今日は未来の旦那様はいるかしら。
私はひんやりとする海の底から空を見上げる。
今日はまだ船は通っていないの。
困った物ね。
私、すっかり行き遅れちゃったのかしら。
でも大好きな旦那様はきっと現れるって母様は仰っていたわ。
母様も海の底で３０００年位待っていたら父様と出会えたって言うから、もっと気長に待つのがいいのよね。

私の名前はクリス。
クラーケンなのだけど、困った事に旦那様がいないの。
ずっと海の底で旦那様が現れるのを待っているんだけど、中々、ピンとくる人が来ないのよね。
私も３０００年くらい経たないとだめかしら。
１万年くらい待ったら理想の旦那様が現れるかしら。
今日もクラゲさんは気持ち良さそうね。
あ、シースライムさん。
こんにちわー。

私の名前はクリス。
クラーケンなのだけど、困った事に旦那様がいないの。
…･･･あら、それはもう聞いたって？
私のあだ名はクリス。
メロウの友達はクリちゃんクリちゃんって呼んで喜んでいるけど、どうしてかしら。
何度聞いても、シービショップの友達がやってきて教えてくれないのよ。
あら、そういえばあの二人の名前は何だったかしら。
今度会った時に聞いてみましょう。

空は青くて雲はとても大きい。
よく遊びに来てくれるシービショップの友達の話なんだけど。
イカの目はとてもいいみたいなの。
だからクラーケンの私の目もとてもいいらしいわ。
でも私はイカになった事が無いし、クラーケン以外になった事が無いからわからないって言ったら。
その友達は、こう言って笑ったの。
「こんな深い海の底から空が見えるのは、貴方達クラーケンくらいですよ」
だからスキュラはもっと海面に近いところを泳いでいるんだって聞いたわ。
スキュラさん、目が悪いのね。

今日は大きなお船を見かけたの。
でも海底からじゃよくわからないから、ちょっと降りて来てもらうんだけど。


「な、なんだ！？」
「甲板を１０本のどでかいイカみたいな足が貫いてきただとぉ！？」
「逃げろ！　逃げるんだ！」
「おかーちゃーん！」


いつもみなさん賑やかなのですよね。
海の男の人は元気がいいと聞きますけど、いつもあの調子で疲れないのかしら。


「い、いきが、いきがぁ！」
「あぁ、メリー。ごめんよ。おれは、もう帰れそうに無い」
「ポセイドン様、お助けを！　ポセイドン様！」
「あれ、息が出来るぞ」
「ひ、ひぃいい！　めぇ血走った白装束の人魚が、人魚がぁああ！」


人間の乗る船は海に沈めると壊れてしまう物みたい。
いつもいつも壊れちゃう。
そしていつものようにマーメイドやシービショップたちがやってきて、海に沈んだ人たちを拾っていくの。
「なーんでーもすいこむー！」
「あの馬鹿リュブディス！　渦潮なんか作りやがって！　動きづらいだろ！」
「私たちシービショップには朝飯前……ああっ」
「ぎょーふのりー」
今日もいつのまにかやってきたシースライムが何人か。
あとカリュブディスとスキュラや他の魔物たちが抱きついていく。
でも、旦那様のいない私に見せ付けるのは酷いと思うの。
だからこのあたり一帯を私の墨で真っ黒にしちゃうの。

「ぎゃー！　まっくらだー！　この世の終わりダー！」
「あー。そう言えばこの海域はあのクリスがいたんだっけ」
「吸い込め馬鹿リュブディス！　あ、あたしだってがんばったら墨くらい！」
「やめなさい。それより、その人は私が救助するのですから、ぜひ、ぜひこのシービショップにぃ！」
「まっくらー。ぴっかぴかのぽーず」
「ふふふ。匂いだけで十分。ほぉら捕まえた」

みんな楽しそうなのよね。
えっちが終わればその周辺の墨は消えるのだから、早く済ませて欲しいわ。
あ、そうだ、このボロボロになったお船は片付けないと。
あぁもう忙しい忙しい。

今日のお船は何だか人が沢山乗っているの。
お船を引き寄せようとしたら、チクチク刺されちゃったわ。
何だか気持ちいいからちょっとだけそのままにしていたら、熱かったり冷たかったり。
人間の魔法って不思議ねぇ。
私も熱かったり寒かったり出来るのかしら。
ちょっと聞いてみましょう。


「ば、ばかな！　私の剣が通じんだと！」
「ファイア！　アイスキュート！　サンダーストーム！」
「こいつはまさか、クラーケン！？　か、かてるはずが、ない」
「だめだ。もうおしまいだ」
「さらばー、故郷よー。沈み行くー船はー」
「船長！　歌ってないで何とかしてください」
「いやもう無理。だって沈んでるもん」
「いやぁああ！　こうなったら船長。死ぬ前に私とっ」
「な、き、きみ。んむぅっ」


