ゲイザーちゃんといちゃいちゃしてみたよ!
あっちい
毎日、毎日、なんなんだこの暑さは、温度計はもう見ないぞ。
さて、草刈りも終わったし家に入るか、不思議と作業を終えると汗が噴き出す。
俺は風呂に入る前に、彼女の部屋を一応ノックした。
「はいってまーす」
なんとも間延びした、のんびりとした声。
いや、居るのは知ってるし。
がらっ
涼しいというか、冷風が俺の体全体に当たる。てか、寒っ!
おいおい、どんだけ冷やしてるんだよ。
「なんだよー。せっかくのんびり、涼んでベッドの上でころころしてたのにーー、早く閉めろよー!」
ゲイザーちゃんがエアコンをパワーMAX+扇風機、ベッドでごろごろ、しかもTシャツ一枚という。
まさに堕落した姿で俺を睨みつけてくる。睨みつけるといっても触手の目だが……。
「おい、虫が出るから“お願い”って言って、せっかく俺が汗水垂らして、この炎天下の中、庭の草刈りをしてたのに……、せめてパンツくらい履けよ」
「ごくろーさん、というか早く閉めろよー。部屋の温度があっつくなるじゃん」
パンツのことは無視かよ。と思いつつも、だんだん腹が立ってくる。
「ゲイザーちゃん」
「んだよー」
だめだ。この部屋にいたらただでさえ堕落してるゲイザーちゃんがもっとダメになる。
「正座」
「は?」
俺はベッドの前に近づいて、ゲイザーちゃんを見る。触手の目もなんだか眠そうにしてるし、これは流石に注意しないと。
「やだ。まだ涼しい部屋で寝る! もう、うっさいから」
「な!」
「くふふ、わたしに逆らおうなんて、100年早いし」
油断した! てっきり触手の目ものんびりセーフモードだから『暗示』を掛けられるなんて思ってなかった。
「お前も堕落して、のんびりしようぜ〜。ほらほら」
ゲイザーちゃんの『暗示』で俺はフラフラと彼女が眠っているベッドへと引きずり込まれそうになる。触手までが体にまとわりついてきて、つまりのところピンチだ。
「げ、ゲイザーちゃん」
「くふふ、ほらほら〜、こっちは涼しいぞー」
そしてニヤニヤと赤い目で俺を楽しそうに見つめて両手を広げる。
おのれ、このまま堕落してたまるか、というかシャツがずれてゲイザーちゃんのちょっと膨らんだ胸とか見えそうになってるし。
「うぉぉぉぉ!!!」
「な、なんだぁ」
いままでも、よくこのパターンでやられていたので、ちょっとは学習した。しかも、今は本気モードのゲイザーちゃんじゃない。
『暗示』も100%じゃなければ、なんとか。
「うう、身体を冷やし過ぎた〜。ちからがでない〜」
「ふふふ、残念だったな。だらだら生活をしてるからそうなるんだ」
ゲイザーちゃんはショックらしい、『暗示』もそうだが、自分の思い通りにならないと、とにかく機嫌が悪くなる。
「むむむぅぅぅ!!!」
「正座!」
「わかった。ようきゅーはなんだ!」
ベッドの上であぐらをかきながら、それでも偉そうに聞いてくる。
「あのさー、この際だから言うけど、ゲイザーちゃん、暑いのはわかるけど、最近、家事とかぜんぜんやってくれないよね」
「うぐっ」
よし、効いてるぞ。いい機会だ。この際ちゃんと言うべきことは言わないと。
「まあ、外の仕事はいいとして、せめて、この部屋! それにその恰好!! 俺でも流石にこの部屋はないと思う。服とかそれに下着まで片づけないで置いてあるのはよくない」
「うぐぐぐ」
そうなのだ。涼しい部屋ならともかく、ゲイザーちゃんの部屋は、足の踏み場もないくらい服とか物とかが散乱してる。
せっかく、その、かわいいのに、いろいろ台無し。
「あ、後で片づけるからー」
「それ昨日も言ったよね」
ぴちゃりと言う。
俺は今日、鬼になる。イライラしてるのは暑いせいもあるけど。
二人で住んでいるんだから、やっぱり言いたいことは言わないと。
「むぐぐ、わかった。わかったからさー!!」
ようやくベッドから立ち上がったゲイザーちゃんが俺を追い出すように背中を押す。
「ぴっかぴっかにしてやるから覚えてろよ!!」
舌をべーっと出しながらとうとう俺を部屋から追い出した。
よしよし、作戦はうまくいったぞ。なんだかんだ言ってもやる時はやるはずだ。
多分。
「あいつめー、このわたしが本気になったら、こんな部屋なんてあっという間に綺麗にしてやるっ!!」
どかどかと足を広げて歩きとりあえず。
部屋を見渡す。
まずは服を片付けよう。あとはいるものといらない物を分けて。
うんうん、よしよし。
ん?
