結合
理事室でオラシオは理事長と向かい合って座っている。
俯いて目を閉じているのは強固に閉ざされた記憶をこじ開けるためであり、羞恥に耐えるためでもある。
封印したい記憶に立ち向かうのはウーズラを救うため、彼を犠牲にしないため……。
「落ち着いて思い出して下さい、ウーズラ・ボナークと再会した後、どうなりましたか?」
「次の日の朝に魔物がやってきて……」
やっぱりね♪思った通り……
「私達の行為について、そうなる事を予測していたような事を言われました……」
「魔物達はあなた方にそうさせる事が目的だった可能性が?」
「そう……いう事……なのかな……私は、勇者になる事が目標……でしたし」
将来的に脅威になる可能性のある彼女の芽を摘む事が目的でそういう事をしたのか。
わざわざ姦淫させたのは、ただ殺して英雄化させるよりも名声の失墜を狙っての事……?
だが、それならわざわざ相手がウーズラである必要はないし、そもそも事の始まりは授業中の事故だ。
魔物が二人を狙って攫った訳ではない。
「その後、ウーズラ・ボナークとはまた離れ離れに?」
オラシオが思考の海に沈みかけた所で、理事長が言葉を掛ける。
「離れ離れには……なりませんでした、ずっと一緒に……」
ほら、しっかり繋がって?
よいしょ、ぴったりかな?うん、よし、ばっちり奥までだね♪
「いえ……それから一週間の間……一時も……離れる事にはなりませんでした……」
もじ、と体をよじらせてオラシオが言う。
頬がより一層赤みがかる。
「それからは同じ部屋に?」
「それ以上に一緒に……居ました」
理事長は少し首を傾げる。
「それ以上に、とは?」
「拘束具……です」
オラシオはしきりにもじもじと身じろぎをしながら呟くように言う。
「私と、ウーズラ君は……拘束されました……こう……」
どう表現していいかわからないように腰の周りに手をやる。
「私達の腰と……腰を……組み合わせるようにして……纏めるように……」
「腰を組み合わせる?」
オラシオは思い切ったように顔を上げた。
「わ、わたしの、おまっ……」
言いかけて思わず口元に手をやって言葉を切る。
「じっ……じっ……女性、器……と、男性器が、繋がった状態になるように、拘束されたんです……!」
必死に羞恥を堪えながら最後まで言い切った。
「革で作られた縄みたいな……ベルトみたいな……それを、二人の腰にぐるって回して……ずっとせっ……性行為をした状態で……固定……されました」
「一週間の間、ずっとですか?」
「……はい、ずっと、私と、ウーズラ君は繋がったままでした」
何とか開き直って義務的に言おうと、背筋をのばしてはっきり言う。
だがその顔はトマトの如く真っ赤になり、微かに息が荒くなっている。
「その拘束具は……魔法の道具だったようです……きつく締め付けて嵌められているのに、当たる部分に痛みは感じず……それに……」
また、少しためらって言う。
「思い返せば……一週間もの間、二人とも排泄行為を行いませんでした、食事も与えられていたのに……多分、魔具だったんだと思います」
「それは……屈辱的ですね」
「はい……ソコ以外は……普通に衣服を着せられて……それ以外に何もされず、普通に食事を与えられて……ただただ繋がり続けました……」
「ウーズラ・ボナークはどのような状態でしたか?」
そう問われて、オラシオはキッと視線を上げた。
「あの魔具は卑劣です……!ウーズラ君はずっと謝り続けてました……!彼は、何も悪くないのに……「小さく出来なくてごめんなさい」って……!」
「確かにその拘束具の構造ですと男性器が勃起状態でなくなれば、密着していても抜け落ちるでしょうね」
「悪いのはウーズラ君じゃありません!私のおまっ……!」
また、言葉を切った。
「わ、私の女性器が……!ずっとウーズラ君のおちっ……!男性器を!ずっと苛めるから……!」
「貴方の女性器はウーズラ・ボナークの男性器を責める事を止められなかったのですか?」
オラシオは泣き笑いのような表情になった。
何という質問をするのだこの理事長は、しかも平然とした顔で。
いや、話の流れからして聞かざるを得ないのか。
「わ、わた、私の体が……悪いんです、全然思い通りにならないんです……言う事を全然聞かないんです……」
オラシオは自分の体を抱きしめた。
「やめなきゃ、我慢しなきゃって思うのに……逞しくって男らしいウーズラ君に媚びて……甘えて……ずっとぬるぬるしたのを吐き出し続けて……」
