はじめてのドラゴニア旅行!
今年は涼しいよ! おいでよドラゴニア
という広告が新聞に載っていた。
魔物達が住む国との国交が成立して、早数年、この国からも魔物達の世界へ観光旅行に行くのも珍しくなくなってきた。
普段ならそんな広告は特に気にしないのだけど、バッフォンのアプリで今日の県内の予想最高気温を調べる。
41度
は?
うそだろ。
俺はチラシに載っていた番号に電話を掛けてみることにした。
しかしながら、なにかと暑い気がする『竜皇国ドラゴニア』(ドラゴンの炎のイメージ)、今年は涼しいというが、どういうことなのだろう。
それにしても41度は無い。
「はい、お電話ありがとうございますっ♪ こちらはドラゴニア観光案内所の、わたくし、リティアと申します」
活発そうな子が電話に出た。いったい仕組みはどうなっているのかわからないけど、ちゃんとこの国から直接ドラゴニアへと繋がったらしい。
「お客様?」
「ああ、ごめんごめん。えーと、今朝の新聞の広告を見たのですが」
「はい、ありがとうございます。そうなんです!! 今年は色んな国から涼しさを求めてこのドラゴニアにたくさんの観光客が訪れているんです!」
なるほど、電話ごしだけど、確かに受付だろうか? 後ろからホテルの予約とか、そんな声が聞こえてくる。にぎやかそうな職場だ。
「あの、でも、俺、男ひとりなんです。はじめて行くしどうしたらいいかわからなくて」
「なるほど、男性の方、一名ですね。大丈夫ですよ。その為の電話ですから、国名はこちらで表示されてますので、あとは郵便番号を教えてください……それと」
あとは流れ作業だった。
住所、氏名、あと身分証明書(これは後でもいいとのこと)、料金プランをリティアさんに伝える。
滞在期間も自由でいいらしい。
会社もあまりの暑さで、みんな数日おきに交代勤務体制になった。
そもそも有休がたっぷり溜まっていて、強制的に消化するようにと言われてたので丁度いい。
はじめての観光、しかも、ドラゴンが居る。
そして、涼しい国!!
なんだかわくわくしてきた。
「はい、確かに確認しました。後程“迎え”が行きますので、ご利用ありがとうございます!」
ん、迎え??
旅行のチケットとか案内パンフレットのことだろうか??
会社に念の為確認したら。むしろ有給を使ういい機会だ。と言われた。まあ、帰ってきたら激務だろうが、それよりも初旅行だ。
着替えとか、色々用意しなくては。
それでだいたい準備が済んだ時だった。
ピンポーン!
はて? 何か荷物なんて頼んでいただろうか?
液晶画面を見るが誰も映っていない? 暑さのあまりでこしょ
ピンポーン!
とりあえず。玄関に行ってみることにした。
「あ、あのー、 様のお宅はこちらですかー?」
ん? なんか子ども子の声が聞こえるぞ?
がちゃ
「え?」
そこには少女。
と、いってもドラゴンの翼、手足も鋭い爪、そして尻尾。
銀髪の長い髪をサイドテールにしている。ピョコっとみえる角も小さい、……胸はまあ年相応なのかな?? 瞳は薄いブルー、というか全身のドラゴンの皮膚部分が、すべて瞳と同じ色だった。(ドラゴンの足や手、羽以外は肌色だ)
見るからに涼しそうな色。
服は濃いブルーのワンピース、子どもがよくピアノの発表会等で着るような服であちこちに白いリボンが付いていて、とてもよく似合っている。
それと、新聞広告に載っていた『ドラゴニア観光案内』のマークが胸の所に刺繍してある。
案内所の制服なのだろうか?
「あ、あの、ドラゴニア観光案内所から来ました。ボーラと申します。種族はドラゴンです!」
ちょっとおどおどしているけれど、かわいい子だ。
というかこんな子どもが直接家までくるとは……、確かに電話で迎えといっていたけど、まさかのまさかだ。
「ああ、ごめんごめん。ちょっとびっくりしちゃって、えっと、健康保険証でいいのかな?」
「あ、はい、それで身分の証明は大丈夫です」
良かった。車の免許を持ってないから時々、変な顔をされるのだけど、問題なかった。
そしてボーラと名乗った子は、電話(?)で何かをやりとりしているようだ。スマホみたいだけど、違う。やっぱり違う世界なんだなー……。
「はい、では、ドラゴニアに案内しますので、お荷物とか忘れ物はありませんか??」
「はい、大丈夫です」
俺の周りが光に包まれる。
え?
「転移魔法です。ドラゴニアとは別世界になりますので、といってもあちらから座標を指定して、……えへ、実はわたしもよくこの仕組みはわからないんですよ」
ボーラはにこにこ笑いながら言う。
まあ、魔物とか町で見かけるし、こんな魔法があってもおかしくないか。
俺はあまりのまぶしさに目を閉じた。
「ようこそ! お客様、ここが竜皇国ドラゴニアですよ!!」
目を開けると、ええええ!!ちょ、ここが、目の前には広大な景色。空にはドラゴン、通りは人間も魔物もたくさんいる。
映画のワンシーンのようだ!!!
「す、すごい。すごいしか言えない!!」
「えへへ、みんな最初はそんな感じです。観光案内所に行きましょう」
ボーラに手を自然に握られた。もっとごつごつしているのかと思った手はちょっとひんやりしてて、やわらかかった。
それにしても風が気持ちいい。山も高いし、うわぁ、完全にこれじゃ、観光客まるだしだ。きょろきょろ見てしまう。
そんな俺を見てボーラは楽しいのか時々こっちを見上げて嬉しそうに笑ってくれる。
「今年はとってもたくさんの方が居るんですよ」
「うん、俺もチラシを見て来たけど、涼しいし、それに初旅行だし」
「え、そうなんですか?」
「うん、海外も自分の国もあちこちに行ったことないんだ」
「じゃ、絶対良い記念になりますよ!」
ぶんぶんと手を振って喜んでくれる彼女、俺もまるで子どもの頃に戻ったみたいな気分になってきた。
「リティアさん、先ほどのお客様をお連れしました!」
「ご苦労様ボーラちゃん、暑かったでしょー」
「はい、でも、はじめてのご案内うまく行きましたっ! えへへ」
観光案内所に着いて、荷物を置いている間にそんな会話が聞こえてくる。
ああ、あの子が電話の相手だったのか。ボーラもかわいいけど、リティアもかわいいな。
服は、みんなバラバラなんだ。というかリティアの服、露出が多い、ちょっと、いや、かなり。
「あ、お客様、ごめんなさい。ついつい」
「いえいえ、いいです。まだ着いたばかりで、色々と眺めているだけでも楽しいのですし」
リティアを眺めていたなんて言えない。
あわてて視線をそらした先にはお土産の見本とか、地図、ドラゴンに関する資料。使い方がよくわからない物。
色んなものが展示してあって、見ているだけでも楽しい。
「ボーラからの電話で身分の確認と、銀行口座の確認も大丈夫です。改めましてようこそ、ドラゴニアへ、さっきまで入国の方がたくさん居ましたけど、今は一息と言った所です」
「え、もしかして休憩中でしたか?」
「いえいえ、混んでいたら大変なのでタイミングが良かったですよ。それで、もしよければなんですけど……」
リティアの話はこうだ。俺を迎えに来てくれたボーラは、まだここに勤めはじめたばかりらしい。他の案内竜も、急に来た客が居たため忙しくて夕方にならないと、きちんとした案内が出来ないとのこと。
ボーラは幼いながらも勉強熱心でドラゴニア内のことはなんでも知っている。ただ、実際に案内するのは初めてなので、どうか? という話だった。
「ごめんなさい。電話の時は違うものが居たのですが……」
「大丈夫ですよ。俺、旅行は初めてなので、むしろボーラの為になるのなら喜んで協力します」
「本当ですか!?」
「やったー。嬉しいです♥♥」
良かったみんないい人(ドラゴン)だ。最初は暑さから逃げる目的の旅行だったけど、ドラゴンの印象も変わりそう。というか変わった。もっとこう、怖いイメージだったのに。
それからカードを使って、ドラゴニアで使えるお金に換金したり、改めて入国の手続き……まあ、ほとんどリティアがやってくれたので、俺は頷く程度。
ちなみにリティアの種族はワイバーンとのことだ。他にもワームという種族が案内竜としているらしい。
「ありがとうございます。では、お荷物は先に宿泊先へと届けます。貴重品等があったら身につけておいてください。あと、ボーラには携帯の端末を持たせてますので緊急の際のサポートも大丈夫です」
「わかりました」
俺はもう一度荷物を確認してから、リティアに見送られて、ボーラと共にドラゴニアへと新たな一歩を踏み出した。
「あ、あの」
ボーラがちょっと顔を赤くしながら言う。
「さっきはありがとうございました♥ 精一杯がんばりますので、よろしくお願いします。おにいちゃん♥♥!」
「うん、こっちこそよろしくね。えと、ボーラちゃん?」
なんか照れ臭い。
おにいちゃんなんて、改めて言われると照れてしまう。しかもドラゴンの女の子、将来はきっとすごい綺麗になること間違いなしの彼女。リティアとはまた違った魅力をもった子だった。
「おにいちゃん♥!」
「ボーラちゃん」
どちらともなく噴き出す。
なんか面白いし、ついつい笑ってしまう。
観光の案内というよりも年の離れた妹と一緒に遊びに来た感覚だ。
風に乗ってボーラちゃんからは果物のような甘い香りがした。
「まず、何か軽く食べましょうか?」
「うん、いいね」
俺たちは手を繋いで街を歩く。そういえば、ちょっと小腹が空いてきた。
「はい、ここが『逆鱗亭』というお店です」
おお、確かに美味しそうな香りが漂ってくる。
「で、ボーラちゃんはどうするの?」
「え、わたしはおにいちゃんが食べ終わるまで待機ですが?」
え、なんかそれはそれで悪い気がする。
「俺で良ければ一緒に食事に付き合ってくれないかな。一人だとやっぱりね」
頭をかきながらボーラに提案すると、うわ、すごい笑顔だ。
「ええ! いいんですか。ぜひ♥」
店内に入ると美味しそうな香りがより強くなった。
「そうそう、おにいちゃん。注文の時は絶対に“ドラゴンを食べさせてください”って言ったらダメですよ」
小声でボーラちゃんが教えてくれる。はて? どういう意味なのだろう。
メニュー表を見たけど、なんとちゃんと読めた。リティアさんに借りた翻訳の腕輪の効果は抜群だ!
