連載小説
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人間側の救援活動について
 魔物達の活動の前に、まずは我々人間が取った行動を簡単に記す事とする。
 
 より詳細な内容に関しては、レポート其の九、および其の十【大規模災害時における活動。その内容と反省について】を参照されたい。


☆我が国の行動

 騎士団伝令隊の活躍により、震災発生の事実を速やかに中央が把握。
 即座に自然災害対策本部が設置され、医師・看護師・治癒魔術師・騎士団などによって編成された救援部隊が、現地へ向け出発。

 また、騎士団同士の連絡網を用いて近隣諸国に援助を要請。
 同時に国王特別令により、会期中であった議会の無期限中断が宣言される。
 さらに、全ての街や村に震災発生を知らせる国王陛下直筆の書状を配布し、有志による無償奉仕隊の出動、長期保存食や医薬品の提供などを呼びかけた。

【共にこの国に暮らす私達の家族、仲間、友のため、あなたの力を貸してください。一粒の汗、一滴の水、一欠片のパンが、突然の厄災に嘆く人々を救うのです 〜 国王陛下の書状より抜粋】



☆近隣諸国、及び遠方の国々の行動

 我が国からの要請に対し、各国は〔自然災害相互援助協定〕に基づいた、迅速かつ的確な行動を開始してくれた。
 百年以上前に締結されたこの協定は、地震・水害・山火事・干ばつなど、自然の驚異にさらされた相手国を援助し、共に復興を目指すために生まれたものである。

【我らの良き隣人であり、友である彼らを救うため、諸君らの働きに期待する。人員、機材、食糧等の追加輸送は継続的に行う。そのためにも、細やかな情報の伝達を怠らないで欲しい 〜 派遣部隊に向けた、東の国の国王陛下訓示より抜粋】

【彼らの痛みは、私達の痛みでもあります。それを癒すためにも、どうか真心を尽くした仕事を行ってください。また、どんな時も礼節ある言動を忘れないよう、お願いいたします 〜 派遣医師団に向けた、西の国の女王陛下訓示より抜粋】



★反魔物国家の反応

 魔物を悪しく汚らわしい存在と考え、徹底抗戦と殲滅を是とする国々は、この震災を『人間としての誇りを失った者共に対する、天からの裁きである』と喜んだ。
 また、復興支援にかこつけ、軍隊の派遣を打診して来た国もあったが、国王陛下はこれを拒否。
 同時に、直視に堪えない言葉を並べ立てた新聞報道や声明に対して【深い悲しみと憤りの意】を表明、抗議のご意思を示された。

 なお、震災の混乱に乗じ、我が国へ特殊偵察部隊を忍び込ませようとした国もあったが、道中でエルフやアマゾネスなどに発見、攻撃、捕縛されたという。
 この際の出来事についても、後述するものとする。
10/07/27 11:29更新 / 蓮華
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■作者メッセージ
二ヶ月ぶりのSS投稿です。

読み切りでの投稿を想定して作ったこのお話ですが、
全体量と読みやすさを考え、連載形式を選択させていただきました。

ですので、連載形式でありながら一斉掲載。
最後まで一気にお読みいただけます。

このお話が、あなたのお気に召せば幸いです。
それでは、引き続きお楽しみくださいませ……。

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