「・・・俺もだよ馬鹿」
智樹は人間の理性と言う物は、いや、自分の理性はもう少し強いものかと思っていた、しかし隆二の言う通りだった、男なんてのは誘惑に弱い者だ、現に今まで絶対に誘惑には屈しないと思っていた自分がもうこの体たらくだ。
全身に充満する欲望とやるせなさに手はわなわな震え、息は獣のように荒い。
「ったくもう、そんなに発情しちゃってムッツリ智樹君は♪そんなに俺としたいか？元男の俺と？」
意地悪、というより性悪な顔をした隆二は鬼の首を取ったように言う、しかし智樹はろくに皮肉を言い返す事も出来ずにただこくこく頷き返すしか出来ない。
本当に限界そうな智樹を見て、隆二は不意にその表情を優しいものに変えた。
「いいぜ・・・来なよ、全部受け止めてやる」
そう言って両手を一杯に広げる、それに智樹は矢も楯もたまらずに飛び掛る。
と、優しく受け止めてくれるかと思いきや隆二は両手を広げたままこちらからも猛然と智樹に向かって飛び掛って行った。
結果、、ドスン！と結構な勢いで互いの身体が正面衝突した、予想外の衝撃に智樹は一瞬目を回す、と、その一瞬でまた天地がひっくり返るさっきと同じ感覚を味わう事になった。
先程と同じマウントポジションを取られるかと思いきや、隆二は膝立ちになってジーンズのチャックをせわしない手つきで降ろしている。
「悪い、風情も何もねぇけど・・・」
気付くと既に先程の優しげな表情ではなく切羽詰まっている、というか、今の智樹と似たような表情になっている。
智樹は気付いた、隆二も欲情していたのだ、それこそ自分以上にのっぴきならない状態にあったのだ、先程の冷静さは隆二の最後の演技だったのだ、自分を二度と戻れないくらいに堕とすための。
智樹もどうにか身を起して自分のチャックを降ろす、降ろした直後に待ちきれないと言うように隆二が手を伸ばして智樹の一物をパンツから引き摺り出す。
「ふぅぅっっ」
露わになった智樹の陰茎を目にした瞬間、隆二は大きく息を荒げ、ジーンズの股間部分に智樹の露出した陰茎の先端を合わせる。
挿入の直前、ジーンズの開けられたチャックの奥に今まさに自分を咥えこもうとする「隆二」が一瞬見えた、暗くてよくわからなかったが陰毛が生え揃った下に真っ赤に充血したような色の何かが見えた。
直後、隆二の身体が覆い被さってきてその部分を目で見る事は出来なくなった。
しかし、視覚よりも強烈な触覚によってどうなったかはわかった。
ぬぢゅっ、ちゅぷっ
隆二は全身で智樹に密着し、ゆっくりと亀頭の部分を迎え入れた。
「いぃっいぃぃっあっあっ・・・！？」
智樹は奇妙な呻き声を上げてしまう、ぬるぬるに濡れた狭い場所に自分が侵入して行く、陰茎を包み込む壁は別の生き物のように蠕動し、奥へ奥へと迎え入れようとする、まるで腹の中に別の生き物がいるようだ。
（あああああ何だこれ！？何だこれぇ！？）
はたして隆二の身体がどうなっているのかわからないが膣に出すのはまずいと智樹は考えていた、どうにかしてそれだけは阻止しようと思っていたがしかし隆二の性器が与えてくる快感はそんな理性など軽々と粉砕し、このまま何も考えずに中に出してしまいたいと思ってしまうほどだった。
隆二は智樹の首筋に鼻先を埋めるようにして抱き付き、腕でも足でもしっかりと智樹をホールドして決して離れないようにしている。
二人とも普段着で性器だけを露出して繋がっているので傍から見るとただ抱き合っているだけのようにも見える、しかし実際には互いの一番大事な所で深々と繋がっているのだ。
「り・・・りゅう・・・じ・・・っっ！これヤバ・・・！離れ・・・！」
「・・・」
必死で下腹部に力を込めて射精を堪えながら息も絶え絶えに智樹が言う、隆二はただ無言で智樹にしがみ付き続ける。
「おっ・・・おいっ・・・！出るって！出ちゃ・・・隆二！」
「・・・・・・は、ひぃっ・・・」
「・・・隆二？」
智樹が身じろぎをすると隆二から予想外に甲高い声が上がった。
妙に思った智樹が隆二と顔を合わせようと横を向くと隆二は顔を背けて逃げる。
