前編
「よし、これくらいあれば十分だな」
斧を肩に担いだ女は汗を拭う。胸と腰回りを申し訳程度に覆っているだけでそれ以外は素肌を晒している。だが、その身につけているのは鉄の板でできている。つまり鎧。そして晒しているしている身体の方も、まるで革鎧なのではないかと思われるくらいに筋肉が脈打っていた。それが、彼女が露出度の高い見た目に反して頑強さを備えていることを伺わせている。
彼女が女戦士アメリ。イルトスト王国より旅立った勇者のパーティーの一人である。今日はこの森で野営をすることになり、水と薪を調達しているところであった。ちなみに勇者キリムはキャンプに残って料理の用意をしており、仲間のルフィンやパティーも他の野営のための仕事にあたっている。
「さてと、あとは水だな」
斧を背中にしまい込み、薪を片方の肩に乗せ、もう一方の手で彼女はバケツを持った。そして湖に近づく。
だが彼女はすぐに持っていた薪とバケツを放り捨てた。同時に背中の斧を構える。今度は薪を切ったりするためではない。戦闘のためだ。
「そこにいるやつ! 出てこい!」
「あらら? 別にこっちは襲うつもりもないし、丸腰だっていうのにずいぶんケンカ腰だなぁ……」
ばしゃりと水音がし、湖から頭を覗かせたものがいた。くりくりとした目を持った女だ。だが人間ではない。そもそも人間であればなぜ湖に潜っているかが不自然すぎる。肌は不気味なまでに緑色で、水に今まで潜っていたことを考慮しても濡れ光っていた。そして何より、しゃべる彼女の口から覗く舌は長かった。
「ば、化け物……!?」
魔物討伐のために主神教団の息がかかった王国より出たアメリも、目の前の魔物娘にはさすがに驚いたようだった。一歩後ずさる。
一方、化け物呼ばわりされた湖にいる魔物娘はさすがに癇に障ったようだ。
「ちょっと、私はたしかに魔物娘であなた達から見れば敵なのかもしれないけど、それはさすがにキツすぎない?」
バシャバシャと音を立てながら彼女はゆっくりと湖から上がってくる。人ならざる姿が露わになる。四肢は木の葉を思わせるような緑色で、ところどころに濃い緑色の模様が浮かび上がっている。だが胸や腹は真っ白だ。手と足は指がちゃんとあるが、妙に節くれだっている。水から上がってこちらに歩いてくる魔物娘。たひったひっ……っと水が混じった足音が響く。歩み寄ってくる姿はまさに……
「ちゃんとラリって名前があって、人間と同じようにミューカストードって種族名もあるのにさ」
カエル。そう。その種族名の通り、彼女はカエルの魔物娘なのだろう。さらに「ミューカス(粘液)」と言うのが体を表している。彼女の全身は乾燥を防ぐためなのか、ぬめりに覆われていた。
だが彼女の正体が何であろうと名前があろうと、その彼女に家族などがあろうと、アメリにとっては関係ない。魔物は全て殲滅する。それが主神の教えであり、アメリの方針だ。
「黙れ汚らわしい魔物め! その気持ち悪い身体をカエルよろしくアタイがぶっつぶしてやるわ!」
「……ふーん、そんなムカつく口利くなんて大したものね?」
概してミューカストードは男性にしか興味を持たず、女性を積極的に襲わない種族なのであるが、さすがに頭に来たようだ。そしてこうなったら女性相手でも無視する種族ではない。じっとりとした目の奥に、殺意にも似た炎が灯っている。
「……」
主神教団の価値観で、つい挑発的な言葉を口にしたアメリであったが、内心はまずいと思っていた。カエルは跳躍力があり、虫を喰らうために舌を伸ばす種族もいる。目の前のミューカストードがどうかは正確には分からないが、その特徴を兼ね備えている可能性は高い。
『つまり、あっという間に間合いを詰めてくる手段も、遠距離攻撃もある……』
斧を構える手にぽたりと汗が垂れた。
『だけど、懐に潜り込めたらこっちのもの! その首を斧で刎ねて……!』
「……と思ったけど、案外大したことないみたいね」
突然、ラリが呆れたようにため息をついた。一体なんだと言うのか。だが、こちらをなめたと言うことは警戒心も緩めているということ。こちらが攻撃するチャンス。アメリは突進しようとした。
だができなかった。強い力によって彼女は引かれた。そのまま彼女は地面につんのめるようにして倒れてしまう。
「ぶはっ……!? し、しまった!?」
その拍子に斧が手から離れて、手の届かないところに転がる。舌打ちしながら彼女は自分を引っ張っている何かを見ようと足元をみた。その目が驚愕に見開かれる。
右足に桃色のロープのような物が巻き付いていた。それは湖から伸びており……そこから顔をのぞかせている別の女の口の中から伸びていた。彼女の肌も緑色。
『仲間がいたのか!?』
伏兵の存在に気づけなかった自分をアメリは呪う。斧も手放してしまったため、その舌を叩き切ると言うことも不可能だ。
さらに悪いことが起きる。ラリ、今自分の足を捉えたミューカストード、これに加えてさらに一体のミューカストードが湖から現れたのだ。
「サリもマリもありがとうね」
驚きもせずにラリは二人のミューカストードに礼を言う。最初から近くにいたのだ。
たひったひっ……三つの足音が不気味に近寄ってくる。その音は彼女に言い知れない恐怖感を与えた。大声を上げて、近くにいるかも知れないキリムやルフィン、パティーに助けてもらえるかもしれないのに、それすら失念してしまっている。
「さて、コイツどうする? さすがにあんな風に言われてアタシも結構頭に来てるんだけど」
「はーい、マリもムカつくと思いまーす」
