☆MAJI☆GACHI☆HONKI☆
「はぁ〜♪ いい湯だなぁ〜♪」
お湯につかったあたしは湯おけの中で思いっきり身体を伸ばした。本当にいい湯である。あたしは火山地方出身のパイロゥであるから温泉にはちょっとうるさい。 ……と言ってもあたしは出不精だからそんな温泉めぐりとかはしないんだけど。でもこの天然の温泉であり少しぬめり気のあるお湯は肌にうるおいを与えつつあたしの身体を温める。いい湯だ。ま、炎系の魔物娘だからもともと温かいんだけど。
伸ばしていた手をぱしゃんと湯に叩きつけた。うち左手の薬指には新しい指輪つき。手を叩きつけるとお湯の波紋が起こる。その波は湯に浮いているおっぱいをぷるんぷるんと揺らした。うふふ、見てる見てる♪ そんなおっぱいを、湯の奥で揺らいで見えるお腹やお尻や太ももやお股も見てる♡
隣りにいる彼氏……いや、婚約者の俊則が見ている♪ 見まい見まいとするのについ見てしまうし、そのせいで勃起もしちゃっている♡
「なにさ、あたしはあんたの奥さんになるんだからいつでもヌイてあげるのに……」
ぺろりとくちびるをなめて、空中でシュッシュとしごく仕草をしてみせる。だけど
「……さすがにここだと、お湯や洗い場を汚して苦情が来るよ、朱美」
むすっと修行僧のように言う彼。うーん、そんなキャラじゃないはずなのになぁ。普段だったらほいほいと「じゃ、じゃあ……お願い」と言ったり、断るにしても「いやいやいや」ともう少し砕けた調子で言うのに。
始めて彼に出会ったのは2年半ほど前。会うチャンス自体はもう2ヶ月ほど前にあったはずだけど……いや本当にすごい。あたしと彼はアパートの隣部屋だったのだ。なのに、2ヶ月も会わなかった。もうびっくりだよね。そんな仰天なことになった理由は、彼が社畜だったから。
社畜だった彼はあたしが引っ越したその日は仕事で不在だった。始めて声をかけたのは、彼が仕事のかばんからゲーム機を落とした時だった。地面に落ちて壊れる前にあたしがダイビング・キャッチした。いやぁ、おおなめくじなみにいつものんびり適当にやっているあたしがあそこまで機敏に動けたのは人生初かもしれない。けど、ゲーム機落として壊れるとか絶対立ち直れないくらいに絶望するし、壊れなくてもセーブデータが飛んだらその次くらいに絶望する。あたしも割とゲーマーだから分かる。
まあ、これが初めて会ったキッカケ。聞いてみたら彼も忙しい社会人だけどゲームはちょいちょいやるクチで、あたしもやっているゲームをしていた。だからある日、あたしは彼の家に押しかけていってそのゲームの対戦をお誘いした(滅茶苦茶迷惑そうだったけど)。いやー、そのゲームはオンラインゲーじゃないのに周囲に同じゲームをしている人がいなかったから遊べて楽しかったよ。
そこからまあ、仲良くなって……パイロゥらしくちょちょいのちょいで火遊びエッチをきっかけに付き合い始めて……ってのが2年前。いろいろあって、で、今に至るわけだ。ああ、その間に彼が多忙で心身壊しかけたりそれで会社をやめたりしたけどホワイト企業にも再就職できたとかいう「いろいろ」なんかじゃ済まないイベントもあったね。
そして今日は二人で旅行して、温泉街のホテルにお泊りデートしている。それだけの旅行だと思っていたのに、まさかの、温泉街の由緒ある神社の中庭でプロポーズをされるなんて思っていなかった。
泊まる宿は福来ホテル かせんの宿。あの福来観光の高級路線のホテルだ。結構お高いホテルだ。風呂も室内露天風呂だし。プロポーズという一大イベントもあって結構奮発してくれたみたいだ。いやー、あたしは家でごろごろして駄弁ってエッチして、でいいんだけどなぁ……でも新鮮だし、彼の気持ちは嬉しかった。
とは言え、こんだけ勃起しているのにあたしに手を出そうとしないのは、新鮮を通り越して不自然だ。一体どうしたのか?
