連載小説
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後編
「くっ……どうしたものか……」
 徐々に暗くなっていく森の中、テントの横で、青年になりかけている少年が立ったり石に座ったりと落ち着きなく過ごしている。彼がキリム。イルトスト王国出身で今回、魔物の討伐のためにアメリ、ルフィン、パティーと共に旅立った勇者である。
 今日はこの森の中で野営をすることとなった。アメリには薪と水の調達、ルフィンとパティーには結界の用意を頼み、自身はキャンプの防衛も兼ねてテントに残り料理の準備をしていたのだが……待てども待てども誰も帰ってこない。少なくとも一人が戻ってくれば交代して探しに行くとかできるのだが、今ここにいるのは自分一人。自分までここを離れると、すれ違いになったりあるいは誰も居ないところを獣や魔物が襲撃してこのキャンプをめちゃくちゃにしてしまう可能性もある。そのため、キリムは仲間を信じて待っていたのだが……それでも誰も帰ってこない。
 日はほぼ沈み、カンテラに火を灯し、近くにあった枝などを使って小さなキャンプファイアーを作ったころ、キリムは何者かが枯れ葉を踏みしめる音を耳にした。誰かが帰ってきたのか、それとも自分に仇を成す者か……キリムの身体に緊張が走る。
 キリムの予想は半ば当たっていた。仲間が帰ってきた。女戦士、アメリだ。だが彼女の姿はキリムが記憶していた、薪や水の調達に出た時と遥かに異なっており、想像すらしていない物となっていた。
「あ、アメリ!? なんて格好をしているんだい!?」
 顔に血が上るのを感じながらキリムは思わず叫ぶ。ふらふらと現れ、キャンプの灯りに照らしだされたアメリは全裸であった。彼女がよろりと歩を進めるたびに、ぷるんと、胸筋の上に乗った柔らかな果実が揺れる。さらにその身体は水にでも飛び込んだのかと聞きたくなるくらいに濡れ、炎の灯りを受けててらてらと光っていた。
「あ、キリム〜♪」
 にへら、とアメリが顔に笑みを浮かべる。それは惨事の後で仲間の元に帰ってこられた歓喜の笑みなのか、それとも……その歓喜以外の何かを感じてキリムはぞくりと背筋を震わせる。何かまでは分からないが、不気味だ。思わず彼は一歩後ずさる。
「どうしてそんな格好を……誰かにやられたのか!? ……いや、そういう意味ではなく……いや、そうなのか?」
 自分が訊ねた言葉が変に捉えることができると思い、キリムは言い直したがそれをさらにまた、ひとりごとで疑問を呈する。ここに魔物娘が出る可能性だって十分にありえる。もしかして彼女は魔物娘に襲われたのでは?
 気づけばいつの間にかアメリが目の前に迫っていた。せわしなくぺろぺろと自分のくちびるを舐めている。はて、そんな癖はアメリにはなかったはずだが……しかも彼女はまるで干し肉でも口に含み続けているかのようにくちゃくちゃと行儀の悪い音を立てていた。
 記憶に無い彼女の仕草にキリムは強い違和感を覚えてさらに一歩下がろうとする。だができなかった。それより先にアメリの腕がキリムの背中に回るのが先であった。
「ちょ、アメリ……んんっ!」
 アメリがキリムのくちびるに自分のそれを押し付ける。侵入する舌。侵入する舌、塗りたくられる、自分の物より粘度の高い粘液……次々と起こることにキリムは目を白黒させる。反射的にアメリを突き飛ばそうとする。だが如何に勇者と言えど、それを上回るパワーの持ち主である戦士のアメリには勝てなかった。故にキリムはアメリの気が済むまで、口内を舌とぐちゃぐちゃの唾液によって蹂躙されることとなる。そのときにはすでに、酸欠と快感でキリムの脚は力が抜け始めていた。
 キリムの身体から力が抜けたのを見て、アメリはそっと彼の身体を地面の上に横たえた。自分もその上に覆いかぶさるようにのしかかる。その時、彼女の下腹部にある物が触れた。アメリがにんまりと笑う。
「おやぁ? キリ坊……アンタ、アタイにキスされただけでこんなになっちまったのかい?」
