白き者の遊び
その少年はいつもいじめられていた。
「やーい、やーい! しらが頭のクソジジィ〜!」
村の子どもからも
「ついてくるんじゃねーよ!」
「あなたが来るだけで私たちがめいわくするのよ!」
兄や姉からも……
「どうしてこんな子どもが生まれたんだろうね」
「まったく、あんたを産んだばかりにあたし達は大変だよ」
父や母にすら。
少年はいじめられていた。
髪が白色と言う理由で……
少年、キニスはいじめられており、いつも孤独だった。
「そうだ、ぼくなんかいなければ良いんだ。死んでしまえば良いんだ」
ある夜、粗末なベッドの上に起き上がってキニス少年はふとつぶやいた。
キニスが12才の時である。
今まで村の子どもや親兄弟のいかなる仕打ちにも我慢していたキニスだったが、死ねばもう我慢する必要がないと気付いたのだった。
『そうと決まれば話は早い。裏山に滝があったはずだから、そこに身を投げてしまおう!』
悲しいはずの考えを嬉々として決めたキニスはベッドから這い降り、適当な服をまとって家をそっと出た。
月が傾き始めた頃、キニスは目的の場所にようやく着いた。
ゴツゴツした岩に立つキニスの前には滝がある。
『ここから落ちれば、命はないだろう』
下をのぞき込みながらキニスは考える。
滝は12メートルほどの高さがあり、水は岩を打っていた。
飛び散っている水のように、少年の身体は岩に叩きつけられて無残な様になるはずだ。
一瞬そのことを想像してキニスはブルリと身震いする。
だが、もう心に決めていた。
目を閉じて顔を起し、背筋を伸ばして足を一歩、二歩と進める。
そして三歩目には、キニスの足は何も踏んでいなかった。
独特な落下感を少年が襲い、キニスと岩の距離が近づいていく……
「ダメーッ!!」
そのとき、鋭い声が滝の音に混じって響いた。
次の瞬間、キニスは背中に何かあたり、肩のあたりを引っ張られたのを感じた。
落ちていく感覚に代わり、浮遊する感覚をキニスは感じる。
彼は恐る恐る目を開けた。
岩は目の前にあったが彼はそれと衝突していないし、身体のどの部分も岩に接していない。
つまり、岩のすぐ上で浮いている。
そのままキニスはふわふわと移動し、近くの岸に置かれた。
『だ、だれだっ、ぼくをじゃましたヤツは!? ぼくはもう少しで死ねるところだったのに!』
自分を岸に置いた主を少年は睨みつけた。
女の子が腕組みをしていてこちらを見ている。
だが、ただの女の子ではない。
腰のあたりからは薄紫色の悪魔らしい翼と尾が伸びていた。
そして頭からは黒い角が二本、横から伸びている。
『なるほど、インプか……』
似たような挿絵をキニスは、教会から―――少年が住む村は反魔物領内なのだ―――配られた絵本で見たことがあった。
魔物の特徴が簡単に乗せられており、対処法が載っている絵本だ。
その絵本には「魔物は非常に危険な存在で、出会ったらすぐに逃げなければならない」と書かれていたが……
『見たところ、そんな危ないものに見えないんだよな……』
キニスはまじまじとそのインプを見た。
見れば見るほど可愛い女の子にしか見えず、とても危険な存在には見えない。
と、突然そのインプが叫んだ。
「何やっているのよ、あぶないじゃない!」
その言葉でキニスは自分が自殺しようとしていたことを思い出し、それを邪魔した目の前のインプへの怒りが湧き上がってきた。
「死のうとしていたんだ! それをお前がじゃましたんだ! なんでじゃまをした!?」
「だって、ビアンカは人間に死んでほしくないんだもん!」
どうやら、このインプはビアンカという名前らしい。
そのビアンカが金切り声を上げる。
「ぼくが死んだってだれも悲しまない! お前はぼくの友達でもなんでもないだろう? 放っておいてくれよ!」
「じゃあビアンカがいまから友だちになるもん!」
キニスの叫びに負けじとビアンカは叫ぶ。
インプらしい、子どもじみた思いつきのような言葉にキニスは苛立つ。
さらにインプの無神経な、わざわざ傷をえぐるような問いかけに逆上した。
「なんで死のうとしたのよ!?」
「……ぼくはいつもみんなにいじめられていたんだ! 村のみんなに、兄さんに、姉さんに、そして父さんにも母さんにも!」
自分のコンプレックスを口にするのは腹が立つものだったが、自殺を心に決めていた上に逆上していたキニスは一気に叫んだ。
「髪が白いせいで!!」
ビアンカの目が驚きに見開かれた。
いきなり怒鳴られたり、ショッキングなことを伝えられたりしたら、子どもなら泣いてしまうだろう。
だがビアンカは泣かなかった。
驚きの表情は退いていき、不思議そうな表情に変わる。
次に口を開いたとき、その口調は静かだった。
「……ビアンカもかみは白いよ?」
今まで、角と顔に目が行っていたが、なるほど、彼女の髪は白に近い色だった。
『いや、ちょっと待った……』
キニスはビアンカの髪を見て少し考えた。
さっきはインプだと思ったが、何か違和感がぬぐい去れない。
魔物の絵本を見たとき、白い髪を特徴に持つ魔物に親近感があったのでキニスはその魔物娘を覚えていた。
はっきりと白い髪が特徴と書いてあった魔物娘は、魔王の娘であるリリム、ジパングの白蛇、そして……
「それにね、パパだっていじめられっこなゆーしゃだったけど、死のうとはしなかったよ?」
彼女の話だとビアンカの父は、昔は勇者の祝福を受けておきながらひ弱で剣もろくに使えない少年だったらしい。
だが、仲間に助けられながら冒険しているうちに、魔術の才能に目覚め、それを生かした魔法で活躍したらしい。
そのエピソードはキニスを少し勇気付けたが、それと同時にビアンカの正体も確信させた。
『まちがいない、この子は……』
アークインプ……そのへんの魔物娘と比べると遥かに上級な存在であり、出会ってしまったらもはや諦めるほかないほど危険と言われている。
だが、そのように危険と言われる魔物娘を前にして、キニスは不思議と落ち着いていた。
あるいは互いが気づいていないだけで、キニスはすでにビアンカの魔力によって魅了されていたのかもしれない。
「ねぇ、ビアンカがお友だちになるから、死なないで?」
ふっとビアンカがキニスの手を取る。
「友だちならいっしょにあそぶし、いじめられていたら助ける。それに、友だちが死ぬと、ビアンカ悲しい」
その手は小さかったが、キニスは自分の手が温かいものにくるまれたような感じがした。
「だから……ね? ビアンカと友だちになろう?」
にっこりと笑うビアンカ。
その笑顔を見たキニスの頭からは死ぬなどという選択肢は完全に吹き飛んでいた。
「うん、分かった。ぼく、ビアンカと友だちになる!」
