読切小説
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愛の天使との一日
 愛の女神のもとからあなたの所へやってきたのは、一人の天使だった。天使でもあるが、今はあなたの妻である。
 そんな彼女の一日は、あなたと眠っていたベッドから始まる

 あなたよりも一回り背丈は低く、見た目こそ年若い少女ではあるが、一晩中、彼女はあなたを胸に抱いたまま眠っており、その表情は慈愛に満ちていた。

 あなたが健康な男性であるのならば、目を覚ますと同時に感じる少女の温もりと香りに、当然、下半身に熱い滾りを感じる事だろう。
 それを、少女の柔らかな太ももに押し付けてしまっても、彼女は怒ったりはせず、むしろ嬉しそうに自ら足を動かして、まだ夢心地のあなたに快楽を与える。

 少女は、「おはようございます」と呟いてから、柔らかい両太ももで、あなたの性器を挟み、ゆっくりと性感を高めていく。
 あなたの頭を撫でながら、まるでそうする事が当然とでも言うように、寝起きのあなたにその身で奉仕する。
 あなたが目を開ければ、目の前には少女の褐色の肌があり、少し頭を動かせば、手のひらに収まるほどの大きさの乳と、その先端のピンク色の突起が目に入る。

 あなたが、まるで赤子のように乳を吸うと、彼女は快感に体を震わせ、小さく喘ぐ。
 それから、「ふふっ……」と微笑み、いたずらを窘めるかのように、足を軽く交差させ、あなたの性器をきつく挟んでしまう。

 眠る前にどれほど激しい交わりをしていたとしても、あなたと少女は、一夜にして体力が戻っており、当然、性欲もそれに伴って十二分に体に満ちている。
 少し強く刺激されただけで、あなたの性器からは先走りが零れ、彼女の太ももを濡らしてしまう。
 彼女が足を動かすたびに、にちゃにちゃといやらしい音が響き、それが、二人の興奮を更に煽り立てる。

 やがて、限界を迎えたあなたは、少女の太ももにどろどろとした精液を放った。
 胸に抱かれ、頭を撫でられながら、自分からぐいぐいと彼女の足に性器を押し付けて、美しい褐色の肌を、黄ばんだ精液で汚す。

 射精を終え、荒く息をつくあなたに、少女は「気持ちよかったですか?」と囁く。
 あなたが頷くと、少女も幸せそうに「私も、気持ちよかったです」と言って、熱い息を吐いた。

 あなたの呼吸が落ち着いてきた頃、少女は抱いていたあなたをそっと離して、ベッドから降りた。
 可愛らしく、どこか活発そうな雰囲気も感じさせる褐色の肌に、男の欲望そのものとも言える精液がべったりと付いており、その不釣合いな様子が、また、あなたの情欲に火を点けた。
 ベッドに腰かけて、一度射精した程度では萎えていない性器を見せ付けるようにすると、彼女はどこか嬉しそうに微笑み、あなたの足の間に跪いた。

「綺麗に、しますね」

 そう呟いてから、小さな口をめいっぱい開いて、グロテスクなほどに血管の浮いた、あなたの性器を咥え込む。
 愛らしい顔を歪め、尿道に残っていた精液を音を立てて吸いだす。更に、あなたの性器についていた精液も、舌でくまなく舐め取り、こくん、と飲み込んだ。

 もちろん、それで終わりではない。すっかりその気になってしまったあなたのために、二度目の射精を促そうとゆっくりと頭を動かし、唇で性器を扱き始める。
 喉奥まで飲み込んでは、口が離れそうになるほどに頭を引き、時折動きを止めては、舌で執拗に裏筋を弄ぶ。
 更に、亀頭を上あごに押し付け、舌とはまた違う柔らかさで、あなたに飽く事無い快感を与える。

 一度目の射精の直後で敏感になっていたあなたは、その口淫を長く楽しむほどの余裕は無く、苦しげに呻いて、ほとんど無意識に彼女の頭を押さえつけた。
 そして、喉の一番奥に先端をぶつけるように性器を押し込み、思う存分、射精の快感に体を震わせる。
 どくん、どくんと、塊のような精液を喉に叩きつけられるたびに、彼女は被虐的な悦びに恍惚とした。
 喉を塞がれても、苦しそうにするどころか、あなたをより深くで感じられる事に喜んでいるようだった。

