読切小説
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after 5 office lady
「バカモーン!!」
とある豪華なオフィスの一室に怒号が飛んだ。
ここは福来ホールディングスの子会社、福来観光の社長室だ。
社長室でこんな頭ごなしな怒鳴り声を上げるのはもちろん、社長しかいない。
彼の名前は伊川 道重という。
「スケジュールの管理もできないで私の秘書が務まるとでも思っているのか!?」
「も、申し訳ありません〜〜っ」
叱責を受けている者は小さくなって謝罪の言葉を述べる。
「別にいいのだよ? 秘書の仕事が気に食わないのであれば倉庫管理部の方にでも回すから・・・」
「そ、それは・・・」
叱責を受けている者は焦りの声を上げた。
観光会社の倉庫など、販売関係の会社と比べればやることはたかがしれている。
つまりは、使えない社員が回されるという噂の部署なのだ。
「やれやれ・・・さて、ちょっと職場を見て回るぞ。営業・企画課のほうにも用事があるし・・・付いてきてくれ」
ねちねちと、人格を傷つけるような説教を終えたあと、伊川は立ち上がる。
「かしこまりました」
その後ろを秘書のワーバット、黒羽 麻夜は小さくなってオドオドと付いていくのであった。


「おい、どうなっているんだ。 その件については総務課からメールが来ているはずだろう」
「大変申し訳ありません。課長の栗原からはその件については何も伺っておらず・・・」
営業・企画課で伊川が叱責していた。
その叱責に応対しているのは係長の梅軒だった。
マンティス故に抑揚がない声で誠意があるかどうか若干判断しづらいが、頭を低く下げている。
「バカモーン!!」
怒鳴り声が営業・企画課のオフィスに響く。
だが、怒鳴られているはずの梅軒は身動ぎもしない。
それもそうだ。
なぜなら・・・
「なんで両者の連携が取れているかどうか確認していないんだ! それでよく私の秘書をつとめようと思えるな!」
伊川が怒鳴りつけている相手は梅軒ではなく、黒羽だった。
「スケジュールの管理も出来ていないかと思えば今度はこれか!? 前にもこんなミスを・・・」
伊川は営業・企画課の社員がいる前で黒羽のミスを暴露していく。
明るいオフィスの中ではワーバットの黒羽はおどおどとするしかなかった。
「ふん・・・課長には改めて言っておく。仕事に戻れ」
最後に伊川はそう言って営業・企画課のオフィスを後にした。
梅軒は伊川の姿が見えなくなるまで頭を下げていた。
「あのー、みどりさ・・・係長、大丈夫ですか?」
社長が出ていったのを見て、少し離れたところで様子を見ていた梅軒の部下であり恋人である吉田が声をかけてきた。
ひどく困惑した顔をしている。
それもそうだろう。
さっきの叱責は論点がずれていたり、不可解な点が多すぎたりして滑稽にすら見える。
「・・・そもそもなぜ、社長のあのお叱りに係長が対応するんですか? 話の内容からして課長が対応するべきじゃないですか」
「うちの課長がダメ上司だから」
マンティスらしい余計なことを入れない、歯に衣着せぬ言い方でぽつりと梅軒は答えた。
その言い方に苦笑した後、吉田はさらにつぶやく。
「それにしてもあの秘書、あの社長の下で働くなんて・・・よく仕事辞めないなぁ。あんな理不尽に当り散らされて、ストレス溜まるだろうに・・・」
「心配ない。あれは茶番・・・」
「・・・え?」
梅軒の言った言葉が理解できず吉田は聞き返そうとしたが、梅軒は手を振って仕事に戻れと口に出さずに言った。
『あれが茶番? どういうことだろう?』
首を傾げながら吉田は自分のデスクに戻った。
『逆にあれが茶番じゃなかったら、社長としてどうかと思うよな。ま、 俺がどうこう考えることじゃないか』
どうしてその茶番をしているかなどの件は投げやって、一定の結論を自分で出し、吉田は仕事を再開した。