熱い息を吐いた後、ごく、と喉を鳴らす。
告白するオラシオの姿は到底おぞましい記憶を思い出しているものではなかった。
もじもじと内股を擦り合わせ、顔を紅潮させ、陶酔した表情を浮かべている。
よく観察すると制服を押し上げる胸の膨らみの先端が尖っている事すらわかる。
「ウーズラ・ボナークは射精をしましたか?」
ぴくん、とオラシオの肩が揺れる。
「……はい……何度も、何度も……してくれました……」
ごくん、とまた喉を鳴らす、唾液が溢れて止まらないらしい。
「ウーズラくんのは本当におっきくて……素敵で……私の全部……みっちりと満たして……」
擦り合わせてぴったり閉じられていた足が、徐々に開いていく。
その時の事を思い返しているのか、右手が下腹部を撫でる。
「繋がりっぱなしだから、栓をされてるみたいな状態で……出して貰ったのが、一滴も逃げなくて……私の赤ちゃんの部屋がたぷたぷになってもその上からまだたっぷり」
「こほん」
理事長の咳払いにオラシオはぱっと顔を上げ、ぴしゃりと両足を閉じた。
目がきょときょとと泳いでいる、明らかに今の一瞬、理事長の存在を忘れていた。
「わ、わた、わた、わたし、何を、あの、あの」
「落ち着いて下さい、余程強い体験だったのでしょう」
「す、す、すいません……」
「いいえ、これは必要な事です、子細に分かるほどウーズラ・ボナークの無実の証明に繋がります」
「そう……そう、です……よね」
「少し休憩を挟んでは?」
「あ、の、はい……お願いします……」
胸に手を当て、肩で息をしながらオラシオは応える。
今しがた全力疾走でもしたかのような有様だ。
「大丈夫ですか?」
「の、喉が……カラカラ……です」
「少し待っていて下さい、お茶のお替りを持ってきます」
「すいません、お願いします……」
理事長は席を立ち、何とか呼吸を整えようとするオラシオを置いて理事室の奥の扉へ消えた。
ずきん ずきん
オラシオは自分の体の卑しさを改めて実感した。
この下腹部の疼きは覚えがある、そう、あの時、ウーズラに身体が媚びる動き。
ありもしないウーズラのものをきゅうきゅうと締め付ける動き。
そこにあるべきものがない、足りない足りないと嘆く動き。
なおかつ上半身では触れられてもいない乳首が、下着の下でキンキンに尖っているのを感じる。
どうしてしまったのか、自分の体は。
・
・
・
理事室の奥には簡易の給湯室のような設備が設えてある。
理事長は事前に魔法で温めておいたポットからカップにお茶を注いだ。
そうしてから、おもむろに戸棚を引き出す。
そこにはラベルの貼られた色とりどりの瓶が納めてあった。
理事長はその中から薄紫色の瓶を選び出し、備え付けのスポイトで三滴、その液体をお茶に垂らした。
・
・
・
「どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
戻ってきた理事長の手からカップを受け取り、オラシオはその温かい紅茶に口を付ける。
沁みるようだった、ぽかぽかと体が温まる感じがする。
「落ち着きましたか?」
「はい……何とか……」
落ち着いたとは答えたが、実の所体の疼きは全く収まってはいない、だが証言は一刻も早く告げなくては……。
普段の鋭敏なオラシオならばその違和感に気付いたかもしれない、だが今のオラシオは思考力が極端に低下している状態だった。
だから気付かなかった。
向かいに座る理事長の表情が、最初の時の冷徹な表情では無くなっている事に。
うっすらと妖艶な笑みを浮かべた理事長は、オラシオに続きを促した。
「では、続けて下さい」
俯いて目を閉じているのは強固に閉ざされた記憶をこじ開けるためであり、羞恥に耐えるためでもある。
封印したい記憶に立ち向かうのはウーズラを救うため、彼を犠牲にしないため……。
「落ち着いて思い出して下さい、ウーズラ・ボナークと再会した後、どうなりましたか?」
「次の日の朝に魔物がやってきて……」
やっぱりね♪思った通り……
「私達の行為について、そうなる事を予測していたような事を言われました……」
「魔物達はあなた方にそうさせる事が目的だった可能性が?」
「そう……いう事……なのかな……私は、勇者になる事が目標……でしたし」
将来的に脅威になる可能性のある彼女の芽を摘む事が目的でそういう事をしたのか。
わざわざ姦淫させたのは、ただ殺して英雄化させるよりも名声の失墜を狙っての事……?