「隆、二・・・？」
「みっ見んなぁ・・・！ちくしょ・・・こんな・・・んなの予想外・・・！」
不思議に思った智樹は多少強引に隆二の頭を掴んで顔を合わせる。
「み、み、見ンなって言って・・・ひぃぃんっ」
そこには今まで見た事のない隆二がいた、今にも泣き出しそうに目じりが下がり、歯の根が合わずにかたかたと鳴っている、何時如何なる時も余裕のある態度を崩さないいつもの隆二からは想像もつかない顔だった。
「ちっ・・・違っ・・・こんな、の」
それを見られるのが恥ずかしいのかどうにか智樹の手を振り解き、顔を背けようとする隆二。
その仕草が、智樹の獣性に完全に火を付けた。
無理やり自分と目を合わせるように隆二の顔を固定し。
「おいっよせってばっ・・・」
ズシンッ
先程マウントポジションから逃れた時のように力一杯腰を突き上げたのだ。
ズボンで下着を突き上げた先程とは訳が違う、蠕動する肉ヒダの中を狂いそうな摩擦を伴いながら隆二の奥にまで智樹は陰茎を届かせた、トンッと先端にヒダと違う感触を感じた。
「ア゛ヘェあっっ」
「あぐっぎっっ」
今にも崩れそうだった隆二の表情は完全に崩壊する、涎を流しながら舌を突き出すように大口を開け、泣きそうな目を瞳孔が小さく見えるほど大きく見開く、恐らく今まで誰にも見せた事のないであろう最高にだらしなくて情けなくて淫らな表情を智樹に曝け出す。
智樹の方も似たような表情だ、互いの最高にだらしない表情を脳裏に焼き付け合いながら二人は一気に登り詰める。
ドグンッッ
智樹は先端に感じた少し固い何かに今までの人生で一番大量の白濁をぶちまけた。
「ひぃぃぃんっっっいいいいぃぃぃぃ・・・・」
隆二は大きく開いていた口を閉じて歯を食い縛り、子供の泣き顔のような表情になると高く高く伸びるような嬌声を上げた。
くちっ、くちゅっ、くちゅっ
「うっ、ううっ、ぃいんっ、んんっ」
「ぅぅあっっ隆二っ動くなぁっ！？」
唯でさえ射精の最中で最高に敏感になっている陰茎がさらに肉ヒダにブラッシングされるようにしごかれ、先端に隆二の奥が繰り返しキスをする、見てみると隆二の腰がかくかくと前後にピストンするように動いている、恐らく隆二の意志ではない、雌の本能がさせる雄の精を絞り取る動きだ。
ドプッドプッドプッドプッドプッ
その隆二の雌に智樹の雄は呼応し、望むままに更なる白濁を放ち続ける。
「あっあぁぁぁ・・・」
許容量を超えた凄まじい快楽で意識が白く霞み、智樹の意識は急激に現実から遠ざかって行った
「おい、智樹」
「ん・・・」
「起きろって、なーに爆睡してんだよ」
「んぁ・・・ん？へ？」
「ははは・・・間抜けなツラ」
眩しい陽光を感じ、智樹は手をかざして光を遮った、背中にはざらりとした砂の感触、耳に届く潮騒の音。
智樹は自分が浜辺に寝そべっていた事に気付く、目が覚めるような蒼い空。
身を起してみると空に負けない程に青い海が見え、二つの青が混じり合う水平線も目に入った。
「・・・日本じゃねぇな」
「あっはははははは何言ってんのお前」
寝ぼけた智樹の声に馬鹿笑いしている隆二、海パン一つで獣のように引き締まった身体を晒している、以前と同じ男の身体だ。
（あ、夢か）
智樹は気付いた、いや、今までの隆二が女になった下りが夢なのではない、この砂浜に隆二と一緒に居るこの世界が夢だと気付いたのだ、いわゆる明晰夢というやつだ、何度か経験したことがあるからわかった。
しかしこれは完全に自分の想像から作り出された世界では無い、実際にこのシチュエーションは過去にあった、確か・・・。
「グアムだっけか」
「そうそう、時差ぼけしてんなよ」
夢の中の隆二はやはりその時の過去の隆二と全く同じで少年の様な瞳を輝かせて笑っている。
「じゃ、俺はもう一回行ってくるわ」
「サーフィンか」
そう、そうだ、「グアムにサーフィンしに行こうぜ！」といきなり声を掛けられ、半強制的に連れて来られたのがグアムだった、それが隆二の放浪癖に付き合わされた最初の経験だ。
