押し掛け女房はよくキく麻薬!?
刺さりかけた。
それは雨の日の夜だった。
ハチロクかAW11が活躍するあの漫画じゃあるまいし、冷静に考えればヘビーウェットの峠道だと言うのにオーバースピードだった。
コーナリング中に対向車の水しぶきで思わずブレーキを踏んでしまった。ABSなんてものはまだメーカーオプションの贅沢品だった時代のクルマだったので、いとも簡単にタイヤはロックした。そのあとはただただ滑った。本当に、運良くどこにも当たらず、路肩の待避所で止まれたのは不幸中の幸いとしか言いようがない。何せ、タダでさえ古い上にエコカー補助金にトドメを刺され現存数はかなり少なくなってしまっているのだから。
正直、すぐに出す気にはなれなかった。
恐怖がまだ抜けない。
こういう時の無理は禁物、急ぎの用もないので落ち着くまでじっとしていよう。
すると、窓の外に人影が見えた。
黒髪ロングの和服女性のようだが、暗いのでよくはわからない。
こんな時間にこんなところにいる理由の見当が付かず、僕はとまどった。
この峠に走り屋が出るなんて話は聞いたことがないので、ギャラリーという線はあり得ない。
いや、仮にそうだったとしてもこんな雨の中で雨具なしだなんてどうかしている。
そもそも、そういうことをするような奴には見えない。じゃ何でこんなところに？
すると彼女は僕の横まで来て、軽く会釈をする。僕もつられて返してしまう。
このとき、僕は知らなかった。この会釈が、とんでもない意味を持つことを・・・！
･･････････････････････････････････････････････････････････････
なんとか気分が落ち着いたのでまた走り出し、家に着いた。
そして扉を開けるとその向こうで・・・驚きの光景が待っていたのだ。
「お帰りなさい、静次(しずつぐ)さん。」
僕はきょとんとして立ちつくした。
さっき峠で見かけたあの女が、三つ指ついてお出迎えしてくれたのだ。
いったいどうして僕の部屋を知り、そして部屋に入ったのだろう。
鍵はきっちりかけたはずだ。事実、キーを回すとロックが解除されたあの音と感触があった。
それに彼女はとても清楚な感じがして・・・とてもピッキングなんてできるような奴には見えない。
じゃあ、目の前にいるこいつはなんなんだ。
しかも全身が濡れたまんまだ。こんな事するくらいならタオルの１枚や２枚引っ張り出してもおかしくない。しかしそんな形跡はどこにもない。
「あぁ、さっきのショックがまだ残ってるのかな。」
そう思わずにはやってられなかった。
だが、ひとたび部屋に入ってそのわずかな希望も失われた。
明らかに部屋がきれいになっているのだ。
正直、整理の下手な僕の部屋にはそこら中に絵の資料やらカタログやらDVDやらが散乱していたはずだ。
しかし、それらがすべてきれいに片づいている。しかも何一つとして捨てた形跡がない。
リューターやはんだごては使いやすいようにフックに掛けられ、昔から大量に使っていてその数の多さからペアどころかブランドすら揃えられていなかったNi-MHバッテリーはかまぼこ板に穴をあけたホルダーに挿されて整然とペアで並んでいる。現在まさに進行中の｢自炊｣作業に不可欠なScanSnap、いつも観たい番組を録り溜めるBDレコーダーにTV・・・それらの位置関係も使いやすいように計算されて並び替えられていた。自分一人ではこんな事できないだろう。
正直、完璧すぎて言葉が出ない。
他の部屋はどうだと台所を見ると食器だらけの流し台もきれいに片づき、しかもステンレスの輝きがあまりにも眩しすぎる。風呂も、よく見ると今通った廊下も・・・全部隙なしだ。
･･････････････････････････････････････････････････････････････
「・・・君はいったい、何者なんだい？」
鍵のかかった家に侵入し、あの短時間でここまで完璧に部屋を仕上げ、余裕を持って僕を出迎えた。こんな疑問を抱くのも、当然といえよう。
ちなみに黒髪ロングの清楚な雰囲気に加えて濡れて透けた服から見える肌、きゅっと締められた褌、たゆんたゆんと揺れる乳やぷりっぷりの尻に目が奪われたのは内緒だ。(もっとも、僕はポーカーフェイスは苦手なのでバレているかもしれないが。)
「私ですか？私は瑞恵(みずえ)、ぬれおなごという妖怪ですよ。」
あり得ないことをさらっと言う彼女。
しかし、これはまだ軽いジャブだった。次の発言があまりに衝撃的だったのだ。
「私たちは、微笑み返してくれた人を自分の旦那様にするんです。あ、そうそう。私の身体は変幻自在ですから、いくら鍵を掛けようが逃げ出そうが、どこまでも追いかけますよ。」
正直、めまいがした。いきなり妻帯者になると言うのだから。しかも拒否権はない。
そして瑞恵は、僕の顔を両手でとらえ・・・口づけをしてきた。
何かが口に入ってきた。これは・・・何だ!?
