読切小説
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ゆかりさんはせめきれない。
 休日の朝十時。久しぶりによく寝たと伸びをして、ベランダに出て日光を浴びながら僕は外を見る。
 僕のアパートは五階にあり、道路を挟んで向かいに同じくらいの大きさのマンションが建っていた。

 ……うん? 向かいにマンションなんかあったっけ?

 いや、ちゃんと人が住んでるんだからあったに決まってる。寝ぼけてるのかな。
 同じ階の部屋には、真っ白なTシャツを着た女の子がベランダに立っていた。
 ここからはその子の斜め後姿、それも壁のせいで上半身だけしか見えないが、薄紫色の綺麗なショートヘアで、うなじが綺麗だ。
 胸が大きく、斜め後ろからでもその膨らみが見える。
 思わず僕は気を取られ、つい視線がその部位に行ってしまう。
 顔はよく見えないが、その女の子が下着を着けておらず、艶めかしい白肌なのはなぜか分かった。
 
 僕がその子を見ていると、その子は自分の白いTシャツをゆっくり脱ぎ始めた。
 背中の綺麗なラインに、シュッと引き締まったくびれが露わになっていく。
 そしてその豊かな胸がぷるんと揺れ、シャツの下にある乳房が、薄いピンクの乳首が――、

 








 ……ああ、そこで僕は目が覚めたんだっけ。
 あんな夢を見るなんて久しぶりだったけど、欲求不満なんだろうか。

「……、……の、……あ……の、」

 朝の夢を思い出しながら、僕は大学への道を歩く。
 おとといに自転車が壊れてしまったので徒歩で行かざるをえない。
 歩いても二十分ほどで着くには着くが、早いに越したことはないというものだ。

「……あ、あ、あ、あの、」
「? ……あっ、ゆかりさん。おはようございます」
「お、おっ、お……おは……ようっ」

 後ろから声をかけてきたのは、僕と同じ文芸サークルの糸月(いとつき)ゆかりさんだった。まだ肌寒いせいか、分厚い紫のセーターを着ている。
 ゆかりさんは他の女性と比べても声が小さくて、それによく口籠ってしまうので、通る車の音に掻き消されそうになる。僕より一つ年上の先輩なのだけど、とにかく気の弱い人で、目元まで髪を伸ばして顔を隠しているのが特徴だ。髪は薄紫色のショートボブで、少し癖っ毛なところがある。
 そういえば、夢の女の子も同じ髪色だったっけ。
 ……いかんいかん、ヘンな事を考えたら白い目で見られそうだ。まあ、ゆかりさんの目元は髪で隠れてるけど。

「ゆかりさん、今日の部会には来られるんですか?」
「……あ、う、うん」
「あ、じゃあこの前言ってた作品、見せてくださいね」
「え……! え、わ、わ、わかっ、たっ」

 直接聞いた事は無いけど……ゆかりさんって彼氏とかいるのかなあ。
 うーん、気弱そうだから変な人に引っかかったりしてないといいけど……。






―――――――――――――――――――――――――――――――――





 
 ……ぼくは何をしていたんだっけ?
 ここは……ぼくが行ってた小学校の……ほけん室?
 ああそうだ、校ていで遊んでたらケガをしちゃって、ほけん室の先生といっしょに来たんだ。
 イスにすわってちょっと待ってて、ってせんせーが言ってたから、おとなしく待っていよう。

 ほけん室って、しょうどく液みたいなニオイとか、薬っぽいニオイがしてヘンなカンジ。
 それに今はみんなじゅぎょう中だから、すごくしずかだ。とけいのカチッカチッていう音しかしない。
 じーっと待っていたら、ほけん室のとびらがガラッと開いて、先生が白いふくをきてやってきた。

「あ、せんせい」
「ごめんねー、消毒液切らしてたの忘れてて。
 でも大丈夫、すぐに痛いの治してあげるから……」

 ぼくのイスの前に先生がすわって、ぼくのからだにさわさわと手を当てる。
 先生が近くにくると、ハチミツみたいなすごく甘いにおいがした。
 それに先生のかみの毛はうすいむらさきで長くてサラっとしてて、すごくやわらかそう。それに、女の子の友だちとは比べものにならないくらい、おっぱいも大きいし……。
 まえがみが長いからカオがかくれて見えづらいけど、テレビにでてくるどんな女ゆうさんよりもかわいくてきれいだ。

「ぜんぜんいたくないからだいじょうぶだよ」
「だーめ。ちゃんとキレイにしないとばい菌が入っちゃうから」

 もっと近づいてにおいをかいでみたいけど、そんなコトしたら先生はおこって、きっとぼくのことをいやらしい子だって思っちゃう。
 ヘンなことを考えないようにあわてて目をそらすと、先生のからだがなんだかおかしいのにぼくは気づいた。足がうしろにもイスから二本のびていて、からだがながくて毛がいっぱい。
 ……まるで馬みたい? でも、むらさきのお馬さんなんていたっけ?