少年は少女の手を握り返し、明るくはっきりと言った。
「よろしくね、えーっと……」
「キニスだ」
ビアンカにまだ自分が名乗っていないことを思い出し、キニスは名前を告げる。
「それじゃあ、キニちゃん! さっそくビアンカと遊ぼう♪」
本来であれば少年には寝る時間であるし、生きることを決意したのであればキニスは家に帰って明日を迎えるべきである。
だが初めてできた友達に、ましてやアークインプの少女に心を奪われているキニスが逆らえるはずがなかった。
「うん、遊ぼう! 何するの?」
「それじゃあ……」
「ん、ちゅう……はふっ、んんっ……」
「んんぅ、んっ……ビアンカぁ……」
滝から離れ、森の中に二人はいる。
そこでキニスはビアンカに熱烈なくちづけをされていた。
キニスには別にキスや魔物と交わることの嫌悪感はないのだが、知識などがない故、ビアンカにされるがままになっている。
ビアンカがようやく口を離す。
二人の口を銀色の唾液がつないでいた。
「ねぇ……服、ぬいで?」
ビアンカがささやいた。
彼女のキスを無抵抗に受け入れていたキニスだったが、さすがに抵抗をしめす。
「そ、そんなの……恥ずかしいよぅ……」
「だいじょうぶ。ビアンカもぬぐから……」
「う、うん……」
二人で脱ぐのなら恥ずかしくないという気持ちが半分、目の前の少女の裸を見てみたいという気持ちが半分。
その思いでキニスは言われるがまま、服を脱いだ。
色白で無駄毛がない、この年頃の少年にしてはかなり細身な裸体が露になる。
少年の身体はまだ大人になろうとする段階の上、必要最低限程度の食事しか与えられていなかった故の身体だ。
一方ビアンカも、自分の言葉通りに服を脱ぎ捨てた。
彼女の身体も、成熟した女性という形容とは程遠い。
少し成長した胸のふくらみ、柔らかそうな腹、幅狭い腰、その中央に位置する筋と、アークインプらしい、幼い少女の体つきである。
だがその裸体は姉や母の裸すら見たことのないキニスの目を奪い、股間を反応させるには十分であった。
ビアンカの目がにんまりといやらしく笑う。
服を地面に広げ、二人はそこに腰を下ろした。
座るや否や、ビアンカはキニスの性器に手を撫ではじめる。
小さな手がペニスを握り、しゅっしゅとそれを扱く。
「は、はぅ!? アッ! ビアンカ、何を……!?」
「何って、オチンチンしごいているんだよ。 手コキってママが言っていたわね」
少女のような声を上げるキニスに対し、ビアンカは手を休めずに無邪気に応える。
性に関しては厳しい村であったため、キニスは自慰の経験もなかった。
慣れない快感にキニスは戸惑い、だが確実にその快感に惹き込まれていく。
「やめて、なんか変だよぉ……」
「でも気持ちいいんでしょう? ほらほらぁ」
キニスの顔を下から見上げながら、ビアンカは彼の性器を扱き抜く。
その上目使いの可愛らしい表情にキニスはどきりとし、股間のペニスもそれに呼応して力を増した。
じゅわっと鈴口から透明な液体が漏れる。
ビアンカはそれを指先でかすめとり、キニスの亀頭に塗りたくった。
「いっ!? ふわあああっ!」
敏感すぎる故のかすかな痛みと、それを遥かに上回る快感にキニスは身体をよじる。
「あっ、そんなにあばれたらダメッ!」
ビアンカがキニスの片足の腿に跨り、体重をかけて拘束する。
逃げられなくなったキニスへの攻めが激しくなった。
人差し指以外の手は肉棒を包んで扱き、人差し指はぬるぬると亀頭を撫でる。
その刺激に、さらに目の前に広がる少女の裸体という視覚的刺激に少年は今の快感とは異なる快感を催した。
「ビアンカっ、もう止めてぇ! もれちゃう、おしっこもれちゃうよぅ!」
涙まじりの声でキニスは訴える。
だが、ビアンカを突き飛ばしたりしないところからも、本心で嫌がっているわけではないのは一目瞭然だ。
本能は快感の先にある、尿意にも似た感覚を我慢せずに漏らしてしまいたいという欲望を肯定している。
ビアンカもそれは分かっていたし、何より少年が今から漏らすものは尿ではないことを知っていた。
「それ、おしっこじゃないよ。たぶん、せーえきだよ。パパもママにこんな風にシコシコ手でしごかれたら出していたもん。とてもきもちよさそうだったよ」
両親の交わりの様子を少女は教える。
二人の目には映っていないが、ビアンカは小さな尻をもじもじと動かしていた。
その内股を透明な液体が伝っている。
親の交わりの様子を思い出し、そして同じように少年を性的にいたぶっていることが、魔物の少女を興奮させていた。
「出して出して〜、せーえき出して〜」
初めての友だちになってくれたアークインプの甘え声なおねだりに、キニスの心と身体はあっさりと応えた。
どくんと肉棒が脈打ち、白い液体がどぷりと吐き出される。
若い身体から吹き出た白濁液は勢いがあり、ビアンカの顔にべっとりとかかった。
「ひゃっ!? ……うふふ、いっぱい出たね」
顔に体液をかけられ、驚きこそしたものの嬉しそうにビアンカは笑う。
一方のキニスは初めての射精後の脱力感に襲われ、大地に身体を投げ出していた。
だがそれでも意識はハッキリしており、ビアンカを見ている。
「う、あああ……なに、それぇ……」
彼女の顔は、キニスの白濁液によってべっとりと汚れていた。
普段は尿を排泄しているところから出した得体の知れない体液で友達の顔を汚してしまう……
その罪悪感と、それでいながら不思議な征服感が彼を満たす。
「ほら、見て……これがせーえきだよっ♪ 男の人がきもちよくなると出して、まものはこれが大好きなんだよっ」
ビアンカは口の周りに着いた精液を舌で舐めとり、そして片方の頬にかかった精液を掬いとって集め、キニスに突きつける。
彼女の指先にある液体はドロドロしていて、生ぐさい臭いがし、そして……
「せーえきも白いよね。ビアンカとキニちゃんのかみの毛と同じね」
少し嬉しそうにビアンカは言う。
髪と精液は全くの無関係である。
だが、ビアンカにそう言われると不思議と、ビアンカが喜んでいるのをみると、何となく自分の髪の色と精液の色が似ているのを嬉しく思えた。
「ん、あむっ、れる……じゅるり……えへへ、おいしい♪」
キニスの見ている前で、ビアンカは顔にかけられた精液を綺麗に舐めとっていく。
尿と同じところから出た体液を口にするビアンカにキニスは妙に興奮し、震える。
「そ、そんなもの食べちゃだめだよ……き、汚いよ……」
「んちゅ……ううん、せーえきはきたないものじゃないよ。ママもよくパパのせーえきをなめてるもん」
キニスの言葉を制し、ビアンカは言う。
「それより、あそびのつづきをしよ?」
