まましゃーく
俺は昔から出来た人間では無かった
これといった特徴は無いし、これといった自慢できる程の経験があるわけじゃない…何かの記録を残すなんてこともしたことがなかった
それに比べて俺の母親は偉大な人だった、俺が産まれてから早々に父親が病気で亡くなり…その後もたった一人だけで俺を育ててくれて…しかしそんな母親も、ついこの間事故で亡くなってしまった
俺にとって母親はこの世の全てだった、ずっと母親には迷惑をかけてしまっていたし…これから親孝行してあげるつもりだったが…それはできない
全てだった母親が亡くなった俺が、絶望の底まで落ち…自殺を決意するまでそう時間はいらなかった
「…いい風だ」
人目のつかない、立ち入り禁止の丘…から下には波が荒れ狂う海原が広がっていく
ここからなら、身を投げれば確実に死に至る…自ら死ぬには最適と言えるだろう
「母さん、死んだらきっと…会えるかな」
遺書は書いていない、そして誰にも行き先は教えていない…誰も俺が死んだことはわからない
これでいいんだ、何もない…目標のない人生を送るくらいならば…
そう決断し、俺は前へ足を進める
一歩、二歩…そして片足が丘の角へ着く、あと一歩で飛び降りれる
三歩…踏み出して身体が浮遊感に襲われて、そして視界が蒼に変わり身体に衝撃が走り…そのまま身体が動かなくなり視界が黒に変わっていく
息が苦しくなって、肺の空気を全て吐き出すとその気泡がどんどん上へと登っていくのが見える…そしてその気泡が見えなくなると辺りは完全な闇に包まれて、俺は意識を手放した
しばらくして…と言っても、どのくらいか分からないが俺はふと意識を取り戻した
「…うっ…」
ここは天国だろうか地獄だろうか…あの高さから海に落ちて助かるとは到底思えない…
「おいお前、大丈夫か?」
「…ぇ?」
視界に広がったのは、俺を覗き込むように見つめていた幼い少女の顔だった
青白い肌に琥珀の様な目、口からはちらりとギザギザとした歯が見える…銀色の髪を揺らしてこちらを心配そうに覗き込んでいる
「ここは…?」
「よかった…無事みたいだな」
目の前の少女が安心した様な顔で胸を撫で下ろした、俺はここが何処なのか辺りを見渡してみるとそこには色とりどりの魚が優雅に遊泳して、プカプカと下から宝石のような気泡が立ち上っては上に消えていく風景だった
その幻想的な風景に暫し目を奪われた俺だが、すぐにおかしいことに気づく…ここは海の中のように見えるのだが、俺の身体はまるで水の抵抗を感じず、息苦しさもなかった
「何周り見てキョロキョロしてんだ、そんなに海が珍しいのか?」
「いや、なんで海の…中に…」
俺は少女の問いかけに返そうとして、少女見て言葉を失った…それは彼女がどう見ても人間には見えなかったから
腕や背中、腰からヒレのようなものが生えていて…下半身はまるで魚のような尾びれが生えたものになっている、腰の周りや手首にはアクセサリーのような牙の形をしたものが無数についていた
一見すると人魚のように見えるが、その全貌からまるで鮫のように見える…どうやら彼女は海に住む魔物のようだ
「な、なんだよじろじろ見て…は、恥ずかしいからやめろって…」
「あ、あの…君、魔物…?」
「なんだ今更だな、驚かないからてっきり見慣れてるのかと思ったけど…そうだぞ、わたしはマーシャークって魔物だ」
魔物…それは今や知らない人はいないであろう、人とは違う人と共存する生き物…しかし人の世に入っていている魔物はまだあまり多くなく人からしたら多少珍しい存在である
マーシャーク…確か海に住む鮫のような特徴を持った魔物だったか、彼女の見た目からするとまだ幼いように見えるし子供のマーシャークなんだろう
「君が、俺を…?」
「あぁ、わたしが泳いでたらお前が溺れてて沈んでいくのが見えたからな…意識がもう無かったからわざわざシービショップのとこまで行って治療してもらったんだぞ?だからほら、今だって水の中でも苦しくないだろ」
どうやら彼女は海に落ちた俺をご丁寧に助けてくれたらしい…小さいのに行動力のある魔物だ
「そっか…俺、死ねなかったのか…」
「ぁ?どーいうこと?」
俺は可愛らしく小首を傾げる彼女に今までの海に身を投げた経緯を話した…
話し終わると彼女は怒ったような悲しんでいるような、そんな表情で俺を見た
「…話は、わかった」
「…ごめん、せっかく助けてくれたのに」
「…アンタにだって理由があったんだろ、謝らなくていい。けどな…アンタのその、死んじゃったお母さんはそれを望んでるのか?アンタの慕っていたお母さんはそんな人だったのか?」
「…いや、そんなことは望まないだろうな」
情けない、こんな小さな魔物の女の子に正論をぶつけられて…返す言葉も無かった
「アンタは…辛かったんだよな、寂しかったんだよな。だからわたしはアンタを否定はしない、でも…わたしはせっかく助けたアンタが死ぬのは嫌だ」
「…」
「…その、さ。わ、わたしじゃ…代わり、にはなれないかもしれないけど…アンタをちょっとでも支えてやれないかな…?その辛さを、ちょっとだけでも和らげてやれないかな…?」
マーシャークの少女は俺を下から覗き込むかたちでそう言った、この子が母さんの代わりに?…俺には彼女の言葉が理解できなかった
「えっと…?」
「あ、ああもう!だから!わたしがママになってやるって言ってんの!」
「えっ、えっ?」
この俺よりも小さいこの子が、俺のママに…?