「……あれ? せんせい、あしがよんほんもある……?」
「えっ? あ、ああ。何言ってるの、先生は昔からこうよ」
「そうだっけ……? でも毛でふさふさでせんせい、まるでお馬さんみたい」
「あらら……バレちゃったら仕方ないわね。
 ……先生実はね、ずっと前からお馬さんだったの。
 ナイトメア、っていう魔物さん。でも、みんなにはヒミツよ」
「ひみつ?」
「そう。先生がナイトメアだってことは、ゼッタイ誰にも言っちゃだめ。 ……分かった?」
「うん。ぜったい、だれにもいわないっ」
「うふふ。えらいえらい」

 よしよし、って言いながら先生がぼくのあたまをなでてくれる。うれしいけど、ちょっとはずかしい。
 先生は先生の中でもすごくやさしいし、テレビに出てくる女ゆうさんみたいにきれいだ。
 それに今日のふくは先生のきれいなはだがよく見えるし、おっぱいがブラジャーからぽろんっとこぼれちゃいそうで……すごく、どきどきする。

「じゃ、ケガしたとこ見るから……シャツを持ち上げて」
「う、うん」

 先生がそう言ったので、ぼくはじぶんのシャツを上にめくる。
 ケガをしたのは……おなかのよこのあたりだったかな? いたくないからよくわからない。

「はい、もっと上げてー」
「んー」

 シャツをもっと上にあげて、ぼくのあごぐらいまでもち上げる。ちょっとさむい。
 先生はぼくのからだにかおを近づけてきて、じーっとみている。

「うふふ、ふーっ♪」
「ひゃっ! や、やめてよっ」

 と思ったら、いきなり先生がいきをふーっ、てぼくのおなかにかけてきた。先生はたのしそうにわらって、何回もいきをかけてくる。
 すごくびっくりして、しかもくすぐったい。とりはだが立ってきちゃった。

「ごめんごめん、あ、ケガしてるのはここかなー?
 んー、ぺろーっ♪」
「んぁ、せ、せんせ、ちょっとっ」 

 こんどは先生が、ぼくのからだをぺろっとベロでなめた。
 こ、こんなこと、だれにもされたことないのに……。
 あったかくてヌメヌメしてて、なぞられるたびにぞくってして……なんだかヘンなきぶん……。

「動いちゃだーめ、これは消毒なんだから。
 ほらほら、ここも……ぺろっ♪」
 
 先生が、いろんなところをペロペロしてくる。
 おへそのくぼみや、そのうえのむねのところに、ちっちゃいぽっちのところまで……。
 とくにむねのおまめみたいなところ…… 女の子ならおっぱいがあるところをなめられると、すごくどきどきする。

「せ、せんせい、そこっ……へんなかんじ……」
「ん〜? ここ? きもちいいの?」
「ん、んんっ……よく、わかんないけど……」
「ここはね、ちくび、っていうの。
 先生、消毒してるだけなのに……あれれ〜ヘンだね〜、気持ちよくなっちゃった?」

 先生のベロがちくび、っていうところをぺろえろとなめていく。
 みぎのちくびをなめながら、左の手でもういっこをゆびでくりくりってしてくる。
 あ、うう、なんだかむずむずして、おちんちんがいたい……。

「それにね、ここは女の子が気持ちよくなる場所なんだよ……?」
「ん、あぁ……」
「オトコのコなのに、乳首で感じちゃうの?
 せんせい、そんなにえっちな子だとはおもってなかったな♪」
「ち、ちがっ……ふゃっ、」
「いいんだよ、素直になっても。
 正直に言えたら、せんせいがもっと気持ちいい事してあげるよ……?」
  
