ついてくるモノ
これは数年前、俺が実際に体験したことを書いた話だ。
俺は歩いていた。
都会と言ってもちょっと路地裏に入れば暗い。
近道をしようとしたのがまずかった。
こんな時に限って携帯（当時はガラケー）は会社に忘れてきたし。
こつ
何か、足に当たった感触。
人形だ。
なんでこんな所に。
まあ、気にしないで進もう。
とりあえず。ビルの間だし灯が見える方に歩いていけばいいだろう。
こつ
何か足に触れた。
また人形だ。
歩く、歩く。
おかしい、全然出口が無い。
こつ
人形だ。
3回目ともなると、やはり不自然。
アンティークの人形なのだろうか、薄暗くてよくわからない。
銀髪の髪の毛と、よくわからないけど、ドレス？ 手に持ってみると軽い。大きさは丁度タワー型のパソコンといった具合だろうか。
とりあえず、誰かの落とし物かもしれないので、近くにあった段ボールの上に座らせておく。
歩く。歩く。
もうここに入ってからどのくらいだろう。
10分？ いや1時間？？
こつ
まさか
間違いない、あの人形だ。
そんな、確かに座らせたのに、なんで地面に、どうみてもさっきの人形だった。
なんともいえない恐怖。
出口のない道。
何度も出会う人形。
いや、きっと仕事で疲れているんだ。
きっと、この人形が何かのヒントに違いない。
俺は人形を持って先に進むことにした。
どうやら、正解だったようだ。
やっと出口が見えてきた。
「うわぁぁぁ！！！！！」
目覚めると午前3時、あれからの記憶がない。確かにあの後、家に帰ったはずだ。
「ひっ！」
枕元には人形が座っていた。
次の日
「ふう、今日もつかれたー。あっついし」
ふと、何かの視線を感じる。
そんな……、気持ち悪いから、近所のお寺にお願いして置いてきたのに。
人形が俺のベッドの枕元に居る。
俺は逃げ出した。
とんでもないものを拾ってしまった。
まただ。
あの路地。
出口がない。
こつ
人形だ。
でも、この子を持って行かないとここからは出られない。
「仕方ない」
俺は人形を持って歩いた。
出口だ。
「うわぁぁぁぁぁ！！！」
時刻は午前3時、まただ、あの人形はやはり枕元に居る。
そんな日が続けば当然、精神的におかしくなる。
次の日は会社を休んで病院へと行った。
奇妙だ。待合室には誰もいない。
切れかかった蛍光灯がより不気味だ。
また、視線を感じる。
見てはいけないと思うが、どうしても見てしまう。
あの子だ。
いる。
俺のことをじっと見ている。
「次の方ーーー」
「はっ」
寝ていたのか、周りにはたくさんの人、やはり疲れているんだ。
「特に異常はありませんが、暑い日が続いてますので、点滴をしましょう」
そう医者に言われて、ベッドに横になる。点滴室には誰も居ない。
だいたい1時間くらいかかるとのことだ。
エアコンが効きすぎているのか、肌寒い。幸いナースコールのボタンが手元にあるので、あの点滴の液体の袋が無くなれば呼………
え？
俺の下半身に何かいる。動けない。
そいつは俺のズボンを器用に下ろしている。
軽い。
わかってる。
あいつだ。
そんな、なんでこんな所まで、くそ、身体が動かない。
「おにーちゃん……」
幼い少女のかわいらしい、無邪気な声が聞こえる。
「おにーちゃん………」
気のせいじゃない。はっきりと耳元で、熱い吐息が耳に感じられる。
はむ
「いっ！」
耳を小さな口で甘噛みされた。
ふわっと何かの花の香りがする。
ラベンダー？
ふと、視界の隅に紫色が写った。
視線も動かせない。
指一本動かせないのでナースコールも押せない。
「くすくすくす……おにーちゃん…あそぼ」
舌が耳の穴に入ってくる。
熱い、小さな舌が、それはまるで生き物のように伸びて耳穴に入っていく。
恐怖でどうにかなりそうだった。
「くすくすくすくす」
少女の笑い声、無邪気な声。
急に部屋の電気が消えた。
真っ暗だ。
「くすくす。おにーちゃん……ちゅっ」
「むぐ」
小さな手が、でも人間じゃない。関節が多すぎる。頬に触れている手。
あの人形の手もそうだった。
確か球体関節。
指先まで自由に動かせる。
間違いない、それにひんやりとした感触。
小さな唇に顔中をキスされている。