「ち、ちょっと、待って!君が、俺の…母さんに?」
「そうだよ、アンタが寂しくないようにわたしが側にいてやれば、死にたいって気持ち…少しくらい無くなるんじゃないのかって…」
「い、いやでも…ほら、君は俺よりも小さいし…」
「なっ!か、身体の大きさは関係ないだろ!わたしはこれでも数十年この海で暮らしてきたんだぞ!アンタよりずっと年上だよ!」
「えっ、マジで?」
「…確かにアタシは他の仲間に比べて身体はちいさいけど、ちゃんと大人なんだぞ?ちゃんとママだってやってやる!…証拠を見せてやろうか」
そう言って彼女はふわふわと泳いで俺の顔近くまでやってくる、そしてふわりとその小さな胸に両手で俺の頭を優しく抱きしめた
「ほら、ぎゅ〜っ♪よしよし、辛かったんだな…いっぱいママに甘えていいんだぞ?辛いのも悲しいのも全部ママが無くしてあげるから…」
「ぅ…あっ!」
耳元でそう優しく囁かれ頭を撫でられる、彼女のじんわりと温かい体温が海水で冷えた俺に伝わってくる
この暖かで何もかもを包み込んでくれそうな、心が安らぐこの感覚…それはまさに、母そのものだった
「どうだ!ちゃんとママ出来てただろ?いいか!いいな!よし、これからわたしがアンタのママだ!」
「あ、あぁ…わ、わかったよ…」
「よーし!それじゃ家族になるんだし、自己紹介だな!アタシはマーシャークのシャナだ、ママって呼んだりシャナお母さんとかでもいいぞ!」
「俺は、コウ…よろしく。えーっと…シャナ、ちゃん?」
「むっ…ちゃん付けはやめないか?なんだか子供扱いされてるようだぞ…ママとかが照れくさいなら最初はシャナでいいぞ?」
「あ、うん…よろしく、シャナ」
「あぁ、よろしくなコウちゃん♪」
こうして半ば強制的に俺は新しい母親ができることになった、おかしな状況だがなんだかとても嬉しくて…不思議と死にたいと思う気持ちは無くなっていた
…
「よし…っと」
俺は海底を歩きながら食べられる貝や海藻などを集め、住処である洞穴まで帰ってくる
あの日から数ヶ月、もうすっかり海の中の暮らしにも慣れたものだ
シャナに助けられたときに俺の身体は海の中でも自由に生きていけるようになった…らしい、初めは慣れない海での生活に四苦八苦したものだがシャナの助けもあり今では海の中を自由に暮らしている
とは言っても住処である洞穴は海底なのにも関わらず、空気の行き届いた広い空間になっており…少ないながらも最低限の家具は置いてある、ここだけに限るのならば普通の人間でも暮らしていけるんだけど…
「まだシャナは帰ってきてないのかな?」
「いるぞ〜♪」
洞穴に戻ってきた俺の後ろからシャナの声がかかる、振り向く瞬間に身体に軽い衝撃が走り洞穴の壁にもたれかかった
「えへへ、おかえりコウちゃん♪」
「ただいまシャナ」
俺に突撃してきたシャナは両手を俺の身体に回し、ぎゅっと背中から抱きついてすりすりとしている
「あぁ〜コウちゃんコウちゃん♪わたしのかわいいコウちゃん♪ママと離れてて大丈夫だったか?何か危ないことはしてないか?魔物に襲われたりしなかったか?」
「相変わらず心配性だな…大丈夫だよ、ただ貝とか取ってきただけだし」
「コウちゃんはえらいなぁ♪ママもいーっぱいお魚取ってきたんだぞ〜」
そういって指差すシャナの方を見ると、入り口に様々な魚たちが大量に積み上げられていた
「さすが…俺も頑張って色々と貝とか獲って来たけど敵わないなぁ」
「コウちゃんは人間だからしょーがないだろ?それに、ついこの間まで陸で暮らしてたコウちゃんがそうやって海の生活を上手く出来てる方がママは凄いと思うぞ♪よしよし、コウちゃんは凄いな〜♪ママの自慢の子だぞぉ♪」
「わっ、シャナ…くすぐったいって」
よしよしと頭を撫でられる、シャナは俺を凄い褒めているけど…このくらいだったら別に海の中に住んでいなかった頃でもできるレベルだ
「もぉ謙遜しなくてもいいってぇ♪そんなところも可愛いんだから〜♪」
「も、もう…シャナったら」
シャナは俺が何をするにも溺愛して褒めてくれる、今まで何かしたことで叱られたことはあまりない
流石に何か危険なことをしようとすると怒られると思うけど…まぁする気もないので、俺はずっとシャナに受け入れられてきた
「あっ…あんまりしつこいとコウちゃんに嫌われちゃうか?えへへ、名残惜しいけどそろそろやめるよ…」
「いや、俺がシャナを嫌うなんてことはまずないと思うからそのまま撫でていいけど…」
「もぉ〜〜〜〜っ♪そんなこといったらママ嬉しくなっちゃうだろ〜〜〜〜♪よしよしよし♪コウちゃんはやっぱり自慢の子だよっ♪ちゅっ♪ちゅっ♪」
歓喜のあまり俺を強く抱きしめて首筋についばむようなキスを飛ばしてくるシャナ、首筋に吸いつかれる度にぞわぞわとした感覚が背中に走る
「ちょっ、シャナ…?」
「えへぇ、コウちゃんコウちゃん♪わたしの宝物♪わたしのだーいすきな大事な大事な子♪絶対に、絶対に離さないからな♪ずっとずーっと一緒だぞぉ♪」
小さな身体で精一杯俺に愛情をぶつけてくるシャナ、初めは戸惑ったけど今はもうこういったのにも慣れた
「シャナ…」
俺は愛情をぶつけてくるシャナのその小さな身体を抱きしめ返すように腕をシャナの背中に回し、そのまま地へ押し倒す
