研究所ととらわれし者
「ああぁぁぁうぅぅぅっぅ〜〜〜。だべだばぁぁぁ。。」
「我慢しろ、もう少しで目的ポイントに到着する」
「ばながまがりぞう〜〜。」
「しっかりしろ。」
人間の俺でもかなりキツイ・・・・俺とアヴィは、セントラントに張り巡らされている下水道の中を進んでいた。セントラントの外周部から中心部への潜入するには、各ゲートに設けられている検問所を通らなければならない。しかし、違う世界から来た俺は怪しく見られるだろうし、ましてや人に変化しているアヴィでは、ばれる危険が有る為に通る事が出来ない。強引に突破してもイイのだが、今回は潜入後に探し物をした後に無事に出て行かなければならないからな・・・。
「だから残れって言っただろう。」
「だっでぇ〜、ヴァッズのごどがじんぱいなんだもん〜〜」
なぜ、こんな所を使って中心部へと進んでいるかと言うと、俺とミントとアヴィの三人で話し合ってた時に、一人の男がミントを訪ねてやって来た。
「あ!おにいちゃん、いらっしゃい♪」
「こんばんわ。マイハニーw」
「このおにいちゃんはわたし達の協力者で頼れる人なの♪」
そうミントは言っているが・・・(おにいちゃん)?
「いや、ミントちゃんにそう言って貰えると嬉しい限りですが、私はいち紳士に過ぎませんから」
・・・・(紳士??)どう言う意味だ?この世界特有の言い回しだろうか・・・
「なにやら、お困りのようですね。中心部に行くのであれば地下に下水道がありますよ。そこから中に入れますよ。」
「おぉ〜〜、さすがわたしのおにいちゃん♪」
「大丈夫なのか?」
警戒している俺がその『紳士?』に訪ねた。
「大丈夫ですよ。管理している私が言うのですから。」
そう男は言った。・・・・どうやらこの世界の特殊な感覚はあまり深く考えない方がいいようだ。
しかし、この臭い・・・ワー・ウルフ種であるアヴィにはかなりきついものがあると思うが・・・・
そろそろ目的ポイントの筈、俺は下水道の地図を確認しながらアヴィに声を掛けた。
「ここの上だ。」
「ばべりゅ??」
鼻声で何を言っているのか分からないくらいに酷い。
「ここで少し待っていろ。上の安全を確認してくる。」
「べりゅ。」
アヴィが頷くのを見て、俺は下水道の中から外の様子を確認するために梯子を昇って行った。
下水道の蓋を少し持ち上げてみると日が沈み掛けていた。周りを確認するとそこは人通りのすくない裏道の
目立たない場所で周りには人影が見当たらなかった。
ミントと紳士?の情報に寄れば、ここから北側にある建物が『鎮魂の腕輪』がある研究所になる。アヴィに合図を送り素早く裏路地へ出た。
周りを警戒しているとアヴィも中から出て来たが、
「危なかった〜〜あとちょっとでも下水道に居たら私はおかしくモガァ・・」
「シッ!」
俺はアヴィの口を押さえた。気持ちは分かるが安全だと分かるまでは不用意に言葉を出すのは危ない。
アヴィの耳元で小さな声で囁いた。
「まずは、安全が確認できる所で少し休もう。」
少し離れた場所に倉庫がある。中を確認すると埃が溜まっており長らく使われていない事を示していた。音を立てないように慎重に中に入ってみると、倉庫の中は以外に広く所々に木箱が置かれていた。
「ここなら安全だろう。」
そうアヴィに声を掛けながらアヴィを見ると
「ラッツ、不味い事になった。」
そう言いながらローブを脱ぐアヴィ
「なにを!・・・・あぁ、そのようだな。」
ローブを脱いだアヴィの方を見ると人への変化が解けており、アヴィの尻尾と犬耳、犬手がありありと見えた。
「アヴィ・・・。騙したな?」
「しッ失礼な!騙してない!!言わなかっただけだ。」
どうやら人への変化は、効果時間があるようだが・・・。
「なにも無ければ、人間の姿を保ってられたのだ。さっきラッツが私の口を押さえて、耳元で囁いたりするから・・・・ゴニョゴニュ。。」
「とにかく効果が切れた訳だな。」
「・・・そうなる。」
「今すぐもど「いやにゃかぁ!」
・・・・・俺が言い終わる前にアヴィが俺の言葉を遮った。しかも、思いっきり噛みながらだ。
「ふっふふ。」
俺は、その場の緊張感にも関わらず笑った。
「ワラウなぁ、痛かったんだぞ。」
「すまない。しかし、かなり危険な状況だぞ?」
「私だって馬鹿じゃない。この状況がかなり危険な事は分かっている。」
