読切小説
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マムドール
俺は牧野ヒロシ、何処にでもいる普通の学生だったが少し前に生きた人形…リビングドールという不思議な人形の女の子を拾ってから人生が変わった


その女の子の名前はアメリア、彼女は幼い少女の姿をしていて美しいロールの銀髪、ガラス玉のような碧眼、こだわり抜かれた造形は見るものを魅了する


そんな彼女は俺の母親のような存在で、俺の身の回りの世話などをしてくれる。幼い少女の姿をしているが彼女はずっと昔に作られた人形らしく歳は俺よりもずっと上で何もかもを包み込んでしまうほどの母性に溢れている


俺はそのアメリアに子供のように甘えきって、いつしか完全にアメリア無しでは生きられなくなってしまっていた…


そんな俺は今とても悩んでいた、今までは何とかなっていたが最近になってからアメリアから離れることすら出来なくなっていた


無論学生である俺は学校に行く際はアメリアと離れなければならないわけなのだが…それがとても辛く耐えきれるものでは無くなってしまったのだ


「はぁ…」


「ヒロシちゃま、一体どうしましたの?どこか痛いのですか?それとも私が何か…」


俺はその悩みから溜息が漏れてしまった、そんな俺をずっと膝枕していてくれていたアメリアがとても心配した様子で俺を見た


そんな俺を心配してくれているアメリアを見ているとその気持ちが更に膨れ上がってしまい俺は心が張り裂けそうになる


たかだか学校に行った半日アメリアと離れるだけということがすっかり出来なくなってしまった…こんな調子では学校に行けなくなったりするし将来が不安だ


いや、俺自身に原因があるのはわかってる…俺が悪いのだ、俺が甘ったれでアメリアに頼りきってるからこんなことになってしまったのだ


「うぅ〜…アメリアぁ…」


「あらあら、まぁまぁ…一体どうしましたの?よしよし、ヒロシちゃま、落ち着いてくださいまし!大丈夫ですわ、大丈夫ですから…あらあら、どうしましょう…」





アメリアの細い腰にしがみついて泣きつく俺に、いつも落ち着いているアメリアが珍しく狼狽えている…その珍しい様子に俺はもうちょっとこの様子を見ていたくなった


まぁこんなことを長くするとアメリアに嫌われかねないので、ちょっとしたらちゃんと話すとしよう


「…うーん、これで話してくれるかしら…」


そんなことを考えていたらアメリアが何かを決めたように、そう呟く…そうして俺の顔をちょっと強引に上げさせる


「アメリア…?」


俺はその様子に少し戸惑っていると、ふんわりと優しい笑みを浮かべてアメリアが俺のことをぎゅっと抱きしめ、頭を撫でて耳元で甘く囁いた


「ヒロシちゃま、一体どうしましたの…♪なにか嫌になることあったのですか…♪ヒロシちゃまがつらいつらいだと、ママも悲しくなるんですよ〜…♪なにがあったのかママにお話できますか〜…?」


「ぅあ…っ」


アメリアはそういって抱きしめた俺の背中をさすりながら、よしよしと宥めた…そうしていやらしく首筋を舐めたり耳を甘噛みしてきた


これは卑怯だ、こんなことされたら逆らうことは出来ない…俺はアメリアと離れたくないという悩みをぽつりぽつりと口から出す


それを聞いたアメリアは一瞬固まって、すぐに嬉しそうに口をにんまりとさせた。


「うん♪うんうんっ♪そうでしたの…♪でもママ、ヒロシちゃまは悪くないって思いますわ♪ヒロシちゃまはいいこですから♪私、いいこなヒロシちゃま大好きですわ♪」


「うぅ、アメリア…」


「大丈夫♪なーんにも気にしなくていいんですのよ♪大丈夫♪いいこいいこ♪よしよし♪ヒロシちゃま好きですわ♪好き♪大好き♪大好きだから♪大丈夫♪いいこですわね♪ママは側にいますからね〜♪」