 あなたの腰に抱きつき、喉奥で濃厚な精を愉しんでから、彼女は少しずつ、精液を飲み込む。喉に絡みつくそれを、時間をかけて全て飲み込み終えると、ゆっくり、ゆっくりと、彼女はあなたの性器から口を離した。
 すっかり綺麗になったあなたの性器を見て、満足そうに微笑む。

「ごちそうさまでした」

 そして、あなたに向かって少し恥ずかしそうに、そう言った。




 あなたが身だしなみを整えている間に、少女は一足先にリビングへと向かい、下着の上にエプロンを着けた姿で朝食の準備をしていた。
 テーブルに並ぶものは、どれもあなたが好きな食べ物ばかりである。
 もちろん、その味付けも、あなた好みのものになっている。

 テーブルに隣り合って座り、愛の女神に祈りを捧げてから、一緒に朝食を取る。
 お手製の食事に舌鼓を打ち、料理の腕を褒めると、少女は嬉しそうにはにかんだ。夢中になって食事を続けたあなたが、ふと隣を見ると、彼女は両手でコップを持ってミルクを飲んでいる所だった。
 小動物のような姿はなんとも愛らしく、形の良い喉が上下しているのを見ているだけでも心が満たされるようだった。

 あなたの視線に気付いた少女は、不思議そうに首を傾げてから、何かを思いつき、立ち上がった。

 少し背伸びして、座っているあなたを見下ろしてから、両手をあなたの頬に添えて、唇を重ねる。
 舌先でつつかれたのに応えて、あなたが口を開けると、彼女の飲んでいたミルクが口移しされた。元から甘いのに、少女の唾液が混ざったそれは更に甘く感じられる。
 あなたが口移しされたミルクを飲み終えた後も、彼女は離れずに、舌を絡め、しばらく互いの口内の味を楽しんでから、ようやく口を離した。
 唾液の糸が細く繋がり、切れる。それを見て、「ふぁ……」と、彼女はとろんとした目で息を漏らしていた。

 その行為自体は嫌ではなかったが、少々突然の事にあなたが呆気に取られていると、彼女は頬を染めて、困ったように眉を八の字にした。

「その、ミルクが飲みたくて見ていたのかと思ったんですけれど……違い、ましたか……?」

 それが自分の勘違いだったと気付くと、少女はとても恥ずかしそうに頬を抑えて、首を横に振った。
 その後も、あなたがどれだけ擁護しようと、彼女はただでさえ小さな身を更に縮めて、耳まで赤くしたまま食事を続けていた。




 朝食を終えて、少女が食器を洗っている間、あなたは少女の入れてくれた食後の一杯を飲んでくつろいでいた。
 鼻歌を歌いながら食器を洗う少女は、とても楽しげで、幸せそうに見える。
 そして、エプロンで前は隠れているものの、後ろは当然のことながら下着以外に隠すものは無い。

 さらけ出されている綺麗な背中や、桃色の下着に包まれた小さなお尻は、彼女の意思がどうであれ、まるであなたを誘っているようにも見えた。
 ごくりと生唾を飲み込むと、あなたは台所に立つ少女に忍び寄り、皿を洗う手を止めた所を見計らって、後ろから抱きしめた。

 「ひゃっ」と驚いて小さく跳ねた彼女の首筋にキスを落とし、パンツとお揃いの桃色のブラジャーの上から、手の中に収まる程度の胸を揉みしだく。
 ただそれだけでも、彼女は顔を蕩けさせ、快楽に足を震わせた。

 下着越しではもどかしくなり、ブラジャーの下に乱暴に手を突っ込んで、直接胸を鷲づかみにする。
 目を潤ませて振り向いた彼女に、唇を重ね、口移しのついでなどでは無いキスを楽しむ。
 時折、息継ぎのために口を離しながら、幾度もキスを繰り返す。舌を入れ、互いの口内を舐る。