「そうか。ここで少し休もう。下水道の臭いでアヴィの自慢の鼻も使えなくなってるだろ?」
「・・・・確かにな。」
少しして、アヴィが口を開いた。
「なぁ、ラッツ。腕輪を手に入れたらどうするんだ?」
「・・・仲間を助ける方法を探しに行く。」
「でも、今の方が幸せかもしれないじゃないか。」
「そうかもな。」
「ならば、なぜ?」
「前にも言ったと思うが、無理やりは好きじゃない。ハンクス達が選んだことなら俺は何も言わない。だが
、こちらの世界に迷い込んで何も知らない状況でギルタブリル達に捕まってしまった。」
「確かにそうだ。ラッツ達を侵入者として見ていたからな。」
「一度、みんなを助けてギルタブリルの誘惑を消した状態で彼らに選ばせたい。それが俺の願いだ。」
「・・・そうか。」
「アヴィ、ありがとう。」
「え??」
「いや、俺に様々な事を教えてくれて。まだお礼を言ってなかったからな。」
「ちっちょっと、このタイミングでそんなこと言わないでよ!!」
顔を赤くしながらアヴィは怒ったように言った。しかし、目は嬉しそうだった。
しばらく休んだ後、アヴィのワーウルフ種としての嗅覚と聴覚を頼りに、警備網の隙間を的確につきながら研究所の裏手の位置が見える所で隠れていた。しばらく見ていると警備員が一人きりのようだった。
俺は、アヴィに待つように指示すると警備員の方へ足音を殺しながら近付いて行った。暗い事もあり、俺が近くまで接近しても歩哨は気づいてない様だった。
「ハロ〜♪」
「だれdぁ『ガッ!!』
俺は、警備員の首筋を一撃して相手を気絶させた。素早く物陰に引き摺って行き、相手の衣服をはぎ取った。警備員の制服に着替えた俺は、アヴィの方に合図した。
裏門から中に入ると正面には、施設へと入る入口が右手には地下へ荷物を運び込む為の階段が有った。
アヴィが、耳元へ囁きかけた。
「ラッツ。微かだが地下へと続く階段からから魔物の臭いがする。」
「分かった。」
階段を下ってそっと扉を開けて中の様子を探る。正面は奥へと続く通路で左手には小部屋があり、そこに2名の警備員が手札に興じていた。基本的に警備の方は杜撰なようだが・・・俺たちは、見つからないように
奥へと続く通路へと向かった。
奥へと進むといくつかの部屋と下へと続く階段を発見した。どうやら各部屋には鍵が掛かっており、長い間放置されているようだった。
俺は小声でアヴィへと問いかけた。
「臭いはどこからだ?」
「どうやら下の方からだが・・・どうもイヤな臭いもする。」
「ん??」
「気のせいだと思うが・・・」
その時、階段をあがる足音が聞こえて来た。
「やっぱりイイよなぁ〜〜。魔物って言うのはどんなにヤっても飽きないぜ。」
「ぎゃははあ!!確かになぁ。しかし、お前ってば酷いよな〜〜。チンコを喉の奥までいれてよ〜〜♪あいつ胃液まで吐いてたぞ。」
「あぁぁ?相手は魔物だぞ。あれくらいなんでもねぇーさぁ。」
「ぎゃはは!!確かになぁ」
俺とアヴィは素早く合図をして階段の上り口の両脇に構えた。
「おい。次はどんなプレイをする?」
「そうだなぁ〜。犬とかとさせるのもいいんjぁ・・・」
胸糞悪い会話でムカついていた俺は、
「動くな。それと喋るな。」
左手の男の首筋にナイフを当てていた。アヴィの方を見ると同じように相手を拘束している。
だが、忠告を無視して左の男が口を開いた。
「なんだお前らla『ブッツ!』ごgyたぁ・・・」
当ててあったナイフを横に引き、相手の喉を裂いた。
ひゅーひゅーっと喉を鳴らしながら相手がもがくのを押さえて力が抜けた段階で横たえた。
アヴィに拘束されている男に向かって言った。
「忠告は一度切りだ。」
どうやらかなりムカついてたらしい。いつもならもう少しマシな対応をするのだが、それと発する言葉が、かなり冷たい。
その様子に気が付いたのだろう。拘束されている男は抵抗の意思をなくして緊張で硬直している。
アヴィも少し驚いた様子で見ているが、どこか納得もしている表情だった。
先ほどの部屋の鍵を開けて3人で中へと入った。
「アヴィ、すまないが見張りを頼む。」
「わかった。」
床へ座らされた男を一瞥しながら言った。
「聞きたい事がある。素直に協力してくれると・・・俺も疲れないし、お前も助かる。分かったか?」
「コクコク!」男は必死な様子で首を縦に振っていた。