 ケガではれたみたいに大きくなったぼくのおまたのあいだを、先生のやわらかい手がズボンの上からちょんちょんとつっつく。
 そう……いやらしいことをかんがえると、なぜかぼくはおちんちんが立ってしまう。
 先生もそれを知っているから、ぼくがえっちだってわかったんだ、きっとそうだ。
 もっと、きもちいい事……。せんせいがいったことに、ぼくはドキッとしちゃう

「ち、ちがうもん、これは……」
「ふふ……そうなの? じゃあもしかして、こっちもケガしてるのかしら。
 痛くないか確かめてみなくちゃ♪」
「せ、せんせっ……」
「大丈夫よ、怖くない、怖くない……♪」

 先生がぼくのあたまをやさしくなでてくれて――、
 そしたらいきなり、ぼくのズボンに先生の手がのびて、すごい力でひっぱられる!
 あわてて先生の手をぼくはおさえようとしたけど、力が入らなくて先生を止められない。
 あっというまにズボンはパンツと一緒にずり下げられて、ぼくのおちんちんが――、











 
 ……そこで僕は目が覚めた。

「……ん、」

 お昼が終わって三限目。
 講義の小テストで時間が余ってたせいか、つい寝てしまったらしい。ご飯の後はどうもよくないな。
 それに最近、あんな淫らな夢ばっかり見るし……欲求不満なんだろうか。

 時計を見ると……うん? 今、窓の外にいたの、ゆかりさんかな?
 「今日はお昼からずっと部室にいる予定」って言ってたはずだけど……。
 おっと、ちょうど試験時間も終わったみたいだ。

 僕が後ろから近付いても、ゆかりさんは気づいていないようだった。
 ゆかりさんは窓から教室の中をきょろきょろ見回してるみたいだけど、誰か探してるのかな? 
 次の講義まではまだ時間があるので、僕は外に出てゆかりさんに声を掛けてみる。

「も、も、もっと、ち、ちか、づか、ないと。あれ……どこ、いった……の、かな……」
「ゆかりさん?」
「ひゃうっ?! え、あ、あ、」
「あ、すみません。誰か探してたみたいだったので」
「あ、え、えと、だっ、だい、じょぶっ、だから……ご、ごご、ごめん、ねっ、」

 それだけ言うと、ゆかりさんは慌てて走っていってしまう。
 いつ見てもよたよたした走り方だからつまずいたり転んだりしないか不安だ。
 ……大学生の先輩に心配する事じゃないかもしれないけど。

 四限まで講義を受けたら、僕も部室に行くかな。












 ……ううん。ここはどこだ?

 大きなベッドにテレビ、テーブル。全然見覚えのない部屋だ。
 でも花柄とか、ネコとか、ファンシーな模様の家具や、女性もののファッション雑誌なんかがいっぱい置いてある。女の子が使ってる部屋みたいだ。
 窓にはかわいい馬のイラストのカーテンが掛かってて、ちょっと薄暗いけど明かりは付いている。
 それにしても、家具がどれもこれも大きい――いや、他が大きいっていうより、僕が子供みたいに小さくなった感じがする。

 すると不自然に多い足音と一緒に部屋のドアが開いて、背の高い女の人が入ってきた。
 けど入ってきたのは一人だけなのに、足音は二人分。
 それで、その女の人にはまるで馬みたいに足が四本もあるのに僕は気付いた。ファンタジー小説なんかに出てくる、ケンタウロスっていう人間の上半身と馬の胴体がくっついた生物に似ていた。
 人間部分だけ見ると胸の大きな、薄紫の髪をした優しそうな女性だ。
 その姿には誰かの面影を感じたけれど、長い前髪で顔が隠れているせいか、なぜか思い出せない。

「こーら、お姉ちゃんの部屋には勝手に入っちゃダメって言ったでしょ?」

 僕は……そうだ、僕は今小学生だったじゃないか。
 そしてこの女の人は、少し年の離れたぼくのお姉ちゃん。思い出した。
 僕とは違って四本足で、お馬さんみたいな下半身をしているけど、とにかくお姉ちゃんなんだ。

「え? あ、ごめんなさい……?」
「ほんとにもう。ほら、ちょっと座って」

 ぷりぷり怒りながらお姉ちゃんが言うので、言うとおりにその場で正座した。

「ね……またお姉ちゃんに……して欲しくなっちゃったんでしょ?
 大丈夫よ、お姉ちゃんが優しくしてあげるから」

 そう言って、お姉ちゃんは僕の前に座る。
 馬の姿は僕よりとても大きく見えるけど、怖いなんて思ったりはしない。
 それよりも僕はというと、お姉ちゃんの紫色のセーターから覗くお乳が気になって仕方なかった。
 
