作物実る季節になりました。白花サバト恒例のカボチャ祭り開催まであと１０日。皆さまは準備をどれだけ進めれましたか。私はカボチャ祭りを２５日間全てお兄様とデートするために、前倒しで仕事を進めています。カボチャ祭りの準備は、まだ何も出来ていません。

　新人魔女やサバト参加者への解説も兼ねて、簡単にカボチャ祭りの話をします。
　カボチャ祭りとは、ポットパンプキン、別名魔界カボチャを使ったお祭りです。簡単に説明すると、カボチャをモチーフにした仮装して、ポットパンプキンの料理を食べながら行うパーティです。では、準に説明をします。

　まずポットパンプキンについてです。これは厚い外皮の大きなカボチャで、弱火で煮込むことで中身がスープの様にトロトロで甘くなる作物です。品種によっては外皮も変化して甘く柔らかいものになり、皮ごと食べることも出来るそうです。白花サバトではトロール魔女として知られるポポトット様のポットパンプキンを使用します。

　ポポトット様のポットパンプキンは、煮ると外皮は堅くなり中身が甘く濃厚なスープになる特徴があります。これにより大鍋で煮る事で大量のカボチャスープを作ることが出来ます。荷崩れの心配も不要です。濃厚なカボチャスープはそのままでも美味しく、また他の料理に使用することで味に深みが増します。このスープを使ったお菓子は、思わず顔がほころんでしまう素朴な甘さがあります。
　またもう一つの特徴として、表面が真っ黒になるほど強火で焼くと外皮がクッキーの様にサクサクに変化します。もうこれだけで一品完成です。火加減を覚えたなら、魔女になりたての貴女でも美味しいカボチャのお菓子が作れます。中のスープは煮るよりも甘くなり、パンやビスケット、マシュマロをつけて食べると。ああ、ここから先は食べてからのお楽しみです。もちろん、中のスープが減ってきたら外皮のクッキーを割ってスープにつけても美味しいですよ。

　次に、仮装についてです。スタンダードな仮装はポットパンプキンを使います。目や口に当たる部分をくり抜いて被り物にしたり、仮面にしたり、帽子にしたりと様々です。ポットパンプキンの外皮を複数個用意して、お兄様をパンプキンナイトの仮装をプレゼントした魔女もいらっしゃったそうです。
　仮装は、ポットパンプキンを使わなくても構いません。カボチャ柄のスカート、カボチャのイヤリング、カボチャの杖。何でも構いません。カボチャのモチーフが付いた服装であれば問題なしです。以前、パンプキン・ダンプティと称した仮装をされた方もいらっしゃいました。どちらかと言えば、あれはミミックでしたね。あの方のお兄様を驚かせて、引きずり込んで、閉じて。その後、いったい中で何をされていたのでしょうね。

　カボチャ祭りは、料理が得意な魔女やファミリアが会場となる大広間に屋台を設営し、カボチャ料理を披露する。あるいは仮装した魔女やお兄様方が祭りを楽しむ。そういう催しものです。また、屋台は料理だけでなく射的やくじ引きなど遊べる物もあります。数年に一度ですが、カボチャモチーフのアクセサリーや服、はたまた魔道具を売る屋台も並ぶことがありますので、一度見て回ってはいかがでしょうか。

　すればいいのか分からない、という新人魔女の皆さま。ご安心ください。カボチャ祭り運営委員会に相談していただければ多くの問題が解決します。カボチャの仮装も、お兄様へ差し上げるカボチャのお菓子も用意しています。それらをそのまま使うもよし、自分なりにアレンジするも良し、です。
　三日目以降は外からのお客様も参加されます。まだご自身のお兄様を見つけていない魔女の皆さまは、このカボチャ祭りを良い機会としてお兄様探しをしてみては如何でしょうか。

　そうそう。大事な合言葉があります。カボチャ祭りの元になったお祭りで使われている、可愛らしい魔法の言葉。白花サバトのカボチャ祭りでも、この魔法の言葉は重要です。この魔法の言葉は、デートを誘う時にはうってつけです。お客様として招かれた独り身のお兄様方には十分な説明をされていますので、勇気を振り絞って、さぁどうぞ。

「トリックオアトリート♪　お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ♪」