「ふふ、今静次さんに飲み込んでいただいたのは私のかけらです。あぁ、吐き出そうと思っても無駄ですよ。もう既に吸収され、身体中に散らばりました。この紋章が、その証です。」
よく見てみると、左腕にうっすらと青い模様が見える。しかし注意してみなければ気づかない、気づいてもアザか何かとしか思われない程度の模様だ。
「そして・・・私、瑞恵は静次さんのモノになることを改めてここに宣言します。そして断言します。静次さんはやはり、私と一つになるべきです。薄々思っていましたが、かけらを飲み込ませた時に確信しました。静次さんには、妖の力が必要です。私の力、使ってください。」
真顔で迫る瑞恵。外見からは想像できないその芯の強さに、ただ圧倒された。
･･････････････････････････････････････････････････････････････
「・・・言っておきますけど、私は美人局じゃありませんからね。むしろ静次さんを護るべき立場です。お金もモノも、静次さんが考えるような食事もいりません。ただ静次さんが私を側に置き、そして・・・」
そのあとに何がくるのか、想像できなかった。
「これまで無駄に吐き出していた精液を、好きな時に私の中に注いで頂ければ十分です。」
何という犯してもいいのよ宣言！！
戸惑わずにはいられなかった。
いくら妖怪といえど、こんな和服美人が僕と結婚したい、Hしたいだって！？
そんなのあり得ない。いや、あってはならないのだ。
「ほら、好きにしていいんですよ。いえ、好きに私を犯してください。」
そういうと瑞恵はぺたんと座り込み、両手を差し出し、足を広げた。
「僕が字義通りにしか受け取れない奴だって、わかってて言ってる？」
彼女はあの時のような優しげな微笑みで、しれっと凄いことを言う。
「えぇ、どのようなプレイでもお好きなように。さすがに猟奇プレイは勘弁願いますけど。」
そこから僕は暴走した。
瑞恵を押し倒し、彼女の褌をずらし、痛いほどに膨れあがった僕のモノを・・・彼女に突き立てた。
「そのままです。そのまま、ゆっくり腰を沈めてください・・・」
もしかしたら瑞恵には僕が童貞だと言うこともお見通しなのかもしれない。
･･････････････････････････････････････････････････････････････
僕のモノは、ある程度まではすんなりと挿入できた。
だがそこから先はやたらとキツい。
「ようこそ、私の中へ。もっと体重を掛けてください。ここからが本番ですよ。」
そういわれてさらに腰を沈めると、亀頭がぱっくりと飲み込まれた。
しかし、長さの関係でこれ以上は突き進めない。
しかも彼女の足は僕の腰をしっかりととらえて放さない。
「他の妖には、まして人間なんかでは絶対に味わえない快楽で歓迎いたします。」
いったいこの状況でどうするというのか。
すると、僕のモノが扱かれ始めた。
しかし、彼女の身体は動いていない。
「どうです？私の身体は変幻自在、だからこんな事もできるんですよ。」
なんと、ま○こだけが動いて僕のモノを扱いていると言うのだ。
しかも、さっきとは形が違う。そうか、変幻自在な身体を活かしたんだ。最初は挿入しやすい形状にして、一度挿入ったら男をイかせるのに適した形に変えてイかせる・・・ということだ。
「あっ・・・ああっ・・・」
平然とした彼女に対し、僕はと言うとその快楽に負け情けない声を出していた。
平然ついでに瑞恵は上半身も両腕でホールドしてきた。僕の顔はその柔らかい谷間に押しつけられる。
「あぁ・・・気持ちいい・・・こんなに献身的なのに、どうして妖怪ってだけで拒んだんだろう・・・」
僕の頭の中は、瑞恵に甘えまくりの生活のことでいっぱいだった。
「ふふ・・・見えますよ・・・いいんです、たっぷり甘えてください。私はずっと、静次さんといます・・・。」
瑞恵はもう、僕を放すつもりなどない。いや、最初からなかったのだ。
そしてひとたび降参すると、彼女の与える快楽は一段とおいしいものになってくる。
僕は気が付くと腰を振り、激しく射精を求めた。
それに気がつぃたのか瑞恵は扱くのをやめ、身体のホールドも緩めた。
「瑞恵っ、イくっ！」
僕は瑞恵の脚と腰を抱え、快楽の赴くまま奥深くに射精する。
中に溜まっていたものが、勢いよく瑞恵の中に放出された。
これまで何度もヌいてきたが、ここまで気持ちいいのは初めてだ。
