前編
「お父さんなぁ、会社の借金肩代わりすることになっちゃったんだ…」
学校から帰ってくると、仕事で殆ど家にいない筈の父親がリビングにいて…俺を見るなりそんなことを言い出した
「は?」
俺、渋川コウジはあまりに急なことに思わず戸惑いの声を上げてしまう
「え、親父…会社の借金って…」
「いやぁ、父さんの会社な…色々と借金を抱えていたみたいで、社長が逃げ出して父さんが肩代わりすることになっちゃったんだよね…」
「社長が逃げ出して…って、なんで親父がその借金肩代わりすることになるんだよ!おかしいだろ!」
聞く話によると、親父は会社ではそれなりの地位にいるらしく…部下も沢山いてその部下たちを路頭に迷わせない為に消えた社長の後始末を請け負ったらしい
まったく親父ったら仕事の事とか全然話さないんだから…親子のコミュニケーションが取れてないなんて昔亡くなった母さんが見たら悲しむぞ
「…ちなみに、借金って如何程…?」
「…これくらい」
そういうと親父は人差し指をピンと立てた
「…い、一千万とか?」
「…ちがう」
「まさか、億単位の話!?」
俺が驚愕の声を上げると、親父は肩をすぼめてうなづいた…億単位の借金をただの一家庭で払えると思っているのだろうか
「そんな…じゃあうちはどうなんだよ!会社は助けるけど家族は助けないつもりかよ親父!」
「そ、それに関しては大丈夫だぞコウジ!お前についてはちゃんと話をつけてあるから!」
「そ、そうなの?流石親父だぜ!」
「あぁ!お前と引き換えに借金を肩代わりしてくれるという方がいてな!お前はこれからその方の下で暮らすんだ!」
「ファーーーーッ!?」
そんなことから俺は、億単位の借金の代わりに…ドナドナの如く親父の車でその方の家へと出荷されたのだった。
「なぁコウジ…」
「なんだクソ親父、あぁもう家族じゃありませんでしたねぇ!」
「か、勝手に話を進めたのは謝るから機嫌なおしてくれよ〜!お前にとっても悪い話じゃないと思ったんだよ〜!」
「人を身売りしといてヌケヌケと…学校まで辞めさせられて?見ず知らずの人の家に買われた?いつの時代なんですかねぇ…今何世紀か知ってる?」
「まぁまぁ…相手の家に行ったら今よりもいい暮らしは間違いないだろうし、何より女の子の家だぞ!ほら悪い話じゃないだろう!?」
「殺すぞ!」
「ひぇっ、息子が反抗期…」
反抗期も何も、急にこんなことになったら誰でもキレると思うんですけど…
「お、着いたぞコウジ!」
車を走らせて数時間、山奥の道路を通りやって来たのは…随分と大きな豪邸だった
洋館…と表した方が正しいのだろうか、まるでファンタジーの世界にあるような建物だ
「はぇ〜…すっごい」
「お前はこれから、ここで世話になるんだ!第一印象から良くしていけよ!」
思ったよりもすごい所に来てしまった…まぁたしかに億単位の借金を、俺と引き換えにすんなり肩代わりできるって言ったらこれくらいの金持ちじゃないといけないんだろうなぁ
「どうも〜先日お伺いした渋川です〜、約束通り愚息を連れてまいりました〜!」
親父がそう言いながらドアのベルを鳴らすと、大きな扉が音を立てて開いて…中から出て来たのは…
「あれ…誰もいない?」
ただ扉が勝手に開いただけで誰も見当たらなかった
「馬鹿!下だ下!目線をもうちょっと下げろ!」
「えっ?」
親父に言われて目線を下げるとそこには…
「あらあら〜、いらっしゃい♪待っていましたのよ、話で聞いていたよりずっといい子ねぇ」
外国人の女の子…だろうか、随分と悠長な日本語を話す俺の身長の半分ほどしかない幼い少女だ
ふわりと揺れるきらめく銀髪の髪、吸い込まれるような紅い瞳、子供には不相応なほどの色香を放つこの女の子は…この家に住んでいる人の娘さんか何かだろうか?
「リリィ様、私の愚息のコウジです!さぁもう何なりと下僕のように扱ってやってくださいな!」
「親父!?何もこの家の娘さんにまでそんな卑屈にならなくても…」
「娘さん?何言ってんだコウジ、彼女がこれからお前の世話になるココの主人だぞ」
「えぇっ!?こ、こんな小さな女の子が!?」
「バッ…!お前、リリィ様に向かってなんてことを…今すぐ謝りなさい!土下座してホラホラ!」
「なんで土下座なんかする必要が…」
「まぁまぁ渋川さん、初めて私を見た人はみんなそう言いますからお気になさらないで」
慌てる親父を、リリィ様と呼ばれた彼女が嗜める…この親父の慌て様見るとマジでこの子がこの家の主人みたいだ
「ふふ、初めまして…こーちゃん♪私はリリィって言うの、これからよろしくお願いしますわね♪」
「えっ、あ…うん…よろしく…」
「コウジ!挨拶くらいちゃんと…」
「まぁまぁ渋川さん、大丈夫ですから…渋川さんは早く会社に戻らなくてはいけないのではなかったかしら?せっかく借金も返済できたんですし…」
「おっとそうでした!早く会社に戻らなくては…すいませんリリィ様!コウジのことお願いしますね!」
「はい♪リリィにお任せくださいな♪」
そういって親父は俺の荷物を車から下ろすと早々にエンジンを吹かせこの場からいなくなってしまった
「忙しいやつだな」
「ふふ、なんたって今日から社長ですからね渋川さん。さぁ、外にいても何ですから中でお話ししましょう?」
たしかにそうだ、聞きたいことも山ほどあるし…俺はリリィ…様?ちゃん?に手を引かれて荷物を運びながら洋館の中へと入った
「さぁこちらへどうぞ〜♪」
彼女に連れられてきたのは客室のような部屋だった、ティーポットが飾られているターンテーブルにオシャレな椅子…今まで親父と二人で暮らしていた俺には全く無関係なものばかりだ
「さてさて…一体どこから話したものかしらね」
「うーん、聞きたいことは山ほどあるんだけど…先ずは君について教えてほしいな」
「あらあら〜♪私のことをですの?ふふ、何だか恥ずかしいですわね♪そうねぇ、ただの気まぐれなお金持ち〜…じゃ納得しませんわよね?」
「まぁね、いくら借金払ってくれた相手とはいえ親父の態度がおかし過ぎたし…」
「…私はね、リリム…魔物と呼ばれる生き物なの。ほら、この世界にもある程度来ているでしょう?」
魔物、それは確か人間に似た姿をしたまた別の知的生命体…大体が人間に近い形か、人間と動物を合わせたような姿をしていてみんな女の子らしい
別の世界…魔界からやっていたという彼女たちは、あっという間にこの社会に溶け込み…今じゃ珍しいにしろありえない存在じゃない…っていうのが社会の常識である
「魔物…リリム…?」
「えぇ、魔王の娘達の総称…それが私たちリリムですのよ」
ちなみに魔王っていうのは、魔界の王様?みたいなものでサキュバスとかそういった種類の魔物らしい、授業でそう習った。
「魔王の娘!?だから親父のやつあんなにぺこぺこしてたのか…」
「ふふ、あんなにへりくだらなくたってよろしかったのに…愉快なお人ですのね」
「いやぁ、お恥ずかしい…」
そうか彼女はリリムだったのか、でも魔物って言う割には普通の女の子に見えるんだけど…魔物って言うともっと角とか尻尾とか生えてるイメージだったんだけどなぁ
「あらあら、その目は魔物に見えないって感じですわね?」
「ギクッ!するどい…」
「まぁ無理もありませんわね、あなたから見れば私は小さい女の子しか見えないですものね…でもほら、本当はこうやって角も尻尾も羽もありますのよ?」
そう言うと彼女の身体から黒い角や尻尾や羽がニョキニョキと生えてきた、ちっちゃい悪魔みたいだ
「わぁ…本物」
「人目がある場所じゃ邪魔になるだけですから、普段は隠していますの。もうかれこれ数十年になるかしら…五十から先は覚えていませんわ」
五十から先は覚えていないって…いくつなんだろうか彼女は、魔物だというのだから俺よりずっと年上なんだろうけど
「ですからあなたよりお姉さんですわ♪」
「多分そういうレベルじゃないと思うんですけど…」
「あらあら、じゃあお母さんかしら?ふふっ、ママって呼んでもいいですわよ♪」
にっこりと笑ってそういう彼女にドキッとしたが、見た目が自分より遥かに幼い相手をママと呼ぶのは頭がおかしいだろうと正気に戻る
「ご、ごほん!え、えー…とりあえずリリィ様…?については大体わかったから、次は今回の事について教えてもらいたいな!」
呼び方はリリィ様にしておこう、魔王の娘とか偉い感じの立場みたいだし…
「まぁまぁリリィ様だなんて…別に呼び捨てでも構いませんのよ?」
「えー、それはまた後で考えてからで…とりあえずお願いします」
「簡単な話ですわ、渋川さんの会社の借金を私が代わりに払って…その対価としてあなたを貰っただけの話ですわ♪」
「いやいやその時点でおかしいんだって!そもそもリリィ様と親父はどうやって知り合ったんだよ、初対面じゃそんな話しないでしょ?」
「元々渋川さんの会社に出資していたのが私でしたわ、それで会社のことを聞いて渋川さんとお話をさせていただきましたの。初めは冗談で「若い男の子を一人用意出来たらどうにかしてあげる」って言ったら、渋川さんがこーちゃんを差し出してきたわけですわ♪」
「親父のやつ…冗談を真に受けやがったのか…!」
「まぁまぁ、渋川さんもこのまま一家心中になるなら〜と色々と考えていたみたいですわ」
まぁたしかに億単位の借金なんてなったら、一家心中するくらいしかないだろう…親父も親父なりに考えてくれた最善策らしい
「だけど俺になんの説明もなかったのは許さないから(鋼の意思)」
「そ、それはまぁ…どうにかなった気の緩みもあったのではないでしょうか?私としてはこーちゃんという人を迎えられてとても嬉しいですわ♪」
「リリィ様はなんで俺で了承したんです?自慢じゃないけど、俺にとても億単位の価値は…」
「あら、価値を決めるのは貴方ではなく私ですわよ?少なくとも私は、今貴方に億以上の価値を感じていますわ♪」
褒められているのだろうから悪い気はしないけど、さすがに買いかぶりが過ぎると思う…これまでの行為で彼女に価値を見出されることはしていないし
「私はね、ほら…こんな見た目でしょう?魔界じゃ正直行き遅れていますの、上の姉様達や下の妹達はみんな大人みたいな見た目で…すぐに相手を見つけて結婚しちゃってますわ。だから、これはチャンスだと思いましたの!お金を積んで伴侶が手に入るならと、渋川さんの話を引き受けましたのよ♪」
「えっ?えっ?つまりは何、俺ってリリィ様と結婚するの?」
「まぁ♪結婚だなんて気が早いですわ、先ずはお互いを知り合ってから…あっ、でもこーちゃんがどうしても今すぐっていうなら♪」
「いや待って待って…話は分かった、いや分からないことばっかだけどね!?いきなりそんな話になっても困るっていうか…リリィ様はそれでいいの?行き遅れてるからってお金積んで買った男とだなんて…」
「まぁ元々借金は代わりに払う予定でしたし、合わなかったらそのまま返す予定で正直期待はしていなかったんですけど…実際に会ってみたら、なんて言うか…一目惚れしてしまったみたいで…♪」
頬を染めてはにかみそういう彼女にドキッとしてしまうが、彼女が幼い少女の姿なのを思い出して正気に戻る
「ですから私は全然OKですけど…もしかして、こーちゃんにもう既にお相手が…?」
「いないんだよなぁ…」
「だったらなんの問題もありませんわね♪」
「…いやでも、その…リリィ様って幼…非常に可愛らしいお姿なわけで…それを恋愛の対象として見るのは…」
