと思っているから、むしろ一つになりたいのだ。そなたの愛を、温もりを……此方だけだと感じさせて欲しい」
「ハク……」
俺は顔を尾から離し肩に手を置く。そしてハクへと唇を近づける。ハクの唇は真っ赤に熟れているトマトのようにみずみずしく艶がある唇。それをむしゃぶるように――
パキッと何か茂みから木を踏みつけたような乾いた音がなった気がした。慌てて音のした方向に顔を向けてみるとそこには我が家の家長といっても過言ではない姉がいた。
「あらあら〜ごめんなさいねー。あ、私、木ですから、さ、どうぞどうぞ」
「「できるかぁああああああああっ!」」
顔を赤面し、お互いに森の中に響き渡りそうなくらい大きな声で絶叫をしてしまった。
後日、森の中に奇声をあげる謎の生物がいるという話が出たのはまた別の話。
そんな空気の中、俺は少し恥ずかしく思いながら池のほとりで横になっていた。
「動かれると、此方はくすぐったくて困るのだ」
晩年モテ期が――いや彼女もできないと思っていた俺が幸運にも膝枕されていたからである。
顔も男らしくなく、背も小さい。姉からはゴスロリの衣装を着せられるそんな自分が、こんなに綺麗な人を嫁にもらえるなんて思ってもいなかった。下半身は蛇なのだけど。
そういえばこれって膝枕なのか? 尻尾枕のほうが正しいのではないだろうか。
「だ、だってなんかその恥ずかしい」
「そんなこと言わないでくれ。こ、此方も恥ずかしくなってくるだろう……」
色素の薄く、穢れがないような白い肌、何も染められていない生糸のような艶やかな髪、光り輝く紅玉のような瞳、そして海の上を照らす日差しのように光る白銀の鱗を纏いし尾。
綺麗の一言では終わらせたくないような美貌、人間は美貌を表すときにも人外のような美しさというがこれはその原型といってもいいだろう。彼女は人とは違う存在、いわゆる魔物と言うものだったがそんなのをまったく感じさせずまるで絵画のような美しさだった。そんな彼女はなぜか俺に一目ぼれし、結婚まで至たり、姉に新婚と言ったら膝枕でしょと唆されて今、彼女――白蛇のハクは実行し、こんな状況に至っている。
「恥ずかしいならやめればいいんじゃないか」
「それは嫌だ……此方はもっとそなたと密着したい。そなたは嫌なのだろうか……」
正直顔が真っ赤になりそうなぐらい照れてしまう。
「嫌じゃない……けど……どこでもハクは気持ち……ぃぃし」
今度はハクが真っ赤になる。お互いに免疫なさすぎだろうとは思いつつも尻尾の感触を確かめるように頭をおき続ける。
「た、たまにはこういうものもいいものだ……」
「……なるべく。僕は避けたいけどね」
そんなことをいった瞬間、すごい勢いで顔を真っ青にしている。元から白いがなんかさらに青みが……
「そ、そんなに嫌なのだろうか! た、たしかに此方は女性的な肉体的美しさは無いに等しいのだが……」
「い、いや普通以上にあるから困るのだけど……」
正直胸は一般女子も大きく腰もすばらしいくびれ具合で下手したら見ただけで欲情が暴走しそうなぐらい魅力的なのだが。いや確かに美術的な観点からなら胸が大きいのは美しさではないのかもしれないけれど
「よしてくれ、此方よりもそなたの方が美しいというのは分かっているのだ! 所詮此方の胸なんて駄肉、ぷにってふにゃっているのだ」
「ま、まてどうして俺が美しいと!」
「考えてもみるがいい、そなた! かの芸術作品の多くは黄金比率でできており、女性の胸はほどほどがよいとされておる。それに比べたら此方の体など均整の取れていないのと同じではないか。それに比べてそなたは黄金率に一番近いではないのか」
確かに芸術作品では胸が控えめというかBカップ〜Cカップぐらいの胸が美しいのかもしれない。正直Iとかで作る気も無いだろうし。けどハクはんなことを言うがかなり均整は取れていると思う。一見アンバランスに見えるそ見た目だがアンバランスなんてことは無く全体を見たときは不快感もアンバランスさもない。
「俺が好きだからいいんだよ。俺は一番綺麗だと思ってる。だからそんなに……」
「ならなぜ、此方に膝枕されてくれないのだろうか!」
「い、いや、その……な? ちょっとばかし股間が」
それが問題。一番の問題。正直抱きしめるだけでマグナムが装填完了しそうになるぐらいになるのだ。それなのにこんなことを続けていたら理性が崩壊しそうになる。
「股間? ……な、なぜ此方が膝枕するだけでそうなるのだ!」
「そ、そりゃ……一番の女に触れられたら誰でもムラムラってくると思うんだけど」
「……そんなにしたいなら此方は別に断るつもりなんてない」
そういって服に手をかける。ゆっくりと、扇情的にずらしていく。
「だって、此方もそなたを一番の男だと思っているから、むしろ一つになりたいのだ。そなたの愛を、温もりを……此方だけだと感じさせて欲しい」
「ハク……」
俺は顔を尾から離し肩に手を置く。そしてハクへと唇を近づける。ハクの唇は真っ赤に熟れているトマトのようにみずみずしく艶がある唇。それをむしゃぶるように――
パキッと何か茂みから木を踏みつけたような乾いた音がなった気がした。慌てて音のした方向に顔を向けてみるとそこには我が家の家長といっても過言ではない姉がいた。
「あらあら〜ごめんなさいねー。あ、私、木ですから、さ、どうぞどうぞ」
「「できるかぁああああああああっ!」」
顔を赤面し、お互いに森の中に響き渡りそうなくらい大きな声で絶叫をしてしまった。
後日、森の中に奇声をあげる謎の生物がいるという話が出たのはまた別の話。
11/12/12 22:50更新 / すずかぜ