 愛の天使である少女は、その唾液ですら甘く、口にしたものの心を愛で満たしてくれる。あなたが彼女と口付けを交わすほど、彼女の舌は、あなたの心を揺さぶり、愛情、愛欲と言ったものを燃え上がらせる。
 そして、彼女の方もそれは同じである。あなたとの口付けで、どんどん体の奥に熱い欲望が溜まり、もっと激しく、もっと濃厚な行為を求める。

 キスと胸への愛撫で、今にもその場に座り込んでしまいそうになっていた彼女は、両手で流しにしがみ付いて辛うじて立っていたが、それによって、お尻を突き出すような格好になっていた。
 もちろん、後ろから抱きしめているあなたの硬く勃起したものも、衣服越しに彼女のお尻に押し付けられている。

 何も言わずとも、互いが望んでいる事は分かっていたが、それでも、あなたは彼女にどうして欲しいかを訊ねた。
 片手では胸を苛めつつ、もう片手で、下着越しに、彼女の秘部をそっと撫でる。
 既に愛液でぐちゃぐちゃになっていた下着は、指で押されると、くちゅりと音を立てた。

「あなたの、その……」

 あなたの下半身を見ながら、彼女は唇を震わせた。
 褐色の肌を紅潮させ、羞恥に耐えるように、目をきつく閉じる。

「い、言わないとだめ、ですか……?」

 答える代わりに、もはや意味を為さないほどに濡れていたパンツをずらし、ぴっちりと閉じていた割れ目に、指先を差し入れた。それだけで彼女は声を上げ、背を反らす。
 しかし、それはあくまでも満たされない、物足りない程度の快感だった。そして、それによって湧き上がった彼女の欲求は、羞恥心を上回った。

「あなたの、お……おちんちん、を、入れてください……」

 もはや泣きそうになりながらも、彼女は消え入りそうな声で言った。

 その言葉を聞くと同時に、あなたは、痛いほどに勃起していた自分のものを出して、一気に奥まで、彼女の膣内へと挿入した。

「ひうっ!?」

 いきなり激しくされるとは思っていなかったのか、彼女は目を見開き、背筋を反らして悲鳴にも近い声を上げた。
 そして、一番奥、子宮口をこつんと突かれると、あっという間に一度目の絶頂を迎えた。

 あなたに体を支えられて、体を痙攣させる。膣内は、あなたにも快感を与えようと、意思とは無関係にきゅんきゅんとあなたのものを締め付けている。
 涎を垂らし、だらしない顔で快楽に身を委ねる姿は、少し前の愛らしい少女の姿とは似ても似つかない。その落差が、あなたを一層興奮させた。

 逃げられないように、まだ落ち着いていない彼女の細い腰を掴み、小さなお尻に腰を打ちつける。
 乱暴に、彼女をより強い快感に悶えさせるために、窮屈な膣内をかき回す。

 言葉にならない、呻き声に近い声を出しながら、彼女は絶頂から下りる事もできず、暴力的な快感に髪を振り乱した。
 あなたが腰を引くたびに、彼女の柔肉はそれを離すまいと絡みつき、あなたが腰を押し付けるたびに、精液を求めて子宮口が吸い付く。

 あなたは理性を忘れたかのように、彼女の小さな体を貪った。
 獣の交尾のように乱暴に腰を振り、虚ろな目で快感に身を委ねる事しかできない彼女の首筋に、背中に、キスの痕を残す。
 時折うわごとのように「好き」「大好き」と繰り返される彼女の言葉が、肉のぶつかる音と淫らな水音に混ざり、あなたにもはっきりと聞こえた。

 やがて、自分の限界が近いことを感じたあなたは、彼女に覆いかぶさって、顔をこちらに向かせた。
 半開きの唇を塞ぎ、強引に舌を差し込むと、彼女もすぐにそれに応えて舌を絡めた。
 そして、そのまま、あなたは彼女の子宮口に性器の先端を押し付けて、遠慮の欠片も無く射精した。

 この少女を孕ませたい、自分のものと言う証を残したいという無意識の欲求から、大量の精液が、彼女の膣内に注ぎ込まれる。
 彼女も、上の口ではただひたすらにあなたと舌を絡めながら、下ではあなたの性器をきつく締め付け、最後の一滴まで搾り取ろうとしている。
 時折体を痙攣させ、重ねた唇の隙間から喘ぎ声を零しながら、あくまでも、あなたと一緒に気持ちよくなろうとしていた。

