連載小説
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癒しと淫猥の雨
「ん、れるっ、ん、んんっ……んっ、んちゅ……高野君、気持ちいい?」
布団の上で、俺はタンクトップとショーツだけの優香さんに手と口で熱烈に愛されていた。
発情期に入っていて、自分が好きだった男がもうフリーだと分かった彼女はもう止まれなかったらしい。
焦らすようにちゅっちゅとペニスにくちづけされ、さわさわと羽の先で愛撫されている。
「めちゃくちゃ気持ちいいです……っ」
「良かった。それなら、もっとサービスしてあげるわ……ん、あむっ」
今までのキスのようなフェラチオから、本格的に銜え込むようなフェラチオに移行する。
口の中で優香さんの舌がくるくると回り、それが敏感な亀頭をかすったり裏筋をなぞったりと、俺の肉棒にまとわりついてくる。
「は、はぐっ……」
思わず俺は声を漏らした。
少しでも気を抜くと精液を放ってしまいそうだ。
出してしまっていいのかもしれないけど、それはなんかもったいない気もしたし、優香さんに悪いとも思った。
「……っ、優香さん、俺にもさせてください」
「いいの? 今日は徹底的にサービスしようかなと思っていたんだけど……それじゃあ、お願いしようかしら?」
優香さんがくるりと身体を旋回させて俺を跨ぎ、紺色のショーツに包まれたお尻をこちらに向けてくる。
そのショーツのクロッチの部分は、夜目でも分かるほど濡れていた。
ショーツを下ろすと、とろとろにとろけて蜜を滴らせている淫花が露になる。
俺は首を伸ばしてその花弁をついばんだ。
「ん、あんっ!」
優香さんが普段のクールな顔からは想像できない可愛らしい声をあげる。
それと同時にぴくんと腰が跳ね上がった。
俺はその跳ね上がった細い腰を両手で抑え、秘裂に舌を這わせていく。
「あ、んあっ……高野くん、気持ちいい……だめっ、集中できない……あむっ……」
快感で乱れながらも優香さんは俺のペニスを銜えて舌を這わせた。
そして頭を上下に動かして舌とくちびるで肉棒をしごく。
部屋には二人のくぐもった嬌声と荒い息、そして互いの性器をしゃぶる音が響いた。
「ぷはっ、ゆ、ゆう、かさ……んっ!」
「くっ、ううん? 何、高野くん、イキそう?」
俺の声に優香さんが口を離し、こちらを振り向いて訊ねる。
振り向いたその顔はすっかりとろけて淫らだった。
「は、はい……すみません」
イクのがもったいないから我慢していたのに、もう持ちそうにない。
優香さんのフェラはそのくらい上手く、俺は追い詰められていた。
「ふふ、謝らないの。我慢できなかったら出しちゃって良いわよ」
言うなり、優香さんはまた俺のモノを銜え込んだ。
そのまま舌が激しく俺のペニスを蹂躙する。
「うあっ、ああああ!」
優香さんのヴァギナを舐めるのも忘れ、俺は快感にのけぞって声をあげた。
腰に射精感がたまっていく。
「ゆ、優香さんっ! もう……!」
そのまま出しなさいとでも言うように、優香さんがきゅっと俺のペニスを吸い上げる。
吸い上げる刺激が止めとなり、俺の肉棒が優香さんの口の中で爆ぜた。
俺が射精している間も優香さんは吸うのを止めず、口内に出された精液を飲み下していく。
吸い出す動きがさらに刺激となり、びゅくびゅくと俺の肉竿は脈打って優香さんの口内に精をまき散らした。
そのためにずいぶん長い射精であったが、それもだんだんおさまり、やがて尿道に残っていた精液も優香さんの口によって吸い取られた。
「ごくっ……はぁ、沢山出したわね」
ようやく俺の射精がおさまったころ、またこちらを振り向いて優香さんがうっとりとした笑みを浮かべる。
それを見て俺はハッとした。
俺が一人だけでイッてしまった……それは男として不甲斐ない。
射精後の脱力感をおして俺は首を伸ばし、切なげに震えているクリトリスに吸い付いた。
「あっ!? ひゃんっ!? ちょ、た……たか、の、くぅん!!」
優香さんが逃げようとするかのように身体をよじる。
それを押さえつけ、俺はクリトリスを吸い、舌で転がし、押しつぶす。
「だめっ! そんなクリばっかり……やあああっ! イクっ、イッちゃううう!」
俺がギリギリだったときは優香さんもそうだったのだろう。
すぐに優香さんもオーガズムに達した。
秘裂からどっと愛液が溢れ出し、身体がビクビクと痙攣する。
「んっ、あっ、あっ……ううっ、高野くん、不意打ちだなんてずるい……」
俺の方を見ながら優香さんが若干涙目になってつぶやいた。
その普段では絶対見られない表情に俺はドキリとする。