俺の悩みを聞いたアメリアがいつもより更に俺を甘やかしてくれる、どうやらアメリアからしたら俺の悩みは嬉しかったようだ


「それじゃあ…いつもみたいに、いや〜なことぴゅっぴゅー♪ってないないしましょっか♪ママでぴゅっぴゅで嫌なこと、上書きしちゃいましょうねー♪」


「ぅあ…っ」


そういってアメリアが俺の股間に手を伸ばした、2度3度と摩られると俺の股間はムクムクと劣情が湧いて出て硬くなってしまう…それが何だか気恥ずかしくて俺はアメリアから目を逸らした


「こぉらっ♪ちゃんとこうして目合わせないとダメでしょ♪恥ずかしいですの?ふふ、恥ずかしいことは悪いことじゃないですから♪えっちなのは、いいことですのよ♪恥ずかしいのは恥ずかしくない♪いっぱいママで恥ずかしくなっちゃいましょ♪ね、ほらっ♪ママで頭い〜っぱいっ♪もうママのことしか考えられなくなりましょう♪いいこだから、ね?好きだから♪好き…♪」


アメリアが俺の額にこつんと額を当て至近距離で見つめ合う、視線を外すことも許されずに俺はアメリアから送られ続ける快楽に身を攀じらせる


「くすっ♪えいえいえいっ♪おてて早いですわねっ♪あっ♪んぅっ♪ママぴゅっぴゅさせる気満々なおててになりましたわね♪あっ♪あっ♪ヒロシちゃまが一番恥ずかしそうにしてる顔♪見られちゃいますわね♪今日からは目つむったらダメですわ♪そのほうがきもちーですから♪ママいっぱい感じられちゃうんですよ♪」


「あっ、あ…アメリア…っ!」


だらしなく緩んだ顔をじっとアメリアに見つめられながらのアメリアの手淫は身体が溶けてしまいそうなほどで、たちまち射精感が昇ってくる


「お顔♪とろとろになってきてますわよ♪ぴゅっぴゅして、ママ♪ママっ♪ってなってるとこ♪たっくさん見ててあげますからね♪ほらっ♪おいでおいで♪そのままママに向かっておしゃせー♪じょうずにできますか?」


「うん…うん…っ!」


「うんうんっ♪むかむかぁっ♪もやもやぁっ♪って気持ち♪ママのこと思って作っちゃったせーえきくんで、ないない♪ぴゅっぴゅ♪おいで♪いいですわ♪ぴゅっぴゅ♪ぴゅーぴゅー♪大丈夫大丈夫♪好き♪大好き♪ヒロシちゃま大好き♪いいこ♪いいこいいこ♪いいこですわね♪好き♪好きですわ♪びゅっ♪びゅーっ♪びゅくびゅく♪大丈夫だから♪おいでおいで♪」


アメリアに射精を促されるように言葉を畳み掛けられると俺はたまらず精を吐き出した、どくどくと脈打ってはアメリアの小さな手を汚していく


「ママ、アメリアママぁ…!」


「はぁいっ♪ママですわ♪ママのこと呼びたくなっちゃったんですの?うんうん♪もっと呼んでくださいまし♪ここにいますから♪びゅるびゅるしてくださいね♪」


「うぅぅ…っ」


そうして二、三度と射精をして俺はその場に寝転ぶように倒れこんだ、身体には心地よい気だるさがあって頭がボーッとする


「あらあら…おねむですの?うんうん…悩み吐き出して疲れちゃいましたのね、お夕飯になったら起こして差し上げますから…ゆっくりお眠りなさいませ、ちゅっ…♪」


「ぁ…」


薄れゆく意識の中で俺の口に一瞬だけ柔らかく暖かいものが当たる感触だけが鮮明に感じた、俺はアメリアのおやすみのキスだと認識できるとそのまま微睡みの中に意識を手放した





