読切小説
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そのミルク、超特濃
とある反魔物国家のとある貴族の末っ子のお嬢様は家にやってくる行商人が売ってくれるホルスタウロスミルクが大好きでした。
幼い頃母が気まぐれで買ったミルクがあまりにも美味しくて行商人が来る度におねだりし、成長してからは親が買う分以外にこっそりと自分のお金で買ってしまう程で、一度でいいからミルク風呂に入ってみたいというのが彼女の夢でした。
しかしここは反魔物国家、そこまで多くは仕入れられることが無く自由に飲めるのが4日に瓶1本ペースでしか飲めないことを心の底で嘆いていました。
その悔しさを武術や身体を動かすことで発散していました。
そして18才になった時両親から他の貴族との結婚を決められてしまいます。
これは使える、相手ははっきり言って好みではないですし事故に見せかけて行方不明になるいい機会だ。
そう思ったお嬢様は親には申し訳なかったのですが・・・。
結婚相手とのピクニックの際、事故に見せかけて崖へと飛び込みました。
この崖、地理の関係上霧が立ち込めており1m下も見ることが出来ませんし、実際の深さは3m程でかなり遠くへと歩いて行けることも調べてありました。
それを利用し、落ちたと見せかけロープでするすると一番下まで降り、ロープを切って回収、作っておいた目印でまんまと国から逃げ出したのです。
これで両親が悲しむことは心が痛みましたがソレよりもホルスタウロスミルクがたくさん飲みたかったのです。
ホットミルクにするのもいい、デザートに使うのもいい・・・けど、何よりも!そのまま飲むのが至高なのです!

そして1カ月後、お嬢様は魔物娘に捕まってしまいました。
絹糸の様な白い髪、曰くつきの宝石のように見つめるだけで全身を包まれたように錯覚させられてしまう深紅の瞳。
蝙蝠の羽とハートの装飾を付けた尻尾、男性だけでなく女性すら惹きつけてしまいそうな身体と衣装。

「わんぱくなお嬢さん、あなたはどんな姿になりたい?」

お嬢様は聞かれてもなんて答えればいいかわからずオロオロしていると魔物々は指をぱちんと鳴らし、お嬢様の荷物を空中に広げ、やけに空き瓶が多いことに気づきました。
何故かと聞かれ、お嬢様は自分が言える限りのホルスタウロスミルクの魅力を身振り手振りを加えて伝えました。
魔物娘はその姿に対し愛する我が子が新しく知ったことを一生懸命に説明するのを聞いている母のように相槌を打ちながら全て聞いてあげました。

「わかったわ、あなたが最もなりたい姿が・・・この液体を飲みなさい」

そう言うと魔物の手のひらから黒真珠のような拳程の大きさはある球体の液体が現れ、ゆっくりと飛んでお嬢様の目の前で浮遊しました。
お嬢様は思わず1瓶だけ残っていたホルスタウロスミルクの封を切り、半分だけ急いで飲んで目の前の液体を瓶の中に入れて口を締め、振って混ぜました。
予想外な行動に魔物も思わずクスクスと笑ってしまいます。

「さぁお飲みなさい...きっと貴女の人生が変わる最高のミルクよ」

お嬢様は瓶の中身を一気に飲み干します。
次の瞬間、お嬢様の身体はドクン、ドクンと脈打ち、全身に知らない感覚が突き抜け始めました。
頭が熱くなり、思わず両手で抑えると何かが生えてきて手を押し返し、視界に入っている自分の髪が黒と白の2色に変化していくのが見えました。
次に胴体・・・正確には胸が内側から押し広げられるような感覚と共に膨れ上がり、お嬢様が着ていた服のボタンがはじけ飛びビリビリと破れて立派な胸がはみ出してきました。
胸が見るからに膨らんでいくのを見てお嬢様は嫌悪感より幸福感を感じてもっと、もっとおっきくと願いました。
胸の変化が続いているうちに下半身が熱くなり、両足の形が変化してフサフサの毛が生えてきました。
その感覚に耐え切れず尻もちをついてしまい、足を見ようとしましたが大きな胸が壁となってどうなっているか見ることが出来ません。
そして全身に溜まっていく不思議な感覚、それがとうとう溢れだした瞬間お嬢様の身体はガクガクと震え、胸からは噴水のように真っ白な母乳が吹き出しお嬢様の身体を白く染めていきます。
その温かさと飲みたかった甘さを感じながらお嬢様は気絶してしまいました。

