その2
時は進んでほんのり明るい夜だ。なんてご都合主義なんだ、とか言っている人がいるが、俺は朝から放課後まで保健室で気絶をしていたからである。
ご都合主義なんてものではない。
ちなみにだが、放課後目が覚めた時に丁度津廼がやって来たんだが、俺を見て第一声が
「お、目が覚めたか。じゃあ早速、約束通り飲みに行くぞー!!」
あゝ神よ、一つだけ願いが速達で叶うならば、津廼にゲルテナ産のバラと命が一体化してくれ。
時間はさらに進み、時間は夜の7時。街は掲示板灯、タイムセール、夜の勧誘など夜独特の活気を作り出す。
...あ、これはご都合主義として流してくれ。
さて、俺はいま津廼と他のクラスメイト3人の計5人で津廼のオススメでもあり、行きつけでもある居酒屋へと向かった。何故そこが行きつけなのかを聞いてみると、
「あそこは知り合いが経営してるし、飲み仲間がいるし、そして何十リットル飲んでも怒られないからな!!」
だそうだ。
ん?今何十リットルって言ったのか?聞き間違いだろうか。クラスメイトに念のため聞いてみるか。
「」グピグピ...
「」サー...
あ、胃腸薬飲んでいる!飲む前に飲むタイプの奴を摂取している!ついでに飲み過ぎた後に摂取する奴もバッグの隙間から見えている!
やっぱり胃薬って効果があるのかな?
「さて!みんな私のオススメ、『妖ノ居酒屋』に到着したぞ!!」
そういって津廼の目の前には、筆字で妖ノ居酒屋と書かれた木彫りの看板が飾られた居酒屋へと到着した。多分ここが行きつけなんだろうな。店からは居酒屋独特のお酒の香りだけでなく、とても美味しそうなツマミの匂いも漂ってくる。
「ここが行きつけなのか?」
「おう。ところで、お前はお酒飲めるのか?」
......飲んだことがない。そういえば最近20歳を超えたんだった。
お酒は20歳を超えてから。
......誰に向かって俺は注意しているんだ。
「すまん、飲んだことがない。最近飲めるようになったからな」
「じゃあ今日が初酒だな!?私がリードして一緒に飲んでやるよ!」
笑顔で津廼が答えてくれる。
その笑顔は安心していいのだろうか?それとも悪魔の微笑みというものなのだろうか?
津廼を先頭に俺はのれん潜り、居酒屋へと入る。
こののれんは後に、俺を奇妙な何かへと導きかれて行った1つの要因になったのだろう...
「じゃあ早速、楽しい1日を作れた記念と、この竜王のリュー君の初酒を記念して」
リュー君?俺のことか?
「では、カンパーイ!!」
「「「カンパーイ」」」
座敷に座った5人は焼き鳥などのツマミの乗った机を囲み、ビールの入ったジョッキ4つとピッチャー1つを傾ける。
...ピッチャー!?おいおいおい、それをジョッキ代わりにって、
ものすごい勢いで減って行っている!!
