魔物娘掛け合い漫才:『ちりとてちん』
「さーてっ☆ みんな元気にしてたかなー? ファミリアちゃんの『バフォメット様のお部屋を勝手にお片づけしちゃうコーナー』、今日もはっじまっるよーーっ☆」
「あの……ファミリアさん。なんでボクは呼ばれたんです?」
「今日は特別に、アシスタントの魔女ちゃんも来てくれましたっ☆ 今回はこの2人で進めていきたいと思いまーす! はい拍手ーーっ!!」
「ボクはそういう扱いなんですか!? なにも聞かされてませんでしたけど!?」
「ククッ…………クククッ……!!」
「え!? なんですかその笑い!?」
「クククッ……! 使い魔にこき使われようとしている魔女ちゃん、今の気分はどうだぁ……?」
「り、理不尽な気持ちでいっぱいです」
「クククッ……! 我は魔女ちゃんのその言葉が聞きたかったのじゃわい……!」
「それ、もしかしてバフォメット様のマネです?」
「クク、ク、け、けふっ! げふっ!」
「むせてる!!」
「げほっ……あー、ゴホン。よくぞ我を倒した、魔女ちゃんよ」
「自滅ですよね?」
「ククッ、そんなお前さんには我が世界の半分を差し上げようぞ……」
「乱暴なのか丁寧なのかわからない口調……」
「ということで、はいパスっ☆」
「わっ、何を投げ……って、袋?」
「ナカを開けてみーてっ!」
「お菓子……がたくさん入ってますね。それも、かなり高級そうなものが」
「そしてこのファミリアの手にも、なぜかもう1つの袋がっ…………!!」
「え、ええっと、どういうことです?」
「…………あーっ、いっけないんだー!! 魔女ちゃんがバフォメット様の秘蔵のお菓子が詰め込まれた袋を持ってるー!!」
「えっ!?」
「そして私も持ってるー! これはアレだねー、グルってやつだねー! 棒読みー!!」
「ぅえ!? ちょっ、ファミリアさん!?」
「へへッ、運がなかったなぁ魔女ちゃんよぉ……。クー・シーに甘噛みされたとでも思って諦めるんだなぁ……!」
「ファミリアさん!? なにしてるんです!?」
「じゃあ改めて、『バフォメット様のお部屋(のお宝)を勝手にお片づけしちゃうコーナー』! 今日もはっじまっるよーーっ!!」
「えぇぇえええええ!?」
「いやー魔女ちゃんも積極的にお片づけに参加してくれて私は嬉しいよっ! まさか、ポットで紅茶まで用意してくれるなんてねー! ファミリアちゃんもびっくりー!!」
「うわ、ホントに用意されてる! なにコレ!? なんなんですか!?」
「まったく、呆れるほどのバフォメット様への忠誠心だぜぇ……! 忠誠心がポットからティーカップにあふれ出ちゃうぜぇ……!」
「それはこっちが言いたいですよ! 呆れましたよっ、ファミリアさん! まさかいつもこんな事してるんですか!?」
「ううん? してないよ? だって私1人だと怒られちゃうじゃん?」
「最悪だ!! 巻き込まれたっ!!」
「よ、よよよっ…………バフォメット様、これは違うんですっ、魔女ちゃんが私に強引に、イヤがる私のお口に強引にねじ込んできてっ……お菓子を……っ!!」
「え、冤罪だーーーー!?」
「っていうことでホラ、こっちゃ来なさい。いっしょに食べませう?」
「いっ、イヤですよ! ボクはそんなことしません!」
「そ、そんな…………ッ!?」
「なんでそこで『裏切られたっ』みたいな表情ができるんですか!? いや、そうか、まだ食べてないんだから元の場所に戻せばいいだけの話ですよね?」
「ま、そうなんだけどねっ☆」
「……ほら、怒られる前に戻しましょう? 今ならまだやり直せますから」
「そっ……そうなんか? こんなアッシでも、またお天道様の下にまた戻れるんで……?」
「もちろんですよ、出来心だったんですよね?」
「う、ううっ……ふぐぅっ…………!」
「その割にはお茶まで用意して、かなり計画の練られた犯行のような気もしましたけど……」
「ありがてぇ、ありがてぇ話だよぉっ…………」