 長い射精を終えると同時に、どちらの涎かも分からないほどぐちゃぐちゃのキスを続けていた唇を離す。
 名残惜しそうに締め付けてくる膣内から、まだ萎えきってはいない肉の棒をずるりと引き出して、彼女を支えていた手も離すと、彼女は、その場にぺたんと座り込んでしまった。

 荒く息をつき、倒れそうな体を手で支える。
 小さな体に収まりきらなかった精液が、ごぽりと零れ出し、床を汚す。

「やぁ……出ちゃ、だめ……」

 彼女はそれを見て、自分の中からあなたの精液が出てしまうのをどうにか防ごうと、手で自分のそこを押さえた。
 当然、そんな事をしても大して意味は無い。しかし、とろんとした目で自分の性器を押さえる姿に、あなたは再び情欲が煽り立てられるのを感じていた。




 いつもより随分と遅い昼食を終え、今度こそ早々に食器も洗い終えたあなたと少女は、食後の穏やかな時間を共有していた。

 丈の短いホットパンツを履いた彼女にソファで膝枕をしてもらい、あなたは心身共に満たされた幸福感から、まどろんでいる。
 淡いピンク色のリボンで髪を結った少女は、眠そうに目を細めているあなたの頭を撫でて、慈愛に満ちた微笑みを浮かべた。

「眠くなったら、寝ちゃっていいんですよ?」

 そう言いながら、彼女はあなたの髪を指で梳き、天使らしい澄んだ歌声を披露してくれた。
 あなたは、母性に近い優しさに包まれながら、ゆっくりと目を閉じる。
 そして、彼女の歌声をもっと聴いていたい、このまま身を任せて眠ってしまいたい、その二つの欲求の間でしばらく揺れ動き、後者を選ぶ事にした。


 夕方、少女の膝の上で目を覚ましたあなたは、彼女が静かに寝息を立てているのに気がついた。
 起こしてしまわぬよう、そっと立ち上がり、軽く伸びをして眠気を払う。

 朝昼と少女が料理をしていたので、夕食は自分が用意しようと思ったあなたがキッチンに立ち、食材を確認していた所で、少女がまだ眠そうに目を擦りながらキッチンへとやってきた。
 自分が、いや、自分がと言いながら、あなたと少女は少しの間揉めていたが、結局、二人で一緒に料理をする事にした。

 手際良く作業は進み、あとは鍋を火にかけたまま待つだけになると、少女はおもむろにあなたに寄りかかり、何かを期待するように、あなたの顔を見上げた。
 あなたは、彼女の望みどおりに、片手でお腹を抱き、もう片手で、桃色の髪を撫でた。少女の髪を揺らすたびに、甘い香りが舞う。
 くすぐったそうに目を瞑り、お腹に回されたあなたの手に、少女は両手を重ねた。
 そうして、しばらくの間、互いの温もりを感じていたが、ぐつぐつと鍋の中身が煮立ってしまうと、慌てて離れて火を消した。

 夕食も、あなたと少女は隣同士に座って食べる。
 彼女は熱いスープをふぅふぅと冷ましてから、あなたに「あーん」と言って、食べさせた。今度は、彼女が口を開け、あなたに食べさせてもらう。
 そんな事を皿が空っぽになるまで繰り返すため、夕食の時間はいつも長々と取る羽目になる。

 食後は、ソファで食休み。今度は、あなたの膝に少女が乗る。
 あれが美味しかった。あれも美味しかった。そんな感想を交わし、結局、全部美味しかったと言う結論に至り、今度は何を食べようかと、色々な食べ物に二人で思いを馳せる。

 その後は、入浴が待っている。
 あまり大きくない浴槽に二人で入れば、当然、肌をくっつける事になり、気持ちも昂ってしまう。
 後でベッドの上ですると分かっていても、一度そういう気分になってしまえば、抑える事などできるはずも無い。

 あなたに背を預け、寄りかかるようにしていた少女の秘部に、そっと指を這わせる。
 お湯ではない、ぬるぬるとしたもので濡れていたそこを軽く撫でてから、指を二本、割れ目の中へと差し込む。