ケロケロと三人のミューカストードは自由を奪われているアメリを見て笑う。その目は笑っていない。怒りもその目には見えるが、他の物も見える。まるで、捕食者の目……ヘビに睨まれたカエルとはよく言われるが、今はカエルの彼女達がヘビの目をしている。そして魔物娘を駆逐する立場であるはずのアメリが今、カエルのようになっている。
「とりま、いつもの”地獄”だよね」
「そうね、私もそうしたいところだわ」
「えへへ〜、彼とエッチする方が好きだけど、女の人をいじめるのも久しぶり〜♪」
サリの言葉にラリとマリが同調する。そして一斉に、地面に倒れているアメリの身体に群がってきた。左腕に跨るようにしてサリが、右腕に跨るようにしてマリが、さらに両足に跨るようにしてラリがのしかかって来る。
「な、何をする離せ! 気持ち悪い手で触るな!」
「へー、この状況でもまだマリたちに悪態つけるのね」
「いいわよ。アンタの言うその気持ち悪い手でヒィヒィよがらせてあげるから」
マリとサリがじっとりとした目でアメリを見る。だが見ているだけではない。その手はすでに宣言どおりアメリをよがらせるために動き始めている。
ぬらぬらと粘液にまみれた手が太もも、腹、胸元と鎧に覆われていない部分を撫でていく。彼女たちの手が這った後はぬるぬるとした粘液が残り、アメリの肌を光らせた。ただ触れられているのとは異なる妖しい感覚。くすぐったさとは違う何かがぞわぞわとアメリの身体の奥から起こっていた。
「舐めるだけじゃ終わらないわよ。ほぉら……」
そう言うラリの口かられろりと舌が伸びた。その舌はアメリの内股、腿、腰を這いまわる。そして、鎧の留め金の下に潜り込んでそれを内側から引きちぎった。
「なっ!?」
ミューカストードたちのぬめった愛撫に身体を弛緩させかけていたアメリは驚いた。魔物娘にこれだけの力があったとは。この様子だと、鎧を着た者をその舌で貫くとか、首を折るなど造作もないのかもしれない。だが今、その力はアメリを拘束するのと、そしてみだらに愛撫するのに使われている。
「ひうっ!?」
アメリの口から、苦痛とは違う声が上がった。いつの間にかラリの舌が上のアーマーの中に潜り込んでいる。そこにある丘の頂点を舐めたのだ。
女戦士の反応を見て残る二人のミューカストードがニヤリと笑う。その口からだらりと舌が伸びて愛撫に加わる。サリの舌がブラ・アーマーのモチーフ部分を引きちぎり、胸を露わにした。男顔負けの硬く引き締まった身体を持つアメリ。その胸筋の上に乗っている女の象徴がぷるぷると揺れる。彼女が戦いに出なければ、もっと大きな物になっていたかもしれない。その果実にラリとマリの舌が這いまわった。餅を括るのようにして胸に巻きつき、舌先で尖り始めた乳首を転がす。
「や、やめろ……くあっ! そんな……ぬるぬるするな……!」
「お〜お〜、可愛い声上げるねぇ……」
胸元やへそのあたりを舐めまわしていたサリがニヤリと笑う。ミューカストードの挑発にアメリは二つの意味で頭に血が上る。
「だ、黙れこの化け物! 変態!」
「……あんあんあえぐ声は可愛いけど、その汚い言葉はいらないな……それっ!」
「んがっ!? ごぼごぼ……!」
サリの舌が伸び、アメリの口の中に侵入していた。突然のミューカストードの行動に驚きアメリは手足をばたつかせるが、三人のムーカストードに押さえつけられておりびくともしない。
口腔粘膜、舌、歯……サリの舌は我が物顔でアメリの口の中を蹂躙した。先ほどからアメリの身体に塗りたくられているミューカストードの粘液。それが口の中にも塗りたくられる。息が苦しくなるアメリは当然、その粘液をいくらか飲んでしまうことになる。それが良くない状況になることを本能的に知っていたとしても。
先ほどから三人のミューカストードにぬるぬると粘液にまみれた手と舌で愛撫され、さらにはサリによって直接その粘液を口の中に流し込まれたアメリ。その結果が如実なものになって表に出始める。例えて言うなら、火起こしによって作られた火種に枯れ草などがくべられた状態。
「んんっ! んっ、んっ、んんん!」
身体をよじるアメリだが、その動きはどことなく物欲しげな様子であった。目も、女戦士らしい鋭さと勢いはナリを潜め、とろんと蕩け始めている。
「効いてきたみたいだねー」
「これがあなたが『気持ち悪い』と言っていた粘液の効果よ?」
メスの反応がで始めたアメリを見てマリとラリが目を細めた。
ミューカストードが身体から分泌する粘液……汗、唾液、愛液……それらには魔力が含まれている。みだらな魔物娘の魔力……当然、そのような物には媚薬のような発情の効果があるのだ。ただ肌に塗られるだけならば、いわゆるローションプレイになるだけであるが、今、その媚薬をアメリは直接口からかなりの量を流し込まれている。その結果がコレである。
「んんんっ! んんんーっ!」
首を激しく左右にアメリは振る。サリの長い舌が揺れるだけで、効果は全くない。しかしアメリのその動きはただ、ミューカストードの舌から逃れようとするだけの動きではなかった。
「……ねぇ、もしかしてさあ……女戦士さん、サリのキスだけでイキそうになっちゃってるとかぁ?」
マリがのんびりとした調子ながらも鋭く突いたことをアメリに問う。口をふさがれているアメリから答えはない。だが彼女の口が何を言おうとも、身体の方は正直であった。
「それじゃ、そろそろこっちもいい感じじゃないかな〜?」