俺は別にロリコンじゃないし、どちらかというとバインバインのお姉さまが好きなので…
「…本当に、私のことが性の対象として見れませんの?」
「わっ!近っ…」
急にすぐ側にリリィ様が迫って来て思わず身を引いた、なんでだかとても心臓がドキドキする…こんな小さい見た目の女の子なのに
「あらあら、心臓がドキドキしてますわね…これって私を異性として見ているからではなくて?」
「うぅ…」
「ふふっ…私がこーちゃんを好きになった理由、分かりましたわ♪こーちゃんったら、ちょっとつよがりな子供みたいで可愛いんですもの♪だからこうやってちょっといじわるしたくなっちゃいましたの、軽い冗談ですわ!…いまのところは、ね♪」
そういって俺からリリィ様が離れる、全く重い冗談だ…あやうくロリコンになってしまうかもしれなかった
「ふふ、大丈夫ですわ!先ずはお互い理解を深めるところから始めましょう?そういった話はそのあとですわ♪」
「…うむむ、こうなった以上仕方ないか…分かった!俺も買われた立場だし、リリィ様これからよろしくお願いします!」
こうして俺と、小さなリリムの…リリィ様との生活が始まったのだった。
俺にはこの館の空いていたという部屋が充てがわれた、前の住んでいた部屋よりも遥かに大きく驚いたがこの館の中じゃ小さいほうらしい…
「欲しいものはなんでも言ってくださいまし、すぐに用意致しますわ」
「はぇーすっごい…前の部屋の3倍はあるぞ、こんな立派な部屋を貰えるなんて…俺、リリィ様に買われて嬉しいです!一生奴隷でいますよ!掃除洗濯なんでもやります!」
「奴隷だなんて…そんなこと言っちゃダメですわよ!あなたと私はあくまで対等ですのよ?」
「えぇ…でも俺だけ与えられる立場っていうのは…せめて家事とかくらいは申し付けてくれても」
「めっ!ですわ!」
強くそう言われて俺はたじろぐ、流石に与えられるだけの立場っていうのは嫌なんだよなぁ…もう既に親父の件とか助けてもらってるわけなんだし…
「さぁさ、荷物の整理とかあるでしょう?私も手伝いますわ♪」
「あ、いや別にそんなないから!リリィ様にそこまではやらせないって!」
「そうですの?でも、困ったらちゃんと私に言ってくださいね」
「うん…わかった」
「うふふ、素直なのはえらいですわ♪」
うーむ、褒められてしまった…ここで嬉しいと感じるのは俺がチョロいのだろうか
「うーん、ベッドは大きい方がいいかしら…こーちゃんはどう思います?」
「え?まぁ、大きいに越したことはないと思うけど…」
「そうですわよねぇ、えいっ♪」
リリィ様が指先を振ると、キラキラとした何かが部屋の隅に集まって…ポンと豪華なベッドが現れた
「ファッ!?何だこれは、たまげたなぁ…」
「あら、魔法を見るのは初めてかしら?」
「へぇ〜魔法…魔法!?」
魔法…魔物たちが扱う不思議パワーによる、不思議な現象を引き起こすアレだ、詳しいことはあまりわかっていないらしい
「私はリリムですのよ?魔法くらいそんな驚くことじゃありませんわ」
「いやぁ驚くよ、凄いなぁ…」
ベッドに腰掛けてみるとふわっとした気持ちいい感触が幻じゃないことを教えてくれる
「あと必要なものは棚と机と…」
どんどん部屋に家具が満ちて行く、あっという間に生活に困らない程度の部屋が完成してしまった
「さ、それじゃあ模様替えも終わりましたし屋敷の中をご案内致しますわ♪」
「あ、はいお願いします」
ごく自然にリリィ様は俺の手を取り歩き出す、俺もリリィ様の小さな歩幅に合わせ隣に並んで歩き始める
(ごく自然に手を繋いだけど、女の子の手ってこんなに柔らかいんだ…)
強く握れば潰れてしまいそうな柔らかくて壊れ物のような小さな手の感触に、俺は心臓がドクドクと激しく動悸する
女の子と手を繋ぐなんて幼稚園以来だったろうし…いやいや、でも相手はこんな小さな女の子だ…俺は断じてロリコンじゃないんだ
「広いからはぐれないようにしてくださいませ、迷ったりしてもすぐに駆けつけられますけど」
「あ、あぁうん、こんなに広いんだもんね…迷ったら大変だ」
屋敷の中をリリィ様が案内してくれる、食事をとる広間、外のテラス、客間に風呂場…うん、空き部屋の数が多いけどなんとか覚えられそう
「じゃあ最後にここですわ」
「ここは?」
最後に、とリリィが案内してくれたのは数ある部屋のほんの一室…ガチャっとリリィ様がドアを開けて入るとそこは豪華な家具やぬいぐるみが並べられたお姫様のような部屋
「あ…ここって、リリィ様の?」
「えぇ、私の部屋ですわ♪鍵は…掛けていませんからいつでも歓迎致しますわよ?」
いつでも歓迎、という言葉にドキッとしてしまう…いかんいかん!俺はロリコンじゃないんだってば
「ま、まぁ必要な時には行くよ」
「あら、つれませんのね」
こうしてリリィの屋敷案内を終えて俺は自分の部屋に戻った、ご飯の時間になるまでは自由にしていていいと言われた
「ふぅ〜…ちょっと疲れたかなぁ」
色々とあり過ぎて頭がパンクしそうだ、まさかこんなことになるとはなぁ…
「リリィ様かぁ…なんで俺なんか、億単位の金が出せるなら俺よりいい男なんか掃いて捨てるほどいそうなんだけど」
たしかにリリィ様は幼い見た目だが、間違いなく美しいわけであって…需要なんかいくらでもあると思う、なのにあれで行き遅れとは…
そりゃあ俺だって気に入られて悪い気はしないけど、俺には勿体無さすぎると思う
「…まぁ、とりあえずリリィ様は俺を選んでくれたんだし…それに報いれる様に頑張ってみるか!」
そうと決まればじっとはしていられない、雑用でもなんでも探して役に立ってやろうじゃないか
「…まぁ、意気込んで部屋を出たのはいいんだけど…」
ただ屋敷内を彷徨うだけで手持ち無沙汰になってしまっていた…まぁ来たばっかでやることなんか、無いよなぁ
「うーん…おっ?」
フラフラしていると屋敷の中庭に出てきた、さまざまな花が咲き誇った美しい花園の中心には…遠目からでも見惚れる程の美麗な少女がいた、リリィ様だ
「…絵になるなぁ」
やっぱり美しすぎて、なんで俺なんかが選ばれたのか疑問になってくる…リリィ様はああ言ったけど、親父の件もあるし…ただ俺はリリィ様の迷惑になっているだけなのではないか?
「…あら?こーちゃん、何か御用かしら♪」
「あ、リリィ様…ごめんなさい、邪魔しちゃって…」
じっと見ていた俺に気づいたリリィ様は優雅にこちらまで歩いてきた、ふわりと花のいい匂いが鼻腔をくすぐってくる
「あらあら、なんで謝るのかしら?邪魔だなんて思っていませんわ、ふふっ♪」
にっこりと笑うリリィ様に心臓が強く跳ねた、いかんまたこんな小さい女の子にドキドキしてしまっている
「それで、何か御用かしら?」
「い、いえ…その、何かできる事ないかなって屋敷をうろついてたらリリィ様を見つけて…見ていただけです…」
「あら、そうでしたの?ちょうど良かった、貴方を呼ぼうと思っていたところでしたの♪」
「あ、何か仕事ですか?なんでもやりますよ!」
「今からティータイムにしようと思いますの、ご一緒してくださいます?」
ティータイム…流石見た目に反さない優雅な方だ、よしこれは俺が給仕すればいいんだな!
「任せてくださいよリリィ様、俺に給仕させてください!」
「あら、何か勘違いしていませんか?私と「一緒に」するんですのよ♪さぁ、座って座って♪」
リリィ様がさっきみたいに指を振るとキラキラとした粒子が集まってポンっとテーブルと椅子が現れる、ご丁寧にティーポットやケーキなども用意されている
「流石、魔法…」
「ほら、座りなさい♪」
リリィ様に言われて俺は席に着いた、向かい側に座るリリィ様がテキパキとお茶を用意してくれる
「はい、お紅茶ですわ♪ケーキも好きに頂いてくださいな」
「は、はい…いただきます…」
俺は腕を伸ばして、リリィ様側にあるケーキの乗ったトレイから一つ持ってくる
「あら、言ってくれれば渡しましたのに…」
「いえそんな迷惑掛けられませんって、届きますし…」
「…むぅ」
あ、あれ…なんだかリリィ様微妙に難しい顔をする、何かしたかな…?
「あの…?リリィ様…」
「えっ、あ…さぁ召し上がって?お茶も冷めないうちに」
「は、はい!」
リリィ様に促されて俺はティーカップに入った紅茶を啜る、猫舌の俺にはまだ紅茶は熱かったみたいで
「あっち…っ!」
不意に舌にピリッと感じ驚きのあまり、ティーカップから手を離してしまった
「あっ…!」
ガチャっと音を立ててティーカップがテーブルに落ちる、幸いなことに割れてはいないが中に入っていた紅茶は白いテーブルクロス(めちゃくちゃ高そう)に茶色いシミを作っていた
「や、やべっ…!」
「まぁまぁまぁ!大変!」
流石にリリィ様も声をあげた、しまった…まさかひっくり返すなんて…せっかくリリィ様が用意してくれたのに
「ご、ごめんなさいリリィ様!お、俺…!」
「大丈夫ですか?衣服に溢れていませんか?火傷はしていませんか?」
零したものには一切目もくれずに俺の側へ駆け寄るリリィ様、そうして俺に被害がないことを確認すると心底安心したかのようにホッと一息ついた
「よかった…無事みたい、貴方が無事で…本当に良かったわ…」
「…ごめんなさいリリィ様、せっかくのお茶ダメにして…こんなに高そうなモノまで汚しちゃって…」
「あらあら、いいんですのよ…貴方が無事なら♪お茶なんてまた作り直せばいいんです、テーブルクロスだって洗えばいいんですから…」
全く気にしていないように微笑むリリィ様、俺はまた迷惑をかけた…リリィ様の役に立とうって決めてたのに…
「さぁ片付けちゃいますね、すぐに作り直しますから待っててください」
「そんな!俺が片付けます!そんな迷惑かけといて片付けまで…俺、役に立たないといけないのに…!」
「…役に、立たないといけない…ですか」
ティーカップを片付けようとするリリィ様の前に手を出し静止する、俺はこれ以上リリィ様に迷惑をかけられなかった
「…ねぇ、聞いてくださる?」
そんな俺の手に、リリィ様は手を重ねてきた…小さくて、暖かい…優しい手を重ねてリリィ様は言葉を紡いだ
「…私は別に、あなたを下男として迎え入れたわけじゃありませんのよ?ただ私の家族になって欲しかっただけなの…」
そう言葉を紡いだリリィ様の顔は酷く悲しそうで…そんな顔をさせたのは間違いなく俺で、胸が痛いほど締め付けられる
「どうしてあなたは…なんでも一人で片付けようとしてしまうのかしら…ケーキだって、取ってと一言声さえ掛けてくれればよかったのに…そういうのは、悲しいですわ」
「だって、迷惑に…ただでさえ、うちの親父が迷惑をかけて…そのリリィ様の好意に甘えて…!」
「迷惑だなんて…思うはずない、どうして貴方が私の迷惑を決めてしまいますの?私の迷惑は、私が決めること…貴方に、家族にかけられる迷惑なんて…迷惑じゃありませんわ。家族に甘えられる、それのどこが迷惑なのでしょう」
「そんなの…嘘だ…お、俺ずっと迷惑かけて…俺に一億なんて価値ないのに、リリィ様に好かれる価値すらない…リリィ様の好意に甘えて、それって迷惑だ…」
「…不安に、なってしまったのですわね。無理もありませんわ…急に大金で買い取られた、だなんて何も知らなかった貴方にとっては重荷でしかありませんもの…ごめんなさいね」
あぁ、リリィ様に謝らせてしまった…リリィ様が謝ることなんて一つもないのに俺ってやつはまた迷惑を…!