「おめでとう...コレで貴女も新しい世界の住人ね」

お嬢様の変化を見ていた魔物娘は胸から止まること無く出続けるミルクを手の器に集め、掌でその温かさを感じながらゆっくりと飲み干しました。

「んっ♪おいしい...あら?」

魔物娘はふと自分の衣服をめくると、自らの先端から白い液体が滲み出て居ることに気づきました。

「突然変異なのかしらね...お母様への土産話が出来たわ」

お嬢様の噴乳が止まったのを見て、魔物娘は魔力で衣服を作りお嬢様の側に置いて飛び去って行きました。
最期に貴女の人生に祝福と幸せ、快楽が溢れることを祈りますと呟きながら。






目が覚めた時、お嬢様はなぜだかとても気分が良かった。
すぐに自分の胸とちらりと見えた足で眠ってしまう前のことは夢ではなかったと分かり、破れて衣服として意味を成していなかった布を脱ぎ捨て、側に落ちていた服を着ることにしました。
それはオーダーメイドで作ったと思うほどにピッタリとサイズがあっていて、心はるんるんと弾んでいました。
草を齧ればそれは雑草だったとしても高級なサラダを食べている感覚になりお腹も膨らんでくれたので食料面で心配することも無くなってくれました。
ふと自分の胸を見て先端のピンク色の周囲を摘めばじんわりと白いミルクが出てきて指先についたそれを舐めると小さい頃から好きだったミルクの味がしました。
ホルスタウロスは喜びましたがすぐに落ち込みました。
気絶する直前に口に入ったあのミルクの味とはかけ離れていたためです。

それからというもののホルスタウロスは様々な魔界を旅してあの味のミルクを探し続けました。
ホルスタウロスの夫婦に出逢えばその度にミルクを飲ませてもらってひたすらメモを取ります、普段何を食べているのか、エッチはどれくらいしているのか、何回中出ししたのか、何回言ったのか。
夫婦が答えられる限りの情報を聞けるだけ聞いて、メモして、飲んだ感想を書き綴りました。

そんな生活が暫く続いたある時、とある農場の青年と出会いました。
彼もホルスタウロスと同じくホルスタウロスミルクをこよなく愛し、ホルスタウロスミルクを使った乳製品の開発をしていたのです。
そこでホルスタウロスは本気で愛情を込めたチーズやヨーグルト、そのホエーで育てた魔界豚の肉を食べて驚愕しました。
今まで食べたミルク料理は何だったのかと、天と地程の差があることに。
ホルスタウロスは興奮して青年と一晩中談義を交わし、そして愛し合いました。
交わりの最中、自分からあふれだすミルクを飲んだホルスタウロスはあの時のミルクに自分のミルクが近づいていることに気が付き、もっと激しく愛しあい、中に注がれる度に魔力を自分の胸に注いで出すことで段々美味しくなっていくのが分かり二人はもっともっともっと愛しあいました。

二人が出会って数年後、近くを寄ったキャラバンからホルスタウロスミルク好きなドワーフの夫妻が来て特濃ホルスタウロスミルクを注文しました。
夫婦には少しの間待ってもらい、裏で愛しあおうかとしましたが青年が意地悪でドワーフ夫妻の前で愛しあい、絞り始めました。
初めは恥ずかしさで抵抗しましたが普段とは違う気持ちよさと胸の張り、熱さを感じそのまま突き合い、ここで!というタイミングで絞りました。
その瞬間辺りには甘くまろやかな香りが漂い、販売店の外に居た人達もその甘さに釣られて様子を見に来始めました。
すると更に気持ちよくなってどんどん濃厚に、僅かにとろみが出始め、見ている人達が揃って喉を鳴らし始めました。

