怪談パロディ3 耳なし芳一
〜耳なし芳一〜
前回、霧島君を放置し慌てて逃げて行った三己梨君
今回はそんな彼のその後を追いかけてみましょう
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
前回あんなに叫んで逃げたのにまだ走り続ける三己梨君
どうしてそこまで走るのか、答えはその少し後ろにありました
走る彼の後ろに5つの人影・・・彼はどうやらこれから逃げているようです
〜数十分前〜
「はぁ・・・・はぁ・・・」
息も絶え絶え三己梨君、そりゃあんなもの見てしまっては仕方ありません
そんな彼の目の前には古びた家が一軒建っており、中からは明かりがもれていました。
ここで休ませてもらうと三己梨君、ごめんくださいと家の扉を開けます
ここで開けなければまだ良かったものを、中に見えるは首の無い女性の胴体が5つと宙に浮かぶ女性の首が5つ、そこにいるのはとある世界ではデュラハンと呼ばれる魔物娘さん達でした、しかし三己梨君がそんなこと知るはずもなく血の気が引いていきます
「お、お邪魔しましたー!」
そして慌ててまわれ右、そして猛ダッシュ、流石は元陸上部、足が速い
「見ましたわねー」
「待てぇい!」
「食べてやるー」
「にがさんぞ〜」
「・・・・」
〜回想終わり〜
こうして今に至ります
逃げる三己梨!追うデュラハン5人衆!
食われてなるまいと彼は必死で走ります、走って、走って、走って・・・
「う、うわぁ!」
崖から落ちてしまいました。
都合の・・・・基、運の良い事にデュラハンさん達は彼を見失います
「逃がしてしまいましたわっ」
「折角の男が!」
「お腹すいたー・・・」
「にがさんぞ〜」
「・・・」
まぁ、彼女らの事は放っておいて
「痛たた・・・」
崖から落ちた三己梨君、運よく肘を擦り剥くだけで済んだようで
「今日は、ロクな目に合わないなぁ・・・」
と、息を整え周囲を見渡す三己梨君、またも先の方に明かりを発見します。
そして再びそれに接近する三己梨君、流石に今度は慎重にこっそりと・・・
明かりの近くまでこっそり近づき茂みの中から様子を窺います。
「おのれ源氏め・・・」
「今ー宵こそ〜、我らの恨み、晴らぁぁぁぁす、時ぞぉぉぉぉぉ」
「姫様の無念、今こそ晴らす時ぞ・・・!」
そこにいたのはその昔、源氏に破れた平家の亡霊たちでした。
「oh・・・」
これ以上耐えられないと、三己梨君はこっそりと後ろに下がります
だがしかし
『バキッ』
運の悪い事に落ちていた枝を踏んでしまいます。
「そこに居るのは誰だっ!」
「不審な者じゃ、姫様いかがなさいましょう!」
「捕まえなさい、見られたからには逃がしてはなりません!」
こうして再び三己梨君は走り出します、今度は亡霊に追いかけられながら・・・
「不幸だぁ〜・・・理不尽だ〜!」
しばらく逃走を続けているうちにお寺を発見する三己梨君
「なんでもいい、誰か助けて!」
慌ててお寺に駆け込み戸を叩きます
「お願いします!誰か、誰か助けて!」
すると明かりが灯り
「なんじゃ騒々しい!」
中から、かなり年季の入った坊さんが出てきました。
「亡霊に追われているんです、助けてくださいっ!」
懇願する三己梨君、すると坊さん
「ついに長年の修行の成果を試す時が来たか!」
ノリノリの坊さん、三己梨君は奥へと連れて行かます。
「まずはお前さんを奴らから見えないようにする為、体中にお経を書くぞ」
ここで昔読んだ怪談を思い出す三己梨君、その話だと素っ裸にお経を書かれていた事を思い出します。
「えっ!?脱ぐのはヤです!」
「バカタレッ!誰が貴様の裸なぞ見たがるかっ、服の上から書くんじゃい!」