「お、服の下からまだ読んでない漫画発見!! ちょっとくらい休憩してからでもいいよな」
そう言ってゲイザーちゃんはちょこっと服をタンスに押し込んでから、ベッドにまたころころと横になって漫画を読みだした。
「う、ちょっと冷えてきた」
リモコンで温度を調整する。
「うしっ!!」
ゲイザーちゃん、きちんと掃除してるかな、さっきまで部屋からごそごそ音はしていたから、多少は進んでいるはずだ。というか、あれだけ注意したからきっともう終わって、寝てるかもしれない。
ま、あともうちょっとしたら、ジュースでも持っていこう。
「さて、もうちょい頑張りますか」
俺は途中になっていた風呂掃除を再開する。暑いが、ここはちゃんと掃除しないとあっという間に汚れる。
水場の掃除は夏こそ大事だ。
「おーい、はいるぞー」
「……」
あれ? 寝てるのか??
「おーーい!!」
「……」
ったく、ま、いっか、せっかく持ってきたジュースの氷が溶ける。
がらーーー
「くかーーーー」
思わず手に持っていたジュースをお盆ごと落としそうになった。
服はちょっと片付いていた。
しかしだ!!
漫画の本が散らばっている。その先を辿っていくと、すやすやとベッドでほとんど裸の状態で眠るゲイザーちゃん。
俺の中で何かがキレた。
「ゲイザーちゃん!!!!」
「うおっ、なんだぁなんだっ!!」
まさに飛び起きるという表現が正しいだろう。彼女はいきなりの大声に触手も単眼もぐるぐるしてる。
「これはどういうことかな?」
俺は仁王立ちでゲイザーちゃんの前に立つ。さっきは鬼にしたけど更に俺はおこったぞ!!
「なんだよー、服なら片づけたじゃん!」
あぐらをかいてぷいっと片づけた方を見る彼女。
「うん、確かに服はね。でも、気のせいかなー、漫画の本とか散らかっててさっきよりも、ひどーくなってる気がする」
「うぐ、ま、まだ読んでない本があったから、そだ!! きゅーけいだよ。きゅーけい!!」
「ふーん、で、その休憩はいつ終わるのかな」
「あーーーーー、もう、うっさいなあ!!」
な、暗示だと。
「今度はミスらないぞ! ちゃんと冷えすぎないように……へへっ、効いてきたなー」
「く、おのれ」
「へへ、さすがにわたしも2回も同じ間違いはしないぞ。ほらほら〜、一緒に涼もう〜」
ゲイザーちゃんがベッドの上で両手を広げてる。く、身体が勝手に……。
「くふふ、残念だったな。あまりわたしを怒らせるからだぞーー。うりゃっ!!」
「うおっ!」
俺の上に乗っかるゲイザーちゃん、やばい、あの目は本気モードだ。油断したとは言えこれはまずい。
「へへっ、いいじゃん、部屋も涼しいし。おっ、ジュースがあるじゃんか」
触手を器用に使ってコップを取りごくごくと飲むゲイザーちゃん。
「ぷはーーー、ちょっとぬるくなったけどおいしーー!!」
おのれー、自分ばかり飲みやがって。
「お、飲みたいか?? しゃーないなー、んくんくんく。ほら口を開けろ」
「んんん!!!」
ゲイザーちゃんから無理やり、ちょっと生ぬるいジュースが俺の口に流れ込んでくる。しかも、舌まで入れてきやがった。
「どうよ! わたしの特性ミックスジュース、うまいだろ?」
「ぬるい!」
「なっ! せっかくわたしが」
「元々俺が用意したジュースだっての!」
てかあんまり俺の上でもじもじ動くな。てかやばい。
「おお、何々? もしかして興奮してきたか? くふっ! おいおい、もう勃起してるじゃん」
ゲイザーちゃんの触手が俺のを撫で上げる。く、そんなに見るな、触るな、と思っている間も触手であちこち愛撫される。
「まだ乗っかって、ちゅーしただけなのに、おいおい、まだおっきくなるぞ」
「おま、やめっ!」
「やだねー。というかなんだかわたしも興奮してきた」
って、唯一のシャツを脱ぎやがった。てか俺のも脱がせようと。
「ほら、動けないんだから暴れるなよーー」
そして、結局、二人とも全裸だ。
「ちょっとまってろ。んー、こんなもんかな」
リモコンで温度を調整してる。てか、ゲイザーちゃん、相変わらず胸がなぁ、あとちょっと欲しいとこだ。
「おい! 今、わたしのおっぱい見てたよな」