 自分の下腹部を勃起したキリムの逸物にぐいぐいと押し付けながらアメリは笑って言う。よくこんなふうにからかった笑みを浮かべる彼女だが、魅惑的に感じたのは初めてだった。物理的な刺激とアメリのいやらしさに、キリムのそれはさらに怒張する。
 いそいそとモノを確認するためにアメリは身体を反転させた。それまでイルトスト王国で厳格な教育を受けていた勇者キリムにとって、アメリは刺激的すぎる女性であった。パーティーに入ってきた時にはビキニアーマーだった彼女。帰ってきた彼女はその普段は隠していたところまで顕にしている。そして今、それ以上の秘密にされている光景が目の前に広がっていた。
 よく鍛えられた引き締まった尻……その割れ目の下に男にはない孔がある。その周囲は花びらのよう。孔から溢れでている粘液でそこはべったりと濡れている。初めて見る女の秘密の場所に、勇者の股間はさらに膨れ上がる。
「へっへー♪ 勇者サマはここにも立派な剣を持っていたみたいだなぁ〜♥」
 キリムがアメリのむき出しの股間に夢中になってしまっている間、彼女は舌なめずりしながらキリムのズボンと下着を下ろしていた。アメリの裸とキスと性器によって臨戦状態を創りだされた剣が剥き身となる。
 現れたソレに、反射的と言ってもいいくらいの勢いで、アメリはパクリと咥えついた。
「うああああっ!?」
 湿度もある温かな空間、かかる粘り気、まとわりつく粘体……気がそれていたところへの不意打ちにキリムは声をあげる。
「んんっ♪ んっ、じゅっじゅ……♪」
 国の力が完全には及びにくい辺境でビキニアーマーを着るほどだったとは言え、彼女もまた厳格なイルトスト王国の人間。その彼女がどこでこのような技巧を身につけたのか……それを疑いたくなるようなフェラチオであった。
「だ、ダメだアメリ! そんなところ……きたな……あああっ!」
「んんん〜っ♥」
 アメリは聞く耳を持たない頭を激しく動かして肉棒を刺激する。だが刺激しているのは彼のペニスだけではなかった。彼女は同時に自分自身の口も刺激していた。ぐちゃぐちゃに粘りついていて疼いて落ち着かなかった自分の口を。
 もっと自分の口に密着させようとするかのように、アメリはきゅっとそのペニスを吸いたてた。粘液質な唾液も吸引され、じゅるじゅると下品な音を立てた。それが勇者を追い詰めていく。
「や、やめアメリ! それやられると変に……! あああっ!」
 アメリの口から逃れようとカリムは愚かにも腰を動かしてしまう。それが刺激となってしまうと言うことは、快感で失念していた。
「アハハッ! キリ坊、腰を振っちまうくらいアタイのフェラが気持ち良いのかい? いいよ、そのままアタシの口マンコに射精しちまいな!」
「え、くちま……うわあああ!」
 聞きなれない、だが卑猥すぎる言葉を聞き返そうとキリムはしたが、アメリが再開したフェラチオで、声が途切れてしまう。そのフェラチオは先ほどより苛烈になっていた。頭のシェイクはより激しくなりくちびるでキリムのペニスをしごきぬく。舌はべろべろと飴を必死で舐め溶かそうとしているかのようにペニスを高速で這いまわる。ゲル状にも近い唾液も、潤滑剤としての働きにとどまらずしごく刺激にも加わっていた。人の姿をしていながらもはや人外に近いそのフェラチオに、キリムは音を上げた。
 射精が始まる。アメリの口内で、溜め込まれた粘液状の唾液に白濁の粘液がかけられ、混ぜられる。口の中に広がる甘美な味にアメリは目を細めた。
 その時、信じがたいことが起きた。よく日焼けしたアメリの肌が更に濃くなっていき、そして緑色へと変わった。一部はより色濃くなり深緑へ。反対に、今はうつ伏せで見えないが、胸や腹や喉は白くなっていく。その下にあるはずの女らしからぬ筋肉は柔らかな肉で包み隠された。指趾は節くれだっていく。恍惚に緩み熱い吐息を吐く口からはだらりと長い舌が覗いた。キリムは初めてみるが、その姿は……
「アメリお前、魔物に……!」