そういって坊さんは一瞬で三己梨君の全身にお経を書きました。
そこ、ご都合主義とか言わない
「これでよし!後はワシが退治するからお前さんは隠れておれ」
そういって坊さんは部屋から飛び出して行きました。
それから少しして、お寺に亡霊が到着します。
「待てい亡霊共!ここから先はこの儂」
「どけぃジジイ!」
「ぐわー」
あっさり敗北する坊さん、負けただけならよかったのですが
「小僧はここにおりますじゃ!」
亡霊の仲間にされまさかの裏切りです
「ここかぁ、うるぁぁぁぁぁ!」
ピンポイントに掴みかかってくる亡霊、三己梨君は間一髪交わしますが、垂れていたイヤホンのコードを掴まれ引っ張られてしまいます。
{も・・・もうダメだぁ〜・・・}
彼も男です、こうなってしまっては覚悟を決めるしかありません
が、しかし点は彼を見捨てはしませんでした
『ぶつっ』
その時イヤホンのコードが彼の身につけるIpodからすっぽ抜けます、そしてIpodから鳴りだす音楽・・・
『私を悩ませるその四角いフォルム〜♪』
それは彼の大好きなアイドル、九美椿の先月発売された新曲、油揚げへの想いと恋を歌った「恋の油揚げ」でした。
「ぬわー!こんな時にっ」
いよいよ持って覚悟を決める三己梨君、しかし亡霊たちの何やら様子がおかしいことに気付きます
「おおおおお、なぁんだぁこの歌はぁぁぁぁぁ!」
「なんだかよく分からんが癒されるー・・・・」
「恋の油揚げ〜、A B U R A A G E 油あげっ☆」
どうやら亡霊たちは「恋の油揚げ」がいたくツボに来たようで
歌まですぐに覚えてしまうのはいかがなものかと思いますが・・・
「ぶぅるぁぁぁぁぁぁ、癒されぇるぅぅぅぅぅぅ・・・」
「もう源氏なんぞどうでもいい・・・」
「成仏するか?」
「んだな・・・」
「儂は死んじまっただー」
とりあえず、勝手に癒されて成仏していきました、どさくさにまぎれて坊さんも召されて行きました。
「ま、待てお前達!私を置いていくんじゃない!」
そして取り残される姫と三己梨君
「折角、苦労してこの世に連れ戻したのにっ、私はまた一人になるのか・・・」
姫と呼ばれたその亡霊には「油揚げオブLOVE」はハマらなかったらしく成仏できなかったようです。
目が合う二人
そして流れるしばしの沈黙
「え・・・えっと、君は幽霊だけど、強く生きてくだ・・・さい、それじゃ僕はこれでっ」
気まずくなり逃げだす三己梨君でしたが
「待て、一人じゃ寂しい・・・」
服の袖を掴まれてしまいます
「いや、僕家に帰りたいんだけど・・・」
「暗くて怖い、寂しいから一人にしないでくれ・・・」
亡霊姫は涙目になりながら三己梨君に懇願します、お目目うるうるです
さっきは驚いて逃げてしまった三己梨君でしたがその表情にちょっぴり動揺してしまうのでした。
姫幽霊はそれを見逃しませんでした
「隙あり、取り憑きっ!」
一瞬の気持ちの緩みが運の尽き、姫幽霊に取り憑かれてしまうのでした。
「なんでこうなるの〜・・・」
あくる日
「ここでこの式がこうなってだな〜・・・こら、三己梨!聞いてるのかっ!」
「ふぁっ、ふぁい!」
{ねぇ、姫・・・今勉強している所だから頭の中に妄想垂れ流してくるの止めて頂けませんか?}
「いや!わらわ退屈なの・・・」
「はぁ・・・」
「こるぁ!三己梨、聞いとるのかぁ!」
あれからというものの、すっかり姫幽霊に懐かれた三己梨君
毎日毎日不定期に妄想を頭の中に流されるのでした、その度に人の話を聞き逃して行くうちに、耳なし芳一なんてあだ名をつけられてしまうのでした。
「ここでだな、お主がわらわにこう口づけをだな・・・」
「もうやめてー・・・」
めでたしめでたし
前回、霧島君を放置し慌てて逃げて行った三己梨君