「っ……!」

 びくり、と少女の体が跳ねた。
 熱く柔らかい膣肉が、あなたの指を優しく締め付ける。あなたは指を鉤状に曲げて、何度もその肉襞を擦りあげた。
 最も彼女の感じやすい箇所を、ぐりぐりと押し、二本の指で互い違いに擦る。
 彼女は、あなたの愛撫に面白いほど敏感に反応する。浴室に反響する喘ぎ声が徐々に大きくなり、指への締め付けも強くなっていく。

 空いていた手も少女の足の間に持っていき、包皮に隠れていた淫核を、そっと露出させた。そのまま、指で軽く挟むと、少女はあまりの刺激の強さに身を捩って声を上げた。
 外側と内側、両方を責められ、体を縮めて快感に耐えていたが、愛するあなたにされているのだから、いつまでも我慢できるはずもなかった。

「あぅっ、はっ、んっ!」

 唇を硬く結んで声を我慢しながら、足の指をぎゅっと丸め、少女は絶頂を迎える。
 しかし、あなたは愛撫の手を緩めようとはせず、一層強く締め付けられた指を更に激しく動かし、絶頂の最中にいる彼女を責め立てる。

 少女は、押し寄せる快感の波に、目の端に涙を浮かべて、体を仰け反らせた。
 どうにか逃れようとは思っているものの、体は勝手に動いてしまい、腰を揺すり、自分からあなたの指に淫核や膣壁を擦りつけてしまっている。
 浅い呼吸を繰り返し、意識を失いそうなほどの快感に達した少女は、声にならない悲鳴を上げてから、ぐったりと力の抜けた体で、あなたに寄りかかった。

 振り向いて、何かを言いたそうに口をぱくぱくとさせているが、舌が回らないのか、意味のある言葉は何一つ出てこない。
 のぼせて倒れてしまいそうにも見える少女を一足先に風呂から上がらせ、体を拭いてやってから、あなたも早々と体を洗い、風呂から上がる事にした。




 あなたはベッドサイドに腰掛け少女に膝枕をしながら、手で煽いで、火照った体を少しでも冷ましてやろうとしていた。
 彼女は顔を紅潮させ、虚ろな目でしばらくあなたを見上げていたが、おもむろに起き上がると、あなたと向かい合うようにして、膝の上に座った。
 あなたも少女も下着すら着けていない。これからする事は、ただ一つだけだと分かっていた。

 しばらく見つめあい、どちらからともなく、唇を触れ合わせた。
 啄ばむように軽く触れるだけのキスを繰り返す。ただ唇が触れただけなのに、ぞくぞくとしたものが背筋を駆け抜ける。

 やがて、もっと強く深い繋がりが欲しくなり、唇を押し付け、舌で互いの口内を犯す。
 彼女の舌と絡むたびに聞こえる、ぴちゃりぴちゃりという音。舌先で触れた柔らかい頬の内側の感触。いくらでも湧いてくる甘い蜜のような唾液。
 その全てがあなたの情欲を掻き立て、息継ぎすらもどかしく、永遠に口付けを続けていたいとまで思わせる。

 しかし、あなたも彼女も、口付けだけでは物足りないとも思っていた。
 唇を離し、幸福感と空気の不足でぼぅっとしていたあなたが言葉を紡ぎだす前に、彼女は少しいたずらっぽく微笑んだ。

「……我慢、できなくなっちゃいました」

 一度腰を上げ、硬く上を向いているあなたのものを、ゆっくりと受け入れていく。
 熱く蕩けるような肉を掻き分けて、押し広げながら、あなたのものは根元まで彼女の中に収まった。

 再び、あなたの膝の上に彼女は落ち着いた。お腹の中の熱を感じながら、幸せそうにため息をつく。
 精を搾り取るような、激しい交合ではない。むしろ、終わらないように、意図的に動かないようにする、心身共に繋がりつづけるための行為だった。

「やっぱり、これが一番、好きです……」

 あなたの背中に手を回し、強く抱きついて、少女はあなたの首筋に顔を埋めた。
 あなたの匂いで肺を満たすように、何度も、何度も、深呼吸を繰り返す。

 互いの鼓動を感じながら、あなたも、片手で少女を抱きしめたまま、もう片方の手で少女の髪をそっと撫でる。
 まだ少し湿っている髪は、あなたを悦ばせるためだけに、柔らかく揺れ、あなたの手をくすぐる。