だが、それならわざわざ相手がウーズラである必要はないし、そもそも事の始まりは授業中の事故だ。
魔物が二人を狙って攫った訳ではない。
「その後、ウーズラ・ボナークとはまた離れ離れに?」
オラシオが思考の海に沈みかけた所で、理事長が言葉を掛ける。
「離れ離れには……なりませんでした、ずっと一緒に……」
ほら、しっかり繋がって?
よいしょ、ぴったりかな?うん、よし、ばっちり奥までだね♪
「いえ……それから一週間の間……一時も……離れる事にはなりませんでした……」
もじ、と体をよじらせてオラシオが言う。
頬がより一層赤みがかる。
「それからは同じ部屋に?」
「それ以上に一緒に……居ました」
理事長は少し首を傾げる。
「それ以上に、とは?」
「拘束具……です」
オラシオはしきりにもじもじと身じろぎをしながら呟くように言う。
「私と、ウーズラ君は……拘束されました……こう……」
どう表現していいかわからないように腰の周りに手をやる。
「私達の腰と……腰を……組み合わせるようにして……纏めるように……」
「腰を組み合わせる?」
オラシオは思い切ったように顔を上げた。
「わ、わたしの、おまっ……」
言いかけて思わず口元に手をやって言葉を切る。
「じっ……じっ……女性、器……と、男性器が、繋がった状態になるように、拘束されたんです……!」
必死に羞恥を堪えながら最後まで言い切った。
「革で作られた縄みたいな……ベルトみたいな……それを、二人の腰にぐるって回して……ずっとせっ……性行為をした状態で……固定……されました」
「一週間の間、ずっとですか?」
「……はい、ずっと、私と、ウーズラ君は繋がったままでした」
何とか開き直って義務的に言おうと、背筋をのばしてはっきり言う。
だがその顔はトマトの如く真っ赤になり、微かに息が荒くなっている。
「その拘束具は……魔法の道具だったようです……きつく締め付けて嵌められているのに、当たる部分に痛みは感じず……それに……」
また、少しためらって言う。
「思い返せば……一週間もの間、二人とも排泄行為を行いませんでした、食事も与えられていたのに……多分、魔具だったんだと思います」
「それは……屈辱的ですね」
「はい……ソコ以外は……普通に衣服を着せられて……それ以外に何もされず、普通に食事を与えられて……ただただ繋がり続けました……」
「ウーズラ・ボナークはどのような状態でしたか?」
そう問われて、オラシオはキッと視線を上げた。
「あの魔具は卑劣です……!ウーズラ君はずっと謝り続けてました……!彼は、何も悪くないのに……「小さく出来なくてごめんなさい」って……!」
「確かにその拘束具の構造ですと男性器が勃起状態でなくなれば、密着していても抜け落ちるでしょうね」
「悪いのはウーズラ君じゃありません!私のおまっ……!」
また、言葉を切った。
「わ、私の女性器が……!ずっとウーズラ君のおちっ……!男性器を!ずっと苛めるから……!」
「貴方の女性器はウーズラ・ボナークの男性器を責める事を止められなかったのですか?」
オラシオは泣き笑いのような表情になった。
何という質問をするのだこの理事長は、しかも平然とした顔で。
いや、話の流れからして聞かざるを得ないのか。
「わ、わた、私の体が……悪いんです、全然思い通りにならないんです……言う事を全然聞かないんです……」
オラシオは自分の体を抱きしめた。
「やめなきゃ、我慢しなきゃって思うのに……逞しくって男らしいウーズラ君に媚びて……甘えて……ずっとぬるぬるしたのを吐き出し続けて……」
熱い息を吐いた後、ごく、と喉を鳴らす。
告白するオラシオの姿は到底おぞましい記憶を思い出しているものではなかった。
もじもじと内股を擦り合わせ、顔を紅潮させ、陶酔した表情を浮かべている。