隆二はサーフボードを抱えて海に掛けて行った、本当に子供のように無邪気に楽しげに波に乗る隆二を智樹はぼんやりと砂浜から眺めていた。
先程まで真っ青だった空はそんなに時間も経過していないのに夕暮れ時のオレンジ色に変化していた、まあ、夢なのだから不思議ではない。
何でもござれな隆二はやはりサーフィンもうまい、巧みに波を捉え、夕日を背景に何度もその身を宙に高々と舞わせる、その動きは美しかった、まるで魚のように、野生動物のように美しい動きだった、それを見ながら智樹は思った。
（ああ、そうだよな、女だったら誰でも抱かれたくなるだろう、あんな綺麗な生き物になら・・・）
過去でそう思った智樹は夢の中でも同じ事を思った、何か、憧れと諦めと慕情と悔しさがないまぜになった何とも形容しがたい切ない感情をその時覚えたのだ。
ぬぢゃっ
「んんんンンンぅぅ♪」
ほんの一瞬の間に垣間見た夢から智樹を連れ戻したのは押し殺したような女の喘ぎ声と陰茎を貫く強烈な快楽だった。
「あぐっぅぐあっ隆二ぃっ！？」
「ふっ・・・ふっ・・・ふっ・・・大きな声出すなよ・・・隣に聞こえるぜ」
ずぢゅっ・・・ぬぢゃっ・・・びちゅっ・・・ぐちゃっ・・・
荒い息をつきながら隆二はリズミカルに腰を振り続けていた、その押し殺した声より大きな水音が二人の繋がった股間から響いている、先程の射精から抜かずにそのまま続けているらしく、二人の結合部は智樹の精液と隆二の本気汁が混じり合った白っぽい粘液でぐちゃぐちゃになっている。
「ひっ・・・あっ・・・りゅう、じ、駄目、だ」
「何が・・・よ？」
隆二は先程のように初めての雌の快楽に翻弄さている様子は無く、笑みを浮かべながら智樹を犯している、かといって快楽が緩まったわけではないらしく、その目は潤み、腰を上下させる度に切なげに眉が寄せられる。
「ふっ・・・んっ・・・んっ・・・あぁ、そっか、んんっ、これじゃ味気ないよなっ・・・」
隆二は蕩けた笑みを浮かべるとシャツの裾に手を掛けた。
あくまで腰の動きを止めないままで脱ごうとするのでだいぶ苦労している様子だったが、お陰で智樹は陰茎を膣にしゃぶられながらストリップを鑑賞するような状態になる。
「んしょっとぉ・・・」
ぶりゅんっっ
今まで散々に薄い服越しに見せつけられてきた双峯が露わになる、小麦色の雄大な肉塊の上に薄ピンク色の乳首が踊る、腰を止めないので揺れに合わせてたぷんたぷんと揺れ続けている。
「あはァっまた大きくなりやがった・・・♪」
効果は絶大だった、もうこれ以上は大きくならないだろうと思っていた自分の陰茎がまたもや体積を増すのを感じた、そうして大きくなった分また肉の締め付けを余計に強く感じさせられる。
「ほれ・・・揉んでみ？」
ふうふうと息を荒げながら隆二は両手を智樹の顔の横に置いて上半身を智樹の上に倒す。
ぐちゅ、ぐちゅ、と下から聞こえる二人の淫液を掻き回す音に合わせて智樹の目の前で二つの柔らかくも張りのある美味そうな肉がたふんたふんと揺れる。
駄目だ、これに触ってしまったら・・・。
理性が叫ぶがもはやそんな声はただ背徳感を煽って快楽を倍増させるばかりだ。
智樹は震える手で下から掬いあげるように隆二の乳房を掴む。
むにゅうん
「ふうぅぅんあ」
智樹の手は小さい方ではないが、それでも全然掴みきれないボリュームが指の間から溢れ出す。
ただ柔らかいだけではない、しっかりと手を押し返してくる肉の弾力が自分が今手にしている雌の成熟具合を伝えてくるようだ。
「あ・・・あぅあ・・・」
耐えきれずにまたもや隆二の中に白濁をどくどくと漏らしはじめる智樹。
「くふぅ・・・♪やっぱおっぱい星人だったなお前、部屋に来た時からずーっと乳ばっか見やがって・・・♪」
「くぅぅ・・・り？隆二！？おま・・・！」
「あん？」
隆二の蕩けた笑顔を見ていた智樹は気付く、隆二の頭頂部に二対の山羊に似た角が生えている事に。
「そっ・・・それっ・・・！？」