しばらくしてからアメリアが俺を起こしてくれる、夕飯が出来たらしい


相変わらず美味しそうな料理がテーブルに並べられていて、芳しく香りが鼻腔をくすぐり空腹の腹を攻めてくる


そうしてアメリアと他愛もない会話をしながら、のんびりと食事を終えると満腹感でいっぱいになった身体で居間に寝転がった


「あらあらヒロシちゃま、食べた後にすぐゴロゴロしたらおデブな牛さんになってしまいますわよ?」


そこに食事の後の洗い物を済ませたアメリアがちょこんと寄り添って座ってきた、あんなことを言っているがアメリアは俺の髪を優しく撫でて甘えさせている


「うーん、牛かぁ…悪くないかもなぁ」


「もぉ…おデブさんになったらみっともないですわよ?」


「日がな1日、モーモー言ってぐうぐう寝るのも、のんびりしてて良くない?」


「そんなことしてるとドナドナされてお肉にされちゃいますわよ」


「アメリアは俺が牛になってもそんなことしないでしょ?」


「確かに私はそんなことしませんけど…あ、でも♪お肉になったらお腹いっぱい食べてあげますわ♪他の人にあげるなんて絶対に嫌ですもの♪だったらいっそのこと私だけで食べてあげますわ♪」


アメリアがちょっと怖いことを言い始めた、アメリアに食べられるなら本望な気がしないでもないが…とりあえず俺はゆっくりと上半身を起き上がらせる


「うーん、じゃあとりあえず牛にならないように何かするかなぁ」


「きゃん♪」


そうして横に座っているアメリアを腰から抱き上げるとそのまま俺の膝にちょこんと座らせた、そしてアメリアのロールがかかった髪に指を梳かすように入れる


アメリアのさらさらの髪は俺の指を抵抗なくすり抜けて元のロールに戻る、その感触が不思議と気持ちよくて何度も手櫛でアメリアの髪を梳かす


「あらあら…♪髪のお手入れをしてくださいますの?ふふ、ありがとうございますわ…とっても気持ちいいですの♪」


改めて触れてみると、アメリアの身体…頭から手足に至るとこまで全てがとても小さい、手や足なんかは俺の半分くらいしかないし頭だって両手ですっぽりと覆ってしまえそうなほどだ


いつもそんな小さい身体で俺のことを甘やかしてくれていることを考えると、俺はとても胸が締め付けられた


本当はアメリアに辛い思いをさせてるんじゃないか?…そんなことが頭によぎる、きっとアメリアに聞いても「そんなことありませんわ♪」と笑うだろうけど


「ね、アメリア…俺にもなんかあったら言って、俺だってちょっと家事するくらい出来るからさ」


「嫌ですわ」


「そんなきっぱり言わなくても…確かに俺じゃ頼りないかもしれないけど」


「そうじゃありませんわ、家の家事を含めたヒロシちゃまのお世話は私の生き甲斐ですのよ?私の生き甲斐、取らないでくださいまし」


ちょっと口を尖らせてアメリアがそういった、あやうく俺はちょっとだけ泣きそうになった


「…っ」


「ヒロシちゃま…?」


俺はたまらず後ろから抱きかかえるようにアメリアを抱きしめ、ロールがかかった髪に顔を埋めた


アメリアは俺の悩みを聞いてくれた、しかし実際のところは解決に至ったわけではない…この先の将来俺はアメリアと幸せになれるのだろうか?


「アメリア…俺、アメリアと片時も離れたくないよ…でも、学校とかちゃんと行かないと…卒業したら就職だってするし…そうしたらやっぱりアメリアと離れちゃうし…」


「…ね、ヒロシちゃま…それは、ヒロシちゃまが本当にしたいことですの?私は無理に学校に行ったり、無理にお仕事をなさるヒロシちゃまは見たくありませんわ」


「でも、そうしないと…このご時世暮らしてい
くなんて…」


今は学生だからいい、しかしずっと今のままというわけには行かない…この現代社会で何もせずに好きなことだけで生きて行くなんて無理なのだ


「はいヒロシちゃま、これ」


「なに、これ…通帳?」


アメリアが何処からか、銀行の通帳を取り出して俺に見せてきた


「えっ…!?」


0が1、2、3…10個あるぞ…!?