あぁ、でも今回も駄目だったわ。
お話を聞く前に海の魔物たちがやってきて、みんな連れ去っちゃった。
何だか人間同士で愛し合っている二人がいたから、ちょっと墨に工夫をして水中でも息が出来るように、それから二人の愛が隠

れるようにしてあげたわ。
大きい大きい泡を一緒にあげたから、きっと息も大丈夫でしょう。
でも私には墨も関係なく見えちゃうのよね。
あら、あらあら。
人間の女の子も私たちと一緒で、あんな風に絡みつくのね。
あら、泡が割れちゃったわね。
あっという間にネレイスになって、でもすることは変わらないのね。
うふふ、お幸せに。
私も早く旦那様が欲しいわね。

「あんた、自分で動いてみたらどう？」
スキュラの友達に相談してみたら、私は積極性が足りないのだといわれてしまったの。
「やることなすこと派手なのに、受身でしょ？　駄目よ、そんなことじゃ」
そうなのかしら。
「そうなのよ！　ほら、また船が来たから。今度は沈めないでちゃんと上がるわよ！」
ええ。
あ、でも人間の人の挨拶ってどうするのかしら。
「朝ならお早う、昼ならこんにちわ、夜ならこんばんわ！」
服はどうしたらいいのかしら。
「そのまんまでいいわよ！　ほら、早くしないとまた馬鹿リュブディスが吸い込むわよ！」
あ、待ってー。

今度のお船は大きいから、ちょっと頑張ってお船の上に到着。
「なんだ、スキュラと……白スキュラ？」
クラーケンよ。
えっと、こんばんわ？
「今は昼でしょ！」
ああ、そうね。
ちょっと遠くの空の方が暗かったから、つい。
「今は昼なんだから暗い分けないでしょ！」
「か、かかれぇ！」

人間の人がいろいろな刃物を持ってやってきたのだけど、危ないわよね。
怪我したら危ないから、私が預かっておくわね？
「ひ、ひぃ！　武器が取られた！」
「まだ、まだ銛がある！」
それも預かるわー。
「も、もうだめだ。あにき、おれもそっちへいくぜ」
「諦めるな！　目の前の敵さえやれば、俺たちの勝ちだ」

あら、何だか揺れてきたわ。
「ちぃぃ！　もう嗅ぎつけたか、馬鹿リュブディス！」
「操舵が効かん！」
「うずしおがぁ！　もうだめだぁ！」
あらー、目が回るわー。
怪我すると危ないから、マストは畳んでおくわね。
「ひぃ！　メインマストがへし折られた！」
危ないから走り回っちゃだめよ。
「捕まった！」
「俺もだ！」
「食われるくらいなら食ってやるぅ！」
あら、くすぐったい。

結局、海に入ったらまた海の魔物たちがやってきちゃったのよね。
今回もピンと来る人がいなかったから、やってきた魔物たちに預かっていた人たちを渡すのだけど。
またシービショップの人はあぶれちゃったみたいね。
「どうして、溺れた人の、確保を、私に、渡して、くれないの、で、す、か！？」
早い者勝ちなのよー。
「く、くうっぅぅ！」

海の中は何時も賑やかなのよね。
でも私の旦那様はいつになったら来てくれるのかしら。


「んんー！　んんー！」


あら、あの樽の中から声が聞こえるわね。
ちょっと開けてみましょう。
「ご、ごばっ！？」
可愛らしい男の子ね。
どうしてここにいるの？
「がば、がばぁ！」
返事をしてくれないと寂しいわ。
「げ、げぼ、げぼ！」
あら、喉？
「がぼ！」
上？
「がぼがぼ！」
空が綺麗ねー。
「がぼぉおお！」
あら、ぐったりとしちゃったわね。

「あ、あれ？」
あら起きた？
「ここは？」
海の底よ。
「え？　うわ、真っ暗だ！」
そうかしら。
ああ、そういえば、友達も海の底は暗いって言っていたわね。
よくわからないけど。
「なんで、おねえさんは光ってるの？」
よくわからないわ。
きっと、クラーケンだからよ。
「クラーケンだったら光るの？」
クラーケンだったら光るの。
「ふーん」

男の子は金色の髪がとても柔らかそうで、海の中をくらげの様に広がっているの。
それがあんまりに綺麗だから、思わず私は男の子にキスをしちゃった。
「ん、んむ！？」
男の子は驚くけど、私はそれがおかしくて、ぎゅっと抱き寄せる。
両手で私の胸にうずめるように抱き寄せて、いっぱいキスをする。
キスをすると体がぽぅってあったかくなって、触手がうずうずとしてくる。
旦那様とするキスはもっとあったかいのかなぁ。
そう思ったら、胸の奥がきゅーっとする。