「もしかして、このドラゴンステーキのこと?」
「そうそう、それです。以前も観光客の方が“間違った”注文して、未婚のドラゴンさんに美味しくいただかれちゃって……♥」
と最後は顔を真っ赤にして言うボーラちゃん、ああ、なるほど“そういう意味”か。
「でも、このステーキ、ボリュームありそうで、とても俺一人じゃ食べきれないような……」
「えへへ、そういうと思ってました。こっちに書いてある。飢餓竜の実を最初に食べると、大丈夫ですよ!」
ふむふむ、ちゃんと解説が書いてある。なるほど。
「ボーラちゃんは何を注文するの?」
「わたしもおにいちゃんと同じものを食べます♥」
お、意外と食べるのかな。ああ、そっか姿は少女と言えどもドラゴンなんだ。
「飢餓竜の実とドラゴンステーキをそれぞれ2つ!」
最初に来たのはもちろん飢餓竜の実だった。というかどうやって食べるんだろう??
「これはこーして割って、はい、どうぞっ!」
小皿に載せてくれる、店員のドラゴンではなくて目の前のボーラちゃんにすべてやってもらって、なんか嬉しいのやら、恥ずかしいのやら。
「大丈夫ですよ。そんなに緊張しないでください。だって、わたしこれでも観光案内のドラゴンですから♪」
「そっか、そうだよね。あっ! これ、美味しい!!」
柔らかくて飲み込んだ後に甘い香りが……、あれ、この香りはボーラちゃんのと似ているかも。
「おにいちゃん、ステーキもきましたよ!!」
おお、これが!!!
やっぱりお店の外にただよっていた香りはこれだったんだ。というかすごい量、ボーラちゃんはさっそく食べ始めている。
「いただきます! こ、これは!!」
噛むと肉汁が口の中に広がって、とろけるよう。でも決して歯ごたえがないという訳ではなく。絶妙な火加減! それにさっきの実のおかげだろうか。パクパクと食べられる。これは美味しい、ちょっと汗が噴き出るけど、外が涼しいので丁度いい。
夢中になって口に運ぶ。
うまい、うますぎる!!
「ご、ごちそうさま、これ病みつきになるね!」
「でしょ! そうなんです。お持ち帰り用もありますけど、やっぱりお店で食べるのが一番です」
あれだけあったステーキはすべて完食! ボーラちゃんも俺の食べる速さに合わせてくれたようで丁度食べ終わったみたいだ。
こういう細かい気配りができる所がやっぱり観光案内竜として将来有望なんだろうな。
「どうしましたか?」
「ボーラちゃんはすごいなーって、きっとこれからも良い観光案内ができるよ」
「そ、そんな、まだ案内をはじめたばかりですし……でも、嬉しい♥」
なんとなくだけど、ボーラちゃんの性格がわかってきたかも。ドラゴンという先入観念は無い。翼や爪がなければごくごく普通の女の子と変わらない。
「じゃ、次はどこに案内してくれるのかな?」
「あのあの、さっきは食事をごちそうしていただきありがとうございました♥!」
「一人で食べるより楽しかったし、むしろ大感謝!!」
ボンッと顔が赤くなるボーラちゃん、何か様子がおかしい気もするけど、まあ、楽しいのは本当だし。結果的にいい案内竜の子で良かった。
「え、えへへ♥♥」
またぎゅって手を握られる。
さっきよりも暖かいボーラちゃんの手。
「次はもっと涼しい所に行きましょうか!」
「うん、お任せするよ」
「天の柱です」
本当は観光案内の竜が一緒ではないと危険らしい。どう危険なのかはパンフレットに書いてあったので納得。
「近くでみるとやっぱりすごいね」
来た時から気になっていた塔、いったいどのくらいの高さなんだろう。見上げても雲に隠れていて天辺が見えない。
「実際に、登るのは難しいですけど、それよりも、この付近はとっても涼しい風が吹くんですよ」
「うん、ほんとだ。さっきステーキを食べたからちょっと火照っていたんだけど、……気持ちいい」
「気にいってもらえて良かったです」
しばらくボーラちゃんと共に柱付近でのんびりした。時々、竜騎士と呼ばれる人たちが空へと昇ってゆく。
見ているだけでも楽しい。
「今日はありがとう」
「いえいえ、こちらこそ、時間が経つのは早いですね」
だんだん夕方になってきた。より涼しい風が頬に当たる。
「まだ明日もありますし、今日の宿にご案内します」
「うん、お願いしようかな」
宿は最初に通った『竜翼通り』に面した。小さな宿屋だった。
「では、ご案内します」
受付でさっそく手続きをしてくれるボーラちゃん、すごい頼りになる。
「荷物はもう部屋にあるそうです。行きましょう」
「うん」
部屋は、建物の外観からは想像できないくらいに広くて、綺麗だった。ベッドがおっきい。
これは快適そうだ。
「あの、よければなんですけど、一緒に寝ませんか?」
「え?」
もじもじしているボーラちゃん、いやいやいやいや。
「えっと、それはまだ早いというか、色々すっとばしているし、ボーラちゃんもっと自分を大切に!!」
「あの、添い寝だけでもっ!……」
まじか、むしろ大歓迎だけど、今日会ったばかりの竜とは言え女性と一緒のベッドで寝るなんて……。
「……う」
上目遣いされると断れない。それに添い寝だっていうし。
ベッドも大きいから端にいけば大丈夫かな。
「そ、そそそ、添い寝だけ」
「はい、添い寝です。それに夕飯のご案内やその後もありますので、できれば一緒にいたいです♥!」
そっか、仕事なら仕方ない。なんか流されている気もするけど、ボーラちゃんはこれも仕事なんだと自分に言い聞かせる。
国が変われば文化も違う。
というか、ここまで真面目にサポートしてくれたボーラちゃんを悲しませるなんてできない。
「そうだよね。うん、じゃあ、お願いします」
「やった! では、ちょっとゴロゴロしましょう♥」
嬉しかったのか、それともボーラちゃんの素なのか、ベッドへダイブする彼女。ホントにごろごろしてて楽しそうだ。
さて、荷物の確認をしようか。
じーーーーーー
えっと、着替えと
じーーーーーーーーーー
あとは洗面用具
じーーーーーーーーーーーーー
「えっと、何か忘れていたっけ?」
「ごろごろしましょう♪」
ぷくっと頬を膨らませているボーラちゃん、あれ?
ずるずるずる
「はい、ごろごろ〜♥」
「えええ、ちょ、ちょっと」
ボーラちゃんにつかまれたと思ったらベッドでごろごろする俺とボーラちゃん。
シュールな光景だ。
でも、なんだか楽しい。
ベッドも広いし、ぶつからない。
と思ったら
ごつん!
知ってた! 絶対こうなると思った。
「だ、大丈夫!?」
「はい、大丈夫です。あははーっ♥」
うわ、ボーラちゃんの目が回ってる。
というかごろごろしすぎ!!
楽しかったけど!
「ご、ごめんなさい。ついつい浮かれてしまいました」
「いやいや、意外な一面を見られたというか」
「どうも、ふわふわした広い所に座るとごろごろしちゃうんです……」
「あ、それ、わかるかも!」
草原とかで寝転がる感じ、もしかして、ドラゴンとしての何かなのかも。
「俺も、もし、草原とか、広い所があったら、ごろごろしたい!」
「そう! それです。流石、おにいちゃん!!」
「あ、正解だった」
ボーラちゃんは時々元の姿に戻って草原の上でごろごろ転がっていたらしい。確かに解放感がすごそう。元の姿ってやっぱりドラゴンなんだよな……。
「おお、それはそれで」
「あ、おにいちゃん、わたしのドラゴンの姿想像しましたね?」
ちょっと怒ってる?
「え、だってかわいい」
「か、かわいいですか♥♥」
また真っ赤になるボーラちゃん。
「あれ、やっぱり俺、変なこと言った」
「いえ、てっきりわたしのこと怖くなっちゃったかなーと」
「それはないよ。どんな姿でもボーラちゃんでしょ? 俺は全然気にしないし」
「嬉しいです。さて、そろそろ夕食へと案内しますね」
「うん! よろしく」
なんだかボーラちゃんとの距離が一気に縮まった気がする。どうもあのドラゴンステーキを食べた後からおかしい。
ま、いいか。次のお店が楽しみだ。
それからも色んな所に案内してもらった。
ちょっと食べ過ぎたかも……。
「おにいちゃん、温泉に行きましょう!」
「もしかして」
「竜泉郷です♥!」
温泉なんて久しぶりだ。自分の家から行こうとしても、車は無いし、そもそも一人で温泉にだけに行くのは何かとつまらない。
「わたしのおすすめはですねー。うふふ、露天の竜壺湯ですよ♥♥」
なにやらボーラちゃんのテンションが高い。まあ、俺も温泉なんて久々だし。
それにさっき飲んだ『夫婦のジュース』、おすすめされて飲んだけど、すごく恥ずかしかった……。ボーラちゃんは楽しそうだったけど。
「さて」
「はい♥♥」
ちょっとまった。
「ボーラちゃんがなんでいるの? タオルで隠しているけど、その、あの」
「いえいえ、一人で入るとここは危険です。ドラゴンが飛んできて……あの、巣にお持ち帰りされてしまいますので♥」
観光案内所の制服を脱いだボーラちゃんは、着やせするタイプだったのか、胸がイメージよりおっきかった。というかやばい、ドキドキが止まらない。
「ねえ、おにいちゃん♥……早く入りましょう♥」
耳元で囁くように言われる。ボーラちゃんの様子がやっぱり変だ。
ちょっと怖い。
「そっか、それなら、仕方ない。あはは」
「そうですよ♥……くす。仕方ないんです♥」
この時、俺はすっかり忘れていた。ドラゴンとは対等に接しないとダメだってパンフレットに書かれていたのに……。
「ちょっとくっつきすぎ」
「いいじゃないですか、ほらぁ、温泉気持ちいいですよね。うふふ♥」
ふっと、耳元に息を吹き掛けられる。ちょっと熱い、ボーラちゃんの小さい手にあちこちをさわられる。
「も、もう一度体を洗うね!」
俺は必死に股間の膨らみを隠すように一度、壺から脱出した。
「じゃあ、またまたお背中流しますよ、くふふ♥」
「えっと、さっきも洗ってもらったし」
ボーラちゃんの目がやばい、青い瞳なのに、そっか炎は青い方が温度が高いし……って、そうじゃなくて!!
