女子校の旧校舎には変態が籠っている!(本編)
◇
窓から夜桜が見える。どうやら春になったらしい。
私はいつも通りに保健室のベッドの上で横になっている。何の変哲もない、何も起きない毎日。
そろそろここを飛び出して、どこか知らない世界に行ってみようか! と、思ったりもするけれど実際に飛び出していく元気はない。
誰か私を外へ連れてって――
と、廊下から足音が聞こえてきた。
――そう、数日前から私の毎日はちょっと変わった。
◆
窓から夜桜が見える。いつもは昼だから珍しい。
私はいつもと違い保健室のベッドの上に向かっている。何かがありそうな、考えられない一日!
私は家を飛び出して、どこか知らない世界に行ってるみたい! と、思ったりもしたけれど実際はちょっぴりだけど不安もある。
誰か私の元について来て――
と、保健室のドアが見えてきた。
――そう、今から私はちょっと変わったことをする。
◇
躊躇いがちに扉が開き、月明かりが射し込む暗い部屋に一人の少女が入ってきた。彼女はきょろきょろと室内を見回し、私の寝ているベッドを見つけるとおそるおそる歩を進める。その足が止まると少女は徐に服を脱いでいき、やがて私を捲り上げベッドとの間にすっぽり挟まれるように白い裸体を滑り込ませた。
私がじっと様子を伺っていると、少女は目を閉じ安らかに眠り始めた。それならば、と私は今日も行動を起こすことにする。
◆
私は目的のベッドで寝たふりをしていた。扉の向こうに足音が響いても逃さないようにと耳を澄ませる。もし本当に誰かがやって来たらすぐに逃げられるだろうか? 武器になるものは何も持ってきてないけれどきっと大丈夫だろう、と引きずり入れた服をぎゅっと握りしめた。
……っ!?
不意に身体にかかる重さが増えた。素肌にかかるシーツの上から、私をそっと抑え込むような人の体の感触を感じる。
ドアは開いてないはずなのに誰かがいる、いや、最初から部屋のどこかに潜んでいたのだろうか。そんなまさか――
ようやく私の喉の奥から思い出したような悲鳴が出そうに……なったところでその口をキスで塞がれた。そのまま流れるような動作で舌を割り入れられ、口内を甘く優しい感触が撫でる。そっか、これが大人のキスなんだ。
舌の動きに合わせるようにシーツ越しの手が私の脇腹やお腹をさすって、まだ成長途中のおっぱいを柔らかく包み込み、またお腹を這って、私の大事なトコロにそっと触れる。
その優しいキスと愛撫に私の抵抗しようとする意志もすんなり解されてしまった。元より夜の旧校舎の一室で悲鳴なんて上げたって誰も来るわけがないのだ。もうこの快楽を受け入れてしまえばいい。
「んっ……」
シーツ越しにおっぱいとおっぱいが合わさり潰れ、隆起した乳首がシーツの向こうの乳首と擦れあう快感に、思わず声が出てしまう。
…………え?
私の上に乗っているのは、女の人なの?
◇
私は魔力を使って身体を形作ると、寝ている少女に覆いかぶさった。最初こそ、突然現れた身体の重みに目を覚ました少女が抵抗しようとわずかにもがくのを感じたが、唇を奪い全身を丹念に愛撫しているうちに、身も心も緊張は抜けてきたようで、甘い声を漏らし始めた。
私はいつからか受け入れられた舐るようなキスを繰り返しながら、少女の綺麗な膣に指を侵入させそっと解していく。愛液でしとどに濡れていたそこは、ちゅくちゅくと可愛いらしくも淫らな音を奏でていた。
もうすっかり準備は万端みたいだ。密着する少女の身体から伝わってくる反応も、紛れもなくそれを肯定していた。
私は少女の蜜で溢れた壁をゆるゆるとなぞりながら指を引き抜き、下腹部に込めた魔力で少女を壊さない程度の大きさのソレを作り上げた。
◆
声にならない声が漏れる。私はシーツ越しに大事なトコロを暴かれていた。これが女の子なら、もしかしてこの事を教えてくれた子が私を弄んでいるの…………? それにしても、胸が大きい。とっても肉感的な身体に、とびっきり大人なエッチ。同じ女の子としてはうらやましい限りだった。
そんな私をよそに、知っているかもしれない誰かさんの指は名残惜しげな快感を置き土産にして抜かれ、その代わりとばかりに何かもっと大きなモノが私の控えめな入り口と柔らかなキスを始めた。
その大きなモノが私の濡れて敏感な唇とぬちゅぬちゅ擦れあい、私はまた堪らなくキモチイイ感覚に翻弄されてしまう。
まさかこれ……オチンチン? でもこの誰かさんは女の子じゃないの、もしかしていやらしいオモチャ?