そしてすべて出し終わると、けだるさだけが残り・・・そのまま倒れ込んで眠ってしまった。
「静次さん、大好きです。あなたにとって最高のメス、最高の妻となれるよう尽くさせて頂きます、愛しの旦那様・・・」
･･････････････････････････････････････････････････････････････
数日後。
その甘さと甲斐甲斐しさ、そして快楽に僕の心は溶かされ「瑞恵依存症」にされてしまった。
だけどこれではいけない。僕の想いをはっきり言おう。
「瑞恵、僕は君に凄く感謝している。君は昼も夜も最高だ。だけど、それが故に自分がダメになるのではないかと、自分一人では何もできなくなるのではないかと怖いのもまた事実なんだ。だから、傷の浅い今のうちに・・・僕のために別れてくれないか。何もできなくて、貰ってばっかりなのに・・・ごめん。」
・・・
「私は・・・」
・・・
「その話、きっぱりとお断りします。」
さっきまでの彼女からは考えられない、力強い口調と他を圧倒する表情で僕にNOを突きつけた。
「私に依存するのは、全く問題ありません。ですが、もし私がいなくなれば静次さんは・・・最悪、命を落とすことになります。細かい説明は必要なら後ほどいたしますが・・・私は、『旦那様』とは絶対に別れません！私に依存することを、怖がらないでください！」
そして、元の顔と口調で続ける。
「それに、私も静次さん依存症ですから。」
あぁ、もうお互い様という訳か・・・。
･･････････････････････････････････････････････････････････････
・・・それからさらに数日後。
「静次さん、起きてください。朝ですよー。」
僕の瑞恵依存症はますます酷くなっている。
「ごめんよ。やっぱり依存症は半端ないことになってるな。」
「いえ、依存してくれて嬉しいくらいですから気にしないでください・・・あら、ずいぶんと凄いことになってますね。」
瑞恵の目線の先には・・・絵に描いたような朝勃ちをしている僕のナニがあった。
「着替える前に、一発ヌいて鎮めちゃいますね。」
そういうと、瑞恵は僕の腰にまたがり・・・一気に騎乗位で挿入した。
その清楚な雰囲気とは裏腹に、瑞恵の身体は熟成されて肉感的。おまけにテクニシャンだ。
今回は派手に腰を振っているので、そのたわわに実った胸がたぷたぷと揺れて僕を興奮させる。結局、そのおかげで余計に勃たせてしまい１発だけの予定が３発もヌいてしまった。
「嬉しいです、こんな妖の身体で興奮していただけるんですから。嬉しくて、私もちょっと本気出しちゃいました。」
「瑞恵本来の魅力の前には、人か妖怪かなんて些末な問題さ。」
それが、今の僕の本音だった。
１ヶ月が経った頃、僕は瑞恵のある変化に気づく。
「あれ、何で濡れてないの？」
そう、見ただけではもう普通の人間と何ら変わりなくなっていたのだ。
「ふふ、ある程度まで人間と親密になるとこういう事もできるようになるんですよ。もちろん、濡れ濡れのままがよければそれもできますけど。」
そうか、それじゃ近いうちに瑞恵とお出かけするかな・・・。
･･････････････････････････････････････････････････････････････
さて、僕は絵も趣味にしていた。所詮は萌え絵と言われるものだが、元来お姉さん系の人外種がメインだったこともあって今でも
「瑞恵にこんな格好させたらエロいだろうなぁ〜燃え上がっちゃうだろうなぁ〜」
と言う妄想で筆を走らせている。
しかし、いくらそういうことでもバレると一抹の恥ずかしさがあるわけで・・・
「静次さん、どうです？あなたのお部屋にあったのを再現してみたんですけど。」
・・・そうか、変幻自在の瑞恵にとってコスプレなんて造作もない事という訳か。
和服のデザインでありながら過剰なまでの光沢で立体感を強調し、また乳首の隆起もすぐにわかりその身体の豊満さをこれでもかと演出する上半身。
下半身はかっちり着込んでいるかのように見えて、実は股間はぎりぎり隠れているか否かというかなり過激なデザインにしてしまった。まさかバレて、しかも実際に着て(?)くれるなんて思ってもみなかったからだ。
･･････････････････････････････････････････････････････････････
「瑞恵ええええええっ！ヤバいよ、エロすぎるよっ！頼む、今すぐヤらせてくれっ！」
