ドラゴンさんをくすぐり隊！
マルクはがむしゃらに火山の巨大洞窟の中を走り回っていた。
より正確にいうと、彼を追ってくる旧時代の姿をした紅いドラゴンから逃げ回っていた。
「はあ！はあ！なんでこの洞窟はこんなに入り組んでるんだってあちぃい！」
辺りの空気が吸い込まれ、何かを吐き出すようなゴオッという轟音が洞窟に響く。
熱気を感じて横っ飛びで脇道に転がり込むと、さっきまで彼がいた場所を灼熱のブレスが襲った。
岩の壁や地面はブレスによって溶かされ、ぐつぐつと沸き立っている。
「おいおい、冗談じゃねえぞ」
ぜいぜいと肩で息をしながらその様に驚愕していると、ドラゴンが駆けてくるせいで地鳴りが起き、天井から小石がぱらぱらと落ちてくる。
「もう来やがった！やべえよやべえよ！」
『待たんか貴様ァ！逃げずに我と闘え！！』
「待てと言われて待つ奴がいるかよおお！」
『このシューティングスターから逃げられると思うなよ！』
煤にまみれた鎧をがしゃがしゃと鳴らしながら、マルクはこうなってしまった原因を思い出していた。
ことの発端は、彼の傭兵仲間であるレイが持ってきたある依頼だった。
-酒場-
ギルドお抱えの酒場の一画で、マルクとレイが額を集めて話し合っている。
「この依頼、どう思いますか？」
「なになに・・・火竜山での魔界銀採取、報酬は金貨五十枚。ずいぶんな儲け話じゃねえか」
「ええ。ですが、依頼内容の割に報酬金が多額なんですよ」
「まあ、たしかにそうだな」
マルクは依頼書をテーブルに放ると考え込むようにして俯いた。
すると、麦酒がなみなみと注がれたジョッキを持った大男が二人のいるテーブルに近づいていく。
「俺をはぶいて内緒話とは水臭いぞ兄弟たち！」
その大男はテーブルにジョッキを乱暴に置くと、空いている椅子にどかっと座り込んだ。
ギシッと椅子の脚が悲鳴を上げる。
「ゴードンさん、依頼書を濡らさないでください！」
「やっと来たな飲んだくれめ」
「いやいや、すまんかったな！」
がはははっと豪快に笑うこの大男の名前はゴードン。
彼もまた、マルクの傭兵仲間である。
「それで、どんな内緒話をしていたのだ？」
「ほれ、これを読んどけ」
テーブルにぶち撒かれて三分の一ほどが無くなってしまった麦酒をあおるゴードンに、マルクは麦酒濡れの依頼書を渡した。
「ははあ、なるほどなぁ・・・」
「どう思いますか、ゴードンさん」
「多少怪しい依頼ではあるが、ここ最近は火山も安定しているし、ドラゴンが出たなんて話もしばらく聞かんからな。兄弟たちはどうだ？」
「いいんじゃねえか？やばけりゃ戻ればいいだけだしよ」
「少々不安はありますが、今は行ってみてもいいかと」
「うむ、兄弟たちが行くのであれば儂も行こう」
「よし、そうと決まればさっそく行くぞ！」
かくして火竜山に向かった一行だった。
場所は戻り、火竜山の巨大洞窟。
広場に出たマルクは岩陰に隠れて息を潜めていた。
「なんとかまいたか？だが、レイもゴードンもいねえ。それに広いとはいえ逃げ場は無いときてやがる。状況は最悪だ・・・」
レイとゴードンは、マルクがドラゴンと出会う以前に離別してしまっている。
レイは洞窟に入った時、マグマ溜まりに身を潜めていたラーヴァゴーレムたちに捕まってしまった。
ゴードンはばったり出会してしまったサラマンダーに勝負を挑まれてしまった。
そしてマルクは二人を失った状態で洞窟の最深部に辿り着き、旧時代の姿をした紅いドラゴン、シューティングスターに出会ったのだ。
そして即座に逃げ出した。
「もう二人は確実に下山できねえし、俺もここから逃げらんねえ。それ以前に洞窟の入り口はレイたちで塞がっちまったし、どうしようもねえぞ！」
ちくしょう、なにが俺にかまわず先に行けだと悪態をつくと広場に凜とした女性の声が響いた。
「さあ、鬼ごっこは終わりだ。諦めて出てこい。そして我と闘え！」
「おいでなすったか。ご尊顔でも拝ませてもらうかね」
岩陰からそっとのぞき見ると、そこにはあの巨大なドラゴンはおらず、ドラゴンの特徴をもった女性がいた。
「まったく貴様という奴は、せっかく我が雰囲気を出そうと昔の姿になって待っていたというのに逃げ出すとはなんだ！」
そしてぷりぷり怒っている。
「これはもう、腹を括るしかないか・・・あと貴様じゃねえ、マルクだ！」
「そんなこと、今はどうでも良い！さっさと出てこんか！」
「わかったわかった！闘うから作戦を考える時間くらいくれ！」