「おっぱい、見たいんだね」
「えっ、いや、」

 慌てて否定するけれど、お姉ちゃんはにっこり微笑んだまま、

「いいよ。ほらっ……」

 自分のセーターをぐいっと捲り上げる。
 綺麗な肌が露わになって、ぺろんとめくれたセーターからメロンみたいに大きなおっぱいが零れ出した。
 それはマシュマロみたいに柔らかそうで、甘い香りがほんのり漂ってくる。
 お姉ちゃんはセーターをおっぱいの上まで捲り上げ、セーターが垂れないようにくるんと回し、おっぱいがよく見えるようにした。

「私のおっぱい、いっつも気持ちよさそうに触ってるもんね。
 いいんだよ? 今日も好きなようにしても……♪」

 僕は顔を真っ赤にしながら、そのぷよんぷよんのおっぱいに手を添える。
 力を入れるとクッションみたいにふにょっと沈んで、僕の手を柔らかくぷるんと包んでいく。
 その感触がとても気持ち良くて、何度も揉みほぐすみたいにぐにぐにしてしまう。
 気が付くと僕はお姉ちゃんのおっぱいの柔らかさに夢中になっていた。

「あっ、ん……きもち、いいよ……」

 僕がぐにぐにと手を動かすたびに、お姉ちゃんも悩ましげな声を漏らす。女の子のこんなえっちな声を、僕は初めて聞いた。
 たまらずお姉ちゃんのおっぱいに顔を近づけて、ピンク色の乳首を口に含んだ。こりこりとして柔らかい乳首を咥えていると、落ち着くような、赤ちゃんになったような、不思議な気分だった。
 ぺろっと舌で舐めてみると、甘味とほんの少し汗の味が一緒になって口に広がる。
 
「んぅ、ち、乳首は弱いから、あんまり強くしないでね……ひゃうっ」

 ちゅぱっ、ちゅぱっ。ちゅっ。
 音を立てて先っぽを吸っていくと、乳首がますますぴんと尖がっていくのが分かる。
 んちゅっ、くちゅっ……。 
 しばらくお姉ちゃんのおっぱいに夢中になっていたら、ぴくっと僕の股間に何かが触れる。それはお姉ちゃんの手だった。

「え、えっ」
「ふふっ、じゃあベッドに行きましょうか」

 お姉ちゃんは僕の身体をすごい力で持ち上げると、ベッドに運んでそこに僕を座らせる。
 そしてお姉ちゃんがベッドの横で馬の足を畳むと、目線の高さが僕と同じくらいになった。

「はい、ちょっと寝転んで」 

 僕はゆっくり横に寝転がされて「足を延ばして」と声を掛けられる。
 するとお姉ちゃんは突然僕のズボンに手を掛けてきた。
 びっくりして僕は飛び上がりそうになったけど、何故かそれを拒めない。

「な、なんで、服を脱がすの……」
「うふふ、恥ずかしい?」
「あ、当たり前だよっ」

 楽しそうにお姉ちゃんは僕のズボンと一緒にトランクスまで脱がしてしまう。
 もじもじしようとしてもお姉ちゃんの上半身のしかかられて、僕の足は動かせない。
 トランクスが脱げるとぼくのおちんちんは勢いよく飛び出して、楽しそうなお姉ちゃんの声が聞こえた。

「あらー? こんなにピンと勃てちゃって。
 お姉ちゃんのおっぱい触ってたら、えっちな気分になっちゃった?」

 ちがう、なんて言えるわけがなかった。
 お姉ちゃんは僕の股間に顔を近づけると、おちんちんを手で優しく握ってくる。
 痛いほどに膨らんでいたぼくのおちんちんは、それだけでびくん、びくんと震えてしまう。

「お、お姉ちゃん! そんなとこ……!」
「だいじょうぶだいじょうぶ、怖くないから」

 お姉ちゃんの細い指がしゅっ、しゅっとおちんちんを擦る。
 誰にも見せたりしない恥ずかしい場所を、お姉ちゃんにじっと見られながら好きなように弄られてしまう――。
 とても気持ちがいいけど、でもそれ以上に恥ずかしくて顔から火が出そうになる。