桶いっぱいに入ったミルクを桶に付いている栓を外し、コップに注ぎドワーフに渡しました。
それを一口飲んだドワーフは目を見開き、美味いっっ!!!と叫び腰に手を当て、一気飲みして数秒静止した後カァン!とテーブルにコップを叩きつけ、もう一杯とつぶやきました。
気迫に押された青年は代金をもらうともう一度コップにミルクを注ぎ渡します。
今度はゆっくりと、味わうように1分程時間を掛けて飲み干します。
周りの客もその様子を固唾を呑んで見守ります。
ぷはぁぁぁ〜という声と共にドワーフは夫に抱きつき、上着をめくり夫に胸が弾けそうな位熱いから揉んでくれと頼みました。
ドワーフの夫が言われるがままに揉むと、なんとドワーフの胸から母乳が吹き出したのです!
その場に居た全員が驚き、何かを察したラミアがミルクを注文して飲み干すとラミアからも母乳が出たのです!
それによって確信した夫婦達は桶の底が見えるほど注文し、店は一転母乳パーティー会場となったのです。
ホルスタウロスは白い放物線が飛び交い、夫婦が白く染め上げられていくその光景を見て美しいとつぶやきました。
そしてそれぞれの夫婦からミルクを分けてもらい試飲すると種族によって甘い物もあればスッキリとしていたりドロドロと言っていいほど濃かったり違いがあることを知り、ここに住み始める前にしていたミルク巡りの旅を再開する決心をしました。
しかし、あれからお客さんが途絶えずなかなか旅にでるタイミングが合いません。

暫く青年は考え、思いつきました。
ホルスタウロス達と夫達が幸せになり、なおかつたくさんの魔物娘たちや旅人、行商人が利用してくれる方法を。
直ぐ様青年はワイバーン便で近隣地域のホルスタウロス夫婦達とキャラバンの人達と手紙で交流を始めました。
まずは広大な平原の土地。
見つかったのは側に山が、少し離れて海がある明緑魔界でした、そこには小さな村が幾つか点々とあるのみで広大な自然くらいしか名産品が無いらしいです。
次に人材。
多くのホルスタウロス夫婦と交流し、新しい試みだから面白そうと付き合ってくれる夫婦と合流することが出来ました。
そして現地の村人達と話し合い、新しい風が吹くならと手伝ってもらえる事が決まり、計画は順調に進んでいきました。

ホルスタウロスお嬢様は青年が話し合いをしてる間村の外へ散歩に出かけました。
草をプチッとちぎり、口に運びます。
ほんのかすかな塩の香りと甘さが口に広がり、ここでならやっていけそうと確信したのでした。





数年後、そこは大きな町が出来上がっていました。
ホルスタウロス夫婦が数多く住み、ホルスタウロスミルクを作ることで気分が乗らなかったり不調なホルスタウロスが居ても他のホルスタウロス夫妻達がカバーすることによって一定の安定したミルクの供給ができるようになったのです。
愛しあう場所は普通の部屋の他に人間界の牛のように搾乳場を作ったり趣味嗜好や気分に合わせて搾乳できる場所を作ることでより高品質なミルクが生産されるようになります。

ホルスタウロスミルクが安定供給されるとあって行商人や形部狸たちは我先にと町へ向かい、その品質の高さに驚き様々な土地で売捌、その評判が町へ人を誘い始めたのです。
ミルクから作られるチーズやヨーグルト、様々な果実のソースをたっぷりと掛けたソフトクリームやアイス、ジェラート。
乳製品がコレでもかと大量に生産され、それぞれの食品好きも集まりだします。


そして、なんといってもこの町を訪れる夫婦達の一番の理由。
町長の妻であるホルスタウロスの特濃ミルクを飲めば妊娠していなくても母乳が溢れ出すというところにありました。
愛の営みで飲むのもいいですし、旅費を稼ぎたい旅人夫婦にはその母乳を役所に売ることで稼ぐことも出来ました。
母乳を売る場合ですとただ同然の宿賃がタダになったり滞在延長費が半額になりますし、種族によっては乳製品に加工すれば味がホルスタウロスミルクを超えることがあったりしますし、その希少性から高値で売られたのです。
もちろん、このミルクは旦那に飲ませたい!妻のミルクを他の誰にも飲ませたくない!という夫婦から強制はしません。

そんなこんなで青年の・・・いえ、町長の計画は大成功となりその嬉しそうな笑顔をみてホルスタウロスも満足することが出来ました。






更に数年後。
町長の家、大広間。
宿泊に来て、希望した魔物娘、及び夫婦は宿泊当日の22時にここで集まるよう知らされている。
はるばるジパングから来たであろうネコマタや白蛇の夫婦、その他だとドラゴンやオーガの夫婦が集まっている。