足側を抑えこんでいるラリが、腰を覆っているアーマーを取り去った。くぐもった声を上げてもぞもぞと動いて抵抗するアメリだが、その身体には力が入らず、むしろ男を誘っているかのような動きにすら見える。結果、あっさりとラリによる脱衣を許すこととなってしまった。アーマーを脇に放り捨てたラリは少しアメリの脚を広げ、そこを覗きこむ。
「おやおや、女戦士さん? 私達の粘液かあなたの愛液か分からないくらいグチョグチョなんですけど?」
「え〜っ? うわ〜、ほんとうだぁ♪ おまんこひくひくして中からとろとろ愛液出ちゃってるよ〜♪」
ラリの言葉に同じようにマリが覗きこんで楽しそうに言う。果たしてその通りであった。ミューカストードたちの粘液に混じってアメリの尻の膨らみにへばりついている粘液があった。その粘液はミューカストードのモノと同じようにぬるぬるとしているが、それより白く濁っていた。
三人のミューカストードたちの視線が絡まり合う。それだけで彼女たちはどうするか決めたようであった。ラリとマリがそれぞれアメリの右手右足、左手左足に絡みつく。彼女の手足を粘液まみれの身体で撫で回し、さらに手と舌を伸ばして彼女の胸や腹を愛撫する。残るサリは、アメリの頭を抱え込んで逃げられないようにする。そして激しく舌をアメリの口内に出し入れし、さらに彼女の口内をまるでホイップクリームでも掻き立てるかのようにじゅぶじゅぶとかき回した。触手のように長い舌を持つ彼女らだからできる芸当だ。
「んん!? んんんーっ!!」
たまらないのはアメリだ。粘液を口腔内に塗りたくられ、全身をぬるぬると撫でられただけでイキそうになっていたのだ。そこに、このような激しい愛撫を加えられて耐えられるはずがない。
ほどなくして彼女はぐいっと腰を突き上げた。むき出しにされている股間にある肉壷が、男のモノから精液を搾ろうと空収縮する。性器に触れられることなく、絶頂に達したのだ。
ひとしきり身体を戦慄かせたあと、どさりと彼女は柔らかな地面にその身を力なく横たえた。派手な女戦士のアクメぶりにミューカストードは笑う。
「あんなに強気だったのにあっさりとイッちゃったね」
「アタシたちのこと、あんなに気持ち悪いと言っていたくせに」
「本当はあなた、マリたちをやっつけないといけないんだよ? それなのになさけなーい」
「うっ、くう……」
ケロケロと嘲笑してくるミューカストードにアメリは悔しさのうめき声を上げる。だがそれすらどこか色っぽい。そして身体は指一本彼女の意思で動かすことができないほど脱力している。彼女の身体に刻みつけられた快感と媚薬の効果はそれだけ凄まじかったのだ。
しかし、ミューカストードの仕返しはこれで終わらない。
「次はアタシが胸に回るわ」
「じゃあマリがキスに回るぅ♪」
「なっ!?」
ミューカストードたちはまだ蹂躙をやめるつもりはないらしい。アメリが驚愕の声を上げるうがどこ吹く風で彼女たちは話している。
「えー、それじゃあ私が一番にココをいただくことになるけど……」
「いいんじゃない? ファーストコンタクトはあなただったんだし」
「ラリちゃんいっちゃえー!」
「そう? それじゃ、お言葉に甘えて……」
「な、何をする!? お前ら、やめ……あっ!」
アメリの言葉が途中で途切れる。ラリはアメリの両膝に手を置いて外へと押し広げたのだ。カエルが仰向けにひっくり返って倒れている状態のように。それまで以上に、彼女の濡れた性器が露わになる。必死に脚を閉じようとするアメリだが、戦士の彼女の筋力を持ってしてもラリには勝てなかった。そして、彼女の身体からまた力が抜けることが施される。
「うああああっ!?」
びくんとアメリの身体が跳ねる。ラリの舌がべろりとアメリのクレヴァスを舐め上げたのだ。蜜を垂れ流す腟口、ラヴィア、その上で震えているクリトリス……彼女の反応にラリがにやりと笑う。
「ん〜、感度いいわねぇ♪ このままクリちゃんぺろぺろしてイカセて上げてもいいけど、それじゃ芸がないから……ムーカストードらしくいじめてあげるね♪」
「な、何を……あ、あ、あっ……!」
突然下肢から沸き起こった快感と圧迫感にアメリは声を上げる。何が起きているのか、首を曲げて彼女は自分の下腹部を覗きこんだ。快感にとろけているその目に恐怖が混じり、顔が引きつる。
ラリは舌をアメリの中に挿れたのだ。ミューカストードの長い舌は膣壁を撫でながらどこまでも入っていき、ぐにゅりと子宮口まで圧迫した。
「や、やめろ! それは……ひううう!?」
やめないよ、とばかりにラリはにやりと笑い、舌による抽送を開始した。舌がずるずると膣から引き出され、また押し込まれる。肉棒と違って摩擦が強すぎることもなく、絶妙な快感を送り込んでくる。
教団の国出身のアメリであるが、男性経験がないわけではない。あまり思い出したくない経験であるが。その経験がなまじあるため、アメリの挿入に対して苦痛は少ない。それの代わりに快感が占める。
「やめ、やめ……はぁああっ!」
「ほらほら、アタシたちもいるのを忘れんなよ?」
横にいたサリがたくし上げるようにしてアメリの胸を粘液で滑った手で揉む。たったそれだけなのに、アメリは快感に息を呑む。女戦士の反応に強気なムーカストードはにやりと笑う。さらに舌を伸ばしてべろべろと彼女の筋肉質な身体を這いまわり、粘液を塗りたくる。膣からの刺激と比べるとその快感は地味ではあるが、着実にアメリを追い詰めていく。
「マリもいるんだよ〜? ん〜っ♪」