子どもとは言え全裸のボーラちゃん、胸とか色々丸見えで、肌もピンク色にって、いやいやいや。
ボーラちゃんはあくまで俺を守るために一緒に温泉に入っている訳で。
「こっちはまだですよ。おにいちゃん♪」
「え、ちょっと」
ボーラちゃんに押し倒される。俺は、肢体を完全に押さえつけられてしまった。
息が当たって、あのドラゴンの手が俺の股間へと伸びていく。だめだ、怖いと思っちゃだめなのに、ボーラちゃんの体は小さいのに、それが大きく見える。
尻尾もあやしく動いて、それにあの青い瞳で見つめられると動けない。
「おにいちゃん、もういいですよね。そんなに怖がってしまって♥……わたし、我慢の限界です。おにいちゃんのこと♥……ふふ♥♥」
手でペニスが握られる。爪でつんつんと弄ばれて、ただでさえ勃起していたモノが更に大きくなっていく。
「もっと、もっと苛めて♥……くふふ、おにいちゃんのこと気持ちよくしてあげます♥♥」
ボーラちゃんの手が激しく、それに上に乗っかった体が泡でぬるぬるすべって、ちょっと膨らんだ胸が押し付けられる。
「ボ、ボーラちゃんでちゃうから…!」
「いいですよ……ほらっ♥、出してください♥♥!!」
爪で尿道口を刺激されたのがトドメになった。吹き出すようにでる精液。ボーラちゃんはうっとしながらソレを舐めとっていく。
「おにいちゃんの美味しいです♥♥」
見つめられるとゾクッとしてしまう。だめだ、完全にこれはスイッチが入ってしまったのでは。
「り、リティアさんに連絡を」
「ダメです。おにいちゃんは逃がしません。そんなに怯えちゃって♥……もっと♥」
がしっと掴まれる。
幼くもあやしく微笑んで、ペロリと顔を舐められる。
「えいっ♥」
「うわ、ちょっと」
俺はドラゴンへと変化したボーラちゃんに乗せられる。
逃げようにももう空を飛んでいるので逃げられない。
そして、そのままさっきの宿屋の部屋まで連れ込まれてしまった。
「は、話、会おう、今ならまだ引き返せるよ!」
俺は震えながら言う。それが返ってボーラちゃんを刺激していたのにも気がつかないで。
「おにいちゃん♥♥」
変身を解いたボーラちゃんが俺の上に股がる。
無言で体のあちこちをさわられる。その度に体が反応してしまって、さっき出したばかりなのに、ペニスが勃起してしまった。
「もう止められません。おにいちゃんをわたし無しではいられなくしちゃいます。んっ♥」
「だって、出会ったばかり…う!」
唇を塞がれる。わかってはいるけどどうしてもボーラちゃんを怖がってしまう。
「おにいちゃん……せっかく注意したのに、ボーラそんなに魅力ないですか? わたしが子どもだからですか?」
体が、胸がまた押し付けられて、手は絶対に離さないと言わんばかりに抱きついて、足でペニスを刺激される。しかも尻尾でペニスの先が刺激されて、う、このままだと、また出てしまう。
「そ、そんなことないよ。ボーラちゃんはかわいいし、その子どもとかドラゴンとか関係ない!」
またボンっとボーラちゃんの顔が真っ赤になった。
「えへへ、嬉しいです♥」
ボーラちゃんが俺の体から身を離す。
「ふう、落ち着いたかい」
ぎゅぅぅぅーー
「いいえ、わたしを怖がったおにいちゃんは、今夜の抱き枕、決定です♥♥!!」
「え、ちょっと」
またボーラちゃんに抱きつかれて。一緒にベッドをごろごろする。
「おにいちゃん大好きです。このまま朝まで抱き締めちゃいます♥!」
「まじで!?」
「うふふ、マジのマジですよ〜♥」
ごろごろごろごろごろ
そして、いつの間にか眠っていた。
ボーラちゃんの暖かかった体はひんやりしてきて気持ちいい、それに甘いフルーツの香りにつつまれて。
さっきの行為を思い出す。
自分が悪いとはいえ、こんな子どもに射精させられてしまった。
俺に抱きつきながら眠る。ボーラちゃん。
ドラゴンとか子どもとか関係なく、俺はどうやらこの子のとりこになったかも……。
「おにいちゃん♥……すぅ…すぅ……」
びくっとするが、寝言か……。やっぱりかわいい。
「……えへ……だめだよぉ。まだ10回目……ほらぁ♥……」
前言撤回、いったいどんな夢を見てるんだ。
数字は聞かなかったことにしよう。
「おはようございます♥」
「うん、おはよう」
というか、まだベッドで抱きつかれていた。
ボーラちゃんにすりすりされると気持ちいい。
「さてさて、今日もドラゴニアの案内に出発です!」
「お、おーー!」
ちょっと寝不足気味の俺。
それに対してボーラちゃんは元気いっぱいだ。気のせいか、髪や爪の艶が増しているような……。
「もう、おにいちゃん、危ないですよ。他のドラゴンさんにお持ち帰りされるところでした」
「ごめんごめん」
ちょっとボーラちゃんと離れて行動していた時に他のドラゴンに連れ去られそうになった。でも、そのドラゴンは俺の臭いをくんくんして空へと……飛び立っていった。
???
「ふふふ♥♪」
俺はまたしても気がついてなかった。すでに俺の体はボーラちゃんのモノになっていたなんて……。
「温泉、良かったですね♥」
「うん、2日連続だと更に体の疲れがとれて?」
あれ、なんで俺ベッドに押し倒されてるんだろう。
「もう、おにいちゃんは目を離すとあぶないです……もっと、もっとわたしの匂いをつけないと♥♥」
いつのまにか服を脱がされて、てかボーラちゃんは案内所の服のまま。
「えっと、俺、ボーラちゃんのこと怖くないよ?」
「えー? そうですかぁ。ウソはだめですよ♥♥」
もう、服を脱ぐのも面倒なのだろうか、俺の服を強引に脱がせると更に体を擦りつけられる。
俺は素っ裸でベッドでって、昨日の夜と変わらない!
むしろ悪化してる。子どもといってもボーラちゃんはドラゴン。
「では、改めてキスから……ちゅ♥♥」
「ちょ、んん!!」
ボーラちゃんの爪であっちこっちを刺激される。痛くないけど、やっぱり後は残る。
それにキスが止まらない。ドラゴンとはいえ、見かけは美少女。
翼や手足の爪、尻尾もすべて魅力的にうつる。
ものすごくいけないことしているような気持ち。
いや、されているのは俺だけど。やばい、ぞくぞくする。
あのボーラちゃんの瞳に見つめられると体の力が抜ける。爪で体を触られるとぞくぞくしてしまう。尻尾でいじられるとビクンビクンとしてしまう。
こんな幼い少女にまた……。
「えへへ、おにいちゃん、さっきの夕御飯でドラゴンステーキたべましたよね。あれって実は♥……」
ボーラちゃんから語られる話。
つまり、詳しくはガイドブックを見て欲しい。
「それに、昨日言ってくれたこと、嬉しかったです。ドラゴンも子どもも関係ないって♥……ん…ちゅ♥……すき♥……すきぃ♥…」
「…ん……っ……」
なおも口にキスをされる。体には爪であかい痕が……。まるでボーラちゃんのモノっていう印を付けられているみたいだ。
「すきぃ♥……おにいちゃん……ねえ、しよ♥……ひとつになりましょう……ちゅ♥……」
「え、……んっ……それはさすがに……」
ボーラちゃんが俺の腰へと移動して胸のボタンを外していく。やがて表れるふくらみかけの胸。
スカートをめくると、すでにショーツは愛液なのだろうか、濡れている。
「んしょ♥…」
立ち上がったかと思えばショーツを脱いで……糸が引いて、というかやっぱり毛が生えてない。
「興奮しましたか、ほら、わたしの誰にも見せたことがない。おまんこですよ♥♥」
ボーラちゃんはそう言うと俺の顔に腰を下ろしていく。
「ふふ、舐めてください♥ わたしのおまんこ、おにいちゃんの舌できれいにお願いします♥♥」
「んんっ!!!」
口に広がるとろっとした感触。やわらかい肉、そして、甘いフルーツのような香りが強くなる。俺はそんな香りをもっと味わいたくて、舌を伸ばしてしまう。
「ああっ! おにいちゃんが、わたしのおまんこを舐めてくれてます♥ いいよぉ♥……もっとぉ♥♥…」
ボーラちゃんの腰が動く、尻尾が体に巻き付いてそこからも刺激が与えられる。
嬉声と淫らな水音が部屋に響くなか、俺は必死にそこへ舌を伸ばして舐める。
がしっと頭を掴まれたと思ったら、暖かい液体がぷしゃっと顔にかかる。
「おにいいちゃぁぁぁん♥♥!!!!」
びくびくと震える少女。
どうやら俺の舌でいったようだ。
「すきぃ……だいすきぃ♥……おにいちゃんのしたで♥…いかさせちゃったぁ♥…えへっ♥…」
顔中をボーラちゃんの舌が這いまわる。そして再び口を重ねたと思ったら、舌が口内に入ってくる。あのフルーツの甘い香り、舌に吸い付かれて、まるで食べられているみたいだ。
「おにいちゃんのこと……ん……ちゅぅぅ…ちゅぱ♥……たべちゃい……ます……あはぁ♥……」
食べると言われて更に体が震えてしまう。もちろん俺の体がバリバリ食べられるという意味ではないのはわかっているけど。
「ぼ、ボーラちゃん、やめよう」
「だめです。おにいちゃんはわたしのつがいに♥………、いいっていうまでしちゃいます! ほら、おにいちゃんの好きなおっぱいです♥♥ 案内所でリティアさんの胸を見ていたの知っているんですよ」
「うぷっ!」
強引に胸を口にくっつけられる。
「おにいちゃん、飲んでください♥……わたしが居るのに他のドラゴンに目を向けたり、連れ去られそうになったり……おにいちゃんが悪いんです♥♥」
「ん……」
気が付けば夢中でボーラちゃんの乳首を吸っていた。そんな、まさか最初から見られていたなんて、もちろんボーラちゃんからは何も出ない。それでも乳首を吸うのをやめられない。
「あっ、ん…ん…いいです♥……おにいちゃんが♥……わたしの♥……」
びくびくと体を震わせたと思ったらバサッと翼が広がる音がした。
「おにいちゃん、もう、もう、いいですよね? 大好きです♥ 苛めちゃってごめんなさい。でも、好きです。やさしくしてくれて、それにデートみたいで楽しかったです♥♥ ………わたしじゃだめですか?」
ボーラちゃんは俺の腰に跨るとスカートを持ち上げる。
それに目はうるうるしていて、やっぱり根はやさしい子なんだ。俺を無理やり犯すことだってできたはずなのに……。
「いいよ」
俺は頷いた。
こんな可愛い子に、ここまで言われて断るなんてできない。
「おにいちゃん♥……しますよ? 本当にわたし無しじゃいられなくなるくらいしちゃいますよ♥♥!!」
ボーラちゃんの腰がゆっくり降りていく。それでもソコがくっ付く手前で腰を止めて首を傾げてくれる。
かわいい、それに、ボーラちゃんが好きだ!!