「む！やっとその気になったか！なら、しばらく待ってやらんこともないぞ」
どこか喜ばしげなスターを尻目に、マルクは勝てない勝負をどうひっくり返したものかと頭をひねりにひねっていた。
（とはいえ、どうしたもんかね）
ごそごそと雑嚢を探るマルク。
出てくる物は萎びた薬草、飲みかけの回復薬、道中に拾った魔界銀のかけら等々・・・
（どれも使えそうもない物ばっかじゃねえか・・・ん？これは）
「おい、まだなのか？」
「もうちょい待ってくれ！」
「むう、しかたのない奴だ。早くするのだぞ？」
雑嚢から取り出した革袋には『サバト特製お楽しみセット』と書かれている。
中身は青筋の浮いたキノコ、ぶよぶよした何かの野菜の芯、瓶詰めされたねばっとしている緑色の液体、そして紙切れが一枚あった。
マルクは中身を確認すると、紙切れに書かれていることを読み、青筋の浮いたキノコにかじりついた。
（作戦は練れた。成功するかはわからんが、これっきゃねえ！）
そしてマルクは勢い良く岩陰から飛び出たのだった。
「ずいぶんと我を待たせてくれたな。それなりの策はあるのだろう？」
「五分五分といったところだがな」
「そうか。では始めるとしよう！」
ドラゴンの体から凄まじい闘気が湧き上がり、マルクの体を強ばらせる。
「どうした、勝算はあるのだろう？それとも怖いのか？」
「へへへへっ・・・剣なんて必要ねえや、へへへへっ・・・てめえなんか怖かねえ！行くぞオラァ！」
「武器を捨てるとは愚かな！だが、その意気や良し！ならば我も応えよう！！」
普通であれば人間の男が魔物娘に膂力で勝つことはまずできない。
組み伏せようとしても、逆に自分が組み伏せられるのが関の山だ。
しかし、青筋の浮いたキノコことタケリダケを食べた場合は例外となる。
「勝った！」
「な、なにい！」
あっさりとスターを押し倒したマルクは、馬乗りになって彼女の腕をばんざいの姿勢で地面に押さえつけた。
彼女は拘束を解こうと身を捩り、少しでも体を浮かせようと地面に尻尾を何度も叩き付けるが徒労に終わった。
「まだだ、まだ負けてはおらんぞ！ドラゴンである我が膂力で人間に負けるはずがっ！くっ、放せ！」
「あんまり暴れるなって！それに、放せって言われて放す奴がいるかっての」
マルクはそう言いながら彼女の両手を片手で何とか押さえつけると、雑嚢からぶよぶよした何かの野菜の芯を取り出した。
拘束がいくらか弱まり、彼女は脱出を図るがそれも上手くいかなかった。
「だから暴れるなって！はぁ・・・おい、これ食えよ」
「誰がこんなぶよぶよした物を食べるものか！」
口元に差し出されたそれを、ぷいと顔を背けることで拒絶する。
見たくも無いといわんばかりに眼も閉ざしている。
「敗者は勝者の言うことを聞くのが相場だろ。やりたくなかったが仕方ねえな」
マルクはそう言うとぶよぶよした何かの野菜の芯にめいっぱいかじりついて残りを投げ捨てた。
ぶよっとした歯触りの後にむせかえる程の甘さが口中に広がる。
（なんつう甘さだ！これで野菜とか冗談きついぜ）
そして、吐き出しそうになるのを堪えながら咀嚼する。
（さてさて、それじゃあ口を開けてもらおうか）
マルクは空いた手の指を慣らすように蠢かせると、彼女のわき腹をさわさわとくすぐった。
彼女は不意打ちのくすぐりにたまらず、きつく閉ざした眼と口を開いた。
「あっはははははむぐぅ！んー！んふー！！」
（こいつ、もしかすると・・・）
そしてその隙を見逃さずに、咀嚼したものを彼女の口内へと口移しで流し込み、無理矢理飲み込ませる。
「ふー！んむ、んぐっんく」
「ぷはっ！まだ口ん中甘い・・・」
羞恥からか怒りからか、彼女は顔を真っ赤にしている。
「お、おのれ！なんて事を！絶対に、絶対に貴様には責任を取らせるからな！！」
「おい、そいつは少し大袈裟じゃねえか？」
「あ、あれが初めてだったのだぞ！雰囲気も何もないではないか、バカァ！！」
「なんつうか、すまん・・・」
「だったら責任を取れ！逃げたとしても絶対に見つけ出す！見つけ出したら犯して犯して犯しつくして・・・っ！？か、体が熱い！？」
「やっと効果が出てきたか」
どっこいしょ、と彼女の上から退くマルク。
「体中がむず痒い！ええい、鱗も服も邪魔だ！」
彼女はそう言うと鱗を消し、もはやインナーともいえる服を脱ぎ去った。
しかし、隠すところはしっかりと隠している。
「いったい何を食べさせた！」
「まといの野菜ってやつだ。なんでもよ、食べると体中が火照り、むず痒くなって何にも身に着けられなくなるんだとよ」