思わず僕は瑞恵を押し倒した。
「静次さんっ・・・嬉しいです！何発でも、何十発でも満足するまで、弾切れになるまで犯してくださいっ！」
まずは正常位。
押し倒したまま、ま○こがぎりぎり隠れる程度の極小ぱんつをずらし挿入。
変幻自在の瑞恵のま○こに慣れることは全くなく、今回も瞬殺されてしまった。
その後へたり込んだがまだ満足していないことを伝え、今度はバック。
たぷんたぷんと揺れるおっぱいと張りのある尻を目で味わいながら、奥深くに種付け。
３回目は騎乗位・・・と思ったが、やめようと思った。
これじゃ僕は、瑞恵を都合のいい肉便器にしているだけだと思ったからなのだが・・・
「・・・私の意志を尊重したいなら、やめないでください。」
釘を刺されてしまった。
「・・・瑞恵、騎乗位で全身ローションぬるぬるプレイってできるかな。」
瑞恵は待ってましたとばかりの満面の笑みを浮かべ、こういった。
「えぇ、喜んで。理性は捨てて、私の前では獣になってくださいね。」
「そのまま、その言葉を返すよ。僕も、エロく乱れた瑞恵を見てみたいんだ。」
「もう、静次さんったら・・・。」
そして、顔を赤らめた瑞恵は腰を動かし始めた。
「あぁ、いいっ！静次さんのお○ん○ん！もっと欲しいのぉっ！いいのぉっ！」
「うわ、瑞恵・・・いきなり、激し・・・」
「だってえっ、乱れていいって言ったのが、乱れた私を見てカタくなってるのが、嬉しいのっ！」
「だ、だけどそんな速くされたら、僕・・・」
すると、瑞恵は僕の、そして彼女自身の強制絶頂スイッチを押すが如く腰を深く沈めた。
「出してぇっ！妖の精液便所にいっぱい白いの出してええええっ！！」
・・・
僕たちは、二人同時に果ててしまった。
「はぁ、はああっ・・・」
強烈な快楽から目はうつろになり、僕の身体は激しく酸素を求めた。
瑞恵もよかったのか、倒れ込んだあと僕にがっしりと掴まっている。
「静次さん・・・私を幸せにするのに、特別なものは要りません。あなたがいて、あなたのお世話ができて、あなたと毎晩できるだけで、私は十分なんです。ですから、どうか私から離れないでくださいね・・・。」
さらに意識が薄れる僕の耳に、こんな言葉も入ってきた。
「･･･自慰行為なんて、絶対に許しません。あなたが射精していいのは、私の中だけです・・・ヌきたくなったら、遠慮せず私のお○んこを精液便所にしてください・・・」
あぁ、それじゃお言葉に甘えて使わせてもらうよ・・・
僕は無意識にそう言い、そしてそのまま眠った・・・。
･･････････････････････････････････････････････････････････････
数時間後。
僕たちは目を覚ました。
する時に残った精液、愛液、その他諸々は瑞恵のお○んこが尿道の中の残渣さえ一滴残さず回収するので僕は事後にシャワーを浴びる必要がない。
いや、身体中の汚れを彼女が吸着したのか今まさにそんな爽快感に包まれている。
「ところで、静次さん？」
瑞恵は本棚から１冊の本を取りだした。それは痛車の専門誌。
そういえば１週間後イベントに行くと言ってあったのだが、その内容を聞いて食いついてきたんだっけ。しかもおあつらえ向きに、コスプレOKときてる。
「まさか・・・行きたいのか？」
「えぇ、静次さんには私がいるって見せつけちゃいます！」
「おいおい、趣味に理解を示してくれるのは嬉しいけどあんまりやりすぎないでくれよ。リア充爆発しろって言われちまう。」
「妖の者でよければ、ぴったりな相手を紹介できますから大丈夫ですよ。そこのあたりは、私に任せてください。」
この分だと、新たな人と妖怪とのカップルが誕生するのは時間の問題のようだ。
そして僕は・・・もう、瑞恵からは逃げられない。
彼女の変幻自在な身体、献身的な態度とその笑顔、優しさに僕は心身とも支配された。
「静次さん、あなたは私が選んだ旦那様です。もっとそれを誇りに思ってください。妖の夫選びは思った以上にシビアなモノなんですから・・・。」
一生面倒を見ると誓った彼女のご奉仕は、まだまだ始まったばかりである。
それは雨の日の夜だった。
ハチロクかAW11が活躍するあの漫画じゃあるまいし、冷静に考えればヘビーウェットの峠道だと言うのにオーバースピードだった。