「つづき?」
不思議そうに言うキニスにビアンカは大きく頷いた。
「そう、つづき。手やお口できもちよくするなんて、まだまだはじまりなんだから」
そう言ってビアンカはキニスの前に腰を下ろし、足を広げていった。
キニスが今までみたこともなかった、女の秘密の場所が露わになる。
薄いくちびるを思わせるそこは、端からとろとろと唾液のように雫を垂らしていた。
ビアンカが二本の指で秘裂を広げてみせる。
中から薄紅色の柔肉が露になった。
その肉壁はぬるぬるした粘膜に包まれており、ひくひくと蠢いている。
「う、うわぁあ」
生々しくも美しい、初めて見る女性器にキニスは目が釘付けになった。
彼の性器は若さゆえ一度射精しただけでは萎えていなかったが、ビアンカの淫らな肉孔を目にすることにより、ぐぐぐっとさらに力を増す。
それを見てビアンカは嬉しそうに笑った。
「うふふ、ビアンカのおまんこを見てこーふんした?」
「お、おまんこ?」
「そう、おまんこ。男の子におちんちんがあるように、女の子にはおまんこがあるの」
子どもでも魔物であるビアンカは、性については何も知らない友だちに丁寧に教えていく。
「このおまんこの中におちんちんを入れるの。ぐちゅぐちゅして、とってもきもちいいんだよ」
にちゃっと音を立てて、膣壁が蠢いた。
その淫靡な様子に、さらに自分の敏感な性器がこの粘膜に包まれたらどうなるか、想像してキニスはごくりと生唾を飲んだ。
だが、どうすれば良いのかキニスには分からない。
戸惑ったようにキニスはビアンカを見た。
「ど、どうすれば……」
「だいじょうぶ。ビアンカはママとパパがあそんでいるところをよく見ているから知っているよ。だから、ビアンカが教えてあげる」
そう言ってビアンカはキニスに、仰向けになるように命じた。
言われるがまま仰向けになったキニスを、立ち上がったビアンカがまたぐ。
そのままビアンカはゆっくりと腰を下ろしていった。
「あ、あ、あああ……」
少年の肉竿と少女の肉孔の距離が縮まっていく。
その様をキニスはつい凝視してしまう。
とうとう、二人の粘膜が触れあった。
「う、あ……」
「んっ……」
それだけで二人は甘い声を漏らす。
友だちの大事なところに自分の大事なところが触れているという事実とその快感が二人を興奮させ、悶えさせる……
「いくよ……」
少し震える声でそう言い、ビアンカは一息に腰を落とした。
「ふわあああっ!」
「うっ!? ひぐっ!?」
自分の性器が柔らかくぬめって熱い肉壁に撫でられながら包まれていく感触に、少年は思わず声をあげる。
だが、それでもビアンカが苦しげな声を漏らしたことには気がつくことができた。
「ビ、アン……カ?」
「い、痛い……」
さすがの魔物娘も、初めては痛かったようだ。
それも、力任せに上から腰を一息に落としたものだから、痛みはかなりのものだった。
目からはぽろぽろと涙が溢れている。
「ビアンカ、だいじょうぶ?」
「うん、だいじょうぶ……やっぱり、見るのと、するのはちがうわね……えへへ」
それでもビアンカは友だちのためににこりと笑ってみせる。
両親が交わっている様子を見てやり方は知っていたつもりだったが、男と交わるのは初めてだったビアンカに、両親のように交わるのは無理があった。
だが、キニスのモノを体内に納めてジッとしているうちに、痛みが薄れていく。
たとえ初めてでも、魔物娘の身体は性に関して長けていた。
「いくよ……」
母の腰の動かし方を頭の中で思い出しながら、そのようにビアンカは腰を動かす。
くねくねと腰が前後に動く。
「ふわ、あっ、あっ、あああっ!」
「んんんっ! いいっ! キニちゃんのおちんちんがビアンカのおまんこを掻き回しているのぉ!」
二人の嬌声が絡まり合う。
キニスは自分の肉棒が柔肉の海でかき回されているかのような快感に悶えた。
ビアンカも、キニスの性器によって自分の膣奥が圧迫され、子宮口が亀頭にこすりつけられる快感によがる。
もっとこの快感を味わおうとビアンカはさらに腰を激しく動かした。
だが……
「ダメぇ、またもれちゃうよぅ……」
ビアンカの下でキニスが降参の声を上げる。
まだ男としての快楽に目覚めたばかりの少年には、最上級の魔物娘による腰さばきに耐えるのは酷だった。
「だ、ダメ! もうちょっと我慢……」
「ご、ごめんビアンカ、ビアンカぁ!」
謝罪の言葉を口にしながら、キニスの身体が絶頂を迎えた。
ビアンカの膣内でキニスの肉棒が脈打ち、どくんどくんと白濁液を吐き出す。
「ああ、出てる……キニちゃんのせーえき、ビアンカのおまんこの中に出てる……」
腰の動きを止め、うっとりとした顔でビアンカはキニスの精液を受け止める。
ビアンカは少し、ペニスを引き抜いた。
秘裂からビアンカの愛液に混じってキニスの精液がこぽりと流れ出る。
「また白いせーえき、いっぱい出したね……」
これ以上好物の精液が流れでないようにと、ビアンカは腰を下ろし、射精しても未だに萎えていないキニスの肉棒で蜜壷に蓋をした。
だが、それはただ単に蓋をするというだけの行為ではなく、もっと交わりたいという意思の表れでもある。
自分が高まる前にキニスが感極まってしまったため、やや不満はあった。
「もう、一緒にイキたかったのに……」
「……イ、く?」
音だけはよく聞くが意味はまったく異なっていそうな単語に、キニスは呆然と聞き返す。
「そう、イく。男の子はきもちよくなってイッちゃうとせーえき出すけど、女の子もイくんだよ。せーえきとかは出さないけど、身体がビクビクってなってすっごくきもちいいんだよっ」
母親がイッている様子を思い出しているのだろう。
ビアンカの顔が口の中で甘いものをとろかしているかのようなうっとりとした顔になる。
その恍惚とした顔にキニスの胸が高鳴った。
「ねぇキニちゃん……」
ビアンカがキニスの耳元に口を寄せて囁く。
「いっしょにきもちよくなって、いっしょにイこう?」
「う、うん!」
ビアンカによって教えられた射精はとても気持ちよかった。
同じようにビアンカも気持ちよくなれるのであれば、ビアンカも感じないと不公平だ。
その心からキニスは、ビアンカがイくまで射精を我慢しようと決意した。
「ん、あんっ! あ、ふうううんっ! これぇ、このうごきもいいのぉ!」
先程は前後の動きだったが、今度は上下にビアンカは腰を動かし出した。
ビアンカの愛液とキニスの先程出した精液が混じり合い、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てる。