「……いや、今はいいか。じゃあファミリアさん、その袋をこちらに渡してくださ」
「っと見せかけてドーーーーンッ!!」
「ぐえべっ!?」
「……あっ、ゴメンなさいっ!? まさかパンを咥えて走ってたら人とぶつかっちゃうなんてっ」
「な、何を言って……え、ファミリアさん、いつの間にクッキーを口に!?」
「そのぉ、初めてお会いしますよね? あの、でも私、なんだかアナタのお顔を見てるとムネのところがドキドキしてきちゃって……!」
「あっ、なっ、顔が、クッキーが迫ってっ!?」
「んむ〜〜〜〜っ♥」
「んむぐーーっ!?」
「ぷはっ………………お、い、し、かっ、た?」
「んぐっ……! な、なんて事を……!!」
「あーっ!! 魔女ちゃんがお菓子食べてるぅー!! くわー、こりゃあズルいなー! くわー、こりゃあ私も食べるしかないなー!」
「や、やられたっ!?」
「ズキュゥゥン! ファミリアちゃん大勝利ー!」
「汚された……! バフォメット様、ボクは汚されてしまいましたッ……!」
「なにぃー、それは大変だぁ! さ、あっちの紅茶、もといドロ水で口をすすがなきゃねーっ!」
「うわあぁぁぁぁ……………!!」
「ケッケッケッ、今日のサバトの供物はボクっ娘な帽子娘ちゃんだぜーーっ! ヒャッハー!」
「スパーッ…………ふぅ…………」
「………………」
「へへッ、お前さん結構良かったぜ……?」
「う、うぅっ…………!」
「お前さん、結構良い食べっぷりだったぜ……? ごちそうさまだぜ……?」
「う、うわぁぁぁ! お菓子食べてる時はヤケで食べてたけど、今さら冷静になってきた!」
「胸焼けしそうなくらい食べてたねー! ヤケだけに!」
「マズいです、すっごくマズいですよ……!! 見てくださいよ、このしぼみきったお菓子の袋……! 数十分前はあんなに頼もしい存在感があったはずなのに……! 今はカラッポ……!」
「ふふっ」
「え!? ファミリアさんはどうしてこのタイミングでそんな穏やかな微笑が出るんですか!?」
「ねえ魔女ちゃん、魔女ちゃんは私がなんの安全策も張らずにこんな大冒険をすると思ってたのかい?」
「ファ、ファミリアさんっ…………!?」
「あるぜぇ、策はあるぜぇー?」
「ファミリアさんっ!!」
「じゃあはいコレ、水車責めの時に呼吸するためのストローと、鉄の牛に閉じ込められた時に手を冷やせる保冷剤ね」
「罰を受ける前提だった!! しかもどっちも全く役に立ちそうにない!!」
「……という冗談はおいといて!」
「ファミリアさんっ! なぁんだ、もう、冗談にしては悪質すぎですよぅ」
「テヘヘ、ごめーんね?」
「もー、ファミリアさんはまったく……」
「えへへぇ……」
「ふふっ……。それで、どうするんです?」
「ここに魔女ちゃんしか映ってないお茶会シーンが記録された魔術水晶投影装置があります」
「あああああーーーーッ!?」
「わ、わてには故郷に残してきた妻と子がおるんじゃあっ…………すまねぇっ……!」
「やられたっ!? 完全にハメられたっ!!」
「ははっ、キミの今の立場がようやく理解してもらえたようだね? 少しでも妙なマネをしようものなら……この水晶がピカッ、だぜ?」
「ピカッ、だけはご勘弁を! ファミリアさん、お願いします! なんでもしますから!!」
「ほう? そうかそうか。ならばこれからどうすべきか、私には考えがあるが……ブラザー……いや、シスター。私の足を舐めるくらいの覚悟はあるかな? マイあんよをペロペロする覚悟だ」
「あ、あります!」
「即答か。良い返事だ、気に入ったぞ」
「ありがとうございます!」
「素晴らしい。ベリー素晴らしい。私は……その言葉を聞くために生まれてきたのかもしれないな……」
「いや恍惚としてないで! どうするんです!?」
「まっかせてー! こういうピンチの時は決まって努力と友情があれば切りひらけるものだから! そしてもう仲間は呼び出し済みだよーー!!」
「早っ!?」