まさに、食べさせたものはまといの野菜であり、もっとも効果の強い芯の部分だったのだ。
「タケリダケの効果で今は俺の方が強い。しかもあんたらドラゴンはプライドが高いから素っ裸じゃ闘えんだろうし、ましてや逃げるなんてもってのほかだろ？」
「ぐぬぬ・・・」
「ま、俺の作戦勝ちだな」
「・・・我の負けだ。好きにしろ」
「じゃあ道案内でも・・・いや」
その時、彼のゲスな気持ちが目覚めた。
白く綺麗な首筋、腕に押されてむにゅっと形を変える大きな胸、くびれから臀部にかけての曲線美、健康的な太もも、そしてなによりも彼を刺激したのはくすぐりに対する反応だった。
「それじゃあ・・・くすぐらせてもらうわ」
マルクは革袋から緑色の液体こと、触手化の薬が詰められた瓶を取り出すと栓を外した。
開け放たれた瓶からなんとも名状しがたい臭いが溢れ出す。
「く、くすぐるだと！？」
くすぐるという単語に敏感に反応したスターはいっそう体を強ばらせる。
「ああ、そうさ。これからお前をそれはもうめっちゃめちゃのぐっちゃぐちゃにくすぐってやるんだよ！」ぐいっ
触手化の薬を一口飲むと、効果はすぐに現れた。
無数の触手が背中からうねうねと生え始めたのだ。
そして、その触手たちはスターの両腕に絡みつくと彼女をばんざいの姿勢で吊し上げ、脚にも動かせないようにと絡みついた。
しっとりと汗ばんだ脇の下、ぷるりと揺れるはり艶の良い大きな胸、しとどに濡れそぼった秘所がさらけ出される。
まといの野菜によって極限まで敏感にさせられた柔肌は、火山の熱せられた空気に触れただけでひりひりとした快楽を感じるほどだ。
「くそっ、放さんか！」
「いいやダメだね。言ったろ、好きにしろってよお。だから好きにさせてもらうぞ」
触手によってスターがマルクの所へと引き寄せられる。
「おいおい、こんなに乳首起たせて、あそこもぐちゃぐちゃに濡れてるじゃねえか」
「やめろ！それ以上言うでない！」
「俺に組み伏せられて、吊し上げられて感じてたんだろ？」
「ち、違う！断じて違う！」
「はー、強情だなあんたも。まあ、それもどこまで続くかね」
粘液でぬらぬらと光る二本の触手がスターの両わき腹に迫る。
「それを我に近づけるな！頼むからぁ！」
ぴとっ
「あひっ！」
つーーー
「いひいひひひ！ははははははは！」
粘液を纏った触手の先端がスターの両わき腹を滑るようにくすぐる。
「あんた、くすぐったがりだろ？」
「ち、ちがっうっふふふふふふ！」
「嘘はいけねえな、おい。それにまといの野菜も食べたんだから耐えがたいだろ？早いとこ認めちまえよ」
「あははははははっ誰がひっ、認めるかっひゃひゃひゃひゃ！」
スターはそれでもなお認めまいと、身を捩ってくすぐりに耐え続ける。
「わははははははは！あああああぅはははははははは！！」
しかし、身を捩ることはなんの助けにもならなかった。
右に逃げれば右の触手に、左に逃げれば左の触手に自らわき腹を押しつけることとなって、より強いくすぐったさを味わうことになる。
かといって前後に逃げても触手の先端はわき腹にぴたりと張り付いたままで離れるそぶりさえ見せない。
「あっはははははは！うひひひひひひ、けひっ」
「おいおい、まだ飛ばれちゃ困るぞ」
触手がスターのわき腹から離れていく。
「ふー、ふぅー、けほっ」
「こりゃあ予想以上だな・・・少し攻め方を変えるか」
マルクはスターの右脇の下に顔を近づけると、脇の下のくぼみに舌を這わせた。
まといの野菜の効果か、汗であっても口内にほんのりと甘さが広がる。
そして、左胸の乳首を右手の親指と中指でくにくに摘みながら人差し指の指先でかりかりと掻く。
「はぁんっ♥あっあん！わ、腋を くぅん♥舐めるなぁ♥」
「あんたの汗、甘くて美味いぞ」
「い、言うなぁあん♥」
脇の下は舌全体をねっとりと這わせたり、ちろちろと舐めしゃぶったりし、乳首は強く摘んだり、ぐりぐりと押し込んだりすることで快楽に緩急を付ける。
「くふぅうん♥あっあっ♥ダメ、イく♥イっちゃ」
「おっと、イくのもまだ駄目だぞ」
マルクは舌と指を離すとにやにや笑いながらスターを見つめる。
「はぁ、はぁ・・なぜだ。なぜイかせてくれんのだ」
「そりゃあ、あんたが自分のことを淫乱メストカゲだって認めないからだよ」
マルクは脚の拘束を少し緩め、わざと手のひらと腕が秘所に当たるように腕をスターの股下に通すと、犬の顎を撫でるように尻尾の付け根を撫でる。