「あ、もしかして夜の"本番"まで溜めに溜めるつもり?」
「……まあ、そんなところかな」
「ふふーん♪ それは楽しみだなぁ♡ でもあんたはあたしの彼……じゃなくて旦那になるんだからさ、裸くらい見たってバチは当たらないと思うんだけど?」
お湯の中であたしは身体をくねらせてみせる。普段からパーカーしか着てないように見える格好して太ももだしたり、はたまた谷間や肩とかメッチャ出す、露出度高い服を着ていることが多いあたしだけど……
「ほぉらほぉら♡ 全部見られるのは俊則だけなんだぞぉ?」
「ああ、光栄だけど……今は勘弁して欲しい……我慢できなくなりそうだ」
「我慢しなきゃいいのに?」
我慢しているのは俊則だけじゃなくてあたしもなんだけどなぁ? アソコが温泉の湯以外で濡れているのを感じる。いや、ぶっちゃけると温泉に男女で旅行に来たらセックスと相場は決まっているようなもんだから、もう移動しているときから濡れていたかもしれない。
「……」
俊則は何も言わず目を閉じた。ふぅん。そこまで頑張るのかぁ。それをどうにかしてやろうかと一瞬いたずら心が出たけどやめた。パイロゥのあたしだったら情欲の火をさらに煽って爆発させることなんて朝飯前なんだけど……彼がここまで我慢するってのは相当だ。何か考えがあってのことなのだろう。だとしたら、それを邪魔するのは悪い気がした。まあ……大事な旦那さまなんだしさ。
それでも手をつなぐくらいは許されるよね? あたしは指を絡めて俊則の右手をとって、頭を彼の肩に乗せて、このあとどんなことをさせるのか楽しみにしながら、かせんの湯を楽しんだ。
二人別々に上がって、浴衣に身を包む。部屋に戻ると、布団がぴったしとくっついて並べられていた。仲居さんナイス! あとはもう寝るだけだ。もっとも「寝る」と「眠る」は全然違うんだけど♡
部屋を暗くして、隅の行灯をモチーフにした小さな明かりと天井の豆灯だけにする。布団の上にあぐらをかいている俊則の横にあたしは四つん這いですりよった。そっと浴衣の下の合わせ目から手を入れる。そこはもう爆発寸前なくらいまでにビンビンだった。
「まったくもう、こんなに我慢して♡ 俊則が言えばおっぱいもお口もおまんこもいくらでも使わせてヌイてあげるのに……」
「……もうね、それだけじゃ満足できないんだよ……」
耳に響いた俊則の声にあたしは目を丸くする。え、満足できないって、どういうこと……? ってかそれ以上に、どうしたのその雰囲気? そんなまるで地獄の底から響くようなどっしりとしたような声出すキャラじゃないじゃん?
俊則、基本的にはエッチのときは受け身だったじゃん? 始めての時はもうほぼあたし任せでめっちゃ射精していたし。たまに積極的になることもあったけどさ、その時はゲームに負けてあたしに煽られたときに「分からせてやる!」的な感じで半分ノリで襲うって程度だったじゃん? いったいどうしたの?
あたしが声をかけようとした次の瞬間、あたしは強引に俊則にくちびるを奪われていた。
「んんっ!? んんんん〜!?」
あまりにも突然すぎて抵抗すらできなかった。いや、するつもりないけど。でもびっくりする。
目を白黒させるあたしが抵抗しないことを良いことに俊則の舌があたしのくちびるを割って口内に入ってきて蹂躙してくる。あたしの舌にからみついたり、粘膜をなぞったり……
情熱的すぎるキスに、油断していたところを攻め込まれたあたしはすっかりとろけさせられていた。力が抜けて布団の上に倒れ込む。
そんなあたしの上に俊則は覆いかぶさってきた。浴衣の合わせ目に手をかけてがばっと広げる。あっというまに浴衣ははだけて胸がぷるんと震えながら飛び出す。現れたおっぱいに彼はそれぞれ手をかけてもみながら、片方の乳首に吸い付いた。
「あぁああっ!」
びくんとあたしの身体が跳ねる。お風呂に入っていたときからそれなりに準備が整っていたあたしの身体はそれだけでイキかけた。そこで終わればなんとか鳴ったのかも知れないけど、彼はやめなかった。乳首を吸いながらあたしの胸をもみ続ける。
「あっ、あん! だめ俊則……♡ そんなにされるとおっぱいだけでイッちゃ……ぁあああ!」
言い終わるより先に本当にイッてしまった。腰を浮かせてあたしは身体を痙攣させる。
「朱美、イッた?」
「い、イッたけど本当に今日どうし……くぅうう!?」
声が途切れた。あたしがイッたのであれば下の準備は整っているだろうと判断したらしい。俊則があたしのアソコに指を入れていた。それでも慎重に、第一関節まで。でもそんな心配はいらないくらいにあたしのおまんこは濡れていたし、ほぐれていた。
大丈夫と判断した俊則はそのまま指を進めた。異物の挿入にちんちんが入ったと勘違いしたあたしのおまんこは射精をねだってキュウキュウと締め付けようとする。
そんなあたしのおまんこの中を、俊則はおっぱいに吸いついて片手で揉みながら、ぐねぐねと指を動かしてかき回した。三点の同時攻めにあたしは首を左右に激しく振って喘いだ。
「だめっ♡ それだめぇ♡ おかしくなっちゃうぅう♡」
隣の部屋に聞かれてしまうかもしれない。そんな気遣いができないくらいにあたしは声を上げて乱れた。乱れすぎてもはや浴衣は完全にはだけ、帯がかろうじて合わせ目を作っているだけでほぼ全部見えてしまっている。そしてあたしの声に混じってふーふーと荒い俊則の鼻息と、あたしのおまんこのぐちゅぐちゅ音が、暗い部屋に響いていた。
「イックぅうううう!」
二回目のオーガズム。いや、軽イキも含めると何回目か分からない。そのくらい今あたしは俊則に良いようにされていた。こんなことをされるのは始めてだ。イヤじゃないけど。
『でもどうして今日、俊則はこんなに積極的なんだろう?』
アクメでぼーっとしている頭であたしは考える。パイロゥの情欲の炎を操るチカラを使いすぎた? いやいや、本当にとどめの一撃になってしまった可能性はあるけど、今日の俊則は自分の意思であたしの誘惑や炎に抗い、溜めに溜めていた。こんなふうに積極的になるのも自分の意思だろう。タケリダケでも使った? いやいや、たしかに勢いはそうだけど、食べた様子はなさそうだ。
そんなことを考えているあたしを見下ろしながら俊則が突然話しかけてきた。
「朱美……朱美は俺の女だな?」
「い、いまさら急に何を言っているの?」
パイロゥは一見人間でいうところのヤリマンビッチのように見えるかもしれないけど、エッチする相手が決まればその人一筋だ。そこは魔物娘だ。ましてや数時間前に婚約もした。それも俊則は分かっているだろう。いったい何が言いたいのか?