「うっせー、もうちょっとデカくなってから言え」
再び俺に乗っかってきたゲイザーちゃんに俺は文句を言う。全くどこまでわがままなんだ。
「まあいいぜ、どーせ動けないし、この際だ。どっちが偉いかってのをしょーめいしてやるっ。んっ! ほら、口開けろよーー」
にやにやと笑いながらゲイザーちゃんが更に触手を使って俺の顔を引き寄せて唇を重ねる。
無理やりされてるのに気持ちいい……。
「くっ……」
「ん……ちゅ…ちゅ…ぷはっ、目がトロンてしてるぞ。ふふ、もっとちゅーしてやる。…んーーーー」
「むぐ、むぐぐぐ」
ゲイザーちゃんがキスしながら体を擦りつけてくる。というか、乳首が当たって、それに俺のがっ。
「はぁはぁっ! いいぞ。わたしも興奮してきたっ! どっすっかなー。まず、んしょっと、ほら、見ろよ。騎乗位で犯してやるっ」
更に意地悪く微笑みながらゲイザーちゃんが俺の腰に跨った。両手で見せつけるようにあそこを広げてる。
「どうだ。てか、わたしももう濡れてんだ。ま、まあ、キスもだけど、最近してなかっただろ? いいよな? てか、無理だわ。んんっ!」
「お、おいっ」
ゲイザーちゃんが腰を下ろしてくる。目がちょっと涙ぐんでるが大丈夫だろうか。てか、無理するなよ。
「ほらぁ、どんどん、んっ、おまえのが入るっ……んはぁ!」
手で俺のを強引につかんで、更に腰を沈めてく、うわ、てかほんとにぐちゃぐちゃじゃないか。
「無理すんなって」
「う、うるさい。今日はわたしがするんだ!!」
「くっ」
「ほら、よ。入ったぞ。ふふ、いいな、何度もしてるけど、気持ちいいぞ」
やべ、なんだよあの顔、てか久々に見たなあの表情。
「ゲイザーちゃん」
「んだよー。気持ちいいだろ?」
「ああ、すごくいい」
「ばか、真面目に答えるなよ。そ、その照れるじゃん……」
俺の方に倒れてくるゲイザーちゃん、てか肌もすべすべしてて、やっぱりいいな、それにお互い汗だらけのハズなのに全然嫌じゃない。
「ゲイザーちゃんいい匂いだ」
「くんくんするなよぉ。ていうかお前も、へへっ、ちゅ、ちゅっ、いい匂いだ。落ち着く」
しばらく一方的にゲイザーちゃんにくんくんされたり、あっちこっち舐められた。黒くてすべすべした手足も、相変わらずあっちこっちに這いまわる触手も気持ちいい。
それにあの瞳……。やっぱ、綺麗だ。
「んっ、わたしの中でまたおっきくなったな、舐められてそんなに良かったのか? って聞かなくてもそうだよなっ、ほらほら〜」
ゲイザーちゃんは一瞬、照れるが、すぐにそれはいじわるそうな表情に変化する、そして、ゆっくりと腰を振りだす。
「んっ! いいな、なんか久々だな。お前を暗示にかけてわたしが一方的にするのってのもっ! 気持ちいいっ!! うんっ、んしょっ! どんどん動くぞっ!! えいっ」
「ちょ、いきなり激しいって」
にやっと笑ったゲイザーちゃんは足を大きく広げて更に腰を振る。
強引に俺の手を掴んだかと思うと更に。
ってか、もう限界だ。
「ほら、恋人つなぎってやつで、どんどんっ、んっ、もう出るのか?」
「やばい、まじで!」
「いいぞ。ほらっ、だせっ!! 遠慮するなって! ほらっほらぁっ!!」
ゲイザーちゃんの腰がぐっとくっつく、それに手も同時にすごい力で握られて、目の前が真っ白に。
「でるっ!!!!」
「わ、わたしも、いくっ!!!!」
「はぁはぁ」
「はは、まだどくどくいってるぞ。ほら、そんなに良かったのか……。てかわたしもいったけどな、にひっ」
ゲイザーちゃんが顔を真っ赤にして、また俺を抱きしめる。
「なあ、つづき、いいよな?」
「おい、うそだろ」
ゲイザーちゃんの腰がまた動き出す。てか、まだ射精してる途中に!
「ば、うごくな」
「す、すごい。まだ出てるぞ。どんだけ溜めてたんだよー。あはっ、いいなー、暑いのはやだったけど、この熱さは嫌いじゃないっ」
ようやくゲイザーちゃんが俺から降りる。てか、もう俺のあれはふにゃっとしてて。
「なあ、まだつづき」
「な!」
身体が、え!! おいなんだ。
「だめだ。というか、前にやったあれ。やるぞ」
俺はうつ伏せに寝かされていた。ゲイザーちゃんが後ろで何か、いひっ!!!