頭側に回っていたのんびり屋のミューカストードが、アメリの上体を起こし、頭を両手で押さえ込んだ。アメリの顔を強引に横に向け、そのまま目を閉じて顔を近づけてくる。彼女が何をするつもりか、桃色の霧がかかった頭で理解するよりマリの行動が決まるのが早かった。
「んんっ!? んんんん〜!?」
マリによってアメリは強引にくちびるを重ねられる。そのくちびるを割ってミューカストードの舌が入り込んできた。その舌もサリのような激しさこそないものの、だがねっとりと着実に追い詰めるように、アメリの口内を蹂躙し、舌に絡みついた。さらに粘液が流し込まれていく。無意識のうちにアメリはそれを飲み下していった。当然、魔力を含んだそれは官能の炎を大きくする燃料となり、アメリを蝕んでいく。
「えへへ〜♪」
くちびるを離して笑うマリ。だが舌は伸ばしており、その先はアメリの口内に侵入したままだ。故にアメリはまた口を封じられた状態となり、話せない。できるのは、下肢と全身と口から回る快感に、くぐもった喘ぎ声をあげるだけ。
「ほーら、見てごらん?」
今まで口を攻めていたので話せなかったサリがアメリに話しかける。そして身体を少しずらし、視線をある一点に向けた。その視線に導かれるように、アメリは彼女が見ている先を見た。大きく広げられた自分の脚。その手前でラリが跪き、アメリの中に舌を出し入れしていた。ぐちゃぐちゃと下品な音をたて、出されては押し込まれ、出されては押し込まれる舌。舌が自分の膣から出るたびに陰唇がいやらしくめくれあがる。だが出てくるのはそれだけではない。出てくるラリの舌にはスライムのような薄く白色に濁った粘液が付いていた。ラリの唾液で舌は滑っているが、その粘液は唾液とは別の物のようだ。
「あれね、全部アンタの愛液だよ。気持ち悪いって言ってたカエルの魔物娘にここまでされるなんて、アンタ惨めね♪」
サリに嘲笑われ、さらに今の自分の状況にカッと頭に血が上る。だがその言葉と羞恥心が自分をさらに掻き立ててしまう。
「んんっ! んごごごご!」
アメリが突然首を激しく振り、脚を蹴りだすようにして暴れだした。何が起こるのか、瞬時に三人のミューカストードは察した。
「ははーん、アンタまたイキそうなんだ? ぬるぬるに撫で回されて、上の口も下の口もぐちゅぐちゅに舌で犯されてイキそうになってるんだ?」
悔しいが図星だ。そして気持ち良いのはアメリがどう思っても止まらない。ケロケロとサリが笑った。
「いいよ、イッちゃいな!」
サリの言葉を合図にしたかのようにマリとラリの舌使いが激しくなった。その追い込みがとどめとなる。再びアメリの身体が絶頂を迎えた。ミューカストードに劣らないほど粘液にまみれたその裸身を妖しげにくねらせ、くぐもった声を上げる。そして絶頂の嵐が過ぎ去り、ぐったりと背後にいるマリに身体を預けた。
「ふふふ……すごいおまんこの締め付けね……舌がちぎれるかと思ったわ」
アメリの中から舌を引き抜いてラリが笑う。舌による栓がなくなりぽっかりと開いた腟口からどろりと粘液が溢れ出る。それはラリの唾液と、アメリ自身の愛液……溢れでた愛液は尻を伝い、地面に落ちていく。その速度はゆっくりで、粘度の高さを物語っている。
「それじゃあ、次はマリがおまんこぐちゅぐちゅするねぇ♪」
アメリの口の中から舌を抜いたマリが今度は名乗り出る。アメリに驚いたり抗議の声を上げる余裕はない。焦点の合わない目で、いそいそと足元に回るマリを見送るだけだ。
「じゃあ私はキス攻めをしようかな♪」
「おいおい、それだとアタシがまた身体じゃないか……いいんだけどさ」
ラリの言葉にサリが若干不満そうな声を上げるが、最終的にそれに決まったようだ。三人のミューカストードは配置につく。
「あ、あ、あああ……」
目の前に迫る、最初に自分が接したミューカストードを見てアメリは、快感への期待と恐怖が混じった声を上げる。そんなアメリを見てラリは残酷なまでににっこりと笑った。
「バカにしてくれた私達の身体……欲しがるくらいに教えこんであげるんだから」
どのくらい時間が経っただろうか。日はすでに山の奥へと消えかかり、空はごく一部を除いて紫色に染まっている。アメリがミューカストードの陵辱から解放されたのはそれくらいの時であった。
「それじゃ、気がむいたらまたねー」
そう言い残してミューカストードたちは湖に去っていった。地面には粘液にまみれ、膣からどろどろの粘液を溢れさせている裸の女戦士が残される。しばらく彼女はぐったりとしていたが、やがてのっそりと立ち上がった。その顔がすぐに不快感に歪む。
「ん……んべっ……口の中……変……」
ぺっと彼女はつばを吐いてみる。その唾液はイヤに粘度が高かった。
『あれ……いったいアタイ……どうしちまったんだろ……?』
自分の身体の変化にアメリは疑問を持つ。だが先程まで快楽漬けになっており今も発情している頭は上手く働かず、それ以上考えるのを放棄していた。
もし彼女が考える能力をまだ持っていたら、自分の身体にまとわりついている粘液が乾かないことに疑問んを持ったはずだ。そしてアレだけオーガズムを味わわされたのに不完全燃焼のように自分が発情しており、膣から異常なほどの粘度の愛液を分泌していることに気づけたかもしれない。だが、できない。
『とりあえず、キャンプに戻ろう……みんな待ってるかな……』
ふらふらと裸身のまま、鎧も薪もバケツも拾わずに彼女はキャンプに向かって歩き出した。たひったひっ……と、水を含んだ足音を立てながら。