「わっ?コウちゃん…もしかして、ママに甘えてくれるのか?えへへ、だったら嬉しいな♪」
「ん…シャナ、ママに甘えたくなった」
「そうか、そうかそうかぁ♪よーし♪いいぞいいぞ♪いーっぱいママに甘えような♪よしよし♪ずーっとなでなでぇ♪ぎゅっぎゅーっ♪ってしてあげるからな♪」
「ママ…ちゅっ…ん…」
「ふぁ…っ…♪んんっ、ちぅ…♪」
俺は押し倒したシャナの唇に吸い付くようにキスをした、シャナはそれを拒むことなく受け入れて積極的に舌を絡ませてくる
シャナの口の中をぐちゅぐちゅと舌で舐めていく…ギザギザとした歯の一本一本、歯の隙間から歯茎まで余すとこなく舌で侵略していく
「ぷぁ…っ…♪」
お互いが空気を求めて口を離すと舌同士から唾液の糸が引き、とろりと地面を濡らす…シャナは顔を蕩かせて舌を出したまま吐息を漏らした
「ママぁ…!」
その扇情的な様子に俺は更にシャナを求める、そんな俺をまるで大事な宝物を扱うが如く優しい抱擁でシャナは俺を受けとめた
「コウちゃんったら…あんな激しいキスしてぇ…♪そんなにママが恋しいの?うんうん♪そっかそっか♪コウちゃんはママが大好きだもんな…♪いいぞ、いっぱいママを求めて…コウちゃんが望むことはなんだってしてあげるから♪」
「ママ、ママぁ…」
「なぁにコウちゃん?ママに何かしてほしいのかなぁ…♪ママに何をお願いしたいのか言って…♪」
「いつもの、アレして…アレ…」
「うんうん♪いつものだな、いいぞ…たーくさんしてあげるからな♪」
そういうとシャナは俺の身体を引いて地に寝かすように横にするのその上にスルリと移動して、さっきと逆の態勢になる
「それじゃあコウちゃん…あ〜ん♪」
そうしてシャナは大きく口を開くと、そのギザギザとした鋭利な歯を…俺の首筋に突き立てた
首筋にズブズブと入っていくシャナの歯の感触、突き立てられた箇所からはだらりと鮮やかな紅い汁が垂れる
「ぅぁ…あぁ…」
シャナの突き立てた歯と、首筋を舐める滑った舌と柔らかい唇の暖かな感触…一見シャナが俺に牙を突き立てそこから血が流れているように見えるがシャナの歯は決して俺を傷つけたりしない
これはマーシャークであるシャナ特有の現象で、シャナに噛まれた箇所は俺の精と彼女の魔力が混ざり紅い汁となったものが溢れ出るのである
「あむ…じゅる…気持ちいい、コウちゃん…?」
「あ、あぁ…」
噛まれた箇所は痛みではなく上手く言葉を発することが出来なくなる程の快楽がジクジクとした熱とともに走る
「ふふ…気持ち良さそうな顔しちゃってぇ…♪もぉ〜っとかみかみしてあげるからな♪あ〜ん♪」
二度、三度と噛みつかれる度に熱い快楽が走る、その快楽に俺の劣情が膨らんでいき下半身の怒張が自己主張を始める
「あ〜〜〜〜♪コウちゃんったら、えっちな気分になっちゃったんだろぉ♪おちんちんがママをぐい〜♪って押し上げてるぞ♪」
「はぁ…うぁ…っ、ままぁ…っ」
「えへへぇ…♪だいじょーぶっ♪ちゃんとママが気持ち良くしてあげる、コウちゃんはそのまま全部ママに任せていいんだぞ♪ちゅっ♪」
俺に軽くキスをするとシャナは俺の下半身に手を伸ばした、シャナの小さな手…細い指が俺の下半身の怒張をきゅっと握った
「ぁっ…!」
下半身に絡みつくシャナの指…鮫肌、というか非常にきめ細やかな砂のような肌の感触にジクジクと下半身の怒張が疼く
「ふふっ♪きゅってした瞬間にびくびくぅ♪ってしたなぁ♪もぉいっちゃいそうなんだろ♪このまましこしこ〜♪ってしちゃったら、どぉなっちゃうんだろ♪」
「ゃ…ま、ママ…っ」
そんなことを言ってほくそ笑むシャナに俺は抱きつくようにその小さな胸に頭を寄せ、横に振ることで意思を伝える
「んー?…うん♪うんうん♪すぐぴゅっぴゅしたくないんだね♪じゃあじらす?じらそっか♪やだー?やなの♪うん♪出したいんだ♪じゃあ、ぴゅっぴゅしちゃおっか…♪うん♪おちんちんびくびくがんばったなー♪もうがんばんなくていいぞー…♪うんっ♪すきだねー…♪うんうん♪うれしいぞぉ♪ママもコウちゃん好きぃ…♪」
そんな俺を受けとめてよしよしと頭を撫でるシャナ、それと同時に俺を射精に導くために下半身の怒張を握った指が上下にしこしこと動き始める
「びゅーびゅー♪ってしてるときも、ママ♪ママ♪って呼ぼうな♪ママとコウちゃんしかいないんだから♪たくさん声出して甘えんぼして?」
耳元でそう囁かれながらシャナの指が上下に射精を速めてくる、すぐに堪えきれなくなり俺は懇願するようにシャナに縋り付く
「あ、ああぁ…ままぁっ…!で、でちゃ…っ」
「うん♪出ちゃうねー♪わかってるぞー♪はぁい♪出るねー♪せーえきでるぞぉ♪」
そう言ってシャナが一際強く下半身の怒張を握ると、身体が破裂するような快感が身体を走り下半身の怒張からはどぷどぷと白濁の劣情が勢い良くシャナの小さな手を汚した
「びゅーびゅー♪びゅるるー♪びゅくびゅく♪ぴゅるるー♪ぴゅくっ♪ぴゅー♪ぴゅーぴゅー♪ぴゅっ♪ぴゅうーっ♪」
そうして射精が収まるまでいやらしく射精の擬音を耳元で囁かれ続けて、俺は全てを出しきり力が入らなくなった身体をだらんとシャナに預けた