コーナリング中に対向車の水しぶきで思わずブレーキを踏んでしまった。ABSなんてものはまだメーカーオプションの贅沢品だった時代のクルマだったので、いとも簡単にタイヤはロックした。そのあとはただただ滑った。本当に、運良くどこにも当たらず、路肩の待避所で止まれたのは不幸中の幸いとしか言いようがない。何せ、タダでさえ古い上にエコカー補助金にトドメを刺され現存数はかなり少なくなってしまっているのだから。
正直、すぐに出す気にはなれなかった。
恐怖がまだ抜けない。
こういう時の無理は禁物、急ぎの用もないので落ち着くまでじっとしていよう。
すると、窓の外に人影が見えた。
黒髪ロングの和服女性のようだが、暗いのでよくはわからない。
こんな時間にこんなところにいる理由の見当が付かず、僕はとまどった。
この峠に走り屋が出るなんて話は聞いたことがないので、ギャラリーという線はあり得ない。
いや、仮にそうだったとしてもこんな雨の中で雨具なしだなんてどうかしている。
そもそも、そういうことをするような奴には見えない。じゃ何でこんなところに？
すると彼女は僕の横まで来て、軽く会釈をする。僕もつられて返してしまう。
このとき、僕は知らなかった。この会釈が、とんでもない意味を持つことを・・・！
･･････････････････････････････････････････････････････････････
なんとか気分が落ち着いたのでまた走り出し、家に着いた。
そして扉を開けるとその向こうで・・・驚きの光景が待っていたのだ。
「お帰りなさい、静次(しずつぐ)さん。」
僕はきょとんとして立ちつくした。
さっき峠で見かけたあの女が、三つ指ついてお出迎えしてくれたのだ。
いったいどうして僕の部屋を知り、そして部屋に入ったのだろう。
鍵はきっちりかけたはずだ。事実、キーを回すとロックが解除されたあの音と感触があった。
それに彼女はとても清楚な感じがして・・・とてもピッキングなんてできるような奴には見えない。
じゃあ、目の前にいるこいつはなんなんだ。
しかも全身が濡れたまんまだ。こんな事するくらいならタオルの１枚や２枚引っ張り出してもおかしくない。しかしそんな形跡はどこにもない。
「あぁ、さっきのショックがまだ残ってるのかな。」
そう思わずにはやってられなかった。
だが、ひとたび部屋に入ってそのわずかな希望も失われた。
明らかに部屋がきれいになっているのだ。
正直、整理の下手な僕の部屋にはそこら中に絵の資料やらカタログやらDVDやらが散乱していたはずだ。
しかし、それらがすべてきれいに片づいている。しかも何一つとして捨てた形跡がない。
リューターやはんだごては使いやすいようにフックに掛けられ、昔から大量に使っていてその数の多さからペアどころかブランドすら揃えられていなかったNi-MHバッテリーはかまぼこ板に穴をあけたホルダーに挿されて整然とペアで並んでいる。現在まさに進行中の｢自炊｣作業に不可欠なScanSnap、いつも観たい番組を録り溜めるBDレコーダーにTV・・・それらの位置関係も使いやすいように計算されて並び替えられていた。自分一人ではこんな事できないだろう。
正直、完璧すぎて言葉が出ない。
他の部屋はどうだと台所を見ると食器だらけの流し台もきれいに片づき、しかもステンレスの輝きがあまりにも眩しすぎる。風呂も、よく見ると今通った廊下も・・・全部隙なしだ。
･･････････････････････････････････････････････････････････････
「・・・君はいったい、何者なんだい？」
鍵のかかった家に侵入し、あの短時間でここまで完璧に部屋を仕上げ、余裕を持って僕を出迎えた。こんな疑問を抱くのも、当然といえよう。
ちなみに黒髪ロングの清楚な雰囲気に加えて濡れて透けた服から見える肌、きゅっと締められた褌、たゆんたゆんと揺れる乳やぷりっぷりの尻に目が奪われたのは内緒だ。(もっとも、僕はポーカーフェイスは苦手なのでバレているかもしれないが。)
「私ですか？私は瑞恵(みずえ)、ぬれおなごという妖怪ですよ。」
あり得ないことをさらっと言う彼女。
しかし、これはまだ軽いジャブだった。次の発言があまりに衝撃的だったのだ。
「私たちは、微笑み返してくれた人を自分の旦那様にするんです。あ、そうそう。私の身体は変幻自在ですから、いくら鍵を掛けようが逃げ出そうが、どこまでも追いかけますよ。」
正直、めまいがした。いきなり妻帯者になると言うのだから。しかも拒否権はない。
そして瑞恵は、僕の顔を両手でとらえ・・・口づけをしてきた。
何かが口に入ってきた。これは・・・何だ!?