「あぁでも…よかった、こうちゃんが優しい子で…そんなに深く私のことを考えて、こんなにも心を痛めてくれる…そんな相手、お金なんてものをいくら積んでも…そうそう現れるものじゃありませんわ。」
よかった…?こんな俺に、リリィ様は「よかった」と言ったのか…
「だから…ありがとうね、こーちゃん…私を想ってくれて…♪」
リリィ様から「ありがとう」と、その言葉を聞いた瞬間に俺の心は嬉しさに震えた…さっきまで暗い気持ちの底にいたのに、たったその一言だけで…俺は救われてしまった
俺がかける迷惑が、迷惑なんじゃないって…リリィ様が本気で、そう想ってることに気付かされてしまったから
リリィ様なら俺のことを、本気で愛してくれると…甘えさせてくれるんだと、そうリリィ様が気付かせてくれたから
「…お、俺…母さんが、死んでから…ずっと、ちゃんとしなくちゃって…人に迷惑をかけないようにって、生きてきた…!自立した人に、ならなくちゃって…!」
気が付けば俺はしゃがみ込んで泣いていた、誰にも打ち明けなかった心の奥に隠してた気持ちを吐き出していた
「親父も…会社のために、頑張ってたから…!俺も、迷惑かけたくなくて…!でも、ほんとは…」
「寂しかった…辛かった、甘えたかったのですわね…?」
「うん…うんっ…!」
泣き噦る俺をリリィ様は優しく抱きしめてくれた、吐き出した気持ちを受け止めてくれた…とても身体は小さいのに、全てを包み込んでくれそうだ
「貴方は優しい子…誰にも迷惑をかけようとしないで、全部抱えこんで…辛かったですわね、苦しかったでしょう…?よしよし、全部全部…吐き出してしまいましょう?大丈夫、私が受け止めてあげます…私に、甘えてください…」
泣いた赤子をあやすように、抱かれた俺は優しく頭を撫でられる…それがたまらなく心地よくて、まるで母親に甘えるようにリリィ様を強く抱きしめた
「なんでもいいんですの、どんなに小さなことでもいいから…私を頼ってください。最後にありがとうって言ってもらえたら、私はそれだけで嬉しいんですのよ…♪」
「ぅ、うぅ〜…っ」
「迷惑を怖がっちゃダメですわ。私になら、迷惑をかけていいの…家族なんだから、迷惑は迷惑じゃないの、わかった?」
「は、い…あ、あり、がとう…!」
「まぁ、まぁまぁまぁ!ふふっ、早速言われてしまいましたわ♪よしよし…たーんと甘えて、いっぱい迷惑かけちゃってくださいね〜…♪」
そうしてしばらく俺は、リリィ様の小さな胸の中でわんわんと泣きじゃくった、気分は…悪くなかった
…
「…あー」
「ふふっ♪」
「う〜…っ」
「あらあら…♪」
散々泣いて、落ち着いて冷静になったら…俺は恥ずかしくて死にそうだった
えっ?自分で失敗して?わんわんと子供みたいに泣いて?慰められて?…情けないったらありゃしなかった
「忘れてください〜…気の迷いだったんです〜!」
「嫌ですわ、お墓まで持っていきます♪」
「リリィ様ぁ〜!」
あの後は泣き止んだ俺にリリィ様がまた新しいお茶を用意してくれて、今度は向かい合うようにではなく隣同士にくっついて座っている
先の一件でリリィ様との距離はグッと縮まった、お陰で俺の心臓は高鳴りっぱなしだった
「死にてぇ〜〜〜…恥ずか死ぬ…」
「あらあら、滅多なことを言わないのっ!死んでしまったら、こーちゃんに甘えてもらえなくなってしまいますわ」
「それは…うん、俺も困る…な」
そして俺はリリィ様にはもう遠慮なく甘えるようにした、あんな姿見られてるし、もうとことんやってやるしかない、彼女もそう望んでいる
「私はこーちゃんの家族なんですから、いーっぱい甘えていいんですよっ♪亡くなってしまった御母様の代わりと言ってはなんですけど、これからは私がこーちゃんのママになってあげますからね〜♪」
「あ、甘えるのは…わかったけど…母親代わりっていうのは、て、照れるね」
「…嫌、ですか?」
「嫌じゃ、ないよ…ありがとう、そんな風に言ってもらえて嬉しい」
「あらぁ〜♪こーちゃんったら本当にいい子ですわ、そうやって言われたことをすぐに出来るなんてえらいですっ♪よしよし、私はこーちゃんのママですから…なんでも頼ってくださいね〜♪」
腕を伸ばして俺の頭を撫でるリリィ様、恥ずかしいけど心地よくて…なんでも素直にされてしまいそうだ
「…あら、お茶とケーキが無くなりましたわ。ふふっ、名残惜しいですけれどティータイムはおしまいですわね」
「あ、はい…美味しかったです、リリィ様…」
先の一件もあり少し日も傾いてきている、夕食のこともあるし丁度いいだろう…少し、いやかなり名残惜しいけど
「また一緒にティータイムをしましょ?ふふっ、一緒にいるだけでこんなにもティータイムが楽しくなるだなんて…やっぱりこーちゃんを迎えて良かったですわ」
「…俺も、リリィ様が迎えてくれてよかったです」
「まぁまぁ、さっきから私の心を喜ばせることばかり言ってくださいますのね♪今日の夕食は期待していてくださいまし、こーちゃんがうちに来た記念ですから」
「は、はい!あ…そうだ、何か手伝えることは…」
「ふふっ、こーちゃんはゆっくり休んでいてください。夕食の時間になったら呼びますから、それまで自由にしていてくださいね」
リリィ様は魔法でティーセットを片付けると、そのまま屋敷へと入っていった…俺はリリィ様が去った後少しだけ中庭を歩いてから、自室に戻る
「…はぁ」
部屋に着くなり溜息が出た、色々と溜まっていたものが吐き出せてスッキリしたけど…また俺の心にはモヤモヤが募っていた
リリィ様が俺の悩みを解決してくれたはずなのに、また悩みが出てくるなんて…俺はなかなかに強欲らしい
リリィ様のことを考えると、心臓の動きが早くなって…苦しくなる、なのにリリィ様のことを考えることはやめられない
リリィ様と話していると、リリィ様が笑っていると…心があったかくなって、幸せになる…
「まいったな…これじゃ、俺…リリィ様に恋してるみたいじゃん」
実際に、そうなんだろう…俺はリリィ様のことが好きなんだ、母親代わりにまでなると言ってくれたリリィ様が好きで好きでたまらないんだ
「〜〜〜っ…!」
自覚してしまうと恥ずかしさがこみ上げてきて、大きなベッドに飛び込むと枕に顔を埋めてジタバタしてしまう、乙女か俺は
多分俺はいま頭が整理できていない、よし!一旦抜いて頭をスッキリさせよう!そうしよう!
夕食まではまだ時間あるだろうし、悩んだら一発抜いて寝る!これが一番だ
「さてさて、俺は一人エッチに勤しむとしますかね」
ズボンを脱いで下半身を露出させる、興奮していた俺の一物はすでにそそり勃って硬くなっていた
「あ…そういやオカズとか家に置きっぱで無いや…」
うーん、俺のエロ本コレクションを思い出して…思い出して…
(なんでもいいんですの、どんなに小さなことでもいいから…私を頼ってください)
…頭にリリィ様のことがチラつく、いや流石にリリィ様をネタにするのは…
(よしよし…たーんと甘えて、いっぱい迷惑かけちゃってくださいね〜…♪)
「…っ」
リリィ様は甘えてもいいと、迷惑をかけてほしいと言っていた…うん、頭の中でくらいいいだろう
「リリィ様…ごめんなさい」
俺は頭の中でリリィ様をひん剥くと、自慰行為に入る…俺の好みはボインなお姉さまだったはずなのに、リリィ様の裸を想像したら今までよりも一際性欲が滾ってくる
「リリィ様、リリィ様…!」
「はぁい♪」
「…え?」
自慰行為の最中、俺の呼び掛けに居ないはずのリリィ様が返事をした。
ベッドから声のする方に頭を向けると、リリィ様がベッドに頬杖を立ててこちらをニコニコとしながら眺めていた
「…あら?邪魔しちゃったかしら、続けて続けてぇ♪」
「えっ、いや…あの…」
見られた、リリィ様に俺の…見られてしまった!よりにもよって、リリィ様をネタにしていたことさえも見られてしまった!
「わっ、わぁ!?」
「あらあら、そんなに驚かなくたって〜」
リリィ様はそんなことを気にする様子もなく、俺を…いや俺の下半身をニコニコと眺めていた
「ご、ごめ、ごめんなさい!」
「あら、隠しちゃいやですわ♪もっとよく見せてくださいまし♪」
下半身を隠そうとズボンに手をかける俺の手をリリィ様が止める、なんだこの怪力は…魔物だからとでもいうのか
「ちょっ!何してんですか!離して…ってそもそもなんでいるの!?」
「たまたま通りかかったら私を恋しそうな声で呼んでいるものですから、何かと…」
「うっ…声に出してたか…」
「うふふっ♪それでぇ…貴方は何をしていたのかしらぁ、私の名前を呼んで♪」
わざとらしく聞いてくるリリィ様、くぅ…分かっているくせに意地悪だ
「…ちょっと運動をね?しようと思った次第でございます」
素直に自慰していたと告白するほど俺は度胸はない、無難な言葉で誤魔化すことにしよう
「あらあら、運動だなんて言葉で誤魔化さなくたって…私のこと考えながらシていたのでしょう?…お、な、に、ぃ♪」
そんな誤魔化しなど吹き飛ばすように直球な言葉を返してくるリリィ様、俺ですら言葉を選んで自慰とか言っていたのに…
しかしこんなリリィ様みたいな女の子の口からそんな淫語が出てくると、何故か俺は今まで以上に強く興奮してくる
「あらあら、いまビクビクぅ♪って反応しましたわね、こういうのがお好きなんですか?ふふっ♪」
「い、いや…そういうわけじゃ…」
ない、と思いたいがこの下半身の反応を見ると眉唾だ…実際にリリィ様の口から出た言葉に俺の身体は強い反応を見せてしまった
「…ねぇ、こーちゃんのオナニー…私に見せて下さいますか?」
「えっ、えぇっ!?」
「こーちゃんだって、そんなに大きくさせて〜…このままじゃスッキリしないんじゃありませんか?わざわざ記憶の私をオカズにしなくたって…ふふっ♪私が、直接オカズになって差し上げますわ♪」
り、リリィ様の前で…するなんて、そんなこと…いやしかし、リリィ様を直接オカズにできるなんて…考えるだけで達していまいそうなくらい下半身がビクビク怒張する
「くすっ♪いま、おちんちんがお返事しましたわねっ♪はぁい、しこしこしたいよ〜♪って、ふふっ♪さぁさ…私がちゃんと、こーちゃんの…お、な、さ、ぽ♪してあげますわ♪」
「う、うぅ…お、お願いします…」
リリィ様の誘惑に耐え切れず俺は屈してしまった…リリィ様に自慰行為を手伝ってもらうことになってしまった…
「ほら、姿勢もちゃんと私に見えるようにして…はぁい♪ちゃんとおなにーしてるとこ、見えますよぉ〜♪」
「うぅ…」
俺はリリィ様の言う通りに、ベッド脇に大股を開くように腰掛け…その足の間の隙間に、リリィ様は頬づえを立て超至近距離で俺の下半身を凝視する
(り、リリィ様の顔が…俺の、モノのすぐ近くに…っ、い、息も当たっ…!)
正直もう羞恥とかそういうのは吹っ切れていた、俺はただ快楽を貪るだけの雄となろう…
「り、リリィ様…リリィ様ぁ…っ」
「はぁい♪ちゃんと見てますよぉ、こーちゃんが私でしこしこ〜♪ってしてるところ♪こんな小さな女の子をオカズにオナニーしてる、変態おちんちん♪ビクビクぅってしてますわ♪」
俺の劣情を駆り立てる為に、リリィ様はわざとらしくいやらしい言葉で俺をなじる…下半身はさらに赤く張り詰め爆発していまいそうなくらいだ
「ほらほらぁ、私のことをオカズにするのでしょう?なぁんでも、好きなことおねだりしてくださいな♪」
「ぅ、あ…っ、リリィ様っ…ぱ、ぱんつ…見してください…!」
「ぱんつ、ですかぁ♪ふふっ♪はぁい♪見せてあげますよ♪私の、お、ぱ、ん、ちゅ♪どうですかー?生の脱ぎたておぱんちゅですよ〜♪」
パンツが見たいという俺の要望に、リリィ様はサッとスカートの中に手を入れるとひらひらと黒い三角の布を見せびらかすように揺らす
あ、あれがリリィ様の履いているおパンツ様…できれば履いているところをスカートたくし上げて見せて欲しかったが…いやしかし見えないスカートの中を想像するのは、これはさらに欲情を掻き立てる
いま、この脱ぎたてのおパンツ様がリリィ様の手元にあるということはリリィ様はいま履いていないのだ
「り、リリィ様の…ぱ、パンツ…ふーっ、ふーっ…!はぁ…はぁ…!」
「あらあらぁ♪もっと早くしこしこ〜♪ってしちゃってぇ…そんなに私のおぱんちゅがいいのかしら♪ほらほらぁ、もっとほかにしてほしいことはないの♪」
今ですら達するのを堪えるのが大変なのに、まだ要望に応えてくれるらしい…ここでリリィ様を丸裸にするのは簡単だが…
「ぁっあ、じゃあ…っ、リリィ様…、服っ…たくし上げて…!お腹見せて…!」
「…え、お、お腹…ですの?胸、とか…お股とかじゃなくて…?」
俺の要望に少し困惑を見せるリリィ様、いやしかし重要なのである、ただ胸や股間を見るだけではリリィ様で見抜きさせてもらう最高の快楽は得られない
リリィ様のぷにろり体型で最高の見抜きするための重要なファクターはそのロリ特有のイカ腹にあるのだ(剛弁)
「そう、お腹…リリィ様のぷにろり腹見せて…っ!」
「…ふふっ♪こーちゃんったら、予想以上の変態さんですわね♪いいですわっ♪ほらぁ、これで満足ですの?ご所望の、ぷにろりお腹ですわよ♪」
ぺろん、とリリィ様は胸下辺りまで服をたくし上げた…慎ましくも、むちっとした肉感の、正しくぷにろりの魅力溢れるお腹だ
陶器のような色白の、美しいロリ体型の曲線美…見ているだけで柔らかさが伝わってくる女性的な魅力も損なわないまさに完全…いや究極体!触れて、擦り付ければどんなに気持ち良いだろうか!