「頼めばお願いも聞いてくれる?」
「え? 内容にもよるけどだいたいのことは……」
特にエッチなことはもう何でもやってもいい。どんな変態プレイだろうとなんだろうと、愛する彼のためならなんだってやってあげたい。そう言えばさっき、なんか、いつもの「ヌく」だけじゃ満足できないって言ったっけ?
ありがとうと言って彼は自分が着ていた浴衣を脱ぎ捨てた。我慢に我慢を重ねていた肉棒はいつもより一回りくらい大きくなって張り詰めているんじゃないかと思えた。思わずごくりとあたしは喉を鳴らす。
そんなあたしに彼は覆いかぶさり、揺るぎない声で言った。
「それじゃあ朱美……今までみたいにヌくためとか、お互い気持ちよくなるためとかじゃなくて……
孕ませるために抱くから」
「…………え?」
耳を疑った。今、彼はなんと言った?
「え、え?」
あまりの、想像を越えた内容に、心と理解が追いつかない。間抜けな声を出しながらあたしはフリーズしてしまう。
混乱しているあたしをよそに、俊則はギンギンに勃起したペニスを、イッてぐちゃぐちゃになっているあたしのアソコにグッと押し当てた。いや、ちょっと先っぽが入っちゃってる。彼はあたしに訊ねた。
「……いいね?」
「は……はいぃぃ……♡」
頭はフリーズしたままだったが、魔物娘の、メスの本能が、あたしに答えを言わせていた。
その言葉が出たと同時に彼はぐっと腰を推し進めた。亀頭と子宮口が密着する。
同時にあたしたちは達していた。溜めに溜め込まれていた俊則の精液がどぷどぷとあたしのおまんこの中に注がれる。その精液を全部飲み干そうと子宮口が降りる……♡
「うぅ……さすがに我慢しているところに刺激が強すぎたな……」
あたしのナカにたっぷりと注ぎ終えた俊則が一息つきながら言う。
今日は精液はすべてあたしのナカに出したかったらしい。それで今日はずっと我慢していたようだ。その我慢からようやく解放されたからか、彼からさっきまでの重厚すぎる雰囲気が消え去り、柔和な調子が戻ってきていた。もっとも
「でもまだ、孕ませるために抱くから」
本気も本気の孕ませセックスだから、攻めの手をゆるめるつもりはないし、やめるつもりなんてもっとなかった。あたしのナカに入ってるチンポも、あたしに種付けしたいとビンビンのままだ。
俊則が腰を振り始めた。打ち付けるように上から腰を振り落とす。あたしも俊則のペニスを受け入れるべく、そして射精したら重力の影響で全部精液を受け止めるべく、無意識のうちに腰を軽く上げていた。今まで何回かやったことある種付け体位。
上からどすんどすんと子宮口が何回も亀頭でプレスされる。そのたびに振動が子宮全体に響いてしびれるような快感が全身へと回る。子宮が耕されて種を植え付けられる準備の快感……♡
びたんびたんと俊則の太ももとあたしのお尻がぶつかり合う。おまんことおちんちんが擦れ合うじゅぷじゅぷとした音もエッチぃけど、この肉同士がぶつかり合う音って原始的で素敵だ。こうして腰を軽く上げるとぶつかる位置がいいからか、大きな音が立つ。
「おっ♡ おほぉお♡ これ、これダメ♡ あ、あっ♡ おぉおお♡」
やばい。下品なオホ声が上がってしまっている。この体位は時々やるけど、こんな声が出るほど感じてしまっているのは始めてだ。 腰が上がっているから、二人の結合部が良く見えた。あたしのおまんこを俊則のぶっといちんちんが出入りしている。あたしの本気汁がまとわりついて白く泡立っている。ああ、あのおちんちんがあたしを孕ませるんだ……♡
「……きゅうぅうう!」
絞め落とされたネズミのような声をあたしは上げた。またイッていた。自分が孕まされる想像でイッた。もう何度目かのアクメか分からない。あたしのおまんこは自分のその想像を叶えようと、きゅうきゅうと締まった。
「あっ、くっ……締まって……出るッ!」
つられて俊則がまた射精する。でもその時、彼はぐいっと腰を押し付けるのを忘れていなかった。あたしのおまんこの奥の奥、子宮口にどくどくと精液が直接浴びせられる。ああ、たまらない……♡ 一滴も逃したくない♡ 無意識のうちにあたしは足を俊則の腰にからみつけて自分へと彼を引き寄せていた。
やがて俊則の射精が収まった。ぐったりと彼はあたしの上に倒れ込む。あたしはそれを受け止めた。ちょっと重いけど、その重みも心地良い……
しばらくあたしたちはそうして抱き合っていたが、俊則が離れようとした。あたしは再び彼の腰に足を絡みつけてロックした。