「あんたの強情さには呆れを通り越して感心さえするよ。だがな、無理してもいいことねえぞ？」
「はぅうう♥ぜった、いぅん♥、認め、んはっあん♥んっ♥」
「そうは言っても体は正直だな、おい」
尻尾の付け根を撫でられて尻尾はくねくねと嬉しそうにうねり、無意識のうちに秘所をマルクの腕に擦りつけて愛液濡れにする。
「こ、これはぁっ♥ちがっ♥」
だが口ではそう言いながらも、快楽を得ようと腰はへこへこと動き続けている。
「じゃあ止めちまおうか」
「ま、待ってくれ！止めないでくれ！」
マルクが腕を引き抜こうとすると、スターは太ももをぎゅっと閉じ、彼の体に尻尾を巻き付ける。
太もものむにっとした感触が腕を圧迫し、ひくひくとひくつく膣の感覚が腕に伝わる。
「イきたいなら言うことがあるんじゃないか？そうしたらすぐにイかせてやるよ」
「わ、我は・・・我は！」
「我は、お主にいいようにされて感じてしまう淫乱メストカゲです！お願いですからイかせてくださいぃ！！」
「くくく、これじゃあ地上の王者も形無しだなあ！わかったよ、イかせてやるから腕を離してくれ」
スターが顔を真っ赤にしながら太ももを開くと、マルクは腕を引き抜いた。
ねちゃぁ・・・と音を立てながら愛液が糸を引く。
すると一本の触手が彼女のへそに近づき、先端から不規則に蠢く糸を何本も吐き出した。
「すぐにイかせてやると言ったな、あれは嘘だ」
触手から吐き出された糸がわさわさとへそで暴れ回る。
「くっはははははははっ嘘つきぃ！嘘つきぃひゃひゃはひゃひゃひゃ！」
「わりいが、全然くすぐり足りないんでな！」
マルクはのたうつスターの胴体を捕まえると、わき腹を揉みくすぐる。
「いやぁああははははははは！だ、ダメっへぁははははは！くるしいひひひひひ！」
「もう限界か？えぇ、おい」
「もっもうひゃひゃひゃひゃひゃ！げんかっはははははははは！」
「ん〜？よく聞こえんなあ？」
「き、貴様っははははは！っ！？あああああっはははははははははははは！」
さらに追加された二本の触手が脇の下のくぼみに先端をぐにっと押し当ててこねくり回す。
スターはより激しくなったくすぐったさに視界をぼやけさせ、涙と涎を垂れ流す。
「やはっあはははははははは！もうっうひひひひひ、くすぐったいのやだぁああははははははっ！」
「それじゃあ、イかせてやるよ！」
マルクはいぼいぼのある太い触手をスターの秘所に当てると前後に激しく擦りつけ、右胸の乳首に強く吸い付いてこりこりと甘噛みをした。
「ひんっ♥あぅんっ♥んくぅははははははは！く、くすぐったいけど気持ちいいっひひひひひひひ！あぁん♥」
「あひひひひ！イくっくすぐりでイっちゃうー♥あははははぁん♥あああああっ！！♥ ♥」
スターは一際強く体を痙攣させると秘所から潮を吹いた。
触手の拘束を解くと、彼女は膝を着いて尻を突き出すように倒れた。
「んっ・・くひっ♥・・・あはぁ〜♥」
瞳の焦点は合っておらず、翼と尻尾を力無くだらけさせ、股間からじょぼじょぼと黄金水を垂れ流すその姿には『地上の王者』の威厳など無く、屈服された『メストカゲ』そのものであった。
「はぁー満足満足！」
薬の効果が切れてマルクの体からは触手が消え、しこたま楽しんだためやたらツヤツヤしている。
「キノコの効果も切れちまったが、ドラゴンもあの様子じゃ暫くは動けねえだろ。今のうちにずらかるとするか。さすがにもうレイたちもどいてるだろうしな」
ついでにお宝でも見つけて街に行ったら娼婦でも買うか、なんて思いながら逃げ支度をするマルク。
しかし、彼はドラゴンのタフネスを甘く見過ぎていた。
どれだけくすぐられ、悶えさせられようともドラゴンはドラゴンなのだ。
彼の背後で、スターがしっかりと大地を踏みしめて立ち上がる。
「おい貴様、前にも言ったがこのシューティングスターから逃げられると思うなよ」
「ええ！？うおわっ！」
スターはマルクを引き倒し、まるで薄紙を裂くかのように彼の鎧と服を引きちぎると馬乗りになって肩をがっしりと抑える。
目の前にある彼女の瞳にはマグマよりも熱く燃えたぎる肉欲が宿っている。
「貴様のせいで我は貴様無しでは生きてはいけない体になってしまったではないか♥この責任、絶対に取らせるからな♥」
スターはそう言うと、マルクの頭を両手で掴んで頬をねっとりと舐め上げた。
「それに我は負けっぱなしが嫌いでな。これから貴様を犯して犯して犯しつくして・・・」
「我無しでは生きてはいけない体にしてやろう♥ ♥」
火竜山の洞窟に男女の嬌声が響き渡った。