「まだ皮は剥けてないのね。じゃ、痛くないようにしないと……♪」

 そう言ってお姉ちゃんは身体を屈めると、僕のおちんちんに息を吹きかけてくる。
 僕がくすぐったがってるうちに、今度はぺろっと先っぽの方を舌で舐められた。
 おしっこの出るきたない所なのに、お姉ちゃんはとても楽しそうにペロペロしてる。

「ひゃうっ、そこ、だめっ」
「ちゃんとヌルヌルにするけど、もし痛かったら言うんだよ?」

 口をもごもごさせながらお姉ちゃんが唇をおちんちんに近づける。
 お姉ちゃんの唇は唾液でねっとりと光っていて、見ているだけでもいやらしい。
 窄まった唇の中に、ゆっくりとおちんちんが飲み込まれて――、
 先っぽから、おちんちんの皮をねろんとめくり上げていく。

「あ…ふぁ……っ」

 お姉ちゃんの唇は柔らかくて、ぬるっとしてて。
 亀頭を包む皮がめくれるとちょっとだけ痛みがあったけど、すぐに痺れるような気持ちよさに変わり、身震いするような激しい快感が僕の身体を包んでいく。

「うん、よく我慢できたね。えらいえらい……♪」

 口の中は熱くて、ぬるぬるで、おちんちんとこすれるたびに腰がびくんってなっちゃう。
 それに、お姉ちゃんの口から鳴るいやらしい音……。
 ぬりゅっ、ぬちゅ。 じゅぷっ、ぬぷぷっ。 
 一度口を離して、お姉ちゃんは口からよだれをどろっとおちんちんに垂らす。
 そしてぬるぬるになったおちんちんを優しく握って、にちゃにちゃと皮ごと上下させる。
 にちゅ、ちゅっ、ぐちゅっ。

「お、おねえちゃ……なんか、へ、へんな、かんじ、だからっ、や、やめてぇっ」
「ん〜? ほんとに?」

 ほんのちょっとだけお姉ちゃんの動きが止まって、僕を上目遣いで見上げてくる。
 ……ウソだった。
 ホントはもっとお姉ちゃんのベロで、優しく舐めてほしい。
 でも恥ずかしくて恥ずかしくて、そんなコト言えるわけがない。

「う、うぅぅ……」

 お姉ちゃんはぜんぶ見透かしたみたいにふふっ、と笑って、またぼくのおちんちんをコスった。
 少しずつ、おちんちんを擦るスピードが速くなっていく。
 ぬちゅ、じゅぷっ、くちゅっ。
 こすられるたびに、どんどんいやらしい気持ちになってしまう。

「あ、あ、あぁっ……!」
「どう? おちんちんごしごし、気持ちいい?
 シャセイしたくなったら、いつでもイっちゃっていいからね♪」

 少しずつおちんちんを擦るスピードが速くなっていく。
 それと一緒に、カリの部分や先っちょもくりくりと、余すところなくいじってくる。
 しかも左手は僕のタマタマを優しく揉みほぐしてきて――、
 おちんちんの色んなところが気持ち良くて、頭の中が真っ白になっていく。

「じゃあ、今度はこっち♪」
「ふえ……?」

 そして自分の左手の人差し指を、ペロッとお姉ちゃんが口に咥えた。
 それから唾液でぬるぬるになった人差し指を僕のおしりの穴に当てて、表面をくるくるとなでまわしてくる。
 そんなヘンな所を触られたのに、僕は何故か気持ちよくなってしまう――。

「そ、そこ、だめっ、おしりっ……」
「そう〜?でもココ触ったとたん、おちんちんがびくびくってしたじゃない?
 ほんとはここも、ダメじゃないんでしょ?」
「や、あぁ、うぅ……」

 人差し指はゆっくり、ゆっくりおしりの中に入ってきて、中でぐねぐねっと回転するように動きだす。
 くちゅっ、くにっ、ぐにっ。   
 おしりにモノなんて入れたコトないのに、こんなの、ぜったい変なのに……気持ちいい。
 不思議な快感が広がって、おしりの奥がジンジンする、すごくヘンな気持ち……。
 にゅるっ、にゅるっとおしりの中を擦られるたび、おちんちんがぴくん、ぴくんと勝手に跳ねちゃう。
 僕の身体はびくびくと震え、頭の中が真っ白になっていく。

「お、お姉ちゃ、なっ、なんか、でちゃう……でちゃうよぉっ!」
「いいよ……いっぱい出して♪
 おちんちんがぴゅーってする時の気持ちよさそうなカオ、じーっと見ててあげる♪」

 お姉ちゃんはすごいスピードでおちんちんを擦りながら、亀頭の先っぽにベロを這わせてくる。
 あ、あ、このままだと、お姉ちゃんの顔に出しちゃう――! 