【ここからはダイジェストでお楽しみください】
《午後7:30 開始25秒経過》
「プハーーーッ!!うまい!!」
「もう空かよ!?」
「コレが普通なんだよ普通!お、リュー君のジョッキもあとほんの少しじゃねぇか。すいませーん。ビールをピッチャーとジョッキを1つずつー!」
津廼:ピッチャー1杯
竜王:ジョッキ1杯
《午後7:55 開始25分経過》
「では、ウチはこれでドロンするわ」
「ちょっとちょっとー!まだ始まったばかりだよ!?もう帰るの!?」
「明日ごっつう早いけん、ウチはこれで」
「え〜...仕方がないな〜。まぁいいか、メインはリュー君なんだし。すいませーん。同じやつもう一回くださーい」
「勝手に俺の分も頼むのかよ!」
津廼:ピッチャー2杯
竜王:ジョッキ2杯
《午後9:45 開始2時間15分経過》
「ヨーデルwヨーデルwヨーデルwヨーデルw」
「あーあ、ついにクラスメイト(モブ)が酔っ払っちゃったよ。津廼が酒を進めるからだよ」
「よーうーかーいーのーせいなのね?」
「違います」
「日本酒をジョッキで!!」
「おい!」
津廼:ピッチャー6杯
竜王:ジョッキ5杯
《午後11:00 開始3時間30分経過》
「にゃーごー、にゃーごぉ〜」
「また、寄った人が...」
「この方は僕が家まで送ります。それでは」
「ハァーーーーッ!!やっぱり日本酒が一番だなぁー!!ってあれ?他のみんなは?」
「寄った人を送るために帰ったぞ。もう俺と津廼しかいないぞ」
「もう私とリュー君しかいないのかー」
「何故俺をリュー君と呼ぶんだ?」
「じゃあ教えてやるよ。なんでかと言うと...」
津廼:ピッチャー6杯 ジョッキ2杯
竜王:ジョッキ5杯 おちょこ5杯
【ダイジェスト終了】
壁に掛けてある時計を見てみると、長身と短針は12時丁度を指していた。クラスメイトはすでに帰ってしまい、ここには俺と津廼しかいない。飲み始めて4時間半経って津廼はというと、
「んで〜、なんでリュー君って呼ぶかというと〜」
「もういい、その話は5回目だ」
「そうだった〜、ハハハハ〜!」
顔も赤く染まり、一言一言で笑いが絶えない。完全に出来上がったといっても良いだろう。
と言うより、この人の胃袋は無限にあるのか?ビールをピッチャーで6杯、日本酒をジョッキで4杯も飲んでいるぞ。身体のどこに何が入っているんだよ。
いや、その前にビールをジョッキで5杯と日本酒をおちょこで8杯飲んだ俺が酔わないのもおかしいな。逆に心配になってきたから、近いうちに人間ドックにでも行っておくか。
「リューくーん、もっと私に構ってよ〜もっと飲もうぜ〜」
「完全に思考力も衰えている...いや、待てよ?」
今の津廼は酒で酔っている。これは...チャンスだ!津廼がオーガであるかどうかが分かるかもしれない!質問をするなら今だ!
「そういえば私、オーガなんだ〜」
「お前がカミングアウトするのかよ!?」
「ん、なんか言った?」
「い、いや、なんでもない」
まさか、あっちから告白をするとは予想外だ...。オーガって、鬼人という事だよな。現代にもいたんだな...しかもこんなに可愛く...何を言っているんだ俺は!相手は鬼だ!人を襲うと言われている恐怖の生き物だぞ!
「はぁ...」
「どうしたリュー君?元気がないよ?」
「いや、なんでもない」
「元気がない時こそ酒だ!さあ、飲んだ飲んだ!」
でも、津廼とは1年以上付き合いがある奴だ。こんなに明るくて元気な奴が悪いやつなわけない。ハハ、ちょっと反省をしてしまったな。
「気分が良くなってきたな〜。ちょっとアームロックをしてくる〜」
「それ以上いけない!」
俺のシリアスを返せ!!
「全く、もっと津廼は酒を控えろよ」
「......」
「あれ?津廼、どうした?」
「グー...グー...」
「寝てるんかい!」
急に寝るなよ!例のメガネの小学生も驚きだよ!
「これはもうお開きにしないとな。津廼、家は何処だ?送ってやるぞ」
「ん...雛見沢」
「ひぐらしか!!」
ダメだ、完全に酔っちゃってるよ。どうするか。
「どうした?もしかして津廼さんが寝ちゃったのか?」
「え、あ、はい。知ってるんですか?」
「あぁ、知ってるさ。ウチの店の常連客だからよ。近くに親友が経営しているホテルがあるから、そこに連れて行ってやれ、こうなるだろうと思って鍵も取ってある。ほれ、ホテルの鍵だ」
「ありがとうございます。ほら津廼、ホテルの鍵を貰ったから起きろ!連れてってやるからよ」
「近くのホテル?よっしゃ!行くぞー!!」
ほー...。分かっていたとはいえ、片手で俺を担ぐことができるのか...。
って、俺が連れて行かれてるようじゃねぇか!!俺は猫か!!