いやしかし触れることはない、あくまでこれは見抜き…リリィ様によるオナニーサポート、オカズなのである
「うぉぉぉぉおぉぉお!!!」
「きゃっ♪しこしこはやいはやーい♪ふふっ、こんなに喜んでもらえるだなんて♪初めてこの身体に感謝致しますわ♪私の身体にこんなに欲情していただけるなんて♪」
「うっ、うぅ…!り、リリィ様!そろそろ、い、イきます…!」
「あらっ♪ぴゅっぴゅしちゃいますのっ♪私のおぱんつと、おなか見ておしゃせーしちゃいますのねっ?いいですわよ♪一番気持ち良いところで、好きなところでびゅーびゅーしてくださいまし♪どろどろのせーえき、ぴゅくぴゅくぅ♪っておもらししちゃってください♪」
リリィ様がいやらしく射精を促してくる、俺は性欲の赴くままに…白濁の劣情を、リリィ様の顔にぶちまけた
「ぴゅっぴゅー♪ぴゅくぴゅくぅ♪すごぉい♪熱いせーえき掛かってる…♪私のお顔を妊娠させるつもりなのかしらぁ♪くっさぁいざーめん、私の髪の毛に沁みて臭いついちゃいますわ♪」
俺の大量の白濁汁を顔に受けたリリィ様は恍惚な表情を浮かべている、顔面パックのように白く汚れたリリィ様の姿を見ながら俺は射精の余韻に浸りベッドに倒れこんだ
「はぁー…!はぁー…!」
精魂尽きるとはまさにこのことだろう、いままで決して得ることのできない快楽を味わってしまった…たった一度抜いただけでとんでもない疲労感だ
「あらあら…お疲れかしら…♪よしよし♪頑張っておしゃせーしましたからね…ゆっくりおやすみしてください♪お夕飯になりましたら、起こして差し上げますから…♪」
「は、はひ…」
そのままベッドに倒れこみ、俺は白濁に汚れたリリィ様が微笑みながらそう言ったのを最後に意識を手放した
…
「…こーちゃん」
誰か、俺を呼んでいる…
誰だ…この女の子の声は…なんだか、落ち着く声だ…
「もぉ、こーちゃんったら…お夕飯の時間ですわよ。ほら…おっきなさってくださいまし!」
「…ぅ、あ…リリィ、様…?」
声に目を覚ますと、リリィ様が俺の顔を覗き込んでいた…あぁ、起こしてくれたのか
「おはよう…ございます」
「おはようございます♪そろそろお夕飯ですから起こしに来ましたわ、さぁお布団から出ていらっしゃい♪」
そういうとリリィ様は俺の上に被さっている布団を引き剥がした、なんだか妙にスースーするなぁ…
「…まぁ♪お元気ですのね♪」
「えっ、わ、わあ!?」
そりゃスースーするはずだ、俺は下半身丸出しだった…寝起き特有のアレは元気に自己主張している
「ふふっ、さっきあれだけ出したのにまだ足りなかったかしら…♪」
「っ〜…!」
俺は寝る前の自らが晒した痴態を思い出した、そうだ俺はリリィ様に…!
「あらあらあらあら♪そんなお顔真っ赤にさせちゃって、ふふっ♪気持ちよかったですか、私を使ったオナニーは♪もう一発ヌいておきますか?なんて♪」
「うぅ…なんであんなことをしてしまったんだ…」
あれは自分でも驚くほどだった、まさかあんなにもリリィ様に変態的な願望をぶつけてしまうとは…知らない間に俺は重度のロリコンになっていたらしい
「くすくすっ♪まさかあんなにこーちゃんがマニアックだとは思いませんでしたわ、パンツならまだしもお腹見せて〜だなんて♪」
「わ、忘れてくださいぃ〜…」
「うふふ♪嫌、ですわ♪」
「うぅ…ご、ご飯…食べましょうか…」
変態的な自慰行為に散々リリィ様に弄られつつも、俺は布団から這い出て身なりを正すと、リリィ様が食堂まで案内してくれる
リリィ様と共にした夕食は凄い豪華(俺が来たお祝いらしい)で、いままで食べたことないような高級食材やらなにやら、物凄い夜ご飯だった
所々でリリィ様がオカズを取るときに「あら、その"オカズ"でいいのかしら♪」とかからかってきたりもして…夕食を食べ終えた俺はリリィ様に勧められてお風呂を頂くことにした
「うー、風呂風呂…」
俺は風呂場を目指して屋敷を闊歩する、確かリリィ様に案内された場所は…
「あれ、どこだっけ?」
この屋敷似たような廊下が多くてあまり注意しないでいると、いつのまにか迷ってしまった…しまったな、リリィ様にまた案内頼めばよかった
「えーっと、この角を曲がって…?次を左、いや、右だったかな」
屋敷をぐるぐるぐると周り、迷いに迷って30分…俺はようやく風呂場にたどり着いた
「やったー…ようやく見つけたぞ」
30分も歩き回って俺はヘトヘトだ、さっさと入って部屋に戻ろう…と、脱衣所で服を脱いで風呂場へと戸を開ける
この屋敷の風呂場は泳げるくらい大きな湯船に、大理石の壁、金の像など…びっくりするくらい豪華なのだ
「あぁ〜、命の洗濯の音ぉ〜」
湯を流す獅子の像の水音を聞きながら俺は湯けむりが立つ風呂場に入る…そこには俺以外いないはず、だったのだが
「…あら?」
「…え?」
そこには、一糸まとわぬ姿の…リリィ様がいた
「まぁ…ふふっ、積極的ですのね♪一緒に入るためにもう一度お風呂ですか?一緒に入りたかったのなら誘ってくだされば良かったのに…」
「えっ、いや…今から入るつもりで…」
「え?」
「ん?」
…あ、これはあれだ、道に迷っている間にリリィ様が俺が風呂を上がったと勘違いして入っちゃったようだ
「い、いやあのですね?お恥ずかしい話なんだけど、今まで屋敷の中で迷っていて…いまようやく風呂にたどり着いたんです…」
「…まぁ、それはそれは…」
しかしうっかり鉢合わせしてしまったが、いまのこの状況は非常にまずいのではないだろうか?すっぽんぽんのリリィ様はあまり気にしていなさそうだが、俺には非常に目の毒だ
あの時は見ることがなかったリリィ様の裸体は幼い少女特有のものでありながらも、俺の劣情を誘う色気の溢れたもので…
「…ふふっ、そんなに見つめられたら恥ずかしいですわ♪」
「えっ、あ…ご、ごめんなさい!俺外出てますから!」
すっかりリリィ様の裸体に目を奪われていた、これ以上はマズイと思い俺は風呂場から退散しようと思ったのだが…リリィ様は出て行こうとする俺の手を掴み引き止めた
「あらあら、せっかくなのだから一緒に入りましょう?」
「い、いや…それは、流石に…」
「今更恥ずかしがる仲ではないでしょう?ふふっ♪あんなことしたあとなんだから…♪」
「でも…」
リリィ様の方をちらっと見る、うぅ…やはり色々と見えて辛いというか、腰のタオルで隠してる暴れん棒がまた暴走をしてしまいそうだ
「それに、このまま上がったら風邪を引いちゃいますわよ?ほらほら、私が洗って差し上げますからシャワーの方に行きますわよ♪」
「あ、あぁ〜…」
半ば強引に俺を引きずり込んだリリィ様、そのまま俺を風呂椅子に座らせると背中からシャワーをかけはじめる
「熱くはないですか?」
「う、うん…気持ちいいです…」
「良かった、それじゃあ続けますわね♪」
シャンプーを手に取り泡立てるリリィ様、髪を洗ってくれるようだがリリィ様と俺の体格差からすると、リリィ様は必然的に俺に抱きつくようなかたちで洗うことになってしまい…
「んしょ…んしょ、かゆいところはありませんか?」
「な、ななな…ないです…はい…」
ぷにぷにと柔らかい感触が背中から伝わってきて、髪を洗われているだけなのに俺の下半身はムクムクと起き上がってきてしまっていた
(うぅ…いかん、いかんぞこれは…リリィ様のろりぼでぃがぷにぷに当たって…)
「はぁい、頭流しますわよ〜目を瞑ってくださいましね♪」
ふとリリィ様の身体が離れて、頭に暖かい流水をかけられる…危険な思考に向かっていたがお陰で我に帰った
「さぁて、次はお背中♪お流しいたしますわ♪」
「いっ!?あ、あの…身体は自分で…」
「ダメですわ、せっかく一緒にお風呂なんですもの。こーちゃんの身体は全部私がきれいにして差し上げます♪」
返事を聞かずにリリィ様は手早くボディーソープを手に取ると、にゅるにゅると俺の身体に塗りたくる
小さくて柔らかいリリィ様の掌が背中を這い回るなんとも言えない快感が身体に走る、丁寧な手つきで肩や脇腹をくすぐる様に洗われるとくすぐったくて身体をよじった
「もぉ、動いたらちゃんと洗えませんわよ?ほらぁ…じっとしていて下さいね♪」
「は、はい…」
リリィ様に優しく注意され、身体を動かさない様に背筋を張るが…下半身の滾るモノを隠すために若干の前のめりになってしまう
「…ふふっ♪えいっ♪」
「ふぁっ!?」
背中を洗っていたリリィ様が急に手を伸ばして、隠していた下半身の怒張に手を触れた…突然の強い快感におかしな声を出してしまった
「背中もある程度終わったところで、そろそろコッチかしら?ふふっ♪待ちきれなかったのかしら、手の中でびくびくぅ♪って暴れていますわ♪」
「ら、リリィ様!?そこはいいですって!」
「あら、ここまで大きくしていて何を言っているのかしら?最初から気づいていましたよ、ボッキしてるの♪あれだけ出したのに元気なことですわ♪」
俺の暴れん棒をにぎにぎと確かめる様に握るリリィ様、自分で触れるのとは全く違う未知の快楽に俺は絶頂に達するのを必死に耐えていた
「ふふっ、耳まで真っ赤にして可愛いですわね♪ただ握っただけでイっちゃいますの?こうやって、しこしこ〜♪ってされたらどうなっちゃいますかね♪」
「ぅっ、あぁっ!くぅ…っ!」
ゆっくりと握った手がストロークを始めた、それだけでもう脳みそが焼き切れるくらいの快楽が頭を支配する
「もっと早くした方がよろしくて?しこしこ〜♪ふふっ、びくびくぅ♪って震えていますわ♪イきそう?イっちゃいますの?ほらほら、びゅ〜びゅ〜♪っておもらししちゃっていいんですのよ?ぴゅくぴゅくぅ♪ぴゅっぴゅー♪」
「う、ぁっ!で、出る…!」
「はぁい♪どうぞ♪たくさんおしゃせーしちゃっていいですわよ♪びゅぅびゅぅ〜♪まぁまぁ、いっぱいおちんちん頑張りましたわね♪えらいえらいですわよ〜♪」
容赦なく搾り取る様なリリィ様の責めに耐えきることが出来ずに、俺は白濁した劣情をリリィ様の手の中で爆発させてしまった…
射精した後の脱力感に見舞われた俺はそのまま後ろにいるリリィ様にもたれかかった、そんな俺をリリィ様は優しく抱きとめるとよしよしと頭を撫でて射精したことを手放しに褒めてくれる
「いっぱいぴゅっぴゅっ♪できましたわね、よしよし♪とってもかっこよかったですわ♪おちんちんもすっきりしましたね〜♪」
「ぁあ…あー…つ、疲れた…」
「あらあら〜お疲れのようですわね、パパッと洗ってゆっくりと休みましょうね♪」
脱力感に身を任せた俺をリリィ様が出早く洗ってくれて、大きな湯船にゆっくりと浸かった…
「あぁ〜…身体に効く…」
「二回目なのにあれだけいっぱい出してくれるなんて、こーちゃんは性豪ですわね♪」
「リリィ様のせいでしょ…」
湯船に浸かる俺の膝の上にリリィ様が座って密着しながら風呂を堪能する、さっきあれだけ出してスッキリしたせいかこれだけ裸のリリィ様と近くても大丈夫だった
「あら♪こーちゃんは私のこと、幼い女の子は恋愛対象としては見れないと言っていませんでした?」
「…リリィ様は別格だよ」
「もぉ、こーちゃんったら…♪」
そうしてしばらく湯船でのんびりとしてから、俺たちは風呂から上がり部屋に戻った
「さぁ、今日は疲れたでしょう?ゆっくりお休みしましょうね〜♪」
「…あの、リリィ様?なんで俺の部屋に?」
「なんでって…それは一緒に寝るためですわ♪さ、ベッドに入りましょう♪」
ベッドに寝転んだリリィ様がおいでおいでと手招きをする、大きなベッドだから二人で寝るのには問題はないのだが…
「えっと、あの…やっぱり男女で一緒に寝るのはマズイのでは…」
「あら、あれだけのことをしておいてまだそんなこと言いますの?もうそんなの気にする仲じゃありませんわ♪ほら、いらっしゃい♪」
「…は、はい…それじゃ、お言葉に甘えて…」
リリィ様に誘われるがままにベッドへと入る、目と鼻の先にリリィ様の顔あってドキドキする…意識してこんな近くで見たことなかったが、やはりリリィ様は美しい
「ふふっ、夢の様ですわ…この私が、こんな素晴らしい人を手に入れることができた…こうやって一緒にいてくれる人がいるなんて…」
「…そんな、俺こそ…夢みたいですよ」
「本当にこーちゃんはいい子…ぎゅ〜っ♪ってしちゃいますわ♪」
リリィ様は感極まった様子で俺の頭を抱き寄せた、ふわりと石鹸の香りがして柔らかい感触が俺の顔を埋めた
「リリィ様ぁ…」
「あらあら…甘えんぼさん♪よしよし、おっきな赤ちゃんみたいね…いっぱい甘えていいんですのよ〜…♪」
「…リリィ様、あったかい…抱かれてると凄い落ち着く…」
子供特有の高い体温だからか、単に風呂上がりだからなのか、とにかくリリィ様のハグは温かみに溢れていて心が融かされていきそうだ
「ふふっ…♪おめめがとろーんってしてきてますわね、このままおねんねしちゃって大丈夫ですわよ〜…♪よしよし、こーちゃんねんね〜…♪」
「う、ん…おやすみ…リリィ、さま…」
頭を撫でる優しい手の感触と、リリィ様の優しい声色を耳に、俺は疲れもありそのまま睡魔に抵抗することなく意識を手放した
「…おやすみなさい、私のかわいい…こーちゃん…♪」
…
学校から帰ってくると、仕事で殆ど家にいない筈の父親がリビングにいて…俺を見るなりそんなことを言い出した
「は?」
俺、渋川コウジはあまりに急なことに思わず戸惑いの声を上げてしまう
「え、親父…会社の借金って…」
「いやぁ、父さんの会社な…色々と借金を抱えていたみたいで、社長が逃げ出して父さんが肩代わりすることになっちゃったんだよね…」
「社長が逃げ出して…って、なんで親父がその借金肩代わりすることになるんだよ!おかしいだろ!」
聞く話によると、親父は会社ではそれなりの地位にいるらしく…部下も沢山いてその部下たちを路頭に迷わせない為に消えた社長の後始末を請け負ったらしい
まったく親父ったら仕事の事とか全然話さないんだから…親子のコミュニケーションが取れてないなんて昔亡くなった母さんが見たら悲しむぞ
「…ちなみに、借金って如何程…?」
「…これくらい」
そういうと親父は人差し指をピンと立てた
「…い、一千万とか?」
「…ちがう」
「まさか、億単位の話!?」
俺が驚愕の声を上げると、親父は肩をすぼめてうなづいた…億単位の借金をただの一家庭で払えると思っているのだろうか
「そんな…じゃあうちはどうなんだよ!会社は助けるけど家族は助けないつもりかよ親父!」
「そ、それに関しては大丈夫だぞコウジ!お前についてはちゃんと話をつけてあるから!」
「そ、そうなの?流石親父だぜ!」
「あぁ!お前と引き換えに借金を肩代わりしてくれるという方がいてな!お前はこれからその方の下で暮らすんだ!」
「ファーーーーッ!?」
そんなことから俺は、億単位の借金の代わりに…ドナドナの如く親父の車でその方の家へと出荷されたのだった。
「なぁコウジ…」
「なんだクソ親父、あぁもう家族じゃありませんでしたねぇ!」
「か、勝手に話を進めたのは謝るから機嫌なおしてくれよ〜!お前にとっても悪い話じゃないと思ったんだよ〜!」
「人を身売りしといてヌケヌケと…学校まで辞めさせられて?見ず知らずの人の家に買われた?いつの時代なんですかねぇ…今何世紀か知ってる?」
「まぁまぁ…相手の家に行ったら今よりもいい暮らしは間違いないだろうし、何より女の子の家だぞ!ほら悪い話じゃないだろう!?」
「殺すぞ!」
「ひぇっ、息子が反抗期…」
反抗期も何も、急にこんなことになったら誰でもキレると思うんですけど…
「お、着いたぞコウジ!」
車を走らせて数時間、山奥の道路を通りやって来たのは…随分と大きな豪邸だった
洋館…と表した方が正しいのだろうか、まるでファンタジーの世界にあるような建物だ
「はぇ〜…すっごい」
「お前はこれから、ここで世話になるんだ!第一印象から良くしていけよ!」
思ったよりもすごい所に来てしまった…まぁたしかに億単位の借金を、俺と引き換えにすんなり肩代わりできるって言ったらこれくらいの金持ちじゃないといけないんだろうなぁ
「どうも〜先日お伺いした渋川です〜、約束通り愚息を連れてまいりました〜!」
親父がそう言いながらドアのベルを鳴らすと、大きな扉が音を立てて開いて…中から出て来たのは…
「あれ…誰もいない?」
ただ扉が勝手に開いただけで誰も見当たらなかった
「馬鹿!下だ下!目線をもうちょっと下げろ!」
「えっ?」
親父に言われて目線を下げるとそこには…
「あらあら〜、いらっしゃい♪待っていましたのよ、話で聞いていたよりずっといい子ねぇ」
外国人の女の子…だろうか、随分と悠長な日本語を話す俺の身長の半分ほどしかない幼い少女だ
ふわりと揺れるきらめく銀髪の髪、吸い込まれるような紅い瞳、子供には不相応なほどの色香を放つこの女の子は…この家に住んでいる人の娘さんか何かだろうか?