おわり
より正確にいうと、彼を追ってくる旧時代の姿をした紅いドラゴンから逃げ回っていた。
「はあ！はあ！なんでこの洞窟はこんなに入り組んでるんだってあちぃい！」
辺りの空気が吸い込まれ、何かを吐き出すようなゴオッという轟音が洞窟に響く。
熱気を感じて横っ飛びで脇道に転がり込むと、さっきまで彼がいた場所を灼熱のブレスが襲った。
岩の壁や地面はブレスによって溶かされ、ぐつぐつと沸き立っている。
「おいおい、冗談じゃねえぞ」
ぜいぜいと肩で息をしながらその様に驚愕していると、ドラゴンが駆けてくるせいで地鳴りが起き、天井から小石がぱらぱらと落ちてくる。
「もう来やがった！やべえよやべえよ！」
『待たんか貴様ァ！逃げずに我と闘え！！』
「待てと言われて待つ奴がいるかよおお！」
『このシューティングスターから逃げられると思うなよ！』
煤にまみれた鎧をがしゃがしゃと鳴らしながら、マルクはこうなってしまった原因を思い出していた。
ことの発端は、彼の傭兵仲間であるレイが持ってきたある依頼だった。
-酒場-
ギルドお抱えの酒場の一画で、マルクとレイが額を集めて話し合っている。
「この依頼、どう思いますか？」
「なになに・・・火竜山での魔界銀採取、報酬は金貨五十枚。ずいぶんな儲け話じゃねえか」
「ええ。ですが、依頼内容の割に報酬金が多額なんですよ」
「まあ、たしかにそうだな」
マルクは依頼書をテーブルに放ると考え込むようにして俯いた。
すると、麦酒がなみなみと注がれたジョッキを持った大男が二人のいるテーブルに近づいていく。
「俺をはぶいて内緒話とは水臭いぞ兄弟たち！」
その大男はテーブルにジョッキを乱暴に置くと、空いている椅子にどかっと座り込んだ。
ギシッと椅子の脚が悲鳴を上げる。
「ゴードンさん、依頼書を濡らさないでください！」
「やっと来たな飲んだくれめ」
「いやいや、すまんかったな！」
がはははっと豪快に笑うこの大男の名前はゴードン。
彼もまた、マルクの傭兵仲間である。
「それで、どんな内緒話をしていたのだ？」
「ほれ、これを読んどけ」
テーブルにぶち撒かれて三分の一ほどが無くなってしまった麦酒をあおるゴードンに、マルクは麦酒濡れの依頼書を渡した。
「ははあ、なるほどなぁ・・・」
「どう思いますか、ゴードンさん」
「多少怪しい依頼ではあるが、ここ最近は火山も安定しているし、ドラゴンが出たなんて話もしばらく聞かんからな。兄弟たちはどうだ？」
「いいんじゃねえか？やばけりゃ戻ればいいだけだしよ」
「少々不安はありますが、今は行ってみてもいいかと」
「うむ、兄弟たちが行くのであれば儂も行こう」
「よし、そうと決まればさっそく行くぞ！」
かくして火竜山に向かった一行だった。
場所は戻り、火竜山の巨大洞窟。
広場に出たマルクは岩陰に隠れて息を潜めていた。
「なんとかまいたか？だが、レイもゴードンもいねえ。それに広いとはいえ逃げ場は無いときてやがる。状況は最悪だ・・・」
レイとゴードンは、マルクがドラゴンと出会う以前に離別してしまっている。
レイは洞窟に入った時、マグマ溜まりに身を潜めていたラーヴァゴーレムたちに捕まってしまった。
ゴードンはばったり出会してしまったサラマンダーに勝負を挑まれてしまった。
そしてマルクは二人を失った状態で洞窟の最深部に辿り着き、旧時代の姿をした紅いドラゴン、シューティングスターに出会ったのだ。
そして即座に逃げ出した。
「もう二人は確実に下山できねえし、俺もここから逃げらんねえ。それ以前に洞窟の入り口はレイたちで塞がっちまったし、どうしようもねえぞ！」
ちくしょう、なにが俺にかまわず先に行けだと悪態をつくと広場に凜とした女性の声が響いた。
「さあ、鬼ごっこは終わりだ。諦めて出てこい。そして我と闘え！」
「おいでなすったか。ご尊顔でも拝ませてもらうかね」
岩陰からそっとのぞき見ると、そこにはあの巨大なドラゴンはおらず、ドラゴンの特徴をもった女性がいた。
「まったく貴様という奴は、せっかく我が雰囲気を出そうと昔の姿になって待っていたというのに逃げ出すとはなんだ！」
そしてぷりぷり怒っている。
「これはもう、腹を括るしかないか・・・あと貴様じゃねえ、マルクだ！」
「そんなこと、今はどうでも良い！さっさと出てこんか！」
「わかったわかった！闘うから作戦を考える時間くらいくれ！」
「む！やっとその気になったか！なら、しばらく待ってやらんこともないぞ」