「ああああん♥!!」
俺はたまらずに腰を突き上げていた。
「え、えへへ、まさかおにいちゃんから入れてくれるなんて、うれしい♥♥ でも、まだ全部入ってません」
痛いだろうにそれでもゆっくりとお互いを確かめ合うように腰をくっつけていく。
「んんぅぅぅっ!! は、はいりました♥♥」
「う、うん、はいっちゃった」
そして二人してほほ笑んでから両手を握る。
しばらくそうしてから、俺は体を起こして唇を合わせた。
「ん♥…」
「…」
無言で貪るように口付けをする。
「ちゅ…んっ♥……ん…もっとぉ♥」
「うん…んっ……ちゅ…」
たっぷりと時間をかけて、ボーラちゃんの翼が俺たちを包み込む。
「すきぃ♥……だいすきです…さいしょあったときから♥♥……」
「……おれも…好きだ……」
そしてボーラちゃんが俺を押し倒す。
というか彼女の方が限界だったらしい。
「う、動きますっ!! もう無理です♥ おにいちゃんのこと犯しちゃいます♥ わたしの宝物にしちゃいますっ♥♥!!!」
「ちょ、ちょっと」
腰が動き出す。尻尾が暴れてあっちこっちにぶつかる音。翼を使って更に動きが激しくなる。
「ほらぁっ、どうですか。これがドラゴンのえっちですよ♥ もうわたし以外ではおにいちゃんはイけませんっ!! わたしの体以外では射精できません♥♥!!!」
まるで飛ぶように腰を振られて、いや、ボーラちゃんは浮いていて、ペニスだけくっついている。
送り込まれる快感ですでに限界だった。
「で、でちゃうから、抜いて!」
「だめぇ♥!! ちゃんと中にください。ほらっ、おにいちゃん、出してください♥。ボーラのおまんこの中に中だししてください♥♥!!!」
ぎゅっと体を手で翼で尻尾で抱きしめられる。腰が打ち付けられて、く、も、もう無理!!
「ん!!!!!!」
「ちゅぅうぅ♥♥!!」
出る瞬間口を塞がれた。
一滴も逃さないとばかりに、まるでボーラちゃんと溶け合ってひとつになったかのような錯覚。
とまらない精液。
足も腰に回されて、更にボーラちゃんの小さい膣内がうごく。搾られる!!!!
「!!!」
「あは♥♥」
目の前でボーラちゃんが微笑む。動いていないのにまた精液が、だめだ。もう何分も中だししてる。
「ふぅ……ふぅ…」
「すごい……です…おにいちゃん♥……いっぱい♥♥…」
まだ解放されない。
そればかりか、ボーラちゃんがまた腰を動かして射精を促す。
「ほらっ、もっとです♥ もっとください♥♥!!」
「は、激しい、ちょっと休ませて」
「いやです。いくらおにいちゃんのお願いでも今は聞いてあげません。あ♥ また、またぁ♥♥!!」
「ああっ!!!」
あの幼い表情からは想像できない淫らな微笑み。もうどっちのボーラちゃんが本当なのかわからない。
「おにいちゃんのこともっと、もっと♥……えへへ、逃がしませんよ♥♥」
「た、助けて」
精液が出なくなってもボーラちゃんは止まらなかった。
「おにいちゃん、好き♥……すきぃ♥♥……」
「……」
無邪気に微笑みながら、精液を搾りとる幼いドラゴンに完全に……。
「おにいちゃん! おにいちゃん!!」
「ん……あさ……」
目の前には繋がったままのボーラちゃん。
「良かった起きました。ちょっと搾りすぎてしまいました♥」
「えっと、よく覚えていないんだけど」
腰がまた動き出す。
ちょ、ちょっと冗談だよね。
「気絶するくらい良かったんですね♪ 嬉しいです♥♥」
「ちょ、ちょっと休憩」
いつの間にか目の前には出来立てのドラゴンステーキ。
「はい、あーん♥」
「え」
「あーーん♥!」
ぱくっ
「美味しい……というかなんで」
「えっちする為です。出前です♥」
なんで嬉しそうなの、それに繋がったまま。
「おにいちゃんも食べさせてください♥」
うわ、俺もしかしてとんでもない子に気に入られちゃった。でも……
「あーん♥」
「あ、あーん」
嬉しそうに食べるボーラちゃん、というか食事しているのに腰を動かさないで。
かわいいな……。
「た、食べ終わってから」
「えー、いいじゃないですか、抜かずにしましょう♥! はい、あーん♥♥」
美味しいけど、美味しいけど、ボーラちゃんの膣が……だめだ、また。
「あはぁ♥……下でもごちそうしてくれるんですね♥ 嬉しいです。はい、あーん♥」
「あ、ああああ!」
食べようとしたらまた搾られる。でる、でちゃうぅぅ!!
「もう、お行儀が悪いおにいちゃんは、うん……もぐもぐ…んんっ♥!!!」
「うわ、んぷ」
うわ、口移しでステーキが口の中に、ああ、美味しい、ボーラちゃんのと混ざって……。
「美味しかったですね♥」
「う、うん、そろそろ一度抜いて」
無邪気に微笑むボーラちゃん、よかった。やっと解放され
「ダメですよ♥ うふふ、おにいちゃんにはまだまだ、この快感を教えてあげます♥♥」
「ええ!!!!」
それから日付が変わってようやく解放された。
「最後に温泉にいきましょう♥!」
「お、おー」
俺はボーラちゃんに乗っている。ドラゴン化した彼女の上に。
そして、またあの温泉に入って。
彼女に押し倒されて、セックス。セックス!! セックス!!!
というかもう旅行案内より、彼女と繋がっていることの方が多くなってきた。
「次はどこにイきますか♥? えへ♥♥」
「ボ、ボーラちゃんの中で……ま、またでるっ!!」
微笑むボーラちゃん、もうすっかり彼女無しではいられなくなってしまった。
宿に帰ってきたら、押し倒されて、またセックスしている。もう何回も中だししてるし、セックスするたびに射精量は増えていくし……。
「えへへ♥すきぃ♥」
甘えるように、いや実際甘えている。
もう完全にボーラちゃんが……。
好きだ…。
彼女無しの生活なんて考えられない。無邪気に微笑むボーラちゃん。嬉しそうに動く尻尾。すべてが魅力的に見えた。
その後
「……えへへ、もう、おにいちゃんはわたしの大切な大切な♥……つがいですよ♥」
「ボーラちゃん、いや、ボーラ、好きだ。愛してる!! 一度こっちの世界に来てくれないか?」
「はい、喜んで行きます♥♥!!」
というのも、やっと正気を取り戻したボーラちゃんはリティアに報告に行った。
俺はもちろん同行して、事の顛末を全部聞いて、そして、ボーラちゃんをかばった。
そもそも俺がドラゴンを恐れてしまったのが原因だ。ボーラちゃんはまだ幼くて、それでも、真剣に俺のことを本当に好きになってくれていた。
ボーラちゃんは俺を無理やり、しかも、観光案内をしないで犯した。
裏を返せばそれほどまで愛してくれたということ。他のドラゴンからも守ってくれた。案内は確かに途中だったけれど、俺は十分楽しかった。
そんな俺の話を聞いて。リティアさんも納得し、というか最後は祝福してくれた。
竜騎士にならないか。という誘いもあったが、俺はボーラと話あって、とりあえず俺の世界へと一度来ることになった。
「おにいちゃん」
「なに?」
「その、今更だけど……」
俺は無言でボーラちゃんの頭を撫でて、そして抱きしめる。
「お、おにいちゃん?」
「愛してる」
ぼんっと真っ赤になるボーラちゃん。
かわいいなぁ……。
「も、もう、おにいちゃんは反則です。なんで全部言わせてくれないんですか」
「言わなくてもわかるって、散々謝ってくれたし。それに、その……気持ちよかったの! はい、もうこの話はおしまい!!」
「えーーー! そんなぁ……」
と、いいつつも尻尾が揺れているから、あれは嬉しい、ってことだな。
すっかりボーラのくせもわかってしまった。出会った時よりさらに美しくなってゆくボーラ。
でも。
「うわーーーー、広いですねーーーー♥」
「うん、ここなら存分にごろごろできるぞーーー」
ごろごろごろごろ
新婚旅行は北の大地にした。テレビで見て、以前から、この草原でごろごろしたかったし、何よりボーラちゃんにもこの世界の魅力を伝えたかった。
「わーーい、ごろごろごろごろ♪」
無邪気に微笑む彼女。
それだけは出会った時と変わらない。
それに涼しい風……。そっか、案外近い所にもいい場所があったじゃないか。
会社は退職することに決めた。
竜騎士になるかはまだわからないけれど、俺はボーラの生まれたドラゴニアに移住するつもりだ。 それに、戻ろうと思えばすぐにこの国にも戻れる。
落ち着くまでは行ったり来たりの生活がつづくだろう。
俺も草原に寝転がる。
ああ、気持ちいい……。
「ボーラはどうする?」
いつの間にか隣にはボーラが寝ていた。
「そうですね。結婚はしましたけど♥ またドラゴニアの観光案内もしたいです! いいですか??」
「もちろん。俺も仕事を探さないとなー」
「一緒に働きませんか?」
「うーん、俺は人間だし。まあ、インキュバスだから正式には違うけどさ」
「そうですか、ちょっと残念です」
「でも、帰ったら最初に俺をまた案内して欲しい!」
「もちろんです。たっぷりはりきって隅々まで案内しますよ! そして♥」
「そして」
二人して言う。
「「えっちもする!!(しましょう♥!!!)」」
笑いが止まらない。やっぱりというか、あのドラゴンステーキ、セックスにハマった。
行儀が悪いとかそれより、気持ちよければいいじゃん。という二人の結論。俺もボーラちゃんもちょっと変わっているのかもしれない。
「えへへっ♥」
「まあ、その…」
また頭を撫でて、そして抱き寄せてキスをする。
「ボーラちゃん……」
「おにいちゃん♥……すき♥♥……」
何度も口付けを交わす。
この広い大地で。
という広告が新聞に載っていた。
魔物達が住む国との国交が成立して、早数年、この国からも魔物達の世界へ観光旅行に行くのも珍しくなくなってきた。
普段ならそんな広告は特に気にしないのだけど、バッフォンのアプリで今日の県内の予想最高気温を調べる。
41度
は?