私の名前はクリス。
クラーケンなのだけど、困った事に旦那様がいないの。
ずっと海の底で旦那様が現れるのを待っているんだけど、中々、ピンとくる人が来ないのよね。
「え、うん。それで？」
私も３０００年くらい経たないとだめかしら。
１万年くらい待ったら理想の旦那様が現れるかしら。
「も、ものすごく気が長いんだね」
それでね、未来の旦那様のために、えっちなことを勉強したいの。
「そ、それってさ、もしかして」
顔を真っ赤にした男の子がかわいいので、ぎゅーっと抱きしめる。
胸の中がぽわーってあったかくなる。

男の子の服を脱がせると、ほっそりとして、それから、可愛らしい。
私の触手じゃ全部巻き付けようとしても多すぎるから困ったけれど。
まずは一本でお腹周りをぎゅーっと抱きしめる。
「う、うわ」
男の子はびっくりしたみたいだけど、痛くないようにぎゅーっとする。
私が痛くないようにしているのが分かったみたいで、男の子はほっとする。
どう、私の触手。
気持ちいいかしら？
「う、うん。ぷにぷにしてて。えっと、吸盤が、吸ってきて。きもちいいの」
あらー、ありがとー。
男の子が褒めてくれると、それだけで胸の奥がぽわーってあったかくなる。

今度は２本使って男の子の両腕をぎゅーっと抱きしめる。
触手で男の子を抱きしめると、私の胸の中がぽわぽわーってあったかくなる。
どうしてかしら。
「いや、僕に聴かれても分からないよ」
そうなの？
「僕は気持ちいいけど。おねーさんは？」
ぽわぽわーっとして、とっても幸せ。
「そう。よかったぁ」
男の子が笑ったら、またぽわぽわーってなる。
不思議ねぇ。

次はドコに抱きつこうかと迷っていたら、男の子がじっと私の胸を見ていた。
触ってみたいのかしら？
「う、うん」
良いわよ、ほら、こんな風になってるの。
「う、うわぁ。柔らかくって、えっと、どきどきする」
私もおっぱいの奥がぽわぽわーってなって、うっとりとしてしまう。
もっと触って欲しくて、邪魔な服を全部脱いじゃう。
もう全部脱いじゃうんだから。
「わ、わぁ」
ほら、もっと触って。
「うん。……うわぁ。手が、沈み込んじゃう」
もっと、もっとぎゅーって、して。
「うん」

男の子が一杯胸を触ってくれると、もういっぱいいっぱいぎゅーってしてあげたくなっちゃう。
４本使って男の子の足をぎゅーって抱きついて。
２本使って男の子の腕の余っている場所に抱きついて。
２本の腕でぎゅっと男の子の顔に手を添えて、いっぱいいっぱいキスをする。
でも、なんだかこのままじゃ足りないの。
「うん。あのね、おねーさん」
何かしら？
「あ、あの。えっと」
うん、なにかしら。
「おねーさんのなかに、はいりたい」

そう言われて、お腹の下の部分、えっちなお口がきゅんってなった。
魔物の本能が私のしたいことを、その方法を教えてくれた。
じっと男の子の顔を見ると、男の子はぎゅって頷いた。
だから私は男の子のおちんちんを私のえっちなお口に入れた。

「あ、あぅぅ」
男の子のおちんちんは我慢の限界だったみたい。
あっというまに精液が漏れちゃった。
私の心が満たされて、ぽわーって凄く熱くなる。
もっと、欲しいの。
もっと沢山欲しいの。
最後の一本を使って私と男の子をぐるっと巻いて、男の子と私の距離を縮める。
いっぱいキスをして、男の子の口の中の味を全部味わって、ぎゅーっと抱きついて。
触手全部使って柔らかくぎゅーっと抱きついて。
いっぱいっぱい出し入れをする。
男の子が精液を出すと、その度に私はぽわーって幸せになって、体が震える。
イっちゃっている。
私、この男の子とえっちをして、いっぱいイッちゃってる。
その事がとても嬉しくて、またえっちをする。

日が沈んでも、月が沈んでも。
私は男の子といっぱい、いっぱいえっちをした。
男の子がいつのまにか疲れて眠っていることに気づいてから、私は体を休める。
私の胸の中で気持ち良さそうに寝ている男の子。
起こさないようにぎゅっと抱きしめる。
この子とずっと一緒に居たい。

それから私と男の子は二人一緒に暮らすようになったの。
いっぱいえっちをして、綺麗な星空を見て、魔物の友達とおしゃべりをする。
私の未来の旦那様が現れるまで、ずっとずーっと一緒なの。

けど、私はまたつい手を抜いて、未来の旦那様探しをまたやめてしまう。
今は未来の旦那様探しより、男の子と一緒にいるほうがずっとずーっといいから、仕方ないの。
大丈夫、母様は未来の旦那様を見つけるまで３０００年も待っていたのよ。
だからちょっと位遅れててもいいの。
のんびり男の子と一緒に、未来の旦那様を探しましょう。



























ああ、でも。
もしこの男の子が未来の旦那様だったら、いいのになぁ。