斧を肩に担いだ女は汗を拭う。胸と腰回りを申し訳程度に覆っているだけでそれ以外は素肌を晒している。だが、その身につけているのは鉄の板でできている。つまり鎧。そして晒しているしている身体の方も、まるで革鎧なのではないかと思われるくらいに筋肉が脈打っていた。それが、彼女が露出度の高い見た目に反して頑強さを備えていることを伺わせている。
彼女が女戦士アメリ。イルトスト王国より旅立った勇者のパーティーの一人である。今日はこの森で野営をすることになり、水と薪を調達しているところであった。ちなみに勇者キリムはキャンプに残って料理の用意をしており、仲間のルフィンやパティーも他の野営のための仕事にあたっている。
「さてと、あとは水だな」
斧を背中にしまい込み、薪を片方の肩に乗せ、もう一方の手で彼女はバケツを持った。そして湖に近づく。
だが彼女はすぐに持っていた薪とバケツを放り捨てた。同時に背中の斧を構える。今度は薪を切ったりするためではない。戦闘のためだ。
「そこにいるやつ! 出てこい!」
「あらら? 別にこっちは襲うつもりもないし、丸腰だっていうのにずいぶんケンカ腰だなぁ……」
ばしゃりと水音がし、湖から頭を覗かせたものがいた。くりくりとした目を持った女だ。だが人間ではない。そもそも人間であればなぜ湖に潜っているかが不自然すぎる。肌は不気味なまでに緑色で、水に今まで潜っていたことを考慮しても濡れ光っていた。そして何より、しゃべる彼女の口から覗く舌は長かった。
「ば、化け物……!?」
魔物討伐のために主神教団の息がかかった王国より出たアメリも、目の前の魔物娘にはさすがに驚いたようだった。一歩後ずさる。
一方、化け物呼ばわりされた湖にいる魔物娘はさすがに癇に障ったようだ。
「ちょっと、私はたしかに魔物娘であなた達から見れば敵なのかもしれないけど、それはさすがにキツすぎない?」
バシャバシャと音を立てながら彼女はゆっくりと湖から上がってくる。人ならざる姿が露わになる。四肢は木の葉を思わせるような緑色で、ところどころに濃い緑色の模様が浮かび上がっている。だが胸や腹は真っ白だ。手と足は指がちゃんとあるが、妙に節くれだっている。水から上がってこちらに歩いてくる魔物娘。たひったひっ……っと水が混じった足音が響く。歩み寄ってくる姿はまさに……
「ちゃんとラリって名前があって、人間と同じようにミューカストードって種族名もあるのにさ」
カエル。そう。その種族名の通り、彼女はカエルの魔物娘なのだろう。さらに「ミューカス(粘液)」と言うのが体を表している。彼女の全身は乾燥を防ぐためなのか、ぬめりに覆われていた。
だが彼女の正体が何であろうと名前があろうと、その彼女に家族などがあろうと、アメリにとっては関係ない。魔物は全て殲滅する。それが主神の教えであり、アメリの方針だ。
「黙れ汚らわしい魔物め! その気持ち悪い身体をカエルよろしくアタイがぶっつぶしてやるわ!」
「……ふーん、そんなムカつく口利くなんて大したものね?」
概してミューカストードは男性にしか興味を持たず、女性を積極的に襲わない種族なのであるが、さすがに頭に来たようだ。そしてこうなったら女性相手でも無視する種族ではない。じっとりとした目の奥に、殺意にも似た炎が灯っている。
「……」
主神教団の価値観で、つい挑発的な言葉を口にしたアメリであったが、内心はまずいと思っていた。カエルは跳躍力があり、虫を喰らうために舌を伸ばす種族もいる。目の前のミューカストードがどうかは正確には分からないが、その特徴を兼ね備えている可能性は高い。
『つまり、あっという間に間合いを詰めてくる手段も、遠距離攻撃もある……』
斧を構える手にぽたりと汗が垂れた。
『だけど、懐に潜り込めたらこっちのもの! その首を斧で刎ねて……!』
「……と思ったけど、案外大したことないみたいね」
突然、ラリが呆れたようにため息をついた。一体なんだと言うのか。だが、こちらをなめたと言うことは警戒心も緩めているということ。こちらが攻撃するチャンス。アメリは突進しようとした。
だができなかった。強い力によって彼女は引かれた。そのまま彼女は地面につんのめるようにして倒れてしまう。
「ぶはっ……!? し、しまった!?」
その拍子に斧が手から離れて、手の届かないところに転がる。舌打ちしながら彼女は自分を引っ張っている何かを見ようと足元をみた。その目が驚愕に見開かれる。
右足に桃色のロープのような物が巻き付いていた。それは湖から伸びており……そこから顔をのぞかせている別の女の口の中から伸びていた。彼女の肌も緑色。
『仲間がいたのか!?』
伏兵の存在に気づけなかった自分をアメリは呪う。斧も手放してしまったため、その舌を叩き切ると言うことも不可能だ。
さらに悪いことが起きる。ラリ、今自分の足を捉えたミューカストード、これに加えてさらに一体のミューカストードが湖から現れたのだ。
「サリもマリもありがとうね」
驚きもせずにラリは二人のミューカストードに礼を言う。最初から近くにいたのだ。
たひったひっ……三つの足音が不気味に近寄ってくる。その音は彼女に言い知れない恐怖感を与えた。大声を上げて、近くにいるかも知れないキリムやルフィン、パティーに助けてもらえるかもしれないのに、それすら失念してしまっている。
「さて、コイツどうする? さすがにあんな風に言われてアタシも結構頭に来てるんだけど」
「はーい、マリもムカつくと思いまーす」