「はぁー…はぁー…っ!」
「えへへぇ…こんなにい〜っぱい♪おしゃせーしちゃって、そんなに気持ちよかったんだぁ♪」
「うん、うん…シャナ凄かった…」
「こぉら、ママって呼びなさい♪もう疲れておねんねの時間かな、ベッドまで運んであげるな…♪」
ふよふよと空中を泳ぐようにシャナが俺を運ぶ、ここがいくら空気のある地上のような空間でも海の魔力によって海中を泳ぐように動ける…らしい
「よっ…と、それじゃあいっぱいぴゅっぴゅして疲れちゃったろ?コウちゃんがおねんねしてる間にご飯作っちゃうな♪」
ベッドまで運ばれた俺は、シャナに優しくベッドに寝かせられる…俺はご飯を作りに離れようとするシャナの腕を掴みその場に留まらせる
「コウちゃん?ママご飯作りに〜…はいはい♪わかったよ、一緒に寝たいんでしょ♪この甘えんぼさん♪いいぞ、一緒に寝てあげるから…♪」
「…ありがと」
「ふふ、いいのいいの…♪コウちゃんが寝付くまで側にいてあげる…ママは急にいなくなったりしないぞ〜♪よしよし♪子守唄、歌ってあげよっか♪」
ベッドに横になる俺の手をきゅっと掴み、頭を撫でてくれるシャナ…その手つきはまるで大事な宝物を壊さないように丁寧で優しい
「〜…♪」
耳に優しいシャナの声が響いた、いつも歌ってくれるシャナの子守唄は人間の言葉じゃなくてセイレーンのような魔力は無いけど…俺にとって間違いなく一番心地よく眠りに誘ってくる歌であり、射精の疲れからかあっという間に俺の意識を深い闇に誘う
まだシャナの声を聞いていたくて、眠気を少しだけ紛らわせるようにシャナに話しかける
「その、歌って…どういう意味の歌なの…?」
「ん〜…ポセイドン様の海の歌で、母なる海を讃えた歌だぞ♪何か辛かったら海に来なさい〜、母なる海が包み込んであげる〜とか…そんな感じの意味だ♪」
「ん…そうなんだ…」
「ふふ…コウちゃん、まだ寝たくないからそんなこと聞いたんだろ〜♪ちゃんといい子にねんねしなさい♪」
「…バレたか」
「ふふ、ママはなんだってお見通しなんだからな♪さ、また歌ってあげるから…♪」
「うん…おやすみなさい…」
シャナに諭されて俺は、シャナの暖かい手の感触と耳に届く歌声を感じながら…今度こそ深い眠りについた
…
俺は夢を見た、死んだ母さんの夢だ
白い光の空間の中に俺と母さんがいて…母さんが俺から離れて行ってしまう夢
夢の中の俺はそれを制止することなく見送り、そして母さん行ってしまった方向とは逆に歩を進めて…その先にはシャナがいた
俺が光の中でシャナに触れたところで、夢が醒めた
「…母さん」
「あれ、コウちゃん起きたのか?おはよう、なんだか不思議な顔してるけど何かあったの?」
俺が目を覚ましたところにシャナがやってくる、俺は思わずシャナに抱きつく
「シャナ…!」
「きゃんっ!こ、コウちゃん?どうした?なんか怖い夢でも見たの?大丈夫?」
いきなり抱きついた俺にシャナが慌てる、シャナを抱きしめて落ち着いた俺はシャナを腕の中から解放する
「ご、ごめん…」
「いや、いいけど…どうしたのコウちゃん?」
「死んだ母さんの夢を見たんだ…」
「あ〜…えっと、まだやっぱり引きずってたり…するのか?」
俺が母さんの夢を見たことを告げると、シャナが恐る恐るそう言ってきた
「いや、そんなんじゃないんだ…なんだか不思議な夢で、母さんが俺から離れた後…俺がシャナに向かって進んでいく夢で…」
「えっ、わたしも出てきたのか?」
「…多分だけど、俺にはシャナがいて…もう大丈夫だから母さんが俺の中からいなくなったんだと思う…それであんな夢を見たんだと思う」
「そっかぁ、またコウちゃんが自殺しようとか考えてたら否が応でも止めてたけど…なら大丈夫そうだな♪えへへ、それにしても夢の中にもわたしが出てくるなんて嬉しいな♪もうコウちゃんったら、ママのこと大好きなんだから〜♪」
「…そりゃあね、大好きなたった一人の家族だし夢にくらい出るでしょ」
「ふふ、おーいで♪コウちゃん♪」
シャナはニコニコしながら腕を広げる、俺はそのシャナの小さな胸に飛び込む
「コウちゃんはもう、わたしのものなんだからな…いっぱい一緒に過ごして、たくさん笑って、一緒に眠って…」
「あぁ…幸せだな、これからの俺の人生…幸せなことしか待ってないんだ…」
「そうだぞ…これからずっと、ずぅーっとコウちゃんとわたしは一緒だ♪」
俺はあの日で終わらなくてよかった…あの日死ななくて、本当によかった…シャナのおかげで俺はずっと幸せなんだ
「シャナ…」
「ん?なぁに、コウちゃん♪」
「ありがとう、俺を救ってくれて」
「ふふ、そんなこと気にしないの♪わたしはコウちゃんのママなんだからな!さぁさ、せっかくのご飯が冷めちゃうから早く食べような♪」
「…あぁ、そうだね」
きっといつか、この幸せな日常に終わりは来てしまうのだろうけど…命があればそれは誰も変わらない
俺たちは一緒にいる…この海の中で毎日を幸せに繰り返していく
ずっとずっと、二人で幸せに生きていくんだ
…
これといった特徴は無いし、これといった自慢できる程の経験があるわけじゃない…何かの記録を残すなんてこともしたことがなかった
