読切小説
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魔獣ハーレムの主
 あたしの夫には呆れるよ。あたしを含めて四人も妻がいるんだ。別に夫は、王様でも貴族でもない。ただの猟師だ。しかも、あたしの様な魔物から見れば弱い人間なのだから呆れる。まあ、これで精力があれば我慢してやるが、すぐにへたばってしまう。たいした甲斐性無しだよ。
 ベルンハルトは、あたしだけを相手していればいいんだ。ああ、ベルンハルトっていうのはあたしの夫の名前さ。ベルンハルトの奴は、他に妻を持たなけりゃいいんだ。どうせ全員を相手にするだけの力は、あいつには無いんだからさ。
 あたしは、あいつと共に仕事が出来るんだ。あいつは猟師、あたしは獅子だ。共に獲物を狩るのが仕事さ。あいつが五人が食えるだけ稼げるのも、あたしのおかげだよ。他のやつらは無駄飯喰らいなのさ。
 あたしとベルンハルトは、共に獲物の痕跡を探す。道を踏み分け、風の向きを探り、獲物を追跡する。あいつには出来ないが、あたしは匂いをかぎ分けることが出来る。そしてあたしは牙と爪で、ベルンハルトは矢で獲物をしとめる。あたしたちは、良い相棒なのさ。
 あたしは獣だけれど、ベルンハルトの奴を満足させることだって出来るのさ。あんたのようなサキュバスとは違うけれど、獣には獣なりのやり方があるのさ。
 あいつは獣毛が好きなんだよ。あたしの獅子の毛が好きなのさ。見ての通り、あたしの足には獅子の毛がたっぷりと生えているのでね。つまり、足であいつのチンポをしごいてやるんだよ。あいつはヒィヒィ言いながら、あたしの足に精液をぶちまけるのさ。そうさ、あいつは足でしごかれていっちまう変態なんだよ。
 しかも腋が好きな変態なんだよ。あたしとやっている時は、あいつは必死になってあたしの腋を舐めやがる。味と匂いが好きなんだとさ。試しに腋でチンポをしごいてやったら、よだれを垂らしながら精液をぶちまけやがった。それ以来、毎日腋でしごいてやっているよ。おかげであたしの腋は、汗をかくと精液の臭いがしやがる。臭いのおかげで濡れてしまうよ。
 なあ、あんたみたいなサキュバスは、足や腋でしごいてやるのか?こんなことは、普通はやらねえだろ。
 へえ、あんたもやるのかよ。やっぱりサキュバスは、いろんなエロいことをするんだな。なあ、あとで男を楽しませるやり方を教えてくれよ。
 まあ、あたしは夫を楽しませていると言いたいのさ。あたしと会う前のあいつは、平凡なつまらない生活をしていたんだ。平凡なのは悪くは無いかもしれないが、つまらない生活はいけねえや。あたしは、ベルンハルトに刺激を与えてやったのさ。刺激的な猟に、刺激的な交わり。あたしは、あいつの生活を楽しくしてやったんだ。
 まあ、他の連中もそれなりにベルンハルトを楽しませているようだけれどよ。だけど、あいつを一番楽しませているのはあたしさ。


 我の夫には呆れる。我を含めて四人も妻がいるのだ。人間であるにもかかわらず、魔物を四人も妻にしようというのが間違っているのだ。夫は我をないがしろにするつもりか。我だけを妻にすれば良い。竜である我一人で十分なはずだ。
 わが夫ベルンハルトは、人間の身で何を思い上がっているのだ。脆弱な身で、四人の魔物を相手に出来ると思っているのか。大人しく、竜である我の庇護下にあれば良いのだ。
 我は、領主の臣下からベルンハルトを守っている。領主の臣下どもは、わが夫の命を狙っているのだ。夫は猟師であり、獣を狩ることは出来る。だが、人間を狩る事は出来ぬ。他の者では、わが夫を守る事は無理だ。獅子は自分の力で守る事が出来ると思っているらしいが、身の程知らずの妄想にすぎぬ。獣の身では、人に狩られるだけだ。我が夫を守るしかないのだ。