男の話によると以前はここで魔物化した人間を元に戻す研究をしていた。しかし、研究成果としては『鎮魂の腕輪』が出来たぐらいで思うような結果が出せずに今では、半分閉鎖された所になっている。
「それで?鎮魂の腕輪はどこにある?」
少しきつめに睨みながら男に問うと、
「ひっぃ・・・こっこの下の階に監禁している魔物の腕にはっ嵌めてある。」
「下の階に見張りは?」
「一人だけだ。」
「ありがと。」
「あっあ・・(ぐぇ!!」
男の首筋に一撃を入れて黙らせる。多分死んでないはずだ。
「なんだ。殺さなかったのか?」
「殺すのは好きじゃないだろう?」
「・・・まぁな。殺すよりもちゃんと裁いて罰を与えたいのが本音だ。」
「・・・理想はそうだな。今はゆっくり議論している場合じゃないしな。」
「そうだな。」
下の階に進むと、曲がり角があり、その通路沿いのひとつの扉の前に男が座っていた。
俺は、相手に気づかれない位置まで進み「よう!」っと声を掛けた。
「んぁ?」
反応の悪い男がこちらを向く瞬間に一気に距離を詰めて相手を組み伏せた。
「動くな。動くと腕が折れるぞ。」
脅しに対して男はもがく事を止めた。
「扉の鍵はどこだ?」
そう問い合わせると男は腰の部分に目を動かしながらこちらへ合図を送って来た。ああ、口を押さえて声を出せないようにしていたのを忘れていた。俺は男の腰の部分から扉の鍵を取り、アヴィに手渡した。
鍵を受け取ったアヴィは、警戒しながら扉を開けた。
俺も男を拘束したまま立たせて、扉へと入って行った。
そこに居たのは、とがった耳、尻尾にケモノの手足を持つ魔物がいた・・・あれはワー・キャット??しかし、そこに繋がれている状態は、かなり酷いものだった。
全裸で手と足は鎖で拘束されており、それぞれ枷の部分は擦れて出血している。しかも、今までいろいろな実験という名の拷問の所為で身体には、大小様々な傷跡がある。先ほどの二人の用に慰め物として扱われているのか、その身体は体液によって汚されていた。その左手には『鎮魂の腕輪』と思われる腕輪がはめ込まれている。
「うがぁぁぁ!!」
「おい!ラッツ!!」
「ああ・・・。」
知らない間に拘束している男へ力を込めていたらしい。
「・・・アヴィ。彼女を解放してくれ。」
「わかった。しかし、酷いケガだぞ。それにかなり弱っている。」
「おい。『鎮魂の腕輪』の外し方は?」
「ひぃぃ・・鍵が・・鍵が必要だ。」
「鍵はどこだ?」
「ここには無い。この建物の上に方にあると思う・・・うがぁ!ホントだ信じてくれ。」
少し力を加えて男へ無言の圧力を掛けたがどうやら本当のようだ。
「どうするラッツ?」
ワー・キャットの拘束を解きながらアヴィがこちらに聞いて来た。
「そうだな・・・・。」
あいつらが、出て行ったあとに犬がはいってきたにゃぁ・・
犬は苦手にゃ・・・
でも、そのあとに入って来た男はイイ匂いにゃ・・・
助けてくれる??・・・犬に命令してるにゃ・・・
ありがとにゃ・・・でも、もう無理だと思うにゃ・・・・どんどん力がぬけて行く感じがするにゃ。
あ・・・眠くなってきたにゃ。。
出来れば・・・さいごは・・・・抱いててほしぃ・・・・・・・
「我慢しろ、もう少しで目的ポイントに到着する」
「ばながまがりぞう〜〜。」
「しっかりしろ。」
人間の俺でもかなりキツイ・・・・俺とアヴィは、セントラントに張り巡らされている下水道の中を進んでいた。セントラントの外周部から中心部への潜入するには、各ゲートに設けられている検問所を通らなければならない。しかし、違う世界から来た俺は怪しく見られるだろうし、ましてや人に変化しているアヴィでは、ばれる危険が有る為に通る事が出来ない。強引に突破してもイイのだが、今回は潜入後に探し物をした後に無事に出て行かなければならないからな・・・。
「だから残れって言っただろう。」
「だっでぇ〜、ヴァッズのごどがじんぱいなんだもん〜〜」
なぜ、こんな所を使って中心部へと進んでいるかと言うと、俺とミントとアヴィの三人で話し合ってた時に、一人の男がミントを訪ねてやって来た。
「あ!おにいちゃん、いらっしゃい♪」
「こんばんわ。マイハニーw」
「このおにいちゃんはわたし達の協力者で頼れる人なの♪」
そうミントは言っているが・・・(おにいちゃん)?