「はっ、あぁ、あっ、あぁ――ッ!」

 どぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅぅぅっ、と勢いよく、僕のおちんちんから白いドロドロの液体が噴き出す。
 おちんちんがびくっ、びくっと脈打って、凄い量の液体を吐き出した。
 白い液体のほとんどはお姉ちゃんの綺麗な顔や、おっぱいに飛び散って、べとべとに汚していく。その一部は口の中に飛んで、
 
「はぁっ……♪へいえき、ひっぱい……っ♪」

 お姉ちゃんは美味しそうにごくん、と飲み込んだ。

「ふーっ、ふーっ……」
「お疲れさま、いっぱい出せたね、よしよし……♪」

 疲れて後ろに倒れこんでしまった僕の頭を、お姉ちゃんが優しく撫でてくれる。
 すると大きなおっぱいが僕の顔をぽふっと包む形になり、なんだかさらに恥ずかしかった。

 
「でも、まだこれで終わりじゃないよ……?」
「え……ふぇ?」

 お姉ちゃんは僕の頭を撫でながら、自分の体をベッドに載せてきた。
 僕はお姉ちゃんの馬の身体にどっしりと伸し掛かられる体勢になったけれど、思ったより重くない。
 紫色の毛がふさふさしててまるで毛布みたいに心地が良い。

「もちろん、分かってるよね。せ・っ・く・す♪」
「で、でも……おねえちゃんっ……」
「うふふふ、おウマまんこの気持ちよさ、教えてあげる……。
 もう逃がさないか――ひゃあっ?!」
 
 その瞬間、お姉ちゃんが悲鳴をあげた。
 僕もすぐに異変を気づく――突然ベッドが、部屋が、部屋全体が揺れ始めた。

「ひゃ、あ、あ、あぁぁっ?!」

 お姉ちゃんはすごく慌てた声を上げながら、わたわたと震えはじめる。
 するとまるで壁紙を剥がすみたいに、周りの物がぼろぼろと崩れ始めていく。
 家具やテレビ、カーテンの形がぼろっと崩れてばらばらになっていくような、そんな光景。
 こんなの現実じゃあり得ない、まるで意味が分からない。
 これはいったい――、










 ……そこで僕は目が覚める。
 女の子の悲鳴と、ケータイが鳴ったような音にたたき起こされたらしい。
 
「……うーん、」

 頭を起こしながらスマートフォンを手に取ってみると、『地震警報』の通知が画面に表示されている。
 震度四、厳重警戒、と書いてある。でもテーブルのコーヒーがこぼれてるぐらいで、他は特に問題なさそうだ、よかった。
 あれ……えーっと、僕は何をしてたんだっけ。
 そうだ、四限の授業もいざ終わり、僕は部室にやって来て、そこにゆかりさんも居て……。
 ゆかりさんにこの前言ってた自分の作品を見せてもらってたんだ。
 ……でも、なんで眠ってしまったんだろう。さっきも寝てたからそんなに眠気はなかったはずなのに。

 あ、そういえばゆかりさんはどこに行ったんだ?

 そう思って僕はソファから立ち上がり、周りをぐるりと見渡してみる。
 部室は至ってシンプルな作りで、ソファとテーブルにノートパソコンぐらいしかない。 
 ソファは二人掛けが二台で、なんとか寝転べるくらいの大きさだ。
 ただ、もともと倉庫みたいに狭いスペースを無理やり部屋にしているので、そんなに広くはない。
 ……あ、さっきテーブルに零れたコーヒー、拭いておかないと。

「う……う、ぅ……こ、こ、こわ……い……よぉ……」

 呻くような恐ろしい声が聞こえて、僕はぎょっとする。
 どこから聞こえるんだ――と思って探してみるとそれはテーブルの下からだ。
 そこを覗き込んでみると、器用に体を折りたたんだゆかりさんが――あれ?