どこか喜ばしげなスターを尻目に、マルクは勝てない勝負をどうひっくり返したものかと頭をひねりにひねっていた。
（とはいえ、どうしたもんかね）
ごそごそと雑嚢を探るマルク。
出てくる物は萎びた薬草、飲みかけの回復薬、道中に拾った魔界銀のかけら等々・・・
（どれも使えそうもない物ばっかじゃねえか・・・ん？これは）
「おい、まだなのか？」
「もうちょい待ってくれ！」
「むう、しかたのない奴だ。早くするのだぞ？」
雑嚢から取り出した革袋には『サバト特製お楽しみセット』と書かれている。
中身は青筋の浮いたキノコ、ぶよぶよした何かの野菜の芯、瓶詰めされたねばっとしている緑色の液体、そして紙切れが一枚あった。
マルクは中身を確認すると、紙切れに書かれていることを読み、青筋の浮いたキノコにかじりついた。
（作戦は練れた。成功するかはわからんが、これっきゃねえ！）
そしてマルクは勢い良く岩陰から飛び出たのだった。
「ずいぶんと我を待たせてくれたな。それなりの策はあるのだろう？」
「五分五分といったところだがな」
「そうか。では始めるとしよう！」
ドラゴンの体から凄まじい闘気が湧き上がり、マルクの体を強ばらせる。
「どうした、勝算はあるのだろう？それとも怖いのか？」
「へへへへっ・・・剣なんて必要ねえや、へへへへっ・・・てめえなんか怖かねえ！行くぞオラァ！」
「武器を捨てるとは愚かな！だが、その意気や良し！ならば我も応えよう！！」
普通であれば人間の男が魔物娘に膂力で勝つことはまずできない。
組み伏せようとしても、逆に自分が組み伏せられるのが関の山だ。
しかし、青筋の浮いたキノコことタケリダケを食べた場合は例外となる。
「勝った！」
「な、なにい！」
あっさりとスターを押し倒したマルクは、馬乗りになって彼女の腕をばんざいの姿勢で地面に押さえつけた。
彼女は拘束を解こうと身を捩り、少しでも体を浮かせようと地面に尻尾を何度も叩き付けるが徒労に終わった。
「まだだ、まだ負けてはおらんぞ！ドラゴンである我が膂力で人間に負けるはずがっ！くっ、放せ！」
「あんまり暴れるなって！それに、放せって言われて放す奴がいるかっての」
マルクはそう言いながら彼女の両手を片手で何とか押さえつけると、雑嚢からぶよぶよした何かの野菜の芯を取り出した。
拘束がいくらか弱まり、彼女は脱出を図るがそれも上手くいかなかった。
「だから暴れるなって！はぁ・・・おい、これ食えよ」
「誰がこんなぶよぶよした物を食べるものか！」
口元に差し出されたそれを、ぷいと顔を背けることで拒絶する。
見たくも無いといわんばかりに眼も閉ざしている。
「敗者は勝者の言うことを聞くのが相場だろ。やりたくなかったが仕方ねえな」
マルクはそう言うとぶよぶよした何かの野菜の芯にめいっぱいかじりついて残りを投げ捨てた。
ぶよっとした歯触りの後にむせかえる程の甘さが口中に広がる。
（なんつう甘さだ！これで野菜とか冗談きついぜ）
そして、吐き出しそうになるのを堪えながら咀嚼する。
（さてさて、それじゃあ口を開けてもらおうか）
マルクは空いた手の指を慣らすように蠢かせると、彼女のわき腹をさわさわとくすぐった。
彼女は不意打ちのくすぐりにたまらず、きつく閉ざした眼と口を開いた。
「あっはははははむぐぅ！んー！んふー！！」
（こいつ、もしかすると・・・）
そしてその隙を見逃さずに、咀嚼したものを彼女の口内へと口移しで流し込み、無理矢理飲み込ませる。
「ふー！んむ、んぐっんく」
「ぷはっ！まだ口ん中甘い・・・」
羞恥からか怒りからか、彼女は顔を真っ赤にしている。
「お、おのれ！なんて事を！絶対に、絶対に貴様には責任を取らせるからな！！」
「おい、そいつは少し大袈裟じゃねえか？」
「あ、あれが初めてだったのだぞ！雰囲気も何もないではないか、バカァ！！」
「なんつうか、すまん・・・」
「だったら責任を取れ！逃げたとしても絶対に見つけ出す！見つけ出したら犯して犯して犯しつくして・・・っ！？か、体が熱い！？」
「やっと効果が出てきたか」
どっこいしょ、と彼女の上から退くマルク。
「体中がむず痒い！ええい、鱗も服も邪魔だ！」
彼女はそう言うと鱗を消し、もはやインナーともいえる服を脱ぎ去った。
しかし、隠すところはしっかりと隠している。
「いったい何を食べさせた！」
「まといの野菜ってやつだ。なんでもよ、食べると体中が火照り、むず痒くなって何にも身に着けられなくなるんだとよ」
まさに、食べさせたものはまといの野菜であり、もっとも効果の強い芯の部分だったのだ。