「ほら、変な声だすなって、……ん……ちゅ…れろぉ……ん……ふふ…ちゅ……ちゅちゅぅぅ!!」
「んひぃ! ばか、やめ」
「やだねー、てか何回も、ばかばか言うなよー。ほらもっとケツを舐めてやる」
「いっ!」
「ふふ……いいな、その眺め。そろそろほぐれたかなー♪」
「ま、まさか」
「あれだよ。お前も最後は気持ちよかっただろ? 触手を突っ込むアレ、……入れるぞ」
「おい、まじか、まだ心の準備がぁ!!!」
「んんっ、ほら、力ぬけよー。動けないんだから、ほらっ、んんん!!!」
確かにそんなことをしたこともあった。というか暗示でむちゃくちゃエッチした後に変な気分になってノリでやったやつだ。
「おお、ちゃんと入るぅぅ!! これぇ! 気持ちいいし、おーー、入っていく様子が見えるから……」
「いちいち言うなって、ぐお!! さける、さけるぅ!!」
無理やりすぎる。というかアレは随分前だし、それにあの時より触手が太いし、い、痛い。
「おっと、そうだった」
強引に俺の顔をくるっと回すとまた………。
「ほら、これで痛くないだろ。というか慣れたら大丈夫だって!!」
「あっ! あっ!!」
ずぶずぶと更にゲイザーちゃんの触手が後ろの穴に突っ込まれる感触。暗示で痛みは消えたがそれでも違和感がすごい。
「おっと、行き止まりだな。はぁはぁっ!! これ、すげーいいぞ!!」
「げ、ゲイザーちゃん、俺が悪かったから……ぬ、ぬい」
後ろから笑い声が聞こえる。うそだろ。
ゲイザーちゃんが俺の背中に乗っかってくる。そして手が俺の乳首に伸びてきてくりくりと刺激される。
「おいおい、男なのに乳首も感じてるのか? ほら、触手も、んっ、動かすぞ。てか。止まんないっ!!」
ゲイザーちゃんのすべすべした手が乳首に、しかも、変な気分だ。スベスベの足も、俺の下半身に逃がさないとばかりに絡みついてくる、更にゲイザーちゃんの勃起した乳首が背中にこすれて!
「い、いいっ!!」
「わたしもだっ! これ、足も体も手も全部止まんないっ!! 触手が勝手に動くっ!!! わたしも気持ちいいっ!!! もっと、もっと動かしちゃう! あはっ♪」
乳首がぎゅっとつねられて、背中に唇が吸い付く。ふくらみかけの胸も気持ちいいし、身体に巻き付く無数の触手も……。
「げ、ゲイザーちゃん、お、俺のにぎって」
「いいぞ、ほら片手でシゴいてやるっ。乳首はっ! ん!! これすごいなっ!! お前を犯してるって思うだけで、こ、興奮する!!」
「うわ、手が、やばい。もうっ!」
「いいぞ、わたしももっと抜き刺ししてぇ!! はあっ!! いいよぉ!! 手でシコッて更に乳首もぎゅってぇ、いけっ、いっちゃえ!!!」
「で、出るっ!!」
「わたしも、いくっ!!」
「好きぃ!! 好き!!!」
「俺もだ!!」
「「いくぅぅぅぅ!!!!!」」
さっき以上の快感だった。というかゲイザーちゃんも同じみたいだ。二人してそのままベッドに倒れ込む。
「げ、ゲイザーちゃん」
「ん……すごかった……好き…大好きだ……ん、きす、キスだ! ちゅ……ん…ちゅ」
「ん…う…ん」
また俺は仰向けにされて、ゲイザーちゃんが抱き着いてくる。
うわ、なんだ、すごい可愛い。
「そ、そのなんだ。ちゃんと明日は片づけるし。その、今日はこのままぎゅってしてていいか?」
「あ、ああ、いいぞ。てか、暗示じゃなくても動けない」
「あー、実はもう暗示は途中で解いてた」
「なっ」
「あはは、いいだろ。その……気持ちよかったし。ほらわかったら、抱きしめろよーー」
「しゃーないなー、ほらっ」
「えへ、ほらわたしもぎゅってするーー」
ぎゅーーーーーー
「「ははっ」」
二人して笑う。
なんかむちゃくちゃな一日だったけど。
「好き……」
俺はゲイザーちゃんの笑顔がたまらなく好きだ。
「俺もだ」
「えへへっ…」
ゲイザーちゃんの頭を撫でながら、このまま眠ろう。いつの間にか夜になってた。
「ふぁ」
夜はちょっと涼しくなってきて、丁度いい。
ゲイザーちゃんのすべすべの体と触手につつまれて………。
「もっかい、ちゅー♪」
やっぱりゲイザーちゃんが好きだ……。
そのまま目を閉じた。
毎日、毎日、なんなんだこの暑さは、温度計はもう見ないぞ。
さて、草刈りも終わったし家に入るか、不思議と作業を終えると汗が噴き出す。
俺は風呂に入る前に、彼女の部屋を一応ノックした。
「はいってまーす」
なんとも間延びした、のんびりとした声。
いや、居るのは知ってるし。
がらっ
涼しいというか、冷風が俺の体全体に当たる。てか、寒っ!