ケロケロと三人のミューカストードは自由を奪われているアメリを見て笑う。その目は笑っていない。怒りもその目には見えるが、他の物も見える。まるで、捕食者の目……ヘビに睨まれたカエルとはよく言われるが、今はカエルの彼女達がヘビの目をしている。そして魔物娘を駆逐する立場であるはずのアメリが今、カエルのようになっている。
「とりま、いつもの”地獄”だよね」
「そうね、私もそうしたいところだわ」
「えへへ〜、彼とエッチする方が好きだけど、女の人をいじめるのも久しぶり〜♪」
サリの言葉にラリとマリが同調する。そして一斉に、地面に倒れているアメリの身体に群がってきた。左腕に跨るようにしてサリが、右腕に跨るようにしてマリが、さらに両足に跨るようにしてラリがのしかかって来る。
「な、何をする離せ! 気持ち悪い手で触るな!」
「へー、この状況でもまだマリたちに悪態つけるのね」
「いいわよ。アンタの言うその気持ち悪い手でヒィヒィよがらせてあげるから」
マリとサリがじっとりとした目でアメリを見る。だが見ているだけではない。その手はすでに宣言どおりアメリをよがらせるために動き始めている。
ぬらぬらと粘液にまみれた手が太もも、腹、胸元と鎧に覆われていない部分を撫でていく。彼女たちの手が這った後はぬるぬるとした粘液が残り、アメリの肌を光らせた。ただ触れられているのとは異なる妖しい感覚。くすぐったさとは違う何かがぞわぞわとアメリの身体の奥から起こっていた。
「舐めるだけじゃ終わらないわよ。ほぉら……」
そう言うラリの口かられろりと舌が伸びた。その舌はアメリの内股、腿、腰を這いまわる。そして、鎧の留め金の下に潜り込んでそれを内側から引きちぎった。
「なっ!?」
ミューカストードたちのぬめった愛撫に身体を弛緩させかけていたアメリは驚いた。魔物娘にこれだけの力があったとは。この様子だと、鎧を着た者をその舌で貫くとか、首を折るなど造作もないのかもしれない。だが今、その力はアメリを拘束するのと、そしてみだらに愛撫するのに使われている。
「ひうっ!?」
アメリの口から、苦痛とは違う声が上がった。いつの間にかラリの舌が上のアーマーの中に潜り込んでいる。そこにある丘の頂点を舐めたのだ。
女戦士の反応を見て残る二人のミューカストードがニヤリと笑う。その口からだらりと舌が伸びて愛撫に加わる。サリの舌がブラ・アーマーのモチーフ部分を引きちぎり、胸を露わにした。男顔負けの硬く引き締まった身体を持つアメリ。その胸筋の上に乗っている女の象徴がぷるぷると揺れる。彼女が戦いに出なければ、もっと大きな物になっていたかもしれない。その果実にラリとマリの舌が這いまわった。餅を括るのようにして胸に巻きつき、舌先で尖り始めた乳首を転がす。
「や、やめろ……くあっ! そんな……ぬるぬるするな……!」
「お〜お〜、可愛い声上げるねぇ……」
胸元やへそのあたりを舐めまわしていたサリがニヤリと笑う。ミューカストードの挑発にアメリは二つの意味で頭に血が上る。
「だ、黙れこの化け物! 変態!」
「……あんあんあえぐ声は可愛いけど、その汚い言葉はいらないな……それっ!」
「んがっ!? ごぼごぼ……!」
サリの舌が伸び、アメリの口の中に侵入していた。突然のミューカストードの行動に驚きアメリは手足をばたつかせるが、三人のムーカストードに押さえつけられておりびくともしない。
口腔粘膜、舌、歯……サリの舌は我が物顔でアメリの口の中を蹂躙した。先ほどからアメリの身体に塗りたくられているミューカストードの粘液。それが口の中にも塗りたくられる。息が苦しくなるアメリは当然、その粘液をいくらか飲んでしまうことになる。それが良くない状況になることを本能的に知っていたとしても。
先ほどから三人のミューカストードにぬるぬると粘液にまみれた手と舌で愛撫され、さらにはサリによって直接その粘液を口の中に流し込まれたアメリ。その結果が如実なものになって表に出始める。例えて言うなら、火起こしによって作られた火種に枯れ草などがくべられた状態。
「んんっ! んっ、んっ、んんん!」
身体をよじるアメリだが、その動きはどことなく物欲しげな様子であった。目も、女戦士らしい鋭さと勢いはナリを潜め、とろんと蕩け始めている。
「効いてきたみたいだねー」
「これがあなたが『気持ち悪い』と言っていた粘液の効果よ?」
メスの反応がで始めたアメリを見てマリとラリが目を細めた。
ミューカストードが身体から分泌する粘液……汗、唾液、愛液……それらには魔力が含まれている。みだらな魔物娘の魔力……当然、そのような物には媚薬のような発情の効果があるのだ。ただ肌に塗られるだけならば、いわゆるローションプレイになるだけであるが、今、その媚薬をアメリは直接口からかなりの量を流し込まれている。その結果がコレである。
「んんんっ! んんんーっ!」
首を激しく左右にアメリは振る。サリの長い舌が揺れるだけで、効果は全くない。しかしアメリのその動きはただ、ミューカストードの舌から逃れようとするだけの動きではなかった。
「……ねぇ、もしかしてさあ……女戦士さん、サリのキスだけでイキそうになっちゃってるとかぁ?」
マリがのんびりとした調子ながらも鋭く突いたことをアメリに問う。口をふさがれているアメリから答えはない。だが彼女の口が何を言おうとも、身体の方は正直であった。
「それじゃ、そろそろこっちもいい感じじゃないかな〜?」
足側を抑えこんでいるラリが、腰を覆っているアーマーを取り去った。くぐもった声を上げてもぞもぞと動いて抵抗するアメリだが、その身体には力が入らず、むしろ男を誘っているかのような動きにすら見える。結果、あっさりとラリによる脱衣を許すこととなってしまった。アーマーを脇に放り捨てたラリは少しアメリの脚を広げ、そこを覗きこむ。
