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妖精+妖精+妖精=ロリコン

 遠くで鳥の鳴く声が聞こえる。
 半覚醒している頭で今が朝なんだと気づく。
 けれど心地よいまどろみの中に浸っていたくて、瞼を閉じたまま睡魔に身を委ねる。
 鳥の声に混じって微かに話し声が聞こえる。
 小さな同居人たちはもう起きているみたいだ。
 まどろみの夢に彼女達が現れる。
 陽気な少女、愛らしい少女、悪戯好きな少女。
 3人とも子供っぽい明るい笑顔を浮かべて僕の回りを飛んでいる。
「よし、シよう」
「そうしよう!」
「しよう〜!」
 3人はとても仲良しでいつも一緒にいる。
 そしてなぜか僕になついている。
 夢の中でも僕になついてくるみたいで、素っ裸の彼女達は僕の股間へと降りてきた。
 彼女達を視線で追うと、僕も裸だと気づいた。
 そして僕のソコは彼女達に負けず劣らず元気いっぱいだった。
「それじゃ、リームはタマタマをなめなめ攻撃、フィンはカメをなめなめ攻撃!」
「うんわかった!」
「わかった〜!」
 3人の中でも一番小さな少女が指示を出すと、他二人が元気良く返事をする。
 フィンと呼ばれた少女は3人の中でも一番背が高く、立てば僕の膝くらいまで背丈がある。
 彼女は僕のお腹に座ると、小さな手でしっかりと赤黒い先端を押さえて舌を這わせていく。
 リームは2番目に背が高くて、フィンより頭一つ分だけ背が低い。
 一番子供っぽいリームは楽しそうに僕の袋にキスをするとうつ伏せになって、「タマタマ」を持ち上げると小さな舌でチロチロと舐め始める。
 3人の中で一番背の低いピッキーは開いた手ほどの背丈しかない。
 彼女は僕のソレに抱きつくと幼い顔に似合わない色っぽい表情を浮かべて、竿の裏筋に体をこすり付けてくる。
 寝ている僕は体が動かせないから、ぼーっとその攻撃を眺める。
 鳥の声にピチャピチャと少女達が舐める音が交じり合う。
 小さな小さな少女達のえっちな攻撃に僕はむずむずとしたものが込みあがってくる。
「あー、お汁出てきたよー」
「きたよ〜」
「よし、じゃあそのまま吸い付き攻撃!」
 ピッキーの次の指令でフィンが先端の顔を近づけ、キスをする。
 小さなフィンは咥える事は出来ないけど、吸い付くことは出来る。
 先端の割れ目にキスをすると、そのまま先端から溢れてきた透明な液体を啜る。
 まるで花の蜜を吸っているようだ。
 吸われているのは僕の蜜だけど。
「よーし。そのまま一気に吸っちゃえ。今日こそクラードが起きる前に倒せるぞ!」
「うん、がんばるよ!」
「がんばる〜」
 ……あれ、いま、ピッキーはなんていったのかな。
 今日こそって、しかも起きる前にって。
 まさか。



「こぉらぁああああ!!」
「ぴきゃぁあああ!!」
「みゃぁああああ!!」
「ひゃあああああ!!」
 慌てて体を起こす。
 同時に僕に乗っていた誰かが体を起こした勢いで転がっていく。
「あちゃー。今日も失敗だー」
「しっぱいだー」
 残念そうに頭に手を置く小さな小さな少女達。
 僕は彼女達を掴み上げると、僕のソコから退場させる。
「うう〜、痛いよ〜」
 一人ベッドの上から転げ落ちてしまったフィンが涙目になりながら、羽根を使って近付いてくる。
「まったく。ピッキー、こういうのはやめにしようって言ったじゃないか」
 じぃ〜っと僕はピッキーを睨む。
 けど僕が睨んでも全然怖くないみたいで、彼女は応える様子がない。
「いいじゃない。宿賃代わりのサービスだって」
「だから、そういうのは要らないって言ってるでしょ」
「でも、でもでも〜」
「リームも気にしなくて良いんだからね」
 ベッドの上に下ろした二人の頭を撫でる。
「む〜」
「えへへ〜」
「あ、私も私も〜」
 むくれるピッキーと嬉しそうなリーム。
 そして自分もとせがむフィンの頭を撫でてあげた。



