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リザードマンの危機

「少年。おっぱいは大きい方がいいのか?」

皆が集まった時。
リザードマンが少年に尋ねた。
少年とラージマウスが固まった。

「ああ、いや。言い直そう。少年は胸の大きい女性は好きか?」
「ちょ、え、ええっと」
「やはり料理が出来る方がいいか? 炊事洗濯もきちんとこなす方がいいのか?」
「ちょ、ちょっとまって」
「私は胸には余り自信は無いのだが、剣の腕はいいのだぞ! いや、料理も勉強はしている。私の着ている服だって自分で洗っている! 風呂にだってちゃんと毎日入っている!」
リザードマンが止まらない。

何時止まるのか眺めていたら、ラージマウスが止めた。
「はいはい、ストップ。いったいどうしたの」
羽交い絞めにされたリザードマンは、やっと落ち着いたみたい。

「前々から思っていたことなんだ」
リザードマンが椅子に座りなおす。
「私は夫を見つけた後、良い嫁になれないんじゃないかと」
「どういうこと?」
「剣の修行ばかりしてきたが、料理などの修業が疎かになっているのではないかと。たまに、本当にたまに思うことがあった」

気にするほどじゃない。
「でも気になるんだ!」
首をかしげる。

「それならさ。簡単なことだよ」
ラージマウスが何か思いついたみたい。
「今日の修行は、花嫁修業!」
「えっと、僕は男の子なんだけど」
「……うん。少年はかわいいし、問題なし!」
「えぇえええええええええええ!?」

花嫁修業その1。
料理。
ということで、また宿屋に全員集合。

「よし、出来たー」
「私も出来たぞ!」
「私も出来たよ。あ、これで全員だね」
うなずく。

「何だか楽しそうな事をしてるじゃないか。混ぜておくれよ」
宿屋のおばさんは審査員。
「あいよ」

「じゃあ最初は」
私の分。
「あれ。今日は少ないんだね」
何時も食べているご飯の量に合わせた。
「え。それじゃあ、君が作ったあのお粥の量はなんだったの」
お茶目。
「えぇえええええええ」

茶粥は少年が頑張って食べてくれた。
「う、うぅ。多かったんだよ。本当に」
二人で食べたから問題なし。

「では、味はどうか」
「いい匂いだよね」
私以外の4人が料理を食べる。
山の野菜やキノコと肉を炒めた。

「おいしいよ、これ」
「む。確かに」
少年も美味しそうに食べてる。

「次は少年の分だな」
「これは普通だねー」
パンと卵料理。
宿屋さんでよく見る朝ごはん。

「特別美味しいってワケじゃないけど。自然とフォークが動くね」
食べやすい。
「誰でも作れる料理を美味しく作るのは、中々腕がいるよ」
お代わり。
「ええええっ」

「次は私だね。簡単な兎のスープだよ」
「わぁ。いい匂い」
薬草と岩塩と兎?
「正解!」
「なるほど。いい出汁が出てるじゃないか」
「むぅ」

「残るは……えっと、これは」
塩で味付けした兎の肉、を焦がした物?
「こ、焦がしては、ない、はずだ」
「でも真っ黒だよ」
「真っ黒だねぇ」
食べるとほんのり炭の味。

「うん、おいしいよね。焦げてる部分以外は」
「あははは。ほんっと、美味しいよねー。焦げてる部分以外は」
普通においしい。

「あー、えっとだ。次は掃除なんてどうだい?」
おばさんは評価をしなかった。

その後、掃除やベッドメイキング、洗濯をした。
少年は元々宿屋で育っていたから、一通り全部出来た。
私は父様と母様が忙しい時に家事をしていたから、一通り全部出来た。
ラージマウスも冒険者時代に、宿代を少なくする代わりに手伝いをしていたみたい。
リザードマンは、剣の修行以外は苦手だったみたい。

「この中で、私が一番、花嫁から遠い」
リザードマンが落ち込んでる。
ところで。
「何だ?」

ベッドメイキング、したことあった?
「いや。一度も無い」
掃除は?
「まったく」

したこと無いならできなくて当たり前。
「そうか。だが、どうやって身につけるというのだ」
「そういえば。ウチの手伝い、まだまだ欲しいんだよねぇ」
宿屋のおばさんが部屋に入ってきた。
「一名、やる気のある子が欲しいんだけど、ねぇ」
リザードマンを見ている。

「やる。やらせてください!」
「あいよ」
お手伝い、2名追加。

リザードマンが不思議そうにしている。
おばさんが出て行ってから、リザードマンを見る。
「お前もやるのか?」
ラージマウスがする。
「ええっ、なんで私が……あ」
ラージマウスが気づいたみたい。

「人化けの術、使えるのって私だけなんだ」
「あ」

魔物来ちゃ駄目な大会が近付く。
着々と準備が進む。

でも、町に魔物が増えるのはどうして?


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13/01/30 22:25 るーじ

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