「リリィ様、私の愚息のコウジです!さぁもう何なりと下僕のように扱ってやってくださいな!」
「親父!?何もこの家の娘さんにまでそんな卑屈にならなくても…」
「娘さん?何言ってんだコウジ、彼女がこれからお前の世話になるココの主人だぞ」
「えぇっ!?こ、こんな小さな女の子が!?」
「バッ…!お前、リリィ様に向かってなんてことを…今すぐ謝りなさい!土下座してホラホラ!」
「なんで土下座なんかする必要が…」
「まぁまぁ渋川さん、初めて私を見た人はみんなそう言いますからお気になさらないで」
慌てる親父を、リリィ様と呼ばれた彼女が嗜める…この親父の慌て様見るとマジでこの子がこの家の主人みたいだ
「ふふ、初めまして…こーちゃん♪私はリリィって言うの、これからよろしくお願いしますわね♪」
「えっ、あ…うん…よろしく…」
「コウジ!挨拶くらいちゃんと…」
「まぁまぁ渋川さん、大丈夫ですから…渋川さんは早く会社に戻らなくてはいけないのではなかったかしら?せっかく借金も返済できたんですし…」
「おっとそうでした!早く会社に戻らなくては…すいませんリリィ様!コウジのことお願いしますね!」
「はい♪リリィにお任せくださいな♪」
そういって親父は俺の荷物を車から下ろすと早々にエンジンを吹かせこの場からいなくなってしまった
「忙しいやつだな」
「ふふ、なんたって今日から社長ですからね渋川さん。さぁ、外にいても何ですから中でお話ししましょう?」
たしかにそうだ、聞きたいことも山ほどあるし…俺はリリィ…様?ちゃん?に手を引かれて荷物を運びながら洋館の中へと入った
「さぁこちらへどうぞ〜♪」
彼女に連れられてきたのは客室のような部屋だった、ティーポットが飾られているターンテーブルにオシャレな椅子…今まで親父と二人で暮らしていた俺には全く無関係なものばかりだ
「さてさて…一体どこから話したものかしらね」
「うーん、聞きたいことは山ほどあるんだけど…先ずは君について教えてほしいな」
「あらあら〜♪私のことをですの?ふふ、何だか恥ずかしいですわね♪そうねぇ、ただの気まぐれなお金持ち〜…じゃ納得しませんわよね?」
「まぁね、いくら借金払ってくれた相手とはいえ親父の態度がおかし過ぎたし…」
「…私はね、リリム…魔物と呼ばれる生き物なの。ほら、この世界にもある程度来ているでしょう?」
魔物、それは確か人間に似た姿をしたまた別の知的生命体…大体が人間に近い形か、人間と動物を合わせたような姿をしていてみんな女の子らしい
別の世界…魔界からやっていたという彼女たちは、あっという間にこの社会に溶け込み…今じゃ珍しいにしろありえない存在じゃない…っていうのが社会の常識である
「魔物…リリム…?」
「えぇ、魔王の娘達の総称…それが私たちリリムですのよ」
ちなみに魔王っていうのは、魔界の王様?みたいなものでサキュバスとかそういった種類の魔物らしい、授業でそう習った。
「魔王の娘!?だから親父のやつあんなにぺこぺこしてたのか…」
「ふふ、あんなにへりくだらなくたってよろしかったのに…愉快なお人ですのね」
「いやぁ、お恥ずかしい…」
そうか彼女はリリムだったのか、でも魔物って言う割には普通の女の子に見えるんだけど…魔物って言うともっと角とか尻尾とか生えてるイメージだったんだけどなぁ
「あらあら、その目は魔物に見えないって感じですわね?」
「ギクッ!するどい…」
「まぁ無理もありませんわね、あなたから見れば私は小さい女の子しか見えないですものね…でもほら、本当はこうやって角も尻尾も羽もありますのよ?」
そう言うと彼女の身体から黒い角や尻尾や羽がニョキニョキと生えてきた、ちっちゃい悪魔みたいだ
「わぁ…本物」
「人目がある場所じゃ邪魔になるだけですから、普段は隠していますの。もうかれこれ数十年になるかしら…五十から先は覚えていませんわ」
五十から先は覚えていないって…いくつなんだろうか彼女は、魔物だというのだから俺よりずっと年上なんだろうけど
「ですからあなたよりお姉さんですわ♪」
「多分そういうレベルじゃないと思うんですけど…」
「あらあら、じゃあお母さんかしら?ふふっ、ママって呼んでもいいですわよ♪」
にっこりと笑ってそういう彼女にドキッとしたが、見た目が自分より遥かに幼い相手をママと呼ぶのは頭がおかしいだろうと正気に戻る
「ご、ごほん!え、えー…とりあえずリリィ様…?については大体わかったから、次は今回の事について教えてもらいたいな!」
呼び方はリリィ様にしておこう、魔王の娘とか偉い感じの立場みたいだし…
「まぁまぁリリィ様だなんて…別に呼び捨てでも構いませんのよ?」
「えー、それはまた後で考えてからで…とりあえずお願いします」
「簡単な話ですわ、渋川さんの会社の借金を私が代わりに払って…その対価としてあなたを貰っただけの話ですわ♪」
「いやいやその時点でおかしいんだって!そもそもリリィ様と親父はどうやって知り合ったんだよ、初対面じゃそんな話しないでしょ?」
「元々渋川さんの会社に出資していたのが私でしたわ、それで会社のことを聞いて渋川さんとお話をさせていただきましたの。初めは冗談で「若い男の子を一人用意出来たらどうにかしてあげる」って言ったら、渋川さんがこーちゃんを差し出してきたわけですわ♪」
「親父のやつ…冗談を真に受けやがったのか…!」
「まぁまぁ、渋川さんもこのまま一家心中になるなら〜と色々と考えていたみたいですわ」
まぁたしかに億単位の借金なんてなったら、一家心中するくらいしかないだろう…親父も親父なりに考えてくれた最善策らしい
「だけど俺になんの説明もなかったのは許さないから(鋼の意思)」
「そ、それはまぁ…どうにかなった気の緩みもあったのではないでしょうか?私としてはこーちゃんという人を迎えられてとても嬉しいですわ♪」
「リリィ様はなんで俺で了承したんです?自慢じゃないけど、俺にとても億単位の価値は…」
「あら、価値を決めるのは貴方ではなく私ですわよ?少なくとも私は、今貴方に億以上の価値を感じていますわ♪」
褒められているのだろうから悪い気はしないけど、さすがに買いかぶりが過ぎると思う…これまでの行為で彼女に価値を見出されることはしていないし
「私はね、ほら…こんな見た目でしょう?魔界じゃ正直行き遅れていますの、上の姉様達や下の妹達はみんな大人みたいな見た目で…すぐに相手を見つけて結婚しちゃってますわ。だから、これはチャンスだと思いましたの!お金を積んで伴侶が手に入るならと、渋川さんの話を引き受けましたのよ♪」
「えっ?えっ?つまりは何、俺ってリリィ様と結婚するの?」
「まぁ♪結婚だなんて気が早いですわ、先ずはお互いを知り合ってから…あっ、でもこーちゃんがどうしても今すぐっていうなら♪」
「いや待って待って…話は分かった、いや分からないことばっかだけどね!?いきなりそんな話になっても困るっていうか…リリィ様はそれでいいの?行き遅れてるからってお金積んで買った男とだなんて…」
「まぁ元々借金は代わりに払う予定でしたし、合わなかったらそのまま返す予定で正直期待はしていなかったんですけど…実際に会ってみたら、なんて言うか…一目惚れしてしまったみたいで…♪」
頬を染めてはにかみそういう彼女にドキッとしてしまうが、彼女が幼い少女の姿なのを思い出して正気に戻る
「ですから私は全然OKですけど…もしかして、こーちゃんにもう既にお相手が…?」
「いないんだよなぁ…」
「だったらなんの問題もありませんわね♪」
「…いやでも、その…リリィ様って幼…非常に可愛らしいお姿なわけで…それを恋愛の対象として見るのは…」
俺は別にロリコンじゃないし、どちらかというとバインバインのお姉さまが好きなので…
「…本当に、私のことが性の対象として見れませんの?」
「わっ!近っ…」
急にすぐ側にリリィ様が迫って来て思わず身を引いた、なんでだかとても心臓がドキドキする…こんな小さい見た目の女の子なのに
「あらあら、心臓がドキドキしてますわね…これって私を異性として見ているからではなくて?」
「うぅ…」
「ふふっ…私がこーちゃんを好きになった理由、分かりましたわ♪こーちゃんったら、ちょっとつよがりな子供みたいで可愛いんですもの♪だからこうやってちょっといじわるしたくなっちゃいましたの、軽い冗談ですわ!…いまのところは、ね♪」
そういって俺からリリィ様が離れる、全く重い冗談だ…あやうくロリコンになってしまうかもしれなかった
「ふふ、大丈夫ですわ!先ずはお互い理解を深めるところから始めましょう?そういった話はそのあとですわ♪」
「…うむむ、こうなった以上仕方ないか…分かった!俺も買われた立場だし、リリィ様これからよろしくお願いします!」
こうして俺と、小さなリリムの…リリィ様との生活が始まったのだった。
俺にはこの館の空いていたという部屋が充てがわれた、前の住んでいた部屋よりも遥かに大きく驚いたがこの館の中じゃ小さいほうらしい…
「欲しいものはなんでも言ってくださいまし、すぐに用意致しますわ」
「はぇーすっごい…前の部屋の3倍はあるぞ、こんな立派な部屋を貰えるなんて…俺、リリィ様に買われて嬉しいです!一生奴隷でいますよ!掃除洗濯なんでもやります!」
「奴隷だなんて…そんなこと言っちゃダメですわよ!あなたと私はあくまで対等ですのよ?」
「えぇ…でも俺だけ与えられる立場っていうのは…せめて家事とかくらいは申し付けてくれても」
「めっ!ですわ!」