「ようこそお集まり下さいました、旅人の皆様。私がこの町、ミルリアの町長の妻でクインと呼ばれている者です。」

他のホルスタウロスよりどこか気品のある立ち回り、嫌味が感じられない程度に抑えられている衣装。
普通のホルスタウロスより二回りは大きいのではないかという母性あふれる胸。

「旦那様達は、奥様のミルクを飲んでみたいということでよろしいですよね?」

その声は聖母のようであり、聞いているだけでゆりかごの中にいるように安心できる。
激しく頷くものもいれば恥ずかしさで赤くなりながら顔をそむけるものも居る。

「それでは...」

服のホックを外すとぺろんと布が前に捲れて、その豊満な胸が晒されて顔がほのかに赤くなる。
これからどういうことが行われるのか事前に説明されている魔物娘達は喉を鳴らし、凝視する。

「私は見られると興奮して、それだけ濃厚で効果のあるミルクが出るんです...なのでじっくり見て下さいね」

そう言うとクインは専用の台に身を預ける、形としてはギロチン台を思い浮かべてもらえるといいだろうか。
いつのまにやらクインの後ろから見た目好青年にしか見えない町長がやってきて背中から密着するように抱きしめ、豊満な胸を優しくもみ始める。
硬くなってしまった物をもみほぐすように、胸との境界線からじわりじわりと揉みほぐす。
町長の指が埋もれて魔物娘達には見えなくなる。
その様をみてネコマタは夫の手を引き寄せて息を荒くしながら胸をもませ、白蛇は夫の身体に蛇の体を巻き付ける。

「いいですよぉ...もっと、もっと見てください」

親指の先程ある乳頭からじわりと白い液体が滲みだし、ポタリポタリとクインの胸の下に設置されたタライのような大きさの桶に音を立てて白い雫が落下していく。
オーガがジュルリと落ちそうになった唾液を吸い上げ、夫...の少年を片腕で抱きしめる。

「さて、そろそろ皆様がお待ちの特濃ホルスタウロスミルクが出ます。もっと近寄って出る所を見てあげてください、妻は見られるととっても興奮しますので」

優しく誰が聞いても好印象を持てる爽やかな声。
言われた通りに夫婦達は手を伸ばせば絞れる所まで近づいて凝視する。
すると雫でしか出てこなかったミルクが幾重の線になって桶に降り注ぐ。
ドラゴンがこんな風に私達も出せるようになるのか・・・と呟いた。
町長が答える。

「いいえ、この程度ではありません。これから私達共が出すくらいには皆様も勢い良く出せますよ」

そう言うと町長は今まで一切触れなかった乳輪から下を逆手に持って、親指と人差指で作った輪で乳輪を締め付ける。
そして中指、薬指、小指と下に向かって絞るとぶしゃぁ!という音と共にものすごい量のミルクが勢い良く桶の底に叩きつけられる。
右、左、右、左、と交互に絞られているクインは本当の牛のように太く長い舌をだらしなく垂らしながら掴まり棒を握りしめ、トロけた顔を魔物娘夫婦達に晒していた。
初めて搾乳を見た魔物娘は少しの驚きの後、クインの表情を見て自分もあんな顔になってしまうのかと期待し始めた。

搾乳は数分後も続いており、桶はもうすでに半分ほどまで溜まっていた。
夫達は滑らかに動き、絞り続ける町長の手を見て長年行って来たから出来る・・・だけではないと見抜いていた。
仕事で妻と離れている間も暇さえあれば指の柔軟体操をして、右と左で気持ちよさや搾る強さが変わってしまわないように鍛え、そして両手利きに鍛えなおしていると!
『この男・・・出来るッ!』
長年の努力がこの数分間の動きで理解できてしまうほど町長の指の動きはそれだけ素晴らしく、どの夫も心の何処かで尊敬し始めていた。
そして、心のなかで誓っていた。
『妻にもっと気持ちよくなってもらうために、指を鍛えよう』
と。