 おもむろに、少女があなたの首筋にキスをして、軽く吸い付いた。そして、唇を離すと、あなたの首筋に赤く痕が残ったのを見て、満足そうに微笑んだ。

「……ん」

 それから、背中に回していた手をあなたの首の後ろへと持っていき、少し仰け反ってあなたを見上げながら目を閉じた。
 無言の要求に応えて、あなたは少女と再び唇を重ねる。

 少女の小さな舌に唇をなぞられ、舌の裏を舐められると、ぞくぞくとした快感が背筋を駆け抜け、びくりと体が跳ねてしまう。
 交わり溶け合うように、包み込んだまま動かずにいたのに、いきなり一番奥を突き上げられた少女の、「くぅん」という鳴き声が、合わせた唇の隙間から漏れた。

 その声に悪戯心が湧き上がったあなたは、抱きしめていた手を使い、指先で少女の背筋をそっとなぞった。

「んっ……あ、んぅ……」

 鳥肌を立たせて身を捩った少女は、上下で繋がったまま、お返しと言わんばかりに、あなたの胸板に手を這わせた。
 爪で優しく乳頭を引っ掻き、あなたが不慣れな快感に息を零すと、楽しそうに笑った。

 今度はそれに対するお返しとして、あなたは少女の胸を撫でた。
 もちもちとした感触の先っぽにある、物欲しそうに主張している突起をつま先で弾き、指で挟んで少し強めに押しつぶす。

 びくん、と少女の体が震えた。同時に、あなたのものを包んでいた熱い肉が、きゅうっと締め付けを増した。
 どうやら、軽く達してしまったらしい。
 目をぎゅっと閉じて、時折体を痙攣させている。

「あ……ごめんなさい……私だけ……」

 申し訳無さそうに謝ってから、少女はゆっくりと体を揺すった。
 激しい動きでは無いが、深く繋がっていたあなたのものは、ぬるぬるとした襞に軽く擦られただけで、喩えようの無い快感に包まれた。
 体の気持ちよさだけでなく、心が溶けるような心地良さに、腹の底が熱くなるような昂りを感じた。

「……いっぱい、だしてください」

 蕩けきった表情で、少女は呟いた。
 その言葉が引き金となり、あなたは少女を抱きしめたまま、精を放った。
 大量の精液が尿道を抜け、少女の中を満たしていく。頭が真っ白になるほどの快感に、身じろぎ一つできず、ただ、欲望の塊を吐き出し続ける。

 少女も、それを感じながら、あなたをきつく抱きしめた。
 離れないように、離れられないように。小さな体で、あなたの全てを受け入れようと、必死にしがみついている。
 あなたが気持ちよくなるほど、彼女もまた、幸福感から来る快感によって、心身共に満たされていた。

 長い長い射精が終わり、あなたと少女はほとんど同時に、熱い息をついた。
 そして、示し合わせたように、繋がったままベッドに倒れ込む。

 足を絡め、もう二度と離れないとでも言うような状態で、イったばかりで敏感な粘膜を擦り合わせる。
 精液に満たされた膣内で、ゆっくりとあなたのものを刺激しながら、少女は熱っぽい吐息で、囁く。

「だいすきです……すき……あい、してる……」

 幸せな気持ちが抑えきれないかのように、何度も何度も、あなたへの好意を囁き続ける。
 時々、小さく喘ぎ声を混ぜ、あなたの体に口付けし、また、囁く。
 あなたがその囁きに答えると、少女は、とても幸せそうに微笑んで、あなたにキスを求めた。


 何度も、何度も、唇を重ね、唾液を交換し、ふわふわとした思考に身を委ねる。
 どちらかが達してしまっても、決して離れたりせず、眠ってしまっても、くっついたまま。

 大好きな人の香りに包まれ、色々なものを感じたまま、とろけるような幸せの中で、明日も今日と同じくらい幸せでありますようにと祈る。
 そうして、あなたと愛の天使の一日は、静かに終わっていくのである。
16/05/06 20:29更新 / みなと

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