こうして、竜王と津廼は近くのホテルへと向かった。鍵には『ラヴ 魔物 HOTEL』と彫られている事を、これは気づかなかった事に後悔をしている。
ご都合主義なんてものではない。
ちなみにだが、放課後目が覚めた時に丁度津廼がやって来たんだが、俺を見て第一声が
「お、目が覚めたか。じゃあ早速、約束通り飲みに行くぞー!!」
あゝ神よ、一つだけ願いが速達で叶うならば、津廼にゲルテナ産のバラと命が一体化してくれ。
時間はさらに進み、時間は夜の7時。街は掲示板灯、タイムセール、夜の勧誘など夜独特の活気を作り出す。
...あ、これはご都合主義として流してくれ。
さて、俺はいま津廼と他のクラスメイト3人の計5人で津廼のオススメでもあり、行きつけでもある居酒屋へと向かった。何故そこが行きつけなのかを聞いてみると、
「あそこは知り合いが経営してるし、飲み仲間がいるし、そして何十リットル飲んでも怒られないからな!!」
だそうだ。
ん?今何十リットルって言ったのか?聞き間違いだろうか。クラスメイトに念のため聞いてみるか。
「」グピグピ...
「」サー...
あ、胃腸薬飲んでいる!飲む前に飲むタイプの奴を摂取している!ついでに飲み過ぎた後に摂取する奴もバッグの隙間から見えている!
やっぱり胃薬って効果があるのかな?
「さて!みんな私のオススメ、『妖ノ居酒屋』に到着したぞ!!」
そういって津廼の目の前には、筆字で妖ノ居酒屋と書かれた木彫りの看板が飾られた居酒屋へと到着した。多分ここが行きつけなんだろうな。店からは居酒屋独特のお酒の香りだけでなく、とても美味しそうなツマミの匂いも漂ってくる。
「ここが行きつけなのか?」
「おう。ところで、お前はお酒飲めるのか?」
......飲んだことがない。そういえば最近20歳を超えたんだった。
お酒は20歳を超えてから。
......誰に向かって俺は注意しているんだ。
「すまん、飲んだことがない。最近飲めるようになったからな」
「じゃあ今日が初酒だな!?私がリードして一緒に飲んでやるよ!」
笑顔で津廼が答えてくれる。
その笑顔は安心していいのだろうか?それとも悪魔の微笑みというものなのだろうか?
津廼を先頭に俺はのれん潜り、居酒屋へと入る。
こののれんは後に、俺を奇妙な何かへと導きかれて行った1つの要因になったのだろう...
「じゃあ早速、楽しい1日を作れた記念と、この竜王のリュー君の初酒を記念して」
リュー君?俺のことか?
「では、カンパーイ!!」
「「「カンパーイ」」」
座敷に座った5人は焼き鳥などのツマミの乗った机を囲み、ビールの入ったジョッキ4つとピッチャー1つを傾ける。
...ピッチャー!?おいおいおい、それをジョッキ代わりにって、
ものすごい勢いで減って行っている!!
【ここからはダイジェストでお楽しみください】
《午後7:30 開始25秒経過》
「プハーーーッ!!うまい!!」
「もう空かよ!?」
「コレが普通なんだよ普通!お、リュー君のジョッキもあとほんの少しじゃねぇか。すいませーん。ビールをピッチャーとジョッキを1つずつー!」
津廼:ピッチャー1杯
竜王:ジョッキ1杯
《午後7:55 開始25分経過》
「では、ウチはこれでドロンするわ」
「ちょっとちょっとー!まだ始まったばかりだよ!?もう帰るの!?」
「明日ごっつう早いけん、ウチはこれで」
「え〜...仕方がないな〜。まぁいいか、メインはリュー君なんだし。すいませーん。同じやつもう一回くださーい」
「勝手に俺の分も頼むのかよ!」
津廼:ピッチャー2杯
竜王:ジョッキ2杯
《午後9:45 開始2時間15分経過》
「ヨーデルwヨーデルwヨーデルwヨーデルw」
「あーあ、ついにクラスメイト(モブ)が酔っ払っちゃったよ。津廼が酒を進めるからだよ」
「よーうーかーいーのーせいなのね?」
「違います」
「日本酒をジョッキで!!」
「おい!」