自分で腰を動かすことによって得られる快楽にビアンカは声を上げた。
「はっ、くぅ……」
一方、キニスは歯を食いしばってやや苦しげな声を上げている。
ビアンカと一緒に絶頂するために、自分一人で射精はしまいと決意していたのだが、それはなかなか難しかった。
それもそのはず、相手は何といってもアークインプである。
魔王にかなり近い存在とされ、本人には自覚がなくとも卓越した性技と魅了の魔力を持つ存在だ。
そんな彼女の攻めに、つい先程まで童貞で性の知識もほとんどなかった少年が耐えろと言うのが難しい。
しかし、キニスはかなり頑張った。
そのお陰でビアンカは自分の腰使いによって自分が追い上げられていく。
「あはぁっ! きもちいいっ! キニちゃんのおちんちんよすぎて……くぅう! 」
キニスの上で腰を弾ませながらビアンカは叫ぶ。
ビアンカが小さなお尻を持ち上げる度にずるずると肉襞とカリの傘がにゅるにゅると擦れ合い、腰を下ろす度に肉棒がぬぷぬぷと肉孔の中に埋まっていく。
この淫らな繰り返しの遊びに二人はすっかり夢中になっていた。
だが、射精をこらえようとしていたキニスの気力はもう限界が近い。
「ビ、ビアンカ……っ! ぼく、もう……!」
「うん、出して! んあっ、キ、キニちゃんの白いの、いっぱいちょうだい! ビアンカも、ビアンカも……も、もうダメっ!」
ビアンカのほうも限界だったようだ。
そのまま自分とキニスにとどめをさすべく、腰の動きをさらに激しくする。
二人の粘膜が擦れ合うのに加え、亀頭と子宮口がぶつかり合う。
そして
「あ、あ、イく、イッちゃうう!」
「く、ああああっ!」
ふたりほぼ同時に上り詰めた。
三度目とは思えない量の白濁液が二人の結合部を染める。
「ひあっ、あっ……キニ、ちゃ……」
「ビアンカぁ……」
二人で最高潮の快楽を味わいながら、二人の淫らな遊びは終わるのだった。
本当のところはもっと二人は遊びたかったのだが、そうも行かない。
キニスは家に帰る必要がある。
ビアンカは少し駄々をこねたが、キニスが昼にも遊びにくることを約束したのでおとなしくなった。
二人は指きりをして、その日は別れた。
約束通り次の日の昼、キニスはビアンカに会いに来た。
そして友だちになった夜と同じように、二人で淫らな「遊び」をした。
その日も、その次の日も……キニスとビアンカは毎日会い、毎日交わった。
キニスの家族は、彼が毎日のように裏山に出かけることに最初は何とも思っていなかったが、次第に不信に思うようになった。
おかしいと思った両親は教会に相談し、そこの神父はキニスの後をつけることを約束したが……
それより、ビアンカ達が行動を起こすほうが早かった。
「ねーねー、キニちゃん。もっとたくさん友だちを作って、みんなであそびたいよね」
ある日のこと……ふたりは知らないが、ちょうどキニスの両親が教会に相談をしていたころ。
いつもどおり遊んだ後、ふいにビアンカがそう言い出した。
「う〜ん、ぼくはビアンカと遊べていれば楽しいよ」
最上級の淫魔によって快楽を教え込まれた少年はもはや彼女と以外交わることなど考えていなかった。
「それに、みんなで遊ぶって言ったって、この遊びは二人でしかできないじゃん」
「うん、そうだけど……みんなが同じようなあそびをしていたら楽しいじゃない」
ビアンカの言葉にキニスは少し考えた。
確かに、ビアンカとのこの遊びは楽しい。
村の子どもたちはこの遊びを知らないだろう。
教えてあげたいところなのだが……
「でもぼく、村のみんなにいじめられていたから、この遊びを教えられないよ?」
キニスはガッカリと落ち込んで暗い声を出す。
しかし、ビアンカはまったく動じなかった。
「しんぱいしないで。ママとそうだんしたんだけど、とっておきのほうほうがあるの!」
「とっておきの方法? どんなの?」
「うふふ、それはあしたになってからのおたのしみ♪」
目をぱちくりさせるキニスに対し、ビアンカは妖しげな笑いを浮かべるだけだった。
「それより、もう一回、ビアンカとあそばない? 今度はキニちゃんがビアンカを気持ちよくしてねっ」
「う、うんっ!」
ビアンカのおねだりどおり、キニスはビアンカに覆いかぶさる。
みんなと遊ぶことはさておき、二人はふたたび二人の遊びを始めた。
翌朝……
「ねーねー、キニちゃん! おきておきて!」
自宅のベッドで寝ているキニスをビアンカが揺すって起こそうとする。
「う、う〜ん……び、ビアンカ!?」
ビアンカに起こされたキニスは仰天した。
無理もない。
キニスが住む村は反魔物領内である。
魔物が入り込もうものなら、袋叩きにされるはずだ。
「こ、こんなところに来たら危ないよビアンカ! ここは……っ!」
「だいじょうぶだよ。みんなビアンカとなかよしだもん。ほら、見て……」
ビアンカはキニスの手を取り、窓へと誘った。
キニスが窓から外の様子を見てみると……
「こ、これは!?」
キニスの目が見開かれる。
外にいる子どもたちはみんな、キニスとビアンカがよくしている「遊び」をしていた。
いつもキニスをいじめていたガキ大将が、病弱だけど高慢ちきな村長の孫娘に組み伏せられて犯されている。
キニスの一番上の兄は隣に住んでいる雑貨屋のお姉さんと淫らに絡み合っていた。
村の教会の神父は、3人の女の子のおもちゃにされている。
そのうちの一人はキニスの姉だ。
だが彼女たち、遊んでいる女の子たちはみんなキニスが知っている女の子であって知らない女の子だった。
みんなビアンカと同じように頭から角を、腰から翼と尾を生やしている。
ビアンカと違うのは、翼と尾と髪がビアンカと比べて色が濃いこと……
みんな、インプになっていた。
そう、たった一晩でキニスが住んでいた村はビアンカと彼女の母親によってインプの集落にされてしまったのだ。
「どう、すごいでしょう?」
「うん、すごいよビアンカ!」
これでキニスを除け者にする者はいないだろう。
みんな同じ遊びをしているのだし、その遊びを教えてくれたビアンカの友だちであるキニスを除け者にできるはずがない。
「ねーねー、みんながあそんでいるのを見たら、ビアンカもあそびたくなっちゃった……ねぇキニスぅ、ビアンカといっしょにあそぼっ!」
「うん、遊ぼう!」
二人は一糸まとわぬ姿になり、キニスのベッドの上に乗る。
「ああ、ビアンカ……ビアンカぁ」
「えへへ、きょうもいっぱい白いのをだしてねっ♪ ん、あん……」
そして淫らな「遊び」を始めた。
白い頭髪を持つアークインプと少年は、彼女が作り出した淫らで気持ちよく楽しい村で、ずっと「遊び」続けるのであった……
「やーい、やーい! しらが頭のクソジジィ〜!」