午後5時・・・会社の重役たちは働いている社員を尻目に帰宅する。
この頃は日の入りも早くなった。
主が居なくなった重役の部屋は蛍光灯が付いておらず、薄暗い。
月は雲に隠れており、入ってくる明かりはビル街の電気だけの社長室もほのかな闇に包まれている。
しかし、社長室は無人ではなかった。
立派な革張りのシートに何者かが脚を組んで腰かけ、その前で何者かがひれ伏していた。
「今日もずいぶんお楽しみでしたねぇ・・・」
シートに座っているものが話し出す。
だがその声は社長のものではなく、女のものだった。
「営業課の人間の前でさんざんに私のことを怒鳴りつけ、さんざん言葉で嬲って辱めて・・・さぞ気持ちよかったのでしょうねぇ?」
ひれ伏している影がびくりと震えた。
その様子にシートに座っている者は口角を軽く釣り上げる。
ちょうどそのとき雲が切れて月明かりが社長室に差し込み、二人をほのかに照らし出した。
ひれ伏しているのは社長の伊川、そしてシートに座って優雅に脚を組んでいるのは秘書の黒羽だった。
「んふふ、昼にいじめられた分・・・倍にして返して差し上げるんですから・・・」
目が肉食獣のような光を闇の中で放った。


黒羽が伊川のネクタイをつかんで引っ張る。
ネクタイに引っ張られて、伏せられていた伊川の上体が上を向いた。
形としてはまるで犬がリードで引っ張られているかのようなものになっている。
「さぁ・・・」
椅子に座った黒羽が脚を開いた。
暗闇の中で、たっぷりと蜜を含んだ彼女の花園が蠢いている。
「どうするべきか分かっていますよね?」
「・・・ご奉仕、させていただきます」
社長である伊川がそう言い、部下である黒羽の股に顔を埋めた。
花弁の上でぷくりと膨れている肉芽を舌先で転がすように舐める。
だが、敏感なところだけをがっついたり単調に攻めたりすることはなく、時には膣やその周囲を舐めた。
「んっ、ん・・・いいです。もっと・・・」
息を荒くしながら黒羽はさらに愛撫することを命じる。
命じられた伊川は頷いてクリトリスを軽く吸った。
「あひっ! き、気持ちいい!」
黒羽の口から素直な快感の言葉が出る。
伊川の吸う攻めはクリトリスだけでは終わらない。
膣の方にも同じ攻めが施された。
ずぞぞっと音を立てながら伊川は黒羽の愛蜜を飲み下す。
その下品な音に黒羽の心がさらに高ぶる。
「いい、いいですよ、社長っ。 うふふ・・・ご褒美をあげましょう」
黒羽の足が伊川の股ぐらに伸びる。
そしてズボンの上から器用にその剛直を踏みつけ、愛撫した。
伊川の身体が快感にわななく。
「ふふっ、そんなに気持ち良さそうに悶えて・・・私に足でオチンポをいじられて、そんなに気持ちいいのですか?」
黒羽が嘲るような口調で尋ねる。
丁寧な言葉遣いなのが、余計にタチが悪い。
「は、はい!」
口での奉仕の息継ぎの合間に伊川は返事をする。
「ふふふ・・・福来観光の社長が秘書にチンポを踏みにじられて興奮する変態だなんて・・・社員が知ったらどう思うでしょうか」
黒羽は器用に足を使ってスーツのパンツから肉棒を取り出す。
「ほらほらぁ! これがいいんですよね?」
肉棒を露出させたら、黒羽は攻め方を変えた。
今まで踏みにじるような動きだったのが、脚で剛直を扱き立てるような動きになる。
「ひっ、あひぃ!」
「口を休ませてはいけませんよ」
「は、はいぃ! ん、れる、れろ、ちゅっ・・・」
黒羽が命じるがままに伊川は忠犬のごとく彼女の性器を舐める。
部屋に荒い吐息と水音が部屋に響いていた。
「くっ、で、出そうです・・!」
「はいっ? 私より先にイこうだなんてどういうことです?」
黒羽が冷たい声を浴びせるが、それを聞く余裕は伊川になかった。
「で、出る!」
どぷっと白濁液が伊川の肉棒の先から吹き出た。
ワーバットの黒い足裏が白濁液にまみれる。
「まだイクなと言ったのに・・・それに、こ〜んなに私の足を汚しちゃいましたね?」
「も、申し訳ありません!」
冷たい黒羽の言葉に伊川はひれ伏す。
「ふん・・・」
どこにぶちまけられようと、とりあえずは魔物娘にとっては好物の精液だ。
足裏を舐めながら、どうしてくれようかと黒羽は考える。
「そうですね、次はそう簡単に出ないようにしないといけませんね・・・」
そう言った黒羽は椅子を軽く動かし、そして社長の机の引き出しを一つ開けた。
バイブ、ローター、アナルパール、ギャグボール、アイマスク、ペニスバンド、手錠、鞭、蝋燭・・・引き出しの中には雑多の性具が詰まっている。