おいおい、どんだけ冷やしてるんだよ。
「なんだよー。せっかくのんびり、涼んでベッドの上でころころしてたのにーー、早く閉めろよー!」
ゲイザーちゃんがエアコンをパワーMAX+扇風機、ベッドでごろごろ、しかもTシャツ一枚という。
まさに堕落した姿で俺を睨みつけてくる。睨みつけるといっても触手の目だが……。
「おい、虫が出るから“お願い”って言って、せっかく俺が汗水垂らして、この炎天下の中、庭の草刈りをしてたのに……、せめてパンツくらい履けよ」
「ごくろーさん、というか早く閉めろよー。部屋の温度があっつくなるじゃん」
パンツのことは無視かよ。と思いつつも、だんだん腹が立ってくる。
「ゲイザーちゃん」
「んだよー」
だめだ。この部屋にいたらただでさえ堕落してるゲイザーちゃんがもっとダメになる。
「正座」
「は?」
俺はベッドの前に近づいて、ゲイザーちゃんを見る。触手の目もなんだか眠そうにしてるし、これは流石に注意しないと。
「やだ。まだ涼しい部屋で寝る! もう、うっさいから」
「な!」
「くふふ、わたしに逆らおうなんて、100年早いし」
油断した! てっきり触手の目ものんびりセーフモードだから『暗示』を掛けられるなんて思ってなかった。
「お前も堕落して、のんびりしようぜ〜。ほらほら」
ゲイザーちゃんの『暗示』で俺はフラフラと彼女が眠っているベッドへと引きずり込まれそうになる。触手までが体にまとわりついてきて、つまりのところピンチだ。
「げ、ゲイザーちゃん」
「くふふ、ほらほら〜、こっちは涼しいぞー」
そしてニヤニヤと赤い目で俺を楽しそうに見つめて両手を広げる。
おのれ、このまま堕落してたまるか、というかシャツがずれてゲイザーちゃんのちょっと膨らんだ胸とか見えそうになってるし。
「うぉぉぉぉ!!!」
「な、なんだぁ」
いままでも、よくこのパターンでやられていたので、ちょっとは学習した。しかも、今は本気モードのゲイザーちゃんじゃない。
『暗示』も100%じゃなければ、なんとか。
「うう、身体を冷やし過ぎた〜。ちからがでない〜」
「ふふふ、残念だったな。だらだら生活をしてるからそうなるんだ」
ゲイザーちゃんはショックらしい、『暗示』もそうだが、自分の思い通りにならないと、とにかく機嫌が悪くなる。
「むむむぅぅぅ!!!」
「正座!」
「わかった。ようきゅーはなんだ!」
ベッドの上であぐらをかきながら、それでも偉そうに聞いてくる。
「あのさー、この際だから言うけど、ゲイザーちゃん、暑いのはわかるけど、最近、家事とかぜんぜんやってくれないよね」
「うぐっ」
よし、効いてるぞ。いい機会だ。この際ちゃんと言うべきことは言わないと。
「まあ、外の仕事はいいとして、せめて、この部屋! それにその恰好!! 俺でも流石にこの部屋はないと思う。服とかそれに下着まで片づけないで置いてあるのはよくない」
「うぐぐぐ」
そうなのだ。涼しい部屋ならともかく、ゲイザーちゃんの部屋は、足の踏み場もないくらい服とか物とかが散乱してる。
せっかく、その、かわいいのに、いろいろ台無し。
「あ、後で片づけるからー」
「それ昨日も言ったよね」
ぴちゃりと言う。
俺は今日、鬼になる。イライラしてるのは暑いせいもあるけど。
二人で住んでいるんだから、やっぱり言いたいことは言わないと。
「むぐぐ、わかった。わかったからさー!!」
ようやくベッドから立ち上がったゲイザーちゃんが俺を追い出すように背中を押す。
「ぴっかぴっかにしてやるから覚えてろよ!!」
舌をべーっと出しながらとうとう俺を部屋から追い出した。
よしよし、作戦はうまくいったぞ。なんだかんだ言ってもやる時はやるはずだ。
多分。
「あいつめー、このわたしが本気になったら、こんな部屋なんてあっという間に綺麗にしてやるっ!!」
どかどかと足を広げて歩きとりあえず。
部屋を見渡す。
まずは服を片付けよう。あとはいるものといらない物を分けて。
うんうん、よしよし。
ん?