村の子どもからも
「ついてくるんじゃねーよ!」
「あなたが来るだけで私たちがめいわくするのよ!」
兄や姉からも……
「どうしてこんな子どもが生まれたんだろうね」
「まったく、あんたを産んだばかりにあたし達は大変だよ」
父や母にすら。
少年はいじめられていた。
髪が白色と言う理由で……
少年、キニスはいじめられており、いつも孤独だった。
「そうだ、ぼくなんかいなければ良いんだ。死んでしまえば良いんだ」
ある夜、粗末なベッドの上に起き上がってキニス少年はふとつぶやいた。
キニスが12才の時である。
今まで村の子どもや親兄弟のいかなる仕打ちにも我慢していたキニスだったが、死ねばもう我慢する必要がないと気付いたのだった。
『そうと決まれば話は早い。裏山に滝があったはずだから、そこに身を投げてしまおう!』
悲しいはずの考えを嬉々として決めたキニスはベッドから這い降り、適当な服をまとって家をそっと出た。
月が傾き始めた頃、キニスは目的の場所にようやく着いた。
ゴツゴツした岩に立つキニスの前には滝がある。
『ここから落ちれば、命はないだろう』
下をのぞき込みながらキニスは考える。
滝は12メートルほどの高さがあり、水は岩を打っていた。
飛び散っている水のように、少年の身体は岩に叩きつけられて無残な様になるはずだ。
一瞬そのことを想像してキニスはブルリと身震いする。
だが、もう心に決めていた。
目を閉じて顔を起し、背筋を伸ばして足を一歩、二歩と進める。
そして三歩目には、キニスの足は何も踏んでいなかった。
独特な落下感を少年が襲い、キニスと岩の距離が近づいていく……
「ダメーッ!!」
そのとき、鋭い声が滝の音に混じって響いた。
次の瞬間、キニスは背中に何かあたり、肩のあたりを引っ張られたのを感じた。
落ちていく感覚に代わり、浮遊する感覚をキニスは感じる。
彼は恐る恐る目を開けた。
岩は目の前にあったが彼はそれと衝突していないし、身体のどの部分も岩に接していない。
つまり、岩のすぐ上で浮いている。
そのままキニスはふわふわと移動し、近くの岸に置かれた。
『だ、だれだっ、ぼくをじゃましたヤツは!? ぼくはもう少しで死ねるところだったのに!』
自分を岸に置いた主を少年は睨みつけた。
女の子が腕組みをしていてこちらを見ている。
だが、ただの女の子ではない。
腰のあたりからは薄紫色の悪魔らしい翼と尾が伸びていた。
そして頭からは黒い角が二本、横から伸びている。
『なるほど、インプか……』
似たような挿絵をキニスは、教会から―――少年が住む村は反魔物領内なのだ―――配られた絵本で見たことがあった。
魔物の特徴が簡単に乗せられており、対処法が載っている絵本だ。
その絵本には「魔物は非常に危険な存在で、出会ったらすぐに逃げなければならない」と書かれていたが……
『見たところ、そんな危ないものに見えないんだよな……』
キニスはまじまじとそのインプを見た。
見れば見るほど可愛い女の子にしか見えず、とても危険な存在には見えない。
と、突然そのインプが叫んだ。
「何やっているのよ、あぶないじゃない!」
その言葉でキニスは自分が自殺しようとしていたことを思い出し、それを邪魔した目の前のインプへの怒りが湧き上がってきた。
「死のうとしていたんだ! それをお前がじゃましたんだ! なんでじゃまをした!?」
「だって、ビアンカは人間に死んでほしくないんだもん!」
どうやら、このインプはビアンカという名前らしい。
そのビアンカが金切り声を上げる。
「ぼくが死んだってだれも悲しまない! お前はぼくの友達でもなんでもないだろう? 放っておいてくれよ!」
「じゃあビアンカがいまから友だちになるもん!」
キニスの叫びに負けじとビアンカは叫ぶ。
インプらしい、子どもじみた思いつきのような言葉にキニスは苛立つ。
さらにインプの無神経な、わざわざ傷をえぐるような問いかけに逆上した。
「なんで死のうとしたのよ!?」
「……ぼくはいつもみんなにいじめられていたんだ! 村のみんなに、兄さんに、姉さんに、そして父さんにも母さんにも!」
自分のコンプレックスを口にするのは腹が立つものだったが、自殺を心に決めていた上に逆上していたキニスは一気に叫んだ。
「髪が白いせいで!!」
ビアンカの目が驚きに見開かれた。
いきなり怒鳴られたり、ショッキングなことを伝えられたりしたら、子どもなら泣いてしまうだろう。
だがビアンカは泣かなかった。
驚きの表情は退いていき、不思議そうな表情に変わる。
次に口を開いたとき、その口調は静かだった。
「……ビアンカもかみは白いよ?」
今まで、角と顔に目が行っていたが、なるほど、彼女の髪は白に近い色だった。
『いや、ちょっと待った……』
キニスはビアンカの髪を見て少し考えた。
さっきはインプだと思ったが、何か違和感がぬぐい去れない。
魔物の絵本を見たとき、白い髪を特徴に持つ魔物に親近感があったのでキニスはその魔物娘を覚えていた。
はっきりと白い髪が特徴と書いてあった魔物娘は、魔王の娘であるリリム、ジパングの白蛇、そして……
「それにね、パパだっていじめられっこなゆーしゃだったけど、死のうとはしなかったよ?」
彼女の話だとビアンカの父は、昔は勇者の祝福を受けておきながらひ弱で剣もろくに使えない少年だったらしい。
だが、仲間に助けられながら冒険しているうちに、魔術の才能に目覚め、それを生かした魔法で活躍したらしい。
そのエピソードはキニスを少し勇気付けたが、それと同時にビアンカの正体も確信させた。
『まちがいない、この子は……』
アークインプ……そのへんの魔物娘と比べると遥かに上級な存在であり、出会ってしまったらもはや諦めるほかないほど危険と言われている。
だが、そのように危険と言われる魔物娘を前にして、キニスは不思議と落ち着いていた。
あるいは互いが気づいていないだけで、キニスはすでにビアンカの魔力によって魅了されていたのかもしれない。
「ねぇ、ビアンカがお友だちになるから、死なないで?」
ふっとビアンカがキニスの手を取る。
「友だちならいっしょにあそぶし、いじめられていたら助ける。それに、友だちが死ぬと、ビアンカ悲しい」
その手は小さかったが、キニスは自分の手が温かいものにくるまれたような感じがした。
「だから……ね? ビアンカと友だちになろう?」
にっこりと笑うビアンカ。
その笑顔を見たキニスの頭からは死ぬなどという選択肢は完全に吹き飛んでいた。
「うん、分かった。ぼく、ビアンカと友だちになる!」
少年は少女の手を握り返し、明るくはっきりと言った。
「よろしくね、えーっと……」