「タケリダケの効果で今は俺の方が強い。しかもあんたらドラゴンはプライドが高いから素っ裸じゃ闘えんだろうし、ましてや逃げるなんてもってのほかだろ？」
「ぐぬぬ・・・」
「ま、俺の作戦勝ちだな」
「・・・我の負けだ。好きにしろ」
「じゃあ道案内でも・・・いや」
その時、彼のゲスな気持ちが目覚めた。
白く綺麗な首筋、腕に押されてむにゅっと形を変える大きな胸、くびれから臀部にかけての曲線美、健康的な太もも、そしてなによりも彼を刺激したのはくすぐりに対する反応だった。
「それじゃあ・・・くすぐらせてもらうわ」
マルクは革袋から緑色の液体こと、触手化の薬が詰められた瓶を取り出すと栓を外した。
開け放たれた瓶からなんとも名状しがたい臭いが溢れ出す。
「く、くすぐるだと！？」
くすぐるという単語に敏感に反応したスターはいっそう体を強ばらせる。
「ああ、そうさ。これからお前をそれはもうめっちゃめちゃのぐっちゃぐちゃにくすぐってやるんだよ！」ぐいっ
触手化の薬を一口飲むと、効果はすぐに現れた。
無数の触手が背中からうねうねと生え始めたのだ。
そして、その触手たちはスターの両腕に絡みつくと彼女をばんざいの姿勢で吊し上げ、脚にも動かせないようにと絡みついた。
しっとりと汗ばんだ脇の下、ぷるりと揺れるはり艶の良い大きな胸、しとどに濡れそぼった秘所がさらけ出される。
まといの野菜によって極限まで敏感にさせられた柔肌は、火山の熱せられた空気に触れただけでひりひりとした快楽を感じるほどだ。
「くそっ、放さんか！」
「いいやダメだね。言ったろ、好きにしろってよお。だから好きにさせてもらうぞ」
触手によってスターがマルクの所へと引き寄せられる。
「おいおい、こんなに乳首起たせて、あそこもぐちゃぐちゃに濡れてるじゃねえか」
「やめろ！それ以上言うでない！」
「俺に組み伏せられて、吊し上げられて感じてたんだろ？」
「ち、違う！断じて違う！」
「はー、強情だなあんたも。まあ、それもどこまで続くかね」
粘液でぬらぬらと光る二本の触手がスターの両わき腹に迫る。
「それを我に近づけるな！頼むからぁ！」
ぴとっ
「あひっ！」
つーーー
「いひいひひひ！ははははははは！」
粘液を纏った触手の先端がスターの両わき腹を滑るようにくすぐる。
「あんた、くすぐったがりだろ？」
「ち、ちがっうっふふふふふふ！」
「嘘はいけねえな、おい。それにまといの野菜も食べたんだから耐えがたいだろ？早いとこ認めちまえよ」
「あははははははっ誰がひっ、認めるかっひゃひゃひゃひゃ！」
スターはそれでもなお認めまいと、身を捩ってくすぐりに耐え続ける。
「わははははははは！あああああぅはははははははは！！」
しかし、身を捩ることはなんの助けにもならなかった。
右に逃げれば右の触手に、左に逃げれば左の触手に自らわき腹を押しつけることとなって、より強いくすぐったさを味わうことになる。
かといって前後に逃げても触手の先端はわき腹にぴたりと張り付いたままで離れるそぶりさえ見せない。
「あっはははははは！うひひひひひひ、けひっ」
「おいおい、まだ飛ばれちゃ困るぞ」
触手がスターのわき腹から離れていく。
「ふー、ふぅー、けほっ」
「こりゃあ予想以上だな・・・少し攻め方を変えるか」
マルクはスターの右脇の下に顔を近づけると、脇の下のくぼみに舌を這わせた。
まといの野菜の効果か、汗であっても口内にほんのりと甘さが広がる。
そして、左胸の乳首を右手の親指と中指でくにくに摘みながら人差し指の指先でかりかりと掻く。
「はぁんっ♥あっあん！わ、腋を くぅん♥舐めるなぁ♥」
「あんたの汗、甘くて美味いぞ」
「い、言うなぁあん♥」
脇の下は舌全体をねっとりと這わせたり、ちろちろと舐めしゃぶったりし、乳首は強く摘んだり、ぐりぐりと押し込んだりすることで快楽に緩急を付ける。
「くふぅうん♥あっあっ♥ダメ、イく♥イっちゃ」
「おっと、イくのもまだ駄目だぞ」
マルクは舌と指を離すとにやにや笑いながらスターを見つめる。
「はぁ、はぁ・・なぜだ。なぜイかせてくれんのだ」
「そりゃあ、あんたが自分のことを淫乱メストカゲだって認めないからだよ」
マルクは脚の拘束を少し緩め、わざと手のひらと腕が秘所に当たるように腕をスターの股下に通すと、犬の顎を撫でるように尻尾の付け根を撫でる。
「あんたの強情さには呆れを通り越して感心さえするよ。だがな、無理してもいいことねえぞ？」