 僕の家には3人の悪戯妖精達が住んでいる。
 正確に言うと一人は妖精じゃないみたいだけど。
 内訳はフェアリーのフィンとリーム、そしてピクシーのピッキー。
 この3人が僕の家にやってきた経緯はさて置き、今ではこの奇妙な共同生活にもすっかり慣れてしまった。
「クラード〜、おわった〜」
「うん、皿洗いありがと」
「クラード、新聞取ってきたよ」
「うん、ありがと」
 フェアリーのリームとフィンは働き者で、何かと家の手伝いをしてくれる。
 頑張ってくれたご褒美に二人の頭を撫でる。
「えへへ〜」
「次は何を手伝ったら良いの?」
 同じフェアリーでも二人は全然性格が違う。
 リームはフィンより背が低いからか、とても子供っぽい。
 言葉遣いも漢字変換が苦手なぐらい子供っぽい。
 よく僕の腕や顔に抱きついてくるほどの甘えん坊さん。
 逆にフィンはフェアリーにしては(?)キビキビと行動するお姉さん。
 実際にフィンはリームのお姉さんなんだけど、妹に良いところを見せたいのか、それとも単に頑張り屋さんなのか、フィンに出来る事は何でもしてくれる。
 たまに頑張りすぎる所はあるけど。
 前に掛け布団を干そうとしたけど途中で力尽きて、掛け布団に埋まっていた事があった。
 もぞもぞと動く布団を見たときは、てっきり新手の魔物かと思ってびっくりしちゃった。
「クラード、そんなことより早く遊ぼうよ!」
 そして3人の中で一番の怠け者は、言わずもがな、ピクシーのピッキーなんだ。
 いつもえっちな悪戯ばかり仕掛けてくる困った子なんだけど、悪気も大有りなんだけど、どこか憎めないところがあるんだ。
 ピッキーの悪さは人間の悪さに比べると可愛らしいモノばかりだからかもしれない。
「ピッキーも、てつだう〜」
「そうだよ。ほら、昼ごはんの準備、しようよ」
「え〜」
 二人に引っ張られながらキッチンに連れて行かれるピッキー。
 これも随分と見慣れた光景だ。
「じゃあ僕は役所に行って来るから、留守番よろしくね」
「うん〜」
「わかった!」
「しょーがないなぁ。お土産、期待してるよ」
 3者三様に見送られて僕は外に出た。


「ただいまー」
「おかえり〜」
「おかりなさい」
「お土産なにー?」
 さっそく僕の顔に飛びついてきたリームの頭を撫でながら、テーブルの上に買って来たパンケーキと瓶を載せる。
「あまいにおい〜」
「これって蜂蜜?」
「うん。ハニービー特製の蜜だよ。今日はコレをつけようと思ってね」
「もしかして、アルラウネの蜜〜?」
 にひひと笑うピッキーのおでこを指で突付く。
「違うよ。普通の蜜だよ」
「ちぇ〜、がっかりー」
「がっかり〜」
「リーム、あなたアルラウネの蜜が何か知ってるの?」
「しらない〜。おねーちゃんは〜?」
「私も知らないけど。ピッキーは知ってるんだよね?」
「もっちろん! 私に知らないことなんてあんまりないよ!」
「おぉ〜」
「ピッキーって何でも知ってるね」
「アルラウネの蜜って言うのはね、あたっ」
「こら。あんまり変な事教えちゃ駄目だよ」
 蜜の説明を始めだしたピッキーのおでこをもう一度だけ突付いてから、瓶の蓋を開ける。
「さ、お昼ご飯にしよう」
「うん〜」
「私、フォーク持って来るね」
「私の分もお願い」
「とってくる〜」
「こら。ピッキーもちゃんと動く」
「え〜。しょーがないなぁ」
 渋々ながらもピッキーがふわりと羽を動かして食器棚へと飛んでいく。
 フィンが妖精用のお皿、リームが妖精用のフォーク、ピッキーが妖精用のコップを持って戻ってきた。
「じゃ、切り分けるから待ってて」
「だめ、私が切るの」
「わたしも〜」
「私の分は大きめに切ってよね」
「ピッキ―の大きめって、私と同じくらいの大きさって事?」
「まーね」
「いっぱいきったー」
「うわっ、妖精の一口サイズまで刻んじゃってるよ!」
「リームったら頑張りすぎよ」
「えっへん」
「じゃ、一口もーらいっ」
「はい。蜜もちゃんとつけないとね」
「あまいのだいすき〜」
「あ、それじゃあ私ミルクとって来るよ」
「いいよ。僕が取ってくるから、3人は先に食べてて」
「私はクラードのミルクがいいなぁー」
「クラードのみるく?」
「こら、ピッキー」
「ちぇー」