「だめ、抜かないで……♡」
「普段ヌイてやるって言っているくせに」
「そっちのヌくとこっちの抜くは違うのっ!」
二人でくすくす笑いあう。いずれにしても、俊則のペニスはまだ固い。いやまあ普段から何回戦もヤッているからそうだろうとは思っていたけどね。
三回目の種付けが始まる。今回は出す精液全部あたしの子宮に収めるつもりらしい。でも同じことをし続けるのも芸がない。
体勢を変えて今度はバックだ。
「う、あ……」
でも何度もイッたためか腕に力が入らず、上半身を支えられない。尻を高々と掲げる体勢になる。身体が安定せずふらふらするが、それが尻を揺するみたいになる。もう完全に交尾を誘うメスの獣だ。
唯一人間らしさである浴衣がふわりと背中にかかっていたが、それも俊則がまくりあげた。あたしの丸い尻をがっしりと両手で鷲掴みにする。それだけで期待でどうにかなってしまいそうだ。
そのまま、獣の体勢であたしたちはつながった。狼の遠吠えのようにあたしはのけぞって嬌声を上げる。
激しい抽挿が始まる。俊則は息を荒げながら、腰を振った。後ろから突かれたあたしのアソコから溢れた汁が飛び散って布団を汚す。
「あああっ! おっ、おほおおお♡ だめぇこれすごぃいい♡」
声を抑える余裕なんてない。可愛らしくなんて喘げない。獣めいた嬌声を上げてあたしは快楽の波に翻弄される。這っているのにどこかに飛んでいきそうだ。布団を握りしめてそれに耐える。
「ああーっ!! イくっ! またイクぅう♡」
何回もイキまくって、頭がどうにかなってしまいそうだ。でもまだ足りない。もっと欲しい。気持ちいいのも、俊則の精液も……!
「しゅごぉ、しゅごいよぉ♡ ああん、んぁああ♡ しゅきぃ♡」
ろれつの回らない舌であたしは俊則に訴える。俊則が好きだ。大好きだ。大好きだからいっぱいセックスしたい。いっぱい気持ちよくしてあげたいし、いっぱいヌイてあげたいし……いっぱい孕んであげたい♡
いつの間にか俊則の手は尻になく、あたしのお腹に回っていた。ああ、射精するときにぐっと引き寄せて奥で出すつもりだ……あたしを孕ませるために……♡ ただの中出しじゃない、マジの、ガチの、本気の、孕ませ射精だから……♡ その想像でまたイッてしまう。
「イク……イクよ……!」
一方の俊則も限界だったようだ。荒い息使いの下であたしに宣言する。
射精が始まった。予想通り、その瞬間に彼は腕でぐっとあたしを引き寄せた。あたしの子宮口と俊則の亀頭がディープキスする。これ以上にないくらいに密接した距離で、三回目とは思えないくらいの特濃精液が、火山の噴火のごとく亀頭から沸き起こり、あたしの赤ちゃんの部屋へと届けられる。
「んひぃいいいいい♡」
耐えられるはずがない。この日一番のアクメだった。言葉にならない声を上げながらあたしは全身をびくんびくんと痙攣させる。心も身体も快感の大嵐が吹き荒れた。
もう限界だ。バックの体勢を保つ体力すら残っていない。あたしは宿の布団に突っ伏す。それでも完全に横にはならず、軽くお尻を上げておまんこから精液が流れ出ないようにしたのは魔物娘の本能だろうか。
まぶたが重い。とりあえず一休みだ。泥のような無意識の世界にあたしの意識は飲まれる。その直前に感じたのは……俊則の優しいキスだった。
空が白み始めたころにあたしは目を覚ました。昨日のできごとが嘘だったかのようにあたしは浴衣を着ている。でも昨日のことは夢ではない。帯の結び方はいい加減だったし、なによりあたしの身体が昨日の出来事を忘れていない。膣奥ではまだ俊則の白濁液が波打っている。収まりきらなくて一部は浴衣や布団に染みてしまっている。弁償しなきゃいけないかもな、こりゃ。
あたしのナカに出した本人は、横ですやすやと眠っている。そりゃあんなに激しくヤッて出したから無理もないか。
結局、正常位で2回、バックで1回……そこで一回気絶したけど復活して対面座位で1回、騎乗位で1回、ダメ押しに正常位で1回……合計6回戦もした。時間が何時だったかは覚えていない。なお、これは俊則の射精の回数だけをカウントしている。あたしはその6回戦の間に何回イッたかは……数え切れない。いやぁ……いいセックスだった。
『それにしても……孕ませる、かぁ……』
昨日のセックスを振り返り、お腹をさすりながらあたしは考える。