うそだろ。
俺はチラシに載っていた番号に電話を掛けてみることにした。
しかしながら、なにかと暑い気がする『竜皇国ドラゴニア』(ドラゴンの炎のイメージ)、今年は涼しいというが、どういうことなのだろう。
それにしても41度は無い。
「はい、お電話ありがとうございますっ♪ こちらはドラゴニア観光案内所の、わたくし、リティアと申します」
活発そうな子が電話に出た。いったい仕組みはどうなっているのかわからないけど、ちゃんとこの国から直接ドラゴニアへと繋がったらしい。
「お客様?」
「ああ、ごめんごめん。えーと、今朝の新聞の広告を見たのですが」
「はい、ありがとうございます。そうなんです!! 今年は色んな国から涼しさを求めてこのドラゴニアにたくさんの観光客が訪れているんです!」
なるほど、電話ごしだけど、確かに受付だろうか? 後ろからホテルの予約とか、そんな声が聞こえてくる。にぎやかそうな職場だ。
「あの、でも、俺、男ひとりなんです。はじめて行くしどうしたらいいかわからなくて」
「なるほど、男性の方、一名ですね。大丈夫ですよ。その為の電話ですから、国名はこちらで表示されてますので、あとは郵便番号を教えてください……それと」
あとは流れ作業だった。
住所、氏名、あと身分証明書(これは後でもいいとのこと)、料金プランをリティアさんに伝える。
滞在期間も自由でいいらしい。
会社もあまりの暑さで、みんな数日おきに交代勤務体制になった。
そもそも有休がたっぷり溜まっていて、強制的に消化するようにと言われてたので丁度いい。
はじめての観光、しかも、ドラゴンが居る。
そして、涼しい国!!
なんだかわくわくしてきた。
「はい、確かに確認しました。後程“迎え”が行きますので、ご利用ありがとうございます!」
ん、迎え??
旅行のチケットとか案内パンフレットのことだろうか??
会社に念の為確認したら。むしろ有給を使ういい機会だ。と言われた。まあ、帰ってきたら激務だろうが、それよりも初旅行だ。
着替えとか、色々用意しなくては。
それでだいたい準備が済んだ時だった。
ピンポーン!
はて? 何か荷物なんて頼んでいただろうか?
液晶画面を見るが誰も映っていない? 暑さのあまりでこしょ
ピンポーン!
とりあえず。玄関に行ってみることにした。
「あ、あのー、 様のお宅はこちらですかー?」
ん? なんか子ども子の声が聞こえるぞ?
がちゃ
「え?」
そこには少女。
と、いってもドラゴンの翼、手足も鋭い爪、そして尻尾。
銀髪の長い髪をサイドテールにしている。ピョコっとみえる角も小さい、……胸はまあ年相応なのかな?? 瞳は薄いブルー、というか全身のドラゴンの皮膚部分が、すべて瞳と同じ色だった。(ドラゴンの足や手、羽以外は肌色だ)
見るからに涼しそうな色。
服は濃いブルーのワンピース、子どもがよくピアノの発表会等で着るような服であちこちに白いリボンが付いていて、とてもよく似合っている。
それと、新聞広告に載っていた『ドラゴニア観光案内』のマークが胸の所に刺繍してある。
案内所の制服なのだろうか?
「あ、あの、ドラゴニア観光案内所から来ました。ボーラと申します。種族はドラゴンです!」
ちょっとおどおどしているけれど、かわいい子だ。
というかこんな子どもが直接家までくるとは……、確かに電話で迎えといっていたけど、まさかのまさかだ。
「ああ、ごめんごめん。ちょっとびっくりしちゃって、えっと、健康保険証でいいのかな?」
「あ、はい、それで身分の証明は大丈夫です」
良かった。車の免許を持ってないから時々、変な顔をされるのだけど、問題なかった。
そしてボーラと名乗った子は、電話(?)で何かをやりとりしているようだ。スマホみたいだけど、違う。やっぱり違う世界なんだなー……。
「はい、では、ドラゴニアに案内しますので、お荷物とか忘れ物はありませんか??」
「はい、大丈夫です」
俺の周りが光に包まれる。
え?
「転移魔法です。ドラゴニアとは別世界になりますので、といってもあちらから座標を指定して、……えへ、実はわたしもよくこの仕組みはわからないんですよ」
ボーラはにこにこ笑いながら言う。
まあ、魔物とか町で見かけるし、こんな魔法があってもおかしくないか。
俺はあまりのまぶしさに目を閉じた。
「ようこそ! お客様、ここが竜皇国ドラゴニアですよ!!」
目を開けると、ええええ!!ちょ、ここが、目の前には広大な景色。空にはドラゴン、通りは人間も魔物もたくさんいる。
映画のワンシーンのようだ!!!
「す、すごい。すごいしか言えない!!」
「えへへ、みんな最初はそんな感じです。観光案内所に行きましょう」
ボーラに手を自然に握られた。もっとごつごつしているのかと思った手はちょっとひんやりしてて、やわらかかった。
それにしても風が気持ちいい。山も高いし、うわぁ、完全にこれじゃ、観光客まるだしだ。きょろきょろ見てしまう。
そんな俺を見てボーラは楽しいのか時々こっちを見上げて嬉しそうに笑ってくれる。
「今年はとってもたくさんの方が居るんですよ」
「うん、俺もチラシを見て来たけど、涼しいし、それに初旅行だし」
「え、そうなんですか?」
「うん、海外も自分の国もあちこちに行ったことないんだ」
「じゃ、絶対良い記念になりますよ!」
ぶんぶんと手を振って喜んでくれる彼女、俺もまるで子どもの頃に戻ったみたいな気分になってきた。
「リティアさん、先ほどのお客様をお連れしました!」
「ご苦労様ボーラちゃん、暑かったでしょー」
「はい、でも、はじめてのご案内うまく行きましたっ! えへへ」
観光案内所に着いて、荷物を置いている間にそんな会話が聞こえてくる。
ああ、あの子が電話の相手だったのか。ボーラもかわいいけど、リティアもかわいいな。
服は、みんなバラバラなんだ。というかリティアの服、露出が多い、ちょっと、いや、かなり。
「あ、お客様、ごめんなさい。ついつい」
「いえいえ、いいです。まだ着いたばかりで、色々と眺めているだけでも楽しいのですし」
リティアを眺めていたなんて言えない。
あわてて視線をそらした先にはお土産の見本とか、地図、ドラゴンに関する資料。使い方がよくわからない物。
色んなものが展示してあって、見ているだけでも楽しい。
「ボーラからの電話で身分の確認と、銀行口座の確認も大丈夫です。改めましてようこそ、ドラゴニアへ、さっきまで入国の方がたくさん居ましたけど、今は一息と言った所です」
「え、もしかして休憩中でしたか?」
「いえいえ、混んでいたら大変なのでタイミングが良かったですよ。それで、もしよければなんですけど……」
リティアの話はこうだ。俺を迎えに来てくれたボーラは、まだここに勤めはじめたばかりらしい。他の案内竜も、急に来た客が居たため忙しくて夕方にならないと、きちんとした案内が出来ないとのこと。
ボーラは幼いながらも勉強熱心でドラゴニア内のことはなんでも知っている。ただ、実際に案内するのは初めてなので、どうか? という話だった。
「ごめんなさい。電話の時は違うものが居たのですが……」
「大丈夫ですよ。俺、旅行は初めてなので、むしろボーラの為になるのなら喜んで協力します」
「本当ですか!?」
「やったー。嬉しいです♥♥」
良かったみんないい人(ドラゴン)だ。最初は暑さから逃げる目的の旅行だったけど、ドラゴンの印象も変わりそう。というか変わった。もっとこう、怖いイメージだったのに。
それからカードを使って、ドラゴニアで使えるお金に換金したり、改めて入国の手続き……まあ、ほとんどリティアがやってくれたので、俺は頷く程度。
ちなみにリティアの種族はワイバーンとのことだ。他にもワームという種族が案内竜としているらしい。
「ありがとうございます。では、お荷物は先に宿泊先へと届けます。貴重品等があったら身につけておいてください。あと、ボーラには携帯の端末を持たせてますので緊急の際のサポートも大丈夫です」
「わかりました」
俺はもう一度荷物を確認してから、リティアに見送られて、ボーラと共にドラゴニアへと新たな一歩を踏み出した。
「あ、あの」
ボーラがちょっと顔を赤くしながら言う。
「さっきはありがとうございました♥ 精一杯がんばりますので、よろしくお願いします。おにいちゃん♥♥!」
「うん、こっちこそよろしくね。えと、ボーラちゃん?」
なんか照れ臭い。
おにいちゃんなんて、改めて言われると照れてしまう。しかもドラゴンの女の子、将来はきっとすごい綺麗になること間違いなしの彼女。リティアとはまた違った魅力をもった子だった。
「おにいちゃん♥!」
「ボーラちゃん」
どちらともなく噴き出す。
なんか面白いし、ついつい笑ってしまう。
観光の案内というよりも年の離れた妹と一緒に遊びに来た感覚だ。
風に乗ってボーラちゃんからは果物のような甘い香りがした。
「まず、何か軽く食べましょうか?」
「うん、いいね」
俺たちは手を繋いで街を歩く。そういえば、ちょっと小腹が空いてきた。
「はい、ここが『逆鱗亭』というお店です」
おお、確かに美味しそうな香りが漂ってくる。
「で、ボーラちゃんはどうするの?」
「え、わたしはおにいちゃんが食べ終わるまで待機ですが?」
え、なんかそれはそれで悪い気がする。
「俺で良ければ一緒に食事に付き合ってくれないかな。一人だとやっぱりね」
頭をかきながらボーラに提案すると、うわ、すごい笑顔だ。
「ええ! いいんですか。ぜひ♥」
店内に入ると美味しそうな香りがより強くなった。
「そうそう、おにいちゃん。注文の時は絶対に“ドラゴンを食べさせてください”って言ったらダメですよ」
小声でボーラちゃんが教えてくれる。はて? どういう意味なのだろう。
メニュー表を見たけど、なんとちゃんと読めた。リティアさんに借りた翻訳の腕輪の効果は抜群だ!