「ふふ、今静次さんに飲み込んでいただいたのは私のかけらです。あぁ、吐き出そうと思っても無駄ですよ。もう既に吸収され、身体中に散らばりました。この紋章が、その証です。」
よく見てみると、左腕にうっすらと青い模様が見える。しかし注意してみなければ気づかない、気づいてもアザか何かとしか思われない程度の模様だ。
「そして・・・私、瑞恵は静次さんのモノになることを改めてここに宣言します。そして断言します。静次さんはやはり、私と一つになるべきです。薄々思っていましたが、かけらを飲み込ませた時に確信しました。静次さんには、妖の力が必要です。私の力、使ってください。」
真顔で迫る瑞恵。外見からは想像できないその芯の強さに、ただ圧倒された。
･･････････････････････････････････････････････････････････････
「・・・言っておきますけど、私は美人局じゃありませんからね。むしろ静次さんを護るべき立場です。お金もモノも、静次さんが考えるような食事もいりません。ただ静次さんが私を側に置き、そして・・・」
そのあとに何がくるのか、想像できなかった。
「これまで無駄に吐き出していた精液を、好きな時に私の中に注いで頂ければ十分です。」
何という犯してもいいのよ宣言！！
戸惑わずにはいられなかった。
いくら妖怪といえど、こんな和服美人が僕と結婚したい、Hしたいだって！？
そんなのあり得ない。いや、あってはならないのだ。
「ほら、好きにしていいんですよ。いえ、好きに私を犯してください。」
そういうと瑞恵はぺたんと座り込み、両手を差し出し、足を広げた。
「僕が字義通りにしか受け取れない奴だって、わかってて言ってる？」
彼女はあの時のような優しげな微笑みで、しれっと凄いことを言う。
「えぇ、どのようなプレイでもお好きなように。さすがに猟奇プレイは勘弁願いますけど。」
そこから僕は暴走した。
瑞恵を押し倒し、彼女の褌をずらし、痛いほどに膨れあがった僕のモノを・・・彼女に突き立てた。
「そのままです。そのまま、ゆっくり腰を沈めてください・・・」
もしかしたら瑞恵には僕が童貞だと言うこともお見通しなのかもしれない。
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僕のモノは、ある程度まではすんなりと挿入できた。
だがそこから先はやたらとキツい。
「ようこそ、私の中へ。もっと体重を掛けてください。ここからが本番ですよ。」
そういわれてさらに腰を沈めると、亀頭がぱっくりと飲み込まれた。
しかし、長さの関係でこれ以上は突き進めない。
しかも彼女の足は僕の腰をしっかりととらえて放さない。
「他の妖には、まして人間なんかでは絶対に味わえない快楽で歓迎いたします。」
いったいこの状況でどうするというのか。
すると、僕のモノが扱かれ始めた。
しかし、彼女の身体は動いていない。
「どうです？私の身体は変幻自在、だからこんな事もできるんですよ。」
なんと、ま○こだけが動いて僕のモノを扱いていると言うのだ。
しかも、さっきとは形が違う。そうか、変幻自在な身体を活かしたんだ。最初は挿入しやすい形状にして、一度挿入ったら男をイかせるのに適した形に変えてイかせる・・・ということだ。
「あっ・・・ああっ・・・」
平然とした彼女に対し、僕はと言うとその快楽に負け情けない声を出していた。
平然ついでに瑞恵は上半身も両腕でホールドしてきた。僕の顔はその柔らかい谷間に押しつけられる。
「あぁ・・・気持ちいい・・・こんなに献身的なのに、どうして妖怪ってだけで拒んだんだろう・・・」
僕の頭の中は、瑞恵に甘えまくりの生活のことでいっぱいだった。
「ふふ・・・見えますよ・・・いいんです、たっぷり甘えてください。私はずっと、静次さんといます・・・。」
瑞恵はもう、僕を放すつもりなどない。いや、最初からなかったのだ。
そしてひとたび降参すると、彼女の与える快楽は一段とおいしいものになってくる。
僕は気が付くと腰を振り、激しく射精を求めた。
それに気がつぃたのか瑞恵は扱くのをやめ、身体のホールドも緩めた。
「瑞恵っ、イくっ！」
僕は瑞恵の脚と腰を抱え、快楽の赴くまま奥深くに射精する。
中に溜まっていたものが、勢いよく瑞恵の中に放出された。