付き合っていたらそのうち俊則と結婚はするだろうなとは思っていた。でも、子どもとなると実はあんまり考えていなかった。いや、子どもが嫌いとか望んでいないとかではない。魔物娘が子どもができにくいのに加えて、あたしがセックスを自分や俊則を気持ちよくすることと思っていて、恥ずかしながらすっぽりと子どもという考えが抜け落ちていたのだ。
でも昨日、あんなふうに言われて求められたら……意識してしまう。子宮が孕みたがってきゅんきゅんと疼いてしまう。
「……分かったよ。俊則の赤ちゃん、孕んであげる。妊娠したら、妊娠中は今までみたいにヌキヌキしてあげるね♡」
寝てるから見えてないけど、あたしは手をワキワキと動かしてみせる。その手をまたお腹に持っていってさすりながら、あたしは続けた。
「……だからそれまではみっちりと、孕まセックスを、おねがいね♡」
お湯につかったあたしは湯おけの中で思いっきり身体を伸ばした。本当にいい湯である。あたしは火山地方出身のパイロゥであるから温泉にはちょっとうるさい。 ……と言ってもあたしは出不精だからそんな温泉めぐりとかはしないんだけど。でもこの天然の温泉であり少しぬめり気のあるお湯は肌にうるおいを与えつつあたしの身体を温める。いい湯だ。ま、炎系の魔物娘だからもともと温かいんだけど。
伸ばしていた手をぱしゃんと湯に叩きつけた。うち左手の薬指には新しい指輪つき。手を叩きつけるとお湯の波紋が起こる。その波は湯に浮いているおっぱいをぷるんぷるんと揺らした。うふふ、見てる見てる♪ そんなおっぱいを、湯の奥で揺らいで見えるお腹やお尻や太ももやお股も見てる♡
隣りにいる彼氏……いや、婚約者の俊則が見ている♪ 見まい見まいとするのについ見てしまうし、そのせいで勃起もしちゃっている♡
「なにさ、あたしはあんたの奥さんになるんだからいつでもヌイてあげるのに……」
ぺろりとくちびるをなめて、空中でシュッシュとしごく仕草をしてみせる。だけど
「……さすがにここだと、お湯や洗い場を汚して苦情が来るよ、朱美」
むすっと修行僧のように言う彼。うーん、そんなキャラじゃないはずなのになぁ。普段だったらほいほいと「じゃ、じゃあ……お願い」と言ったり、断るにしても「いやいやいや」ともう少し砕けた調子で言うのに。
始めて彼に出会ったのは2年半ほど前。会うチャンス自体はもう2ヶ月ほど前にあったはずだけど……いや本当にすごい。あたしと彼はアパートの隣部屋だったのだ。なのに、2ヶ月も会わなかった。もうびっくりだよね。そんな仰天なことになった理由は、彼が社畜だったから。
社畜だった彼はあたしが引っ越したその日は仕事で不在だった。始めて声をかけたのは、彼が仕事のかばんからゲーム機を落とした時だった。地面に落ちて壊れる前にあたしがダイビング・キャッチした。いやぁ、おおなめくじなみにいつものんびり適当にやっているあたしがあそこまで機敏に動けたのは人生初かもしれない。けど、ゲーム機落として壊れるとか絶対立ち直れないくらいに絶望するし、壊れなくてもセーブデータが飛んだらその次くらいに絶望する。あたしも割とゲーマーだから分かる。
まあ、これが初めて会ったキッカケ。聞いてみたら彼も忙しい社会人だけどゲームはちょいちょいやるクチで、あたしもやっているゲームをしていた。だからある日、あたしは彼の家に押しかけていってそのゲームの対戦をお誘いした(滅茶苦茶迷惑そうだったけど)。いやー、そのゲームはオンラインゲーじゃないのに周囲に同じゲームをしている人がいなかったから遊べて楽しかったよ。
そこからまあ、仲良くなって……パイロゥらしくちょちょいのちょいで火遊びエッチをきっかけに付き合い始めて……ってのが2年前。いろいろあって、で、今に至るわけだ。ああ、その間に彼が多忙で心身壊しかけたりそれで会社をやめたりしたけどホワイト企業にも再就職できたとかいう「いろいろ」なんかじゃ済まないイベントもあったね。
そして今日は二人で旅行して、温泉街のホテルにお泊りデートしている。それだけの旅行だと思っていたのに、まさかの、温泉街の由緒ある神社の中庭でプロポーズをされるなんて思っていなかった。
泊まる宿は福来ホテル かせんの宿。あの福来観光の高級路線のホテルだ。結構お高いホテルだ。風呂も室内露天風呂だし。プロポーズという一大イベントもあって結構奮発してくれたみたいだ。いやー、あたしは家でごろごろして駄弁ってエッチして、でいいんだけどなぁ……でも新鮮だし、彼の気持ちは嬉しかった。
とは言え、こんだけ勃起しているのにあたしに手を出そうとしないのは、新鮮を通り越して不自然だ。一体どうしたのか?