それに比べて俺の母親は偉大な人だった、俺が産まれてから早々に父親が病気で亡くなり…その後もたった一人だけで俺を育ててくれて…しかしそんな母親も、ついこの間事故で亡くなってしまった
俺にとって母親はこの世の全てだった、ずっと母親には迷惑をかけてしまっていたし…これから親孝行してあげるつもりだったが…それはできない
全てだった母親が亡くなった俺が、絶望の底まで落ち…自殺を決意するまでそう時間はいらなかった
「…いい風だ」
人目のつかない、立ち入り禁止の丘…から下には波が荒れ狂う海原が広がっていく
ここからなら、身を投げれば確実に死に至る…自ら死ぬには最適と言えるだろう
「母さん、死んだらきっと…会えるかな」
遺書は書いていない、そして誰にも行き先は教えていない…誰も俺が死んだことはわからない
これでいいんだ、何もない…目標のない人生を送るくらいならば…
そう決断し、俺は前へ足を進める
一歩、二歩…そして片足が丘の角へ着く、あと一歩で飛び降りれる
三歩…踏み出して身体が浮遊感に襲われて、そして視界が蒼に変わり身体に衝撃が走り…そのまま身体が動かなくなり視界が黒に変わっていく
息が苦しくなって、肺の空気を全て吐き出すとその気泡がどんどん上へと登っていくのが見える…そしてその気泡が見えなくなると辺りは完全な闇に包まれて、俺は意識を手放した
しばらくして…と言っても、どのくらいか分からないが俺はふと意識を取り戻した
「…うっ…」
ここは天国だろうか地獄だろうか…あの高さから海に落ちて助かるとは到底思えない…
「おいお前、大丈夫か?」
「…ぇ?」
視界に広がったのは、俺を覗き込むように見つめていた幼い少女の顔だった
青白い肌に琥珀の様な目、口からはちらりとギザギザとした歯が見える…銀色の髪を揺らしてこちらを心配そうに覗き込んでいる
「ここは…?」
「よかった…無事みたいだな」
目の前の少女が安心した様な顔で胸を撫で下ろした、俺はここが何処なのか辺りを見渡してみるとそこには色とりどりの魚が優雅に遊泳して、プカプカと下から宝石のような気泡が立ち上っては上に消えていく風景だった
その幻想的な風景に暫し目を奪われた俺だが、すぐにおかしいことに気づく…ここは海の中のように見えるのだが、俺の身体はまるで水の抵抗を感じず、息苦しさもなかった
「何周り見てキョロキョロしてんだ、そんなに海が珍しいのか?」
「いや、なんで海の…中に…」
俺は少女の問いかけに返そうとして、少女見て言葉を失った…それは彼女がどう見ても人間には見えなかったから
腕や背中、腰からヒレのようなものが生えていて…下半身はまるで魚のような尾びれが生えたものになっている、腰の周りや手首にはアクセサリーのような牙の形をしたものが無数についていた
一見すると人魚のように見えるが、その全貌からまるで鮫のように見える…どうやら彼女は海に住む魔物のようだ
「な、なんだよじろじろ見て…は、恥ずかしいからやめろって…」
「あ、あの…君、魔物…?」
「なんだ今更だな、驚かないからてっきり見慣れてるのかと思ったけど…そうだぞ、わたしはマーシャークって魔物だ」
魔物…それは今や知らない人はいないであろう、人とは違う人と共存する生き物…しかし人の世に入っていている魔物はまだあまり多くなく人からしたら多少珍しい存在である
マーシャーク…確か海に住む鮫のような特徴を持った魔物だったか、彼女の見た目からするとまだ幼いように見えるし子供のマーシャークなんだろう
「君が、俺を…?」
「あぁ、わたしが泳いでたらお前が溺れてて沈んでいくのが見えたからな…意識がもう無かったからわざわざシービショップのとこまで行って治療してもらったんだぞ?だからほら、今だって水の中でも苦しくないだろ」
どうやら彼女は海に落ちた俺をご丁寧に助けてくれたらしい…小さいのに行動力のある魔物だ
「そっか…俺、死ねなかったのか…」
「ぁ?どーいうこと?」
俺は可愛らしく小首を傾げる彼女に今までの海に身を投げた経緯を話した…
話し終わると彼女は怒ったような悲しんでいるような、そんな表情で俺を見た
「…話は、わかった」
「…ごめん、せっかく助けてくれたのに」
「…アンタにだって理由があったんだろ、謝らなくていい。けどな…アンタのその、死んじゃったお母さんはそれを望んでるのか?アンタの慕っていたお母さんはそんな人だったのか?」
「…いや、そんなことは望まないだろうな」
情けない、こんな小さな魔物の女の子に正論をぶつけられて…返す言葉も無かった
「アンタは…辛かったんだよな、寂しかったんだよな。だからわたしはアンタを否定はしない、でも…わたしはせっかく助けたアンタが死ぬのは嫌だ」
「…」
「…その、さ。わ、わたしじゃ…代わり、にはなれないかもしれないけど…アンタをちょっとでも支えてやれないかな…?その辛さを、ちょっとだけでも和らげてやれないかな…?」
マーシャークの少女は俺を下から覗き込むかたちでそう言った、この子が母さんの代わりに?…俺には彼女の言葉が理解できなかった
「えっと…?」
「あ、ああもう!だから!わたしがママになってやるって言ってんの!」
「えっ、えっ?」
この俺よりも小さいこの子が、俺のママに…?