今回はそんな彼のその後を追いかけてみましょう
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
前回あんなに叫んで逃げたのにまだ走り続ける三己梨君
どうしてそこまで走るのか、答えはその少し後ろにありました
走る彼の後ろに5つの人影・・・彼はどうやらこれから逃げているようです
〜数十分前〜
「はぁ・・・・はぁ・・・」
息も絶え絶え三己梨君、そりゃあんなもの見てしまっては仕方ありません
そんな彼の目の前には古びた家が一軒建っており、中からは明かりがもれていました。
ここで休ませてもらうと三己梨君、ごめんくださいと家の扉を開けます
ここで開けなければまだ良かったものを、中に見えるは首の無い女性の胴体が5つと宙に浮かぶ女性の首が5つ、そこにいるのはとある世界ではデュラハンと呼ばれる魔物娘さん達でした、しかし三己梨君がそんなこと知るはずもなく血の気が引いていきます
「お、お邪魔しましたー!」
そして慌ててまわれ右、そして猛ダッシュ、流石は元陸上部、足が速い
「見ましたわねー」
「待てぇい!」
「食べてやるー」
「にがさんぞ〜」
「・・・・」
〜回想終わり〜
こうして今に至ります
逃げる三己梨!追うデュラハン5人衆!
食われてなるまいと彼は必死で走ります、走って、走って、走って・・・
「う、うわぁ!」
崖から落ちてしまいました。
都合の・・・・基、運の良い事にデュラハンさん達は彼を見失います
「逃がしてしまいましたわっ」
「折角の男が!」
「お腹すいたー・・・」
「にがさんぞ〜」
「・・・」
まぁ、彼女らの事は放っておいて
「痛たた・・・」
崖から落ちた三己梨君、運よく肘を擦り剥くだけで済んだようで
「今日は、ロクな目に合わないなぁ・・・」
と、息を整え周囲を見渡す三己梨君、またも先の方に明かりを発見します。
そして再びそれに接近する三己梨君、流石に今度は慎重にこっそりと・・・
明かりの近くまでこっそり近づき茂みの中から様子を窺います。
「おのれ源氏め・・・」
「今ー宵こそ〜、我らの恨み、晴らぁぁぁぁす、時ぞぉぉぉぉぉ」
「姫様の無念、今こそ晴らす時ぞ・・・!」
そこにいたのはその昔、源氏に破れた平家の亡霊たちでした。
「oh・・・」
これ以上耐えられないと、三己梨君はこっそりと後ろに下がります
だがしかし
『バキッ』
運の悪い事に落ちていた枝を踏んでしまいます。
「そこに居るのは誰だっ!」
「不審な者じゃ、姫様いかがなさいましょう!」
「捕まえなさい、見られたからには逃がしてはなりません!」
こうして再び三己梨君は走り出します、今度は亡霊に追いかけられながら・・・
「不幸だぁ〜・・・理不尽だ〜!」
しばらく逃走を続けているうちにお寺を発見する三己梨君
「なんでもいい、誰か助けて!」
慌ててお寺に駆け込み戸を叩きます
「お願いします!誰か、誰か助けて!」
すると明かりが灯り
「なんじゃ騒々しい!」
中から、かなり年季の入った坊さんが出てきました。
「亡霊に追われているんです、助けてくださいっ!」
懇願する三己梨君、すると坊さん
「ついに長年の修行の成果を試す時が来たか!」
ノリノリの坊さん、三己梨君は奥へと連れて行かます。
「まずはお前さんを奴らから見えないようにする為、体中にお経を書くぞ」
ここで昔読んだ怪談を思い出す三己梨君、その話だと素っ裸にお経を書かれていた事を思い出します。
「えっ!?脱ぐのはヤです!」
「バカタレッ!誰が貴様の裸なぞ見たがるかっ、服の上から書くんじゃい!」
そういって坊さんは一瞬で三己梨君の全身にお経を書きました。
そこ、ご都合主義とか言わない
「これでよし!後はワシが退治するからお前さんは隠れておれ」