強くそう言われて俺はたじろぐ、流石に与えられるだけの立場っていうのは嫌なんだよなぁ…もう既に親父の件とか助けてもらってるわけなんだし…
「さぁさ、荷物の整理とかあるでしょう?私も手伝いますわ♪」
「あ、いや別にそんなないから!リリィ様にそこまではやらせないって!」
「そうですの?でも、困ったらちゃんと私に言ってくださいね」
「うん…わかった」
「うふふ、素直なのはえらいですわ♪」
うーむ、褒められてしまった…ここで嬉しいと感じるのは俺がチョロいのだろうか
「うーん、ベッドは大きい方がいいかしら…こーちゃんはどう思います?」
「え?まぁ、大きいに越したことはないと思うけど…」
「そうですわよねぇ、えいっ♪」
リリィ様が指先を振ると、キラキラとした何かが部屋の隅に集まって…ポンと豪華なベッドが現れた
「ファッ!?何だこれは、たまげたなぁ…」
「あら、魔法を見るのは初めてかしら?」
「へぇ〜魔法…魔法!?」
魔法…魔物たちが扱う不思議パワーによる、不思議な現象を引き起こすアレだ、詳しいことはあまりわかっていないらしい
「私はリリムですのよ?魔法くらいそんな驚くことじゃありませんわ」
「いやぁ驚くよ、凄いなぁ…」
ベッドに腰掛けてみるとふわっとした気持ちいい感触が幻じゃないことを教えてくれる
「あと必要なものは棚と机と…」
どんどん部屋に家具が満ちて行く、あっという間に生活に困らない程度の部屋が完成してしまった
「さ、それじゃあ模様替えも終わりましたし屋敷の中をご案内致しますわ♪」
「あ、はいお願いします」
ごく自然にリリィ様は俺の手を取り歩き出す、俺もリリィ様の小さな歩幅に合わせ隣に並んで歩き始める
(ごく自然に手を繋いだけど、女の子の手ってこんなに柔らかいんだ…)
強く握れば潰れてしまいそうな柔らかくて壊れ物のような小さな手の感触に、俺は心臓がドクドクと激しく動悸する
女の子と手を繋ぐなんて幼稚園以来だったろうし…いやいや、でも相手はこんな小さな女の子だ…俺は断じてロリコンじゃないんだ
「広いからはぐれないようにしてくださいませ、迷ったりしてもすぐに駆けつけられますけど」
「あ、あぁうん、こんなに広いんだもんね…迷ったら大変だ」
屋敷の中をリリィ様が案内してくれる、食事をとる広間、外のテラス、客間に風呂場…うん、空き部屋の数が多いけどなんとか覚えられそう
「じゃあ最後にここですわ」
「ここは?」
最後に、とリリィが案内してくれたのは数ある部屋のほんの一室…ガチャっとリリィ様がドアを開けて入るとそこは豪華な家具やぬいぐるみが並べられたお姫様のような部屋
「あ…ここって、リリィ様の?」
「えぇ、私の部屋ですわ♪鍵は…掛けていませんからいつでも歓迎致しますわよ?」
いつでも歓迎、という言葉にドキッとしてしまう…いかんいかん!俺はロリコンじゃないんだってば
「ま、まぁ必要な時には行くよ」
「あら、つれませんのね」
こうしてリリィの屋敷案内を終えて俺は自分の部屋に戻った、ご飯の時間になるまでは自由にしていていいと言われた
「ふぅ〜…ちょっと疲れたかなぁ」
色々とあり過ぎて頭がパンクしそうだ、まさかこんなことになるとはなぁ…
「リリィ様かぁ…なんで俺なんか、億単位の金が出せるなら俺よりいい男なんか掃いて捨てるほどいそうなんだけど」
たしかにリリィ様は幼い見た目だが、間違いなく美しいわけであって…需要なんかいくらでもあると思う、なのにあれで行き遅れとは…
そりゃあ俺だって気に入られて悪い気はしないけど、俺には勿体無さすぎると思う
「…まぁ、とりあえずリリィ様は俺を選んでくれたんだし…それに報いれる様に頑張ってみるか!」
そうと決まればじっとはしていられない、雑用でもなんでも探して役に立ってやろうじゃないか
「…まぁ、意気込んで部屋を出たのはいいんだけど…」
ただ屋敷内を彷徨うだけで手持ち無沙汰になってしまっていた…まぁ来たばっかでやることなんか、無いよなぁ
「うーん…おっ?」
フラフラしていると屋敷の中庭に出てきた、さまざまな花が咲き誇った美しい花園の中心には…遠目からでも見惚れる程の美麗な少女がいた、リリィ様だ
「…絵になるなぁ」
やっぱり美しすぎて、なんで俺なんかが選ばれたのか疑問になってくる…リリィ様はああ言ったけど、親父の件もあるし…ただ俺はリリィ様の迷惑になっているだけなのではないか?
「…あら?こーちゃん、何か御用かしら♪」
「あ、リリィ様…ごめんなさい、邪魔しちゃって…」
じっと見ていた俺に気づいたリリィ様は優雅にこちらまで歩いてきた、ふわりと花のいい匂いが鼻腔をくすぐってくる
「あらあら、なんで謝るのかしら?邪魔だなんて思っていませんわ、ふふっ♪」
にっこりと笑うリリィ様に心臓が強く跳ねた、いかんまたこんな小さい女の子にドキドキしてしまっている
「それで、何か御用かしら?」
「い、いえ…その、何かできる事ないかなって屋敷をうろついてたらリリィ様を見つけて…見ていただけです…」
「あら、そうでしたの?ちょうど良かった、貴方を呼ぼうと思っていたところでしたの♪」
「あ、何か仕事ですか?なんでもやりますよ!」
「今からティータイムにしようと思いますの、ご一緒してくださいます?」
ティータイム…流石見た目に反さない優雅な方だ、よしこれは俺が給仕すればいいんだな!
「任せてくださいよリリィ様、俺に給仕させてください!」
「あら、何か勘違いしていませんか?私と「一緒に」するんですのよ♪さぁ、座って座って♪」
リリィ様がさっきみたいに指を振るとキラキラとした粒子が集まってポンっとテーブルと椅子が現れる、ご丁寧にティーポットやケーキなども用意されている
「流石、魔法…」
「ほら、座りなさい♪」
リリィ様に言われて俺は席に着いた、向かい側に座るリリィ様がテキパキとお茶を用意してくれる
「はい、お紅茶ですわ♪ケーキも好きに頂いてくださいな」
「は、はい…いただきます…」
俺は腕を伸ばして、リリィ様側にあるケーキの乗ったトレイから一つ持ってくる
「あら、言ってくれれば渡しましたのに…」
「いえそんな迷惑掛けられませんって、届きますし…」
「…むぅ」
あ、あれ…なんだかリリィ様微妙に難しい顔をする、何かしたかな…?
「あの…?リリィ様…」
「えっ、あ…さぁ召し上がって?お茶も冷めないうちに」
「は、はい!」
リリィ様に促されて俺はティーカップに入った紅茶を啜る、猫舌の俺にはまだ紅茶は熱かったみたいで
「あっち…っ!」
不意に舌にピリッと感じ驚きのあまり、ティーカップから手を離してしまった
「あっ…!」
ガチャっと音を立ててティーカップがテーブルに落ちる、幸いなことに割れてはいないが中に入っていた紅茶は白いテーブルクロス(めちゃくちゃ高そう)に茶色いシミを作っていた
「や、やべっ…!」
「まぁまぁまぁ!大変!」
流石にリリィ様も声をあげた、しまった…まさかひっくり返すなんて…せっかくリリィ様が用意してくれたのに
「ご、ごめんなさいリリィ様!お、俺…!」
「大丈夫ですか?衣服に溢れていませんか?火傷はしていませんか?」
零したものには一切目もくれずに俺の側へ駆け寄るリリィ様、そうして俺に被害がないことを確認すると心底安心したかのようにホッと一息ついた
「よかった…無事みたい、貴方が無事で…本当に良かったわ…」
「…ごめんなさいリリィ様、せっかくのお茶ダメにして…こんなに高そうなモノまで汚しちゃって…」
「あらあら、いいんですのよ…貴方が無事なら♪お茶なんてまた作り直せばいいんです、テーブルクロスだって洗えばいいんですから…」
全く気にしていないように微笑むリリィ様、俺はまた迷惑をかけた…リリィ様の役に立とうって決めてたのに…
「さぁ片付けちゃいますね、すぐに作り直しますから待っててください」
「そんな!俺が片付けます!そんな迷惑かけといて片付けまで…俺、役に立たないといけないのに…!」
「…役に、立たないといけない…ですか」
ティーカップを片付けようとするリリィ様の前に手を出し静止する、俺はこれ以上リリィ様に迷惑をかけられなかった
「…ねぇ、聞いてくださる?」
そんな俺の手に、リリィ様は手を重ねてきた…小さくて、暖かい…優しい手を重ねてリリィ様は言葉を紡いだ
「…私は別に、あなたを下男として迎え入れたわけじゃありませんのよ?ただ私の家族になって欲しかっただけなの…」
そう言葉を紡いだリリィ様の顔は酷く悲しそうで…そんな顔をさせたのは間違いなく俺で、胸が痛いほど締め付けられる
「どうしてあなたは…なんでも一人で片付けようとしてしまうのかしら…ケーキだって、取ってと一言声さえ掛けてくれればよかったのに…そういうのは、悲しいですわ」
「だって、迷惑に…ただでさえ、うちの親父が迷惑をかけて…そのリリィ様の好意に甘えて…!」
「迷惑だなんて…思うはずない、どうして貴方が私の迷惑を決めてしまいますの?私の迷惑は、私が決めること…貴方に、家族にかけられる迷惑なんて…迷惑じゃありませんわ。家族に甘えられる、それのどこが迷惑なのでしょう」
「そんなの…嘘だ…お、俺ずっと迷惑かけて…俺に一億なんて価値ないのに、リリィ様に好かれる価値すらない…リリィ様の好意に甘えて、それって迷惑だ…」
「…不安に、なってしまったのですわね。無理もありませんわ…急に大金で買い取られた、だなんて何も知らなかった貴方にとっては重荷でしかありませんもの…ごめんなさいね」
あぁ、リリィ様に謝らせてしまった…リリィ様が謝ることなんて一つもないのに俺ってやつはまた迷惑を…!