これまで何度もヌいてきたが、ここまで気持ちいいのは初めてだ。
そしてすべて出し終わると、けだるさだけが残り・・・そのまま倒れ込んで眠ってしまった。
「静次さん、大好きです。あなたにとって最高のメス、最高の妻となれるよう尽くさせて頂きます、愛しの旦那様・・・」
･･････････････････････････････････････････････････････････････
数日後。
その甘さと甲斐甲斐しさ、そして快楽に僕の心は溶かされ「瑞恵依存症」にされてしまった。
だけどこれではいけない。僕の想いをはっきり言おう。
「瑞恵、僕は君に凄く感謝している。君は昼も夜も最高だ。だけど、それが故に自分がダメになるのではないかと、自分一人では何もできなくなるのではないかと怖いのもまた事実なんだ。だから、傷の浅い今のうちに・・・僕のために別れてくれないか。何もできなくて、貰ってばっかりなのに・・・ごめん。」
・・・
「私は・・・」
・・・
「その話、きっぱりとお断りします。」
さっきまでの彼女からは考えられない、力強い口調と他を圧倒する表情で僕にNOを突きつけた。
「私に依存するのは、全く問題ありません。ですが、もし私がいなくなれば静次さんは・・・最悪、命を落とすことになります。細かい説明は必要なら後ほどいたしますが・・・私は、『旦那様』とは絶対に別れません！私に依存することを、怖がらないでください！」
そして、元の顔と口調で続ける。
「それに、私も静次さん依存症ですから。」
あぁ、もうお互い様という訳か・・・。
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・・・それからさらに数日後。
「静次さん、起きてください。朝ですよー。」
僕の瑞恵依存症はますます酷くなっている。
「ごめんよ。やっぱり依存症は半端ないことになってるな。」
「いえ、依存してくれて嬉しいくらいですから気にしないでください・・・あら、ずいぶんと凄いことになってますね。」
瑞恵の目線の先には・・・絵に描いたような朝勃ちをしている僕のナニがあった。
「着替える前に、一発ヌいて鎮めちゃいますね。」
そういうと、瑞恵は僕の腰にまたがり・・・一気に騎乗位で挿入した。
その清楚な雰囲気とは裏腹に、瑞恵の身体は熟成されて肉感的。おまけにテクニシャンだ。
今回は派手に腰を振っているので、そのたわわに実った胸がたぷたぷと揺れて僕を興奮させる。結局、そのおかげで余計に勃たせてしまい１発だけの予定が３発もヌいてしまった。
「嬉しいです、こんな妖の身体で興奮していただけるんですから。嬉しくて、私もちょっと本気出しちゃいました。」
「瑞恵本来の魅力の前には、人か妖怪かなんて些末な問題さ。」
それが、今の僕の本音だった。
１ヶ月が経った頃、僕は瑞恵のある変化に気づく。
「あれ、何で濡れてないの？」
そう、見ただけではもう普通の人間と何ら変わりなくなっていたのだ。
「ふふ、ある程度まで人間と親密になるとこういう事もできるようになるんですよ。もちろん、濡れ濡れのままがよければそれもできますけど。」
そうか、それじゃ近いうちに瑞恵とお出かけするかな・・・。
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さて、僕は絵も趣味にしていた。所詮は萌え絵と言われるものだが、元来お姉さん系の人外種がメインだったこともあって今でも
「瑞恵にこんな格好させたらエロいだろうなぁ〜燃え上がっちゃうだろうなぁ〜」
と言う妄想で筆を走らせている。
しかし、いくらそういうことでもバレると一抹の恥ずかしさがあるわけで・・・
「静次さん、どうです？あなたのお部屋にあったのを再現してみたんですけど。」
・・・そうか、変幻自在の瑞恵にとってコスプレなんて造作もない事という訳か。
和服のデザインでありながら過剰なまでの光沢で立体感を強調し、また乳首の隆起もすぐにわかりその身体の豊満さをこれでもかと演出する上半身。
下半身はかっちり着込んでいるかのように見えて、実は股間はぎりぎり隠れているか否かというかなり過激なデザインにしてしまった。まさかバレて、しかも実際に着て(?)くれるなんて思ってもみなかったからだ。