それが作り物だと疑う私の心は、初めての証と一緒にあっという間に崩れ去った――
◇
私はソレにやんわりと重みを加え、物欲しげな少女の入り口を優しく割り入った――
づっという手応えで突き破る感触が伝わってくる。どうやらこの少女はこちらも少女のままだったらしい。
……とても、申し訳ないことをしたと私の心が訴える。初めての証は誰でも好きな相手、生涯愛し合う夫に捧げたいものだろう。何より私だったらそうしたい。
だから私はせめて、この少女に教えられる限りの快楽を与えてあげることに決めた。
快楽を知った彼女のソコがいつか夫のモノを受け入れた時、快楽を期待してきゅぅっと愛をねだるように。快楽で包み込みぎゅぅっと愛を伝えるように。
少女があまり痛みを感じていないことを感じ取ると私は、ゆっくりと腰を動かし始めた。
◆
私の内で存在を主張するソレが、処女はもう奪われたんだよと私に教えてくれている。
シーツ越しでもその感触は肉感的で、作り物だと疑う余地はなくて、それでいて誂えたかのようにピッタリ私と合わさっていた。これが相性が良いっていう事なのだろうか、あっという間にオトナのドアはこじ開けられてあまり痛みは感じなかった。
私のオトナなトコロが迎えた初めてのお客さんの心地良さを放心したように味見していると、徐にソレが私の寂しがりな表面をカラダ全体でなぞり始めた。
滑らかな快楽に私の喉が勝手に音を漏らすけどすぐに優しい唇で吸い込まれる、私の中にいっぱいの快感を外に逃がすまいとするように。
逃げ場を失った快感が私をどうしようもなく追い詰めてソコをキュッと締めつけると、更に滑らかな快楽の波に呑み込まれていく。
突いて抜かれる度に快楽の波が何度も何度も押し寄せ渦になってもうどうにもならなくなった時、ぐるぐるとめぐりめぐる渦はとうとう私の中で弾け――
◇
その身体に収まりきらない快感を受け止めようと、少女が最高潮に達して精を零れ落とした時、その代わりを欲しがってきゅうきゅうと愛しくねだる感触に思わず私もソレの先端から飛びつくように魔力を漏らしてしまっていた。これなら将来の夫との性活は安泰だろう。
交換した精と魔力も大した量ではないのでこれでいきなり魔物になってしまう心配はないだろうが、まさか私が吸い取られるように魔力を漏らしてしまうとは思わなかった。こんなことは初めてだった。
初めて…………か。
私がこうしてここに迷い込んだ少女から精を分けてもらうのも何度目だろうか。そう、数日前から私の毎日はちょっと変わったのだ。
私は昔、夫となる相手をこことは違った場所でずっと待ち続けていた気がする。しかしその相手は現れず、いつか私と結ばれる夫に想いを馳せながら、その夫が快適に過ごすことのできる場所を整える毎日だった。
そしていつしか精を得られない私の魔力は弱まっていき、身体を維持するのを止めしばらく眠ることにしたのだ。棚の中にこの身を折り畳んで。
――いつか抱き入れるようなその手で私を広げてくれる夫を待つことにして。
それから何十年、いや何百年経ったのだろうか。数日前の夜に私はある少女に広げられて目を覚ました。夫じゃないのは正直残念だったけど私はとってもお腹が空いていて、その少女からわずかでも精を分けてもらうことにした。
その次の夜には別の少女が来た。そのまた次の夜にはまた別の少女が。私はここを訪れた少女達から少しずつ精をわけてもらった。
何故少女達が夜になるとここに来るのかはわからない、何故少年は来ないのかも。それでも私はちょっとずつ魔力を取り戻して、いつかここを飛び出して夫に会いに行くのだ。
でも――――、と思う。ここにずっといるのも悪くないかもしれない。
少女しか訪れないこの場所をいつか奇跡的に見つけてくれる夫を、昔のように毎日待ち続けるのだ。
それでも今度もそんな奇跡が訪れなかったなら、最後には少女と結ばれるのもいいかもしれないと今は思う。