 領主の臣下どもが何十人、何百人と押しかけくる。手に剣や槍、弓を持って、わが夫とその同志を抹殺しようとする。我は、連中に炎を浴びせて散らすのだ。連中の放つ矢など、我が翼の羽ばたきで跳ね除ける事が出来るのだ。
 それに我は、夫を満足させる事も出来る。そなたのようなサキュバスの性技は身に付けておらぬが、竜には竜のやり方がある。何よりも夫の事を誰よりも知っているのだ。
 我にはこの左腕がある。竜としてのたくましさを持ったこの腕で抱きしめ、わが体とベルンハルトの体を強く合わせるのだ。お互いの心の臓の鼓動を感じ、生の高ぶりを分かり合うのだ。
 それに我は、夫の嗜好を知っている。夫は、這いつくばる女が好きな変態だ。女を後ろから責めると狂ったように興奮するのだ。そなたのようなサキュバスは、そのような男の事は良く知っているだろう。我は誰にも這いつくばるつもりは無いが、ベルンハルトの前では這いつくばってやるのだ。
 わが夫は、我の尻を嬲る事が好きな変態だ。我の尻を男根で嬲り、女陰のみならず尻の穴まで貪る有様だ。夫は、我の尻の穴に男根を埋め込み、吠えながら我を責める。我も吠えながら迎えてやるのだ。
 なんだと、そなたも夫の男根を尻で愛するのか。そうか、やはりサキュバスはそのくらいの事はやるのだな。
 それはそれとして、我が言いたいのは、我は夫にとって欠かせない存在だという事だ。この辺りの土地は、領主の収奪が激しい。夫はそれに怒り、反逆し、領主の臣下の者を矢で射殺したのだ。それ以来、領主の臣下の者達は、わが夫ベルンハルトを殺そうと躍起になっているのだ。
 我は、竜として力のある存在だ。たとえ相手が多勢であっても、人間如きに倒される我では無い。他の者ではそうはいかぬ。獅子や他の妻も、それなりに力はある。だが、人間の軍勢相手に戦えるほど力は無い。竜である我だから、夫を守る事が出来るのだ。


 わしの夫には、わし以外に三人の妻がいる。それも仕方がない事だ。わしらはキマイラだからな。
 お主も知っておる通り、わしらキマイラは複数の魔獣が合わさった魔物だ。そして複数の人格を持っている。そして、一つの人格が愛した男は、別の人格も愛するようになるのだ。必然的に一人の男を複数の女が愛する形となる。ならば、わしの夫に他の妻がいる事は仕方が無い事だ。
 ただ、夫であるベルンハルトには、もっと山羊であるわしの面倒を見て欲しいのだ。四人の中で、最もベルンハルトの将来を考えて行動しているのは、わしだ。この地域を猟師や農民達による自治領にする計画を立て、実行したのはわしだ。そうする事がベルンハルトのためになると考えたからな。
 お主も知っての通り、この地域は領主の収奪が激しかった。ベルンハルトの様な反逆者は殺される事が多かったのだ。それを覆すために反乱を起こす必要があったのだ。わしは、ベルンハルト達を扇動して、この地に反乱を起こし、自治領を築きあげたのだ。
 わしは、仕事以外でもベルンハルトの役に立っておる。わしは、性の歓楽をたっぷりと与えてやっている。歓楽を与えるだけでは無く、慰撫しておるのだ。
 わしには山羊の右腕がある。わしは、この白い獣毛に覆われた手で奴を愛撫するのだ。わしが愛撫すると、あの大の男が子供のようにわしに甘えてくる。子犬の様にうっとりとした顔をして目をつぶるのだ。
 そして、あやつはわしの胸が好きなのだ。わしの胸に飛びついて顔を埋め、舐め回したり吸ったりするのだ。あやつのペニスをわしが胸で挟んで揉んでやると、陶然とした顔をして喘ぎ声を上げる。そして濃い精液を噴水の様に噴き上げるのだ。わしは、繰り返し胸で揉んでやり、乳首をこすり付けてやった。そして精を噴出させた。おかげでわしの胸と顔は、精の臭いが染みついてしまったよ。
 お主も立派な胸を持っておるのう。やはりその胸で夫を愛してやるのか?