その中から黒羽は一つの性具を取り出した。
見ただけでは性具のようには見えない、ただの15cmほどのミニチュアベルトのように見える。
しかしこれは性具であり、性具であれば使う場所は決まっている。
「ぎっ、ひぎっ!」
ベルトが未だ硬さを保っている伊川の肉棒の根元に取り付けられる。
キツく締め付けられているので、伊川の口から苦悶の声が漏れた。
しかし彼の肉棒は萎えていない。
「おや、血管が浮き出るほどキツく締め付けているのにそんなに勃起しているなんて・・・社長は本当に変態ですね。さて・・・」
黒羽は伊川に、仰向けになるように命じる。
仰向けになった伊川を黒羽はまたいだ。
「さっき先にイッた分、私を満足させなさい・・・!」
そう言って黒羽は腰をゆっくりと、見せつけるように左右にひねりながら落としていく。
ぐにゅ、ぬちゅ・・・
なんとも言えない淫靡な音を立てながら伊川の肉棒が黒羽の蜜壷に飲み込まれた。
社長の上で秘書は自分の快楽のため、淫らに腰を弾ませる。
「はぁ、ああん! 表向きの立場とここだけは立派ですね、社長・・・ふあっ、あん!」
ブラウスをはだけさせ、自分の胸を揉みしだきながら黒羽は言う。
「私だけに動かせるつもりですか? 今は私のペットなのですから、私を満足させなさい!」
ゆさゆさと腰を前後にゆすりながら秘書は社長に命じた。
痙攣でも起こしたかのように伊川の腰が跳ねる動きを繰り返す。
「くっ、うあぁ! そう、そうです! もっと乱れて私を気持ちよくさせなさい!」
満足げな声を上げながら黒羽は腰の動きを上下に、打ち付けるような
部屋に喘ぎ声と水音に加え、肉と肉がぶつかり合う乾いた音が響く。
「うはっ! また、また出るっ!」
「またですか? 早いですね・・・んあっ、呆れちゃいますよ。いいですよ、イキなさい。どうせ・・・」
言葉の途中で伊川の身体が絶頂に達する。
だが、黒羽の膣内に精液は流れ込んでこない。
それもそうだ。
「痛っ・・・」
伊川が苦痛の声を上げる。
「何、まさか今頃になってベルトの効果が分かったのですか? そうですよ、これを付けている限り、精液はせき止められて射精できないのです」
「そ、そんな・・・くぅ!」
「そのベルトを取って欲しいのなら、私をイかせることですね。 ほらほら、ぼーっとしているとまたイカせちゃいますよ?」
黒羽の腰の動きに前後運動が加わった。
大蛇が得物に食らいついて暴れまわっているかのような動き・・・その動きに翻弄され、伊川は悲鳴のような嬌声を上げる。
ここで射精するとさらに苦痛が増す。
恐怖に駆られた伊川は狂ったように腰を突き上げ出した。
「あはぁ! いい、その必死な表情が・・・あっ! そこ、そこぉ!」
伊川と黒羽がこのように身体を重ねるのは初めてではない。
彼女の弱点をそれなりに伊川は掴んでいた。
そこを突かれ、黒羽が乱れる。
だが、激しく動けば当然その刺激が自分にも返ってくる。
「うっ、がはぁ!」
「おやぁ? またイッてしまったのですか? 精液は流れ込んで来ないですけど、社長のオチンポが私のオマンコの中でビクビク震えているのが良く分かりますよぉ」
腰を振りながらにやにやと笑みを浮かべた顔を寄せて黒羽は囁く。
だが、伊川はそれどころではない。
せき止められた精液が伊川をさらに苦しめていた。
顔には脂汗が浮かんでいる。
しかし黒羽をイかせない限り、彼が解放されることはない。
苦しみに耐えながら、歯を食いしばって伊川は腰を動かし続ける。
その動きによって、黒羽の身体もぎりぎりに追い込まれた。
「もう・・・もう、イキそう・・・うふふ、やるときはやりますね、さすがは社長です。じゃあ・・・」
黒羽の手が二人の結合部に伸びる。
「取ってあげます。思いっきり出してください」
言葉の通り、ベルトが取り外された。
今までペニスの根元でせき止められていた精液が尿道を駆け上がり、彼女の膣奥に注がれる。
「あっ! すごぉい! オマンコの中に精液たくさん注がれています・・・!」
一見、冷静に自分の膣内の様子を口にしているように見える黒羽だが、その身体は達していた。
膣がさらに精液を搾り取ろうと蠢いている。
その刺激に伊川の身体の奥からさらに精液が放たれた。
「あっ、あっ、ああああ・・・」
「・・・くはっ」
絶頂に達した二人の身体はしばらく硬直していたが、やがてそれが過ぎ去ると、ぐにゃりとだらしなく崩れ落ちた。