それから程なくして桶が満杯となり、側面に付けられている栓を抜いて瓶に注がれ栓をした状態で魔物娘夫婦達に手渡される。
落ち着き始めたクインが、飲んだらすぐに体や思考がとろけるように熱くなり始めてすぐに交わりたくなるので、先に宿の部屋の種類を決めてほしいと伝えた。
夫婦達に手渡された紙には洋風のこの地域には珍しくないものから畳を使われたジパング風の部屋、牛の搾乳場風の家具が置かれた部屋、SMプレイの出来る部屋など多彩な種類が書かれていた。
魔物夫婦達はワイワイとどの部屋にするか決めていた。
数分後、どの夫婦も決まったようなので出た母乳を売るかどうか話し合ってもらい、結果としてドラゴンとオーガ夫妻が了承し、猫又と白蛇夫妻は保留ということにした。
決定したことを紙にまとめる町長。

書いている間にクインがもう一つ瓶を夫婦達の前に置く。

「その、恥ずかしいことなのですが私、この町に住んでいるホルスタウロス達から母乳ソムリエと呼ばれてしまうほど好きでして・・・もし差し支えなければ皆様の母乳をその瓶に入れて飲ませていただきたいのです。」

明日の朝食時にでも出してもらえればいいということで白蛇以外の夫婦は瓶を取る。

「それと私に何か御用がありましたら部屋に備え付けられているベルを鳴らしてください、私の首に付いているベルと連動しておりますので」

それだけを最期の説明として各夫婦はそれぞれの部屋へと向かっていった...が、少しして白蛇の夫が戻ってきて瓶を受け取る。
妻と交渉してみますね、と一言だけクイン達にいい、丁寧なお辞儀をして足早に去っていった。






あと1時間もすれば就寝時かと時計を見て本日の各店の収入支出などをまとめていたクインの首のベルが鳴る。
この音色はネコマタ夫婦の部屋からだ。
駆け足でネコマタ夫婦が宿泊している和室に行き、ノックする。
どうぞという声が聞こえ、静かに扉を開ける。
そこではにゃぁ♪にゃぁん♪とネコマタ夫婦が激しく愛し合っていた。
正常位の状態で胸を熱心に吸われながら腰を打ち付けられているネコマタはとろとろとした表情でクインをみる。
吸われておらず、夫がつまむ乳首からはぴゅっ、ぴゅっ♪とリズミカルに母乳が噴き出している。

「クインさぁん♪私のミルク飲んでくれませんかぁ♪」

半分ほどまでミルクが注がれている瓶をネコマタから手渡される。
ありがたくいただきます、と最大級の感謝をネコマタ夫婦に伝え、まず一口。
その一口を舌で転がし、口の中で空気と混ぜ合い香りを楽しむ。
コクコクと飲み、のどごしを楽しむ。
大体の感じがわかった所で本能がままに飲み干し、手を合わせる。

「んぁっ♪ど、どうかにゃ?おいし...んにゃぁ♪」

「ええ・・・濃さは私どもホルスタウロスより薄いですがその分のどごしが軽く、運動した後などに飲みたい・・・そんな風に思えます。この感じですとヨーグルトに加工すると合わせた果実の旨味を最大限に引き立ててくれる逸品になってくれるでしょう」

「本当かにゃぁ♪美味しいものできるにゃ?」

「ええ、私...母乳に関しては利用方法で失敗したことがほとんどありませんわ」

「初めは怖かったにゃ、私のミルクなんて売ってそれが美味しくないって言われたらどうしようって....だけどクインさんがそういってくれるなら、売ってみたい♪」

クインはその言葉に90度のお辞儀をする。

「ありがとうございます、それでは部屋に備え付けられている収集容器の中に母乳をお入れください。無理に満タンまで入れようとしなくてよろしいです、私どもは皆様の愛を分けて頂く立場ですので・・・もしももう入らないという事になりましたら赤いリボンのベルを鳴らしてください、係りの者が来ますので」

それと、とクインは付け加える。

「もしもこの場でこの瓶をいっぱいにしていただけると、明日の夕食にはネコマタ様のミルクで作ったヨーグルトをお出し出来ますが・・・」

それを聞いた夫はネコマタを抱え、四つん這いにしてネコマタミルクを絞り出し、物の数分で瓶を溢れそうなほど満たさせた。
あまりの勢いの良さにネコマタはひくひくとだらしない顔のまま放心して居るのをみてごゆっくりお楽しみくださいと小声で言い、静かに部屋から出て音を立てないように扉を閉める。
すかさず廊下を歩きながメモ帳を取り出し、日付、時間、種族などをページの上に書き記して後は感じたまま1頁をうめつくすほど記していく。
飲む瞬間もそうだがこうして書き残す瞬間もクインは大好きだった。
同じ種族だからと書かないことはなかった、その時の状態で僅かに味が変わるのだそれを書き記さなくては勿体無い。