 いつもこんな感じで過ごしてる。
 ピッキーが(えっちな)悪戯をしたり(えっちな)説明をしたりして、僕が注意する。
 フィンが何かと世話を焼こうとして、リームが精一杯頑張る。
 とても幸せな生活なんだけど、困ったことがあるんだ。
 僕はパンケーキに夢中になっている妖精たちから視線を外して新聞を読む。
 最近の新聞はハーピーやワーラビットが届けてくれる。
 それくらい魔物たちとの接点が近くなっている。
 魔物たちの事件が新聞に載るのもご愛嬌。
「なになに。『フェアリーサークルにご注意を! 注意一秒ロリ一生!』?」
 何だ怖いなぁ。
 何が怖いって、他人事とは思えない辺りが怖い。
「クラードには関係ないよねー。もうすっかりロリだから」
 いつの間にか僕の肩に腰掛けていたピッキーがにんまりと笑っている。
「ロリって、違うよ、たぶん」
「うそだ〜。だってさ、ほら。ここ、硬くなってるよー」
「うそっ!?」
 ふわりと肩から降りたピッキーがソコに降りてきた。
 見ると、確かにギンギンに硬くなっていた。
 ナニが、とは言わないけど。
「ん〜?」
「クロード、どうかした?」
「あ、い、いや、なんでもないよ」
「ピッキー、どこ〜?」
「ここだよ〜、て、うわぁっ」
 僕のナニに触ろうとしていたピッキーを摘み上げる。
「ピッキー、そんな所にいたの」
「ずるいー、リームも〜」
 何がどうずるいのかわからないけどリームが僕の顔に飛びついてきた。
「あ、こら、リーム。顔に蜂蜜ついてるでしょ」
「うぅ、ちょっと顔がベタベタする」
 顔に蜂蜜が、というより手全体が蜂蜜でベタベタになっていたから、抱きつかれた僕の顔は蜂蜜っぽくなってしまった。
「もう、リームったら」
「しょうがないなぁ。ほら、じっとしなさい」
「ちょ、ピッキー!?」
 フィンがリームを引き剥がすと入れ替わりにピッキーが僕の顔にやってきた。
「ん、あまい」
「ピッキー、いいって。タオルで拭くから」
「や、もったいないもん」
「リームもする〜」
「あ、こら」
 リームがピッキーの真似をして僕の顔を舐め始める。
 小さな舌が蜂蜜を舐めとるので、くすぐったくて堪らない。
「いいから。ほら、二人とも離れて」
「む〜」
「う〜」
「というかリーム、蜂蜜が欲しかったらまだ残ってるから」
 むくれる二人の頭をなでる。
「む〜〜」
「ん〜」
 ピッキーはむくれたままだけど、リームは嬉しそうに顔をほころばせる。
 やっと落ち着いた、と思ったらフィンが素っ頓狂な声を上げる。
「あ〜! リーム、服!」
「え〜?」
「あー、蜂蜜が付いちゃってるね」
 蜂蜜まみれの手で僕に抱きついて擦り寄ってきたから、服に蜂蜜がついちゃってる。
「洗濯しないと」
「そうそう。ほら、脱いで」
「う〜、ぬぐ〜」
「ってこら、ピッキー! 服を脱ぐなら脱衣所で!」
 言うより先にリームは服を脱ぎ始めてる。
「リーム、ほら、こっち!」
「あ〜〜」
 服を脱ぎかけのままのリームをフィンが引き摺るように連れて行く。
「さてと。冷めないうちに残りも食べちゃおうか」
「じゃあ私はクラードのミルクをいだたくよ」
「却下。ほら、蜂蜜塗ってあげるから」
「う〜〜」
 拗ねるピッキーの頭を撫でながら昼食。
 これもいつもの光景。
「ふんっ。いいよ、もう」
 食べる分だけ食べるとどこかへ行っちゃうのもまた何時も通り。
「平和だな〜」



 今日も妖精村は平和です。

 


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「エル、知ってるか?」
「知ってるって何が?」
「妖精村って名前の村があるんだってよ」
「そうなの。貴方は行ってみたい?」
「いやぁ、ちょっとちっこいのには興味がないなぁ」
「……、そう」
「エルは興味あるか?」
「ないわよ。ほら、晩御飯の支度手伝いなさい」
「へーへー」




----作者より
ピクシー不人気って聞いたから書いてみた。
……ピクシーのよさが1割も書けなかった(。。

………おれ、ロリコンじゃないよ?(’’

10/06/29 21:09 るーじ

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