「ち、ちょっと、待って!君が、俺の…母さんに?」
「そうだよ、アンタが寂しくないようにわたしが側にいてやれば、死にたいって気持ち…少しくらい無くなるんじゃないのかって…」
「い、いやでも…ほら、君は俺よりも小さいし…」
「なっ!か、身体の大きさは関係ないだろ!わたしはこれでも数十年この海で暮らしてきたんだぞ!アンタよりずっと年上だよ!」
「えっ、マジで?」
「…確かにアタシは他の仲間に比べて身体はちいさいけど、ちゃんと大人なんだぞ?ちゃんとママだってやってやる!…証拠を見せてやろうか」
そう言って彼女はふわふわと泳いで俺の顔近くまでやってくる、そしてふわりとその小さな胸に両手で俺の頭を優しく抱きしめた
「ほら、ぎゅ〜っ♪よしよし、辛かったんだな…いっぱいママに甘えていいんだぞ?辛いのも悲しいのも全部ママが無くしてあげるから…」
「ぅ…あっ!」
耳元でそう優しく囁かれ頭を撫でられる、彼女のじんわりと温かい体温が海水で冷えた俺に伝わってくる
この暖かで何もかもを包み込んでくれそうな、心が安らぐこの感覚…それはまさに、母そのものだった
「どうだ!ちゃんとママ出来てただろ?いいか!いいな!よし、これからわたしがアンタのママだ!」
「あ、あぁ…わ、わかったよ…」
「よーし!それじゃ家族になるんだし、自己紹介だな!アタシはマーシャークのシャナだ、ママって呼んだりシャナお母さんとかでもいいぞ!」
「俺は、コウ…よろしく。えーっと…シャナ、ちゃん?」
「むっ…ちゃん付けはやめないか?なんだか子供扱いされてるようだぞ…ママとかが照れくさいなら最初はシャナでいいぞ?」
「あ、うん…よろしく、シャナ」
「あぁ、よろしくなコウちゃん♪」
こうして半ば強制的に俺は新しい母親ができることになった、おかしな状況だがなんだかとても嬉しくて…不思議と死にたいと思う気持ちは無くなっていた
…
「よし…っと」
俺は海底を歩きながら食べられる貝や海藻などを集め、住処である洞穴まで帰ってくる
あの日から数ヶ月、もうすっかり海の中の暮らしにも慣れたものだ
シャナに助けられたときに俺の身体は海の中でも自由に生きていけるようになった…らしい、初めは慣れない海での生活に四苦八苦したものだがシャナの助けもあり今では海の中を自由に暮らしている
とは言っても住処である洞穴は海底なのにも関わらず、空気の行き届いた広い空間になっており…少ないながらも最低限の家具は置いてある、ここだけに限るのならば普通の人間でも暮らしていけるんだけど…
「まだシャナは帰ってきてないのかな?」
「いるぞ〜♪」
洞穴に戻ってきた俺の後ろからシャナの声がかかる、振り向く瞬間に身体に軽い衝撃が走り洞穴の壁にもたれかかった
「えへへ、おかえりコウちゃん♪」
「ただいまシャナ」
俺に突撃してきたシャナは両手を俺の身体に回し、ぎゅっと背中から抱きついてすりすりとしている
「あぁ〜コウちゃんコウちゃん♪わたしのかわいいコウちゃん♪ママと離れてて大丈夫だったか?何か危ないことはしてないか?魔物に襲われたりしなかったか?」
「相変わらず心配性だな…大丈夫だよ、ただ貝とか取ってきただけだし」
「コウちゃんはえらいなぁ♪ママもいーっぱいお魚取ってきたんだぞ〜」
そういって指差すシャナの方を見ると、入り口に様々な魚たちが大量に積み上げられていた
「さすが…俺も頑張って色々と貝とか獲って来たけど敵わないなぁ」
「コウちゃんは人間だからしょーがないだろ?それに、ついこの間まで陸で暮らしてたコウちゃんがそうやって海の生活を上手く出来てる方がママは凄いと思うぞ♪よしよし、コウちゃんは凄いな〜♪ママの自慢の子だぞぉ♪」
「わっ、シャナ…くすぐったいって」
よしよしと頭を撫でられる、シャナは俺を凄い褒めているけど…このくらいだったら別に海の中に住んでいなかった頃でもできるレベルだ
「もぉ謙遜しなくてもいいってぇ♪そんなところも可愛いんだから〜♪」
「も、もう…シャナったら」
シャナは俺が何をするにも溺愛して褒めてくれる、今まで何かしたことで叱られたことはあまりない
流石に何か危険なことをしようとすると怒られると思うけど…まぁする気もないので、俺はずっとシャナに受け入れられてきた
「あっ…あんまりしつこいとコウちゃんに嫌われちゃうか?えへへ、名残惜しいけどそろそろやめるよ…」
「いや、俺がシャナを嫌うなんてことはまずないと思うからそのまま撫でていいけど…」
「もぉ〜〜〜〜っ♪そんなこといったらママ嬉しくなっちゃうだろ〜〜〜〜♪よしよしよし♪コウちゃんはやっぱり自慢の子だよっ♪ちゅっ♪ちゅっ♪」
歓喜のあまり俺を強く抱きしめて首筋についばむようなキスを飛ばしてくるシャナ、首筋に吸いつかれる度にぞわぞわとした感覚が背中に走る
「ちょっ、シャナ…?」
「えへぇ、コウちゃんコウちゃん♪わたしの宝物♪わたしのだーいすきな大事な大事な子♪絶対に、絶対に離さないからな♪ずっとずーっと一緒だぞぉ♪」
小さな身体で精一杯俺に愛情をぶつけてくるシャナ、初めは戸惑ったけど今はもうこういったのにも慣れた
「シャナ…」