「魔力でこう……このサバト支部の建物内ならどこでも届く念話的なほにゃららで、もうすでにこの部屋の外で待機してもらってます☆」
「しかも呼び出した方法がすごく曖昧だ……」
「ではお入りください、ロリータ三銃士のみなさん!」
「ロリータ三銃士!?」
「まず最初は、全身を獲物の返り血に染めし緋色の魔性、レッドキャップちゃーん!」
「キヒヒッ、いきなり呼び出しやがって……ツマンネェ用事だったら承知しねーぞ?」
「そんな紹介でいいんですか…………?」
「続いて、最近バフォメット様に台車を買ってもらって自由に動き回れるようになった果実と羊の化身、バロメッツちゃーん!!」
「………………」
「………………」
「…………ば、バロメッツちゃーん?」
「キヒッ、バロメッツなら待ちくたびれて廊下で寝てんぜ?」
「以上、この場に揃ったロリータ四天王で進めていきたいと思いまーす!」
「1人は廊下のままだし、さっきと名前変わってませんか!? というかさらっとボクも数に入れられてるんですが!?」
「うーんやっぱり、目には目を、角には角をとも言うし、バフォメットから(勝手に)いただいたお供物には、こちらもお供物で返さないとね! ブタとか!」
「ブタとか!?」
「ということでプランA!! レッドキャップちゃん、ちょっと外に行って適当に家畜を捕まえてシメてきてっ☆」
「キヒッ……って、え!? や、ヤダよ!!」
「えぇ…………? なんでぇ……?」
「なんでってソリャ、かわいそう……じゃなくて、このナタは魔界銀だからなッ! いくら斬ったって傷にゃならねェんだ!」
「くぅっ、じゃあその返り血はなんなのさ! まさか、レッドキャップちゃんの内なる欲求不満が赤い魔力になって外に漏れてるだけとか、そんなしょっぱい話じゃないよね!?」
「いやッ、これは、そのだな…………と、とりあえずソレはおいといてだな! ブタさんを使うのとかはナシだ! なにより時間がかかるだろッ」
「そ、そうですよ、ファミリアさん。他のもう少し穏便なやり方を考えましょうよ!」
「そっかぁ、ダメかぁ…………ダメかぁ」
「でも、何人も助っ人をお呼びしたってことは、2つめ、3つめの作戦もあるってことですよね?」
「……A案がダメとなると……考えろ私っ……!!」
「え、なんだかすごく汗かいてません?」
「わかったよ、仕方ない、これだけは絶対にやりたくなかったんだけど……っ!!」
「そんな、もう最後の手段みたいに!?」
「――魔女ちゃんっ!!」
「ひゃっ!? いきなり肩を掴まないでください!」
「一つお頼み申します!!」
「…………えっ?」
「廊下って言われても……あっ、いた。あの、バロメッツさん?」
「………………すぴっ」
「わ、鼻ちょうちんとか本当に出てるの初めて見た……! じゃなくて、バロメッツさーん?」
「………………ぅみゅ……?」
「あっ、起きて…………すぐ寝ようとしてる! ちょっ、バロメッツさん! バロメッツさん!!」
「………………なーにぃ?」
「えっと、そのですね。ファミリアさんから、バロメッツから貰ってきて欲しいって言われたものがあるんですけど」
「………………いーよぉ……綿毛かなぁ?」
「あ、ありがとうございます。でも綿毛じゃなくてですね、少しで良いのでバロメッツさんの貴重な果肉の部分を分けてもらえないかなー、と」
「………………わかったよぉ」
「あああああ、違うんです私がバロメッツさんの果肉に入りたいんじゃなくてちょっとこのカップ一杯ぶん欲しいだけですからボクを引っ張り込もうとしないで下さいっ!!」
「………………なんだぁー……」
「なぜ少し残念そうに……? あっ、もう果肉を分けてくれたんですね、ありがとうございます」
「………………今度ぉ、いっしょに入ってねぇ?」
「それ、どういう意味なんです……? い、今は少し急いでいるので、また次の機会にでも考えておきますねっ! では!」
「………………うん、おやすみぃ」