「あー、これ？まぁ、もげたのと引き換えに生えてきたんだ」
「何だその質量保存の法則！？男どころか人間やめてやがったのかお前」
「失礼だなぁ悪魔にはなったけどそれでもれっきとした女だぜ？今お前がダイレクトに感じてるようになぁ・・・？」
「ひぃぃっ・・・！？」
隆二の言葉に呼応するように智樹の陰茎を包み込んでいる膣肉がうねり、しゃぶる。
「わかってきたぜこの身体の使い方・・・最初は勝手がわからなかったけど・・・」
にまぁ、と耳元まで裂けるような笑みを浮かべた隆二の背後に嬉しそうに羽ばたく小さな蝙蝠に似た羽とゆらゆら揺れる尻尾を見た時、智樹は悟った、もう、逃げられない。
智樹は窓を見た、もう日は昇り切って曇りガラスは外の光に白く照らされている、ちゅんちゅんと鳴く鳥の声も聞こえる。
智樹は時計を見た、午前九時、隆二が訪れたのが二時だったので七時間経過している事になる。
そんなにも経つというのに。
「な、あ、隆二」
「ふぅーっ・・・ふぅーっ・・・何だ？」
「おま、え、しつけぇ・・・よ・・・！」
未だに隆二は智樹を犯し続けていた。
何度も快楽に呑まれ、信じられない程大量の白濁を繰り返し隆二に注ぎながら智樹はどうにか隆二の下からの脱出を試みていた。
しかし隆二は畳を掻いて移動する智樹にぴったり密着したまま離れない。
柔道の有段者に抑え込まれると何をどう足掻いても逃げる事ができなくなる、丁度それと同じ状態だった、何をどうもがいても執拗に絡み付く手足からは逃れられず、骨盤同士が密着するほど深々と咥えこまれた陰茎も解放されない。
隆二の腰使いはこの密着した状態を維持するためか上下運動では無く上下左右に擦り付けるような動きに変化していた、じたばたと智樹がもがき始めるとその動きを止め、しなやかな筋肉を躍動させて手足と膣で力強く智樹を捕え、締め上げる、諦めて智樹がぐったりとするとまた卑猥なベリーダンスのような動きでくねくねと引き締まった腰を使い、智樹の陰茎を肉ヒダでねぶり回し、こりこりとした子宮口で鈴口にキスをする。
もう何時間もそれを続けている。
異常なのは隆二のそのスタミナだけではない、智樹の方も異常だった。
一日に三度も四度も射精をすれば精巣は空になり、どんなに陰茎を刺激されても苦痛に感じ始めるはずだ。
だのに、もはや数え切れない射精を強要されたにも関わらず、智樹の陰茎は一向に苦痛も虚脱感も感じない、何度射精しても新鮮な快楽を感じるのだ、いや、射精を繰り返すたびに快感が倍増しになって行く気さえする。
「お・・・まえはホントに悪魔になっちまったんだなぁ・・・」
「んふぅっ・・・そうだよ、気付くのが遅かったなぁ・・・で、悪魔っていうのは人間より上位な存在な訳でよぉ」
「・・・何の話だ急に・・・」
「下位の生物が上位の生物を孕ませる確立ってのはかなーり低いんだよなぁ・・・」
「ふぅ・・・ふぅぅうっくっ・・・！」
「んぁぁあ♪また出たな♪」
「だっ・・・だからってこんな何回もしてたらいつか・・・！」
「だからだよ」
「・・・へ？」
「こうやって何回も何回も種付けしてもらわねぇと孕めないだろ・・・？」
「・・・！おまっ・・・！」
「ほらぁ、頑張れよ♪もっと気合い入れて俺の子宮に種付けしろよ♪」
「てめぇぇ・・・！？」
「あハぁっ無駄無駄♪お前は俺に子種汁しゃぶりつくされて俺を孕ませる運命にあるんだよ・・・確定事項なんだよ♪」
言いながら隆二は嬉しそうに尻尾を揺らしながらじゅるじゅると智樹の舌にしゃぶりつく。
智樹は途切れない快楽に翻弄されながら、何故かあの時のグアムでの隆二の姿を思い出していた。
ああ、そりゃあ逃げられない、だってこいつは俺がずっとずっと追いつきたくて追いつけなくて憧れ続けた「あの」隆二なんだから・・・結局俺は、こいつが・・・。
「愛してるぜぇ智樹♪」
その言葉を隆二の口から聞くのは二回目だ、最初は肉欲を満たしたいがための言い訳だと思ったが、もう嫌と言うほどわかった、わからされた、それは嘘偽りの無い隆二の本心なのだ。