ネコマタミルクについて書き終えた所で再度ベルが鳴る。
向かう先はオーガ夫婦だ。

ノックするとオーガのおぅ、入れ!という元気な声が聞こえ、失礼しますと扉を開けて中に入る。

「いやぁ、アンタのミルクすごいな...んっ...吸われればその分母乳が湧き出てきやがる」

オーガの夫の少年はオーガに膝枕された状態でオーガの乳首を咥えさせられながら、肉棒をオーガの手で扱かれている・・・いわゆる授乳手コキというものだ。
クインの少し驚いたような顔を見たオーガはあぁ、と言いながら優しそうな顔をする。

「オーガが夫に腰振って喘がせてないのが珍しいんだろ?確かに、強引にヤって反撃されるとその分ヤり返すっていうのも好きだけど・・・こうして甘えられてるとなんかこう・・・心が温まってな」

「わかります。愛するものに母乳を飲まれると自分の一部が愛する者に染みこんでいく・・・そしてそれが美味しそうに飲まれるのは心が安らぎますよね」

「一足先に母親になった気分だよ、あたしのミルクはテーブルの上に置いてある。明日にはミルクタンクを軽く数個は渡してやるから待ってな...それと」

「どうかなさいましたか?」

「コイツに、あの絞り方を教えてやってくれ・・・アンタのあの絞られてるだけで深くイッちまいそうな顔見てたら羨ましくてよ」

「分かりました、明日主人のスケジュールが開いた時にお伺いさせていただきます」

「ありがとうな」

クインはオーガミルクの入った瓶を受け取り、部屋から出る。
先ほどと同じように音を立てないよう最新の注意をして扉を閉める。
母乳という物が与える心への影響を一つ知り、嬉しくなった。

タイミングを測ったかのようにまたベルが鳴る。


「失礼しm「んひぃぃぃぃぃ♪♪そっけない態度とったのはあやまるかりゃぁ♪ちくびの栓とってぇぇぇぇ♪とかげおっぱいはれつしちゃうぅぅぅ♪」

クインが入ったのは搾乳場を模した部屋。
扉が数ミリ開いた瞬間、ドラゴンの咆哮・・・もとい喘ぎ声が衝撃波のようにクインに襲いかかった。
芯に響く喘ぎ声に耐えながら中に入るとドラゴンは両手両足をバックの体勢で両手両足を鉄骨の柱に縛られ、目隠し耳栓を付けられ乳首にはリング状の拘束具が取り付けられ限界までミルクを貯めこまれているのか薄暗い部屋の中でも分かるほどぱんぱんに張っていた。
太い尻尾の先端に夫がかじりつき、それだけで仰け反って震えだしている。

ドラゴン夫が手招きするので足音を出さないようにゆっくり指を指された通りにドラゴンを間に入れた状態で夫と向かい合う。
少しの間ドラゴンを放置し、何やらメモに書き込みそれをクインに手渡す。

『この子を貴女のミルクで真っ白に染めること出来ますか?』

その字を読むだけで育ちの良さがわかる。
きっとこの男性は元勇者なのだろう。
クインも恥じないような文字をスラスラと書いて手渡す。

『可能ですがいいのですか?この方の鱗は素晴らしい光沢と美しさがありますが』

『染められるのが好きなんですよ、泥とか花粉とか俺のとか・・・とにかくお願いします』

『分かりました・・・少し後ろ向いていただいても?終わったら声を掛けますので』

確かに頷き、背を向けて安めの体勢で待つ夫。

クインはその大きな乳房を出し、両手でしっかりと抱えて先端をドラゴンに向けゆっくりと搾る。
ドラゴンは突然かかってきた液体に驚き、口に入った瞬間その味で誰がかけているのか把握する。