「あぁでも…よかった、こうちゃんが優しい子で…そんなに深く私のことを考えて、こんなにも心を痛めてくれる…そんな相手、お金なんてものをいくら積んでも…そうそう現れるものじゃありませんわ。」
よかった…?こんな俺に、リリィ様は「よかった」と言ったのか…
「だから…ありがとうね、こーちゃん…私を想ってくれて…♪」
リリィ様から「ありがとう」と、その言葉を聞いた瞬間に俺の心は嬉しさに震えた…さっきまで暗い気持ちの底にいたのに、たったその一言だけで…俺は救われてしまった
俺がかける迷惑が、迷惑なんじゃないって…リリィ様が本気で、そう想ってることに気付かされてしまったから
リリィ様なら俺のことを、本気で愛してくれると…甘えさせてくれるんだと、そうリリィ様が気付かせてくれたから
「…お、俺…母さんが、死んでから…ずっと、ちゃんとしなくちゃって…人に迷惑をかけないようにって、生きてきた…!自立した人に、ならなくちゃって…!」
気が付けば俺はしゃがみ込んで泣いていた、誰にも打ち明けなかった心の奥に隠してた気持ちを吐き出していた
「親父も…会社のために、頑張ってたから…!俺も、迷惑かけたくなくて…!でも、ほんとは…」
「寂しかった…辛かった、甘えたかったのですわね…?」
「うん…うんっ…!」
泣き噦る俺をリリィ様は優しく抱きしめてくれた、吐き出した気持ちを受け止めてくれた…とても身体は小さいのに、全てを包み込んでくれそうだ
「貴方は優しい子…誰にも迷惑をかけようとしないで、全部抱えこんで…辛かったですわね、苦しかったでしょう…?よしよし、全部全部…吐き出してしまいましょう?大丈夫、私が受け止めてあげます…私に、甘えてください…」
泣いた赤子をあやすように、抱かれた俺は優しく頭を撫でられる…それがたまらなく心地よくて、まるで母親に甘えるようにリリィ様を強く抱きしめた
「なんでもいいんですの、どんなに小さなことでもいいから…私を頼ってください。最後にありがとうって言ってもらえたら、私はそれだけで嬉しいんですのよ…♪」
「ぅ、うぅ〜…っ」
「迷惑を怖がっちゃダメですわ。私になら、迷惑をかけていいの…家族なんだから、迷惑は迷惑じゃないの、わかった?」
「は、い…あ、あり、がとう…!」
「まぁ、まぁまぁまぁ!ふふっ、早速言われてしまいましたわ♪よしよし…たーんと甘えて、いっぱい迷惑かけちゃってくださいね〜…♪」
そうしてしばらく俺は、リリィ様の小さな胸の中でわんわんと泣きじゃくった、気分は…悪くなかった
…
「…あー」
「ふふっ♪」
「う〜…っ」
「あらあら…♪」
散々泣いて、落ち着いて冷静になったら…俺は恥ずかしくて死にそうだった
えっ?自分で失敗して?わんわんと子供みたいに泣いて?慰められて?…情けないったらありゃしなかった
「忘れてください〜…気の迷いだったんです〜!」
「嫌ですわ、お墓まで持っていきます♪」
「リリィ様ぁ〜!」
あの後は泣き止んだ俺にリリィ様がまた新しいお茶を用意してくれて、今度は向かい合うようにではなく隣同士にくっついて座っている
先の一件でリリィ様との距離はグッと縮まった、お陰で俺の心臓は高鳴りっぱなしだった
「死にてぇ〜〜〜…恥ずか死ぬ…」
「あらあら、滅多なことを言わないのっ!死んでしまったら、こーちゃんに甘えてもらえなくなってしまいますわ」
「それは…うん、俺も困る…な」
そして俺はリリィ様にはもう遠慮なく甘えるようにした、あんな姿見られてるし、もうとことんやってやるしかない、彼女もそう望んでいる
「私はこーちゃんの家族なんですから、いーっぱい甘えていいんですよっ♪亡くなってしまった御母様の代わりと言ってはなんですけど、これからは私がこーちゃんのママになってあげますからね〜♪」
「あ、甘えるのは…わかったけど…母親代わりっていうのは、て、照れるね」
「…嫌、ですか?」
「嫌じゃ、ないよ…ありがとう、そんな風に言ってもらえて嬉しい」
「あらぁ〜♪こーちゃんったら本当にいい子ですわ、そうやって言われたことをすぐに出来るなんてえらいですっ♪よしよし、私はこーちゃんのママですから…なんでも頼ってくださいね〜♪」
腕を伸ばして俺の頭を撫でるリリィ様、恥ずかしいけど心地よくて…なんでも素直にされてしまいそうだ
「…あら、お茶とケーキが無くなりましたわ。ふふっ、名残惜しいですけれどティータイムはおしまいですわね」
「あ、はい…美味しかったです、リリィ様…」
先の一件もあり少し日も傾いてきている、夕食のこともあるし丁度いいだろう…少し、いやかなり名残惜しいけど
「また一緒にティータイムをしましょ?ふふっ、一緒にいるだけでこんなにもティータイムが楽しくなるだなんて…やっぱりこーちゃんを迎えて良かったですわ」
「…俺も、リリィ様が迎えてくれてよかったです」
「まぁまぁ、さっきから私の心を喜ばせることばかり言ってくださいますのね♪今日の夕食は期待していてくださいまし、こーちゃんがうちに来た記念ですから」
「は、はい!あ…そうだ、何か手伝えることは…」
「ふふっ、こーちゃんはゆっくり休んでいてください。夕食の時間になったら呼びますから、それまで自由にしていてくださいね」
リリィ様は魔法でティーセットを片付けると、そのまま屋敷へと入っていった…俺はリリィ様が去った後少しだけ中庭を歩いてから、自室に戻る
「…はぁ」
部屋に着くなり溜息が出た、色々と溜まっていたものが吐き出せてスッキリしたけど…また俺の心にはモヤモヤが募っていた
リリィ様が俺の悩みを解決してくれたはずなのに、また悩みが出てくるなんて…俺はなかなかに強欲らしい
リリィ様のことを考えると、心臓の動きが早くなって…苦しくなる、なのにリリィ様のことを考えることはやめられない
リリィ様と話していると、リリィ様が笑っていると…心があったかくなって、幸せになる…
「まいったな…これじゃ、俺…リリィ様に恋してるみたいじゃん」
実際に、そうなんだろう…俺はリリィ様のことが好きなんだ、母親代わりにまでなると言ってくれたリリィ様が好きで好きでたまらないんだ
「〜〜〜っ…!」
自覚してしまうと恥ずかしさがこみ上げてきて、大きなベッドに飛び込むと枕に顔を埋めてジタバタしてしまう、乙女か俺は
多分俺はいま頭が整理できていない、よし!一旦抜いて頭をスッキリさせよう!そうしよう!
夕食まではまだ時間あるだろうし、悩んだら一発抜いて寝る!これが一番だ
「さてさて、俺は一人エッチに勤しむとしますかね」
ズボンを脱いで下半身を露出させる、興奮していた俺の一物はすでにそそり勃って硬くなっていた
「あ…そういやオカズとか家に置きっぱで無いや…」
うーん、俺のエロ本コレクションを思い出して…思い出して…
(なんでもいいんですの、どんなに小さなことでもいいから…私を頼ってください)
…頭にリリィ様のことがチラつく、いや流石にリリィ様をネタにするのは…
(よしよし…たーんと甘えて、いっぱい迷惑かけちゃってくださいね〜…♪)
「…っ」
リリィ様は甘えてもいいと、迷惑をかけてほしいと言っていた…うん、頭の中でくらいいいだろう
「リリィ様…ごめんなさい」
俺は頭の中でリリィ様をひん剥くと、自慰行為に入る…俺の好みはボインなお姉さまだったはずなのに、リリィ様の裸を想像したら今までよりも一際性欲が滾ってくる
「リリィ様、リリィ様…!」
「はぁい♪」
「…え?」
自慰行為の最中、俺の呼び掛けに居ないはずのリリィ様が返事をした。
ベッドから声のする方に頭を向けると、リリィ様がベッドに頬杖を立ててこちらをニコニコとしながら眺めていた
「…あら?邪魔しちゃったかしら、続けて続けてぇ♪」
「えっ、いや…あの…」
見られた、リリィ様に俺の…見られてしまった!よりにもよって、リリィ様をネタにしていたことさえも見られてしまった!
「わっ、わぁ!?」
「あらあら、そんなに驚かなくたって〜」
リリィ様はそんなことを気にする様子もなく、俺を…いや俺の下半身をニコニコと眺めていた
「ご、ごめ、ごめんなさい!」
「あら、隠しちゃいやですわ♪もっとよく見せてくださいまし♪」
下半身を隠そうとズボンに手をかける俺の手をリリィ様が止める、なんだこの怪力は…魔物だからとでもいうのか
「ちょっ!何してんですか!離して…ってそもそもなんでいるの!?」
「たまたま通りかかったら私を恋しそうな声で呼んでいるものですから、何かと…」
「うっ…声に出してたか…」
「うふふっ♪それでぇ…貴方は何をしていたのかしらぁ、私の名前を呼んで♪」
わざとらしく聞いてくるリリィ様、くぅ…分かっているくせに意地悪だ
「…ちょっと運動をね?しようと思った次第でございます」
素直に自慰していたと告白するほど俺は度胸はない、無難な言葉で誤魔化すことにしよう
「あらあら、運動だなんて言葉で誤魔化さなくたって…私のこと考えながらシていたのでしょう?…お、な、に、ぃ♪」
そんな誤魔化しなど吹き飛ばすように直球な言葉を返してくるリリィ様、俺ですら言葉を選んで自慰とか言っていたのに…
しかしこんなリリィ様みたいな女の子の口からそんな淫語が出てくると、何故か俺は今まで以上に強く興奮してくる
「あらあら、いまビクビクぅ♪って反応しましたわね、こういうのがお好きなんですか?ふふっ♪」
「い、いや…そういうわけじゃ…」
ない、と思いたいがこの下半身の反応を見ると眉唾だ…実際にリリィ様の口から出た言葉に俺の身体は強い反応を見せてしまった
「…ねぇ、こーちゃんのオナニー…私に見せて下さいますか?」
「えっ、えぇっ!?」
「こーちゃんだって、そんなに大きくさせて〜…このままじゃスッキリしないんじゃありませんか?わざわざ記憶の私をオカズにしなくたって…ふふっ♪私が、直接オカズになって差し上げますわ♪」
り、リリィ様の前で…するなんて、そんなこと…いやしかし、リリィ様を直接オカズにできるなんて…考えるだけで達していまいそうなくらい下半身がビクビク怒張する
「くすっ♪いま、おちんちんがお返事しましたわねっ♪はぁい、しこしこしたいよ〜♪って、ふふっ♪さぁさ…私がちゃんと、こーちゃんの…お、な、さ、ぽ♪してあげますわ♪」
「う、うぅ…お、お願いします…」
リリィ様の誘惑に耐え切れず俺は屈してしまった…リリィ様に自慰行為を手伝ってもらうことになってしまった…
「ほら、姿勢もちゃんと私に見えるようにして…はぁい♪ちゃんとおなにーしてるとこ、見えますよぉ〜♪」
「うぅ…」
俺はリリィ様の言う通りに、ベッド脇に大股を開くように腰掛け…その足の間の隙間に、リリィ様は頬づえを立て超至近距離で俺の下半身を凝視する
(り、リリィ様の顔が…俺の、モノのすぐ近くに…っ、い、息も当たっ…!)
正直もう羞恥とかそういうのは吹っ切れていた、俺はただ快楽を貪るだけの雄となろう…
「り、リリィ様…リリィ様ぁ…っ」
「はぁい♪ちゃんと見てますよぉ、こーちゃんが私でしこしこ〜♪ってしてるところ♪こんな小さな女の子をオカズにオナニーしてる、変態おちんちん♪ビクビクぅってしてますわ♪」
俺の劣情を駆り立てる為に、リリィ様はわざとらしくいやらしい言葉で俺をなじる…下半身はさらに赤く張り詰め爆発していまいそうなくらいだ
「ほらほらぁ、私のことをオカズにするのでしょう?なぁんでも、好きなことおねだりしてくださいな♪」
「ぅ、あ…っ、リリィ様っ…ぱ、ぱんつ…見してください…!」
「ぱんつ、ですかぁ♪ふふっ♪はぁい♪見せてあげますよ♪私の、お、ぱ、ん、ちゅ♪どうですかー?生の脱ぎたておぱんちゅですよ〜♪」
パンツが見たいという俺の要望に、リリィ様はサッとスカートの中に手を入れるとひらひらと黒い三角の布を見せびらかすように揺らす
あ、あれがリリィ様の履いているおパンツ様…できれば履いているところをスカートたくし上げて見せて欲しかったが…いやしかし見えないスカートの中を想像するのは、これはさらに欲情を掻き立てる
いま、この脱ぎたてのおパンツ様がリリィ様の手元にあるということはリリィ様はいま履いていないのだ
「り、リリィ様の…ぱ、パンツ…ふーっ、ふーっ…!はぁ…はぁ…!」
「あらあらぁ♪もっと早くしこしこ〜♪ってしちゃってぇ…そんなに私のおぱんちゅがいいのかしら♪ほらほらぁ、もっとほかにしてほしいことはないの♪」
今ですら達するのを堪えるのが大変なのに、まだ要望に応えてくれるらしい…ここでリリィ様を丸裸にするのは簡単だが…
「ぁっあ、じゃあ…っ、リリィ様…、服っ…たくし上げて…!お腹見せて…!」
「…え、お、お腹…ですの?胸、とか…お股とかじゃなくて…?」
俺の要望に少し困惑を見せるリリィ様、いやしかし重要なのである、ただ胸や股間を見るだけではリリィ様で見抜きさせてもらう最高の快楽は得られない
リリィ様のぷにろり体型で最高の見抜きするための重要なファクターはそのロリ特有のイカ腹にあるのだ(剛弁)
「そう、お腹…リリィ様のぷにろり腹見せて…っ!」
「…ふふっ♪こーちゃんったら、予想以上の変態さんですわね♪いいですわっ♪ほらぁ、これで満足ですの?ご所望の、ぷにろりお腹ですわよ♪」
ぺろん、とリリィ様は胸下辺りまで服をたくし上げた…慎ましくも、むちっとした肉感の、正しくぷにろりの魅力溢れるお腹だ
陶器のような色白の、美しいロリ体型の曲線美…見ているだけで柔らかさが伝わってくる女性的な魅力も損なわないまさに完全…いや究極体!触れて、擦り付ければどんなに気持ち良いだろうか!