だから智樹は答える。
「・・・俺もだよ馬鹿」
全身に充満する欲望とやるせなさに手はわなわな震え、息は獣のように荒い。
「ったくもう、そんなに発情しちゃってムッツリ智樹君は♪そんなに俺としたいか？元男の俺と？」
意地悪、というより性悪な顔をした隆二は鬼の首を取ったように言う、しかし智樹はろくに皮肉を言い返す事も出来ずにただこくこく頷き返すしか出来ない。
本当に限界そうな智樹を見て、隆二は不意にその表情を優しいものに変えた。
「いいぜ・・・来なよ、全部受け止めてやる」
そう言って両手を一杯に広げる、それに智樹は矢も楯もたまらずに飛び掛る。
と、優しく受け止めてくれるかと思いきや隆二は両手を広げたままこちらからも猛然と智樹に向かって飛び掛って行った。
結果、、ドスン！と結構な勢いで互いの身体が正面衝突した、予想外の衝撃に智樹は一瞬目を回す、と、その一瞬でまた天地がひっくり返るさっきと同じ感覚を味わう事になった。
先程と同じマウントポジションを取られるかと思いきや、隆二は膝立ちになってジーンズのチャックをせわしない手つきで降ろしている。
「悪い、風情も何もねぇけど・・・」
気付くと既に先程の優しげな表情ではなく切羽詰まっている、というか、今の智樹と似たような表情になっている。
智樹は気付いた、隆二も欲情していたのだ、それこそ自分以上にのっぴきならない状態にあったのだ、先程の冷静さは隆二の最後の演技だったのだ、自分を二度と戻れないくらいに堕とすための。
智樹もどうにか身を起して自分のチャックを降ろす、降ろした直後に待ちきれないと言うように隆二が手を伸ばして智樹の一物をパンツから引き摺り出す。
「ふぅぅっっ」
露わになった智樹の陰茎を目にした瞬間、隆二は大きく息を荒げ、ジーンズの股間部分に智樹の露出した陰茎の先端を合わせる。
挿入の直前、ジーンズの開けられたチャックの奥に今まさに自分を咥えこもうとする「隆二」が一瞬見えた、暗くてよくわからなかったが陰毛が生え揃った下に真っ赤に充血したような色の何かが見えた。
直後、隆二の身体が覆い被さってきてその部分を目で見る事は出来なくなった。
しかし、視覚よりも強烈な触覚によってどうなったかはわかった。
ぬぢゅっ、ちゅぷっ
隆二は全身で智樹に密着し、ゆっくりと亀頭の部分を迎え入れた。
「いぃっいぃぃっあっあっ・・・！？」
智樹は奇妙な呻き声を上げてしまう、ぬるぬるに濡れた狭い場所に自分が侵入して行く、陰茎を包み込む壁は別の生き物のように蠕動し、奥へ奥へと迎え入れようとする、まるで腹の中に別の生き物がいるようだ。
（あああああ何だこれ！？何だこれぇ！？）
はたして隆二の身体がどうなっているのかわからないが膣に出すのはまずいと智樹は考えていた、どうにかしてそれだけは阻止しようと思っていたがしかし隆二の性器が与えてくる快感はそんな理性など軽々と粉砕し、このまま何も考えずに中に出してしまいたいと思ってしまうほどだった。
隆二は智樹の首筋に鼻先を埋めるようにして抱き付き、腕でも足でもしっかりと智樹をホールドして決して離れないようにしている。
二人とも普段着で性器だけを露出して繋がっているので傍から見るとただ抱き合っているだけのようにも見える、しかし実際には互いの一番大事な所で深々と繋がっているのだ。
「り・・・りゅう・・・じ・・・っっ！これヤバ・・・！離れ・・・！」
「・・・」
必死で下腹部に力を込めて射精を堪えながら息も絶え絶えに智樹が言う、隆二はただ無言で智樹にしがみ付き続ける。
「おっ・・・おいっ・・・！出るって！出ちゃ・・・隆二！」
「・・・・・・は、ひぃっ・・・」
「・・・隆二？」
智樹が身じろぎをすると隆二から予想外に甲高い声が上がった。
妙に思った智樹が隆二と顔を合わせようと横を向くと隆二は顔を背けて逃げる。
「隆、二・・・？」
「みっ見んなぁ・・・！ちくしょ・・・こんな・・・んなの予想外・・・！」
不思議に思った智樹は多少強引に隆二の頭を掴んで顔を合わせる。