「ふふふ、かわいい」
怖い、視界がまっくらで、でも感触はある。
それに奴は何が楽しいのか無邪気に笑っている。
「……さーん、……さん！」
「え」
明るい、部屋は何事もなかったかのように元通りだ。服も元通り。
「大丈夫ですか！？ 顔が真っ青ですよ」
「ひ」
自分で触れて見てびっくりした。顔が冷たい。
「ちょっと先生！！ 先生！！！」
看護師さんがあわてて部屋から出ていく。
俺はそのあと、ひどい栄養失調と診断されて入院が決まった。
「ごめんなさいね。あまりにも急だったから、個室しか空いてないんです」
そういうと看護師さんは部屋から出ていく。
またひとりになってしまった。
カチカチという時計の音がやけに響く。
点滴のしずくの落ちる音さえも聞こえそうだ。
「うわぁぁぁ！！」
やはり午前3時、目が覚めた。
「おにーちゃん、おにーちゃん」
まただ、あの子の声がする。
「遊ぼう。ねえ」
服が脱がされていく、当然声は出せない。
しかも個室、ぼんやりと廊下の灯のおかげでやっと顔が見れた。
病室にはあの独特の消毒薬の匂いではなくて
ラベンダーの香り
綺麗だった。
てっきりもっと怖い顔かと思っていたが、人形は整った顔立ち、紫色の瞳、それにやはり紫色のドレス。あちこちに見える球体関節。
銀色に輝く髪。蛍光灯の灯でなければもっと綺麗だろうに……。
「くすくすくす、やっと見た……おにーちゃん」
しゃべろうとするが声が出ない。
「遊ぼう。くす」
な、人形の手がペニスに添えられてる。
「ふふふ、まだ足りないの。おにーちゃん今夜もちょーだい」
い、ペニスがしごかれている、あんな小さな手で、しかもニコニコと笑いながら、足りないってまさか。
「うん、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日、ここから白いの出して飲んでたの」
無邪気に微笑む少女人形。
そんな、でも、これで栄養失調の謎が解けた。
「くす。もうおにーちゃんは、わたしのモノ」
くそ、身体さえ動かせれば。
「はい、どうぞ出してください」
人形が俺のペニスに口をくっつける。
「！！！」
吸われてる。あんな小さな口で精液が、いや、きっと命だ。
「もっと遊ぼう」
少女人形がすっと俺の腰をまたぐ。スカートを手でめくりあげる。ドロワーズというのだろうか？ たしかそんな下着だ。
信じられないことにぐっしょりと濡れている。
「あ、あ、あ、あ」
やっと声にならない声が出せた。
「ふふ……今まではお口だけだったけれど、いただきます」
「！！」
少女人形が腰を落とす。ドロワーズの隙間にペニスが入っていき、暖かいもので包まれる感触。
「くすくすくす、おにーちゃんの入りました」
少女人形の手が俺の腰に置かれる。
まさか。
「一緒に気持ちよくなりましょう。おにーちゃん。んっんっ！」
動き出す腰、少女人形の綺麗な顔が快感で歪む。
銀色の髪が腰の動きに合わせて揺れる。
ドレスのリボンも、フリルも揺れる。
人形に犯されている。
ベッドがぎしっぎしっ嫌な音をたてている。
あんなに軽い人形なのにまるで本物の幼女に乗っかられて、犯されているようだ。
非現実的だが、送り込まれる快感。それに人形とはいえ、美少女だ。
「おにーちゃんの気持ちいいです」
尚も激しくなる腰の動き。あんな小さな体の中に俺のペニスが全部入っているという恐怖。
命を吸われているというのに、俺はなさけなく射精をしてしまった。
「ふふふ、とっても美味しいです。おにーちゃん……ちゅぅ」
少女人形にペニスが解放されたと思ったら顔に抱き着かれキスをされる。
「ん……ちゅ……くすくす…ほら……口を開けてください……ん……ちゅぷ……」
命令されると逆らえない。
小さな舌が俺の舌に絡んできて口内も犯される。
目に映るのはうっとりとした美少女。冷たかった手は暖かくなり、まるで生きているようだ。
「ちゅ……ちゅぷ……おにーちゃん……すき……です……もっと……」
それから明るくなるまで人形の一方的なキスが続いた。
次の日も
次の日も
次の日も
次の日も
次の日も
次の日も
同じように午前3時になるとあの少女人形があらわれ犯される。