「あ、もしかして夜の"本番"まで溜めに溜めるつもり?」
「……まあ、そんなところかな」
「ふふーん♪ それは楽しみだなぁ♡ でもあんたはあたしの彼……じゃなくて旦那になるんだからさ、裸くらい見たってバチは当たらないと思うんだけど?」
お湯の中であたしは身体をくねらせてみせる。普段からパーカーしか着てないように見える格好して太ももだしたり、はたまた谷間や肩とかメッチャ出す、露出度高い服を着ていることが多いあたしだけど……
「ほぉらほぉら♡ 全部見られるのは俊則だけなんだぞぉ?」
「ああ、光栄だけど……今は勘弁して欲しい……我慢できなくなりそうだ」
「我慢しなきゃいいのに?」
我慢しているのは俊則だけじゃなくてあたしもなんだけどなぁ? アソコが温泉の湯以外で濡れているのを感じる。いや、ぶっちゃけると温泉に男女で旅行に来たらセックスと相場は決まっているようなもんだから、もう移動しているときから濡れていたかもしれない。
「……」
俊則は何も言わず目を閉じた。ふぅん。そこまで頑張るのかぁ。それをどうにかしてやろうかと一瞬いたずら心が出たけどやめた。パイロゥのあたしだったら情欲の火をさらに煽って爆発させることなんて朝飯前なんだけど……彼がここまで我慢するってのは相当だ。何か考えがあってのことなのだろう。だとしたら、それを邪魔するのは悪い気がした。まあ……大事な旦那さまなんだしさ。
それでも手をつなぐくらいは許されるよね? あたしは指を絡めて俊則の右手をとって、頭を彼の肩に乗せて、このあとどんなことをさせるのか楽しみにしながら、かせんの湯を楽しんだ。
二人別々に上がって、浴衣に身を包む。部屋に戻ると、布団がぴったしとくっついて並べられていた。仲居さんナイス! あとはもう寝るだけだ。もっとも「寝る」と「眠る」は全然違うんだけど♡
部屋を暗くして、隅の行灯をモチーフにした小さな明かりと天井の豆灯だけにする。布団の上にあぐらをかいている俊則の横にあたしは四つん這いですりよった。そっと浴衣の下の合わせ目から手を入れる。そこはもう爆発寸前なくらいまでにビンビンだった。
「まったくもう、こんなに我慢して♡ 俊則が言えばおっぱいもお口もおまんこもいくらでも使わせてヌイてあげるのに……」
「……もうね、それだけじゃ満足できないんだよ……」
耳に響いた俊則の声にあたしは目を丸くする。え、満足できないって、どういうこと……? ってかそれ以上に、どうしたのその雰囲気? そんなまるで地獄の底から響くようなどっしりとしたような声出すキャラじゃないじゃん?
俊則、基本的にはエッチのときは受け身だったじゃん? 始めての時はもうほぼあたし任せでめっちゃ射精していたし。たまに積極的になることもあったけどさ、その時はゲームに負けてあたしに煽られたときに「分からせてやる!」的な感じで半分ノリで襲うって程度だったじゃん? いったいどうしたの?
あたしが声をかけようとした次の瞬間、あたしは強引に俊則にくちびるを奪われていた。
「んんっ!? んんんん〜!?」
あまりにも突然すぎて抵抗すらできなかった。いや、するつもりないけど。でもびっくりする。
目を白黒させるあたしが抵抗しないことを良いことに俊則の舌があたしのくちびるを割って口内に入ってきて蹂躙してくる。あたしの舌にからみついたり、粘膜をなぞったり……
情熱的すぎるキスに、油断していたところを攻め込まれたあたしはすっかりとろけさせられていた。力が抜けて布団の上に倒れ込む。
そんなあたしの上に俊則は覆いかぶさってきた。浴衣の合わせ目に手をかけてがばっと広げる。あっというまに浴衣ははだけて胸がぷるんと震えながら飛び出す。現れたおっぱいに彼はそれぞれ手をかけてもみながら、片方の乳首に吸い付いた。
「あぁああっ!」
びくんとあたしの身体が跳ねる。お風呂に入っていたときからそれなりに準備が整っていたあたしの身体はそれだけでイキかけた。そこで終わればなんとか鳴ったのかも知れないけど、彼はやめなかった。乳首を吸いながらあたしの胸をもみ続ける。
「あっ、あん! だめ俊則……♡ そんなにされるとおっぱいだけでイッちゃ……ぁあああ!」
言い終わるより先に本当にイッてしまった。腰を浮かせてあたしは身体を痙攣させる。
「朱美、イッた?」
「い、イッたけど本当に今日どうし……くぅうう!?」
声が途切れた。あたしがイッたのであれば下の準備は整っているだろうと判断したらしい。俊則があたしのアソコに指を入れていた。それでも慎重に、第一関節まで。でもそんな心配はいらないくらいにあたしのおまんこは濡れていたし、ほぐれていた。
大丈夫と判断した俊則はそのまま指を進めた。異物の挿入にちんちんが入ったと勘違いしたあたしのおまんこは射精をねだってキュウキュウと締め付けようとする。
そんなあたしのおまんこの中を、俊則はおっぱいに吸いついて片手で揉みながら、ぐねぐねと指を動かしてかき回した。三点の同時攻めにあたしは首を左右に激しく振って喘いだ。
「だめっ♡ それだめぇ♡ おかしくなっちゃうぅう♡」
隣の部屋に聞かれてしまうかもしれない。そんな気遣いができないくらいにあたしは声を上げて乱れた。乱れすぎてもはや浴衣は完全にはだけ、帯がかろうじて合わせ目を作っているだけでほぼ全部見えてしまっている。そしてあたしの声に混じってふーふーと荒い俊則の鼻息と、あたしのおまんこのぐちゅぐちゅ音が、暗い部屋に響いていた。
「イックぅうううう!」
二回目のオーガズム。いや、軽イキも含めると何回目か分からない。そのくらい今あたしは俊則に良いようにされていた。こんなことをされるのは始めてだ。イヤじゃないけど。
『でもどうして今日、俊則はこんなに積極的なんだろう?』
アクメでぼーっとしている頭であたしは考える。パイロゥの情欲の炎を操るチカラを使いすぎた? いやいや、本当にとどめの一撃になってしまった可能性はあるけど、今日の俊則は自分の意思であたしの誘惑や炎に抗い、溜めに溜めていた。こんなふうに積極的になるのも自分の意思だろう。タケリダケでも使った? いやいや、たしかに勢いはそうだけど、食べた様子はなさそうだ。
そんなことを考えているあたしを見下ろしながら俊則が突然話しかけてきた。
「朱美……朱美は俺の女だな?」
「い、いまさら急に何を言っているの?」
パイロゥは一見人間でいうところのヤリマンビッチのように見えるかもしれないけど、エッチする相手が決まればその人一筋だ。そこは魔物娘だ。ましてや数時間前に婚約もした。それも俊則は分かっているだろう。いったい何が言いたいのか?