そういって坊さんは部屋から飛び出して行きました。
それから少しして、お寺に亡霊が到着します。
「待てい亡霊共!ここから先はこの儂」
「どけぃジジイ!」
「ぐわー」
あっさり敗北する坊さん、負けただけならよかったのですが
「小僧はここにおりますじゃ!」
亡霊の仲間にされまさかの裏切りです
「ここかぁ、うるぁぁぁぁぁ!」
ピンポイントに掴みかかってくる亡霊、三己梨君は間一髪交わしますが、垂れていたイヤホンのコードを掴まれ引っ張られてしまいます。
{も・・・もうダメだぁ〜・・・}
彼も男です、こうなってしまっては覚悟を決めるしかありません
が、しかし点は彼を見捨てはしませんでした
『ぶつっ』
その時イヤホンのコードが彼の身につけるIpodからすっぽ抜けます、そしてIpodから鳴りだす音楽・・・
『私を悩ませるその四角いフォルム〜♪』
それは彼の大好きなアイドル、九美椿の先月発売された新曲、油揚げへの想いと恋を歌った「恋の油揚げ」でした。
「ぬわー!こんな時にっ」
いよいよ持って覚悟を決める三己梨君、しかし亡霊たちの何やら様子がおかしいことに気付きます
「おおおおお、なぁんだぁこの歌はぁぁぁぁぁ!」
「なんだかよく分からんが癒されるー・・・・」
「恋の油揚げ〜、A B U R A A G E 油あげっ☆」
どうやら亡霊たちは「恋の油揚げ」がいたくツボに来たようで
歌まですぐに覚えてしまうのはいかがなものかと思いますが・・・
「ぶぅるぁぁぁぁぁぁ、癒されぇるぅぅぅぅぅぅ・・・」
「もう源氏なんぞどうでもいい・・・」
「成仏するか?」
「んだな・・・」
「儂は死んじまっただー」
とりあえず、勝手に癒されて成仏していきました、どさくさにまぎれて坊さんも召されて行きました。
「ま、待てお前達!私を置いていくんじゃない!」
そして取り残される姫と三己梨君
「折角、苦労してこの世に連れ戻したのにっ、私はまた一人になるのか・・・」
姫と呼ばれたその亡霊には「油揚げオブLOVE」はハマらなかったらしく成仏できなかったようです。
目が合う二人
そして流れるしばしの沈黙
「え・・・えっと、君は幽霊だけど、強く生きてくだ・・・さい、それじゃ僕はこれでっ」
気まずくなり逃げだす三己梨君でしたが
「待て、一人じゃ寂しい・・・」
服の袖を掴まれてしまいます
「いや、僕家に帰りたいんだけど・・・」
「暗くて怖い、寂しいから一人にしないでくれ・・・」
亡霊姫は涙目になりながら三己梨君に懇願します、お目目うるうるです
さっきは驚いて逃げてしまった三己梨君でしたがその表情にちょっぴり動揺してしまうのでした。
姫幽霊はそれを見逃しませんでした
「隙あり、取り憑きっ!」
一瞬の気持ちの緩みが運の尽き、姫幽霊に取り憑かれてしまうのでした。
「なんでこうなるの〜・・・」
あくる日
「ここでこの式がこうなってだな〜・・・こら、三己梨!聞いてるのかっ!」
「ふぁっ、ふぁい!」
{ねぇ、姫・・・今勉強している所だから頭の中に妄想垂れ流してくるの止めて頂けませんか?}
「いや!わらわ退屈なの・・・」
「はぁ・・・」
「こるぁ!三己梨、聞いとるのかぁ!」
あれからというものの、すっかり姫幽霊に懐かれた三己梨君
毎日毎日不定期に妄想を頭の中に流されるのでした、その度に人の話を聞き逃して行くうちに、耳なし芳一なんてあだ名をつけられてしまうのでした。
「ここでだな、お主がわらわにこう口づけをだな・・・」
「もうやめてー・・・」
めでたしめでたし
11/01/18 22:18更新 / 猫目
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