 ほう、毎日のようにしているのか。そなたの夫は、さぞかし喜んでいるだろうな。サキュバスの夫は悦楽の限りを尽くす事が出来るというが、本当の事なのだろうな。
 ただ、わしの場合は、悦楽を与える以外にもやらねばならぬ事がある。領主の収奪から逃れるためには、第一に領主の勢力を追い払う事、第二に自治領を運営する事だ。領主の臣下の者達を追い払う事は、竜が上手くやっている。だが、敵を追い払えばそれで良い、という訳では無いのだよ。
 わしらが生活するための自治領を運営せねばならぬ訳だ。領主がやっていた事を、わしらが代わりにやるのさ。わしにはいくらか知識があってな、それが運営に役立つということだ。食料を手に入れ、金を手に入れるための方法を、わしはベルンハルト達に教えて来たのだよ。政治の基礎も教え込んでやったのだ。夫が生きていく事が出来る場所を、わしは造っているのだよ。


 私は、時々気が沈むわ。ベルンハルトを私だけのものにすることが出来ないのだから。私はキマイラなのだから仕方が無い。それは分かっているわ。でも、気が沈むことはどうにもならない。
 私は蛇よ。他の者と男を共有するなんて出来ないのよ。その私が、キマイラとして生まれたために男を共有しなくてはならない。不愉快な現実よ。その現実も受け入れなくてはならないのね。
 だけど、夫を、ベルンハルトを最も愛しているのは私よ。私は、ベルンハルトのために尽くしてきた。公私ともに尽くしてきた。ベルンハルトも、私を最も愛するべきなのよ。私は、ベルンハルトを拘束したい。二人だけの世界に浸りたい。
 それが無理なことは分かっているわ。だから私は現実的な対応をしているのよ。ベルンハルトは、この自治領の中心人物よ。私は、その妻としてふさわしい姿を演じている。状況を見て立場を考えて、効果を計算しながら演じている。私は役者であり、同時にベルンハルトの演出家よ。そうすることを自分の責務としているわ。
 そして私は、彼の私生活を支えているわ。重責に苦しんでいる彼に悦楽を与えているの。私は、性奴隷のように彼に奉仕しているわ。
 私は、彼の前にひざまずくの。彼のペニスを口と舌で清め、快楽を与えるの。くびれに舌を這わせて、汚れをこそぎ取っているのよ。清めるのはペニスだけではないわ。彼の足も清めているのよ。指を、一本一本口に含んで舐めているの。
 私は、彼のお尻の穴も舐めてあげているのよ。「汚いからやめろ」と彼は言うけれど、彼の体だったらどんなに汚い所でも舐めることが出来るわ。お尻の溝に鼻を埋めて、窄まりに繰り返し口付けをするの。窄まりに生えている毛を舌でかき分け、皺を一本一本舐めていくの。そうして奥へと舌を潜り込ませて、中をたっぷりと舐めてあげるのよ。
 どう、こんなことはあなたたちサキュバスでもしないでしょ。
 えっ、あなたも夫にやってあげているの。毎日、お尻の穴を舐めてあげている…。そう……。
 でも私は、夫に悦楽を与えているだけではないわ。夫が活動しやすいように、私は政治的にふるまっているの。彼は、この自治領を率いて行かなくてはならないわ。領主は、自治領を滅ぼしてベルンハルトを殺そうとしている。ベルンハルトには戦う事が義務付けられているの。私は、彼と共に戦わなくてはならないの。人を率いる者を支えなくてはならないのよ。
 私は、ベルンハルト共に考え、行動し、人々を導いていくの。彼の背負う重責を共に背負い、彼を支えるの。戦いの間にわずかにある私生活で、疲れている彼を抱きしめて慰撫するのよ。他の妻達も、ベルンハルトを公私共に支えているわ。でも、私ほど彼を支えている者はいないわ。


 やれやれ、妻たちと付き合っていると疲れるよ。夫として妻に尽くすことを、四人とも毎日のように要求しやがる。どいつも要求が激しいからな。妻がキマイラだと楽じゃねえよ。
 俺は、もちろんイリスを愛しているさ。あれほど尽くしてくれる妻は、めったにいないさ。ただ、疲れるんだよ。一つの体に四人いる訳で、その四人が代わる代わる俺に要求してくるんだ。特に、あっちの要求が激しいんだよ。
 おっと、妻以外の女にエロ話はご法度だったな。だが、まあ勘弁してくれ。
 まあ、こうして妻たちの愚痴を言っているが、あいつらが嫌な訳では無いさ。これでも妻たちには感謝しているのさ。あいつらのおかげで、俺は生きていられるのだからな。
 俺が領主の犬を殺して、領主から狙われるようになったことは知っているだろ。領主とその犬どもは、俺を切り刻んで嬲り殺しにしたいのさ。俺は、領内をネズミのように隠れ潜みながら生きて来たのさ。それもでも結局は領主の犬どもに見つかってね、殺される寸前だったよ。
