生誕の宴

 朝が来た。夫は、少し眠たいらしい。私は2年は寝なくても元気だ。でも夫は子供だから、すぐに眠くなるのかもしれない。
 私はいつだって元気だ。夫に朝のキスをしたついでにおちんちんをしゃぶる。夫のおちんちんは私の事が大好きで、すぐ元気になる。塩気が少しあるジューシーで甘い味わいの先走りを、チュウチュウと吸う。
 ぷるぷる柔らかくてかわいかったおちんちんが硬くなった。ごめんね、眠たいと思うけどすぐ射精させるから。ああ、でも、先走りも美味しいよぉ。

 夫の一番搾り( 朝ックス1発)で元気が湧いてきた。今なら4年は寝ないでも大丈夫な気がする。それぐらい元気が出てきた。
 私はトリスト・トトノリ。この山が最初に火を吹いた時に、火の中から生まれたフェニックス。他の理由で生まれたかもしれないけど、私の記憶が確かなら噴火の時に生まれたはずだから、間違いない。
 趣味は夫の寝顔を見る事。好きな事は夫と遊ぶこと。好きな物は夫、あと熱い物。
 昔は火口の溶岩で溶岩浴びをして、羽を繕って、溶岩に浮かびながら寝ていた。それだけで不満が無かった。でも、夜空を見上げて、時々思った。
 私は一体、何なんだろう。火の様だけど、火じゃない。火の精霊の様だけど、精霊じゃない。鳥の様だけど、鳥じゃない。魔物の様だけど、魔物じゃない。私にとって私は、そういう不思議な存在だった。実際、私がなんだったのかは今でも分からない。

 フェニックス。不死の鳥。そう呼ばれる、燃える鳥がいると知ってからは、私はフェニックスになった。フェニックスという事にした。正解かどうかはどうでもいい。私はフェニックスになって、少し心が落ち着いた。
 少し心が落ち着いて、山の周囲を飛ぶことが増えた。山を下りる事は無かったけど、山から立ち上る温かい煙に交じって空を飛び、遠くにある村や町を見る事が増えていった。
 私よりも小さく、少し見ない間に凄く変化する、様々な動物。その中でも特によく変わる動物が、人間だった。
 私にとって人間とは、森の一部だった。

 色々あって、夫が私の巣の近くにやって来た。やって来たというか、運ばれてきた。最初、私は箱の中身が人間だと知らず、開けて驚いてしまった。
 後で聞いた話だけど、火山の噴火を鎮めるための生贄だったそうだ。ちっちゃくて可愛い夫は、私を見るとプルプル震えていたし、ぷるぷる柔らかかった。初めての夜は燃えた。慌てて傷を治したけど、ほんとうに燃えた。

 それから二人で一緒に過ごしていたら、いつの間にか私の姿が人間の様に変わっていた。私は夫を正しく夫と認識して、夫の柔らかい唇を舐めて吸って。もっと触れたいからもっと触れて。
 そうする内におまんこがくちゅくちゅになって、ああ、体が交尾をしたがっているんだと気付いた。
 あの晩は本当に燃えた。月と太陽の追いかけっこが10回済んで、少し休憩して、また再開して。たぶん、夕日を30回見たくらいで、そう言えば夫のご飯を用意しないとって思ったのをきっかけに交尾をやめたんだったかな。
 火山が並ぶ中に盆地があるんだけど。そこに住んでいる燃える蜥蜴人間の所にお邪魔すると、燃える蜥蜴人間たちも人間の夫と交尾をしていた。だから燃える蜥蜴人間に混ざって夫と交尾をして過ごした。

 燃える蜥蜴人間はサラマンダー。時々おしゃべりをしていた、不思議蜥蜴だったけど、私を火の神様みたいに扱っていたと初めて知った。
 私は時々人間の住む場所に降りる事があって、その時に羽を渡す代わりに話を聞いていたけど。サラマンダーたちも、サラマンダ―の夫たちも、フェニックスをフェニックスじゃなくて火の神様と見ているとは本当に不思議蜥蜴だ。
 でも、サラマンダーが食べている物は夫も私も、すぐ好きになった。人間の風習は良いものだ。美味しい物を食べて、皆で燃え上がって、また沢山交尾をした。

 その日から、私たち夫婦はサラマンダーの集落に来て燃え上がる宴会をするようになった。サラマンダーたちにも好評だった。サラマンダーの一人が私を呼びに来たら、皆で宴会をする。