「いつも眠ってるけど、あの子むしろワーシープに近い気がするなぁ…………」
「魔女ちゃーん! まだー?」
「あ、はーい! 今戻りまーす!」
「早くー!!」
「はいはい…………って、この部屋クサっ!! あと、どうしてバフォメット様の部屋にそんな大釜持ち込んでるんですか!?」
「もっと早く! レッドキャップちゃん、もっと早くかき混ぜて! 間に合わなくなるよっ!」
「ヒィ…………キヒィ…………」
「レッドキャップさんがヒシャク持って力尽きてる!」
「魔女ちゃん、その戦利品をカムヒア!」
「え、あっ、はいっ!」
「グッド! 今ちょうど、『バフォ様が気取ってサテュロスさんから受け取ったけど飲めないから放置してた高級ワインの献上品』と『鰻女郎お姉さんから私が貰っておいたヌルつく体液』を混ぜ合わせて弱火でコトコト煮詰めてたところだよっ!」
「………………え?」
「それにこのバロメッツちゃんの果肉をッ…………投☆入ッ…………!!」
「な、何を作ってるんです!?」
「ごらん魔女ちゃん、キレイな色だろう?」
「いや、ドス黒い紫色になってるんですけど……」
「最後に私のエロエロな魔力的なものを入れて、できあがりっ! どう? どう魔女ちゃん?」
「え、臭くて、見た目も酷いなにかとしか」
「大成功だねっ☆」
「大成功!? これが!?」
「さて、じゃあレッドキャップちゃん! 頑張ってくれたゴホービに、ひと口飲んでいーよ?」
「ヒッ!? い、いらねェよそんなの!」
「またまたー、とか言っちゃってー」
「いやっ、マジでいらねェんだけど!?」
「………………」
「…………オイ、どうした?」
「そのぉ、あの、私っ、なんだかアナタのお顔を見てるとっ、ウデのところがプルプル震えてきちゃって……!」
「な、なんだソレ!? なんで鍋の中身をよそったヒシャクをコッチに寄せるんだッ!?」
「ああっと手から足まで全部すべったーーーっ!!」
「んむぐーーッ!!」
「レッドキャップさん!!」
「えへへ…………しちゃったね?」
「し、しちゃったねじゃないですよファミリアさん! レッドキャップさんになに得体の知れないモノ飲ませてるんですか!?」
「………………キッ」
「れ、レッドキャップさん?」
「キヒイィィィィィィィィィィィッ♥」
「レッドキャップさん!?」
「ふむ。ひと口でこの程度の効き目か。即効性もあるし、ある程度期待通りの効果はあったようだね」
「ちょっ、ファミリアさん!? なんでそんな冷静にしてるんですか!!」
「なんでって、これを目指して作ったんだから驚くことなんてなーいよっ?」
「キ、キヒィッ♥ アヒィッ♥」
「え、じゃあこれは……? レッドキャップさんが床でビクンビクンしてるのも、その効果なんですか……?」
「いえーす! 本来なら単体の媚薬として作用するうなぎエキス、果肉、私の魔力を、ワインをベースに混合…………!」
「こ、混合っ……!?」
「その効果は、きっとカタブツな魔界軍の騎士団長ですらイッパツで昇天させる! 名付けて――――『騎士団長殺し』ッ!!」
「な、なんて大変なモノ作っちゃったんですか!!」
「く、クククッ、クハハー! これさえあればバフォメット様だってイチコロよぉーー!!」
「えぇぇええええええ!?」
「さーって、バフォ様はどんな反応をみせてくっれるっかなーーーー!! 楽しみーー!!」
「……む? なぜ我の部屋に皆集まっておるのじゃ?」
「あっ、バフォメット様☆ お目覚めですかっ?」
「うむ。ヒツジさんの新しい枕が気持ちよかったのじゃ。…………って、クサっ! この部屋クサっ!」
「えー? そうなんですかぁー?」
「まさか、またファミリアがなにかやらかしおったのか!? あれじゃぞ、我は全てお見通しなんじゃからな!」
「そんなぁ、違いますよぉ☆ でも先ほどぉ、バフォ様のこのお部屋に、他のサバト支部のかたがいらしてましてぇ」
「むっ、そうなのか?」