「キニスだ」
ビアンカにまだ自分が名乗っていないことを思い出し、キニスは名前を告げる。
「それじゃあ、キニちゃん! さっそくビアンカと遊ぼう♪」
本来であれば少年には寝る時間であるし、生きることを決意したのであればキニスは家に帰って明日を迎えるべきである。
だが初めてできた友達に、ましてやアークインプの少女に心を奪われているキニスが逆らえるはずがなかった。
「うん、遊ぼう! 何するの?」
「それじゃあ……」
「ん、ちゅう……はふっ、んんっ……」
「んんぅ、んっ……ビアンカぁ……」
滝から離れ、森の中に二人はいる。
そこでキニスはビアンカに熱烈なくちづけをされていた。
キニスには別にキスや魔物と交わることの嫌悪感はないのだが、知識などがない故、ビアンカにされるがままになっている。
ビアンカがようやく口を離す。
二人の口を銀色の唾液がつないでいた。
「ねぇ……服、ぬいで?」
ビアンカがささやいた。
彼女のキスを無抵抗に受け入れていたキニスだったが、さすがに抵抗をしめす。
「そ、そんなの……恥ずかしいよぅ……」
「だいじょうぶ。ビアンカもぬぐから……」
「う、うん……」
二人で脱ぐのなら恥ずかしくないという気持ちが半分、目の前の少女の裸を見てみたいという気持ちが半分。
その思いでキニスは言われるがまま、服を脱いだ。
色白で無駄毛がない、この年頃の少年にしてはかなり細身な裸体が露になる。
少年の身体はまだ大人になろうとする段階の上、必要最低限程度の食事しか与えられていなかった故の身体だ。
一方ビアンカも、自分の言葉通りに服を脱ぎ捨てた。
彼女の身体も、成熟した女性という形容とは程遠い。
少し成長した胸のふくらみ、柔らかそうな腹、幅狭い腰、その中央に位置する筋と、アークインプらしい、幼い少女の体つきである。
だがその裸体は姉や母の裸すら見たことのないキニスの目を奪い、股間を反応させるには十分であった。
ビアンカの目がにんまりといやらしく笑う。
服を地面に広げ、二人はそこに腰を下ろした。
座るや否や、ビアンカはキニスの性器に手を撫ではじめる。
小さな手がペニスを握り、しゅっしゅとそれを扱く。
「は、はぅ!? アッ! ビアンカ、何を……!?」
「何って、オチンチンしごいているんだよ。 手コキってママが言っていたわね」
少女のような声を上げるキニスに対し、ビアンカは手を休めずに無邪気に応える。
性に関しては厳しい村であったため、キニスは自慰の経験もなかった。
慣れない快感にキニスは戸惑い、だが確実にその快感に惹き込まれていく。
「やめて、なんか変だよぉ……」
「でも気持ちいいんでしょう? ほらほらぁ」
キニスの顔を下から見上げながら、ビアンカは彼の性器を扱き抜く。
その上目使いの可愛らしい表情にキニスはどきりとし、股間のペニスもそれに呼応して力を増した。
じゅわっと鈴口から透明な液体が漏れる。
ビアンカはそれを指先でかすめとり、キニスの亀頭に塗りたくった。
「いっ!? ふわあああっ!」
敏感すぎる故のかすかな痛みと、それを遥かに上回る快感にキニスは身体をよじる。
「あっ、そんなにあばれたらダメッ!」
ビアンカがキニスの片足の腿に跨り、体重をかけて拘束する。
逃げられなくなったキニスへの攻めが激しくなった。
人差し指以外の手は肉棒を包んで扱き、人差し指はぬるぬると亀頭を撫でる。
その刺激に、さらに目の前に広がる少女の裸体という視覚的刺激に少年は今の快感とは異なる快感を催した。
「ビアンカっ、もう止めてぇ! もれちゃう、おしっこもれちゃうよぅ!」
涙まじりの声でキニスは訴える。
だが、ビアンカを突き飛ばしたりしないところからも、本心で嫌がっているわけではないのは一目瞭然だ。
本能は快感の先にある、尿意にも似た感覚を我慢せずに漏らしてしまいたいという欲望を肯定している。
ビアンカもそれは分かっていたし、何より少年が今から漏らすものは尿ではないことを知っていた。
「それ、おしっこじゃないよ。たぶん、せーえきだよ。パパもママにこんな風にシコシコ手でしごかれたら出していたもん。とてもきもちよさそうだったよ」
両親の交わりの様子を少女は教える。
二人の目には映っていないが、ビアンカは小さな尻をもじもじと動かしていた。
その内股を透明な液体が伝っている。
親の交わりの様子を思い出し、そして同じように少年を性的にいたぶっていることが、魔物の少女を興奮させていた。
「出して出して〜、せーえき出して〜」
初めての友だちになってくれたアークインプの甘え声なおねだりに、キニスの心と身体はあっさりと応えた。
どくんと肉棒が脈打ち、白い液体がどぷりと吐き出される。
若い身体から吹き出た白濁液は勢いがあり、ビアンカの顔にべっとりとかかった。
「ひゃっ!? ……うふふ、いっぱい出たね」
顔に体液をかけられ、驚きこそしたものの嬉しそうにビアンカは笑う。
一方のキニスは初めての射精後の脱力感に襲われ、大地に身体を投げ出していた。
だがそれでも意識はハッキリしており、ビアンカを見ている。
「う、あああ……なに、それぇ……」
彼女の顔は、キニスの白濁液によってべっとりと汚れていた。
普段は尿を排泄しているところから出した得体の知れない体液で友達の顔を汚してしまう……
その罪悪感と、それでいながら不思議な征服感が彼を満たす。
「ほら、見て……これがせーえきだよっ♪ 男の人がきもちよくなると出して、まものはこれが大好きなんだよっ」
ビアンカは口の周りに着いた精液を舌で舐めとり、そして片方の頬にかかった精液を掬いとって集め、キニスに突きつける。
彼女の指先にある液体はドロドロしていて、生ぐさい臭いがし、そして……
「せーえきも白いよね。ビアンカとキニちゃんのかみの毛と同じね」
少し嬉しそうにビアンカは言う。
髪と精液は全くの無関係である。
だが、ビアンカにそう言われると不思議と、ビアンカが喜んでいるのをみると、何となく自分の髪の色と精液の色が似ているのを嬉しく思えた。
「ん、あむっ、れる……じゅるり……えへへ、おいしい♪」
キニスの見ている前で、ビアンカは顔にかけられた精液を綺麗に舐めとっていく。
尿と同じところから出た体液を口にするビアンカにキニスは妙に興奮し、震える。
「そ、そんなもの食べちゃだめだよ……き、汚いよ……」
「んちゅ……ううん、せーえきはきたないものじゃないよ。ママもよくパパのせーえきをなめてるもん」
キニスの言葉を制し、ビアンカは言う。
「それより、あそびのつづきをしよ?」
「つづき?」
不思議そうに言うキニスにビアンカは大きく頷いた。