「おやおや、女戦士さん? 私達の粘液かあなたの愛液か分からないくらいグチョグチョなんですけど?」
「え〜っ? うわ〜、ほんとうだぁ♪ おまんこひくひくして中からとろとろ愛液出ちゃってるよ〜♪」
ラリの言葉に同じようにマリが覗きこんで楽しそうに言う。果たしてその通りであった。ミューカストードたちの粘液に混じってアメリの尻の膨らみにへばりついている粘液があった。その粘液はミューカストードのモノと同じようにぬるぬるとしているが、それより白く濁っていた。
三人のミューカストードたちの視線が絡まり合う。それだけで彼女たちはどうするか決めたようであった。ラリとマリがそれぞれアメリの右手右足、左手左足に絡みつく。彼女の手足を粘液まみれの身体で撫で回し、さらに手と舌を伸ばして彼女の胸や腹を愛撫する。残るサリは、アメリの頭を抱え込んで逃げられないようにする。そして激しく舌をアメリの口内に出し入れし、さらに彼女の口内をまるでホイップクリームでも掻き立てるかのようにじゅぶじゅぶとかき回した。触手のように長い舌を持つ彼女らだからできる芸当だ。
「んん!? んんんーっ!!」
たまらないのはアメリだ。粘液を口腔内に塗りたくられ、全身をぬるぬると撫でられただけでイキそうになっていたのだ。そこに、このような激しい愛撫を加えられて耐えられるはずがない。
ほどなくして彼女はぐいっと腰を突き上げた。むき出しにされている股間にある肉壷が、男のモノから精液を搾ろうと空収縮する。性器に触れられることなく、絶頂に達したのだ。
ひとしきり身体を戦慄かせたあと、どさりと彼女は柔らかな地面にその身を力なく横たえた。派手な女戦士のアクメぶりにミューカストードは笑う。
「あんなに強気だったのにあっさりとイッちゃったね」
「アタシたちのこと、あんなに気持ち悪いと言っていたくせに」
「本当はあなた、マリたちをやっつけないといけないんだよ? それなのになさけなーい」
「うっ、くう……」
ケロケロと嘲笑してくるミューカストードにアメリは悔しさのうめき声を上げる。だがそれすらどこか色っぽい。そして身体は指一本彼女の意思で動かすことができないほど脱力している。彼女の身体に刻みつけられた快感と媚薬の効果はそれだけ凄まじかったのだ。
しかし、ミューカストードの仕返しはこれで終わらない。
「次はアタシが胸に回るわ」
「じゃあマリがキスに回るぅ♪」
「なっ!?」
ミューカストードたちはまだ蹂躙をやめるつもりはないらしい。アメリが驚愕の声を上げるうがどこ吹く風で彼女たちは話している。
「えー、それじゃあ私が一番にココをいただくことになるけど……」
「いいんじゃない? ファーストコンタクトはあなただったんだし」
「ラリちゃんいっちゃえー!」
「そう? それじゃ、お言葉に甘えて……」
「な、何をする!? お前ら、やめ……あっ!」
アメリの言葉が途中で途切れる。ラリはアメリの両膝に手を置いて外へと押し広げたのだ。カエルが仰向けにひっくり返って倒れている状態のように。それまで以上に、彼女の濡れた性器が露わになる。必死に脚を閉じようとするアメリだが、戦士の彼女の筋力を持ってしてもラリには勝てなかった。そして、彼女の身体からまた力が抜けることが施される。
「うああああっ!?」
びくんとアメリの身体が跳ねる。ラリの舌がべろりとアメリのクレヴァスを舐め上げたのだ。蜜を垂れ流す腟口、ラヴィア、その上で震えているクリトリス……彼女の反応にラリがにやりと笑う。
「ん〜、感度いいわねぇ♪ このままクリちゃんぺろぺろしてイカセて上げてもいいけど、それじゃ芸がないから……ムーカストードらしくいじめてあげるね♪」
「な、何を……あ、あ、あっ……!」
突然下肢から沸き起こった快感と圧迫感にアメリは声を上げる。何が起きているのか、首を曲げて彼女は自分の下腹部を覗きこんだ。快感にとろけているその目に恐怖が混じり、顔が引きつる。
ラリは舌をアメリの中に挿れたのだ。ミューカストードの長い舌は膣壁を撫でながらどこまでも入っていき、ぐにゅりと子宮口まで圧迫した。
「や、やめろ! それは……ひううう!?」
やめないよ、とばかりにラリはにやりと笑い、舌による抽送を開始した。舌がずるずると膣から引き出され、また押し込まれる。肉棒と違って摩擦が強すぎることもなく、絶妙な快感を送り込んでくる。
教団の国出身のアメリであるが、男性経験がないわけではない。あまり思い出したくない経験であるが。その経験がなまじあるため、アメリの挿入に対して苦痛は少ない。それの代わりに快感が占める。
「やめ、やめ……はぁああっ!」
「ほらほら、アタシたちもいるのを忘れんなよ?」
横にいたサリがたくし上げるようにしてアメリの胸を粘液で滑った手で揉む。たったそれだけなのに、アメリは快感に息を呑む。女戦士の反応に強気なムーカストードはにやりと笑う。さらに舌を伸ばしてべろべろと彼女の筋肉質な身体を這いまわり、粘液を塗りたくる。膣からの刺激と比べるとその快感は地味ではあるが、着実にアメリを追い詰めていく。
「マリもいるんだよ〜? ん〜っ♪」
頭側に回っていたのんびり屋のミューカストードが、アメリの上体を起こし、頭を両手で押さえ込んだ。アメリの顔を強引に横に向け、そのまま目を閉じて顔を近づけてくる。彼女が何をするつもりか、桃色の霧がかかった頭で理解するよりマリの行動が決まるのが早かった。