「これどうやって…」


「子を思う親は強いんですのよ♪まぁ最近流行りのパソコンでちょちょいと、詳しくは秘密ですわ♪」


パソコン関係…株とかFXとか言うやつだろうか、しかしこんな額は見たことがなかった


「ほんとならヒロシちゃまが大人になったら渡そうと思ってましたの、これだけあればずっと二人だけで暮らして行く分には大丈夫でしょう?無理してしたくないことをしなくてもいいんですのよ、ずっとうちに居て…ずっと私にヒロシちゃまをお世話させてくださいませ」


「う、うぅ〜…ママぁ…!」


俺はアメリアのその言葉に涙を堪えることができなくなった、あぁアメリアはそれほどまでに俺を愛してくれている…それが堪らなく嬉しかった


「あらあら、また泣いちゃって…よしよし♪もう心配いらないですわ…ずっと、ずぅーっと私と一緒にいましょうね…♪」


膝に座っていたアメリアがこっちに向き直って俺を優しく抱きしめて頭を撫でてくれる、胸がポカポカと暖かくなって幸せになる


「なんで、なんでアメリアはこんな俺を…そんな風に大事にしてくれるの?こんな甲斐性もなくて、アメリアに甘えっきりな俺を…」


俺は不思議で仕方がなかった、もし俺がアメリアの立場だったとしたら…多分ここまでできない


「ヒロシちゃま、そんなこと言ったら…めっ!ですわよ?…大切な人の悪口は、言われた人よりその人を大切に思ってる人の方が辛いんですのよ」


「あ、ごめん…」


珍しくアメリアに叱られてしまった、今日はアメリアを困らせてばかりだ…


「…ヒロシちゃま、私はヒロシちゃまが幸せならそれでいいんですの。ヒロシちゃまの幸せが私の幸せ、ヒロシちゃまの喜んだ顔が見れれば…それだけで満足なのですわ」


「う、ぅ…アメリア…」


「ヒロシちゃまに甘えてもらえると、私は生きているって実感できますの…ヒロシちゃまの頭を撫でてあげるときの心地よさそうな顔を見ると、私は生まれてきてよかったと心から思えますの」


アメリアが俺の顔を見つめてそういった、いつも優しくにっこりしているアメリアは真剣な顔をしている


「ヒロシちゃまは私のことを、ママとして見てくれて…女の子としても…どっちもの目で見てくれますわね?私はそれが堪らなく嬉しいんですのよ♪」


そういってアメリアが柔らかい笑みを浮かべた、しかしママとして見られるのが嬉しいとはどういうことなのだろう


「なんで、ママとしても見られるのが嬉しいの…?普通あまり好かれることじゃないんじゃ…」


「だって、貴方に愛情を向けられることは…たとえどんな形であっても、それは本当に…本当に嬉しいことだから」


「アメリア…」


「だから、ママとして…女の子として、二倍の愛情を注いでくれるなんて…こんな嬉しいこと、他にはありませんわ♪」


その言葉に、俺は耐え切れなかった


なんでか分からないけど涙がとまらなくなって、アメリアの胸に顔を埋めて子供のようにわぁわぁと泣いた


「あらあら、まぁまぁ…今日のヒロシちゃまはなんだか泣き虫さんですわね…♪よしよし…うん、うんうん…♪えぇ…♪アメリアの胸でいーっぱい泣きましょう…いっぱい泣いてすっきりしちゃいましょうね〜…♪」


ちょっと困ったような、しかし嬉しそうな表情のアメリアが慣れた手つきで俺をあやした


そして俺はアメリアに抱きしめられたまま、泣いて泣いて…泣き疲れて…悩みが、不安が無くなった俺は安心してアメリアに身体を預け切ってアメリアの身体の暖かさを感じながらいつの間にか眠りについてしまっていた


そんな俺を、アメリアはずっと優しく撫でてくれた…その顔はとても穏やかで、慈愛に満ち溢れていた


これからはずっとアメリアの側にいる、片時も離れることは無いだろう…周りから見たらこれは堕落と言えるのだろう


しかし構わない、誰がなんと言おうと俺はアメリアから離れることはない…ずっと死ぬまで、俺はアメリアと一緒にいる


ずっと死ぬまで、アメリアに甘え続けるんだ


16/08/23 00:50更新 / ミドリマメ

■作者メッセージ
ドーモ、ミドリマメです。
マザードールからのバブみ作品が10作目ということで、再びアメリアママを描かせていただきました、アメリアママのお話はこれで一応一区切りだと思います。
3つ話を書くぐらいだったらはじめから連載形式にすればよかったと思いました、まさか続くとは…アメリアママは偉大ですね

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