「もしかして、このドラゴンステーキのこと?」
「そうそう、それです。以前も観光客の方が“間違った”注文して、未婚のドラゴンさんに美味しくいただかれちゃって……♥」
と最後は顔を真っ赤にして言うボーラちゃん、ああ、なるほど“そういう意味”か。
「でも、このステーキ、ボリュームありそうで、とても俺一人じゃ食べきれないような……」
「えへへ、そういうと思ってました。こっちに書いてある。飢餓竜の実を最初に食べると、大丈夫ですよ!」
ふむふむ、ちゃんと解説が書いてある。なるほど。
「ボーラちゃんは何を注文するの?」
「わたしもおにいちゃんと同じものを食べます♥」
お、意外と食べるのかな。ああ、そっか姿は少女と言えどもドラゴンなんだ。
「飢餓竜の実とドラゴンステーキをそれぞれ2つ!」
最初に来たのはもちろん飢餓竜の実だった。というかどうやって食べるんだろう??
「これはこーして割って、はい、どうぞっ!」
小皿に載せてくれる、店員のドラゴンではなくて目の前のボーラちゃんにすべてやってもらって、なんか嬉しいのやら、恥ずかしいのやら。
「大丈夫ですよ。そんなに緊張しないでください。だって、わたしこれでも観光案内のドラゴンですから♪」
「そっか、そうだよね。あっ! これ、美味しい!!」
柔らかくて飲み込んだ後に甘い香りが……、あれ、この香りはボーラちゃんのと似ているかも。
「おにいちゃん、ステーキもきましたよ!!」
おお、これが!!!
やっぱりお店の外にただよっていた香りはこれだったんだ。というかすごい量、ボーラちゃんはさっそく食べ始めている。
「いただきます! こ、これは!!」
噛むと肉汁が口の中に広がって、とろけるよう。でも決して歯ごたえがないという訳ではなく。絶妙な火加減! それにさっきの実のおかげだろうか。パクパクと食べられる。これは美味しい、ちょっと汗が噴き出るけど、外が涼しいので丁度いい。
夢中になって口に運ぶ。
うまい、うますぎる!!
「ご、ごちそうさま、これ病みつきになるね!」
「でしょ! そうなんです。お持ち帰り用もありますけど、やっぱりお店で食べるのが一番です」
あれだけあったステーキはすべて完食! ボーラちゃんも俺の食べる速さに合わせてくれたようで丁度食べ終わったみたいだ。
こういう細かい気配りができる所がやっぱり観光案内竜として将来有望なんだろうな。
「どうしましたか?」
「ボーラちゃんはすごいなーって、きっとこれからも良い観光案内ができるよ」
「そ、そんな、まだ案内をはじめたばかりですし……でも、嬉しい♥」
なんとなくだけど、ボーラちゃんの性格がわかってきたかも。ドラゴンという先入観念は無い。翼や爪がなければごくごく普通の女の子と変わらない。
「じゃ、次はどこに案内してくれるのかな?」
「あのあの、さっきは食事をごちそうしていただきありがとうございました♥!」
「一人で食べるより楽しかったし、むしろ大感謝!!」
ボンッと顔が赤くなるボーラちゃん、何か様子がおかしい気もするけど、まあ、楽しいのは本当だし。結果的にいい案内竜の子で良かった。
「え、えへへ♥♥」
またぎゅって手を握られる。
さっきよりも暖かいボーラちゃんの手。
「次はもっと涼しい所に行きましょうか!」
「うん、お任せするよ」
「天の柱です」
本当は観光案内の竜が一緒ではないと危険らしい。どう危険なのかはパンフレットに書いてあったので納得。
「近くでみるとやっぱりすごいね」
来た時から気になっていた塔、いったいどのくらいの高さなんだろう。見上げても雲に隠れていて天辺が見えない。
「実際に、登るのは難しいですけど、それよりも、この付近はとっても涼しい風が吹くんですよ」
「うん、ほんとだ。さっきステーキを食べたからちょっと火照っていたんだけど、……気持ちいい」
「気にいってもらえて良かったです」
しばらくボーラちゃんと共に柱付近でのんびりした。時々、竜騎士と呼ばれる人たちが空へと昇ってゆく。
見ているだけでも楽しい。
「今日はありがとう」
「いえいえ、こちらこそ、時間が経つのは早いですね」
だんだん夕方になってきた。より涼しい風が頬に当たる。
「まだ明日もありますし、今日の宿にご案内します」
「うん、お願いしようかな」
宿は最初に通った『竜翼通り』に面した。小さな宿屋だった。
「では、ご案内します」
受付でさっそく手続きをしてくれるボーラちゃん、すごい頼りになる。
「荷物はもう部屋にあるそうです。行きましょう」
「うん」
部屋は、建物の外観からは想像できないくらいに広くて、綺麗だった。ベッドがおっきい。
これは快適そうだ。
「あの、よければなんですけど、一緒に寝ませんか?」
「え?」
もじもじしているボーラちゃん、いやいやいやいや。
「えっと、それはまだ早いというか、色々すっとばしているし、ボーラちゃんもっと自分を大切に!!」
「あの、添い寝だけでもっ!……」
まじか、むしろ大歓迎だけど、今日会ったばかりの竜とは言え女性と一緒のベッドで寝るなんて……。
「……う」
上目遣いされると断れない。それに添い寝だっていうし。
ベッドも大きいから端にいけば大丈夫かな。
「そ、そそそ、添い寝だけ」
「はい、添い寝です。それに夕飯のご案内やその後もありますので、できれば一緒にいたいです♥!」
そっか、仕事なら仕方ない。なんか流されている気もするけど、ボーラちゃんはこれも仕事なんだと自分に言い聞かせる。
国が変われば文化も違う。
というか、ここまで真面目にサポートしてくれたボーラちゃんを悲しませるなんてできない。
「そうだよね。うん、じゃあ、お願いします」
「やった! では、ちょっとゴロゴロしましょう♥」
嬉しかったのか、それともボーラちゃんの素なのか、ベッドへダイブする彼女。ホントにごろごろしてて楽しそうだ。
さて、荷物の確認をしようか。
じーーーーーー
えっと、着替えと
じーーーーーーーーーー
あとは洗面用具
じーーーーーーーーーーーーー
「えっと、何か忘れていたっけ?」
「ごろごろしましょう♪」
ぷくっと頬を膨らませているボーラちゃん、あれ?
ずるずるずる
「はい、ごろごろ〜♥」
「えええ、ちょ、ちょっと」
ボーラちゃんにつかまれたと思ったらベッドでごろごろする俺とボーラちゃん。
シュールな光景だ。
でも、なんだか楽しい。
ベッドも広いし、ぶつからない。
と思ったら
ごつん!
知ってた! 絶対こうなると思った。
「だ、大丈夫!?」
「はい、大丈夫です。あははーっ♥」
うわ、ボーラちゃんの目が回ってる。
というかごろごろしすぎ!!
楽しかったけど!
「ご、ごめんなさい。ついつい浮かれてしまいました」
「いやいや、意外な一面を見られたというか」
「どうも、ふわふわした広い所に座るとごろごろしちゃうんです……」
「あ、それ、わかるかも!」
草原とかで寝転がる感じ、もしかして、ドラゴンとしての何かなのかも。
「俺も、もし、草原とか、広い所があったら、ごろごろしたい!」
「そう! それです。流石、おにいちゃん!!」
「あ、正解だった」
ボーラちゃんは時々元の姿に戻って草原の上でごろごろ転がっていたらしい。確かに解放感がすごそう。元の姿ってやっぱりドラゴンなんだよな……。
「おお、それはそれで」
「あ、おにいちゃん、わたしのドラゴンの姿想像しましたね?」
ちょっと怒ってる?
「え、だってかわいい」
「か、かわいいですか♥♥」
また真っ赤になるボーラちゃん。
「あれ、やっぱり俺、変なこと言った」
「いえ、てっきりわたしのこと怖くなっちゃったかなーと」
「それはないよ。どんな姿でもボーラちゃんでしょ? 俺は全然気にしないし」
「嬉しいです。さて、そろそろ夕食へと案内しますね」
「うん! よろしく」
なんだかボーラちゃんとの距離が一気に縮まった気がする。どうもあのドラゴンステーキを食べた後からおかしい。
ま、いいか。次のお店が楽しみだ。
それからも色んな所に案内してもらった。
ちょっと食べ過ぎたかも……。
「おにいちゃん、温泉に行きましょう!」
「もしかして」
「竜泉郷です♥!」
温泉なんて久しぶりだ。自分の家から行こうとしても、車は無いし、そもそも一人で温泉にだけに行くのは何かとつまらない。
「わたしのおすすめはですねー。うふふ、露天の竜壺湯ですよ♥♥」
なにやらボーラちゃんのテンションが高い。まあ、俺も温泉なんて久々だし。
それにさっき飲んだ『夫婦のジュース』、おすすめされて飲んだけど、すごく恥ずかしかった……。ボーラちゃんは楽しそうだったけど。
「さて」
「はい♥♥」
ちょっとまった。
「ボーラちゃんがなんでいるの? タオルで隠しているけど、その、あの」
「いえいえ、一人で入るとここは危険です。ドラゴンが飛んできて……あの、巣にお持ち帰りされてしまいますので♥」
観光案内所の制服を脱いだボーラちゃんは、着やせするタイプだったのか、胸がイメージよりおっきかった。というかやばい、ドキドキが止まらない。
「ねえ、おにいちゃん♥……早く入りましょう♥」
耳元で囁くように言われる。ボーラちゃんの様子がやっぱり変だ。
ちょっと怖い。
「そっか、それなら、仕方ない。あはは」
「そうですよ♥……くす。仕方ないんです♥」
この時、俺はすっかり忘れていた。ドラゴンとは対等に接しないとダメだってパンフレットに書かれていたのに……。
「ちょっとくっつきすぎ」
「いいじゃないですか、ほらぁ、温泉気持ちいいですよね。うふふ♥」
ふっと、耳元に息を吹き掛けられる。ちょっと熱い、ボーラちゃんの小さい手にあちこちをさわられる。
「も、もう一度体を洗うね!」
俺は必死に股間の膨らみを隠すように一度、壺から脱出した。
「じゃあ、またまたお背中流しますよ、くふふ♥」
「えっと、さっきも洗ってもらったし」
ボーラちゃんの目がやばい、青い瞳なのに、そっか炎は青い方が温度が高いし……って、そうじゃなくて!!