「はぅうう♥ぜった、いぅん♥、認め、んはっあん♥んっ♥」
「そうは言っても体は正直だな、おい」
尻尾の付け根を撫でられて尻尾はくねくねと嬉しそうにうねり、無意識のうちに秘所をマルクの腕に擦りつけて愛液濡れにする。
「こ、これはぁっ♥ちがっ♥」
だが口ではそう言いながらも、快楽を得ようと腰はへこへこと動き続けている。
「じゃあ止めちまおうか」
「ま、待ってくれ！止めないでくれ！」
マルクが腕を引き抜こうとすると、スターは太ももをぎゅっと閉じ、彼の体に尻尾を巻き付ける。
太もものむにっとした感触が腕を圧迫し、ひくひくとひくつく膣の感覚が腕に伝わる。
「イきたいなら言うことがあるんじゃないか？そうしたらすぐにイかせてやるよ」
「わ、我は・・・我は！」
「我は、お主にいいようにされて感じてしまう淫乱メストカゲです！お願いですからイかせてくださいぃ！！」
「くくく、これじゃあ地上の王者も形無しだなあ！わかったよ、イかせてやるから腕を離してくれ」
スターが顔を真っ赤にしながら太ももを開くと、マルクは腕を引き抜いた。
ねちゃぁ・・・と音を立てながら愛液が糸を引く。
すると一本の触手が彼女のへそに近づき、先端から不規則に蠢く糸を何本も吐き出した。
「すぐにイかせてやると言ったな、あれは嘘だ」
触手から吐き出された糸がわさわさとへそで暴れ回る。
「くっはははははははっ嘘つきぃ！嘘つきぃひゃひゃはひゃひゃひゃ！」
「わりいが、全然くすぐり足りないんでな！」
マルクはのたうつスターの胴体を捕まえると、わき腹を揉みくすぐる。
「いやぁああははははははは！だ、ダメっへぁははははは！くるしいひひひひひ！」
「もう限界か？えぇ、おい」
「もっもうひゃひゃひゃひゃひゃ！げんかっはははははははは！」
「ん〜？よく聞こえんなあ？」
「き、貴様っははははは！っ！？あああああっはははははははははははは！」
さらに追加された二本の触手が脇の下のくぼみに先端をぐにっと押し当ててこねくり回す。
スターはより激しくなったくすぐったさに視界をぼやけさせ、涙と涎を垂れ流す。
「やはっあはははははははは！もうっうひひひひひ、くすぐったいのやだぁああははははははっ！」
「それじゃあ、イかせてやるよ！」
マルクはいぼいぼのある太い触手をスターの秘所に当てると前後に激しく擦りつけ、右胸の乳首に強く吸い付いてこりこりと甘噛みをした。
「ひんっ♥あぅんっ♥んくぅははははははは！く、くすぐったいけど気持ちいいっひひひひひひひ！あぁん♥」
「あひひひひ！イくっくすぐりでイっちゃうー♥あははははぁん♥あああああっ！！♥ ♥」
スターは一際強く体を痙攣させると秘所から潮を吹いた。
触手の拘束を解くと、彼女は膝を着いて尻を突き出すように倒れた。
「んっ・・くひっ♥・・・あはぁ〜♥」
瞳の焦点は合っておらず、翼と尻尾を力無くだらけさせ、股間からじょぼじょぼと黄金水を垂れ流すその姿には『地上の王者』の威厳など無く、屈服された『メストカゲ』そのものであった。
「はぁー満足満足！」
薬の効果が切れてマルクの体からは触手が消え、しこたま楽しんだためやたらツヤツヤしている。
「キノコの効果も切れちまったが、ドラゴンもあの様子じゃ暫くは動けねえだろ。今のうちにずらかるとするか。さすがにもうレイたちもどいてるだろうしな」
ついでにお宝でも見つけて街に行ったら娼婦でも買うか、なんて思いながら逃げ支度をするマルク。
しかし、彼はドラゴンのタフネスを甘く見過ぎていた。
どれだけくすぐられ、悶えさせられようともドラゴンはドラゴンなのだ。
彼の背後で、スターがしっかりと大地を踏みしめて立ち上がる。
「おい貴様、前にも言ったがこのシューティングスターから逃げられると思うなよ」
「ええ！？うおわっ！」
スターはマルクを引き倒し、まるで薄紙を裂くかのように彼の鎧と服を引きちぎると馬乗りになって肩をがっしりと抑える。
目の前にある彼女の瞳にはマグマよりも熱く燃えたぎる肉欲が宿っている。
「貴様のせいで我は貴様無しでは生きてはいけない体になってしまったではないか♥この責任、絶対に取らせるからな♥」
スターはそう言うと、マルクの頭を両手で掴んで頬をねっとりと舐め上げた。
「それに我は負けっぱなしが嫌いでな。これから貴様を犯して犯して犯しつくして・・・」
「我無しでは生きてはいけない体にしてやろう♥ ♥」
火竜山の洞窟に男女の嬌声が響き渡った。
おわり
14/08/28 20:07更新 / リキッド・ナーゾ