行為が終わると明るくなるまでキスをされる。
日に日に増えていく射精回数。
より綺麗に淫らになってゆく人形。
こんな小さな人形に犯されている。
恐怖もあったが、どこかいけない気持ちになってゆく。
俺は狂ってしまったのだろうか？
何度も何度も無理やり搾り取られる。
一度射精する度に、人形少女は、ペニスを解放して、口や耳に舌を入れて犯す。
目も舌で舐めまわされる。
あの人間離れした美しい顔で。
口の中もいつしかラベンダーの香り、それに昼間でも夢の中で少女人形に犯されるようになってしまった。
繰り返される淫らな行為、自分よりずっと小さな少女、しかも人形。
俺は完全にあの子のおもちゃになってしまった。
気が付けば全身からラベンダーの香りがしていた。
「おにーちゃんはワタシのモノよ。ふふふ、かわいいかわいい、ワタシのお人形さん」
「ぜったいに逃がさないです」
くすくすくすくす
無邪気に笑い続ける。人形少女。
いつしか俺はあの少女人形に恋していた。
午前3時になるのが待ち遠しい。
今夜はどう犯されるのだろう。
完全に快楽に溺れていた。
「退院です」
驚いた。てっきり衰弱してあのまま終わると思っていたが、なんと入院前より体力が付いたとの診断が出た。
家に帰ると当然のように枕元にはより美しく、そして
「おかえりなさい。おにーちゃん♪」
俺はたまらず少女人形を抱きしめた。
ラベンダーの香りが部屋中に満ちる。
「もうすっかりわたしのとりこですね♪」
「はい、またたくさん気持ちよくしてください」
「もちろんです」
体を動けなくされて
少女人形に押し倒される俺。
淫らに腰を振る少女人形。
「おにーちゃん、今日もいっぱいあそぼ♪」
後日談
「え、魔物娘のリビングドール！？」
「はい、そうです」
俺は行為を終えると少女から話を聞くことができた。
「呪いの人形とか、てっきりあのまま」
「そんなことはしないです！ おにーちゃんのことは愛してます。あの日、拾ってくれた時から」
「え、そうなの！？」
「わたしのことなんだと思っていましたか？」
「あのまま俺、君に搾り取られて終わると思ってた」
「くすくすくす、そんなことはしません。エッチはしますけど、おにーちゃんはわたしの物、わたしはおにーちゃんの物です」
「だってすごく怖かったんだけど、ずっとついて来るし、しかも病院まで」
「ごめんなさい。ちゃんと動けなくて、おにーちゃんから精を貰う為にあのような形になってしまいました」
「ま、まあ、こうして元気なったし。それに可愛いし」
「本当ですか。そんな可愛い、だなんて嬉しいです」
「人形とかそういうのは関係ない。すっかり好きになった！ 愛してる！！」
「嬉しいです。おにーちゃん……ちゅぅっ！」
「うわっ！」
と、言うとまた体を動けなくされて一方的に犯される。
どっちが人形だかわからないな。
何度目かの射精で薄れゆく視界の中、ふとそんなことを思った。
「ふふ、たくさん可愛がってあげますね。愛してます。おにーちゃん♪」
これが実際俺の体験した話だ。
いつの間にか隣で妻が見ていた。
ああ、もう時間か。
「おにーちゃん、あそぼー♪ ちゅっ！」
メタい裏設定？
なんで迷っていたのか？
それは単におにーちゃんが何度も同じルートを通っていたからです。きっと暑さで混乱していたのでしょう。
なんで午前3時？
だっておやつの時間です。
栄養失調になるまで搾り取ったのは？
おにーちゃんがあのまま会社で仕事してたら過労の方が心配でした。だから病院に入院してもらってインキュバスになるまで魔力を注ぎました。
どう見てもホラーなんだけど？
夏だからです♪
それとおにーちゃんの怖がる顔が面白くて可笑しくて、えへへ、ついついやってしまいました。
子どものちょっとした悪戯です。くすすっ♪
（↑ドＳ）
それでは、おにーちゃんを徹底的に犯して遊ぶので失礼します。
ふふ、さて今日はどう怖がらせて搾りましょう。
怖いが快感になるなんてかわいいおにーちゃんです。でも、そんなおにーちゃんがだいすきです♪
ずっとずっと怖がらせて、愛してあげます。
18/08/03 19:46更新 / ロボット4頭身