優香さんが崩れ落ちた。
でも尻は持ち上げられたままだったので、俺の目にはイッたばかりの秘所がはっきりと見える。
優香さんのソコはまるで肉棒を銜えこんでいない状態で達してしまったのが惜しかったかのように、切なげにひくついていた。
その淫らな光景に俺の肉棒も同時に回復していく。
「すみません。俺ばっかりイッてしまったのは悪いと思って……」
「ふふふ、ありがとう。じゃあ、それなら……」
優香さんがタンクトップを脱ぎ捨てながら、俺の方に体ごと向き直る。
そして大きく脚を開いた状態で俺に秘部を見せつけながら、腰をゆっくりと落としていった。
「今度は二人一緒に気持ちよくなってイキましょう? ん、んんっ……」
性器同士が触れあっただけで、優香さんの身体が震え、甘い声が上がる。
だが、止まらなかった。
優香さんの腰が落とされ、二人が一つになる。
「うっ、あっ……ゆ、ゆうかさ……ああっ」
優香さんの柔肉は心地よく、俺はまともな言葉を紡ぎ出せない。
その肉壺内は熱くて、ぬるぬるしていて、それでいて圧迫感があって、つぶつぶがあって、俺の肉棒を包み込んでいた。
「はふっ、た、たかのく、ん……」
優香さんも快感を味わっているらしく、言葉がとぎれとぎれだ。
俺の背中に翼の腕を回し、ぴくぴくと身体が震えている。
その振動が膣壁を通して俺の性器に伝わるのがまた気持ちいい。
思わずその快感で身体を揺すってしまう。
「あ、あんっ! もう動きたい? いいわよ、動いてあげるわ」
それを機に優香さんが動き始めた。
腰を前後にぐねぐねと動かしながら身体を俺の上で弾ませる。
「優香さん……それ、気持ちいい……っ!」
「わ、私もこれが……いい、これが……んあっ」
うっとりとした顔で優香さんはヒダを俺のモノに擦りつけるようにして動く。
腰の動きに併せてハーピー種ならではの薄い胸が控えめに上下しているのが俺の目に入った。
その可愛らしい乳房に俺は腕を伸ばし、手を這わせる。
「んっ、ああっ! ひゃうっ! 何? 胸に触りたいの? 私の胸は小さいわよ?」
「いいえ、俺はこれが好きです!」
心のままに俺は叫ぶ。
形がとても綺麗で可愛らしくて、俺が触れる度に声が上がるほど感度が良くて、ハリがあって……いつまでも触っていたいくらいだ。
優香さんの顔が快感以外で紅くなる。
「もう、こんなのがいいの?」
だが、悪い気分ではなかったのだろう、俺が胸を揉みやすいように身体を倒してきた。
二人の顔が近くなったことで、互いの熱い吐息が絡み合う。
「はっはっ……ん、んちゅう……」
そのまま俺たちはくちびるを重ねた。
舌を絡め合い、舌で歯列をなぞり、唾液を交換する。
「あん、んぅ、……ちゅる、んっ、んはぁ……!」
二人一緒の行為であるが、優香さんがやや押され気味となっていた。
なぜなら、キスしている間も俺の手は優香さんの胸から離れていなかったからだ。
「はふっ、あんっ! もう……!」
音を上げた優香さんが口を離す。
そして今までやられた分のお返しとばかりに腰の動きを大きくした。
結合部から響くくちゅくちゅという水音がより大きくなる。
「おっぱいもいいけど、私のおまんこを攻めて……あっ、んっ! ずっとあなたが欲しくて疼いて仕方がなかったのよ?」
そう言われては動かない訳にはいかない。
俺は自分の腰を突き上げる。
ちょうど優香さんが腰を打ちつけてきたタイミングだったので、俺の肉棒が彼女の柔肉の奥の奥を抉った。
「ふあああんっ!?」
優香さんが身体を俺から離し、背中を大きく反らす。
さらに腰が抜けてしまったのだろう。
膣に俺のペニスを納めたまま、全体重をかけて座り込んでしまうことになった。
結果、二人の結合がこれ以上ないくらい深いものとなる。
「ひぐぅっ!?」
「優香さん? 大丈夫?」
優香さんの声が苦しげな物に聞こえ、俺は声をかけた。
「だ、大丈夫……奥を、突かれて、つい……んっ、ふぅう……でも、腰が抜けちゃったかも……」
快感と情けなさにへにゃっと、優香さんは笑ってみせる。
「大丈夫です、俺が動きますから……!」
「んああああっ♪」
俺が再び腰を突き上げると、優香さんの口から歓喜の声が上がった。
そのまま下からぐいぐいと突き上げ続ける。
「すごいぃい! 刺さってるっ! おまんこの奥まで刺さってるぅ! 私、串刺しにされてるぅ!」
俺に突き上げられ、優香さんはあられもない言葉をわめき散らす。
闇よりも黒い髪が空中で舞乱れ、優香さんの淫靡さがさらに際立った。
狭い部屋には雨に混じって二人の喘ぎ声とぐちゅぐちゅと卑猥な水音、そして俺が下から突き上げる音が響く。