子どもとは言え全裸のボーラちゃん、胸とか色々丸見えで、肌もピンク色にって、いやいやいや。
ボーラちゃんはあくまで俺を守るために一緒に温泉に入っている訳で。
「こっちはまだですよ。おにいちゃん♪」
「え、ちょっと」
ボーラちゃんに押し倒される。俺は、肢体を完全に押さえつけられてしまった。
息が当たって、あのドラゴンの手が俺の股間へと伸びていく。だめだ、怖いと思っちゃだめなのに、ボーラちゃんの体は小さいのに、それが大きく見える。
尻尾もあやしく動いて、それにあの青い瞳で見つめられると動けない。
「おにいちゃん、もういいですよね。そんなに怖がってしまって♥……わたし、我慢の限界です。おにいちゃんのこと♥……ふふ♥♥」
手でペニスが握られる。爪でつんつんと弄ばれて、ただでさえ勃起していたモノが更に大きくなっていく。
「もっと、もっと苛めて♥……くふふ、おにいちゃんのこと気持ちよくしてあげます♥♥」
ボーラちゃんの手が激しく、それに上に乗っかった体が泡でぬるぬるすべって、ちょっと膨らんだ胸が押し付けられる。
「ボ、ボーラちゃんでちゃうから…!」
「いいですよ……ほらっ♥、出してください♥♥!!」
爪で尿道口を刺激されたのがトドメになった。吹き出すようにでる精液。ボーラちゃんはうっとしながらソレを舐めとっていく。
「おにいちゃんの美味しいです♥♥」
見つめられるとゾクッとしてしまう。だめだ、完全にこれはスイッチが入ってしまったのでは。
「り、リティアさんに連絡を」
「ダメです。おにいちゃんは逃がしません。そんなに怯えちゃって♥……もっと♥」
がしっと掴まれる。
幼くもあやしく微笑んで、ペロリと顔を舐められる。
「えいっ♥」
「うわ、ちょっと」
俺はドラゴンへと変化したボーラちゃんに乗せられる。
逃げようにももう空を飛んでいるので逃げられない。
そして、そのままさっきの宿屋の部屋まで連れ込まれてしまった。
「は、話、会おう、今ならまだ引き返せるよ!」
俺は震えながら言う。それが返ってボーラちゃんを刺激していたのにも気がつかないで。
「おにいちゃん♥♥」
変身を解いたボーラちゃんが俺の上に股がる。
無言で体のあちこちをさわられる。その度に体が反応してしまって、さっき出したばかりなのに、ペニスが勃起してしまった。
「もう止められません。おにいちゃんをわたし無しではいられなくしちゃいます。んっ♥」
「だって、出会ったばかり…う!」
唇を塞がれる。わかってはいるけどどうしてもボーラちゃんを怖がってしまう。
「おにいちゃん……せっかく注意したのに、ボーラそんなに魅力ないですか? わたしが子どもだからですか?」
体が、胸がまた押し付けられて、手は絶対に離さないと言わんばかりに抱きついて、足でペニスを刺激される。しかも尻尾でペニスの先が刺激されて、う、このままだと、また出てしまう。
「そ、そんなことないよ。ボーラちゃんはかわいいし、その子どもとかドラゴンとか関係ない!」
またボンっとボーラちゃんの顔が真っ赤になった。
「えへへ、嬉しいです♥」
ボーラちゃんが俺の体から身を離す。
「ふう、落ち着いたかい」
ぎゅぅぅぅーー
「いいえ、わたしを怖がったおにいちゃんは、今夜の抱き枕、決定です♥♥!!」
「え、ちょっと」
またボーラちゃんに抱きつかれて。一緒にベッドをごろごろする。
「おにいちゃん大好きです。このまま朝まで抱き締めちゃいます♥!」
「まじで!?」
「うふふ、マジのマジですよ〜♥」
ごろごろごろごろごろ
そして、いつの間にか眠っていた。
ボーラちゃんの暖かかった体はひんやりしてきて気持ちいい、それに甘いフルーツの香りにつつまれて。
さっきの行為を思い出す。
自分が悪いとはいえ、こんな子どもに射精させられてしまった。
俺に抱きつきながら眠る。ボーラちゃん。
ドラゴンとか子どもとか関係なく、俺はどうやらこの子のとりこになったかも……。
「おにいちゃん♥……すぅ…すぅ……」
びくっとするが、寝言か……。やっぱりかわいい。
「……えへ……だめだよぉ。まだ10回目……ほらぁ♥……」
前言撤回、いったいどんな夢を見てるんだ。
数字は聞かなかったことにしよう。
「おはようございます♥」
「うん、おはよう」
というか、まだベッドで抱きつかれていた。
ボーラちゃんにすりすりされると気持ちいい。
「さてさて、今日もドラゴニアの案内に出発です!」
「お、おーー!」
ちょっと寝不足気味の俺。
それに対してボーラちゃんは元気いっぱいだ。気のせいか、髪や爪の艶が増しているような……。
「もう、おにいちゃん、危ないですよ。他のドラゴンさんにお持ち帰りされるところでした」
「ごめんごめん」
ちょっとボーラちゃんと離れて行動していた時に他のドラゴンに連れ去られそうになった。でも、そのドラゴンは俺の臭いをくんくんして空へと……飛び立っていった。
???
「ふふふ♥♪」
俺はまたしても気がついてなかった。すでに俺の体はボーラちゃんのモノになっていたなんて……。
「温泉、良かったですね♥」
「うん、2日連続だと更に体の疲れがとれて?」
あれ、なんで俺ベッドに押し倒されてるんだろう。
「もう、おにいちゃんは目を離すとあぶないです……もっと、もっとわたしの匂いをつけないと♥♥」
いつのまにか服を脱がされて、てかボーラちゃんは案内所の服のまま。
「えっと、俺、ボーラちゃんのこと怖くないよ?」
「えー? そうですかぁ。ウソはだめですよ♥♥」
もう、服を脱ぐのも面倒なのだろうか、俺の服を強引に脱がせると更に体を擦りつけられる。
俺は素っ裸でベッドでって、昨日の夜と変わらない!
むしろ悪化してる。子どもといってもボーラちゃんはドラゴン。
「では、改めてキスから……ちゅ♥♥」
「ちょ、んん!!」
ボーラちゃんの爪であっちこっちを刺激される。痛くないけど、やっぱり後は残る。
それにキスが止まらない。ドラゴンとはいえ、見かけは美少女。
翼や手足の爪、尻尾もすべて魅力的にうつる。
ものすごくいけないことしているような気持ち。
いや、されているのは俺だけど。やばい、ぞくぞくする。
あのボーラちゃんの瞳に見つめられると体の力が抜ける。爪で体を触られるとぞくぞくしてしまう。尻尾でいじられるとビクンビクンとしてしまう。
こんな幼い少女にまた……。
「えへへ、おにいちゃん、さっきの夕御飯でドラゴンステーキたべましたよね。あれって実は♥……」
ボーラちゃんから語られる話。
つまり、詳しくはガイドブックを見て欲しい。
「それに、昨日言ってくれたこと、嬉しかったです。ドラゴンも子どもも関係ないって♥……ん…ちゅ♥……すき♥……すきぃ♥…」
「…ん……っ……」
なおも口にキスをされる。体には爪であかい痕が……。まるでボーラちゃんのモノっていう印を付けられているみたいだ。
「すきぃ♥……おにいちゃん……ねえ、しよ♥……ひとつになりましょう……ちゅ♥……」
「え、……んっ……それはさすがに……」
ボーラちゃんが俺の腰へと移動して胸のボタンを外していく。やがて表れるふくらみかけの胸。
スカートをめくると、すでにショーツは愛液なのだろうか、濡れている。
「んしょ♥…」
立ち上がったかと思えばショーツを脱いで……糸が引いて、というかやっぱり毛が生えてない。
「興奮しましたか、ほら、わたしの誰にも見せたことがない。おまんこですよ♥♥」
ボーラちゃんはそう言うと俺の顔に腰を下ろしていく。
「ふふ、舐めてください♥ わたしのおまんこ、おにいちゃんの舌できれいにお願いします♥♥」
「んんっ!!!」
口に広がるとろっとした感触。やわらかい肉、そして、甘いフルーツのような香りが強くなる。俺はそんな香りをもっと味わいたくて、舌を伸ばしてしまう。
「ああっ! おにいちゃんが、わたしのおまんこを舐めてくれてます♥ いいよぉ♥……もっとぉ♥♥…」
ボーラちゃんの腰が動く、尻尾が体に巻き付いてそこからも刺激が与えられる。
嬉声と淫らな水音が部屋に響くなか、俺は必死にそこへ舌を伸ばして舐める。
がしっと頭を掴まれたと思ったら、暖かい液体がぷしゃっと顔にかかる。
「おにいいちゃぁぁぁん♥♥!!!!」
びくびくと震える少女。
どうやら俺の舌でいったようだ。
「すきぃ……だいすきぃ♥……おにいちゃんのしたで♥…いかさせちゃったぁ♥…えへっ♥…」
顔中をボーラちゃんの舌が這いまわる。そして再び口を重ねたと思ったら、舌が口内に入ってくる。あのフルーツの甘い香り、舌に吸い付かれて、まるで食べられているみたいだ。
「おにいちゃんのこと……ん……ちゅぅぅ…ちゅぱ♥……たべちゃい……ます……あはぁ♥……」
食べると言われて更に体が震えてしまう。もちろん俺の体がバリバリ食べられるという意味ではないのはわかっているけど。
「ぼ、ボーラちゃん、やめよう」
「だめです。おにいちゃんはわたしのつがいに♥………、いいっていうまでしちゃいます! ほら、おにいちゃんの好きなおっぱいです♥♥ 案内所でリティアさんの胸を見ていたの知っているんですよ」
「うぷっ!」
強引に胸を口にくっつけられる。
「おにいちゃん、飲んでください♥……わたしが居るのに他のドラゴンに目を向けたり、連れ去られそうになったり……おにいちゃんが悪いんです♥♥」
「ん……」
気が付けば夢中でボーラちゃんの乳首を吸っていた。そんな、まさか最初から見られていたなんて、もちろんボーラちゃんからは何も出ない。それでも乳首を吸うのをやめられない。
「あっ、ん…ん…いいです♥……おにいちゃんが♥……わたしの♥……」
びくびくと体を震わせたと思ったらバサッと翼が広がる音がした。
「おにいちゃん、もう、もう、いいですよね? 大好きです♥ 苛めちゃってごめんなさい。でも、好きです。やさしくしてくれて、それにデートみたいで楽しかったです♥♥ ………わたしじゃだめですか?」
ボーラちゃんは俺の腰に跨るとスカートを持ち上げる。
それに目はうるうるしていて、やっぱり根はやさしい子なんだ。俺を無理やり犯すことだってできたはずなのに……。
「いいよ」
俺は頷いた。
こんな可愛い子に、ここまで言われて断るなんてできない。
「おにいちゃん♥……しますよ? 本当にわたし無しじゃいられなくなるくらいしちゃいますよ♥♥!!」
ボーラちゃんの腰がゆっくり降りていく。それでもソコがくっ付く手前で腰を止めて首を傾げてくれる。
かわいい、それに、ボーラちゃんが好きだ!!