よく観察すると制服を押し上げる胸の膨らみの先端が尖っている事すらわかる。
「ウーズラ・ボナークは射精をしましたか?」
ぴくん、とオラシオの肩が揺れる。
「……はい……何度も、何度も……してくれました……」
ごくん、とまた喉を鳴らす、唾液が溢れて止まらないらしい。
「ウーズラくんのは本当におっきくて……素敵で……私の全部……みっちりと満たして……」
擦り合わせてぴったり閉じられていた足が、徐々に開いていく。
その時の事を思い返しているのか、右手が下腹部を撫でる。
「繋がりっぱなしだから、栓をされてるみたいな状態で……出して貰ったのが、一滴も逃げなくて……私の赤ちゃんの部屋がたぷたぷになってもその上からまだたっぷり」
「こほん」
理事長の咳払いにオラシオはぱっと顔を上げ、ぴしゃりと両足を閉じた。
目がきょときょとと泳いでいる、明らかに今の一瞬、理事長の存在を忘れていた。
「わ、わた、わた、わたし、何を、あの、あの」
「落ち着いて下さい、余程強い体験だったのでしょう」
「す、す、すいません……」
「いいえ、これは必要な事です、子細に分かるほどウーズラ・ボナークの無実の証明に繋がります」
「そう……そう、です……よね」
「少し休憩を挟んでは?」
「あ、の、はい……お願いします……」
胸に手を当て、肩で息をしながらオラシオは応える。
今しがた全力疾走でもしたかのような有様だ。
「大丈夫ですか?」
「の、喉が……カラカラ……です」
「少し待っていて下さい、お茶のお替りを持ってきます」
「すいません、お願いします……」
理事長は席を立ち、何とか呼吸を整えようとするオラシオを置いて理事室の奥の扉へ消えた。
ずきん ずきん
オラシオは自分の体の卑しさを改めて実感した。
この下腹部の疼きは覚えがある、そう、あの時、ウーズラに身体が媚びる動き。
ありもしないウーズラのものをきゅうきゅうと締め付ける動き。
そこにあるべきものがない、足りない足りないと嘆く動き。
なおかつ上半身では触れられてもいない乳首が、下着の下でキンキンに尖っているのを感じる。
どうしてしまったのか、自分の体は。
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理事室の奥には簡易の給湯室のような設備が設えてある。
理事長は事前に魔法で温めておいたポットからカップにお茶を注いだ。
そうしてから、おもむろに戸棚を引き出す。
そこにはラベルの貼られた色とりどりの瓶が納めてあった。
理事長はその中から薄紫色の瓶を選び出し、備え付けのスポイトで三滴、その液体をお茶に垂らした。
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「どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
戻ってきた理事長の手からカップを受け取り、オラシオはその温かい紅茶に口を付ける。
沁みるようだった、ぽかぽかと体が温まる感じがする。
「落ち着きましたか?」
「はい……何とか……」
落ち着いたとは答えたが、実の所体の疼きは全く収まってはいない、だが証言は一刻も早く告げなくては……。
普段の鋭敏なオラシオならばその違和感に気付いたかもしれない、だが今のオラシオは思考力が極端に低下している状態だった。
だから気付かなかった。
向かいに座る理事長の表情が、最初の時の冷徹な表情では無くなっている事に。
うっすらと妖艶な笑みを浮かべた理事長は、オラシオに続きを促した。
「では、続けて下さい」
19/09/01 07:36更新 / 雑兵
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