夫でもない男ですらない少女との交わりのはずが、もたらされる感覚は確かに心地の良いもので。
少女と唇を合わせる度、身体と身体を滑らせる度、1つに繋がる度に布であるはずの私の体は確かに熱をもった。
…………。
今も身体の下で温かい少女がやがて優しいまどろみに沈んでいくのを確認した私は、なんとも形容できないようなこの感情を発散しようと少女の頬に軽くキスをする。
しばし少女を見つめた後に全身の魔力をふっと抜き、その温かさが失われないようにと、愛しい身体を微かに温かい布でそっと包んだ。
◆
鶯みたいな鳥の鳴き声で私は目を覚ました。もう日が昇り始めたのか校庭の桜の樹がふんわりと照らされて色づいている。
そうだ、私は。
意識が闇にとけてしまう直前、私は確かに大事なトコロのもっと大事な一番奥で何かを受け止めたのだ。おそらく、アレはせ――――
私は慌てて身体を包んでいたシーツを確認する。どこにも穴はなく、液体が通り抜ける隙間はない。それどころか唾液や愛液の残り香、処女を失った証の痕跡すらどこにも見つけられなかった。
――――何もかも一夜の夢だったのだろうか。
ソコに手をあてる。今も身体が覚えている、確かな温かさを思いだす。
――いや、私は知っている。
その感触を確かめるように私は自分の身体を抱きしめ、一緒に抱きしめていたシーツをどこかとても愛おしく感じて
そっと、キスをした。
*
「ねぇねぇ、知ってる?旧校舎に出る変態さんの噂」
「えー、なにそれ」
――この女子校では新入生の間で入学以来妙な噂が流れていた。
「旧校舎の保健室のベッドに夜行って、裸になってシーツをすっぽり被って寝るの。そーするとー」
「そうするとー?」
「なんと今も旧校舎に住んでいる変態さんが出てきて、シーツごしに優しく犯されちゃうんだってーーー」
「何それ私も犯されたいーー!それに変態なのに優しくって」
「そこがキモなんだってば。優しく犯された女の子は変態さんの虜になっちゃって、その保健室に通うようになっちゃうんだってさ。変態さん、変態な私を犯してくださーいって」
「キャーこわーーい」
…………彼女は今日も待ち続ける。
窓から夜桜が見える。どうやら春になったらしい。
私はいつも通りに保健室のベッドの上で横になっている。何の変哲もない、何も起きない毎日。
そろそろここを飛び出して、どこか知らない世界に行ってみようか! と、思ったりもするけれど実際に飛び出していく元気はない。
誰か私を外へ連れてって――
と、廊下から足音が聞こえてきた。
――そう、数日前から私の毎日はちょっと変わった。
◆
窓から夜桜が見える。いつもは昼だから珍しい。
私はいつもと違い保健室のベッドの上に向かっている。何かがありそうな、考えられない一日!
私は家を飛び出して、どこか知らない世界に行ってるみたい! と、思ったりもしたけれど実際はちょっぴりだけど不安もある。
誰か私の元について来て――
と、保健室のドアが見えてきた。
――そう、今から私はちょっと変わったことをする。
◇
躊躇いがちに扉が開き、月明かりが射し込む暗い部屋に一人の少女が入ってきた。彼女はきょろきょろと室内を見回し、私の寝ているベッドを見つけるとおそるおそる歩を進める。その足が止まると少女は徐に服を脱いでいき、やがて私を捲り上げベッドとの間にすっぽり挟まれるように白い裸体を滑り込ませた。
私がじっと様子を伺っていると、少女は目を閉じ安らかに眠り始めた。それならば、と私は今日も行動を起こすことにする。
◆
私は目的のベッドで寝たふりをしていた。扉の向こうに足音が響いても逃さないようにと耳を澄ませる。もし本当に誰かがやって来たらすぐに逃げられるだろうか? 武器になるものは何も持ってきてないけれどきっと大丈夫だろう、と引きずり入れた服をぎゅっと握りしめた。
……っ!?