「お、服の下からまだ読んでない漫画発見!! ちょっとくらい休憩してからでもいいよな」
そう言ってゲイザーちゃんはちょこっと服をタンスに押し込んでから、ベッドにまたころころと横になって漫画を読みだした。
「う、ちょっと冷えてきた」
リモコンで温度を調整する。
「うしっ!!」
ゲイザーちゃん、きちんと掃除してるかな、さっきまで部屋からごそごそ音はしていたから、多少は進んでいるはずだ。というか、あれだけ注意したからきっともう終わって、寝てるかもしれない。
ま、あともうちょっとしたら、ジュースでも持っていこう。
「さて、もうちょい頑張りますか」
俺は途中になっていた風呂掃除を再開する。暑いが、ここはちゃんと掃除しないとあっという間に汚れる。
水場の掃除は夏こそ大事だ。
「おーい、はいるぞー」
「……」
あれ? 寝てるのか??
「おーーい!!」
「……」
ったく、ま、いっか、せっかく持ってきたジュースの氷が溶ける。
がらーーー
「くかーーーー」
思わず手に持っていたジュースをお盆ごと落としそうになった。
服はちょっと片付いていた。
しかしだ!!
漫画の本が散らばっている。その先を辿っていくと、すやすやとベッドでほとんど裸の状態で眠るゲイザーちゃん。
俺の中で何かがキレた。
「ゲイザーちゃん!!!!」
「うおっ、なんだぁなんだっ!!」
まさに飛び起きるという表現が正しいだろう。彼女はいきなりの大声に触手も単眼もぐるぐるしてる。
「これはどういうことかな?」
俺は仁王立ちでゲイザーちゃんの前に立つ。さっきは鬼にしたけど更に俺はおこったぞ!!
「なんだよー、服なら片づけたじゃん!」
あぐらをかいてぷいっと片づけた方を見る彼女。
「うん、確かに服はね。でも、気のせいかなー、漫画の本とか散らかっててさっきよりも、ひどーくなってる気がする」
「うぐ、ま、まだ読んでない本があったから、そだ!! きゅーけいだよ。きゅーけい!!」
「ふーん、で、その休憩はいつ終わるのかな」
「あーーーーー、もう、うっさいなあ!!」
な、暗示だと。
「今度はミスらないぞ! ちゃんと冷えすぎないように……へへっ、効いてきたなー」
「く、おのれ」
「へへ、さすがにわたしも2回も同じ間違いはしないぞ。ほらほら〜、一緒に涼もう〜」
ゲイザーちゃんがベッドの上で両手を広げてる。く、身体が勝手に……。
「くふふ、残念だったな。あまりわたしを怒らせるからだぞーー。うりゃっ!!」
「うおっ!」
俺の上に乗っかるゲイザーちゃん、やばい、あの目は本気モードだ。油断したとは言えこれはまずい。
「へへっ、いいじゃん、部屋も涼しいし。おっ、ジュースがあるじゃんか」
触手を器用に使ってコップを取りごくごくと飲むゲイザーちゃん。
「ぷはーーー、ちょっとぬるくなったけどおいしーー!!」
おのれー、自分ばかり飲みやがって。
「お、飲みたいか?? しゃーないなー、んくんくんく。ほら口を開けろ」
「んんん!!!」
ゲイザーちゃんから無理やり、ちょっと生ぬるいジュースが俺の口に流れ込んでくる。しかも、舌まで入れてきやがった。
「どうよ! わたしの特性ミックスジュース、うまいだろ?」
「ぬるい!」
「なっ! せっかくわたしが」
「元々俺が用意したジュースだっての!」
てかあんまり俺の上でもじもじ動くな。てかやばい。
「おお、何々? もしかして興奮してきたか? くふっ! おいおい、もう勃起してるじゃん」
ゲイザーちゃんの触手が俺のを撫で上げる。く、そんなに見るな、触るな、と思っている間も触手であちこち愛撫される。
「まだ乗っかって、ちゅーしただけなのに、おいおい、まだおっきくなるぞ」
「おま、やめっ!」
「やだねー。というかなんだかわたしも興奮してきた」
って、唯一のシャツを脱ぎやがった。てか俺のも脱がせようと。
「ほら、動けないんだから暴れるなよーー」
そして、結局、二人とも全裸だ。
「ちょっとまってろ。んー、こんなもんかな」
リモコンで温度を調整してる。てか、ゲイザーちゃん、相変わらず胸がなぁ、あとちょっと欲しいとこだ。
「おい! 今、わたしのおっぱい見てたよな」