「んん? あれ……あ、アタイ……さっきのカエルみたいに……」
 キリムの声にアメリは自分の身体を見てみる。その姿はまさにアメリが侮辱し、報復に陵辱してきた、ミューカストードそのもの。
 そう、アメリはミューカストードとなった。ラリ、サリ、マリの三人のミューカストードに陵辱され、体全体を、特に膣や口に魔力がこもった粘液を塗りたくられ流し込まれて、無事なはずがない。ミューカストードの魔力は即座に魔物化させるようなことはないが、キリムの精を受けて魔物化が成ってしまったのだ。
「あ、アハハ……すごい! すごい! これでアタイ、キリ坊をぬるぬるのぐちょぐちょにし放題さね!」」
 アメリが笑いだす。その声は決して精神が崩壊したものではなく、歓喜に染まっていた。自分が気持ち悪いと言ったはずのミューカストードに変化し、喜ぶアメリ。それはラリとサリとマリの調教の完成度を語っていた。
 仲間の女戦士の魔物化、その笑い声に勇者は下半身を露出したままという格好であろうと、逃げ出そうとする。だが元々女戦士で力が強い上、魔物化したアメリからは逃げられない。キリムにのしかかったままアメリは身体を反転させる。そして長い舌でべろりと自分のくちびるを舐めながら言った。
「何さ、逃げんじゃねぇよ。あんだけアタイのフェラチオにアンアン喘いでいたクセしやがって。これからもっと気持ち良いことしてやんのに♥」
 そう言って勇者の股間に手を伸ばす。キリムのペニスは射精して時が経っていないと言うのに、そして目の前で起こった出来事に驚き萎えることなく、力を保っていた。そのペニスにアメリはぬるぬるの手を這わせ。ゆっくりと上下させる。
「へへっ、キリ坊もその気じゃないのさ。こんなに勃たせちまってさ♥」
 ぬめった手に愛撫され、見る間にペニスは硬度を取り戻す。だがそれだけではアメリは止めてやらない。人差し指を使って裏筋、亀頭を撫で上げ、他の指を使って竿をしごく。切なそうにキリムは声を上げ、身体を震わせた。
「このまま一発ヌいてやるよ。なぁに、若いんだからそんくらいイケるだろ? ま、アタイも若いけどさ♪」
 アメリの手の動きが速くなった。小さなキャンプファイアーの爆ぜる音に混じって、手と肉棒とその間の粘液がにちゃにちゃと音を立てる。
「ひあっ! やっ、アメ、リ……やめっ……!」
「ふふふっ、前から思ってたけどアンタかわいいよな。勇者らしく凛々しい感じはあるけどたまに子どもっぽくてさ」
 音を立ててキリムのペニスを手指で嬲りながらアメリは笑う。彼女の目に、少女のような嬌声を上げるキリムの口が入った。にぃとその目が笑う。
 次の瞬間、アメリはその口に自分の舌を伸ばして侵入させていた。
「んんっ!? んんん!」
 キリムの声がくぐもった物になる。少し前に、アメリがラリやサリ、マリにされていたように。だが今回は彼女らと違うところがあった。アメリは舌を辿るかのようにキリムに顔を寄せる。そのまま彼のくちびるを己のそれで塞いだのであった。これは舌での陵辱ではなく、明確な口づけ……
 キスをしながらアメリはキリムのモノをしごき続ける。目は開けており、勇者が悶えながらも快感に押し流されているのを見て楽しんでいる。
 粘液にぬめる手は何かにつっかえることなく、キリムの亀頭、カリ首、竿の上をぬるぬると滑っていく。だが時には上下運動を止め、くびれの部分で輪を作ってひねるように愛撫したり、先端を撫でたりする。敏感な部分を攻められる度に勇者は悶えた。
 そのキリムの悶えが大きくなる。言葉を聞かなくても何が起ころうとしているのか、すぐにアメリは察した。とどめを刺すべく、亀頭を人差し指で一撫で。
「んんんんんっ!」
 鈴口から白濁液が飛び出し、アメリの手を汚した。手にかかる生温かい、自分の粘液とは異なる液体にアメリは目を細めた。じゅるりと舌をキリムの口から抜く。
「ふふ、キリ坊……また出しちまったな……アタイの手に、ほぉら、こんなに……」