「はーい☆ それで、私は止めようとしたんですけどぉ、そのかたがバフォ様のお菓子を見つけてしまいましてぇ……」
「な、なんじゃと!? あっ、本当に我の大事なお菓子袋がカラになっておる! 許せん、どこのどいつじゃそれは!?」
「あぁっ、怒らないでくださいバフォメット様っ! そのかたから、お菓子のお礼にってお品物を受け取ってるんですよぉ」
「そんな、生半可なモノではあのお菓子の代わりにはならんぞ! 我がお小遣いを貯めて買い集めたものなんじゃからな!!」
「でもぉ、向こうのかたは『バフォメットさんならこの価値が必ず分かるだろう』って言ってましてぇ……」
「…………ふむ?」
「私たちじゃ分からなかったんですけど、偉大なバフォ様なら知ってるかなーって! ねー魔女ちゃん?」
「は、はは、はいっ! そ、そうなんです!」
「そうか…………。まあ、我はとってもすごいサバト支部の長じゃからな。おぬしらよりも遥かに物を知っておるのは間違いなかろう」
「そうですよねっ☆ で、コレなんですけどっ!」
「……にゃっ!? なんじゃこの瓶、中身エゲツない色になっとるぞ?」
「…………あれ、バフォ様……?」
「むっ!? あ、いやいや、わざと驚いて見せただけじゃ、わざと。もちろんこのようなモノなど知っとるわい」
「えー、そうなんですかぁ!?」
「う、うむ。このボトルの柄はあれじゃ、サテュロスのヤツが販売してるモノじゃな。酒はさすがにおぬしらには早かったようじゃの、我にもなるとたしなむ程度には飲むがな」
「バフォ様すごーい☆ これを飲めるなんてー!」
「じゃろう? それではそのモノを寄越すのじゃ、地下の蔵にでもしまってくるから……」
「えっ!? 今は飲まないんですかぁ!?」
「も、もちろん飲むとも。じゃが、今は……」
「そうですよねっ! ハイッ、私がお酌して差し上げますねーっ☆」
「あっ!? あわわわ、そんなたっぷりと!?」
「はい、どーぞっ♥」
「……いや、えーとじゃな、その」
「さ、グイッと! ググイッと!」
「あっ、そういえば我は今日は古物商のほうに少々用事があるんじゃった! すまんな、皆の者!」
「えっ、それじゃあ仕方ないですねっ。じゃあ、これは……」
「うむ。今はしまって……」
「っと見せかけてドーーーーンっ!!」
「もごぁーー!?」
「逃がしませんよぉ〜、バフォ様〜?」
「も、ごくっ、ごくっ!」
「ささ、飲んでください、タップリとっ……! アルコールは全部とんでますから安全ですよっ……!」
「おご、ごにゃ…………」
「よしっ! さーて、今のご気分はい、か、が?」
「………………のじゃ」
「い、か、が?」
「のじゃぁぁぁぁぁぁぁっ♥」
「ヤッピー! ファミリアちゃん大☆成☆功っ!!」
「キモチいいのじゃーーーーっ♥」
「ば、バフォメット様も大変なことに……!!」
「言ってる場合じゃないぜ魔女ちゃん! 今のうちに撤収すっぜ!!」
「いやいや、良いんですかアレ!?」
「わははー、悪は必ず滅びるのさーっ! さあ早く、私はおもしろ……じゃなくて、念のためにもう一杯バフォ様におクスリを献上するからっ!」
「えー……。じゃ、じゃあボクは出てますからね?」
「うん! 私ももう少し遊んでか…………あれ?」
「ファ、ファミリア…………♥」
「……バフォ様、どうして私のあんよを掴むんです?」
「ファミリアも、キモチよくしてやるのじゃーー!」
「ギャーッ!! ば、バフォメットさむもごっ!!」
『のじゃーーーーーーーーっ♥』
『あぁーっ♥ バフォメット様ぁーーんっ♥』
「ええっと……」
「………………あれぇ、また来てくれたのー?」
「はい、あ、ちょっとレッドキャップさんも荷台に載せさせてくださいね」
「キヒィ…………♥」
「じゃあ……ボクの部屋に行きましょうか。とりあえず、騒ぎが落ち着くまで……」
「………………トランプしよぉ、トランプぅ」
「そうですね、行きましょう」
17/04/19 19:06更新 / しっぽ屋