津廼:ピッチャー6杯
竜王:ジョッキ5杯
《午後11:00 開始3時間30分経過》
「にゃーごー、にゃーごぉ〜」
「また、寄った人が...」
「この方は僕が家まで送ります。それでは」
「ハァーーーーッ!!やっぱり日本酒が一番だなぁー!!ってあれ?他のみんなは?」
「寄った人を送るために帰ったぞ。もう俺と津廼しかいないぞ」
「もう私とリュー君しかいないのかー」
「何故俺をリュー君と呼ぶんだ?」
「じゃあ教えてやるよ。なんでかと言うと...」
津廼:ピッチャー6杯 ジョッキ2杯
竜王:ジョッキ5杯 おちょこ5杯
【ダイジェスト終了】
壁に掛けてある時計を見てみると、長身と短針は12時丁度を指していた。クラスメイトはすでに帰ってしまい、ここには俺と津廼しかいない。飲み始めて4時間半経って津廼はというと、
「んで〜、なんでリュー君って呼ぶかというと〜」
「もういい、その話は5回目だ」
「そうだった〜、ハハハハ〜!」
顔も赤く染まり、一言一言で笑いが絶えない。完全に出来上がったといっても良いだろう。
と言うより、この人の胃袋は無限にあるのか?ビールをピッチャーで6杯、日本酒をジョッキで4杯も飲んでいるぞ。身体のどこに何が入っているんだよ。
いや、その前にビールをジョッキで5杯と日本酒をおちょこで8杯飲んだ俺が酔わないのもおかしいな。逆に心配になってきたから、近いうちに人間ドックにでも行っておくか。
「リューくーん、もっと私に構ってよ〜もっと飲もうぜ〜」
「完全に思考力も衰えている...いや、待てよ?」
今の津廼は酒で酔っている。これは...チャンスだ!津廼がオーガであるかどうかが分かるかもしれない!質問をするなら今だ!
「そういえば私、オーガなんだ〜」
「お前がカミングアウトするのかよ!?」
「ん、なんか言った?」
「い、いや、なんでもない」
まさか、あっちから告白をするとは予想外だ...。オーガって、鬼人という事だよな。現代にもいたんだな...しかもこんなに可愛く...何を言っているんだ俺は!相手は鬼だ!人を襲うと言われている恐怖の生き物だぞ!
「はぁ...」
「どうしたリュー君?元気がないよ?」
「いや、なんでもない」
「元気がない時こそ酒だ!さあ、飲んだ飲んだ!」
でも、津廼とは1年以上付き合いがある奴だ。こんなに明るくて元気な奴が悪いやつなわけない。ハハ、ちょっと反省をしてしまったな。
「気分が良くなってきたな〜。ちょっとアームロックをしてくる〜」
「それ以上いけない!」
俺のシリアスを返せ!!
「全く、もっと津廼は酒を控えろよ」
「......」
「あれ?津廼、どうした?」
「グー...グー...」
「寝てるんかい!」
急に寝るなよ!例のメガネの小学生も驚きだよ!
「これはもうお開きにしないとな。津廼、家は何処だ?送ってやるぞ」
「ん...雛見沢」
「ひぐらしか!!」
ダメだ、完全に酔っちゃってるよ。どうするか。
「どうした?もしかして津廼さんが寝ちゃったのか?」
「え、あ、はい。知ってるんですか?」
「あぁ、知ってるさ。ウチの店の常連客だからよ。近くに親友が経営しているホテルがあるから、そこに連れて行ってやれ、こうなるだろうと思って鍵も取ってある。ほれ、ホテルの鍵だ」
「ありがとうございます。ほら津廼、ホテルの鍵を貰ったから起きろ!連れてってやるからよ」
「近くのホテル?よっしゃ!行くぞー!!」
ほー...。分かっていたとはいえ、片手で俺を担ぐことができるのか...。
って、俺が連れて行かれてるようじゃねぇか!!俺は猫か!!
こうして、竜王と津廼は近くのホテルへと向かった。鍵には『ラヴ 魔物 HOTEL』と彫られている事を、これは気づかなかった事に後悔をしている。
15/01/23 23:14更新 / ケモニー
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