「うっせー、もうちょっとデカくなってから言え」
再び俺に乗っかってきたゲイザーちゃんに俺は文句を言う。全くどこまでわがままなんだ。
「まあいいぜ、どーせ動けないし、この際だ。どっちが偉いかってのをしょーめいしてやるっ。んっ! ほら、口開けろよーー」
にやにやと笑いながらゲイザーちゃんが更に触手を使って俺の顔を引き寄せて唇を重ねる。
無理やりされてるのに気持ちいい……。
「くっ……」
「ん……ちゅ…ちゅ…ぷはっ、目がトロンてしてるぞ。ふふ、もっとちゅーしてやる。…んーーーー」
「むぐ、むぐぐぐ」
ゲイザーちゃんがキスしながら体を擦りつけてくる。というか、乳首が当たって、それに俺のがっ。
「はぁはぁっ! いいぞ。わたしも興奮してきたっ! どっすっかなー。まず、んしょっと、ほら、見ろよ。騎乗位で犯してやるっ」
更に意地悪く微笑みながらゲイザーちゃんが俺の腰に跨った。両手で見せつけるようにあそこを広げてる。
「どうだ。てか、わたしももう濡れてんだ。ま、まあ、キスもだけど、最近してなかっただろ? いいよな? てか、無理だわ。んんっ!」
「お、おいっ」
ゲイザーちゃんが腰を下ろしてくる。目がちょっと涙ぐんでるが大丈夫だろうか。てか、無理するなよ。
「ほらぁ、どんどん、んっ、おまえのが入るっ……んはぁ!」
手で俺のを強引につかんで、更に腰を沈めてく、うわ、てかほんとにぐちゃぐちゃじゃないか。
「無理すんなって」
「う、うるさい。今日はわたしがするんだ!!」
「くっ」
「ほら、よ。入ったぞ。ふふ、いいな、何度もしてるけど、気持ちいいぞ」
やべ、なんだよあの顔、てか久々に見たなあの表情。
「ゲイザーちゃん」
「んだよー。気持ちいいだろ?」
「ああ、すごくいい」
「ばか、真面目に答えるなよ。そ、その照れるじゃん……」
俺の方に倒れてくるゲイザーちゃん、てか肌もすべすべしてて、やっぱりいいな、それにお互い汗だらけのハズなのに全然嫌じゃない。
「ゲイザーちゃんいい匂いだ」
「くんくんするなよぉ。ていうかお前も、へへっ、ちゅ、ちゅっ、いい匂いだ。落ち着く」
しばらく一方的にゲイザーちゃんにくんくんされたり、あっちこっち舐められた。黒くてすべすべした手足も、相変わらずあっちこっちに這いまわる触手も気持ちいい。
それにあの瞳……。やっぱ、綺麗だ。
「んっ、わたしの中でまたおっきくなったな、舐められてそんなに良かったのか? って聞かなくてもそうだよなっ、ほらほら〜」
ゲイザーちゃんは一瞬、照れるが、すぐにそれはいじわるそうな表情に変化する、そして、ゆっくりと腰を振りだす。
「んっ! いいな、なんか久々だな。お前を暗示にかけてわたしが一方的にするのってのもっ! 気持ちいいっ!! うんっ、んしょっ! どんどん動くぞっ!! えいっ」
「ちょ、いきなり激しいって」
にやっと笑ったゲイザーちゃんは足を大きく広げて更に腰を振る。
強引に俺の手を掴んだかと思うと更に。
ってか、もう限界だ。
「ほら、恋人つなぎってやつで、どんどんっ、んっ、もう出るのか?」
「やばい、まじで!」
「いいぞ。ほらっ、だせっ!! 遠慮するなって! ほらっほらぁっ!!」
ゲイザーちゃんの腰がぐっとくっつく、それに手も同時にすごい力で握られて、目の前が真っ白に。
「でるっ!!!!」
「わ、わたしも、いくっ!!!!」
「はぁはぁ」
「はは、まだどくどくいってるぞ。ほら、そんなに良かったのか……。てかわたしもいったけどな、にひっ」
ゲイザーちゃんが顔を真っ赤にして、また俺を抱きしめる。
「なあ、つづき、いいよな?」
「おい、うそだろ」
ゲイザーちゃんの腰がまた動き出す。てか、まだ射精してる途中に!
「ば、うごくな」
「す、すごい。まだ出てるぞ。どんだけ溜めてたんだよー。あはっ、いいなー、暑いのはやだったけど、この熱さは嫌いじゃないっ」
ようやくゲイザーちゃんが俺から降りる。てか、もう俺のあれはふにゃっとしてて。
「なあ、まだつづき」
「な!」
身体が、え!! おいなんだ。
「だめだ。というか、前にやったあれ。やるぞ」
俺はうつ伏せに寝かされていた。ゲイザーちゃんが後ろで何か、いひっ!!!