「頼めばお願いも聞いてくれる?」
「え? 内容にもよるけどだいたいのことは……」
特にエッチなことはもう何でもやってもいい。どんな変態プレイだろうとなんだろうと、愛する彼のためならなんだってやってあげたい。そう言えばさっき、なんか、いつもの「ヌく」だけじゃ満足できないって言ったっけ?
ありがとうと言って彼は自分が着ていた浴衣を脱ぎ捨てた。我慢に我慢を重ねていた肉棒はいつもより一回りくらい大きくなって張り詰めているんじゃないかと思えた。思わずごくりとあたしは喉を鳴らす。
そんなあたしに彼は覆いかぶさり、揺るぎない声で言った。
「それじゃあ朱美……今までみたいにヌくためとか、お互い気持ちよくなるためとかじゃなくて……
孕ませるために抱くから」
「…………え?」
耳を疑った。今、彼はなんと言った?
「え、え?」
あまりの、想像を越えた内容に、心と理解が追いつかない。間抜けな声を出しながらあたしはフリーズしてしまう。
混乱しているあたしをよそに、俊則はギンギンに勃起したペニスを、イッてぐちゃぐちゃになっているあたしのアソコにグッと押し当てた。いや、ちょっと先っぽが入っちゃってる。彼はあたしに訊ねた。
「……いいね?」
「は……はいぃぃ……♡」
頭はフリーズしたままだったが、魔物娘の、メスの本能が、あたしに答えを言わせていた。
その言葉が出たと同時に彼はぐっと腰を推し進めた。亀頭と子宮口が密着する。
同時にあたしたちは達していた。溜めに溜め込まれていた俊則の精液がどぷどぷとあたしのおまんこの中に注がれる。その精液を全部飲み干そうと子宮口が降りる……♡
「うぅ……さすがに我慢しているところに刺激が強すぎたな……」
あたしのナカにたっぷりと注ぎ終えた俊則が一息つきながら言う。
今日は精液はすべてあたしのナカに出したかったらしい。それで今日はずっと我慢していたようだ。その我慢からようやく解放されたからか、彼からさっきまでの重厚すぎる雰囲気が消え去り、柔和な調子が戻ってきていた。もっとも
「でもまだ、孕ませるために抱くから」
本気も本気の孕ませセックスだから、攻めの手をゆるめるつもりはないし、やめるつもりなんてもっとなかった。あたしのナカに入ってるチンポも、あたしに種付けしたいとビンビンのままだ。
俊則が腰を振り始めた。打ち付けるように上から腰を振り落とす。あたしも俊則のペニスを受け入れるべく、そして射精したら重力の影響で全部精液を受け止めるべく、無意識のうちに腰を軽く上げていた。今まで何回かやったことある種付け体位。
上からどすんどすんと子宮口が何回も亀頭でプレスされる。そのたびに振動が子宮全体に響いてしびれるような快感が全身へと回る。子宮が耕されて種を植え付けられる準備の快感……♡
びたんびたんと俊則の太ももとあたしのお尻がぶつかり合う。おまんことおちんちんが擦れ合うじゅぷじゅぷとした音もエッチぃけど、この肉同士がぶつかり合う音って原始的で素敵だ。こうして腰を軽く上げるとぶつかる位置がいいからか、大きな音が立つ。
「おっ♡ おほぉお♡ これ、これダメ♡ あ、あっ♡ おぉおお♡」
やばい。下品なオホ声が上がってしまっている。この体位は時々やるけど、こんな声が出るほど感じてしまっているのは始めてだ。 腰が上がっているから、二人の結合部が良く見えた。あたしのおまんこを俊則のぶっといちんちんが出入りしている。あたしの本気汁がまとわりついて白く泡立っている。ああ、あのおちんちんがあたしを孕ませるんだ……♡
「……きゅうぅうう!」
絞め落とされたネズミのような声をあたしは上げた。またイッていた。自分が孕まされる想像でイッた。もう何度目かのアクメか分からない。あたしのおまんこは自分のその想像を叶えようと、きゅうきゅうと締まった。
「あっ、くっ……締まって……出るッ!」
つられて俊則がまた射精する。でもその時、彼はぐいっと腰を押し付けるのを忘れていなかった。あたしのおまんこの奥の奥、子宮口にどくどくと精液が直接浴びせられる。ああ、たまらない……♡ 一滴も逃したくない♡ 無意識のうちにあたしは足を俊則の腰にからみつけて自分へと彼を引き寄せていた。
やがて俊則の射精が収まった。ぐったりと彼はあたしの上に倒れ込む。あたしはそれを受け止めた。ちょっと重いけど、その重みも心地良い……
しばらくあたしたちはそうして抱き合っていたが、俊則が離れようとした。あたしは再び彼の腰に足を絡みつけてロックした。
「だめ、抜かないで……♡」
「普段ヌイてやるって言っているくせに」
「そっちのヌくとこっちの抜くは違うのっ!」
二人でくすくす笑いあう。いずれにしても、俊則のペニスはまだ固い。いやまあ普段から何回戦もヤッているからそうだろうとは思っていたけどね。
三回目の種付けが始まる。今回は出す精液全部あたしの子宮に収めるつもりらしい。でも同じことをし続けるのも芸がない。
体勢を変えて今度はバックだ。
「う、あ……」
でも何度もイッたためか腕に力が入らず、上半身を支えられない。尻を高々と掲げる体勢になる。身体が安定せずふらふらするが、それが尻を揺するみたいになる。もう完全に交尾を誘うメスの獣だ。
唯一人間らしさである浴衣がふわりと背中にかかっていたが、それも俊則がまくりあげた。あたしの丸い尻をがっしりと両手で鷲掴みにする。それだけで期待でどうにかなってしまいそうだ。
そのまま、獣の体勢であたしたちはつながった。狼の遠吠えのようにあたしはのけぞって嬌声を上げる。
激しい抽挿が始まる。俊則は息を荒げながら、腰を振った。後ろから突かれたあたしのアソコから溢れた汁が飛び散って布団を汚す。
「あああっ! おっ、おほおおお♡ だめぇこれすごぃいい♡」
声を抑える余裕なんてない。可愛らしくなんて喘げない。獣めいた嬌声を上げてあたしは快楽の波に翻弄される。這っているのにどこかに飛んでいきそうだ。布団を握りしめてそれに耐える。
「ああーっ!! イくっ! またイクぅう♡」
何回もイキまくって、頭がどうにかなってしまいそうだ。でもまだ足りない。もっと欲しい。気持ちいいのも、俊則の精液も……!