「ああああん♥!!」
俺はたまらずに腰を突き上げていた。
「え、えへへ、まさかおにいちゃんから入れてくれるなんて、うれしい♥♥ でも、まだ全部入ってません」
痛いだろうにそれでもゆっくりとお互いを確かめ合うように腰をくっつけていく。
「んんぅぅぅっ!! は、はいりました♥♥」
「う、うん、はいっちゃった」
そして二人してほほ笑んでから両手を握る。
しばらくそうしてから、俺は体を起こして唇を合わせた。
「ん♥…」
「…」
無言で貪るように口付けをする。
「ちゅ…んっ♥……ん…もっとぉ♥」
「うん…んっ……ちゅ…」
たっぷりと時間をかけて、ボーラちゃんの翼が俺たちを包み込む。
「すきぃ♥……だいすきです…さいしょあったときから♥♥……」
「……おれも…好きだ……」
そしてボーラちゃんが俺を押し倒す。
というか彼女の方が限界だったらしい。
「う、動きますっ!! もう無理です♥ おにいちゃんのこと犯しちゃいます♥ わたしの宝物にしちゃいますっ♥♥!!!」
「ちょ、ちょっと」
腰が動き出す。尻尾が暴れてあっちこっちにぶつかる音。翼を使って更に動きが激しくなる。
「ほらぁっ、どうですか。これがドラゴンのえっちですよ♥ もうわたし以外ではおにいちゃんはイけませんっ!! わたしの体以外では射精できません♥♥!!!」
まるで飛ぶように腰を振られて、いや、ボーラちゃんは浮いていて、ペニスだけくっついている。
送り込まれる快感ですでに限界だった。
「で、でちゃうから、抜いて!」
「だめぇ♥!! ちゃんと中にください。ほらっ、おにいちゃん、出してください♥。ボーラのおまんこの中に中だししてください♥♥!!!」
ぎゅっと体を手で翼で尻尾で抱きしめられる。腰が打ち付けられて、く、も、もう無理!!
「ん!!!!!!」
「ちゅぅうぅ♥♥!!」
出る瞬間口を塞がれた。
一滴も逃さないとばかりに、まるでボーラちゃんと溶け合ってひとつになったかのような錯覚。
とまらない精液。
足も腰に回されて、更にボーラちゃんの小さい膣内がうごく。搾られる!!!!
「!!!」
「あは♥♥」
目の前でボーラちゃんが微笑む。動いていないのにまた精液が、だめだ。もう何分も中だししてる。
「ふぅ……ふぅ…」
「すごい……です…おにいちゃん♥……いっぱい♥♥…」
まだ解放されない。
そればかりか、ボーラちゃんがまた腰を動かして射精を促す。
「ほらっ、もっとです♥ もっとください♥♥!!」
「は、激しい、ちょっと休ませて」
「いやです。いくらおにいちゃんのお願いでも今は聞いてあげません。あ♥ また、またぁ♥♥!!」
「ああっ!!!」
あの幼い表情からは想像できない淫らな微笑み。もうどっちのボーラちゃんが本当なのかわからない。
「おにいちゃんのこともっと、もっと♥……えへへ、逃がしませんよ♥♥」
「た、助けて」
精液が出なくなってもボーラちゃんは止まらなかった。
「おにいちゃん、好き♥……すきぃ♥♥……」
「……」
無邪気に微笑みながら、精液を搾りとる幼いドラゴンに完全に……。
「おにいちゃん! おにいちゃん!!」
「ん……あさ……」
目の前には繋がったままのボーラちゃん。
「良かった起きました。ちょっと搾りすぎてしまいました♥」
「えっと、よく覚えていないんだけど」
腰がまた動き出す。
ちょ、ちょっと冗談だよね。
「気絶するくらい良かったんですね♪ 嬉しいです♥♥」
「ちょ、ちょっと休憩」
いつの間にか目の前には出来立てのドラゴンステーキ。
「はい、あーん♥」
「え」
「あーーん♥!」
ぱくっ
「美味しい……というかなんで」
「えっちする為です。出前です♥」
なんで嬉しそうなの、それに繋がったまま。
「おにいちゃんも食べさせてください♥」
うわ、俺もしかしてとんでもない子に気に入られちゃった。でも……
「あーん♥」
「あ、あーん」
嬉しそうに食べるボーラちゃん、というか食事しているのに腰を動かさないで。
かわいいな……。
「た、食べ終わってから」
「えー、いいじゃないですか、抜かずにしましょう♥! はい、あーん♥♥」
美味しいけど、美味しいけど、ボーラちゃんの膣が……だめだ、また。
「あはぁ♥……下でもごちそうしてくれるんですね♥ 嬉しいです。はい、あーん♥」
「あ、ああああ!」
食べようとしたらまた搾られる。でる、でちゃうぅぅ!!
「もう、お行儀が悪いおにいちゃんは、うん……もぐもぐ…んんっ♥!!!」
「うわ、んぷ」
うわ、口移しでステーキが口の中に、ああ、美味しい、ボーラちゃんのと混ざって……。
「美味しかったですね♥」
「う、うん、そろそろ一度抜いて」
無邪気に微笑むボーラちゃん、よかった。やっと解放され
「ダメですよ♥ うふふ、おにいちゃんにはまだまだ、この快感を教えてあげます♥♥」
「ええ!!!!」
それから日付が変わってようやく解放された。
「最後に温泉にいきましょう♥!」
「お、おー」
俺はボーラちゃんに乗っている。ドラゴン化した彼女の上に。
そして、またあの温泉に入って。
彼女に押し倒されて、セックス。セックス!! セックス!!!
というかもう旅行案内より、彼女と繋がっていることの方が多くなってきた。
「次はどこにイきますか♥? えへ♥♥」
「ボ、ボーラちゃんの中で……ま、またでるっ!!」
微笑むボーラちゃん、もうすっかり彼女無しではいられなくなってしまった。
宿に帰ってきたら、押し倒されて、またセックスしている。もう何回も中だししてるし、セックスするたびに射精量は増えていくし……。
「えへへ♥すきぃ♥」
甘えるように、いや実際甘えている。
もう完全にボーラちゃんが……。
好きだ…。
彼女無しの生活なんて考えられない。無邪気に微笑むボーラちゃん。嬉しそうに動く尻尾。すべてが魅力的に見えた。
その後
「……えへへ、もう、おにいちゃんはわたしの大切な大切な♥……つがいですよ♥」
「ボーラちゃん、いや、ボーラ、好きだ。愛してる!! 一度こっちの世界に来てくれないか?」
「はい、喜んで行きます♥♥!!」
というのも、やっと正気を取り戻したボーラちゃんはリティアに報告に行った。
俺はもちろん同行して、事の顛末を全部聞いて、そして、ボーラちゃんをかばった。
そもそも俺がドラゴンを恐れてしまったのが原因だ。ボーラちゃんはまだ幼くて、それでも、真剣に俺のことを本当に好きになってくれていた。
ボーラちゃんは俺を無理やり、しかも、観光案内をしないで犯した。
裏を返せばそれほどまで愛してくれたということ。他のドラゴンからも守ってくれた。案内は確かに途中だったけれど、俺は十分楽しかった。
そんな俺の話を聞いて。リティアさんも納得し、というか最後は祝福してくれた。
竜騎士にならないか。という誘いもあったが、俺はボーラと話あって、とりあえず俺の世界へと一度来ることになった。
「おにいちゃん」
「なに?」
「その、今更だけど……」
俺は無言でボーラちゃんの頭を撫でて、そして抱きしめる。
「お、おにいちゃん?」
「愛してる」
ぼんっと真っ赤になるボーラちゃん。
かわいいなぁ……。
「も、もう、おにいちゃんは反則です。なんで全部言わせてくれないんですか」
「言わなくてもわかるって、散々謝ってくれたし。それに、その……気持ちよかったの! はい、もうこの話はおしまい!!」
「えーーー! そんなぁ……」
と、いいつつも尻尾が揺れているから、あれは嬉しい、ってことだな。
すっかりボーラのくせもわかってしまった。出会った時よりさらに美しくなってゆくボーラ。
でも。
「うわーーーー、広いですねーーーー♥」
「うん、ここなら存分にごろごろできるぞーーー」
ごろごろごろごろ
新婚旅行は北の大地にした。テレビで見て、以前から、この草原でごろごろしたかったし、何よりボーラちゃんにもこの世界の魅力を伝えたかった。
「わーーい、ごろごろごろごろ♪」
無邪気に微笑む彼女。
それだけは出会った時と変わらない。
それに涼しい風……。そっか、案外近い所にもいい場所があったじゃないか。
会社は退職することに決めた。
竜騎士になるかはまだわからないけれど、俺はボーラの生まれたドラゴニアに移住するつもりだ。 それに、戻ろうと思えばすぐにこの国にも戻れる。
落ち着くまでは行ったり来たりの生活がつづくだろう。
俺も草原に寝転がる。
ああ、気持ちいい……。
「ボーラはどうする?」
いつの間にか隣にはボーラが寝ていた。
「そうですね。結婚はしましたけど♥ またドラゴニアの観光案内もしたいです! いいですか??」
「もちろん。俺も仕事を探さないとなー」
「一緒に働きませんか?」
「うーん、俺は人間だし。まあ、インキュバスだから正式には違うけどさ」
「そうですか、ちょっと残念です」
「でも、帰ったら最初に俺をまた案内して欲しい!」
「もちろんです。たっぷりはりきって隅々まで案内しますよ! そして♥」
「そして」
二人して言う。
「「えっちもする!!(しましょう♥!!!)」」
笑いが止まらない。やっぱりというか、あのドラゴンステーキ、セックスにハマった。
行儀が悪いとかそれより、気持ちよければいいじゃん。という二人の結論。俺もボーラちゃんもちょっと変わっているのかもしれない。
「えへへっ♥」
「まあ、その…」
また頭を撫でて、そして抱き寄せてキスをする。
「ボーラちゃん……」
「おにいちゃん♥……すき♥♥……」
何度も口付けを交わす。
この広い大地で。
18/08/25 10:07更新 / ロボット4頭身