俺は愛情をぶつけてくるシャナのその小さな身体を抱きしめ返すように腕をシャナの背中に回し、そのまま地へ押し倒す
「わっ?コウちゃん…もしかして、ママに甘えてくれるのか?えへへ、だったら嬉しいな♪」
「ん…シャナ、ママに甘えたくなった」
「そうか、そうかそうかぁ♪よーし♪いいぞいいぞ♪いーっぱいママに甘えような♪よしよし♪ずーっとなでなでぇ♪ぎゅっぎゅーっ♪ってしてあげるからな♪」
「ママ…ちゅっ…ん…」
「ふぁ…っ…♪んんっ、ちぅ…♪」
俺は押し倒したシャナの唇に吸い付くようにキスをした、シャナはそれを拒むことなく受け入れて積極的に舌を絡ませてくる
シャナの口の中をぐちゅぐちゅと舌で舐めていく…ギザギザとした歯の一本一本、歯の隙間から歯茎まで余すとこなく舌で侵略していく
「ぷぁ…っ…♪」
お互いが空気を求めて口を離すと舌同士から唾液の糸が引き、とろりと地面を濡らす…シャナは顔を蕩かせて舌を出したまま吐息を漏らした
「ママぁ…!」
その扇情的な様子に俺は更にシャナを求める、そんな俺をまるで大事な宝物を扱うが如く優しい抱擁でシャナは俺を受けとめた
「コウちゃんったら…あんな激しいキスしてぇ…♪そんなにママが恋しいの?うんうん♪そっかそっか♪コウちゃんはママが大好きだもんな…♪いいぞ、いっぱいママを求めて…コウちゃんが望むことはなんだってしてあげるから♪」
「ママ、ママぁ…」
「なぁにコウちゃん?ママに何かしてほしいのかなぁ…♪ママに何をお願いしたいのか言って…♪」
「いつもの、アレして…アレ…」
「うんうん♪いつものだな、いいぞ…たーくさんしてあげるからな♪」
そういうとシャナは俺の身体を引いて地に寝かすように横にするのその上にスルリと移動して、さっきと逆の態勢になる
「それじゃあコウちゃん…あ〜ん♪」
そうしてシャナは大きく口を開くと、そのギザギザとした鋭利な歯を…俺の首筋に突き立てた
首筋にズブズブと入っていくシャナの歯の感触、突き立てられた箇所からはだらりと鮮やかな紅い汁が垂れる
「ぅぁ…あぁ…」
シャナの突き立てた歯と、首筋を舐める滑った舌と柔らかい唇の暖かな感触…一見シャナが俺に牙を突き立てそこから血が流れているように見えるがシャナの歯は決して俺を傷つけたりしない
これはマーシャークであるシャナ特有の現象で、シャナに噛まれた箇所は俺の精と彼女の魔力が混ざり紅い汁となったものが溢れ出るのである
「あむ…じゅる…気持ちいい、コウちゃん…?」
「あ、あぁ…」
噛まれた箇所は痛みではなく上手く言葉を発することが出来なくなる程の快楽がジクジクとした熱とともに走る
「ふふ…気持ち良さそうな顔しちゃってぇ…♪もぉ〜っとかみかみしてあげるからな♪あ〜ん♪」
二度、三度と噛みつかれる度に熱い快楽が走る、その快楽に俺の劣情が膨らんでいき下半身の怒張が自己主張を始める
「あ〜〜〜〜♪コウちゃんったら、えっちな気分になっちゃったんだろぉ♪おちんちんがママをぐい〜♪って押し上げてるぞ♪」
「はぁ…うぁ…っ、ままぁ…っ」
「えへへぇ…♪だいじょーぶっ♪ちゃんとママが気持ち良くしてあげる、コウちゃんはそのまま全部ママに任せていいんだぞ♪ちゅっ♪」
俺に軽くキスをするとシャナは俺の下半身に手を伸ばした、シャナの小さな手…細い指が俺の下半身の怒張をきゅっと握った
「ぁっ…!」
下半身に絡みつくシャナの指…鮫肌、というか非常にきめ細やかな砂のような肌の感触にジクジクと下半身の怒張が疼く
「ふふっ♪きゅってした瞬間にびくびくぅ♪ってしたなぁ♪もぉいっちゃいそうなんだろ♪このまましこしこ〜♪ってしちゃったら、どぉなっちゃうんだろ♪」
「ゃ…ま、ママ…っ」
そんなことを言ってほくそ笑むシャナに俺は抱きつくようにその小さな胸に頭を寄せ、横に振ることで意思を伝える
「んー?…うん♪うんうん♪すぐぴゅっぴゅしたくないんだね♪じゃあじらす?じらそっか♪やだー?やなの♪うん♪出したいんだ♪じゃあ、ぴゅっぴゅしちゃおっか…♪うん♪おちんちんびくびくがんばったなー♪もうがんばんなくていいぞー…♪うんっ♪すきだねー…♪うんうん♪うれしいぞぉ♪ママもコウちゃん好きぃ…♪」
そんな俺を受けとめてよしよしと頭を撫でるシャナ、それと同時に俺を射精に導くために下半身の怒張を握った指が上下にしこしこと動き始める
「びゅーびゅー♪ってしてるときも、ママ♪ママ♪って呼ぼうな♪ママとコウちゃんしかいないんだから♪たくさん声出して甘えんぼして?」
耳元でそう囁かれながらシャナの指が上下に射精を速めてくる、すぐに堪えきれなくなり俺は懇願するようにシャナに縋り付く
「あ、ああぁ…ままぁっ…!で、でちゃ…っ」
「うん♪出ちゃうねー♪わかってるぞー♪はぁい♪出るねー♪せーえきでるぞぉ♪」
そう言ってシャナが一際強く下半身の怒張を握ると、身体が破裂するような快感が身体を走り下半身の怒張からはどぷどぷと白濁の劣情が勢い良くシャナの小さな手を汚した
「びゅーびゅー♪びゅるるー♪びゅくびゅく♪ぴゅるるー♪ぴゅくっ♪ぴゅー♪ぴゅーぴゅー♪ぴゅっ♪ぴゅうーっ♪」