「……ゆかりさん?」

 ゆかりさんは床に寝転がっている……のだが、その姿がおかしい。

 上半身は紫のセーターを着たそのままなのだが、下半身に足がない。
 正確に言うと『人間の足がない』。
 四本の足にふさっとした紫の体毛の大きな下半身――それはまるで馬のよう。

「ひぇっ?! え、あ、あ、う……ご、ごめん、ね」
「い、いえ。 え、えーっと……地震があったみたいですけど、大丈夫ですか?」
「う……う、うん、だい、じょぶ……」

 ゆかりさんは真っ赤な顔で大きく頷こうとして、一度テーブルで頭を強く打った。
 声にならない声を上げながら、頭を抱えてゆかりさんはじたばた足と手を震わせている。

「い、いっ、ったぁ……あ、……あ、あれ? あし……が、すーすー……」
 
 異変に気付いたらしいゆかりさんは頭を押さえながら、その馬足をぷらぷらと震わせる。
 そして、その様子をじっと見つめていた僕と目が合った。

「……あ、あ、あ!あ! ち、ちが、ちがっ!わた、わた、こ、これはっ!」
 え、えあ、わ、わた、っ――あふっ?!」

 テーブルの下で暴れたゆかりさんはまた頭の同じ所を打って、痛そうにぐずぐずとすすり泣きを始めた。




 それから五分ほど経って、なんとかゆかりさんが這い出てこれた。
 ソファに寝かせたゆかりさんの頭を貰ってきた氷で冷やしていると、だいぶ落ち着いたみたいだ。
 大きなケガは無さそうでよかった……かな?
 しかしどうみても人間とは違う、馬のようなゆかりさんの下半身に、僕は戸惑いを隠せない。
 いたたまれない空気の中、意を決して僕は切り出した。

「ゆかりさんは、その……普通とはちょっと、身体の造りが違うんですか?」
「ふえ、あ、あの……わ、わた、わた、わたし……。
 ご、ごめん、なさい。ほ、ほんとは、に、に、にんげんじゃ、ないの」
「……え」
「あ、で、で、でも、……えと、えとね……」

 ゆかりさんは顔を真っ赤にしながら、頭を抱えこんでしまう。

「わ、わた、わたし、こ、こんなで、ちょ、ちょくせつ、いえ、ない、から……
 ゆ。ゆめ、なか、は、はいって……い、いろ、いろんな……こ、こと、して……かふぅっ」
「ゆ、ゆかりさん? 大丈夫ですか?」

 何を言っているのかはよく分からないけれど、ゆかりさんの耳は真っ赤で、頭に当てた氷が溶けそうなほど熱そうだ。
 ただ下半身以外はいつものゆかりさんとほぼ同じで、何も変わる所はなかった。

「……ゆかりさんが一体どういう方なのか、正直な所、僕にはわかりません。
 もしかしたらその姿も、僕には見せたくなかったんだと思います」
「う……うん……」
「けど、偶然でもゆかりさんのことを知れたのが、なんか嬉しくて。
 ええと、だからまだこれからも、一緒に居たいのは確かで……。
 ……文芸部なのに、こういう時どう言えばいいのかって、よく分かりませんね」

 僕はごまかすように笑って、目線を泳がせる。
 
「わ……わ、わた、し、まだ、い、い、いっしょ、に、い、いていい……の?」
「当たり前ですよ、ゆかりさんが居てくれるなら、僕も嬉しいです」
「あ、あ、……あぅ。あ、あり、……が、とう……」

 それだけ言うと、ゆかりさんは目を瞑ったまま、僕の膝を枕のようにして上半身を預けてきた。
 薄紫の髪がふわっと揺れて、柔らかいゆかりさんの身体の感触と温もりがする。

「すー……すー……」

 そのまま動けず僕がじっとしていると、ゆかりさんは寝息を立て始めた。
 顔を隠していた長い前髪が垂れて、安らかな寝顔が覗く。

「……結局、ゆかりさんって何者なんだろう」

 まあいいかと思いながら、こっそりゆかりさんの頬を触ってみる。餅みたいに柔らかい。
 とてもゆかりさんには言えないけれど、それは今日の夢に出てきた女の子の感触によく似ていた。
15/03/12 22:30更新 / しおやき

■作者メッセージ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

気軽に淫夢という単語が使えなくなってナイトメアさんへの風評被害が甚だしい。訴訟も辞さない。
でも夢の中だと気軽にシチュを作れていいよね…いいよね。

今回の主人公、ゆかりさんはいわゆるメカクレっ子をイメージして書きました。
また某ボカロとは特に関係ありませんが、このSSにおけるナイトメアのゆかりさんもぺったんこです。夢の中以外は。

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