「いや、ミントちゃんにそう言って貰えると嬉しい限りですが、私はいち紳士に過ぎませんから」
・・・・(紳士??)どう言う意味だ?この世界特有の言い回しだろうか・・・
「なにやら、お困りのようですね。中心部に行くのであれば地下に下水道がありますよ。そこから中に入れますよ。」
「おぉ〜〜、さすがわたしのおにいちゃん♪」
「大丈夫なのか?」
警戒している俺がその『紳士?』に訪ねた。
「大丈夫ですよ。管理している私が言うのですから。」
そう男は言った。・・・・どうやらこの世界の特殊な感覚はあまり深く考えない方がいいようだ。
しかし、この臭い・・・ワー・ウルフ種であるアヴィにはかなりきついものがあると思うが・・・・
そろそろ目的ポイントの筈、俺は下水道の地図を確認しながらアヴィに声を掛けた。
「ここの上だ。」
「ばべりゅ??」
鼻声で何を言っているのか分からないくらいに酷い。
「ここで少し待っていろ。上の安全を確認してくる。」
「べりゅ。」
アヴィが頷くのを見て、俺は下水道の中から外の様子を確認するために梯子を昇って行った。
下水道の蓋を少し持ち上げてみると日が沈み掛けていた。周りを確認するとそこは人通りのすくない裏道の
目立たない場所で周りには人影が見当たらなかった。
ミントと紳士?の情報に寄れば、ここから北側にある建物が『鎮魂の腕輪』がある研究所になる。アヴィに合図を送り素早く裏路地へ出た。
周りを警戒しているとアヴィも中から出て来たが、
「危なかった〜〜あとちょっとでも下水道に居たら私はおかしくモガァ・・」
「シッ!」
俺はアヴィの口を押さえた。気持ちは分かるが安全だと分かるまでは不用意に言葉を出すのは危ない。
アヴィの耳元で小さな声で囁いた。
「まずは、安全が確認できる所で少し休もう。」
少し離れた場所に倉庫がある。中を確認すると埃が溜まっており長らく使われていない事を示していた。音を立てないように慎重に中に入ってみると、倉庫の中は以外に広く所々に木箱が置かれていた。
「ここなら安全だろう。」
そうアヴィに声を掛けながらアヴィを見ると
「ラッツ、不味い事になった。」
そう言いながらローブを脱ぐアヴィ
「なにを!・・・・あぁ、そのようだな。」
ローブを脱いだアヴィの方を見ると人への変化が解けており、アヴィの尻尾と犬耳、犬手がありありと見えた。
「アヴィ・・・。騙したな?」
「しッ失礼な!騙してない!!言わなかっただけだ。」
どうやら人への変化は、効果時間があるようだが・・・。
「なにも無ければ、人間の姿を保ってられたのだ。さっきラッツが私の口を押さえて、耳元で囁いたりするから・・・・ゴニョゴニュ。。」
「とにかく効果が切れた訳だな。」
「・・・そうなる。」
「今すぐもど「いやにゃかぁ!」
・・・・・俺が言い終わる前にアヴィが俺の言葉を遮った。しかも、思いっきり噛みながらだ。
「ふっふふ。」
俺は、その場の緊張感にも関わらず笑った。
「ワラウなぁ、痛かったんだぞ。」
「すまない。しかし、かなり危険な状況だぞ?」
「私だって馬鹿じゃない。この状況がかなり危険な事は分かっている。」
「そうか。ここで少し休もう。下水道の臭いでアヴィの自慢の鼻も使えなくなってるだろ?」
「・・・・確かにな。」
少しして、アヴィが口を開いた。
「なぁ、ラッツ。腕輪を手に入れたらどうするんだ?」
「・・・仲間を助ける方法を探しに行く。」
「でも、今の方が幸せかもしれないじゃないか。」
「そうかもな。」
「ならば、なぜ?」
「前にも言ったと思うが、無理やりは好きじゃない。ハンクス達が選んだことなら俺は何も言わない。だが