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「瑞恵ええええええっ！ヤバいよ、エロすぎるよっ！頼む、今すぐヤらせてくれっ！」
思わず僕は瑞恵を押し倒した。
「静次さんっ・・・嬉しいです！何発でも、何十発でも満足するまで、弾切れになるまで犯してくださいっ！」
まずは正常位。
押し倒したまま、ま○こがぎりぎり隠れる程度の極小ぱんつをずらし挿入。
変幻自在の瑞恵のま○こに慣れることは全くなく、今回も瞬殺されてしまった。
その後へたり込んだがまだ満足していないことを伝え、今度はバック。
たぷんたぷんと揺れるおっぱいと張りのある尻を目で味わいながら、奥深くに種付け。
３回目は騎乗位・・・と思ったが、やめようと思った。
これじゃ僕は、瑞恵を都合のいい肉便器にしているだけだと思ったからなのだが・・・
「・・・私の意志を尊重したいなら、やめないでください。」
釘を刺されてしまった。
「・・・瑞恵、騎乗位で全身ローションぬるぬるプレイってできるかな。」
瑞恵は待ってましたとばかりの満面の笑みを浮かべ、こういった。
「えぇ、喜んで。理性は捨てて、私の前では獣になってくださいね。」
「そのまま、その言葉を返すよ。僕も、エロく乱れた瑞恵を見てみたいんだ。」
「もう、静次さんったら・・・。」
そして、顔を赤らめた瑞恵は腰を動かし始めた。
「あぁ、いいっ！静次さんのお○ん○ん！もっと欲しいのぉっ！いいのぉっ！」
「うわ、瑞恵・・・いきなり、激し・・・」
「だってえっ、乱れていいって言ったのが、乱れた私を見てカタくなってるのが、嬉しいのっ！」
「だ、だけどそんな速くされたら、僕・・・」
すると、瑞恵は僕の、そして彼女自身の強制絶頂スイッチを押すが如く腰を深く沈めた。
「出してぇっ！妖の精液便所にいっぱい白いの出してええええっ！！」
・・・
僕たちは、二人同時に果ててしまった。
「はぁ、はああっ・・・」
強烈な快楽から目はうつろになり、僕の身体は激しく酸素を求めた。
瑞恵もよかったのか、倒れ込んだあと僕にがっしりと掴まっている。
「静次さん・・・私を幸せにするのに、特別なものは要りません。あなたがいて、あなたのお世話ができて、あなたと毎晩できるだけで、私は十分なんです。ですから、どうか私から離れないでくださいね・・・。」
さらに意識が薄れる僕の耳に、こんな言葉も入ってきた。
「･･･自慰行為なんて、絶対に許しません。あなたが射精していいのは、私の中だけです・・・ヌきたくなったら、遠慮せず私のお○んこを精液便所にしてください・・・」
あぁ、それじゃお言葉に甘えて使わせてもらうよ・・・
僕は無意識にそう言い、そしてそのまま眠った・・・。
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数時間後。
僕たちは目を覚ました。
する時に残った精液、愛液、その他諸々は瑞恵のお○んこが尿道の中の残渣さえ一滴残さず回収するので僕は事後にシャワーを浴びる必要がない。
いや、身体中の汚れを彼女が吸着したのか今まさにそんな爽快感に包まれている。
「ところで、静次さん？」
瑞恵は本棚から１冊の本を取りだした。それは痛車の専門誌。
そういえば１週間後イベントに行くと言ってあったのだが、その内容を聞いて食いついてきたんだっけ。しかもおあつらえ向きに、コスプレOKときてる。
「まさか・・・行きたいのか？」
「えぇ、静次さんには私がいるって見せつけちゃいます！」
「おいおい、趣味に理解を示してくれるのは嬉しいけどあんまりやりすぎないでくれよ。リア充爆発しろって言われちまう。」
「妖の者でよければ、ぴったりな相手を紹介できますから大丈夫ですよ。そこのあたりは、私に任せてください。」
この分だと、新たな人と妖怪とのカップルが誕生するのは時間の問題のようだ。
そして僕は・・・もう、瑞恵からは逃げられない。
彼女の変幻自在な身体、献身的な態度とその笑顔、優しさに僕は心身とも支配された。
「静次さん、あなたは私が選んだ旦那様です。もっとそれを誇りに思ってください。妖の夫選びは思った以上にシビアなモノなんですから・・・。」
一生面倒を見ると誓った彼女のご奉仕は、まだまだ始まったばかりである。
11/11/26 15:12更新 / ぜろトラ！