不意に身体にかかる重さが増えた。素肌にかかるシーツの上から、私をそっと抑え込むような人の体の感触を感じる。
ドアは開いてないはずなのに誰かがいる、いや、最初から部屋のどこかに潜んでいたのだろうか。そんなまさか――
ようやく私の喉の奥から思い出したような悲鳴が出そうに……なったところでその口をキスで塞がれた。そのまま流れるような動作で舌を割り入れられ、口内を甘く優しい感触が撫でる。そっか、これが大人のキスなんだ。
舌の動きに合わせるようにシーツ越しの手が私の脇腹やお腹をさすって、まだ成長途中のおっぱいを柔らかく包み込み、またお腹を這って、私の大事なトコロにそっと触れる。
その優しいキスと愛撫に私の抵抗しようとする意志もすんなり解されてしまった。元より夜の旧校舎の一室で悲鳴なんて上げたって誰も来るわけがないのだ。もうこの快楽を受け入れてしまえばいい。
「んっ……」
シーツ越しにおっぱいとおっぱいが合わさり潰れ、隆起した乳首がシーツの向こうの乳首と擦れあう快感に、思わず声が出てしまう。
…………え?
私の上に乗っているのは、女の人なの?
◇
私は魔力を使って身体を形作ると、寝ている少女に覆いかぶさった。最初こそ、突然現れた身体の重みに目を覚ました少女が抵抗しようとわずかにもがくのを感じたが、唇を奪い全身を丹念に愛撫しているうちに、身も心も緊張は抜けてきたようで、甘い声を漏らし始めた。
私はいつからか受け入れられた舐るようなキスを繰り返しながら、少女の綺麗な膣に指を侵入させそっと解していく。愛液でしとどに濡れていたそこは、ちゅくちゅくと可愛いらしくも淫らな音を奏でていた。
もうすっかり準備は万端みたいだ。密着する少女の身体から伝わってくる反応も、紛れもなくそれを肯定していた。
私は少女の蜜で溢れた壁をゆるゆるとなぞりながら指を引き抜き、下腹部に込めた魔力で少女を壊さない程度の大きさのソレを作り上げた。
◆
声にならない声が漏れる。私はシーツ越しに大事なトコロを暴かれていた。これが女の子なら、もしかしてこの事を教えてくれた子が私を弄んでいるの…………? それにしても、胸が大きい。とっても肉感的な身体に、とびっきり大人なエッチ。同じ女の子としてはうらやましい限りだった。
そんな私をよそに、知っているかもしれない誰かさんの指は名残惜しげな快感を置き土産にして抜かれ、その代わりとばかりに何かもっと大きなモノが私の控えめな入り口と柔らかなキスを始めた。
その大きなモノが私の濡れて敏感な唇とぬちゅぬちゅ擦れあい、私はまた堪らなくキモチイイ感覚に翻弄されてしまう。
まさかこれ……オチンチン? でもこの誰かさんは女の子じゃないの、もしかしていやらしいオモチャ?
それが作り物だと疑う私の心は、初めての証と一緒にあっという間に崩れ去った――
◇
私はソレにやんわりと重みを加え、物欲しげな少女の入り口を優しく割り入った――
づっという手応えで突き破る感触が伝わってくる。どうやらこの少女はこちらも少女のままだったらしい。
……とても、申し訳ないことをしたと私の心が訴える。初めての証は誰でも好きな相手、生涯愛し合う夫に捧げたいものだろう。何より私だったらそうしたい。
だから私はせめて、この少女に教えられる限りの快楽を与えてあげることに決めた。
快楽を知った彼女のソコがいつか夫のモノを受け入れた時、快楽を期待してきゅぅっと愛をねだるように。快楽で包み込みぎゅぅっと愛を伝えるように。
少女があまり痛みを感じていないことを感じ取ると私は、ゆっくりと腰を動かし始めた。
◆
私の内で存在を主張するソレが、処女はもう奪われたんだよと私に教えてくれている。
シーツ越しでもその感触は肉感的で、作り物だと疑う余地はなくて、それでいて誂えたかのようにピッタリ私と合わさっていた。これが相性が良いっていう事なのだろうか、あっという間にオトナのドアはこじ開けられてあまり痛みは感じなかった。
私のオトナなトコロが迎えた初めてのお客さんの心地良さを放心したように味見していると、徐にソレが私の寂しがりな表面をカラダ全体でなぞり始めた。
滑らかな快楽に私の喉が勝手に音を漏らすけどすぐに優しい唇で吸い込まれる、私の中にいっぱいの快感を外に逃がすまいとするように。
逃げ場を失った快感が私をどうしようもなく追い詰めてソコをキュッと締めつけると、更に滑らかな快楽の波に呑み込まれていく。