「み、み、見ンなって言って・・・ひぃぃんっ」
そこには今まで見た事のない隆二がいた、今にも泣き出しそうに目じりが下がり、歯の根が合わずにかたかたと鳴っている、何時如何なる時も余裕のある態度を崩さないいつもの隆二からは想像もつかない顔だった。
「ちっ・・・違っ・・・こんな、の」
それを見られるのが恥ずかしいのかどうにか智樹の手を振り解き、顔を背けようとする隆二。
その仕草が、智樹の獣性に完全に火を付けた。
無理やり自分と目を合わせるように隆二の顔を固定し。
「おいっよせってばっ・・・」
ズシンッ
先程マウントポジションから逃れた時のように力一杯腰を突き上げたのだ。
ズボンで下着を突き上げた先程とは訳が違う、蠕動する肉ヒダの中を狂いそうな摩擦を伴いながら隆二の奥にまで智樹は陰茎を届かせた、トンッと先端にヒダと違う感触を感じた。
「ア゛ヘェあっっ」
「あぐっぎっっ」
今にも崩れそうだった隆二の表情は完全に崩壊する、涎を流しながら舌を突き出すように大口を開け、泣きそうな目を瞳孔が小さく見えるほど大きく見開く、恐らく今まで誰にも見せた事のないであろう最高にだらしなくて情けなくて淫らな表情を智樹に曝け出す。
智樹の方も似たような表情だ、互いの最高にだらしない表情を脳裏に焼き付け合いながら二人は一気に登り詰める。
ドグンッッ
智樹は先端に感じた少し固い何かに今までの人生で一番大量の白濁をぶちまけた。
「ひぃぃぃんっっっいいいいぃぃぃぃ・・・・」
隆二は大きく開いていた口を閉じて歯を食い縛り、子供の泣き顔のような表情になると高く高く伸びるような嬌声を上げた。
くちっ、くちゅっ、くちゅっ
「うっ、ううっ、ぃいんっ、んんっ」
「ぅぅあっっ隆二っ動くなぁっ！？」
唯でさえ射精の最中で最高に敏感になっている陰茎がさらに肉ヒダにブラッシングされるようにしごかれ、先端に隆二の奥が繰り返しキスをする、見てみると隆二の腰がかくかくと前後にピストンするように動いている、恐らく隆二の意志ではない、雌の本能がさせる雄の精を絞り取る動きだ。
ドプッドプッドプッドプッドプッ
その隆二の雌に智樹の雄は呼応し、望むままに更なる白濁を放ち続ける。
「あっあぁぁぁ・・・」
許容量を超えた凄まじい快楽で意識が白く霞み、智樹の意識は急激に現実から遠ざかって行った
「おい、智樹」
「ん・・・」
「起きろって、なーに爆睡してんだよ」
「んぁ・・・ん？へ？」
「ははは・・・間抜けなツラ」
眩しい陽光を感じ、智樹は手をかざして光を遮った、背中にはざらりとした砂の感触、耳に届く潮騒の音。
智樹は自分が浜辺に寝そべっていた事に気付く、目が覚めるような蒼い空。
身を起してみると空に負けない程に青い海が見え、二つの青が混じり合う水平線も目に入った。
「・・・日本じゃねぇな」
「あっはははははは何言ってんのお前」
寝ぼけた智樹の声に馬鹿笑いしている隆二、海パン一つで獣のように引き締まった身体を晒している、以前と同じ男の身体だ。
（あ、夢か）
智樹は気付いた、いや、今までの隆二が女になった下りが夢なのではない、この砂浜に隆二と一緒に居るこの世界が夢だと気付いたのだ、いわゆる明晰夢というやつだ、何度か経験したことがあるからわかった。
しかしこれは完全に自分の想像から作り出された世界では無い、実際にこのシチュエーションは過去にあった、確か・・・。
「グアムだっけか」
「そうそう、時差ぼけしてんなよ」
夢の中の隆二はやはりその時の過去の隆二と全く同じで少年の様な瞳を輝かせて笑っている。
「じゃ、俺はもう一回行ってくるわ」
「サーフィンか」
そう、そうだ、「グアムにサーフィンしに行こうぜ！」といきなり声を掛けられ、半強制的に連れて来られたのがグアムだった、それが隆二の放浪癖に付き合わされた最初の経験だ。
隆二はサーフボードを抱えて海に掛けて行った、本当に子供のように無邪気に楽しげに波に乗る隆二を智樹はぼんやりと砂浜から眺めていた。