「や、やめてくれぇ♪こんな姿見ないでぇ...♪」

いやいやと首を振るもミルクの温かさと自らが白く染まっていく所を想像し、尻尾が犬のように振れる。

「聞きましたよ?なんでも染められるのが好きとか・・・私のミルクで喜んでいただけるのでしたら真っ白になるまでおかけいたしますわ」

「あ...ああああぁぁぁ♪もうだめだ、はずしてくれぇ♪胸がっ!胸がすごくあちゅいんだぁ♪」

それを聞いた夫は目にも留まらぬスピードでドラゴンの下に収集容器を置き、乳首のリングを外し、最初の一滴が落ちる前にドラゴンの乳輪を掴み先程町長が行っていた動作を完全にコピーしていた。
その動きは手だけ見たらクインすら夫と見間違えるほど完璧なものだった。

「わひぃ...でりゅぅ...母乳がぁ」

そこで夫がドラゴンに耳打ちをする。

「はい、そうですぅ...とかげみるく出しちゃいますぅぅぅ♪いきゅぅぅぅぅぅぅぅぅ♪」

ある程度収集容器に出した所で、夫は瓶に手早くトカゲミルクを入れてクインに渡す。
その後も子供のような笑顔でドラゴンの胸を搾る夫は輝いて見えた。
なんだか分からないがお互いに同じタイミングでサムズアップして爽やかに立ち去る。
クインはドラゴンの夫に不思議な魅力を感じたりしたがそれよりも先にドラゴンミルクを飲んで感想を書き綴った。

この日は他のお客様に呼ばれることがもうなかったためクインは町長とゆったりと夜を過ごしたのでした。





次の日の早朝。
クインは白蛇の夫に呼び止められた。
渡されたのはミルクが入った瓶。
売ることは出来ないけれども貴重な体験をさせてもらったお礼にと、白蛇に交渉して1瓶だけ取ってもらったらしい。
クインはネコマタの時同様、味わって飲む。

「舌触りは滑らかで飲みやすい・・・けど長く舌に残って絡みついてくれる。なるほど、白蛇様のミルクらしいですね・・・私の見立てですとお酒で割って飲まれると楽しめるかと思います。無理を言って分けていただいたお礼として滞在費などはこちらが負担いたします、満足していただけるまでご自由にこの町でお過ごしくださいませ」

白蛇の夫は嬉しそうに礼を言うと恐らく妻がまだ眠っているであろう部屋に駆け出していた。

「貴方達夫婦の人生に祝福と幸せ、快楽が溢れることを祈ります」

誰に聞かせるわけでもなくクインは呟いた。




彼女はミルリアに住むホルスタウロス達から尊敬をこめて『クイーン・ホルスタウロス』短くして『クイン』と呼ばれている。
今では町の住民が、訪れる者達もその名で呼ぶ。

その夫はいつからか町の住民達に『町長』と呼ばれている、

クインの本当の名前を知っているのは夫だけ。
町長の本当の名前を知っているのはミルリア創設初期メンバーと妻だけ。

だけどそれでいいのだ。
二人は町を温かく包む夕日を眺めながら唇を重ねた。



『ここはホルスタウロス達の町ミルリア。
ホルスタウロスミルクはもちろんそれらを使った料理が皆様の胃袋を掴んで離しません!
朝は酸味のあるヨーグルトとパンを、昼食はラクレットチーズを素揚げしたまかいもにたっぷりと掛けてピザと一緒に、夕食はホエーで育てた魔界豚のステーキを町の畑でとれた人間界と魔界の野菜を添えて・・・。
デザートにはソフトクリームに生クリームや陶酔の果実のソースをたらりと・・・。
滞在中魔物娘の方でミルクを役場に提供していただける方には売上金の半分をお渡しします!
どうぞ今後の旅や夫婦の旅行にお役立てください!

※皆様のご愛顧のおかげでサバト公式魔界観光協会のラブラブ部門第1位に選ばれました!』





おしまい。
15/05/09 17:42更新 / ホシニク

■作者メッセージ
・・・どうしてドラゴンさんってメストカゲにしたくなるのでしょうか。
全くもって不思議です。

【特濃ホルスタウロスミルク】
通常のホルスタウロスミルクと違い濃厚なホルスタウロスの魔力が含まれている最高級ミルク。
最高品質の濃厚でまろやかな甘さは頭の中の思考までも甘ったるくしてしまい、飲んだ者を、そのまま甘く気持ちのいい交わりへと誘います。
人間の女性が飲めば含まれている魔力でホルスタウロスへ魔物化して、人間の男性が飲めば精がホルスタウロス達が好む甘い匂いと味へと変わり、未婚のホルスタウロスを強く惹きつけるとか。

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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33