突いて抜かれる度に快楽の波が何度も何度も押し寄せ渦になってもうどうにもならなくなった時、ぐるぐるとめぐりめぐる渦はとうとう私の中で弾け――
◇
その身体に収まりきらない快感を受け止めようと、少女が最高潮に達して精を零れ落とした時、その代わりを欲しがってきゅうきゅうと愛しくねだる感触に思わず私もソレの先端から飛びつくように魔力を漏らしてしまっていた。これなら将来の夫との性活は安泰だろう。
交換した精と魔力も大した量ではないのでこれでいきなり魔物になってしまう心配はないだろうが、まさか私が吸い取られるように魔力を漏らしてしまうとは思わなかった。こんなことは初めてだった。
初めて…………か。
私がこうしてここに迷い込んだ少女から精を分けてもらうのも何度目だろうか。そう、数日前から私の毎日はちょっと変わったのだ。
私は昔、夫となる相手をこことは違った場所でずっと待ち続けていた気がする。しかしその相手は現れず、いつか私と結ばれる夫に想いを馳せながら、その夫が快適に過ごすことのできる場所を整える毎日だった。
そしていつしか精を得られない私の魔力は弱まっていき、身体を維持するのを止めしばらく眠ることにしたのだ。棚の中にこの身を折り畳んで。
――いつか抱き入れるようなその手で私を広げてくれる夫を待つことにして。
それから何十年、いや何百年経ったのだろうか。数日前の夜に私はある少女に広げられて目を覚ました。夫じゃないのは正直残念だったけど私はとってもお腹が空いていて、その少女からわずかでも精を分けてもらうことにした。
その次の夜には別の少女が来た。そのまた次の夜にはまた別の少女が。私はここを訪れた少女達から少しずつ精をわけてもらった。
何故少女達が夜になるとここに来るのかはわからない、何故少年は来ないのかも。それでも私はちょっとずつ魔力を取り戻して、いつかここを飛び出して夫に会いに行くのだ。
でも――――、と思う。ここにずっといるのも悪くないかもしれない。
少女しか訪れないこの場所をいつか奇跡的に見つけてくれる夫を、昔のように毎日待ち続けるのだ。
それでも今度もそんな奇跡が訪れなかったなら、最後には少女と結ばれるのもいいかもしれないと今は思う。
夫でもない男ですらない少女との交わりのはずが、もたらされる感覚は確かに心地の良いもので。
少女と唇を合わせる度、身体と身体を滑らせる度、1つに繋がる度に布であるはずの私の体は確かに熱をもった。
…………。
今も身体の下で温かい少女がやがて優しいまどろみに沈んでいくのを確認した私は、なんとも形容できないようなこの感情を発散しようと少女の頬に軽くキスをする。
しばし少女を見つめた後に全身の魔力をふっと抜き、その温かさが失われないようにと、愛しい身体を微かに温かい布でそっと包んだ。
◆
鶯みたいな鳥の鳴き声で私は目を覚ました。もう日が昇り始めたのか校庭の桜の樹がふんわりと照らされて色づいている。
そうだ、私は。
意識が闇にとけてしまう直前、私は確かに大事なトコロのもっと大事な一番奥で何かを受け止めたのだ。おそらく、アレはせ――――
私は慌てて身体を包んでいたシーツを確認する。どこにも穴はなく、液体が通り抜ける隙間はない。それどころか唾液や愛液の残り香、処女を失った証の痕跡すらどこにも見つけられなかった。
――――何もかも一夜の夢だったのだろうか。
ソコに手をあてる。今も身体が覚えている、確かな温かさを思いだす。
――いや、私は知っている。
その感触を確かめるように私は自分の身体を抱きしめ、一緒に抱きしめていたシーツをどこかとても愛おしく感じて
そっと、キスをした。
*
「ねぇねぇ、知ってる?旧校舎に出る変態さんの噂」
「えー、なにそれ」
――この女子校では新入生の間で入学以来妙な噂が流れていた。
「旧校舎の保健室のベッドに夜行って、裸になってシーツをすっぽり被って寝るの。そーするとー」
「そうするとー?」
「なんと今も旧校舎に住んでいる変態さんが出てきて、シーツごしに優しく犯されちゃうんだってーーー」
「何それ私も犯されたいーー!それに変態なのに優しくって」
「そこがキモなんだってば。優しく犯された女の子は変態さんの虜になっちゃって、その保健室に通うようになっちゃうんだってさ。変態さん、変態な私を犯してくださーいって」
「キャーこわーーい」
…………彼女は今日も待ち続ける。
16/09/17 04:18更新 / サムムビ
戻る
次へ