先程まで真っ青だった空はそんなに時間も経過していないのに夕暮れ時のオレンジ色に変化していた、まあ、夢なのだから不思議ではない。
何でもござれな隆二はやはりサーフィンもうまい、巧みに波を捉え、夕日を背景に何度もその身を宙に高々と舞わせる、その動きは美しかった、まるで魚のように、野生動物のように美しい動きだった、それを見ながら智樹は思った。
（ああ、そうだよな、女だったら誰でも抱かれたくなるだろう、あんな綺麗な生き物になら・・・）
過去でそう思った智樹は夢の中でも同じ事を思った、何か、憧れと諦めと慕情と悔しさがないまぜになった何とも形容しがたい切ない感情をその時覚えたのだ。
ぬぢゃっ
「んんんンンンぅぅ♪」
ほんの一瞬の間に垣間見た夢から智樹を連れ戻したのは押し殺したような女の喘ぎ声と陰茎を貫く強烈な快楽だった。
「あぐっぅぐあっ隆二ぃっ！？」
「ふっ・・・ふっ・・・ふっ・・・大きな声出すなよ・・・隣に聞こえるぜ」
ずぢゅっ・・・ぬぢゃっ・・・びちゅっ・・・ぐちゃっ・・・
荒い息をつきながら隆二はリズミカルに腰を振り続けていた、その押し殺した声より大きな水音が二人の繋がった股間から響いている、先程の射精から抜かずにそのまま続けているらしく、二人の結合部は智樹の精液と隆二の本気汁が混じり合った白っぽい粘液でぐちゃぐちゃになっている。
「ひっ・・・あっ・・・りゅう、じ、駄目、だ」
「何が・・・よ？」
隆二は先程のように初めての雌の快楽に翻弄さている様子は無く、笑みを浮かべながら智樹を犯している、かといって快楽が緩まったわけではないらしく、その目は潤み、腰を上下させる度に切なげに眉が寄せられる。
「ふっ・・・んっ・・・んっ・・・あぁ、そっか、んんっ、これじゃ味気ないよなっ・・・」
隆二は蕩けた笑みを浮かべるとシャツの裾に手を掛けた。
あくまで腰の動きを止めないままで脱ごうとするのでだいぶ苦労している様子だったが、お陰で智樹は陰茎を膣にしゃぶられながらストリップを鑑賞するような状態になる。
「んしょっとぉ・・・」
ぶりゅんっっ
今まで散々に薄い服越しに見せつけられてきた双峯が露わになる、小麦色の雄大な肉塊の上に薄ピンク色の乳首が踊る、腰を止めないので揺れに合わせてたぷんたぷんと揺れ続けている。
「あはァっまた大きくなりやがった・・・♪」
効果は絶大だった、もうこれ以上は大きくならないだろうと思っていた自分の陰茎がまたもや体積を増すのを感じた、そうして大きくなった分また肉の締め付けを余計に強く感じさせられる。
「ほれ・・・揉んでみ？」
ふうふうと息を荒げながら隆二は両手を智樹の顔の横に置いて上半身を智樹の上に倒す。
ぐちゅ、ぐちゅ、と下から聞こえる二人の淫液を掻き回す音に合わせて智樹の目の前で二つの柔らかくも張りのある美味そうな肉がたふんたふんと揺れる。
駄目だ、これに触ってしまったら・・・。
理性が叫ぶがもはやそんな声はただ背徳感を煽って快楽を倍増させるばかりだ。
智樹は震える手で下から掬いあげるように隆二の乳房を掴む。
むにゅうん
「ふうぅぅんあ」
智樹の手は小さい方ではないが、それでも全然掴みきれないボリュームが指の間から溢れ出す。
ただ柔らかいだけではない、しっかりと手を押し返してくる肉の弾力が自分が今手にしている雌の成熟具合を伝えてくるようだ。
「あ・・・あぅあ・・・」
耐えきれずにまたもや隆二の中に白濁をどくどくと漏らしはじめる智樹。
「くふぅ・・・♪やっぱおっぱい星人だったなお前、部屋に来た時からずーっと乳ばっか見やがって・・・♪」
「くぅぅ・・・り？隆二！？おま・・・！」
「あん？」
隆二の蕩けた笑顔を見ていた智樹は気付く、隆二の頭頂部に二対の山羊に似た角が生えている事に。
「そっ・・・それっ・・・！？」
「あー、これ？まぁ、もげたのと引き換えに生えてきたんだ」
「何だその質量保存の法則！？男どころか人間やめてやがったのかお前」
「失礼だなぁ悪魔にはなったけどそれでもれっきとした女だぜ？今お前がダイレクトに感じてるようになぁ・・・？」
