読切小説
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静かな狂人は紅茶に狂う
突然だが、諸君は紅茶が好きかい?
私は紅茶が大好きで、お茶会をほぼ毎日催しているほどさ。
気の合う仲間たちとテーブルを囲み、お菓子と素敵な男性をつまみながら美味しい紅茶を片手に猥談に花を咲かせる。
これが私にとって至高の一時なのさ。
ほぼ毎日お茶会をしている訳だが、突然の来客で急なお茶会をすることもあるから、その時はまさに猫の手も借りたいほどさ。
手を貸してくれそうな猫は客人の迎えでいないのだがね。
さて、世間話はこれくらいにして、準備を急いでくれたまえ諸君。
お茶会は待ってくれないのだからね!

「マッドハッターさーん、お菓子はどれくらい作ればいいかなー?」
両手のお盆いっぱいにケーキやクッキーを乗せているのはマーチヘア。
彼女の作るお菓子はとても美味しくてね、紅茶によくマッチするのさ。
「男性の客人だから、たくさん作っても問題ないさ。全部残さず食べてしまうよ」
「全部食べちゃうって事は、きっとわたしも食べられちゃうんだ。ホイップクリームで大事な所を隠した姿のわたしに興奮した彼は、わたしを食べちゃうんだ///」
・・・と、まあ少し妄想癖がある彼女だけれど、それが彼女の魅力でもあるのさ。
「さあさあ、よだれを垂らしながら妄想に耽っている場合じゃないよ。どんどん作ってくれたまえ」
「は〜い!・・・そこばっかり舐めちゃだめぇ♥」

さて、テーブルメイキングは無事に終わっているかな?
なんせ私のお茶会で使うティーポットは魔術の影響か、勝手気ままに動くからね。
「よいしょ、よいしょ。あっ!ポットさん勝手に動いちゃダメでしょ!ちゃんとそこにいてね?それで、後はカップを並べて・・・うん、バッチリだね!」
ふむ、無事に終わったようだね。
この子はアリス。
お茶会メンバーでは最年少で、可愛らしい妹的な存在さ。
「あっ、マッドハッター!見て見て!アリス、頑張ったんだよ?」
「おや、綺麗にできているじゃないか。さすがはアリスだね」
「えへへ、褒められちゃった///」
おっと失礼、鼻から愛情が・・・

残すはお茶会の主役である紅茶なんだが、ドーマウスはどこで昼寝をしているのか・・・。
なぜ紅茶なのにドーマウスが必要なのかって?
それは彼女の魔力に秘密があるのさ。
彼女の魔力は糖蜜のような甘さがあってね、紅茶に混ぜると最高に美味しくなるのだよ。
だから彼女は必要不可欠なのだけれど、ポットに入るまでに何度も寝てしまうから一苦労さ。
おっと、あんな所で寝ているじゃないか。
「ドーマウス、眠っているところに申し訳ないが、ポットまで移動できるかい?」
「ふぁあ・・・んー・・・わかった」
ポットまでそれ程距離はないが、ポットに辿り着く前に眠ってしまうだろうね。
パタリ・・・ZZZZZ
ほらね?
まあ、これが彼女らしさでもあるから、可愛らしいものさ。
さて、彼女を運んでポットに入れてしまおうか。
「よいしょっと。それじゃあおやすみ、ドーマウス」
「うん、おやすみZZZ」

「マッドハッターさーん!お菓子、出来上がりましたよー!」
おや、ちょうどお菓子もできたようだね。
これで準備は万端だ。
あとはチェシャ猫と客人の到着を待つだけか・・・。

「やあやあ、待たせたかニャ?」
おっと、どうやら到着したようだね。
「お茶会へようこそ!私はマッドハッター。よろしく頼むよ」にぎにぎ
「ふむ、なかなか立派なタケリダケだね」

人と物が揃ったことだし、これでお茶会は問題なく始められるわけだ。
「では諸君、お茶会を始めよう」

fin
14/06/26 00:46更新 / リキッド・ナーゾ

■作者メッセージ
マッドハッターは飄々としていそうだけれど、お茶会のことになると熱くなりそうなイメージがあります。
乱文、失礼しました。

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