「ほら、変な声だすなって、……ん……ちゅ…れろぉ……ん……ふふ…ちゅ……ちゅちゅぅぅ!!」
「んひぃ! ばか、やめ」
「やだねー、てか何回も、ばかばか言うなよー。ほらもっとケツを舐めてやる」
「いっ!」
「ふふ……いいな、その眺め。そろそろほぐれたかなー♪」
「ま、まさか」
「あれだよ。お前も最後は気持ちよかっただろ? 触手を突っ込むアレ、……入れるぞ」
「おい、まじか、まだ心の準備がぁ!!!」
「んんっ、ほら、力ぬけよー。動けないんだから、ほらっ、んんん!!!」
確かにそんなことをしたこともあった。というか暗示でむちゃくちゃエッチした後に変な気分になってノリでやったやつだ。
「おお、ちゃんと入るぅぅ!! これぇ! 気持ちいいし、おーー、入っていく様子が見えるから……」
「いちいち言うなって、ぐお!! さける、さけるぅ!!」
無理やりすぎる。というかアレは随分前だし、それにあの時より触手が太いし、い、痛い。
「おっと、そうだった」
強引に俺の顔をくるっと回すとまた………。
「ほら、これで痛くないだろ。というか慣れたら大丈夫だって!!」
「あっ! あっ!!」
ずぶずぶと更にゲイザーちゃんの触手が後ろの穴に突っ込まれる感触。暗示で痛みは消えたがそれでも違和感がすごい。
「おっと、行き止まりだな。はぁはぁっ!! これ、すげーいいぞ!!」
「げ、ゲイザーちゃん、俺が悪かったから……ぬ、ぬい」
後ろから笑い声が聞こえる。うそだろ。
ゲイザーちゃんが俺の背中に乗っかってくる。そして手が俺の乳首に伸びてきてくりくりと刺激される。
「おいおい、男なのに乳首も感じてるのか? ほら、触手も、んっ、動かすぞ。てか。止まんないっ!!」
ゲイザーちゃんのすべすべした手が乳首に、しかも、変な気分だ。スベスベの足も、俺の下半身に逃がさないとばかりに絡みついてくる、更にゲイザーちゃんの勃起した乳首が背中にこすれて!
「い、いいっ!!」
「わたしもだっ! これ、足も体も手も全部止まんないっ!! 触手が勝手に動くっ!!! わたしも気持ちいいっ!!! もっと、もっと動かしちゃう! あはっ♪」
乳首がぎゅっとつねられて、背中に唇が吸い付く。ふくらみかけの胸も気持ちいいし、身体に巻き付く無数の触手も……。
「げ、ゲイザーちゃん、お、俺のにぎって」
「いいぞ、ほら片手でシゴいてやるっ。乳首はっ! ん!! これすごいなっ!! お前を犯してるって思うだけで、こ、興奮する!!」
「うわ、手が、やばい。もうっ!」
「いいぞ、わたしももっと抜き刺ししてぇ!! はあっ!! いいよぉ!! 手でシコッて更に乳首もぎゅってぇ、いけっ、いっちゃえ!!!」
「で、出るっ!!」
「わたしも、いくっ!!」
「好きぃ!! 好き!!!」
「俺もだ!!」
「「いくぅぅぅぅ!!!!!」」
さっき以上の快感だった。というかゲイザーちゃんも同じみたいだ。二人してそのままベッドに倒れ込む。
「げ、ゲイザーちゃん」
「ん……すごかった……好き…大好きだ……ん、きす、キスだ! ちゅ……ん…ちゅ」
「ん…う…ん」
また俺は仰向けにされて、ゲイザーちゃんが抱き着いてくる。
うわ、なんだ、すごい可愛い。
「そ、そのなんだ。ちゃんと明日は片づけるし。その、今日はこのままぎゅってしてていいか?」
「あ、ああ、いいぞ。てか、暗示じゃなくても動けない」
「あー、実はもう暗示は途中で解いてた」
「なっ」
「あはは、いいだろ。その……気持ちよかったし。ほらわかったら、抱きしめろよーー」
「しゃーないなー、ほらっ」
「えへ、ほらわたしもぎゅってするーー」
ぎゅーーーーーー
「「ははっ」」
二人して笑う。
なんかむちゃくちゃな一日だったけど。
「好き……」
俺はゲイザーちゃんの笑顔がたまらなく好きだ。
「俺もだ」
「えへへっ…」
ゲイザーちゃんの頭を撫でながら、このまま眠ろう。いつの間にか夜になってた。
「ふぁ」
夜はちょっと涼しくなってきて、丁度いい。
ゲイザーちゃんのすべすべの体と触手につつまれて………。
「もっかい、ちゅー♪」
やっぱりゲイザーちゃんが好きだ……。
そのまま目を閉じた。
18/08/18 23:16更新 / ロボット4頭身