 手にかかった精液をアメリは見せつける。アメリの手のひらは白色だったので分かりにくかったが、手の甲は緑色だったため、精液の白さは……キリムの屈服の証は残酷なまでに鮮やかに映った。
「ん、れる……れろぉ……」
 勇者が出した精液を、アメリは舌を伸ばして舐めとる。手指を自分の口内に入れたりはしない。あくまで舌だけで精液を舐めとる。キリムに見せつけるために。
 自分が出した屈服の証をニヤニヤ笑いながら舐めとる女戦士だったカエル魔物娘……本当はあってはならないことだ。だがその背徳的な映像と状況は勇者の勃起を保ち続けた。
「なんだいキリ坊、二度も出したってのにビンビンじゃないのさ。教団の勇者サマもこの姿にはメロメロのエロエロかい? んん〜?」
 べろりと最後のひと舐めをしてアメリは笑った。屈辱にキリムはうめき声を上げるが、勃起は止まらない。そのペニスにアメリは再び手を添わせた。だが、また手コキをするわけではなかった。もう一方の手は自身の下腹部に回っている。
「上等さね。アタイはまだ満足してないからね。オマンコもぐちょぐちょさ♥」
 そう言って彼女はキリムの上ではしたなくガニ股となり、その脚を外側へと広げ、軽く股間を突き出した。勇者の目に突きつけられるのは、先ほども見たアメリの女性器……だがそのときより今の彼女のソコはよりみだらな事になっていた。こんこんとハチミツのようなとろとろの粘液をこぼすヴァギナは「蜜壺」の名にふさわしい様子を見せている。ヴァギナの中は彼女の外の皮膚と異なって綺麗なピンク色をしていた。よく目を凝らせば襞がたくさんあるのも見える。アメリの口内も気持ち良かったが、あの肉孔に自分の肉棒を入れられるとどんなに気持ちいいか……禁欲的な生活を送っていたはずの勇者は思わず期待してしまい、牡器をひくつかせた。当然、その震えはアメリにも伝わる。
「へへ、キリ坊も挿れたくて挿れたくてしょうがないってか♥」
「ち、ちが……そんなんじゃ……!」
そうは言いつつもキリムの目は自分の肉棒とアメリに肉孔に釘付けになっている。その距離がゼロとなり、挿入されるのを期待の目で見てしまっている。ダメだと分かっていても目は逸らせないし、その先を望んでしまう。勇者の心を見透かしているミューカストードはニヤリと笑った。彼女の広げられた股間からどろりと重力に耐え切れなくなった粘液が滴り落ち、いきり立ったペニスにかかる。
 アメリが脚を広げたままぐっと腰を落とした。一気に彼女の腟口とキリムの亀頭が密着する。その状態でアメリは軽く腰を揺すった。くちゅくちゅと粘液と媚粘膜がいやらしい音を立てる。
「あっ、あっ! アメリ、本当にダメ……!」
「チンポをこ〜んなにビンビンにしててその言葉は説得力ねぇんだよなぁ……ま、キリ坊が嫌と言おうがアタイはハメる。いただきま〜す♥」
 じゅぶっ、じゅぷじゅぷじゅぷ……
 なんとも言いがたい下品で粘液質な音を立てながら、勇者の肉棒はミューカストードの中へと消えていった。それとほぼ同時であった。
「うああああああっ!」
 キリムが射精をしたのは。少し手で刺激をし、そして挿入……それだけで彼は射精してしまったのだ。音が立つほどの粘液、それを分泌する凹凸と収縮力に富んだ肉壁……性に不慣れな勇者はあっという間に暴発。元女戦士のミューカストードの膣はそれだけ極上のものであった。
 目を丸くして驚いた表情を見せたアメリだったが、すぐにまたニヤニヤと笑い出す。
「なんだい、キリ坊。挿れた瞬間にイッちまったのかい? やれやれ、勇者サマのチンポはこらえ性がないなぁ……♪」
「うっ、くうう……」
 教団が忌んでいる魔物娘相手に、瞬殺された……いや、魔物娘うんぬんだけではない。男として、挿入した瞬間に我慢できずに射精……このザマは恥ずべき自体だ。性に疎い勇者でもその屈辱は本能的に察した。キリムはうめき声を上げる。
 だが、悔しがっている場合ではなかった。
「あ、あああっ!?」
 不意に彼は声を上げる。内側から何かがどくんと響いたかのような感じがした。まるで心臓がもう一つあってそれが鼓動したかのような……それは、彼の下腹部から感じられた。