 そうしたらイリスが現れたんだよ。あの黒い翼を広げて空から降り立ったんだ。そして、炎を吐いて領主の犬どもを追っ払ったんだ。すごいもんだぜ、人間女の口と、竜の口、山羊の口、そして蛇の口の四つから炎を吐くんだよ。俺は、危うく腰を抜かす所だったよ。
 俺は、初めはあいつらに殺されるかと思ったね。ここは反魔物国だ。魔物は残虐だと言われているし、あいつらはずいぶんと迫力のある姿だからな。だが、あいつらは俺を殺さなかった。俺に付きまとって、俺を助けるんだ。俺は、何であいつらがそんなことをするのか分からなかったね。
 まあ、そのあと色々あって、俺とあいつらは夫婦になった訳だ。そして、今では一緒にこの自治領を動かしているのさ。あいつらは、俺にとっても自治領にとっても、無くてはならない存在だよ。この自治領は、あいつらが造ったようなものだ。俺たち猟師や農民は領主に迫害されていたが、まとまりが無くて領主に対抗できなかった。イリスは、知恵と力と行動で俺達をまとめ上げたのさ。
 それにあいつらは、あっちの方でもいい女なんだよ。悪いけれどエロ話をさせてもらうよ。あいつらについて話そうとしたら、エロを除くことは出来ないのさ。
 何だって、どんどんエロ話をしろだと。さすがサキュバスは話が分かる。じゃあ、遠慮なくやらせてもらうさ。
 俺とイリスは、毎日やりまくっているのさ。さすがに仕事があるから一日中という訳では無いが、暇があればやっているんだよ。あいつらは淫乱キマイラだし、俺はあいつらのおかげでインキュバスになった。やりまくることが出来る身体なんだよ。
 あいつらの体には、いくつか弱い所があるんでね。俺は、そこを責めてやるのさ。獅子の奴は耳が弱いのさ。あいつのマンコに突っ込みながら耳を舐めてやると、あいつは俺のものを締め付けるんだ。耳たぶを軽く噛みながら耳の奥に舌を這わせると、獅子の奴はよだれを垂らしながらもだえるんだよ。
 竜の弱い所は、左腕についている竜の頭さ。竜の頬を手で包み、口付けすると、あいつは低くうなるのさ。あいつとやりながら口付けをすると、あいつは震えながら俺のチンポを締め付けるんだよ。あいつは素直じゃないが、マンコは正直なんだよ。
 山羊の弱い所は、右腕についている山羊の頭さ。頭やのどを撫でながら頬ずりをすると、目を細めて頬をすり寄せてくるのさ。山羊の頭に頬ずりをしながらマンコを突くと、あいつのマンコからは愛液が泉のように湧いてくるんだよ。
 蛇の奴は、もう傑作なんだ。あいつの尻には、蛇の頭が尻尾になってくっついているだろ。そこから尻の穴を責めてやると、ヒィヒィ言って喜ぶのさ。あいつの後ろにしゃがみこんで、蛇の頭に口付けて頬ずりをしてやる。そして蛇の首から胴へ舌を這わせていく。そうしてあいつの尻までたどり着いたら、あいつの尻の穴に口付けてやるんだ。そうして皺を舐めていき、穴の中を舌で解してやると泣いて喜ぶんだ。
 あんたにも旦那がいるんだろ。旦那はこんなことはしてくれるのかい?
 えっ、その程度のことはしているって。…へぇ、あんたたちも尻の穴を舐め合っているのか。そうか、お互いの体の隅々まで舐め合い、口付け合ったのか。へぇ…。
 まあ、俺と妻たちはエロを楽しみ合っているが、それだけでは無いのさ。俺は、この自治領を動かす一人として働いて行かなくてはならねえ。そのためにはイリスの力が必要なんだ。あいつらの働きはたいしたもんだよ。
 領主の犬を追い払うには、あいつらの力が必要だ。この自治領を収めるには、あいつらの知識がものを言うんだ。俺が指導者の一人としてふるまえるのは、あいつらの手助けが無くてはならねえ。そして、俺の本業である猟師の仕事も、あいつらの腕前が頼りになるんだ。
 俺は、妻たちと暮らしていくためにも、この自治領を守るつもりさ。俺は、指導者向きかどうかは分からねえ。だが、この自治領と状況が俺を必要としているのならば、俺は全力を尽くすつもりだ。それが俺と妻たちのためにもなるからな。
 俺たちには、あんたたち魔王軍の力が必要なんだ。俺たちは、あんたたちと手を組みたい。あんたたちは、この国を親魔物国にするために工作したいんだろ。俺たちがそれを手助けするよ。どうやらこの国は、魔物を受け入れた方がいいみたいだからな。領主にいじめられているうちに、そのことが分かったよ。
 じゃあ、手を組むための段取りを組んでくれる訳だな。ありがてえ、よろしく頼むよ。俺たちも、出来る限りのことはするからさ。
 …悪いけれど、話の続きは明日にしてくれないかな。どうやらイリスが近づいているらしい。俺は、ちょっと休みたいんだよ。あいつらは最近激しすぎてね。体が持ちそうに無いんだ。そんな訳で逃げさせてもらうよ。
 さて、退散、退散。
16/04/07 21:58更新 / 鬼畜軍曹

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