そうして射精が収まるまでいやらしく射精の擬音を耳元で囁かれ続けて、俺は全てを出しきり力が入らなくなった身体をだらんとシャナに預けた
「はぁー…はぁー…っ!」
「えへへぇ…こんなにい〜っぱい♪おしゃせーしちゃって、そんなに気持ちよかったんだぁ♪」
「うん、うん…シャナ凄かった…」
「こぉら、ママって呼びなさい♪もう疲れておねんねの時間かな、ベッドまで運んであげるな…♪」
ふよふよと空中を泳ぐようにシャナが俺を運ぶ、ここがいくら空気のある地上のような空間でも海の魔力によって海中を泳ぐように動ける…らしい
「よっ…と、それじゃあいっぱいぴゅっぴゅして疲れちゃったろ?コウちゃんがおねんねしてる間にご飯作っちゃうな♪」
ベッドまで運ばれた俺は、シャナに優しくベッドに寝かせられる…俺はご飯を作りに離れようとするシャナの腕を掴みその場に留まらせる
「コウちゃん?ママご飯作りに〜…はいはい♪わかったよ、一緒に寝たいんでしょ♪この甘えんぼさん♪いいぞ、一緒に寝てあげるから…♪」
「…ありがと」
「ふふ、いいのいいの…♪コウちゃんが寝付くまで側にいてあげる…ママは急にいなくなったりしないぞ〜♪よしよし♪子守唄、歌ってあげよっか♪」
ベッドに横になる俺の手をきゅっと掴み、頭を撫でてくれるシャナ…その手つきはまるで大事な宝物を壊さないように丁寧で優しい
「〜…♪」
耳に優しいシャナの声が響いた、いつも歌ってくれるシャナの子守唄は人間の言葉じゃなくてセイレーンのような魔力は無いけど…俺にとって間違いなく一番心地よく眠りに誘ってくる歌であり、射精の疲れからかあっという間に俺の意識を深い闇に誘う
まだシャナの声を聞いていたくて、眠気を少しだけ紛らわせるようにシャナに話しかける
「その、歌って…どういう意味の歌なの…?」
「ん〜…ポセイドン様の海の歌で、母なる海を讃えた歌だぞ♪何か辛かったら海に来なさい〜、母なる海が包み込んであげる〜とか…そんな感じの意味だ♪」
「ん…そうなんだ…」
「ふふ…コウちゃん、まだ寝たくないからそんなこと聞いたんだろ〜♪ちゃんといい子にねんねしなさい♪」
「…バレたか」
「ふふ、ママはなんだってお見通しなんだからな♪さ、また歌ってあげるから…♪」
「うん…おやすみなさい…」
シャナに諭されて俺は、シャナの暖かい手の感触と耳に届く歌声を感じながら…今度こそ深い眠りについた
…
俺は夢を見た、死んだ母さんの夢だ
白い光の空間の中に俺と母さんがいて…母さんが俺から離れて行ってしまう夢
夢の中の俺はそれを制止することなく見送り、そして母さん行ってしまった方向とは逆に歩を進めて…その先にはシャナがいた
俺が光の中でシャナに触れたところで、夢が醒めた
「…母さん」
「あれ、コウちゃん起きたのか?おはよう、なんだか不思議な顔してるけど何かあったの?」
俺が目を覚ましたところにシャナがやってくる、俺は思わずシャナに抱きつく
「シャナ…!」
「きゃんっ!こ、コウちゃん?どうした?なんか怖い夢でも見たの?大丈夫?」
いきなり抱きついた俺にシャナが慌てる、シャナを抱きしめて落ち着いた俺はシャナを腕の中から解放する
「ご、ごめん…」
「いや、いいけど…どうしたのコウちゃん?」
「死んだ母さんの夢を見たんだ…」
「あ〜…えっと、まだやっぱり引きずってたり…するのか?」
俺が母さんの夢を見たことを告げると、シャナが恐る恐るそう言ってきた
「いや、そんなんじゃないんだ…なんだか不思議な夢で、母さんが俺から離れた後…俺がシャナに向かって進んでいく夢で…」
「えっ、わたしも出てきたのか?」
「…多分だけど、俺にはシャナがいて…もう大丈夫だから母さんが俺の中からいなくなったんだと思う…それであんな夢を見たんだと思う」
「そっかぁ、またコウちゃんが自殺しようとか考えてたら否が応でも止めてたけど…なら大丈夫そうだな♪えへへ、それにしても夢の中にもわたしが出てくるなんて嬉しいな♪もうコウちゃんったら、ママのこと大好きなんだから〜♪」
「…そりゃあね、大好きなたった一人の家族だし夢にくらい出るでしょ」
「ふふ、おーいで♪コウちゃん♪」
シャナはニコニコしながら腕を広げる、俺はそのシャナの小さな胸に飛び込む
「コウちゃんはもう、わたしのものなんだからな…いっぱい一緒に過ごして、たくさん笑って、一緒に眠って…」
「あぁ…幸せだな、これからの俺の人生…幸せなことしか待ってないんだ…」
「そうだぞ…これからずっと、ずぅーっとコウちゃんとわたしは一緒だ♪」
俺はあの日で終わらなくてよかった…あの日死ななくて、本当によかった…シャナのおかげで俺はずっと幸せなんだ
「シャナ…」
「ん?なぁに、コウちゃん♪」
「ありがとう、俺を救ってくれて」
「ふふ、そんなこと気にしないの♪わたしはコウちゃんのママなんだからな!さぁさ、せっかくのご飯が冷めちゃうから早く食べような♪」
「…あぁ、そうだね」
きっといつか、この幸せな日常に終わりは来てしまうのだろうけど…命があればそれは誰も変わらない
俺たちは一緒にいる…この海の中で毎日を幸せに繰り返していく
ずっとずっと、二人で幸せに生きていくんだ
…
17/02/23 21:44更新 / ミドリマメ