「あんっ♥」
 ほぼ同時に、キリムの上に完全に腰を落とし、彼を自分の子袋の口まで迎えていたアメリも声を上げた。とろりと粘りけのある唾液が彼女の口からもれる。
 ……ミューカストードの粘液には魔力がこもっている。女性がそれを大量に接することになると、先ほどのアメリのように魔物化するきっかけとなる。だが本来魔物娘は女性をどうこうではなく、男と交わるのに都合が良いような体質を持っている。例えば大百足やホーネットの毒が精力剤や媚薬のように作用するように。ミューカストードの粘液も同じだ。彼女らの粘液は男に対しては精力剤のように作用する。その効果は精を受けるとより強力になる。
 ミューカストードに膣内射精をすると……愛液、およびそれを分泌する膣が直接精液を受けることになる。その愛液と膣にはペニスが直に接しているとどうなるのか……
「な、何が起きて……うあああっ!」
「あはあ♥ キリ坊のチンポ、ナカでどんどん大きく……♥」
 射精したばかりのキリムの肉棒は、牡の仕事後の疲れを見せるどころかよりたくましい物となる。脈動と共に膨張したペニスに戸惑うキリムと喜ぶアメリ。姿勢が違えば次への行動の速さも違う。
「ああ、もう我慢できない! 動く! 動くからなキリ坊♥」
 長い舌をだらしなくだらりと垂らしながらアメリは叫ぶ。キリムの顔が引きつる。挿入だけで射精してしまった快感。これが先ほどのフェラチオのように、動いてペニスを扱いてくるというのだ。そんなことになったらどうなるのか。
「だ、だめっ! 動かないで……ああああああっ!」
 懇願虚しく、アメリの腰が動き始める。その動きはまさにカエル。跳躍に適した足腰がそのまま、ピストン運動に使われる。キリムは嬌声に近い悲鳴を上げた。その動きの激しさに、そして肉襞どころか粘液までがねっとりとまとわりついてしごいてきているかのような快感に。
 ぐちゃっ、べちゃっ……! 下品極まりない音が二人の結合部から響いた。目を凝らせば、精液が混じった白濁の愛液が勇者のペニスにいやらしくへばり付いているのが見える。アメリが腰を上げて陰茎を膣から抜く度に、その軌跡を粘り気で表していた。だが興奮したミューカストードの愛液はそれだけではとまらない。
 さらに蜜壺に収まりきらずにもれた蜜は肉棒を伝わって勇者の下腹部に広がっていた。そこに、身体の表面からも出ている粘液でぬめっているアメリの尻や太ももが打ち付けられる。粘度の高いアメリの体液は絡まり合い、アメリとキリムの間をねばーっと糸でつないだ。まるで粘液の天蓋だ。
「あ、あ、あああ……っ!」
 自分と女がもっとも接している境界線……そこの淫らな光景をキリムは嘆息混じりの嬌声を上げながら見続けてしまう。アメリは大股を広げて広げているものだから、その光景がよく見えてしまう。だが視界が急に変わる。アメリがキリムの顔に両手を添え、強引に自分に向けていた。勢いに任せてアメリはさらにキリムの上体を起こす。
「ほらほらぁ♥ マンコの方もいいけどさぁ、アタイを見ろよぉ♥ どうよ、この身体ぁ♥ いいだろぉ♥」
「……っ」
 キリムは答えない。本当のところは否定と拒絶の言葉を吐きたかった。だが快感で何も言えない。少しでも気を抜くとまたこのカエルの魔物娘に精液を注ぎ込んでしまいそうだった。
 そんなキリムの我慢と本音をアメリは見抜いていた。腰の動きを止めないまま、へっへーんとせせら笑う。
「気持ちよすぎてまたおもらししちまいそうなくせに、頑固なヤツだな、しゃーないなぁ……」
 こつんとアメリはキリムの額に自分のそれをぶつけた。そして目を見つめて言う。
「てってー的にぶち犯してやるよ♥ キリ坊の方から欲しがるくらいまでな♥」
「そんなこと、絶対……んむぅ!」
 強気にその言葉をはねのけようとしたキリムの口は、アメリの口で塞がれていた。さらに長い舌が伸びてキリムの舌に巻きつき、しごくように動いてきた。そう、まるで舌をペニスのようにしごいているのだ。その舌も粘液にまみれていく。