「ひぃぃっ・・・！？」
隆二の言葉に呼応するように智樹の陰茎を包み込んでいる膣肉がうねり、しゃぶる。
「わかってきたぜこの身体の使い方・・・最初は勝手がわからなかったけど・・・」
にまぁ、と耳元まで裂けるような笑みを浮かべた隆二の背後に嬉しそうに羽ばたく小さな蝙蝠に似た羽とゆらゆら揺れる尻尾を見た時、智樹は悟った、もう、逃げられない。
智樹は窓を見た、もう日は昇り切って曇りガラスは外の光に白く照らされている、ちゅんちゅんと鳴く鳥の声も聞こえる。
智樹は時計を見た、午前九時、隆二が訪れたのが二時だったので七時間経過している事になる。
そんなにも経つというのに。
「な、あ、隆二」
「ふぅーっ・・・ふぅーっ・・・何だ？」
「おま、え、しつけぇ・・・よ・・・！」
未だに隆二は智樹を犯し続けていた。
何度も快楽に呑まれ、信じられない程大量の白濁を繰り返し隆二に注ぎながら智樹はどうにか隆二の下からの脱出を試みていた。
しかし隆二は畳を掻いて移動する智樹にぴったり密着したまま離れない。
柔道の有段者に抑え込まれると何をどう足掻いても逃げる事ができなくなる、丁度それと同じ状態だった、何をどうもがいても執拗に絡み付く手足からは逃れられず、骨盤同士が密着するほど深々と咥えこまれた陰茎も解放されない。
隆二の腰使いはこの密着した状態を維持するためか上下運動では無く上下左右に擦り付けるような動きに変化していた、じたばたと智樹がもがき始めるとその動きを止め、しなやかな筋肉を躍動させて手足と膣で力強く智樹を捕え、締め上げる、諦めて智樹がぐったりとするとまた卑猥なベリーダンスのような動きでくねくねと引き締まった腰を使い、智樹の陰茎を肉ヒダでねぶり回し、こりこりとした子宮口で鈴口にキスをする。
もう何時間もそれを続けている。
異常なのは隆二のそのスタミナだけではない、智樹の方も異常だった。
一日に三度も四度も射精をすれば精巣は空になり、どんなに陰茎を刺激されても苦痛に感じ始めるはずだ。
だのに、もはや数え切れない射精を強要されたにも関わらず、智樹の陰茎は一向に苦痛も虚脱感も感じない、何度射精しても新鮮な快楽を感じるのだ、いや、射精を繰り返すたびに快感が倍増しになって行く気さえする。
「お・・・まえはホントに悪魔になっちまったんだなぁ・・・」
「んふぅっ・・・そうだよ、気付くのが遅かったなぁ・・・で、悪魔っていうのは人間より上位な存在な訳でよぉ」
「・・・何の話だ急に・・・」
「下位の生物が上位の生物を孕ませる確立ってのはかなーり低いんだよなぁ・・・」
「ふぅ・・・ふぅぅうっくっ・・・！」
「んぁぁあ♪また出たな♪」
「だっ・・・だからってこんな何回もしてたらいつか・・・！」
「だからだよ」
「・・・へ？」
「こうやって何回も何回も種付けしてもらわねぇと孕めないだろ・・・？」
「・・・！おまっ・・・！」
「ほらぁ、頑張れよ♪もっと気合い入れて俺の子宮に種付けしろよ♪」
「てめぇぇ・・・！？」
「あハぁっ無駄無駄♪お前は俺に子種汁しゃぶりつくされて俺を孕ませる運命にあるんだよ・・・確定事項なんだよ♪」
言いながら隆二は嬉しそうに尻尾を揺らしながらじゅるじゅると智樹の舌にしゃぶりつく。
智樹は途切れない快楽に翻弄されながら、何故かあの時のグアムでの隆二の姿を思い出していた。
ああ、そりゃあ逃げられない、だってこいつは俺がずっとずっと追いつきたくて追いつけなくて憧れ続けた「あの」隆二なんだから・・・結局俺は、こいつが・・・。
「愛してるぜぇ智樹♪」
その言葉を隆二の口から聞くのは二回目だ、最初は肉欲を満たしたいがための言い訳だと思ったが、もう嫌と言うほどわかった、わからされた、それは嘘偽りの無い隆二の本心なのだ。
だから智樹は答える。
「・・・俺もだよ馬鹿」
11/11/24 00:45更新 / 雑兵
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