「そう、つづき。手やお口できもちよくするなんて、まだまだはじまりなんだから」
そう言ってビアンカはキニスの前に腰を下ろし、足を広げていった。
キニスが今までみたこともなかった、女の秘密の場所が露わになる。
薄いくちびるを思わせるそこは、端からとろとろと唾液のように雫を垂らしていた。
ビアンカが二本の指で秘裂を広げてみせる。
中から薄紅色の柔肉が露になった。
その肉壁はぬるぬるした粘膜に包まれており、ひくひくと蠢いている。
「う、うわぁあ」
生々しくも美しい、初めて見る女性器にキニスは目が釘付けになった。
彼の性器は若さゆえ一度射精しただけでは萎えていなかったが、ビアンカの淫らな肉孔を目にすることにより、ぐぐぐっとさらに力を増す。
それを見てビアンカは嬉しそうに笑った。
「うふふ、ビアンカのおまんこを見てこーふんした?」
「お、おまんこ?」
「そう、おまんこ。男の子におちんちんがあるように、女の子にはおまんこがあるの」
子どもでも魔物であるビアンカは、性については何も知らない友だちに丁寧に教えていく。
「このおまんこの中におちんちんを入れるの。ぐちゅぐちゅして、とってもきもちいいんだよ」
にちゃっと音を立てて、膣壁が蠢いた。
その淫靡な様子に、さらに自分の敏感な性器がこの粘膜に包まれたらどうなるか、想像してキニスはごくりと生唾を飲んだ。
だが、どうすれば良いのかキニスには分からない。
戸惑ったようにキニスはビアンカを見た。
「ど、どうすれば……」
「だいじょうぶ。ビアンカはママとパパがあそんでいるところをよく見ているから知っているよ。だから、ビアンカが教えてあげる」
そう言ってビアンカはキニスに、仰向けになるように命じた。
言われるがまま仰向けになったキニスを、立ち上がったビアンカがまたぐ。
そのままビアンカはゆっくりと腰を下ろしていった。
「あ、あ、あああ……」
少年の肉竿と少女の肉孔の距離が縮まっていく。
その様をキニスはつい凝視してしまう。
とうとう、二人の粘膜が触れあった。
「う、あ……」
「んっ……」
それだけで二人は甘い声を漏らす。
友だちの大事なところに自分の大事なところが触れているという事実とその快感が二人を興奮させ、悶えさせる……
「いくよ……」
少し震える声でそう言い、ビアンカは一息に腰を落とした。
「ふわあああっ!」
「うっ!? ひぐっ!?」
自分の性器が柔らかくぬめって熱い肉壁に撫でられながら包まれていく感触に、少年は思わず声をあげる。
だが、それでもビアンカが苦しげな声を漏らしたことには気がつくことができた。
「ビ、アン……カ?」
「い、痛い……」
さすがの魔物娘も、初めては痛かったようだ。
それも、力任せに上から腰を一息に落としたものだから、痛みはかなりのものだった。
目からはぽろぽろと涙が溢れている。
「ビアンカ、だいじょうぶ?」
「うん、だいじょうぶ……やっぱり、見るのと、するのはちがうわね……えへへ」
それでもビアンカは友だちのためににこりと笑ってみせる。
両親が交わっている様子を見てやり方は知っていたつもりだったが、男と交わるのは初めてだったビアンカに、両親のように交わるのは無理があった。
だが、キニスのモノを体内に納めてジッとしているうちに、痛みが薄れていく。
たとえ初めてでも、魔物娘の身体は性に関して長けていた。
「いくよ……」
母の腰の動かし方を頭の中で思い出しながら、そのようにビアンカは腰を動かす。
くねくねと腰が前後に動く。
「ふわ、あっ、あっ、あああっ!」
「んんんっ! いいっ! キニちゃんのおちんちんがビアンカのおまんこを掻き回しているのぉ!」
二人の嬌声が絡まり合う。
キニスは自分の肉棒が柔肉の海でかき回されているかのような快感に悶えた。
ビアンカも、キニスの性器によって自分の膣奥が圧迫され、子宮口が亀頭にこすりつけられる快感によがる。
もっとこの快感を味わおうとビアンカはさらに腰を激しく動かした。
だが……
「ダメぇ、またもれちゃうよぅ……」
ビアンカの下でキニスが降参の声を上げる。
まだ男としての快楽に目覚めたばかりの少年には、最上級の魔物娘による腰さばきに耐えるのは酷だった。
「だ、ダメ! もうちょっと我慢……」
「ご、ごめんビアンカ、ビアンカぁ!」
謝罪の言葉を口にしながら、キニスの身体が絶頂を迎えた。
ビアンカの膣内でキニスの肉棒が脈打ち、どくんどくんと白濁液を吐き出す。
「ああ、出てる……キニちゃんのせーえき、ビアンカのおまんこの中に出てる……」
腰の動きを止め、うっとりとした顔でビアンカはキニスの精液を受け止める。
ビアンカは少し、ペニスを引き抜いた。
秘裂からビアンカの愛液に混じってキニスの精液がこぽりと流れ出る。
「また白いせーえき、いっぱい出したね……」
これ以上好物の精液が流れでないようにと、ビアンカは腰を下ろし、射精しても未だに萎えていないキニスの肉棒で蜜壷に蓋をした。
だが、それはただ単に蓋をするというだけの行為ではなく、もっと交わりたいという意思の表れでもある。
自分が高まる前にキニスが感極まってしまったため、やや不満はあった。
「もう、一緒にイキたかったのに……」
「……イ、く?」
音だけはよく聞くが意味はまったく異なっていそうな単語に、キニスは呆然と聞き返す。
「そう、イく。男の子はきもちよくなってイッちゃうとせーえき出すけど、女の子もイくんだよ。せーえきとかは出さないけど、身体がビクビクってなってすっごくきもちいいんだよっ」
母親がイッている様子を思い出しているのだろう。
ビアンカの顔が口の中で甘いものをとろかしているかのようなうっとりとした顔になる。
その恍惚とした顔にキニスの胸が高鳴った。
「ねぇキニちゃん……」
ビアンカがキニスの耳元に口を寄せて囁く。
「いっしょにきもちよくなって、いっしょにイこう?」
「う、うん!」
ビアンカによって教えられた射精はとても気持ちよかった。
同じようにビアンカも気持ちよくなれるのであれば、ビアンカも感じないと不公平だ。
その心からキニスは、ビアンカがイくまで射精を我慢しようと決意した。
「ん、あんっ! あ、ふうううんっ! これぇ、このうごきもいいのぉ!」
先程は前後の動きだったが、今度は上下にビアンカは腰を動かし出した。
ビアンカの愛液とキニスの先程出した精液が混じり合い、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てる。
自分で腰を動かすことによって得られる快楽にビアンカは声を上げた。
「はっ、くぅ……」
一方、キニスは歯を食いしばってやや苦しげな声を上げている。