休憩はほんのわずかな間しか取らない。
「ほうら、最近は日が落ちるのが早くなってきましたからね。 会社が閉館する10時までまだまだありますよ。ほらほら、まだ出ますよね?」
今度はアナルパールを取り出し、それを伊川の尻穴にねじ込んだ黒羽は再び彼に跨って腰を振る。
「最初に言ったとおり、今日辱められた分だけ仕返しするんですから・・・社長だってそれを期待して私をなじっているんでしょう?」
「は、はいっ!」
黒羽の言葉に伊川は頷く。
その言葉、動作に嘘はない。
昼間の黒羽を傷つけるような言葉、論点のずれた叱責、これらの茶番は全てこの時間のためのものなのだ。
「かと言って、リアルなミスは勘弁・・・」
「何か言いましたか、社長?」
黒羽が口角を釣り上げるが、目が笑っていない。
「い、いいえ、何も・・・」
「嘘ですね、オシオキです」
「そ、そんな・・・うわあああっ!?」
アナルパールの動きが強くなり、伊川が悲鳴を上げる。
「ふっふっふ・・・魔物を社員として雇うって事がどうなるか、何回もお教えしましたが、まだまだ繰り返し教えてさしあげるんですから」
定時を過ぎ、日が暮れ、魔物娘としての牙を剥いている黒羽はそう言って淫らな笑みを浮かべるのであった。
11/10/25 18:15更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)

■作者メッセージ
梅軒さんや吉田が務めている会社、福来観光本社を舞台にした、逆転劇でした〜♪
いや〜、オフィスでの逆転っていいですよね!
よくAVのネタになりますよね♪
今作のように部下の女の子が上司を嬲ったり、あるいは逆にクールな女上司が急に男を誘って身を委ねて乱れに乱れたり、はたまた会社のトップが(男女関係なく)下っ端に調教されるとか・・・胸熱ですね!
就職すればこんないいことが待っていr(殴蹴暴行
ちなみに伊川社長は、作中ではどうしようもない変態&アホをやっておりますが、根は真面目です。
裏でちゃんとまともな指示を出しております。
一方、梅軒の上司の課長は救いようがないですww


それにしても、日が落ちるのが早くなりましたね。
そう言えば、日の入りはもう5時前ですね。
それにつられて、気温が下がったきましたね(今日は暑かったですが)
風邪などにどうぞ皆さん、お気を付けください。

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