「んんっ!? んんんん〜!?」
マリによってアメリは強引にくちびるを重ねられる。そのくちびるを割ってミューカストードの舌が入り込んできた。その舌もサリのような激しさこそないものの、だがねっとりと着実に追い詰めるように、アメリの口内を蹂躙し、舌に絡みついた。さらに粘液が流し込まれていく。無意識のうちにアメリはそれを飲み下していった。当然、魔力を含んだそれは官能の炎を大きくする燃料となり、アメリを蝕んでいく。
「えへへ〜♪」
くちびるを離して笑うマリ。だが舌は伸ばしており、その先はアメリの口内に侵入したままだ。故にアメリはまた口を封じられた状態となり、話せない。できるのは、下肢と全身と口から回る快感に、くぐもった喘ぎ声をあげるだけ。
「ほーら、見てごらん?」
今まで口を攻めていたので話せなかったサリがアメリに話しかける。そして身体を少しずらし、視線をある一点に向けた。その視線に導かれるように、アメリは彼女が見ている先を見た。大きく広げられた自分の脚。その手前でラリが跪き、アメリの中に舌を出し入れしていた。ぐちゃぐちゃと下品な音をたて、出されては押し込まれ、出されては押し込まれる舌。舌が自分の膣から出るたびに陰唇がいやらしくめくれあがる。だが出てくるのはそれだけではない。出てくるラリの舌にはスライムのような薄く白色に濁った粘液が付いていた。ラリの唾液で舌は滑っているが、その粘液は唾液とは別の物のようだ。
「あれね、全部アンタの愛液だよ。気持ち悪いって言ってたカエルの魔物娘にここまでされるなんて、アンタ惨めね♪」
サリに嘲笑われ、さらに今の自分の状況にカッと頭に血が上る。だがその言葉と羞恥心が自分をさらに掻き立ててしまう。
「んんっ! んごごごご!」
アメリが突然首を激しく振り、脚を蹴りだすようにして暴れだした。何が起こるのか、瞬時に三人のミューカストードは察した。
「ははーん、アンタまたイキそうなんだ? ぬるぬるに撫で回されて、上の口も下の口もぐちゅぐちゅに舌で犯されてイキそうになってるんだ?」
悔しいが図星だ。そして気持ち良いのはアメリがどう思っても止まらない。ケロケロとサリが笑った。
「いいよ、イッちゃいな!」
サリの言葉を合図にしたかのようにマリとラリの舌使いが激しくなった。その追い込みがとどめとなる。再びアメリの身体が絶頂を迎えた。ミューカストードに劣らないほど粘液にまみれたその裸身を妖しげにくねらせ、くぐもった声を上げる。そして絶頂の嵐が過ぎ去り、ぐったりと背後にいるマリに身体を預けた。
「ふふふ……すごいおまんこの締め付けね……舌がちぎれるかと思ったわ」
アメリの中から舌を引き抜いてラリが笑う。舌による栓がなくなりぽっかりと開いた腟口からどろりと粘液が溢れ出る。それはラリの唾液と、アメリ自身の愛液……溢れでた愛液は尻を伝い、地面に落ちていく。その速度はゆっくりで、粘度の高さを物語っている。
「それじゃあ、次はマリがおまんこぐちゅぐちゅするねぇ♪」
アメリの口の中から舌を抜いたマリが今度は名乗り出る。アメリに驚いたり抗議の声を上げる余裕はない。焦点の合わない目で、いそいそと足元に回るマリを見送るだけだ。
「じゃあ私はキス攻めをしようかな♪」
「おいおい、それだとアタシがまた身体じゃないか……いいんだけどさ」
ラリの言葉にサリが若干不満そうな声を上げるが、最終的にそれに決まったようだ。三人のミューカストードは配置につく。
「あ、あ、あああ……」
目の前に迫る、最初に自分が接したミューカストードを見てアメリは、快感への期待と恐怖が混じった声を上げる。そんなアメリを見てラリは残酷なまでににっこりと笑った。
「バカにしてくれた私達の身体……欲しがるくらいに教えこんであげるんだから」
どのくらい時間が経っただろうか。日はすでに山の奥へと消えかかり、空はごく一部を除いて紫色に染まっている。アメリがミューカストードの陵辱から解放されたのはそれくらいの時であった。
「それじゃ、気がむいたらまたねー」
そう言い残してミューカストードたちは湖に去っていった。地面には粘液にまみれ、膣からどろどろの粘液を溢れさせている裸の女戦士が残される。しばらく彼女はぐったりとしていたが、やがてのっそりと立ち上がった。その顔がすぐに不快感に歪む。
「ん……んべっ……口の中……変……」
ぺっと彼女はつばを吐いてみる。その唾液はイヤに粘度が高かった。
『あれ……いったいアタイ……どうしちまったんだろ……?』
自分の身体の変化にアメリは疑問を持つ。だが先程まで快楽漬けになっており今も発情している頭は上手く働かず、それ以上考えるのを放棄していた。
もし彼女が考える能力をまだ持っていたら、自分の身体にまとわりついている粘液が乾かないことに疑問んを持ったはずだ。そしてアレだけオーガズムを味わわされたのに不完全燃焼のように自分が発情しており、膣から異常なほどの粘度の愛液を分泌していることに気づけたかもしれない。だが、できない。
『とりあえず、キャンプに戻ろう……みんな待ってるかな……』
ふらふらと裸身のまま、鎧も薪もバケツも拾わずに彼女はキャンプに向かって歩き出した。たひったひっ……と、水を含んだ足音を立てながら。
15/08/20 23:38更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)
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