「しゅごぉ、しゅごいよぉ♡ ああん、んぁああ♡ しゅきぃ♡」
ろれつの回らない舌であたしは俊則に訴える。俊則が好きだ。大好きだ。大好きだからいっぱいセックスしたい。いっぱい気持ちよくしてあげたいし、いっぱいヌイてあげたいし……いっぱい孕んであげたい♡
いつの間にか俊則の手は尻になく、あたしのお腹に回っていた。ああ、射精するときにぐっと引き寄せて奥で出すつもりだ……あたしを孕ませるために……♡ ただの中出しじゃない、マジの、ガチの、本気の、孕ませ射精だから……♡ その想像でまたイッてしまう。
「イク……イクよ……!」
一方の俊則も限界だったようだ。荒い息使いの下であたしに宣言する。
射精が始まった。予想通り、その瞬間に彼は腕でぐっとあたしを引き寄せた。あたしの子宮口と俊則の亀頭がディープキスする。これ以上にないくらいに密接した距離で、三回目とは思えないくらいの特濃精液が、火山の噴火のごとく亀頭から沸き起こり、あたしの赤ちゃんの部屋へと届けられる。
「んひぃいいいいい♡」
耐えられるはずがない。この日一番のアクメだった。言葉にならない声を上げながらあたしは全身をびくんびくんと痙攣させる。心も身体も快感の大嵐が吹き荒れた。
もう限界だ。バックの体勢を保つ体力すら残っていない。あたしは宿の布団に突っ伏す。それでも完全に横にはならず、軽くお尻を上げておまんこから精液が流れ出ないようにしたのは魔物娘の本能だろうか。
まぶたが重い。とりあえず一休みだ。泥のような無意識の世界にあたしの意識は飲まれる。その直前に感じたのは……俊則の優しいキスだった。
空が白み始めたころにあたしは目を覚ました。昨日のできごとが嘘だったかのようにあたしは浴衣を着ている。でも昨日のことは夢ではない。帯の結び方はいい加減だったし、なによりあたしの身体が昨日の出来事を忘れていない。膣奥ではまだ俊則の白濁液が波打っている。収まりきらなくて一部は浴衣や布団に染みてしまっている。弁償しなきゃいけないかもな、こりゃ。
あたしのナカに出した本人は、横ですやすやと眠っている。そりゃあんなに激しくヤッて出したから無理もないか。
結局、正常位で2回、バックで1回……そこで一回気絶したけど復活して対面座位で1回、騎乗位で1回、ダメ押しに正常位で1回……合計6回戦もした。時間が何時だったかは覚えていない。なお、これは俊則の射精の回数だけをカウントしている。あたしはその6回戦の間に何回イッたかは……数え切れない。いやぁ……いいセックスだった。
『それにしても……孕ませる、かぁ……』
昨日のセックスを振り返り、お腹をさすりながらあたしは考える。
付き合っていたらそのうち俊則と結婚はするだろうなとは思っていた。でも、子どもとなると実はあんまり考えていなかった。いや、子どもが嫌いとか望んでいないとかではない。魔物娘が子どもができにくいのに加えて、あたしがセックスを自分や俊則を気持ちよくすることと思っていて、恥ずかしながらすっぽりと子どもという考えが抜け落ちていたのだ。
でも昨日、あんなふうに言われて求められたら……意識してしまう。子宮が孕みたがってきゅんきゅんと疼いてしまう。
「……分かったよ。俊則の赤ちゃん、孕んであげる。妊娠したら、妊娠中は今までみたいにヌキヌキしてあげるね♡」
寝てるから見えてないけど、あたしは手をワキワキと動かしてみせる。その手をまたお腹に持っていってさすりながら、あたしは続けた。
「……だからそれまではみっちりと、孕まセックスを、おねがいね♡」
21/12/04 22:13更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)