、こちらの世界に迷い込んで何も知らない状況でギルタブリル達に捕まってしまった。」
「確かにそうだ。ラッツ達を侵入者として見ていたからな。」
「一度、みんなを助けてギルタブリルの誘惑を消した状態で彼らに選ばせたい。それが俺の願いだ。」
「・・・そうか。」
「アヴィ、ありがとう。」
「え??」
「いや、俺に様々な事を教えてくれて。まだお礼を言ってなかったからな。」
「ちっちょっと、このタイミングでそんなこと言わないでよ!!」
顔を赤くしながらアヴィは怒ったように言った。しかし、目は嬉しそうだった。
しばらく休んだ後、アヴィのワーウルフ種としての嗅覚と聴覚を頼りに、警備網の隙間を的確につきながら研究所の裏手の位置が見える所で隠れていた。しばらく見ていると警備員が一人きりのようだった。
俺は、アヴィに待つように指示すると警備員の方へ足音を殺しながら近付いて行った。暗い事もあり、俺が近くまで接近しても歩哨は気づいてない様だった。
「ハロ〜♪」
「だれdぁ『ガッ!!』
俺は、警備員の首筋を一撃して相手を気絶させた。素早く物陰に引き摺って行き、相手の衣服をはぎ取った。警備員の制服に着替えた俺は、アヴィの方に合図した。
裏門から中に入ると正面には、施設へと入る入口が右手には地下へ荷物を運び込む為の階段が有った。
アヴィが、耳元へ囁きかけた。
「ラッツ。微かだが地下へと続く階段からから魔物の臭いがする。」
「分かった。」
階段を下ってそっと扉を開けて中の様子を探る。正面は奥へと続く通路で左手には小部屋があり、そこに2名の警備員が手札に興じていた。基本的に警備の方は杜撰なようだが・・・俺たちは、見つからないように
奥へと続く通路へと向かった。
奥へと進むといくつかの部屋と下へと続く階段を発見した。どうやら各部屋には鍵が掛かっており、長い間放置されているようだった。
俺は小声でアヴィへと問いかけた。
「臭いはどこからだ?」
「どうやら下の方からだが・・・どうもイヤな臭いもする。」
「ん??」
「気のせいだと思うが・・・」
その時、階段をあがる足音が聞こえて来た。
「やっぱりイイよなぁ〜〜。魔物って言うのはどんなにヤっても飽きないぜ。」
「ぎゃははあ!!確かになぁ。しかし、お前ってば酷いよな〜〜。チンコを喉の奥までいれてよ〜〜♪あいつ胃液まで吐いてたぞ。」
「あぁぁ?相手は魔物だぞ。あれくらいなんでもねぇーさぁ。」
「ぎゃはは!!確かになぁ」
俺とアヴィは素早く合図をして階段の上り口の両脇に構えた。
「おい。次はどんなプレイをする?」
「そうだなぁ〜。犬とかとさせるのもいいんjぁ・・・」
胸糞悪い会話でムカついていた俺は、
「動くな。それと喋るな。」
左手の男の首筋にナイフを当てていた。アヴィの方を見ると同じように相手を拘束している。
だが、忠告を無視して左の男が口を開いた。
「なんだお前らla『ブッツ!』ごgyたぁ・・・」
当ててあったナイフを横に引き、相手の喉を裂いた。
ひゅーひゅーっと喉を鳴らしながら相手がもがくのを押さえて力が抜けた段階で横たえた。
アヴィに拘束されている男に向かって言った。
「忠告は一度切りだ。」
どうやらかなりムカついてたらしい。いつもならもう少しマシな対応をするのだが、それと発する言葉が、かなり冷たい。
その様子に気が付いたのだろう。拘束されている男は抵抗の意思をなくして緊張で硬直している。
アヴィも少し驚いた様子で見ているが、どこか納得もしている表情だった。
先ほどの部屋の鍵を開けて3人で中へと入った。
「アヴィ、すまないが見張りを頼む。」