「ひぐっ! あぅっ! 気持ち……いいっ、あっ! あっ! 来る、来ちゃうっ!」
「俺も……くっ!」
二人とも限界が近い。
俺は身体を起して片手を胸に添え、もう一方の手は優香さんの腰にしっかりと回して抱きしめる。
優香さんも離れないように俺の肩にしがみついてきた。
鉤爪が食い込んでちょっと痛いが、優香さんがいることを認識させてくれる。
「高野くんっ! 一緒に……一緒にぃ!!」
脚に力は入っていなかったが、優香さんは腰を少し浮かせた。
俺も腰を引いていたので、肉棒が入口近くまで抜けかかる。
そこから一息に、二人は腰を打ち付けあった。
優香さんは全体重をかけて上から、俺はそれに打ち勝つほどの勢いで下から。
「ひやあああっ! はぁあああんっ!」
「う、あ……」
二人同時に絶頂した。
柔肉がぎゅうぎゅうと吸い付くように、射精している俺の肉棒に絡みつく。
「あっ、あっ……奥に、出されてる……すごく気持ちいい……」
「はぅ……優香さん……」
俺と優香さんは抱き合ったまま絶頂の余韻を味わっていたが、やがて同時にがくりと崩れ落ちた。






「高野君、君に係のチーフリーダーを頼む。今の企画のサポートからそちらに回ってくれ」
「はいっ! ……えっ?」
俺は課長の言葉に耳を疑う。
企画提出があってから半年くらいが経った。
まだ件の企画は実行中だがそろそろ次のことも考えようという頃……そんな時期の、冬の冷たい雨が降っているある日。
俺は課長に突然そう言われ、戸惑った。
企画はまあまあ上手く行っており、俺にも多少の何かはあるだろうと思っていたが、増給に加えてこれはかなりの処遇だ。
企画リーダーの有賀は少しの増給があったらしいが、それだけだった彼と比べると、それよりかなり良い。
純粋に疑問に思い、俺は課長に訊ねた。
「なぜですか?」
「企画が始動してから君と有賀の様子を良く見ていたのだがな……」
そして課長は、俺がトラブルなどの対処に関して優れていたこと、メンバーの配置などが良かった事を挙げた。
「そこから、もしかしたら有賀の企画書は君の……いや」
課長はそこで口をつぐんだが、俺は彼女が何を言おうとしたか何となく分かった気がした。
課長も、有賀が俺の企画書を盗用したことに半ば気づいたのだろう。
だが証拠も何も無い以上、彼のことを批判するのは良くないと思ったらしい。
「とにかく、君をチーフに推しておいた。頑張ってくれ」
「はいっ!」
俺は明るく返事をして頭を下げた。
企画書のことはもういいとして、とにかく認められたのが嬉しい。
それもこれも……
「お、おいっ! どうした高野? 涎が垂れているぞ」
「うぇ? あっ!? ……失礼しました」
「まったくもう……何を考えていたんだ?」
課長が苦笑する。
俺が何を考えていたか……それは、焼鳥の味と一人の女性のことだ。
大切な人に裏切られ、腐りかけていた俺に手を差し伸べ、人を信じること、仲間の大切さを教えてくれた優香さん……
彼女がいなかったら今の俺はいない。
『今夜は優香さんのところでお祝いだな』
頼むものを考えて俺は唾を飲み込んだ。
今夜は、表面はこんがりと中はジューシーに焼けたももやぼんじり、タレと独特の苦味のハーモニーが上手いレバ串、そしてキンと冷えたビールを飲もう。
それを出してくれる、店の主で俺の恋人となった女性の、優香さんの笑顔を見ながら……
12/07/02 19:08更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)
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■作者メッセージ
えっ!? うわ、ちょ!?
痛い、痛い! 石は投げないでっ!
は、はい〜〜〜、ごめんなさい〜〜!!><
焼鳥屋をやっているブラックハーピーさんが騎乗位エロで「串刺しにされているの〜♥」がやりたかっただけなんです〜!

これをやりたいがために主人公を序盤、不幸にしたりなんだりしたんです〜!!
ちょ、岩石落としはやーめーてー!!


そんなわけで、上記の不順な動機から生まれたこの『雨の日に焼鳥と……』ですが、これにて完結です。
いかがだったでしょうか?
いきなり不幸な展開から始まったこのSSですが、楽しんでいただけたのなら幸いです。
まぁ、苦い紅茶が出てからのスイーツが出たってことで……

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