連載小説
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ゾマ城の悲劇
「レオナ将軍、ゾマの者は籠城戦の構えです」
「お得意の戦法で来るか……」
 湖の中央に浮かぶゾマ城攻略戦で、魔物娘軍の総大将 レオナ将軍は部下からの報告に唸った。
「将軍。城を攻める心構えはできています。いつでも命令を下してくだされば…」
「そうあせるな。今ゾマ城に攻め込んだとしても無駄な犠牲を多く払うだけだ」
 目を爛々と輝かせ気合十分と言った兵士をレオナはなだめる。こちらは身体能力も高い魔物娘。最悪な事態は避けられるだろうが、それでも怪我などは避けたいものだ。それに、犠牲を払うというのはこちらだけではない。向こうで戦死者がでる可能性がある。人間は一人でも魔物娘の番として共に生きていきたい。だから犠牲は極力小さくしたい。魔物娘、ひいては魔王の願いとしてレオナは突撃の意見に首を横に振るのであった。
「でもでも〜、それじゃあ早く男を捕まえてエッチしたい兵士達の気持ちが収まらないんじゃないかな〜?」
「……パライゾか」
 突然聞こえてきた気の抜けるようなふざけた調子にレオナはため息をつきながら彼女の名前を呼んだ。現れたのは道化師然りとした格好の魔物娘……ボギーのパライゾだ。
 魔物娘と言えど戦争は気が荒む。その気を祓い、士気を上げるためにレクリエーション係としてボギーら人を楽しませるような魔物娘にも招集がかかるのだが……このパライゾ、なかなか軍略でも頭が回る魔物娘であるため、レオナは彼女を横に置いていた。
「ここはボギーのパライゾ様におまかせあれ!」
「……いいだろう。だがいいか、卑劣なマネだけはするなよ。そこを忘れないでくれ」
 レオナ将軍の許可を受けたパライゾは大仰にお辞儀をしてみて、スキップで陣営を出ていった。



 パライゾは僅かな伴を連れてゾマ城から数キロ離れた山に来ていた。ここから流れる川はゾマ城の湖に繋がっている。もう懸命な読者の諸君であればパライゾが何をしようとしているかはおわかりかもしれない。
「この川の水を毒に変えてやる……」
 ニヤニヤしながら彼女は胸の谷間から小瓶を取り出す。桜色の美しい液体が入った小瓶……その蓋をとり、パライゾはさらに指先からボギーならではの滴り落ちる血のように赤い魔力のしずくを垂らした。途端に液体は濃厚なマゼンタ色になった。
 それを川に全て注ぎ入れる。果たしてその毒の効果は……
「触れただけで感度3000倍になって即アクメじゃあ……ヒョーッヒョッヒョヒョ!」
 マゼンタ色の毒はあっという間に川に溶け込み、ゾマ城へと流れ進んでいく。
「ヒッヒッ……何百もの嬌声が奏でるオーケストラ、さぞ聞き応えがあるだろう……ヒッヒッ……」


 果たしてゾマ城の水源には強力な媚薬が混ぜられ、次々兵士たちは発情し、ある者は触れられてもいないのに射精し、ある者は自ら魔物娘に飛びつき、ある者は気丈にも戦おうとするが発情した身体では剣を振ることもおぼつかず魔物娘に捕まって連れ去られ……魔物娘軍の圧勝に終わったのであった。
21/10/21 20:54更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)
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■作者メッセージ
いや、どっかの誰かがボギーさんを見たときにFF6のケ●カの話なんかしたものだから……オリジナルは本当に悲劇となり、ゴザルが激おこし、さらに機関車のイベントで泣くことになるのですが……

今回もボギーらしさは道化姿だけという状態ですが、笑ってくだされば幸いです、ジョージぃ

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