いやしかし触れることはない、あくまでこれは見抜き…リリィ様によるオナニーサポート、オカズなのである
「うぉぉぉぉおぉぉお!!!」
「きゃっ♪しこしこはやいはやーい♪ふふっ、こんなに喜んでもらえるだなんて♪初めてこの身体に感謝致しますわ♪私の身体にこんなに欲情していただけるなんて♪」
「うっ、うぅ…!り、リリィ様!そろそろ、い、イきます…!」
「あらっ♪ぴゅっぴゅしちゃいますのっ♪私のおぱんつと、おなか見ておしゃせーしちゃいますのねっ?いいですわよ♪一番気持ち良いところで、好きなところでびゅーびゅーしてくださいまし♪どろどろのせーえき、ぴゅくぴゅくぅ♪っておもらししちゃってください♪」
リリィ様がいやらしく射精を促してくる、俺は性欲の赴くままに…白濁の劣情を、リリィ様の顔にぶちまけた
「ぴゅっぴゅー♪ぴゅくぴゅくぅ♪すごぉい♪熱いせーえき掛かってる…♪私のお顔を妊娠させるつもりなのかしらぁ♪くっさぁいざーめん、私の髪の毛に沁みて臭いついちゃいますわ♪」
俺の大量の白濁汁を顔に受けたリリィ様は恍惚な表情を浮かべている、顔面パックのように白く汚れたリリィ様の姿を見ながら俺は射精の余韻に浸りベッドに倒れこんだ
「はぁー…!はぁー…!」
精魂尽きるとはまさにこのことだろう、いままで決して得ることのできない快楽を味わってしまった…たった一度抜いただけでとんでもない疲労感だ
「あらあら…お疲れかしら…♪よしよし♪頑張っておしゃせーしましたからね…ゆっくりおやすみしてください♪お夕飯になりましたら、起こして差し上げますから…♪」
「は、はひ…」
そのままベッドに倒れこみ、俺は白濁に汚れたリリィ様が微笑みながらそう言ったのを最後に意識を手放した
…
「…こーちゃん」
誰か、俺を呼んでいる…
誰だ…この女の子の声は…なんだか、落ち着く声だ…
「もぉ、こーちゃんったら…お夕飯の時間ですわよ。ほら…おっきなさってくださいまし!」
「…ぅ、あ…リリィ、様…?」
声に目を覚ますと、リリィ様が俺の顔を覗き込んでいた…あぁ、起こしてくれたのか
「おはよう…ございます」
「おはようございます♪そろそろお夕飯ですから起こしに来ましたわ、さぁお布団から出ていらっしゃい♪」
そういうとリリィ様は俺の上に被さっている布団を引き剥がした、なんだか妙にスースーするなぁ…
「…まぁ♪お元気ですのね♪」
「えっ、わ、わあ!?」
そりゃスースーするはずだ、俺は下半身丸出しだった…寝起き特有のアレは元気に自己主張している
「ふふっ、さっきあれだけ出したのにまだ足りなかったかしら…♪」
「っ〜…!」
俺は寝る前の自らが晒した痴態を思い出した、そうだ俺はリリィ様に…!
「あらあらあらあら♪そんなお顔真っ赤にさせちゃって、ふふっ♪気持ちよかったですか、私を使ったオナニーは♪もう一発ヌいておきますか?なんて♪」
「うぅ…なんであんなことをしてしまったんだ…」
あれは自分でも驚くほどだった、まさかあんなにもリリィ様に変態的な願望をぶつけてしまうとは…知らない間に俺は重度のロリコンになっていたらしい
「くすくすっ♪まさかあんなにこーちゃんがマニアックだとは思いませんでしたわ、パンツならまだしもお腹見せて〜だなんて♪」
「わ、忘れてくださいぃ〜…」
「うふふ♪嫌、ですわ♪」
「うぅ…ご、ご飯…食べましょうか…」
変態的な自慰行為に散々リリィ様に弄られつつも、俺は布団から這い出て身なりを正すと、リリィ様が食堂まで案内してくれる
リリィ様と共にした夕食は凄い豪華(俺が来たお祝いらしい)で、いままで食べたことないような高級食材やらなにやら、物凄い夜ご飯だった
所々でリリィ様がオカズを取るときに「あら、その"オカズ"でいいのかしら♪」とかからかってきたりもして…夕食を食べ終えた俺はリリィ様に勧められてお風呂を頂くことにした
「うー、風呂風呂…」
俺は風呂場を目指して屋敷を闊歩する、確かリリィ様に案内された場所は…
「あれ、どこだっけ?」
この屋敷似たような廊下が多くてあまり注意しないでいると、いつのまにか迷ってしまった…しまったな、リリィ様にまた案内頼めばよかった
「えーっと、この角を曲がって…?次を左、いや、右だったかな」
屋敷をぐるぐるぐると周り、迷いに迷って30分…俺はようやく風呂場にたどり着いた
「やったー…ようやく見つけたぞ」
30分も歩き回って俺はヘトヘトだ、さっさと入って部屋に戻ろう…と、脱衣所で服を脱いで風呂場へと戸を開ける
この屋敷の風呂場は泳げるくらい大きな湯船に、大理石の壁、金の像など…びっくりするくらい豪華なのだ
「あぁ〜、命の洗濯の音ぉ〜」
湯を流す獅子の像の水音を聞きながら俺は湯けむりが立つ風呂場に入る…そこには俺以外いないはず、だったのだが
「…あら?」
「…え?」
そこには、一糸まとわぬ姿の…リリィ様がいた
「まぁ…ふふっ、積極的ですのね♪一緒に入るためにもう一度お風呂ですか?一緒に入りたかったのなら誘ってくだされば良かったのに…」
「えっ、いや…今から入るつもりで…」
「え?」
「ん?」
…あ、これはあれだ、道に迷っている間にリリィ様が俺が風呂を上がったと勘違いして入っちゃったようだ
「い、いやあのですね?お恥ずかしい話なんだけど、今まで屋敷の中で迷っていて…いまようやく風呂にたどり着いたんです…」
「…まぁ、それはそれは…」
しかしうっかり鉢合わせしてしまったが、いまのこの状況は非常にまずいのではないだろうか?すっぽんぽんのリリィ様はあまり気にしていなさそうだが、俺には非常に目の毒だ
あの時は見ることがなかったリリィ様の裸体は幼い少女特有のものでありながらも、俺の劣情を誘う色気の溢れたもので…
「…ふふっ、そんなに見つめられたら恥ずかしいですわ♪」
「えっ、あ…ご、ごめんなさい!俺外出てますから!」
すっかりリリィ様の裸体に目を奪われていた、これ以上はマズイと思い俺は風呂場から退散しようと思ったのだが…リリィ様は出て行こうとする俺の手を掴み引き止めた
「あらあら、せっかくなのだから一緒に入りましょう?」
「い、いや…それは、流石に…」
「今更恥ずかしがる仲ではないでしょう?ふふっ♪あんなことしたあとなんだから…♪」
「でも…」
リリィ様の方をちらっと見る、うぅ…やはり色々と見えて辛いというか、腰のタオルで隠してる暴れん棒がまた暴走をしてしまいそうだ
「それに、このまま上がったら風邪を引いちゃいますわよ?ほらほら、私が洗って差し上げますからシャワーの方に行きますわよ♪」
「あ、あぁ〜…」
半ば強引に俺を引きずり込んだリリィ様、そのまま俺を風呂椅子に座らせると背中からシャワーをかけはじめる
「熱くはないですか?」
「う、うん…気持ちいいです…」
「良かった、それじゃあ続けますわね♪」
シャンプーを手に取り泡立てるリリィ様、髪を洗ってくれるようだがリリィ様と俺の体格差からすると、リリィ様は必然的に俺に抱きつくようなかたちで洗うことになってしまい…
「んしょ…んしょ、かゆいところはありませんか?」
「な、ななな…ないです…はい…」
ぷにぷにと柔らかい感触が背中から伝わってきて、髪を洗われているだけなのに俺の下半身はムクムクと起き上がってきてしまっていた
(うぅ…いかん、いかんぞこれは…リリィ様のろりぼでぃがぷにぷに当たって…)
「はぁい、頭流しますわよ〜目を瞑ってくださいましね♪」
ふとリリィ様の身体が離れて、頭に暖かい流水をかけられる…危険な思考に向かっていたがお陰で我に帰った
「さぁて、次はお背中♪お流しいたしますわ♪」
「いっ!?あ、あの…身体は自分で…」
「ダメですわ、せっかく一緒にお風呂なんですもの。こーちゃんの身体は全部私がきれいにして差し上げます♪」
返事を聞かずにリリィ様は手早くボディーソープを手に取ると、にゅるにゅると俺の身体に塗りたくる
小さくて柔らかいリリィ様の掌が背中を這い回るなんとも言えない快感が身体に走る、丁寧な手つきで肩や脇腹をくすぐる様に洗われるとくすぐったくて身体をよじった
「もぉ、動いたらちゃんと洗えませんわよ?ほらぁ…じっとしていて下さいね♪」
「は、はい…」
リリィ様に優しく注意され、身体を動かさない様に背筋を張るが…下半身の滾るモノを隠すために若干の前のめりになってしまう
「…ふふっ♪えいっ♪」
「ふぁっ!?」
背中を洗っていたリリィ様が急に手を伸ばして、隠していた下半身の怒張に手を触れた…突然の強い快感におかしな声を出してしまった
「背中もある程度終わったところで、そろそろコッチかしら?ふふっ♪待ちきれなかったのかしら、手の中でびくびくぅ♪って暴れていますわ♪」
「ら、リリィ様!?そこはいいですって!」
「あら、ここまで大きくしていて何を言っているのかしら?最初から気づいていましたよ、ボッキしてるの♪あれだけ出したのに元気なことですわ♪」
俺の暴れん棒をにぎにぎと確かめる様に握るリリィ様、自分で触れるのとは全く違う未知の快楽に俺は絶頂に達するのを必死に耐えていた
「ふふっ、耳まで真っ赤にして可愛いですわね♪ただ握っただけでイっちゃいますの?こうやって、しこしこ〜♪ってされたらどうなっちゃいますかね♪」
「ぅっ、あぁっ!くぅ…っ!」
ゆっくりと握った手がストロークを始めた、それだけでもう脳みそが焼き切れるくらいの快楽が頭を支配する
「もっと早くした方がよろしくて?しこしこ〜♪ふふっ、びくびくぅ♪って震えていますわ♪イきそう?イっちゃいますの?ほらほら、びゅ〜びゅ〜♪っておもらししちゃっていいんですのよ?ぴゅくぴゅくぅ♪ぴゅっぴゅー♪」
「う、ぁっ!で、出る…!」
「はぁい♪どうぞ♪たくさんおしゃせーしちゃっていいですわよ♪びゅぅびゅぅ〜♪まぁまぁ、いっぱいおちんちん頑張りましたわね♪えらいえらいですわよ〜♪」
容赦なく搾り取る様なリリィ様の責めに耐えきることが出来ずに、俺は白濁した劣情をリリィ様の手の中で爆発させてしまった…
射精した後の脱力感に見舞われた俺はそのまま後ろにいるリリィ様にもたれかかった、そんな俺をリリィ様は優しく抱きとめるとよしよしと頭を撫でて射精したことを手放しに褒めてくれる
「いっぱいぴゅっぴゅっ♪できましたわね、よしよし♪とってもかっこよかったですわ♪おちんちんもすっきりしましたね〜♪」
「ぁあ…あー…つ、疲れた…」
「あらあら〜お疲れのようですわね、パパッと洗ってゆっくりと休みましょうね♪」
脱力感に身を任せた俺をリリィ様が出早く洗ってくれて、大きな湯船にゆっくりと浸かった…
「あぁ〜…身体に効く…」
「二回目なのにあれだけいっぱい出してくれるなんて、こーちゃんは性豪ですわね♪」
「リリィ様のせいでしょ…」
湯船に浸かる俺の膝の上にリリィ様が座って密着しながら風呂を堪能する、さっきあれだけ出してスッキリしたせいかこれだけ裸のリリィ様と近くても大丈夫だった
「あら♪こーちゃんは私のこと、幼い女の子は恋愛対象としては見れないと言っていませんでした?」
「…リリィ様は別格だよ」
「もぉ、こーちゃんったら…♪」
そうしてしばらく湯船でのんびりとしてから、俺たちは風呂から上がり部屋に戻った
「さぁ、今日は疲れたでしょう?ゆっくりお休みしましょうね〜♪」
「…あの、リリィ様?なんで俺の部屋に?」
「なんでって…それは一緒に寝るためですわ♪さ、ベッドに入りましょう♪」
ベッドに寝転んだリリィ様がおいでおいでと手招きをする、大きなベッドだから二人で寝るのには問題はないのだが…
「えっと、あの…やっぱり男女で一緒に寝るのはマズイのでは…」
「あら、あれだけのことをしておいてまだそんなこと言いますの?もうそんなの気にする仲じゃありませんわ♪ほら、いらっしゃい♪」
「…は、はい…それじゃ、お言葉に甘えて…」
リリィ様に誘われるがままにベッドへと入る、目と鼻の先にリリィ様の顔あってドキドキする…意識してこんな近くで見たことなかったが、やはりリリィ様は美しい
「ふふっ、夢の様ですわ…この私が、こんな素晴らしい人を手に入れることができた…こうやって一緒にいてくれる人がいるなんて…」
「…そんな、俺こそ…夢みたいですよ」
「本当にこーちゃんはいい子…ぎゅ〜っ♪ってしちゃいますわ♪」
リリィ様は感極まった様子で俺の頭を抱き寄せた、ふわりと石鹸の香りがして柔らかい感触が俺の顔を埋めた
「リリィ様ぁ…」
「あらあら…甘えんぼさん♪よしよし、おっきな赤ちゃんみたいね…いっぱい甘えていいんですのよ〜…♪」
「…リリィ様、あったかい…抱かれてると凄い落ち着く…」
子供特有の高い体温だからか、単に風呂上がりだからなのか、とにかくリリィ様のハグは温かみに溢れていて心が融かされていきそうだ
「ふふっ…♪おめめがとろーんってしてきてますわね、このままおねんねしちゃって大丈夫ですわよ〜…♪よしよし、こーちゃんねんね〜…♪」
「う、ん…おやすみ…リリィ、さま…」
頭を撫でる優しい手の感触と、リリィ様の優しい声色を耳に、俺は疲れもありそのまま睡魔に抵抗することなく意識を手放した
「…おやすみなさい、私のかわいい…こーちゃん…♪」
…
18/05/12 21:18更新 / ミドリマメ
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