「わかった。」
床へ座らされた男を一瞥しながら言った。
「聞きたい事がある。素直に協力してくれると・・・俺も疲れないし、お前も助かる。分かったか?」
「コクコク!」男は必死な様子で首を縦に振っていた。
男の話によると以前はここで魔物化した人間を元に戻す研究をしていた。しかし、研究成果としては『鎮魂の腕輪』が出来たぐらいで思うような結果が出せずに今では、半分閉鎖された所になっている。
「それで?鎮魂の腕輪はどこにある?」
少しきつめに睨みながら男に問うと、
「ひっぃ・・・こっこの下の階に監禁している魔物の腕にはっ嵌めてある。」
「下の階に見張りは?」
「一人だけだ。」
「ありがと。」
「あっあ・・(ぐぇ!!」
男の首筋に一撃を入れて黙らせる。多分死んでないはずだ。
「なんだ。殺さなかったのか?」
「殺すのは好きじゃないだろう?」
「・・・まぁな。殺すよりもちゃんと裁いて罰を与えたいのが本音だ。」
「・・・理想はそうだな。今はゆっくり議論している場合じゃないしな。」
「そうだな。」
下の階に進むと、曲がり角があり、その通路沿いのひとつの扉の前に男が座っていた。
俺は、相手に気づかれない位置まで進み「よう!」っと声を掛けた。
「んぁ?」
反応の悪い男がこちらを向く瞬間に一気に距離を詰めて相手を組み伏せた。
「動くな。動くと腕が折れるぞ。」
脅しに対して男はもがく事を止めた。
「扉の鍵はどこだ?」
そう問い合わせると男は腰の部分に目を動かしながらこちらへ合図を送って来た。ああ、口を押さえて声を出せないようにしていたのを忘れていた。俺は男の腰の部分から扉の鍵を取り、アヴィに手渡した。
鍵を受け取ったアヴィは、警戒しながら扉を開けた。
俺も男を拘束したまま立たせて、扉へと入って行った。
そこに居たのは、とがった耳、尻尾にケモノの手足を持つ魔物がいた・・・あれはワー・キャット??しかし、そこに繋がれている状態は、かなり酷いものだった。
全裸で手と足は鎖で拘束されており、それぞれ枷の部分は擦れて出血している。しかも、今までいろいろな実験という名の拷問の所為で身体には、大小様々な傷跡がある。先ほどの二人の用に慰め物として扱われているのか、その身体は体液によって汚されていた。その左手には『鎮魂の腕輪』と思われる腕輪がはめ込まれている。
「うがぁぁぁ!!」
「おい!ラッツ!!」
「ああ・・・。」
知らない間に拘束している男へ力を込めていたらしい。
「・・・アヴィ。彼女を解放してくれ。」
「わかった。しかし、酷いケガだぞ。それにかなり弱っている。」
「おい。『鎮魂の腕輪』の外し方は?」
「ひぃぃ・・鍵が・・鍵が必要だ。」
「鍵はどこだ?」
「ここには無い。この建物の上に方にあると思う・・・うがぁ!ホントだ信じてくれ。」
少し力を加えて男へ無言の圧力を掛けたがどうやら本当のようだ。
「どうするラッツ?」
ワー・キャットの拘束を解きながらアヴィがこちらに聞いて来た。
「そうだな・・・・。」
あいつらが、出て行ったあとに犬がはいってきたにゃぁ・・
犬は苦手にゃ・・・
でも、そのあとに入って来た男はイイ匂いにゃ・・・
助けてくれる??・・・犬に命令してるにゃ・・・
ありがとにゃ・・・でも、もう無理だと思うにゃ・・・・どんどん力がぬけて行く感じがするにゃ。
あ・・・眠くなってきたにゃ。。
出来れば・・・さいごは・・・・抱いててほしぃ・・・・・・・
10/11/19 12:23更新 / sasa
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