 生きとし生ける者よ、燃え上がれ、どこまでも。
 
 サラマンダー達が宴会のたびに歌う唄。酔ったまま、サラマンダー達が剣を手に喧嘩をする。喧嘩と言うか、競い合い。より強い自分になりたいから、理想の自分になりたいから、サラマンダー達は剣を手に競い合う。
 私は理想の自分が無い。だって、のんびりと過ごしていたら夫が来て、夫とのんびり過ごしていたら交尾したい体になっていた。
 細かく考えるなら、魔王の世代交代が起きた影響が私にもやって来たという事。現主神と現魔王夫婦との争いがあったという話も聞くから、現魔王の力は強いのだと思う。
 私としては、夫と交尾して楽しい日々を過ごせるようになったから、実によろしい。もっとやりなさい。そういうスタンスだ。

「病める時も、健やかなる時も」

 今日もまたサラマンダーの新しい夫婦が生まれる。異世界における婚約の祝詞も交えて、祝福の言葉を与える。私が何をどう言ってもサラマンダー夫婦の未来が決まるわけじゃないけど、私の言葉が嬉しいというから与えている。
 サラマンダー達は私を荘厳とか神々しいというけど。正直困る。昔の私は溶岩浴びをして、空を飛んで、熱気を吸い炎をついばむ、ただの鳥だった。神々しさと言われても困る。
 今の私でも困る。私は夫の可愛らしい笑顔を見ると、すぐにおまんこがぐちょぐちょになる。
 明るい笑顔。可愛らしい、愛しい夫。
 サラマンダー達は私を太陽の化身と呼ぶこともあるけど。それは間違い。でも面倒だから訂正しない。細かい事を言うと夫はすぐ寝てしまうので、細かい事は考えないし言わない。

「夫。愛しい夫。ご飯、美味しいか? 美味しいか? ほら、これ、美味しいぞ」

 夫は美味しい物を食べると笑顔になる。私はその笑顔を見ると、とてもうれしい。溶岩の熱さとは違う、燃える木の温かさとも違う。居心地のいい、温かさ。夫と共に居ると、その温かさに包まれる。
 夫の後ろに座って翼で抱き寄せる。夫が少し驚いた顔をするけど、また笑顔になった。夫が差し出してくれたご飯を食べる。うん、美味しい。夫も食べたい。夫に口づけをする。

「も、もぉ。またしたいの?」

「したい。いつでも、したい」

「今日はクロロフさん夫婦のお祝いだからね。もう少ししてから、また君の炎を使って、宴会しようね」

「わかった。少し、してから。もう、少し、してから」

 夫は私の翼が好きだ。翼に包まれているとすぐ寝る事がある。
 今日はすぐに寝ないけど、やっぱりうれしそうに笑う。

 おまんこぐちょぐちょで大変だけど。夫はもう少しと言っていたから、もう少しだけ待とう。

「もう、少し、経った?」

「あはは。まだだよ。ほら、これも食べて」

 夫は別のご飯をくれた。これも美味しい。でも夫も食べたい。でも我慢。

「ふふ。もう我慢できない?」

「ずっと。ずっと、我慢。いつでも、交尾、したい」

「うんうん、わかった。じゃあ、ちょっと早いけど。やっちゃおうか」

 わかった。

 私が宴を始める。私の炎を広げる。炎は物を燃やさない。でもサラマンダーも、サラマンダーの夫も、皆を燃え上がらせる。
 ゆらゆら、ぼぅぼぅ。燃え上がる炎に、皆の心が一つになる。

 交尾。交尾が始まる。

 燃え上がるサラマンダーたち。燃え上がる私たち。
 本来なら水気を消し去るのが炎の役目。でも、この炎は違う。心を、体を、元気にする炎。

「んっ。んっ。おっと、もっと、ついて、もっと、もっと」

 夫は小さな体で私の腰を持って、元気に私のおまんこを突き上げる。
 溶岩の方がもっと熱いはずなのに、溶岩以上に私を熱くさせる夫のおちんちん。もっと欲しい。ずっと欲しい。
 私が気持ちよくなると、知らずの内にまた炎が広がる。炎が広がるたびにサラマンダー達も元気になる。

 これが生誕の宴とサラマンダー達が呼ぶ宴会の姿。
 新たな命よ育めと。本能が叫びを上げ、気持ちよさからくる悲鳴が上がり続ける大乱交パーティー。

 ぐっちょ、ぐっちょ。
 ぱん、ぱん、ぱん。
 ぐっぽ、ぐぽっ。

 命を育む音が響く。
 夫が愛しくて、かわいくて、好きでたまらなくて。

 だから今回の宴会も、きっと長く続くだろうなぁと思った。
 夫が止めない限り、ずっとずぅっと、この乱交パーティーは続くのだ。

 だって私からは絶対に止めないから。

放っておけば1か月だろうが1年だろうがずっと大乱交は続く(_’

22/10/30 22:24 るーじ

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