 一方、下の口の方も休んでいない。カエルの脚は躍動し、それに連なっている腰は激しく上下する。その度に粘液まみれで襞の多い膣肉は肉棒をしごきぬく。ぐちゅぐちゅ、じゅぶじゅぶと音を立てながら。
 キリムは快感から、暴れるカエルの魔物娘から逃れようと腕を突っ張るだがアメリの力は強いし、身体の表面はぬめって突き放すことができない。そんな抵抗にもならない抵抗を続けていくうちに、再び射精感が彼を襲った。
 主神の教えも勇者としての使命感も何もかも吹き飛んでしまいそうな快感。その恐怖にキリムはつかみ所のない腕をぶんぶんと振り回す。
「んぷはぁ♥ キリ坊、はぁ、はぁ……イキそうか……?」
 一度キスを中断してアメリはキリムに訊ねる。その息が上がっているのは激しい運動をしているからと言うばかりではない。
「も、もうやめてアメリ……また出そう……!」
「なに言ってんのさ。気持ち良いのに我慢することもやめることもないじゃないのさ♪ キリ坊のチンポ気持ちよくてアタイだってイキそうなのに……♥」
 それだけ言ってアメリは再びキリムにくちづけをし、ラストスパートをかけてきた。自身を追い込むため、そして男をイかせるため、びたんびたんと腰を打ち付けてくる。
 思わずキリムはアメリの身体にしがみついた。そうでもしないとどこかに飛ばされてしまいそうな感じがした。
 先に我慢ができなくなったのはやはりキリムの方であった。アメリの身体にしがみつきながら身体を震わせ、その中に精を注いでいく。
「〜〜〜〜っ♥」
 ペニスは粘液に包まれており、一滴も膣外に漏れはしない。すべてミューカストードの体内に納められる。その全ての魔物娘垂涎の、獲物の精液を受け、アメリもまた絶頂する。ぶるぶると粘液にまみれた身体をキリムにしがみついて押し付けながら震わせる。
 絶頂の嵐が過ぎ去り、二人は脱力する。だがキリムの身体には一点、力が抜けていないところがあった。
「うあああっ、また……!」
「ああっ、またナカで大きく……♥ いいねぇキリ坊、まだヤり足りないかい?」
「そ、そんなんじゃ……あっ」
 キリムの言葉が途切れる。すぐに回復したアメリが、脚を使って腰を揺り動かし始めたからだ。彼女の襞が多い膣肉と、さらに精を受けて粘度を増した愛液が、また一回り大きくなったペニスをしごく。
 夜の森にて。ミューカストードによる快楽の狂宴は止まらない。互いが気絶し、腰が動かなくなるまで……いや、そうなったとしても少し休めば交わりは再開する。ミューカストードのアメリはもとより、勇者の方も快楽でもう自分の身体を制御できないだろう。
「しょーがないよな♪ 交尾気持ちいいもんな♥ 主神サマの教えとか勇者サマの使命とかなんかよりずっといいもんな♥」
「うっ、うううう……」
 粘液にまみれたカエルの魔物娘は笑う。その嘲笑に勇者の心は屈しはじめるが、彼女の膣内では彼のそれはたくましく剛直を保っていた……
15/08/26 22:27更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)
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■作者メッセージ
どーも、沈黙の天使です。
デーモンが発表されたところにおめおめと投稿です。もうちょっと集中して書いていればこんなことには……くっ

そしてやはり思ったのですが、スピードを重視するとキャラ付けと心理描写と籠絡の過程が薄くなりますね……今度はじっくりと腰を据えてキャラを書いてみたいものです。
ちなみにルフィンとパティーは、また別の魔物娘が発表された時、スピード重視で書くときのためにとっておいてます(おいおい)

ではではまた別の小説で。次は何書きましょうねぇ……ここ以外にも書くSSありますし……

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