ビアンカと一緒に絶頂するために、自分一人で射精はしまいと決意していたのだが、それはなかなか難しかった。
それもそのはず、相手は何といってもアークインプである。
魔王にかなり近い存在とされ、本人には自覚がなくとも卓越した性技と魅了の魔力を持つ存在だ。
そんな彼女の攻めに、つい先程まで童貞で性の知識もほとんどなかった少年が耐えろと言うのが難しい。
しかし、キニスはかなり頑張った。
そのお陰でビアンカは自分の腰使いによって自分が追い上げられていく。
「あはぁっ! きもちいいっ! キニちゃんのおちんちんよすぎて……くぅう! 」
キニスの上で腰を弾ませながらビアンカは叫ぶ。
ビアンカが小さなお尻を持ち上げる度にずるずると肉襞とカリの傘がにゅるにゅると擦れ合い、腰を下ろす度に肉棒がぬぷぬぷと肉孔の中に埋まっていく。
この淫らな繰り返しの遊びに二人はすっかり夢中になっていた。
だが、射精をこらえようとしていたキニスの気力はもう限界が近い。
「ビ、ビアンカ……っ! ぼく、もう……!」
「うん、出して! んあっ、キ、キニちゃんの白いの、いっぱいちょうだい! ビアンカも、ビアンカも……も、もうダメっ!」
ビアンカのほうも限界だったようだ。
そのまま自分とキニスにとどめをさすべく、腰の動きをさらに激しくする。
二人の粘膜が擦れ合うのに加え、亀頭と子宮口がぶつかり合う。
そして
「あ、あ、イく、イッちゃうう!」
「く、ああああっ!」
ふたりほぼ同時に上り詰めた。
三度目とは思えない量の白濁液が二人の結合部を染める。
「ひあっ、あっ……キニ、ちゃ……」
「ビアンカぁ……」
二人で最高潮の快楽を味わいながら、二人の淫らな遊びは終わるのだった。
本当のところはもっと二人は遊びたかったのだが、そうも行かない。
キニスは家に帰る必要がある。
ビアンカは少し駄々をこねたが、キニスが昼にも遊びにくることを約束したのでおとなしくなった。
二人は指きりをして、その日は別れた。
約束通り次の日の昼、キニスはビアンカに会いに来た。
そして友だちになった夜と同じように、二人で淫らな「遊び」をした。
その日も、その次の日も……キニスとビアンカは毎日会い、毎日交わった。
キニスの家族は、彼が毎日のように裏山に出かけることに最初は何とも思っていなかったが、次第に不信に思うようになった。
おかしいと思った両親は教会に相談し、そこの神父はキニスの後をつけることを約束したが……
それより、ビアンカ達が行動を起こすほうが早かった。
「ねーねー、キニちゃん。もっとたくさん友だちを作って、みんなであそびたいよね」
ある日のこと……ふたりは知らないが、ちょうどキニスの両親が教会に相談をしていたころ。
いつもどおり遊んだ後、ふいにビアンカがそう言い出した。
「う〜ん、ぼくはビアンカと遊べていれば楽しいよ」
最上級の淫魔によって快楽を教え込まれた少年はもはや彼女と以外交わることなど考えていなかった。
「それに、みんなで遊ぶって言ったって、この遊びは二人でしかできないじゃん」
「うん、そうだけど……みんなが同じようなあそびをしていたら楽しいじゃない」
ビアンカの言葉にキニスは少し考えた。
確かに、ビアンカとのこの遊びは楽しい。
村の子どもたちはこの遊びを知らないだろう。
教えてあげたいところなのだが……
「でもぼく、村のみんなにいじめられていたから、この遊びを教えられないよ?」
キニスはガッカリと落ち込んで暗い声を出す。
しかし、ビアンカはまったく動じなかった。
「しんぱいしないで。ママとそうだんしたんだけど、とっておきのほうほうがあるの!」
「とっておきの方法? どんなの?」
「うふふ、それはあしたになってからのおたのしみ♪」
目をぱちくりさせるキニスに対し、ビアンカは妖しげな笑いを浮かべるだけだった。
「それより、もう一回、ビアンカとあそばない? 今度はキニちゃんがビアンカを気持ちよくしてねっ」
「う、うんっ!」
ビアンカのおねだりどおり、キニスはビアンカに覆いかぶさる。
みんなと遊ぶことはさておき、二人はふたたび二人の遊びを始めた。
翌朝……
「ねーねー、キニちゃん! おきておきて!」
自宅のベッドで寝ているキニスをビアンカが揺すって起こそうとする。
「う、う〜ん……び、ビアンカ!?」
ビアンカに起こされたキニスは仰天した。
無理もない。
キニスが住む村は反魔物領内である。
魔物が入り込もうものなら、袋叩きにされるはずだ。
「こ、こんなところに来たら危ないよビアンカ! ここは……っ!」
「だいじょうぶだよ。みんなビアンカとなかよしだもん。ほら、見て……」
ビアンカはキニスの手を取り、窓へと誘った。
キニスが窓から外の様子を見てみると……
「こ、これは!?」
キニスの目が見開かれる。
外にいる子どもたちはみんな、キニスとビアンカがよくしている「遊び」をしていた。
いつもキニスをいじめていたガキ大将が、病弱だけど高慢ちきな村長の孫娘に組み伏せられて犯されている。
キニスの一番上の兄は隣に住んでいる雑貨屋のお姉さんと淫らに絡み合っていた。
村の教会の神父は、3人の女の子のおもちゃにされている。
そのうちの一人はキニスの姉だ。
だが彼女たち、遊んでいる女の子たちはみんなキニスが知っている女の子であって知らない女の子だった。
みんなビアンカと同じように頭から角を、腰から翼と尾を生やしている。
ビアンカと違うのは、翼と尾と髪がビアンカと比べて色が濃いこと……
みんな、インプになっていた。
そう、たった一晩でキニスが住んでいた村はビアンカと彼女の母親によってインプの集落にされてしまったのだ。
「どう、すごいでしょう?」
「うん、すごいよビアンカ!」
これでキニスを除け者にする者はいないだろう。
みんな同じ遊びをしているのだし、その遊びを教えてくれたビアンカの友だちであるキニスを除け者にできるはずがない。
「ねーねー、みんながあそんでいるのを見たら、ビアンカもあそびたくなっちゃった……ねぇキニスぅ、ビアンカといっしょにあそぼっ!」
「うん、遊ぼう!」
二人は一糸まとわぬ姿になり、キニスのベッドの上に乗る。
「ああ、ビアンカ……ビアンカぁ」
「えへへ、きょうもいっぱい白いのをだしてねっ♪ ん、あん……」
そして淫らな「遊び」を始めた。
白い頭髪を持つアークインプと少年は、彼女が作り出した淫らで気持ちよく楽しい村で、ずっと「遊び」続けるのであった……
12/03/29 20:08更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)